本間社長ブログ

2026.09.24

【令和8年度】葛飾区の12条点検・外壁全面打診|報告年次の判定と提出先、打診調査の㎡単価

【令和8年度】葛飾区の12条点検・外壁全面打診|報告年次の判定と提出先、打診調査の㎡単価
本間 幸紘

著作者プロフィール

株式会社明誠 代表取締役

本間 幸紘

大規模修繕・外壁工事・ロープアクセス工事に関する情報を、現場経験をもとに分かりやすくお届けします。

葛飾区でマンションやビルを所有されている方から、この時期によくいただくご相談があります。「区から定期報告のお知らせは来ていないが、うちは対象なのか」「報告書は葛飾区役所に出せばいいのか」。

結論から申し上げると、葛飾区の建物であっても特定建築物の定期調査報告書の提出先は葛飾区役所ではありません。そして令和8年度に報告年次を迎えるかどうかは、建物の用途によって決まります。ここを取り違えたまま9月・10月を過ごし、報告期限の直前で慌てるケースを毎年見ています。

この記事では、令和8年度(2026年度)に葛飾区で定期報告の対象年を迎えるのはどの用途の建物か、外壁の全面打診が必要になる10年トリガーの数え方、そして立石・新小岩・金町といった葛飾区特有の街並みのなかで、打診調査を足場とロープアクセスのどちらで進めるべきかを、費用の目安まで含めて整理します。

私は本間幸紘と申します。東京都東大和市を拠点に、マンション・ビル・ホテルの大規模修繕を20年以上やってきました。葛飾区では立石、新小岩、金町、柴又、四つ木あたりの物件を数多く見てきました。制度の教科書的な解説ではなく、理事会やオーナーさまと実際に交わしている話をそのまま書きます。

更新日:2026年9月24日

結論:令和8年度に葛飾区で報告年を迎えるのは事務所・店舗系。共同住宅は令和9年度

先に結論を表でまとめます。

項目 内容
令和8年度の特定建築物定期調査の報告年次 用途コード30番台(事務所、物販店舗、飲食店、遊技場など)
報告期間 令和8年5月1日〜令和8年10月31日
共同住宅(用途コード40番台) 令和8年度は報告年次ではない(3年周期で、次は令和9年度)
特定行政庁 葛飾区(敷地内に延べ面積1万㎡を超える建築物がある場合は東京都)
特定建築物・防火設備の報告書の提出先 公益財団法人 東京都防災・建築まちづくりセンター 建築防災課(03-5989-1929)
葛飾区の相談窓口 都市整備部 建築課審査係(03-5654-8557/ファクス03-3697-1660)
外壁全面打診の周期 竣工または外壁改修からおおむね10年に一度

出典:葛飾区「建築物等の定期報告制度について」(更新日令和7年10月2日)、東京都都市整備局「3.定期報告対象建築物・建築設備等及び報告時期一覧」

この記事で答える質問

  • 令和8年度に葛飾区で12条報告が必要なのは、どんな用途の建物か
  • 報告書はどこに出すのか(葛飾区役所ではありません)
  • 外壁の全面打診が必要になるのはいつか。起算日はどう数えるか
  • 令和7年7月に施行された告示改正で、何が変わったのか
  • 立石・新小岩など葛飾区特有の街並みで、打診調査はどう進めるべきか
  • 打診調査は実際いくらかかるのか。足場とロープアクセスでいくら差が出るのか

建築基準法第12条とは:4種類の報告があり、提出先がそれぞれ違います

ここでつまずく方が非常に多いので、最初に整理します。

建築基準法第12条は、共同住宅、デパート、劇場、ホテルなど「大勢の人が利用するもので、火災が起こった場合に大惨事になる恐れのある建築物」(特定建築物)について、有資格者による定期的な調査・検査と、特定行政庁への報告を所有者・管理者に義務づけています。葛飾区は公式サイトでこの制度をそう説明しています。

報告は4種類に分かれ、葛飾区は公式サイトで提出先をそれぞれ明記しています。

種類 対象 提出先 電話 周期
特定建築物(調査) 敷地、一般構造、構造強度、防火・避難関係 東京都防災・建築まちづくりセンター 03-5989-1929 用途・規模により1〜3年
防火設備(検査) 防火戸、防火シャッター、耐火クロススクリーン等 東京都防災・建築まちづくりセンター 03-5989-1937 毎年
建築設備(検査) 機械換気設備、排煙設備、非常用照明、給排水設備 日本建築設備・昇降機センター 03-3591-2421 毎年
昇降機等(検査) エレベーター、エスカレーター等 東京都昇降機安全協議会 03-6304-2225 毎年

出典:葛飾区「建築物等の定期報告制度について」

外壁の打診調査が関わるのは、一番上の「特定建築物(調査)」だけです。ここを押さえてください。

エレベーターの保守業者から「12条の検査は終わっています」と言われても、それは昇降機等の定期検査であり、外壁の話は一切含まれていません。この混同のまま10年以上が過ぎていた葛飾区内の賃貸マンションを、私自身これまでに何件も見てきました。消防設備点検とも別の制度です。所管する法律も報告先も周期も別物ですので、混同しないようご注意ください。

葛飾区の窓口と、1万㎡が分かれ目になる所管の区分

葛飾区内の建物について、どこが所管するかは延べ面積で決まります。

建物の規模 所管
敷地内に延べ面積1万㎡を超える建築物がある場合 東京都 都市整備局 市街地建築部 建築企画課
上記以外(1万㎡以下) 葛飾区(特定行政庁)

出典:東京都都市整備局「3.定期報告対象建築物・建築設備等及び報告時期一覧」

葛飾区にある分譲マンション・賃貸マンション・中小ビルの大半は、1万㎡以下の枠に入ります。制度に関する相談窓口は葛飾区役所 都市整備部 建築課審査係(〒124-8555 葛飾区立石5-13-1 区役所3階305番窓口、電話03-5654-8557、ファクス03-3697-1660)です。区の建築関連の総合案内は建築関連総合窓口(区役所3階306番窓口、電話03-5875-6959)でも受け付けています。

ただし繰り返しますが、報告書そのものの提出先は葛飾区役所ではなく、新宿区西新宿の東京都防災・建築まちづくりセンター建築防災課(〒160-8353 新宿区西新宿7-7-30 小田急西新宿O-PLACE 2階、電話03-5989-1929)です。窓口・郵送・オンライン申請のいずれかで提出でき、部数は1部(控えが必要な場合は2部)となっています。

出典:葛飾区「建築物等の定期報告制度について」(更新日令和7年10月2日)

令和8年度に報告年次を迎えるのは、どの用途の建物か

東京都の特定建築物定期調査は、用途ごとに1〜3年の周期で報告年度が定められており、この報告年次のローテーションは葛飾区を含む都内共通の仕組みです。直近のサイクルでは次のように整理されています。

報告年度 主な対象用途
令和7年度 児童福祉施設、病院・診療所、学校、博物館・体育館など
令和8年度 事務所、物販店舗、飲食店、遊技場など(用途コード30番台)
令和9年度 共同住宅・寄宿舎(5階以上、延べ面積1,000㎡超)、高齢者・障がい者等就寝施設

出典:東京都都市整備局「3.定期報告対象建築物・建築設備等及び報告時期一覧」

つまり令和8年度に葛飾区で報告義務があるのは、店舗・事務所・飲食店・遊技場が入る建物が中心です。分譲マンション・賃貸マンションの多くは令和8年度は報告年次に当たらず、次の報告年次は令和9年度(令和9年5月1日〜10月31日)になります。ただし1階に店舗が入る複合用途のマンションは、用途構成によって判定が変わることがあるため、葛飾区建築課審査係に個別に確認することをおすすめします。

準備期間はおよそ7か月です。令和9年度の報告開始まで時間があるように見えますが、外壁の全面打診が必要な建物は調査会社の手配に時間がかかります。長期修繕計画の見直しと合わせて、いま理事会の議題に載せておくのがちょうどよいタイミングです。

外壁の全面打診が必要になるのは、いつからか

ここが本題です。

国土交通省は、外装仕上げ材等におけるタイル、石貼り等(乾式工法によるものを除く)、モルタル等の劣化および損傷の状況の調査について、平成20年国土交通省告示第282号で次のように定めています。

  • おおむね6か月から3年以内に一度:手の届く範囲の打診等
  • おおむね10年に一度:落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分の全面的な打診等

出典:国土交通省「定期報告制度における外壁のタイル等の調査について」

10年の起算日の数え方

実務での数え方はシンプルです。

状況 起算日
竣工後、一度も全面打診をしていない 竣工日(検査済証交付日が属する年度の翌年度4月1日を起算点とする実務運用が一般的)
前回、全面打診を実施した 前回の全面打診の実施日
外壁の全面改修工事(塗替え・タイル張替え等)を行った その改修工事の完了日

この起算日から10年を超えた後の、最初の報告時期に全面打診が必要になります。逆に言えば、大規模修繕で外壁を全面改修すれば、そこから10年のカウントがリセットされます。大規模修繕と12条点検のタイミングを合わせると、調査費用と足場費用の二重払いを避けられます。理事会で必ず検討してほしい論点です。

なお、令和4年1月18日付けで平成20年国土交通省告示第282号が一部改正され、無人航空機(ドローン)による赤外線調査であって、テストハンマーによる打診と同等以上の精度を有するものが調査方法として明確化されました。ただし現場感覚で言うと、ドローン赤外線は形状が単純で周囲に十分な離隔があり、日射条件が整った建物で威力を発揮します。葛飾区に多い、隣地との隙間が狭い中層マンションでは条件が合わないことも少なくありません。明誠ではドローンを使った外壁調査とロープアクセスによる直接打診を、建物ごとに使い分けています。

令和7年7月施行の告示改正で、調査項目と判定基準が変わりました

葛飾区は公式サイトの定期報告制度ページで、次の改正を案内しています。

  • 令和6年国土交通省告示第974号(令和6年6月28日公布、令和7年7月1日施行)
  • 令和7年国土交通省告示第53号(令和7年1月29日公布、令和7年7月1日施行)

これにより、定期調査・検査等の項目、事項、方法および結果の判定基準、ならびに調査結果表等の見直しが行われました。実務上の意味はひとつです。令和7年7月1日以降に実施する調査は、新しい判定基準と新しい様式で行う必要があるということ。前回報告時の書式をそのまま使い回すと差し戻されます。調査会社に見積を依頼するときは「令和7年7月施行の改正後の様式・判定基準に対応していますか」と一言確認してください。

出典:葛飾区「建築物等の定期報告制度について」、東京都都市整備局「2.定期調査・検査制度改正の内容」

葛飾区の街並みと、12条点検・大規模修繕への影響

葛飾区の建物事情も押さえておきます。

葛飾区は立石、新小岩、金町、柴又、四つ木、堀切といったエリアに、昭和期から平成初期にかけて建てられた中低層のマンション・ビルが密集して残る、いわゆる「下町」の性格が色濃いまちです。とりわけ京成立石駅の周辺は、狭あいな道路と老朽建築物が密集する市街地として長年知られており、区は立石駅北口地区第一種市街地再開発事業を進めています。区画整理後の東西街区では36階建ての複合施設(住宅・商業・区役所新庁舎機能)の新築工事が令和7年11月に着工しており、今後も駅周辺の建て替え・再整備が続きます。

出典:葛飾区「立石駅北口地区第一種市街地再開発事業」、東京都都市整備局「立石駅北口地区第一種市街地再開発事業」

一方で、再開発区域の外側に残る既存の分譲マンション・賃貸ビルは、建て替えではなく大規模修繕と12条点検で建物を維持していく選択が現実的です。私が葛飾区の物件を見て感じるのは、次の2つの傾向です。

  • 立石・四つ木・堀切:狭あいな道路に接する中低層の建物が多く、足場の設置スペースを確保しづらい現場が目立ちます。資材搬入路の調整だけで工程が数日ずれることもあります。
  • 金町・新小岩・柴又:金町駅前の再開発で生まれた比較的新しい高層マンションと、昔ながらの中規模マンションが混在し、建物ごとに求められる調査・修繕のフェーズが大きく異なります。

こうした「道路が狭い」「隣地との距離が近い」「敷地に余裕がない」という葛飾区特有の条件は、まさにロープアクセス工法が力を発揮する場面です。屋上から産業用ロープで降下して直接打診するため、足場の設置スペースや資材搬入路の確保に悩まされません。工法の技術的な背景については、同業者・加盟希望者向けの姉妹サイトロープアクセスドットコムで詳しく解説しています。

葛飾区で外壁全面打診を進めるときの3つの工法

全面打診には「手が届かない高所までアクセスする手段」が必要です。選択肢は実質3つです。

工法 概要 葛飾区での向き・不向き
仮設足場 建物全周に足場を組む 敷地に余裕がある建物、大規模修繕と同時実施の場合に有利
ロープアクセス(無足場工法) 屋上から産業用ロープで降下して直接打診 狭あい道路に接する物件、調査だけを先行したい場合に有利
ハイブリッド工法 部位ごとに足場とロープアクセスを使い分け 低層部は足場、高層部・狭隘部はロープ。総合コストを最適化できる

株式会社明誠は、この3工法をすべて自社の判断で提案できる、日本でも数少ない会社です。発注者側の視点での整理は明誠のロープアクセス工法のページを、明誠の理念と工法選定の考え方は明誠の理念のページをご覧ください。

費用の目安:打診調査の㎡単価と、足場との差額

金額の話をします。実際の見積は建物の規模・形状・立地で大きく変動するため、あくまで目安・レンジとしてお読みください。

打診調査そのものの単価

項目 単価の目安
外壁全面打診調査 250〜500円/㎡
外壁塗装(大規模修繕時) 3,500〜4,500円/㎡
屋上防水 5,000〜8,000円/㎡

足場とロープアクセスの差額(モデルケース)

葛飾区によくある「10階建て・外周80m・工期3か月」のマンションを想定した参考値です。

項目 仮設足場 ロープアクセス
仮設費用の目安 約168万円 約59万円
差額 — ▲約109万円
調査だけの工期 足場架設・解体を含めて数週間 数日〜1週間程度
居住者への影響 窓が塞がれる、洗濯物が干せない、防犯面の不安 該当面の作業時間帯のみ

30戸規模のマンションの大規模修繕は総額3,500〜5,000万円程度、そのうち仮設足場が15〜25%を占めます。調査のためだけに足場を組むかどうかは、この比率を見れば判断材料になります。料金の考え方は明誠の料金に対する考え方にまとめています。

ただし、足場が正解になるケースも確実にあります。 打診調査と同時に大規模修繕を実施するなら、足場を一度組んで全工程を終わらせたほうが総額は下がります。「調査だけ先に、修繕は2〜3年後に」という段階的な進め方をするときに、ロープアクセスの費用対効果が最も大きくなります。ここを取り違えないでください。工法ごとの単価の考え方や技術基準は、姉妹サイトロープアクセスドットコムでも公開しています。

安全と品質をどう担保するか

高所作業である以上、安全管理が品質の前提です。

株式会社明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法での高所作業について、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業では過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。作業員はIRATA(国際産業ロープアクセス協会)水準の技能訓練を受けており、明誠は日本ロープ高所作業協会の事務局も担当しています。

また明誠は、日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部として、塗装・防水・タイル・電気・看板の各分野の専門職に加盟いただいています。打診で不具合が見つかった後、補修まで同じ体制で一貫して対応できるのはこのためです。安全管理の具体的な取り組みは明誠の安全管理の考え方を、訓練体制や技術基準の詳細はロープアクセスドットコムをご覧ください。

明誠のこれまでの施工事例は明誠の施工事例からご覧いただけます。

葛飾区で打診調査を依頼する前のチェックリスト

理事会やオーナーさまにお渡ししている確認項目です。

  1. 建物の用途コードは何番台か(令和8年度は30番台が報告年次)
  2. 検査済証の交付日はいつか
  3. 前回の全面打診の実施日、または外壁の全面改修工事の完了日はいつか
  4. 見積が令和7年7月施行の改正後の様式・判定基準に対応しているか
  5. 打診調査の見積は㎡単価で提示されているか(一式表記は比較できません)
  6. 仮設費用が足場前提かロープアクセス前提か、内訳で分かれているか
  7. 打診で不具合が出た場合の補修工事の単価まで提示されているか
  8. 大規模修繕の実施予定時期と、調査時期を揃えられないか検討したか
  9. 建物が狭あい道路に接しているか(足場架設に支障がないか)

特に5番と6番です。「外壁調査一式」としか書かれていない見積書は、他社と比較できません。㎡単価と数量で出してもらってください。

よくあるご質問

Q. 葛飾区の建物ですが、報告書は区役所に持って行けばいいですか?

A. いいえ。特定建築物と防火設備の報告書の提出先は、公益財団法人 東京都防災・建築まちづくりセンター(新宿区西新宿7-7-30 小田急西新宿O-PLACE 2階、03-5989-1929)です。葛飾区建築課審査係(03-5654-8557)は、制度の問い合わせ窓口という位置づけです。

Q. 令和8年度にうちのマンションは報告が必要ですか?

A. 共同住宅(用途コード40番台、5階以上・延べ面積1,000㎡超)は3年周期で、令和8年度は報告年次ではありません。次の報告年次は令和9年度(令和9年5月1日〜10月31日)です。ただし店舗や事務所が併設された複合用途の建物は判定が変わることがあるため、葛飾区建築課審査係へお問い合わせください。

Q. 外壁の全面打診の費用はいくらかかりますか?

A. 打診調査そのものは250〜500円/㎡が目安です。これに高所へのアクセス費用が加わります。10階建て・外周80mの建物で、仮設足場なら約168万円、ロープアクセスなら約59万円が参考値で、差額は約109万円です。物件の形状や立地で変動しますので、無料で概算のお見積りをお出しします。

Q. ロープアクセスだと打診の精度は落ちませんか?

A. 落ちません。ロープアクセスは作業員が壁面に直接張り付いてテストハンマーで打診するため、足場上の打診とまったく同じ直接打診です。むしろ足場の布板の位置に縛られないぶん、目地際や開口部まわりなど確認したい箇所へ自由に寄れます。

Q. 立石や四つ木のような狭あい道路の物件でも打診調査はできますか?

A. できます。むしろ道路が狭く足場の設置スペースが確保しにくい物件ほど、屋上から降下するロープアクセスが向いています。事前に建物の高さ・形状・屋上の設備配置を確認すれば、多くの現場で対応可能です。

Q. 工期はどれくらい短くなりますか?

A. 調査だけであれば、足場は架設と解体を含めて数週間かかるのに対し、ロープアクセスは数日〜1週間程度で完了します。修繕工事まで含めた場合も、ロープアクセス工法は足場工法のおおむね60%程度の工期が目安です。

Q. 報告を出さないとどうなりますか?

A. 建築基準法第12条に基づく報告は所有者・管理者の法的義務です。報告をしなかった場合や虚偽の報告をした場合には、同法に罰則の定めがあります。それ以上に、外壁タイルが落下して通行人に当たれば、所有者が工作物責任を問われます。葛飾区は商店街や住宅密集地に面した中低層のマンション・ビルが多いエリアです。リスクの所在を具体的に考えてみてください。

まとめ:葛飾区の12条点検で、今日決められること

  • 令和8年度の報告年次は用途コード30番台(事務所・店舗・飲食店等)、期限は令和8年10月31日
  • 共同住宅の次の報告年次は令和9年度。準備期間はおよそ7か月
  • 報告書の提出先は葛飾区役所ではなく東京都防災・建築まちづくりセンター
  • 外壁全面打診は竣工または外壁改修から10年。大規模修繕で起算日はリセットされる
  • 令和7年7月1日施行の告示改正に対応した新様式・新判定基準での調査が必要
  • 立石・四つ木など狭あい道路の多いエリアでは、足場スペースの制約がロープアクセス選定の判断材料になる
  • 調査単価は250〜500円/㎡。足場とロープアクセスの仮設費差は約109万円が参考値

葛飾区の物件で「うちは足場とロープアクセスのどちらが得か」を判断したい方は、建物の階数・外周長・竣工年・前回調査時期の4点をお知らせください。概算の比較表をお出しします。ご相談は明誠のお問い合わせフォームから承ります。管理組合の皆さま向けの進め方は管理組合向けサービスのページ、収益物件をお持ちのオーナーさま向けにはオーナー向けサービスのページもご用意しています。

本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月24日時点で公表されている葛飾区および国土交通省・東京都の公式情報をもとに執筆しています。葛飾区の「建築物等の定期報告制度について」のページは更新日が2026年10月2日(令和7年10月2日)ですが、令和8年度の運用について今後変更が生じる可能性があります。制度は年度途中でも改正があり得ます。実際に報告される前に、必ず葛飾区建築課審査係(03-5654-8557)および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。

参考にした一次情報

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年9月24日

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