本間社長ブログ

2026.09.25

足立区の管理組合が無料で使える相談・派遣12選|マンション管理アドバイザー派遣は年12時間無料、耐震改修工事は上限3000万円を助成【令和8年度版】

足立区の管理組合が無料で使える相談・派遣12選|マンション管理アドバイザー派遣は年12時間無料、耐震改修工事は上限3000万円を助成【令和8年度版】
本間 幸紘

著作者プロフィール

株式会社明誠 代表取締役

本間 幸紘

大規模修繕・外壁工事・ロープアクセス工事に関する情報を、現場経験をもとに分かりやすくお届けします。

2026年9月25日 更新

先月、竹の塚エリアの分譲マンションの理事さまからお電話をいただきました。

「築38年、7階建て・52戸の建物で、2回目の大規模修繕をそろそろ本気で考え始めている。ただ、修繕委員会もまだ立ち上がっておらず、管理会社の提案をそのまま鵜呑みにしていいのか判断がつかない」

伺うと、長期修繕計画は15年近く前に一度作られたきり、専門家の目で見直されていない状態でした。修繕積立金の水準が今後の工事に対して足りているのかどうかも、理事会の誰も正確には把握していませんでした。

私はこの手のご相談を受けるたびに、同じことを思います。足立区の管理組合には、実はお金をかけずに使える専門家派遣や相談窓口がかなり揃っているのに、その情報が理事会まで届いていない、と。特に足立区は、マンション管理アドバイザー派遣を区が独自に、年間最大12時間まで完全無料で提供しています。東京都の助成を介した「自己負担が一部残る」タイプの制度が多い中で、これは23区内でも手厚い部類に入ります。

申し遅れました。私は株式会社明誠の本間幸紘と申します。東京都東大和市を拠点に、20年近くマンション・ビル・ホテルの外壁の仕事をしてきました。足場を組んで建物をすっぽり囲う工事も、ロープ1本でぶら下がる無足場の工事も、どちらの現場も自分の足で踏んできた人間です。

今日は、足立区の管理組合とビル・収益不動産オーナーさまが使える相談・派遣を12個、令和8年度(2026年4月1日から2027年3月31日まで)の一次情報で整理します。


結論:足立区で使える支援は12ある

先に一覧でお示しします。費用ゼロのものと、費用の一部が助成で戻るものを分けて並べました。

# 制度・窓口 誰が対応するか 費用 申込先
1 分譲マンション管理アドバイザー派遣制度 マンション管理士 無料(年間最大12時間または2名派遣で6時間) 建築室住宅課住宅計画係 03-3880-5963
2 東京都マンションアドバイザー無料派遣(管理状況届出制度) マンション管理士等 無料(1回、管理不全兆候ありは5回まで) 東京都防災・建築まちづくりセンター 03-5989-1453
3 分譲マンション向けマンション管理士無料派遣(防災力向上・認知症対応) マンション管理士 無料(各テーマ2回まで) 東京都住宅政策本部マンション課 03-5320-5004
4 分譲マンション出張相談会 マンション管理士 無料(要予約・区内5会場、年8回) 建築室住宅課住宅計画係 03-3880-5963
5 建築物等耐震アドバイザー派遣制度 建築士 費用は窓口へ要確認(区の派遣制度) 建築防災課耐震化推進第一・第二係 03-3880-5317
6 耐震診断・改修計画策定・改修工事費用の助成(非木造共同住宅) - 診断5割(上限500万円)、計画策定5割(上限300万円)、工事5割(上限3000万円) 同上
7 不動産相談(予約制) 宅地建物取引士 無料(1件35分以内) 区民の声相談課 03-3880-5359
8 法律相談(予約制) 弁護士 無料(1件40分以内) 区民の声相談課 03-3880-5359
9 消費生活相談 消費生活相談員 無料 足立区消費生活センター 03-3880-5380
10 東京都 分譲マンション総合相談窓口 都職員・専門相談員 無料 03-6427-4900
11 (公財)マンション管理センター 電話相談 専門相談員 無料 運営03-3222-1517/設備03-3222-1519
12 一般社団法人マンション管理業協会 相談窓口 専門相談員 無料 050-3733-8982

1〜12が、お金のかからない、あるいは費用の大半が助成で戻る相談・派遣です。このほかに、区の手数料自体は無料でもシステム利用料だけが別途かかる「マンション管理計画認定制度」があるので、記事の後半で別枠でご紹介します。順番に見ていきます。


足立区独自のマンション管理アドバイザー派遣は年12時間まで無料

足立区でマンション管理士に相談したいとき、実は入り口が複数あります。ひとつは足立区が自前で用意している完全無料の派遣制度、もうひとつは東京都が直接派遣する無料制度、そして年8回の出張相談会です。私はいつも理事長さまに「まず一番使いやすい窓口から手をつけてください」とお伝えしています。

1. 分譲マンション管理アドバイザー派遣制度

足立区が独自に実施している、マンション管理士の派遣制度です。

項目 内容
対象 区内分譲マンションの管理組合
費用 無料
派遣内容 マンション管理士が1時間単位で対応。年間最大12時間(1名派遣)または6時間(2名派遣)まで利用可能
申込方法 電話またはオンライン申請システムで仮予約→派遣マンション管理士と日程調整→申込書を窓口に提出して本申込
主な条件 派遣希望日の2週間以上前に仮予約、理事長が申込者、区分所有者2名以上の参加が必須、訴訟中・紛争案件は対象外
申込先 建築室住宅課住宅計画係 03-3880-5963(平日9時〜16時)

(出典:足立区「分譲マンション管理アドバイザー派遣制度」、更新日2025年4月1日)

年間12時間という枠は、決して小さくありません。私の経験上、長期修繕計画の見直しだけなら2〜3時間、総会資料のチェックまで含めても1回2時間程度で済むケースが多いので、複数回に分けて使い切る管理組合がほとんどです。総会前の議案整理、修繕積立金の妥当性チェック、管理規約の見直しなど、テーマを変えて何度も呼べるのがこの制度の強みです。

2. 東京都マンションアドバイザー無料派遣(管理状況届出制度)

こちらは区を通さず、東京都防災・建築まちづくりセンターに直接申し込む完全無料の制度です。

項目 内容
対象 昭和58年12月31日以前に新築された、独立部分6戸以上の分譲マンションで、管理状況届出が受理された管理組合
派遣回数 通常は1回まで無料、管理不全の兆候があるマンションは5回まで無料
申込方法 申込書をFAX・メール・郵送のいずれかで提出
申込先 東京都防災・建築まちづくりセンター まちづくり推進課 03-5989-1453

(出典:東京都防災・建築まちづくりセンター「マンションアドバイザー無料派遣」)

「管理状況届出」というのは、管理組合の運営体制や修繕積立金の状況などを都に定期的に報告する制度のことです。届出さえ済ませておけば、この無料派遣の対象になります。まだ届出をしていない管理組合は、まずこの届出から着手するのが近道です。足立区独自の派遣制度と、この都の無料派遣は別枠として扱われますので、条件が合えば両方使うことも可能です。

3. 分譲マンション向けマンション管理士無料派遣(防災力向上・認知症対応)

令和8年度に東京都が新たに始めた制度で、防災力の向上と、区分所有者の高齢化・認知症対応というテーマに特化してマンション管理士を無料で派遣します。

項目 内容
対象 都内の分譲マンション管理組合
派遣回数 防災力向上・認知症対応、それぞれ2回まで無料(過去年度分も上限に含む)
受付期間 令和8年6月23日から令和9年2月26日まで
募集件数 2テーマ合わせて都内160件程度
申込方法 東京都マンション管理士会のホームページから申込
申込先 東京都住宅政策本部民間住宅部マンション課 03-5320-5004

(出典:東京都マンションポータルサイト「分譲マンション向けマンション管理士無料派遣」)

足立区は荒川と綾瀬川に挟まれ、区内に低地帯を抱える区です。水害への備えは他区以上に切実なテーマで、実際に私も現場で理事長さまから「1階の電気室が浸水想定区域に入っているが、対策を後回しにしている」というお話を伺ったことがあります。防災力向上のテーマでこの制度を使えば、備蓄計画や垂直避難の動線づくりまで、専門家の視点で整理してもらえます。株式会社明誠がどのような理念で大規模修繕に向き合っているかは、明誠の理念にまとめています。

4. 分譲マンション出張相談会

区内5か所の会場を巡回する、マンション管理士による出張相談会です。

項目 内容
開催頻度 年8回(令和8年度)
会場 区役所本庁舎、梅田地域学習センター、生涯学習センター、西新井住区センター、足立区勤労福祉会館(綾瀬プルミエ)
内容 ミニセミナー60分+相談会60分(1組あたり最大60分)
対応専門家 マンション管理士
予約 必須(事前申込制)
申込先 建築室住宅課住宅計画係 03-3880-5963(平日9時〜16時)

(出典:足立区「分譲マンション出張相談会開催のお知らせ」、更新日2026年4月3日)

派遣制度は書類のやり取りが発生しますが、この出張相談会は自宅や勤務先に近い会場を選べる手軽さが利点です。ミニセミナーで制度の全体像を聞いてから、個別相談で自分の建物固有の悩みを聞く、という2段構えになっているのも初めての方には安心材料になると思います。

外壁の劣化がどの程度進んでいるかを客観的に把握する方法については、明誠のロープアクセス工法による外壁調査のご紹介をご覧いただくと、足場を組まずにどこまで見られるのかが分かります。技術的な仕組みそのものをもう少し深く知りたい方は、同業者向けに書いている姉妹サイトロープアクセスドットコムのほうが詳しいです。


建築士派遣と非木造建築物の耐震助成:工事費用は上限3000万円

5. 建築物等耐震アドバイザー派遣制度

資格を持つ建築士が派遣され、建物やブロック塀の調査、相談、改善方法の提案を行う制度です。

項目 内容
対象 区内の建築物、および道路に面する高さ1.2mを超えるブロック塀
対応者 建築士のアドバイザー
費用 区のページに費用の明記はありません。申込時に窓口へ直接ご確認ください
申込方法 オンライン申請システム、または郵送・窓口での申込書提出(代理申請は委任状が必要)
申込先 建築室建築防災課耐震化推進第一・第二係 03-3880-5317

(出典:足立区「建築物等耐震アドバイザー派遣制度」、更新日2026年9月1日)

正直に申し上げます。この制度については区の公式ページに費用の記載が見当たらず、私の立場で「無料です」と断定することはできません。ただ、この種の派遣制度は自治体側の予算で運営されるのが一般的です。申込前に一本、電話で費用の有無を確認されることをおすすめします。

6. 耐震診断・改修計画策定・改修工事費用の助成(非木造共同住宅)

昭和56年5月以前に建築された非木造(鉄筋コンクリート造・鉄骨造など)の共同住宅・特定建築物を対象に、診断から工事まで段階ごとに助成があります。

工程 助成の考え方(共同住宅)
耐震診断 診断費用の5割、上限500万円(住宅戸数×10万円以下)
耐震改修計画策定 診断で不足判定を受けた場合、策定費用の5割、上限300万円
耐震改修工事 工事費用の5割、上限3000万円
除却工事 費用の9割、上限200万円

(出典:足立区「非木造住宅・建築物の耐震化に助成を行っています」、更新日2026年4月2日)

耐震改修工事の助成上限が3000万円というのは、23区の中でも相当に手厚い水準です。私の経験上、これは大規模修繕を検討する管理組合にとって見落としがちな話です。「大規模修繕=外壁や防水の話」だと思い込んでいる理事さまが多いのですが、昭和56年5月以前に建築確認を取得した建物であれば、耐震診断・改修の助成もあわせて使えないか、同じタイミングで確認しておくべきです。2回目・3回目の大規模修繕は、多くの建物で耐震性能の再確認が必要になる時期と重なります。

現場で20年やってきて、私が一番悔しい思いをするのは、こうした無料・助成の窓口があることを知らないまま、割高な見積りをそのまま受け入れてしまう管理組合を見たときです。株式会社明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法での高所作業について、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業では過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。作業員はIRATA(国際産業ロープアクセス協会)水準の技能訓練を受けており、この安全体制の詳細はロープアクセスドットコムで公開しています。足場を組む工事とロープアクセス工法(無足場工法)、どちらも中立的にご提案できる立場だからこそ申し上げますが、複数の視点から意見を聞く癖をつけておくと、後々の判断が楽になります。目安として、10階建て・外周80m・工期3ヶ月程度の建物であれば、足場費用は約168万円かかるところ、ロープアクセス工法なら約59万円程度に収まるケースがあります(建物の形状・現況により変動します)。耐震改修とあわせて外壁の点検・補修まで検討する場合、この差が総工費に与える影響は小さくありません。


不動産相談・法律相談・消費生活相談:契約とトラブルへの備え

管理会社の変更や大規模修繕の契約、区分所有者間のトラブル、悪質な訪問業者への対応など、法律や不動産の知識が必要になる場面も少なくありません。

7. 不動産相談(予約制)

宅地建物取引士による相談です。管理会社の契約内容や、賃貸オーナーとしての疑問にも対応してもらえます。

項目 内容
開催頻度 毎月第1・3水曜日
時間 午後1時〜4時(1件35分以内)
対象 区内在住・在勤・在学の方
場所 足立区役所北館2階 区民の声相談課
予約 電話予約(平日8時30分〜17時15分)
申込先 03-3880-5359

(出典:足立区「不動産相談(予約制)」、更新日2026年6月19日)

8. 法律相談(予約制)

項目 内容
開催頻度 平日(月〜金)、第2土曜日、第4日曜日(祝日・年末年始を除く)
時間 平日午前9時〜正午・午後1時〜4時、第2土曜午前9時30分〜午後0時30分(1件40分以内)
対象 区内在住・在勤・在学の方
相談方法 窓口、電話、オンライン(オンラインは午後2時30分開始のみ)
場所 足立区役所北館2階 区民の声相談課
予約 電話または窓口(平日8時30分〜17時15分)
申込先 03-3880-5359

(出典:足立区「法律相談(予約制)」、更新日2026年6月19日)

理事個人が対象となる制度ですが、管理費滞納の督促方法や、規約違反者への対応など、実務的な相談に対応してもらえます。なお、足立区に限らず全国どこからでも使える窓口として、収入・資産が一定額以下の方は法テラス・サポートダイヤル(0570-078374、平日9時〜21時・土曜9時〜17時)を使うと、その後の弁護士費用の立替え制度まで視野に入れて相談できます。

9. 消費生活相談

項目 内容
相談時間 月曜日〜金曜日 午前9時〜午後4時45分(祝日・年末年始を除く)
費用 無料(通話料・通信費は自己負担)
対象 足立区内在住・在勤・在学の個人(事業者は対象外)
相談方法 電話、来所、オンライン(Web会議)、外国語対応のテレビ通訳
申込先 足立区消費生活センター 03-3880-5380

(出典:足立区「消費生活相談」、更新日2025年2月1日)

修繕工事の訪問業者から強引な契約を迫られた、というご相談は足立区に限らずどこの管理組合からも聞く話です。「今日契約すれば特別価格」という営業トークが出た時点で、その場で契約せず、まず消費生活センターに一本電話を入れる。それだけで防げるトラブルは相当数あります。


都道府県・国の相談窓口を重ねて使う

区の窓口だけでなく、東京都や国レベルの相談窓口も無料で使えます。足立区の窓口が混み合っている、あるいはより専門的な意見が欲しいという場合は、こちらも選択肢に入れてください。

10. 東京都 分譲マンション総合相談窓口

項目 内容
相談内容 管理組合運営、改修・建替えの合意形成、大規模修繕工事の検討、助成制度の紹介など
相談時間 月〜金曜日、第1土曜日、第3日曜日(午前9時〜午後5時、水曜のみ午後7時まで)
費用 無料
相談方法 電話・来所(要予約)・メール・FAX・Web会議(Zoom、1週間前までに要予約)
申込先 03-6427-4900

(出典:東京都マンションポータルサイト「分譲マンション総合相談窓口」)

11. (公財)マンション管理センター 電話相談

国土交通大臣・都道府県知事指定の公益財団法人で、全国のマンション管理組合からの相談を受け付けています。

項目 内容
相談内容 管理組合運営・管理規約に関する相談、建物・設備の維持管理に関する相談
電話番号 運営・規約相談 03-3222-1517/建物・設備相談 03-3222-1519
相談時間 月〜金曜日(祝日・年末年始を除く)午前9時30分〜午後5時
費用 無料

(出典:(公財)マンション管理センター「相談窓口について」)

12. 一般社団法人マンション管理業協会 相談窓口

マンション管理会社の業界団体で、管理会社との契約や委託業務に関するトラブル相談を受け付けています。

項目 内容
電話番号 050-3733-8982
相談時間 平日午前10時〜午後4時30分(正午〜午後1時を除く)
費用 無料

(出典:一般社団法人マンション管理業協会「相談業務」)

私はこれを、必ずワンセットで提案するようにしています。管理会社側の言い分だけでなく、管理業協会や管理センターという中立的な立場の相談先も持っておくと、理事会としての判断に自信が持てます。


マンション管理計画認定制度(唯一、少額の費用がかかる制度)

ここまでご紹介してきた12の窓口はすべて無料でした。最後にご紹介する管理計画認定制度だけは、区への申請手数料自体は無料ですが、(公財)マンション管理センターのシステム利用料が別途かかります。

項目 内容
区への申請手数料 当面のあいだ無料(変更認定申請を含む)
システム利用料等 (公財)マンション管理センターへ別途必要(金額は同センターへ要確認)
審査期間の目安 新規申請でおよそ30日間
申込先 建築室住宅課住宅計画係 03-3880-5963
センター問合せ先 (公財)マンション管理センター 03-6261-1274

(出典:足立区「マンション管理計画認定制度について」、更新日2026年4月1日)

マンション管理計画認定制度は、長期修繕計画や管理組合の運営状況が一定の基準を満たしていることを行政が認定する仕組みです(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。認定を取得すると、住宅金融支援機構のフラット35で金利が優遇されるなど、区分所有者にもメリットが及びます。システム利用料の具体的な金額は申請方法(オンラインか紙か)によっても変わるため、申請を検討する段階になったら、まず住宅計画係かマンション管理センターに事前相談されることをおすすめします。


何を持っていけばいいか:相談前に揃えたい3点セット

どの窓口に行くにしても、手ぶらで行くと専門家も的確なアドバイスがしづらくなります。私がいつもお伝えしているのは、次の3点です。

1. 総会議事録(直近2〜3年分)

管理組合としての意思決定の経緯が分かる資料です。過去にどんな議論があったかを把握してもらうことで、相談時間を有効に使えます。

2. 長期修繕計画書

現在の修繕積立金の水準が、今後の工事に対して足りているかどうかを判断する基礎資料です。作成年が古い場合は、その旨を正直に伝えてください。

3. 管理規約

区分所有者間のルールが分かる資料です。滞納対応や違反行為への対応を相談する際には必須です。

この3点があれば、マンション管理アドバイザーでも、建築士でも、弁護士でも、初回の相談だけでかなり具体的な話ができます。


よくあるご質問

Q. 足立区のマンション管理アドバイザー派遣は、本当に無料ですか?

A. はい、無料です。年間最大12時間(1名派遣)または6時間(2名派遣)まで利用でき、テーマを変えて複数回に分けて使うこともできます。申込先は建築室住宅課住宅計画係(03-3880-5963)です。

Q. 足立区独自の派遣制度と、東京都の無料派遣はどう違いますか?

A. 足立区の制度は区内分譲マンションの管理組合であれば利用でき、年間12時間まで何度でも呼べます。東京都の無料派遣(管理状況届出制度)は対象建物と回数(原則1回、管理不全の兆候があれば5回)に制限があります。両方の条件を満たせば、併用を検討する価値があります。

Q. 耐震改修工事の助成上限3000万円は、どのマンションでも使えますか?

A. 昭和56年5月以前に建築確認を取得した非木造(鉄筋コンクリート造・鉄骨造など)の共同住宅が対象です。まずは建築室建築防災課耐震化推進第一・第二係(03-3880-5317)に、ご自身の建物が対象になるかを確認するのが最初の一歩です。

Q. 不動産相談と法律相談は、どちらを使えばいいですか?

A. 管理会社との契約内容や賃貸に関する実務的な疑問は宅地建物取引士による不動産相談、管理費滞納の督促や規約違反者への対応など法的な判断が必要な場面は弁護士による法律相談が向いています。迷ったときは区民の声相談課(03-3880-5359)に相談内容を伝えれば、適切な窓口を案内してもらえます。

Q. マンション管理計画認定制度を取ると、具体的にどんなメリットがありますか?

A. 住宅金融支援機構のフラット35で金利優遇が受けられるなど、区分所有者個人にもメリットが及びます。区への申請手数料は当面のあいだ無料で、別途マンション管理センターのシステム利用料がかかります。

Q. 大規模修繕の工期は、工法によってどれくらい違いますか?

A. ロープアクセス工法は足場の組立・解体の期間がまるごと不要になるため、足場工法のおよそ60%の工期が目安です。10階建て・外周80mのマンションであれば、足場工法で3か月程度のところ、ロープアクセスなら1.5〜2か月程度になります。ただし改修範囲が広い場合は差が縮まります。

Q. 管理会社を通さずに、明誠に直接相談してもいいのでしょうか?

A. もちろんです。セカンドオピニオンとしてお使いいただくケースが一番多いです。既存の見積書を拝見して、数量と単価の妥当性を一緒に確認するだけでも結構です。お問合せフォームからご連絡ください。


まとめ:今週、足立区の管理組合が動けること3つ

長くなりましたので、動き出しの3手に絞ります。

1. 建築室住宅課住宅計画係(03-3880-5963)に電話して、マンション管理アドバイザー派遣の年12時間枠を確認する

まだ一度も使っていない管理組合が大半です。まずは仮予約だけでも動かしてみてください。

2. 自分の建物が昭和56年5月以前に建築確認を取得しているか確認する

該当すれば、耐震アドバイザー派遣の相談対象になり、耐震診断・改修設計・改修工事の助成(工事は上限3000万円)も視野に入ります。

3. 管理状況届出を済ませているか確認し、済んでいなければ届出を進める

届出さえ済ませておけば、東京都のマンションアドバイザー無料派遣(1〜5回無料)の対象になります。


足立区は、竹の塚・西新井のような中規模マンションから、北千住・綾瀬駅周辺の大規模マンションまで、建物のタイプが幅広い区です。荒川・綾瀬川に挟まれた低地帯という土地柄もあり、防災という切り口が他区以上に大きな意味を持ちます。だからこそ、「よその管理組合がこうしたから」ではなく、自分の建物の構造と築年、そして立地のリスクを自分たちで把握することが効いてきます。

そして、その第一歩にかかるお金は、足立区の場合ほとんどゼロにできます。区のマンション管理アドバイザー、都のマンション管理士、建築士、弁護士、消費生活センター。これだけ呼んでも、支出は郵送代と電話代くらいのものです。

私は現場でこう思うことがあります。管理組合が損をするのは、悪い業者に当たったときよりも、相談しないまま時間だけが過ぎたときのほうがずっと多い、と。外壁の浮きも、防水の切れも、待っていて良くなることはありません。

明誠のこれまでの明誠の施工事例もあわせてご覧いただければ、実際にどんな建物でどんな判断をしてきたかが伝わると思います。マンション・ビルの管理組合さまはマンション管理組合さま向けサービスのご案内もご参照ください。ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。


出典・参考資料


本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月25日時点で公表されている東京都足立区および国土交通省・東京都の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず東京都足立区および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。


この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)

株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市

マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年9月25日

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