本間社長ブログ

2026.09.29

立川市のマンション管理計画認定制度|申請手数料4,100円+加算1,800円、管理センター経由の申請が前提【2026年度版】

立川市のマンション管理計画認定制度|申請手数料4,100円+加算1,800円、管理センター経由の申請が前提【2026年度版】
本間 幸紘

著作者プロフィール

株式会社明誠 代表取締役

本間 幸紘

大規模修繕・外壁工事・ロープアクセス工事に関する情報を、現場経験をもとに分かりやすくお届けします。

結論:立川市で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか

先に結論です。立川市でマンション管理計画認定を新規に申請する場合、市への手数料は基本手数料4,100円で、長期修繕計画が複数ある場合は1計画ごとに加算手数料1,800円がかかります(出典:立川市「マンション管理計画認定制度」。同ページの更新日は2024年4月22日と表示されており、令和8年度の運用は窓口で再確認が必要です)。立川市は独自の上乗せ基準を設けず、国の基準をそのまま使っています。

申請の進め方も特徴的です。市の案内では、公益財団法人マンション管理センターの事前確認を受けて適合証を取得し、「管理計画認定手続支援システム」から市へ申請する流れが示されています。窓口は市民部住宅課住宅対策係です。

私は多摩地域の管理組合さまから、立川駅周辺の大型マンションから郊外の小規模団地まで、幅広くご相談をいただいてきました。その中で感じるのは、立川市の理事会が悩むのは「どこまで自力でやるか」という点だということです。この記事では、立川市ならではの手数料構造、申請ルート、そして認定で得られる経済効果を、現場目線で整理します。

認定主体はどこか(立川市が認定行政庁)

管理計画認定制度は令和4年4月に始まった国の制度です。審査を行う「認定行政庁」(用語補足:申請を受け付けて審査し、認定書を交付する権限を持つ役所のことです)は、特別区と市の区域では当該の区や市、町村の区域では東京都が担います(出典:東京都マンションポータルサイト「マンション管理計画認定制度」)。

立川市は「市」ですので、立川市自身が認定行政庁です。市は令和5年11月に「立川市マンション管理適正化推進計画」を策定し、この制度をスタートさせました(出典:立川市「マンション管理計画認定制度」)。問合せ先は市民部住宅課住宅対策係で、電話は042-523-2111(内線2562)と案内されています。

ここで一点、大事な注意があります。管理計画認定制度は、市が「管理適正化推進計画」を策定している自治体でなければ使えません。立川市はこの計画を策定済みですので、市内の分譲マンションであれば申請の入口に立てます。一方で、認定は市が行っても、事前確認と申請システムはマンション管理センターが運営しています。窓口が2つあるように見えて混乱しやすいので、私は最初に「市は審査と認定、管理センターは事前確認と申請システム」と役割を分けてご説明しています。

認定17要件(国が定める5分野の基準)

認定の基準は、全国共通で5分野・17項目に整理されています(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。基準の一覧は国土交通省の認定基準PDFで確認できます。

1. 管理組合の運営
管理者等が定められていること、監事が選任されていること、集会(総会)が年1回以上開催されていること。

2. 管理規約
管理規約が作成されていること、緊急時に専有部分へ立ち入れる旨の規定があること、修繕履歴の保管や財務情報の開示に関する規定があること。

3. 管理組合の経理
管理費と修繕積立金が区分して経理されていること、修繕積立金を他の会計へ流用していないこと、滞納への督促などの措置があること。立川市のページには、直前の事業年度の終了日時点で修繕積立金の3か月以上の滞納額が全体の1割以内であること、との説明があります。

4. 長期修繕計画
国の標準様式に準拠した計画が総会で決議されていること、作成または見直しが7年以内であること、計画期間が30年以上で大規模修繕が2回以上含まれること、修繕のたびに一時金を集める前提でないこと、修繕積立金の額が著しく低額でないこと、計画期間の最終年度に借入金の残高がないこと、などです。

5. その他
組合員名簿と居住者名簿が備えられていること、都道府県や市の管理適正化指針に適合していること。

私の経験上、実務で最初に詰まるのは第4分野の長期修繕計画です。「作成から7年以内」という条件は、見直しをずっと先送りしてきたマンションにとって高い壁になります。理事会の引き継ぎで計画書が行方不明になっている、というご相談も珍しくありません。

独自基準の有無と実務への影響

立川市のページは、市が国の基準を採用しており、追加の独自基準は設けていないという趣旨の説明をしています。東京都内でも、渋谷区のように認定基準を見直して独自の確認項目を運用する区がありますので、自治体ごとに違いがあるのは事実です。ただ、立川市については「国の17要件を満たせば足りる」と理解して構いません。

私がこの点で理事会にお伝えするのは、「独自基準がない=簡単」ではないということです。国の基準そのものが、長期修繕計画、修繕積立金、管理規約の実態を細かく問うものだからです。むしろ独自基準がない自治体の利点は、隣の市区とも同じ準備で済むこと、そして管理会社や管理士が全国共通のチェックリストで事前診断しやすいことにあります。

もう一つ、都の条例に基づく「管理状況届出制度」との関係も整理しておきます。昭和58年12月31日以前に建築され、居住用の独立部分が6戸以上ある分譲マンションは、東京都のオンラインシステムか、市の住宅課への郵送・持参で届出が必要です(出典:立川市「管理状況届出制度」)。届出は義務、管理計画認定は任意です。古いマンションほど、届出で管理状況を整理してから認定を目指すという順序が現実的です。

手数料と申請ルート(事前確認あり/なし・マンション管理センター経由)

立川市への手数料は、次のとおり案内されています。

区分 立川市への手数料
新規認定申請 基本手数料4,100円+加算手数料(1計画ごと)1,800円
変更認定申請(管理組合の運営の例) 基本手数料4,800円+加算手数料2,600円

(出典:立川市「マンション管理計画認定制度」。更新日2024年4月22日のページ記載であり、変更認定の他区分や更新申請の金額は同ページまたは窓口でご確認ください。)

続いて、実際の申請ルートです。市の案内では、まずマンション管理センターの事前確認を受けて適合証を取得し、次に手続支援システムで市へ申請します。管理センターの支援サービスには、市への手数料とは別に、システム利用料が1申請あたり10,000円(税込)かかります。事前確認審査料は、依頼の経路によって0円から10,000円までの差があります(出典:公益財団法人マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。

つまり、立川市の申請で最低限見込むべき費用は、市の手数料(4,100円+加算)とシステム利用料(10,000円)です。ここに事前確認の審査料が乗る形になります。私は理事会に「総会の予算は、市の手数料だけでなく管理センター側の費用まで含めた総額で出してください」と必ずお願いしています。あとから「思っていたより高い」という声が出ると、議案そのものが流れてしまうからです。

事前確認を担当するのは、管理センターの講習を修了したマンション管理士です。依頼先は、管理委託先の管理会社、独立系のマンション管理士、日本マンション管理士会連合会、管理センターへの直接依頼などから選べます。なお、立川市は「マンション管理適正化支援法人」の登録に関するページも公開していますので、相談先を探す際の参考になります(出典:立川市「マンション管理適正化支援法人の登録について」)。

認定の3つの経済効果(長寿命化促進税制/フラット35/共用部リフォーム融資)

管理計画認定を取ると、主に3つの経済的な効果が期待できます。

① マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)
一定の要件を満たすマンションが外壁塗装等工事や防水工事を行った場合、工事完了の翌年度の固定資産税(建物部分)が減額される特例です。管理計画認定を受けたマンションが対象に含まれます(出典:国土交通省「マンション長寿命化促進税制」)。減額の割合・対象工事・適用期間は国の告示と市の条例で決まるため、工事の時期が決まった段階で、立川市の資産税担当と国交省のパンフレットで必ず確認してください。認定の手続書類は令和8年4月1日付で見直しが行われていると同ページにも記載があり、古い様式を使わないことが大切です。

② フラット35の金利引下げ
認定マンションの購入者向けに、フラット35の金利を一定期間引き下げる優遇があります。国交省の資料には、維持保全型で年0.25%・当初5年間の引下げを、2024年3月31日までの申込分として示したものがあります(出典:国土交通省「管理計画認定マンションに対する優遇措置」)。現在の適用条件は変わっている可能性があるため、住宅金融支援機構の金利・優遇情報で申込み時点の内容を確認してください。

③ マンションすまい・る融資(共用部リフォーム融資)の金利引下げ
管理組合が大規模修繕のために借りる共用部リフォーム融資では、令和8年度の案内で、管理計画認定を取得していれば金利が年0.2%引き下げられます(下限0.1%)。条件は、借入申込日時点で認定から5年を経過していないことです。耐震改修・浸水対策・省エネルギー対策の工事を併せて行う場合は、返済期間を最長35年まで延ばせます(出典:住宅金融支援機構「2026年度マンションすまい・る融資のご案内」)。

私は、この3つの中で③の効果が管理組合にとって最も身近だと考えています。大規模修繕の資金を借りる予定があるなら、認定の有効期間(5年)と借入のタイミングをそろえるだけで、利息の総額が変わってくるからです。

ここで、修繕費用の面から一つ具体例をお伝えします。私が携わった案件で、10階建て・外周80m・工期3ヶ月の物件では、足場工法で約168万円かかった仮設費用が、ロープアクセス工法では約59万円と、差額は約109万円になったことがあります(物件の形状や条件で大きく変動する目安です)。認定を取って融資の金利を下げ、さらに工法の選び方で工事費そのものを圧縮する。この両輪が、修繕積立金を守る近道だと私は現場で実感しています。

逆算スケジュール(総会決議→書類準備→認定申請→交付)

認定は、思い立ってすぐ取れるものではありません。私が理事会にお勧めしている逆算の流れを、認定希望日から数えて整理します。

  1. 方針決定(4〜5ヶ月前):理事会で長期修繕計画、修繕積立金の水準、管理規約の現状を17要件に照らして自己診断する。
  2. 書類整備(3〜4ヶ月前):長期修繕計画が7年を超えていれば見直しを先に完了させる。滞納状況や名簿の整備もここで行う。
  3. 事前確認の依頼先を決定(2〜3ヶ月前):管理会社、管理士、管理センター経由などで見積りを取る。審査料は経路で異なるので比較する。
  4. 総会での決議(1〜2ヶ月前):認定申請を行うこと、必要に応じた規約改正、費用の予算化を決議する。
  5. 事前確認とオンライン申請:適合証を取得し、手続支援システムで立川市へ申請する。手数料は市の案内に従って納付する。
  6. 審査と認定書の交付:不備がなければ数週間から1〜2ヶ月が目安です。認定後は有効期間の5年を管理します。

総会が年1回のマンションが多いため、「今期の総会で議案にできなければ1年遅れる」という点は、私が現場で繰り返しお伝えしている大事なポイントです。認定の有効期間は5年で、更新の準備は4年目から始めるのが理想です(出典:立川市「マンション管理計画認定制度」)。

立川市で使える相談先と、認定を取る前に整えておきたいこと

立川市には、分譲マンションの維持・管理に関する相談ページもあります(出典:立川市「分譲マンション維持・管理相談」)。要件のどこが不足しているのか分からない段階なら、まず市の窓口や相談制度で現状を整理するのが近道です。

私は、認定に向けた見直しを「マンションの健康診断」と捉えるようお伝えしています。長期修繕計画と積立金の見直しが進めば、それ自体が将来の大規模修繕の資金繰りを助けます。

まとめ+今週動くこと3点

立川市の管理計画認定は、市への手数料が基本4,100円+加算1,800円と比較的小さい一方、事前確認とシステム利用に別の費用がかかります。「市に払うお金」と「管理センター側に払うお金」を分けて、総額で把握しておくことが、総会を通す最大のコツです。

今週、理事会で動いていただきたいことは次の3点です。

  1. 長期修繕計画の作成・見直し年月を確認し、7年以内かどうかをチェックする。
  2. 事前確認を誰に依頼するか(管理会社・管理士・管理センター直接)の候補を挙げ、見積りを依頼する。
  3. 次回総会の議案候補として、認定申請と費用の予算化を理事会で仮検討する。

大規模修繕工事そのものは、足場を組む従来工法のほか、産業用ロープを使う無足場工法や、部位ごとに使い分けるハイブリッド工法という選択肢があります。私は約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕に携わってきましたが、工法を建物ごとに選び分けるだけで、修繕積立金の負担が大きく変わるケースを何度も見てきました。明誠のロープアクセス工法の詳細はロープアクセス工法のご紹介で、料金の考え方は大規模修繕の料金の考え方で公開しています。技術面をさらに深く知りたい方は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムもご覧ください。ロープアクセス工法での高所作業について、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業では、過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。詳しい施工の流れや訓練体制はロープアクセスドットコムで解説しています。

管理組合さま向けのサービスは管理組合向けの大規模修繕サービスにまとめています。ご相談だけでも遠慮なくお問合せフォームからお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。これまでの明誠の施工事例もあわせてご覧いただけます。

よくあるご質問

Q. 立川市への申請手数料はいくらですか?

A. 新規認定申請は、基本手数料4,100円に、長期修繕計画1計画ごとの加算手数料1,800円が加わります。変更認定の例では、管理組合の運営に関する変更で基本手数料4,800円、加算手数料2,600円と案内されています。市のページの更新日は2024年4月22日のため、申請前に窓口で最新額をご確認ください。

Q. 立川市に独自の上乗せ基準はありますか?

A. 立川市は国の基準を採用しており、追加の独自基準は設けていないと案内されています。国の17要件を満たすことが基本です。

Q. マンション管理センターの事前確認は必須ですか?

A. 立川市の案内では、管理センターの事前確認で適合証を取得してから、手続支援システムで市へ申請する流れが示されています。実際の申請前に、市の住宅課で最新の取扱いを確認してください。

Q. 管理センターの利用には別途費用がかかりますか?

A. はい。システム利用料が1申請あたり10,000円(税込)、事前確認審査料が依頼経路により0円から10,000円です。市への手数料とは別に見込んでください。

Q. 管理状況届出制度と管理計画認定制度は同じですか?

A. 別の制度です。届出は昭和58年12月31日以前に建築された居住用6戸以上のマンションが対象で、東京都のシステムまたは市の住宅課へ提出します。管理計画認定は任意で、取得すると融資や税制の優遇が受けられます。

Q. 認定を取ると固定資産税は自動的に減りますか?

A. 自動ではありません。長寿命化促進税制の対象となる工事を、定められた期間内に完了し、所定の手続きで申告する必要があります。工事の前に市の資産税担当へご確認ください。

Q. 認定の有効期間はどれくらいですか?

A. 5年間です。満了前に更新申請をしないと失効しますので、更新の準備は4年目から始めることをお勧めします。

Q. 小規模なマンションでも認定は取れますか?

A. 戸数による制限はありません。国の17要件を満たしていれば、規模にかかわらず申請できます。

本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月29日時点で公表されている立川市および国土交通省・東京都・公益財団法人マンション管理センター・住宅金融支援機構の公式情報をもとに執筆しています。なお、立川市の制度ページの更新日は2024年4月22日と表示されており、手数料など令和8年度の内容は市の窓口でも確認されることをお勧めします。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず立川市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年9月29日


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