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富士吉田市の賃貸オーナー向け補助金2026|県の省エネ補助は「10室未満」が分かれ目、給湯器は国と併用、アスベスト調査と宿泊税の論点

富士吉田市の賃貸オーナー向け補助金2026|県の省エネ補助は「10室未満」が分かれ目、給湯器は国と併用、アスベスト調査と宿泊税の論点
本間 幸紘

著作者プロフィール

株式会社明誠 代表取締役

本間 幸紘

大規模修繕・外壁工事・ロープアクセス工事に関する情報を、現場経験をもとに分かりやすくお届けします。

富士吉田市で賃貸アパート・賃貸マンション、1階に店舗が入った併用ビル、富士山駅や下吉田周辺の小規模なテナントビルをお持ちのオーナーさまから、最近とくに増えているご相談があります。「富士吉田市の補助金で、うちの賃貸物件の外壁や給湯器の費用は軽くなりますか」「観光客が増えているが、長期賃貸のまま修繕するか、宿泊用に転用するか迷っている」というものです。

この記事では、令和8年10月27日時点で富士吉田市・山梨県・国の公式ページで確認できる情報をもとに、富士吉田市の収益不動産オーナーが押さえておくべき補助制度と税務・投資判断の論点を、NOI(実質賃料収入)・入居率・出口価格の目線で整理しました。管理組合向けに書いた富士吉田市の記事とは切り口がまったく異なります。主役は「オーナー単独の経営判断」です。

結論:富士吉田市のオーナーが押さえる5つの論点

先に結論をお伝えします。富士吉田市には、賃貸マンション一棟の外壁塗装・屋上防水そのものに直接出る市の現金補助は、公式ページ上では確認できませんでした。そのかわり、オーナーにとって見落とせない論点が5つあります。

  1. 山梨県の「家庭用省エネ設備等導入支援事業費補助金」は、共同住宅のオーナーも申請者になれる。ただし、貸室がおおむね10室以上(独立家屋はおおむね5棟以上)の「事業的規模」のオーナーは対象外。小規模アパートのオーナーほど得をする珍しい設計です。
  2. 国の「賃貸集合給湯省エネ2026事業」と県の補助は併用できると、県の募集要領に明記されています。給湯器の一斉交換は、年内に動ける数少ない「現金補助つき投資」です。
  3. アスベスト(吹付け材)の調査・除去補助は、山梨県の令和8年4月現在の一覧で、富士吉田市は「含有調査」「除去等」の両方に補助制度ありとされています。対象は「建築物」で、賃貸ビル・賃貸マンションにも接点があります。
  4. 市の木造住宅耐震化事業は「借家」が対象外と明記されており、賃貸用の木造戸建て・木造アパートには使えません。築古木造の賃貸は、補助ではなく工法と出口で勝負する必要があります。
  5. 富士吉田市の宿泊税(1人1泊200円)が令和9年4月1日に施行予定です。長期賃貸から簡易宿所・民泊への転用を検討しているオーナーは、修繕計画と同時に収支を組み直すタイミングです。

ここから一つずつ、根拠となる一次情報と、オーナーとしての使い方・注意点を解説します。

富士吉田市の賃貸オーナーが置かれている環境

富士吉田市は、富士山北麓に位置し、標高はおおむね700〜800m台の高冷地にあります。富士急行線の富士山駅・月江寺駅・下吉田駅周辺に中心市街地が広がり、近年は新倉山浅間公園や本町通りの景観を目当てにした訪日客が急増しました。

賃貸経営の観点で見ると、富士吉田市には次のような特徴があります。

観点 富士吉田市の特徴 オーナーへの影響
需要層 地元就業者、工場・観光業の従業員、単身赴任者、移住者 単身・小家族向けの1K〜2DKが中心
気候 冬季の凍結・積雪、強い紫外線、昼夜の寒暖差 外壁の凍害・シーリング劣化・防水層の膨れが早い
観光 訪日客の増加、宿泊施設の新設 長期賃貸と宿泊転用の比較検討が増える
行政 一般市(定期報告などの建築行政は山梨県が窓口) 手続き窓口が「市」と「県」に分かれる

私がこの地域の賃貸物件を見て痛感するのは、同じ築年数でも、首都圏の物件より外装の傷み方が1段階早いということです。冬に水分を吸ったモルタルやタイルの目地が凍って膨らみ、春に解ける。これを毎年繰り返すと、外壁の浮きやひび割れが進みます。入居者は外観を見て内見を決めますから、外装の劣化は賃料の下落圧力として静かに効いてきます。

論点1:山梨県の省エネ設備補助は「10室未満のオーナー」に開かれている

制度の骨格(令和8年度)

山梨県は令和8年8月5日から「家庭用省エネ設備等導入支援事業費補助金」の受付を始めました。令和8年10月15日付の募集要領から、オーナーに関係する部分を抜き出すと次のとおりです。

項目 内容(募集要領より)
交付申請受付期間 令和8年8月5日(水)10時〜令和9年5月24日(月)17時必着
設置完了期限 令和9年5月31日(月)
受付方法 予算の範囲内で先着順。予算超過で予告なく締切
エコジョーズ 1台当たり20,000円
エコキュート 1台当たり40,000円
ハイブリッド給湯機 1台当たり80,000円
高効率エアコン(暖房能力3.6kW未満) 1台当たり10,000円
高効率エアコン(暖房能力3.6kW以上) 1台当たり20,000円
ペレットストーブ 1台当たり110,000円

オーナーが申請者になれる条件

ここがこの記事でいちばんお伝えしたい部分です。募集要領には、「共同住宅及び長屋については、居住者及び物件の所有者(オーナー)も、申請者となることができます」と書かれています。県の住宅系補助で、賃貸オーナーが名指しで申請者に含まれるケースは多くありません。

ただし同じ箇所に、次の除外基準があります。

  • 貸間、アパート等については、貸与することのできる独立した室数がおおむね10室以上であること
  • 独立家屋の貸付けについては、おおむね5棟以上であること

このどちらかに当てはまるオーナーは、本補助金の対象外です。つまり、8戸のアパート1棟を持つ個人オーナーは対象になり得て、12戸のマンションを持つオーナーは対象外ということになります。

「5棟10室」は税務の基準と同じ数字

不動産オーナーの方なら、この数字に見覚えがあるはずです。所得税で不動産所得が「事業的規模」かどうかを判断する、いわゆる5棟10室基準と同じ水準です。事業的規模のオーナーは青色申告特別控除(最大65万円)などの税務上の恩恵を受けやすい一方、この県補助では対象外になります。逆に、事業的規模に届かない小規模オーナーは、この補助で給湯器やエアコンの更新費用を下げられる可能性があります。

もう一つの要件:申請者の居住地

省エネ設備を導入する場合の補助対象者は「山梨県内に居住する者」とされています。募集要領では、住民票の住所と設置場所の一致は共同住宅のオーナーには求めないとしていますが、県内居住の要件そのものは残っています。東京や神奈川にお住まいで富士吉田市の物件を持つオーナーは、申請前に事務局(やまなし家庭用省エネ設備等補助金事務局 050-5784-5561)へ対象になるかを確認してください。

国の補助と重ねられる

募集要領は、本補助金が国の「みらいエコ住宅」「給湯省エネ」「賃貸集合給湯省エネ」の各補助金との併用を妨げないと明記しています。賃貸オーナーにとっては、次の論点2と組み合わせるのが本筋です。

論点2:国の賃貸集合給湯省エネ2026事業で給湯器を一斉更新する

資源エネルギー庁の「賃貸集合給湯省エネ2026事業」は、既存の賃貸集合住宅で、従来型給湯器を小型の省エネ型給湯器(エコジョーズ・エコフィール)に交換する費用を補助する制度です。

項目 内容
補助額 エコジョーズ等への交換で1台5万円(追い焚き機能ありは7万円)。加算対象の工事を伴う場合は+3万円
申請者 事前に登録した施工業者等が申請(オーナーが単独で申請する形ではない)
交付申請期限 遅くとも令和8年12月31日まで(予算到達で終了)
予算の消化状況 公式サイトで「予算に対する補助金申請額の割合」が随時公表。令和8年10月25日0時時点で概算63%

予算の6割強がすでに申請済みで、残り2か月余りです。交換予定の給湯器がある物件は、11月中に施工業者を決めて着手するくらいのスピード感が必要です。

1棟8戸で試算するとどうなるか

富士吉田市内の木造2階建て・8戸のアパート(オーナーは県内在住の個人)で、追い焚きなしの給湯器を全戸エコジョーズへ交換する場合を、参考値として試算してみます。

項目 金額(参考値)
交換工事費(1台25万円×8台) 200万円
国の賃貸集合給湯省エネ(5万円×8台) ▲40万円
山梨県の家庭用省エネ補助(2万円×8台) ▲16万円
実質負担 144万円

工事単価は機種・配管・設置場所で大きく変わるため、実際の見積でご確認ください。それでも、同じ交換を補助なしで行う場合と比べて3割近く負担が減る計算になります。給湯器の故障は冬の退去理由の上位です。高冷地の富士吉田市では、冬に給湯器が止まると入居者の生活に直結します。更新のタイミングを補助のある年に寄せるのは、立派な空室対策です。

論点3:アスベスト補助は「賃貸ビル・賃貸マンション」にも接点がある

令和8年度も制度は継続

山梨県の「アスベスト(石綿)飛散防止対策」(令和8年4月8日更新)には、市町村の補助制度状況の一覧が載っています。令和8年4月現在、富士吉田市は「含有調査」「除去等」の両方に○が付いており、担当は都市政策課(0555-22-1111)です。

県が示している国・県の補助の枠組みは次のとおりです。

区分 対象 補助率(県ページの記載)
含有調査 吹付けアスベスト等が施工されているおそれのある住宅・建築物 対象費用の10/10(国100%)、限度額25万円/棟
除去等 吹付けアスベスト・アスベスト含有吹付けロックウール(石綿重量0.1%超)が施工されている住宅・建築物 対象費用の2/3(国1/3・県1/6・市町村1/6)

富士吉田市の「アスベストに関する補助制度」のページでは、含有調査は調査費用の全額(限度額15万円)、除去等は対象経費の2/3(上限400万円)と案内されています。ただし、このページの最終更新日は2025年3月27日で、令和8年度の限度額が同じかどうかはページ上で確認できません。令和8年度の限度額と受付状況は、都市政策課で必ず確認してください。

オーナー目線での使いどころ

外壁の仕上塗材や屋根のスレート板は「吹付け材」ではないため、県のページは対象外と明記しています。対象になり得るのは、鉄骨造の賃貸ビルの柱・梁の耐火被覆、駐車場や機械室の天井、階段室の吹付け材などです。1970年代から1980年代前半に建てられた賃貸ビルや店舗併用住宅をお持ちのオーナーは、次の場面でこの補助が効いてきます。

  • テナント入替えの内装工事で天井を剥がす前
  • 大規模修繕や設備更新で機械室・ピットに手を入れる前
  • 売却前のデューデリジェンスで買主から調査を求められたとき

特に3つめは見落とされがちです。買主の金融機関がアスベストの有無を確認するケースが増えており、調査結果がないと売却価格の交渉材料にされることがあります。補助で調査を済ませておくことは、出口戦略の下準備になります。

論点4:市の木造耐震化事業は「借家」が対象外

富士吉田市の「木造住宅の耐震化事業」は、対象住宅を「個人が所有し、かつその個人が主に居住している木造住宅」で、「長屋、共同住宅(及び借家)以外のもの」としています。山梨県の「補助制度はあるの?」(令和8年6月17日更新)でも、県と市町村の耐震改修補助は昭和56年5月以前着工の木造住宅で、総合評点1.0未満のものに補助率10/10・限度額143.75万円とされています。

手厚い制度ですが、賃貸に出している木造戸建て、木造アパートは対象外です。相続で取得した旧耐震の木造貸家をお持ちのオーナーは、次の3択で考えることになります。

選択肢 向いているケース 注意点
自己負担で耐震改修して貸し続ける 立地が良く、賃料水準を維持できる 補助なし。資本的支出として減価償却
自ら居住する、または親族が居住する 将来的に自宅として使う予定がある 居住実態が要件。賃貸中は不可
更地化・売却を検討する 修繕費に対して賃料が見合わない 解体費・固定資産税の住宅用地特例の解除に注意

ここは補助金の話ではなく、純粋な投資判断です。私は、耐震改修費を回収するのに何年分の賃料が必要かを最初に出していただくようお勧めしています。

論点5:ブロック塀は「道路に面した危険な塀」が対象

富士吉田市の「ブロック塀等の撤去改修補助制度」は、道路・公園等に面した高さ1m以上のブロック塀・石塀・レンガ塀等が対象です。市ページの記載(最終更新2025年3月27日)では、撤去のみで上限15万円、撤去してフェンス等に改修する場合は上限30万円(いずれも1敷地あたり、計算額の2/3)とされています。令和8年度の受付状況は都市政策課へご確認ください。

賃貸物件の塀が倒れて通行人がけがをした場合、所有者は工作物責任を問われる可能性があります。賠償リスクの低減と外観の改善が同時にできるので、外壁工事と同じタイミングで見直す価値があります。

論点6:宿泊税(令和9年4月施行予定)と長期賃貸の比較

総務省は令和8年6月30日、富士吉田市「宿泊税」の新設に同意しました。概要は次のとおりです。

項目 内容
課税客体 旅館業法の許可を受けた旅館・ホテル・簡易宿所、住宅宿泊事業法の届出住宅への宿泊
税率 1人1泊につき200円
徴収方法 特別徴収(宿泊施設が宿泊者から預かって納める)
条例施行 令和9年4月1日(予定)
税収の使途 観光資源の魅力向上、受入環境の充実など持続可能な観光振興

税を負担するのは宿泊者ですが、徴収・申告の事務は施設側に生じます。長期賃貸から簡易宿所や民泊への転用を検討しているオーナーは、宿泊税の事務負担、旅館業法・消防法の設備要件、清掃・運営委託費まで含めて収支を比べてください。私が見てきた範囲では、転用で売上が伸びても、外装や共用部の劣化が目立つ建物は口コミ評価で不利になりやすい傾向があります。宿泊転用を考えるなら、なおさら外装の修繕を先に済ませておくべきです。

論点7:定期報告の窓口は山梨県

建築基準法第12条の定期報告は、富士吉田市内の建築物については山梨県が窓口です。県の「定期報告制度の見直しについて」(令和8年8月31日更新)は、県が特定行政庁となる区域を対象とし、別扱いとして案内しているのは甲府市のみです。様式の案内ページでは、受付期間は9月末まで、受付機関は県建築住宅課または山梨県建築設計協会とされています。

令和7年7月1日施行の見直しで、山梨県は常時閉鎖式防火扉を特定建築物の定期調査で引き続き報告させる独自の扱いを定めています。店舗・事務所・宿泊施設が入る複合ビルのオーナーは、対象かどうかを県へ確認し、外壁の打診調査の時期と大規模修繕の時期を合わせると、仮設費を一度で済ませられます。

オーナーが必ず押さえる税務の勘所

修繕費か資本的支出か

外壁塗装や防水工事は、原状回復の範囲であれば「修繕費」として一括で経費にできます。一方、建物の価値を高めたり耐用年数を延ばしたりする工事は「資本的支出」となり、減価償却で数年に分けて費用化します。国税庁の「資本的支出と修繕費の区分の特例」にあるとおり、判断は工事内容で変わります。修繕費か資本的支出か、税務処理で結果が大きく変わります。見積の段階で、工事項目を「原状回復」と「性能向上」に分けて記載してもらうと、税理士との相談がスムーズです。

補助金は収入として計上する

補助金は受給時に雑収入(法人は益金)として課税対象になります。国庫補助金で固定資産を取得・改良した法人の場合は、圧縮記帳を使って課税を繰り延べられることがあります。給湯器交換のように補助を受けた設備は、補助金分を差し引いた取得価額で減価償却するのか、収入計上するのかを、事前に税理士と確認してください。

固定資産税

建物の改修で固定資産税評価が直ちに大きく変わることは多くありませんが、増築や用途変更(たとえば宿泊施設への転用)は評価の見直しにつながります。転用を考える場合は、市の税務課に事前確認をお勧めします。

富士吉田市の物件タイプ別「おすすめの組み合わせ」

物件タイプ まず使う制度 次に検討すること
木造アパート(10室未満・オーナー県内在住) 賃貸集合給湯省エネ+県の家庭用省エネ補助 外壁・屋根の凍害補修、木造耐震は自己負担で判断
RC賃貸マンション(10室以上) 賃貸集合給湯省エネ 外壁打診・シーリング・屋上防水を工法比較で一括実施
鉄骨造の店舗併用ビル(築40年前後) アスベスト含有調査の補助 定期報告の要否確認、テナント入替え時期に合わせた改修
宿泊転用を検討中の物件 宿泊税・旅館業法・消防法の確認 外装・共用部を先に整え、口コミ評価の土台を作る
道路沿いに古い塀がある物件 ブロック塀等の撤去改修補助 外構を含めた外観の刷新

補助が届かない部分は「工法」で差をつける

ここまで見てきたとおり、富士吉田市の賃貸物件で、外壁塗装や防水といった大規模修繕の本体に使える補助は限られます。だからこそ、工事費の中で大きな割合を占める仮設費(足場代)をどう抑えるかが、オーナーの手残りを左右します。

株式会社明誠は、マンション・ビル・ホテルの大規模修繕で、3つの工法から建物に合わせて提案できる、日本でも数少ない会社です。

工法 特徴 向いている富士吉田市の物件
通常足場工法 全面を足場で囲い、全工程を安定して施工 低層で形状が複雑な木造アパート
ロープアクセス工法(無足場工法) 屋上の2点以上の吊元から、メインロープとバックアップロープの2本に接続して作業 4階建て以上の賃貸マンション・ビル、部分補修
ハイブリッド工法 部位ごとに足場とロープアクセスを使い分け 店舗併用ビル、道路に面した面だけ足場が難しい物件

明誠のロープアクセス工法の技術詳細でもご紹介しているとおり、足場を組まないことで仮設費と工期を圧縮できます。たとえば10階建て・外周80m・工期3か月の建物では、足場費が約168万円かかるところ、ロープアクセスでは約59万円に抑えられたという試算例があります(約109万円の差。建物条件で変動する参考値です)。工法ごとの技術的な違いは、姉妹サイトのロープアクセスドットコムで詳しく解説しています。

賃貸オーナーにとって、ロープアクセス工法にはもう一つの利点があります。足場で窓がふさがれる期間が短く、入居中の部屋の採光と防犯への影響が小さいことです。足場が数か月建つと、退去が出たときに次の入居者が内見で敬遠することがあります。工期が短いほど、空室期間の長期化リスクを抑えられます。

なお、外壁塗装の目安は1㎡あたり3,500〜4,500円、打診調査は1㎡あたり250〜500円、屋上防水は1㎡あたり5,000〜8,000円程度が一般的なレンジです(物件条件で大きく変動します)。大規模修繕の料金の考え方もあわせてご覧ください。

高冷地の工事は「時期」で品質が決まる

富士吉田市では、冬季(おおむね12月〜3月)は塗料や防水材の硬化に必要な気温を確保しにくく、外装工事には不向きです。春(4〜6月)と秋(9〜11月)が工事の適期です。給湯器の交換は冬でも可能ですが、外壁・防水は来春の着工に向けて、今の時期に調査と見積を進めておくのが合理的です。

信頼の証拠:明誠の実績と安全体制

株式会社明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法では、IRATA(国際産業ロープアクセス協会)水準の技能訓練を受けた作業員が施工し、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業では過去16年間、墜落による労働災害ゼロを維持しています。安全管理の考え方は明誠の安全への取り組みにまとめています。

また、明誠は日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部として、塗装・防水・タイル・電気・看板の専門職が加盟するネットワークを運営しています。山梨県東部の物件でも、各分野の職人を組み合わせた一括施工が可能です。技術者向けの情報や加盟企業の取り組みはロープアクセスドットコム(無足場工法専門メディア)でも発信しています。

ROIシミュレーション:富士山駅周辺・RC4階建て16戸の場合

最後に、オーナーの投資判断に直結する数字を出しておきます。条件は次のとおりの参考モデルです。

  • RC造4階建て・16戸(1K〜1DK)、築33年、平均賃料4.8万円、入居率85%
  • 外壁補修・シーリング打替え・塗装・屋上防水を実施
  • 給湯器16台をエコジョーズに交換(国の賃貸集合給湯省エネを利用。10室以上のため県補助は対象外)
項目 足場工法 ロープアクセス工法
外装・防水工事費(仮設費込み、参考値) 1,650万円 1,450万円
給湯器交換(16台、参考値) 400万円 400万円
国の給湯器補助(5万円×16台) ▲80万円 ▲80万円
実質投資額 1,970万円 1,770万円
工期(外装) 約3か月 約1.5〜2か月

入居率が85%から92%に改善した場合、年間の賃料収入は4.8万円×16戸×12か月×7%=約64.5万円増えます。10年続けば約645万円です。さらに、外装を一新した物件は、売却時の利回り評価で不利になりにくくなります。キャップレート(還元利回り)が同じでも、NOIが増えれば収益還元価格は上がります。出口を見据えた修繕投資は、利回り改善より物件価値そのものを底上げします。

※金額はすべて参考値です。実際の工事費は建物の状態・規模・仕様によって大きく変わります。具体的な金額は現地調査のうえでお見積りします。

よくあるご質問

Q. 富士吉田市に、賃貸マンションの外壁塗装に使える市の補助金はありますか?

A. 令和8年10月27日時点で、賃貸マンション一棟の外壁塗装・屋上防水に直接使える富士吉田市の現金補助は、市の公式ページでは確認できませんでした。アスベスト調査・除去やブロック塀の撤去改修など、関連する工事の補助はあります。

Q. 東京在住で、富士吉田市にアパートを持っています。山梨県の省エネ設備補助は使えますか?

A. 募集要領では、省エネ設備を導入する場合の補助対象者は「山梨県内に居住する者」とされています。共同住宅のオーナーも申請者になれるとの記載がありますが、県外在住のオーナーの扱いは、やまなし家庭用省エネ設備等補助金事務局(050-5784-5561)へ事前にご確認ください。

Q. 12戸のアパートを持っています。県の省エネ補助は使えますか?

A. 貸与できる独立した室数がおおむね10室以上の場合は対象外とされています。国の賃貸集合給湯省エネ2026事業は戸数の上限がないため、こちらを優先してご検討ください。

Q. 補助金をもらったら、税金はどうなりますか?

A. 補助金は受給時に雑収入(法人は益金)として課税対象になります。法人が国庫補助金で設備を取得した場合は圧縮記帳を使える場合があります。具体的な処理は税理士にご相談ください。

Q. アスベストの調査は、テナントが入ったままでもできますか?

A. 対象は吹付け材なので、天井裏や機械室など限られた場所の調査が中心です。テナントの営業時間を避けて調査日程を組むことも可能です。補助の申請は着手前が原則のため、まず富士吉田市都市政策課へご相談ください。

Q. ロープアクセス工法は、冬の富士吉田市でも施工できますか?

A. ロープアクセス自体は冬でも可能ですが、塗装や防水材は低温で硬化不良を起こすため、外装工事は春と秋が適期です。冬は調査と見積、春に着工という段取りをお勧めしています。

Q. 宿泊施設に転用した場合、宿泊税はオーナーが払うのですか?

A. 宿泊税を負担するのは宿泊者で、施設側が特別徴収義務者として預かって納める仕組みです。富士吉田市の宿泊税は1人1泊200円で、令和9年4月1日施行予定とされています。

まとめ:富士吉田市は「県の小規模オーナー向け補助+国の給湯器補助+工法」で勝つ

  • 市の補助で大規模修繕の本体費用はまかなえない。だからこそ周辺の制度を拾い、工法で仮設費を削る
  • 山梨県の家庭用省エネ補助は、10室未満・県内在住のオーナーにとって使える数少ない県補助
  • 国の賃貸集合給湯省エネ2026事業は予算消化が進んでおり、年内の着手が勝負
  • 1970〜80年代前半の鉄骨ビルは、アスベスト調査を補助で済ませて出口に備える
  • 木造の貸家は市の耐震補助の対象外。自己負担での改修か、出口の見直しかを数字で判断
  • 宿泊税の施行(令和9年4月予定)を前に、長期賃貸か宿泊転用かの比較は外装の状態から始める

入居率1%の改善が、年間どれだけのキャッシュフロー差になるか。この視点で修繕を「費用」ではなく「投資」として組み立てると、打つべき手の順番が見えてきます。

お持ちの物件で、まだ補助金や工法の検討を始めていないオーナーさまは、ぜひ一度ご相談ください。1棟の現地調査と利回り改善シミュレーションだけでも承ります。ビルオーナー向けの大規模修繕サービス、収益不動産オーナー向けのご提案もご覧ください。明誠の施工事例はこちらの施工事例一覧(明誠の施工事例)からご覧いただけます。ご相談は明誠へのお問い合わせから承っています。

主な出典(公的一次情報)

本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月27日時点で公表されている富士吉田市および山梨県・総務省・資源エネルギー庁の公式情報をもとに執筆しています。富士吉田市の各補助制度ページは最終更新が2025年3月27日のため、令和8年度の金額・受付状況は市の都市政策課でご確認ください。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず富士吉田市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。本記事は税務助言ではありません。具体的な税務処理は税理士にご相談ください。


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この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月27日


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