本間社長ブログ
江戸川区の管理組合が無料で使える相談・派遣13選|耐震アドバイザー派遣は無料、耐震診断・改修は最大3分の2を助成【令和8年度版】
目次

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著作者プロフィール
株式会社明誠 代表取締役
本間 幸紘
大規模修繕・外壁工事・ロープアクセス工事に関する情報を、現場経験をもとに分かりやすくお届けします。
2026年9月25日 更新
先月、小岩の分譲マンションの理事さまからお電話をいただきました。
「築45年、5階建て・36戸の建物で、そろそろ3回目の大規模修繕を考え始めている。ただ、うちの建物が旧耐震基準に該当するのかどうかも分からないし、そもそも誰に聞けば正確な話が出てくるのか見当がつかない」
伺うと、昭和55年築で、旧耐震基準(昭和56年5月31日以前)にちょうど該当する建物でした。長期修繕計画は管理会社が作成したものが一度も専門家の目でチェックされないまま、10年近く据え置かれていたそうです。
私はこの手のご相談を受けるたびに、同じことを思います。江戸川区の管理組合には、実はお金をかけずに使える専門家派遣や相談窓口がかなり揃っているのに、その情報が理事会まで届いていない、と。特に江戸川区は、旧耐震基準の分譲マンションを対象にした耐震アドバイザー派遣が無料で、さらに耐震診断や改修設計の費用まで3分の2を区が助成してくれる、23区の中でも手厚い制度を持っています。
申し遅れました。私は株式会社明誠の本間幸紘と申します。東京都東大和市を拠点に、20年近くマンション・ビル・ホテルの外壁の仕事をしてきました。足場を組んで建物をすっぽり囲う工事も、ロープ1本でぶら下がる無足場の工事も、どちらの現場も自分の足で踏んできた人間です。
今日は、江戸川区の管理組合とビル・収益不動産オーナーさまが使える相談・派遣を13個、令和8年度(2026年4月1日から2027年3月31日まで)の一次情報で整理します。
結論:江戸川区で使える支援は13ある
先に一覧でお示しします。費用ゼロのものと、費用の一部が助成で戻るものを分けて並べました。
| # | 制度・窓口 | 誰が対応するか | 費用 | 申込先 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | マンションアドバイザー制度利用助成 | 都センター認定アドバイザー | 派遣料の3分の2を助成(千円未満切捨て) | 建築指導課耐震化促進係 03-5662-6389 |
| 2 | 東京都マンションアドバイザー無料派遣(管理状況届出制度) | マンション管理士等 | 無料(1回、管理不全兆候ありは5回まで) | 東京都防災・建築まちづくりセンター 03-5989-1453 |
| 3 | 分譲マンション向けマンション管理士無料派遣(防災力向上・認知症対応) | マンション管理士 | 無料(各テーマ2回まで) | 東京都住宅政策本部マンション課 03-5320-5004 |
| 4 | 分譲マンション無料相談会 | マンション管理士 | 無料(予約優先・1件60分) | 建築指導課耐震化促進係 03-5662-6389 |
| 5 | マンション耐震アドバイザー派遣制度 | 建築士 | 無料 | 建築指導課耐震化促進係 03-5662-6389 |
| 6 | 耐震診断・改修設計・改修工事費用の助成 | - | 診断・設計は3分の2助成、改修工事は限度額の範囲内で助成 | 建築指導課耐震化促進係 03-5662-6389 |
| 7 | 無料建築相談会(東京都建築士事務所協会 江戸川支部) | 建築士 | 無料(予約不要) | 03-5636-1412 |
| 8 | 法律相談(グリーンパレス区民相談室) | 弁護士 | 無料/1件30分 | 区民相談室 03-5662-7684 |
| 9 | 「法テラス」の法律相談(グリーンパレス区民相談室) | 弁護士 | 無料/収入・資産要件あり | 区民相談室 03-5662-7684 |
| 10 | 江戸川区消費者センター | 消費生活相談員 | 無料 | 相談専用 03-5662-7637 |
| 11 | 東京都 分譲マンション総合相談窓口 | 都職員・専門相談員 | 無料 | 03-6427-4900 |
| 12 | (公財)マンション管理センター 電話相談 | 専門相談員 | 無料 | 運営03-3222-1517/設備03-3222-1519 |
| 13 | 一般社団法人マンション管理業協会 相談窓口 | 専門相談員 | 無料 | 050-3733-8982 |
1〜13が、お金のかからない、あるいは費用の大半が戻る相談・派遣です。このほかに、費用の大半は無料でもシステム利用料だけがかかる「マンション管理計画認定制度」があるので、記事の後半で別枠でご紹介します。順番に見ていきます。
マンション管理士派遣は「区の助成で呼ぶ」と「都から直接無料で呼ぶ」の二重構え
江戸川区でマンション管理士に相談したいとき、実は入り口が2つあります。ひとつは東京都のマンションアドバイザー制度を使い、区がその費用の大半を助成してくれるルート。もうひとつは、条件を満たせば都から直接無料で派遣を受けられるルートです。私はいつも理事長さまに「まず自分の建物がどちらに該当するかを確認してください」とお伝えしています。
1. マンションアドバイザー制度利用助成
東京都防災・建築まちづくりセンターが実施する「マンションアドバイザー制度」を利用するときの派遣料を、区が助成する仕組みです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 区内分譲マンションの管理組合または区分所有者(管理状況届出または管理組合設立届の提出が必須) |
| 対象コース | マンション管理アドバイザー(A・B・C-0コース)、マンション建替え・改修アドバイザー(Aコース) |
| 助成額 | 派遣料の3分の2(千円未満切捨て) |
| 申込先 | 建築指導課耐震化促進係 03-5662-6389 |
(出典:江戸川区「マンションアドバイザー制度利用助成」、更新日2025年4月1日)
派遣料そのものは、東京都マンションポータルサイトの公表によればAコース(講座編)が1回16,500円、Bコース(相談編)が1回25,300円です(出典:東京都マンションポータルサイト「マンション管理アドバイザー制度」)。3分の2が助成されるので、Bコースなら自己負担はおよそ8,500円程度まで下がる計算です。長期修繕計画の見直しや管理委託の方法など、実務に直結する相談ができます。派遣を申し込む前に区への助成申請が必要になる点だけ、私からも重ねてお伝えしておきます。
2. 東京都マンションアドバイザー無料派遣(管理状況届出制度)
こちらは区を通さず、東京都防災・建築まちづくりセンターに直接申し込む完全無料の制度です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 昭和58年12月31日以前に新築された、独立部分6戸以上の分譲マンションで、管理状況届出が受理された管理組合 |
| 派遣回数 | 通常は1回まで無料、管理不全の兆候があるマンションは5回まで無料 |
| 申込方法 | 申込書をFAX・メール・郵送のいずれかで提出 |
| 申込先 | 東京都防災・建築まちづくりセンター まちづくり推進課 03-5989-1453 |
(出典:東京都防災・建築まちづくりセンター「マンションアドバイザー無料派遣」)
「管理状況届出」というのは、管理組合の運営体制や修繕積立金の状況などを都に定期的に報告する制度のことです。届出さえ済ませておけば、この無料派遣の対象になります。まだ届出をしていない管理組合は、まずこの届出から着手するのが近道です。
3. 分譲マンション向けマンション管理士無料派遣(防災力向上・認知症対応)
令和8年度に東京都が新たに始めた制度で、防災力の向上と、区分所有者の高齢化・認知症対応というテーマに特化してマンション管理士を無料で派遣します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 都内の分譲マンション管理組合 |
| 派遣回数 | 防災力向上・認知症対応、それぞれ2回まで無料(過去年度分も上限に含む) |
| 受付期間 | 令和8年6月23日から令和9年2月26日まで |
| 募集件数 | 2テーマ合わせて都内160件程度 |
| 申込方法 | 東京都マンション管理士会のホームページから申込 |
| 申込先 | 東京都住宅政策本部民間住宅部マンション課 03-5320-5004 |
(出典:東京都マンションポータルサイト「分譲マンション向けマンション管理士無料派遣」)
江戸川区は荒川・江戸川の水に挟まれた低地の区で、水害への備えは他区以上に切実なテーマです。私自身、現場で理事長さまから「うちのマンションは1階が浸水想定区域に入っているが、備蓄品の置き場所すら決まっていない」というお話を伺ったことがあります。防災力向上のテーマでこの制度を使えば、備蓄計画や垂直避難の動線づくりまで、専門家の視点で整理してもらえます。株式会社明誠がどのような理念で大規模修繕に向き合っているかは、明誠の理念にまとめています。
4. 分譲マンション無料相談会
区が主催する対面の相談会です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開催頻度 | 毎月1回、第4土曜日午後 |
| 会場 | グリーンパレス2階区民相談室 |
| 対応専門家 | マンション管理士 |
| 予約 | 予約優先制(定員3組・1件60分以内)、3日前までに電話 |
| 申込先 | 建築指導課耐震化促進係 03-5662-6389 |
(出典:江戸川区「マンションアドバイザー制度利用助成」関連ページ、更新日2025年12月25日)
派遣制度は書類のやり取りが発生しますが、この相談会は思い立ったらすぐ電話1本で予約できる手軽さが利点です。総会に諮る前の「まず聞いてみたい」段階に向いています。
外壁の劣化がどの程度進んでいるかを客観的に把握する方法については、明誠のロープアクセス工法による外壁調査のご紹介をご覧いただくと、足場を組まずにどこまで見られるのかが分かります。技術的な仕組みそのものをもう少し深く知りたい方は、同業者向けに書いている姉妹サイトロープアクセスドットコムのほうが詳しいです。
建築士派遣・大規模修繕アドバイザーは「耐震」に強い江戸川区
5. マンション耐震アドバイザー派遣制度
冒頭でお話しした通り、江戸川区の耐震アドバイザー派遣は完全無料です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象建物 | 昭和56年5月31日以前に建築確認を取得した、3階建て以上の耐火・準耐火建築物で、区分所有形態のマンション |
| 費用 | 無料 |
| 対応者 | 建築士 |
| 相談内容 | 耐震診断・改修設計・改修工事に関する相談 |
| 申込先 | 建築指導課耐震化促進係 03-5662-6389 |
(出典:江戸川区「分譲マンション(耐震化助成)」、更新日2026年7月3日)
6. 耐震診断・改修設計・改修工事費用の助成
アドバイザー派遣にとどまらず、実際に耐震診断や改修工事に進む段階でも助成があります。
| 工程 | 助成の考え方 |
|---|---|
| 耐震診断 | 診断費用の実額と、区が定める面積区分の単価による額を比較し、少ないほうの3分の2を助成 |
| 改修設計 | 診断で改修が必要と判断された場合の設計費用について、3分の2を助成 |
| 改修工事 | 改修工事費用と、限度額単価×延べ面積を比較し、いずれか少ない額を助成(戸数に応じた上限あり、免震工法等は拡充措置あり) |
(出典:同上、江戸川区「分譲マンション(耐震化助成)」)
私の経験上、これは大規模修繕を検討する管理組合にとって見落としがちな話です。「大規模修繕=外壁や防水の話」だと思い込んでいる理事さまが多いのですが、旧耐震基準の建物であれば、耐震診断・改修の助成もあわせて使えないか、同じタイミングで確認しておくべきです。3回目の大規模修繕は、多くの建物で耐震性能の再確認が必要になる時期と重なります。
7. 無料建築相談会(東京都建築士事務所協会 江戸川支部)
区の制度とは別に、民間の建築士団体による無料相談会もあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開催頻度 | 毎月第4土曜日 |
| 時間 | 午後1時〜4時 |
| 会場 | グリーンパレス2階集会室(江戸川区松島1丁目38番1号) |
| 対応者 | 建築士 |
| 予約 | 不要 |
| 問合せ先 | 03-5636-1412 |
(出典:一般社団法人東京都建築士事務所協会 江戸川支部「無料建築相談会」)
区の相談会と同じグリーンパレスの建物内で、テーマの異なる相談会が並行して開催されているのが江戸川区の特徴です。新築・リフォーム・耐震診断・建物調査まで幅広く相談できます。
現場で20年やってきて、私が一番悔しい思いをするのは、こうした無料の窓口があることを知らないまま、割高な見積りをそのまま受け入れてしまう管理組合を見たときです。株式会社明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法での高所作業について、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業では過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。作業員はIRATA(国際産業ロープアクセス協会)水準の技能訓練を受けており、この安全体制の詳細はロープアクセスドットコムで公開しています。足場を組む工事とロープアクセス工法(無足場工法)、どちらも中立的にご提案できる立場だからこそ申し上げますが、複数の視点から意見を聞く癖をつけておくと、後々の判断が楽になります。目安として、10階建て・外周80m・工期3ヶ月程度の建物であれば、足場費用は約168万円かかるところ、ロープアクセス工法なら約59万円程度に収まるケースがあります(建物の形状・現況により変動します)。耐震改修とあわせて外壁の点検・補修まで検討する場合、この差が総工費に与える影響は小さくありません。
弁護士無料相談・消費生活センター:管理費滞納やトラブルへの備え
管理費・修繕積立金の滞納、区分所有者間のトラブル、悪質な訪問業者への対応など、法律や消費生活の知識が必要になる場面も少なくありません。
8. 法律相談(グリーンパレス区民相談室)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開催頻度 | 第1〜第4火曜日・金曜日 |
| 時間 | 午前9時30分〜正午/午後1時30分〜4時(1件30分) |
| 対象 | 江戸川区内在住・在勤・在学の方(収入・資産要件なし) |
| 予約 | 相談希望日の前週水曜日から電話予約 |
| 申込先 | 区民相談室(グリーンパレス2階)03-5662-7684 |
オンライン相談も同じ曜日の午前11時30分から正午に用意されています。管理組合として相談する場合、理事長や理事が個人として利用する形になりますが、管理費滞納の督促方法や、規約違反者への対応など、実務的な相談に対応してもらえます。
9. 「法テラス」の法律相談(グリーンパレス区民相談室)
区民相談室の法律相談とは別に、法テラス(日本司法支援センター)による相談枠も同じ会場で開かれています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開催頻度 | 毎週月曜日・木曜日 |
| 時間 | 午前9時30分〜正午/午後1時30分〜4時(1件30分) |
| 対象 | 収入・資産が一定額以下の方(単身者は月収200,200円以下、現金・預貯金180万円以下が目安) |
| 申込先 | 区民相談室(グリーンパレス2階)03-5662-7684 |
(出典:江戸川区「『法テラス』の法律相談(グリーンパレス区民相談室)」)
条件を満たせば、その後の弁護士費用を法テラスが立て替える制度も利用できます。理事個人が対象となる制度ですが、悪質な訪問販売や個人としての契約トラブルを抱えている区分所有者がいれば、案内してあげられる窓口です。
要件を問わず誰でも使えるのが区民相談室の法律相談、収入・資産要件があるものの弁護士費用の立替えまで視野に入るのが法テラスの相談、という違いで覚えておくと選びやすいと思います。なお、江戸川区に限らず全国どこからでも使える窓口として、法テラス・サポートダイヤル(0570-078374、平日9時〜21時・土曜9時〜17時)もあります。
10. 江戸川区消費者センター
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 相談時間 | 月曜日〜金曜日 午前9時〜午後4時 |
| 費用 | 無料 |
| 対象 | 江戸川区内在住・在勤・在学の個人(事業者は対象外) |
| 主な相談内容 | 契約トラブル、悪質商法の被害、製品事故など |
| 申込先 | 相談専用 03-5662-7637 |
(出典:江戸川区消費者センター「相談したい」)
修繕工事の訪問業者から強引な契約を迫られた、というご相談は江戸川区に限らずどこの管理組合からも聞く話です。正直に申し上げます。「今日契約すれば特別価格」という営業トークが出た時点で、その場で契約せず、まず消費者センターに一本電話を入れる。それだけで防げるトラブルは相当数あります。
都道府県・国の相談窓口を重ねて使う
区の窓口だけでなく、東京都や国レベルの相談窓口も無料で使えます。江戸川区の窓口が混み合っている、あるいはより専門的な意見が欲しいという場合は、こちらも選択肢に入れてください。
11. 東京都 分譲マンション総合相談窓口
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 相談内容 | 管理組合運営、改修・建替えの合意形成、大規模修繕工事の検討、助成制度の紹介など |
| 相談時間 | 月〜金曜日、第1土曜日、第3日曜日(午前9時〜午後5時、水曜のみ午後7時まで) |
| 費用 | 無料 |
| 相談方法 | 電話・来所(要予約)・メール・FAX・Web会議(Zoom、1週間前までに要予約) |
| 申込先 | 03-6427-4900 |
(出典:東京都マンションポータルサイト「分譲マンション総合相談窓口」)
12. (公財)マンション管理センター 電話相談
国土交通大臣・都道府県知事指定の公益財団法人で、全国のマンション管理組合からの相談を受け付けています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 相談内容 | 管理組合運営・管理規約に関する相談、建物・設備の維持管理に関する相談 |
| 電話番号 | 運営・規約相談 03-3222-1517/建物・設備相談 03-3222-1519 |
| 相談時間 | 月〜金曜日(祝日・年末年始を除く)午前9時30分〜午後5時 |
| 費用 | 無料 |
(出典:(公財)マンション管理センター「相談窓口について」)
13. 一般社団法人マンション管理業協会 相談窓口
マンション管理会社の業界団体で、管理会社との契約や委託業務に関するトラブル相談を受け付けています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 電話番号 | 050-3733-8982 |
| 相談時間 | 平日午前10時〜午後4時30分(正午〜午後1時を除く) |
| 費用 | 無料 |
私はこれを、必ずワンセットで提案するようにしています。管理会社側の言い分だけでなく、管理業協会や管理センターという中立的な立場の相談先も持っておくと、理事会としての判断に自信が持てます。
マンション管理計画認定制度(唯一、少額の手数料がかかる制度)
ここまでご紹介してきた13の窓口はすべて無料、あるいは費用の大半が助成で戻る制度でした。最後にご紹介する管理計画認定制度だけは、区への申請手数料自体は無料ですが、システム利用料として少額の費用がかかります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 区への申請手数料 | 無料 |
| システム利用料 | 1申請あたり10,000円 |
| 申込先 | 都市開発部建築指導課耐震化促進係 03-5662-6389 |
(出典:江戸川区「マンション管理計画認定制度」、更新日2025年4月1日)
マンション管理計画認定制度は、長期修繕計画や管理組合の運営状況が一定の基準を満たしていることを行政が認定する仕組みです(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。認定を取得すると、住宅金融支援機構のフラット35で金利が優遇されるなど、区分所有者にもメリットが及びます。認定基準の詳細はPDFで公開されていますので、申請を検討する段階になったら、まず耐震化促進係に事前相談されることをおすすめします。
何を持っていけばいいか:相談前に揃えたい3点セット
どの窓口に行くにしても、手ぶらで行くと専門家も的確なアドバイスがしづらくなります。私がいつもお伝えしているのは、次の3点です。
1. 総会議事録(直近2〜3年分)
管理組合としての意思決定の経緯が分かる資料です。過去にどんな議論があったかを把握してもらうことで、相談時間を有効に使えます。
2. 長期修繕計画書
現在の修繕積立金の水準が、今後の工事に対して足りているかどうかを判断する基礎資料です。作成年が古い場合は、その旨を正直に伝えてください。
3. 管理規約
区分所有者間のルールが分かる資料です。滞納対応や違反行為への対応を相談する際には必須です。
この3点があれば、耐震アドバイザーでも、マンション管理士でも、弁護士でも、初回の相談だけでかなり具体的な話ができます。
よくあるご質問
Q. 江戸川区の耐震アドバイザー派遣は、何回まで無料で呼べますか?
A. 回数の上限は公表されていませんが、耐震診断・改修設計・改修工事のそれぞれの段階で相談できる制度です。まずは建築指導課耐震化促進係(03-5662-6389)に、ご自身の建物が対象になるかを確認するのが最初の一歩です。
Q. マンションアドバイザー制度利用助成は、どのマンションでも使えますか?
A. 昭和58年以前の建物は管理状況届出書、平成17年以降の建物は管理組合設立届の提出が前提条件です。届出がまだの場合は、区に先に確認されることをおすすめします。
Q. 東京都のマンションアドバイザー無料派遣と、区の助成制度はどう違いますか?
A. 都の無料派遣(管理状況届出制度)は完全無料ですが対象建物と回数に制限があります。区の助成制度は自己負担が発生しますが、より幅広いコース(講座編・相談編・支援編)を選べます。まずは無料派遣の対象になるかを確認し、対象外なら助成制度を使う、という順番がおすすめです。
Q. 弁護士に相談したいのですが、区民相談室と法テラスのどちらを使えばいいですか?
A. 区民相談室の法律相談は収入・資産の要件なく江戸川区民であれば利用できます。法テラスは収入・資産の要件を満たす方が対象で、その後の弁護士費用の立替え制度も利用できます。まずは要件を問わない区民相談室から検討されるとよいと思います。
Q. マンション管理計画認定制度を取ると、具体的にどんなメリットがありますか?
A. 住宅金融支援機構のフラット35で金利優遇が受けられるなど、区分所有者個人にもメリットが及びます。申請手数料自体は無料で、システム利用料1万円のみが管理組合の負担です。
Q. 大規模修繕の工期は、工法によってどれくらい違いますか?
A. ロープアクセス工法は足場の組立・解体の期間がまるごと不要になるため、足場工法のおよそ60%の工期が目安です。10階建て・外周80mのマンションであれば、足場工法で3か月程度のところ、ロープアクセスなら1.5〜2か月程度になります。ただし改修範囲が広い場合は差が縮まります。
Q. 管理会社を通さずに、明誠に直接相談してもいいのでしょうか?
A. もちろんです。セカンドオピニオンとしてお使いいただくケースが一番多いです。既存の見積書を拝見して、数量と単価の妥当性を一緒に確認するだけでも結構です。お問合せフォームからご連絡ください。
まとめ:今週、江戸川区の管理組合が動けること3つ
長くなりましたので、動き出しの3手に絞ります。
1. 建築指導課耐震化促進係(03-5662-6389)に電話して、自分の建物が旧耐震基準(昭和56年5月以前)に該当するか確認する
該当すれば、耐震アドバイザー派遣が無料で使え、耐震診断・改修設計の費用も3分の2まで助成対象になります。
2. 管理状況届出を済ませているか確認し、済んでいなければ届出を進める
届出さえ済ませておけば、東京都のマンションアドバイザー無料派遣(1〜5回無料)の対象になります。
3. 東京都のマンション管理士無料派遣(防災力向上・認知症対応)を理事会の議題に載せる
受付は令和9年2月26日まで。江戸川区は水害への備えが特に重要な区です。防災力向上のテーマで、専門家に相談できる機会を無料で確保できます。
江戸川区は、小岩・平井のような下町の中規模マンションから、葛西・西葛西の湾岸エリアの大規模マンションまで、建物のタイプが幅広い区です。荒川と江戸川に挟まれた低地という土地柄もあり、防災という切り口が他区以上に大きな意味を持ちます。だからこそ、「よその管理組合がこうしたから」ではなく、自分の建物の構造と築年、そして立地のリスクを自分たちで把握することが効いてきます。
そして、その第一歩にかかるお金は、江戸川区の場合ほとんどゼロにできます。区の耐震アドバイザー、都のマンション管理士、弁護士、消費生活センター。これだけ呼んでも、支出は郵送代と電話代くらいのものです。
私は現場でこう思うことがあります。管理組合が損をするのは、悪い業者に当たったときよりも、相談しないまま時間だけが過ぎたときのほうがずっと多い、と。外壁の浮きも、防水の切れも、待っていて良くなることはありません。
明誠のこれまでの明誠の施工事例もあわせてご覧いただければ、実際にどんな建物でどんな判断をしてきたかが伝わると思います。マンション・ビルの管理組合さまはマンション管理組合さま向けサービスのご案内もご参照ください。ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。
出典・参考資料
- 江戸川区「マンションアドバイザー制度利用助成」(更新日2025年4月1日)
- 江戸川区「分譲マンション(緊急輸送道路沿道建築物、特定沿道建築物の対象となるものを除く)」(更新日2026年7月3日)
- 江戸川区「住宅・建築物の耐震化助成制度」(更新日2026年5月18日)
- 江戸川区「マンション管理計画認定制度」(更新日2025年4月1日)
- 江戸川区「法律相談(グリーンパレス区民相談室)」
- 江戸川区「『法テラス』の法律相談(グリーンパレス区民相談室)」
- 江戸川区消費者センター「相談したい」
- 一般社団法人東京都建築士事務所協会江戸川支部「無料建築相談会」
- 東京都マンションポータルサイト「分譲マンション総合相談窓口」
- 東京都マンションポータルサイト「マンション管理アドバイザー制度」
- 東京都マンションポータルサイト「分譲マンション向けマンション管理士無料派遣(防災力向上・認知症対応)」
- 東京都防災・建築まちづくりセンター「マンションアドバイザー無料派遣」
- (公財)マンション管理センター「相談窓口について」
- 一般社団法人マンション管理業協会「相談業務」
- 法テラス「お電話でのお問合せ(法テラス・サポートダイヤル)」
- 国土交通省「マンション管理計画認定制度」
本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月25日時点で公表されている東京都江戸川区および国土交通省・東京都の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず東京都江戸川区および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年9月25日

