本間社長ブログ

富津市のマンション補助金|大規模修繕2026年度版

富津市のマンション補助金|大規模修繕2026年度版
本間 幸紘

著作者プロフィール

株式会社明誠 代表取締役

本間 幸紘

大規模修繕・外壁工事・ロープアクセス工事に関する情報を、現場経験をもとに分かりやすくお届けします。

2026年10月8日 更新

「富津市のマンションで、大規模修繕に使える補助金はありますか?」

先に結論をお伝えします。令和8年度(2026年度)の富津市公式サイトを確認した範囲では、外壁塗装や屋上防水といった大規模修繕の工事費そのものを補助する制度は見つかりませんでした。 ただし、富津市のマンション管理組合が使える制度は確かにあります。

それが「令和8年度 富津市住宅用設備等脱炭素化促進事業補助金」です。この制度には、マンション管理組合が申請者になれる「窓の断熱改修」の区分があり、補助額は補助対象経費の4分の1、上限は「8万円×改修を行う戸数」です。さらに市の申請のご案内では、補助対象経費に「仮設足場費」が含まれると書かれています。富津市で大規模修繕を控え、サッシやガラスの断熱化も検討している管理組合にとっては、見逃せない制度です。

こんにちは、株式会社明誠の本間です。マンション・ビル・ホテルの大規模修繕に20年以上携わってきました。この記事では、富津市のマンション管理組合の理事長さま・理事の皆さまに向けて、補助制度を「共用部に使えるか、使えないか」で仕分けし、窓の断熱改修補助の使い方と、工事費そのものを抑える工法の選び方までお伝えします。

最初に、大事な注意点が2つあります。1つ目は、この補助は先着順で、予算額に達した時点で受付が終わることです。市のページには「補助金交付可能残額」が掲載されており、本記事の執筆時点で表示されていた額は4,780,000円(随時更新)でした。2つ目は、窓の断熱改修は着工前の申請が必須であることです。受付期限は令和9年2月1日ですが、予算が先に尽きる可能性もあります。申請前に、必ず富津市環境保全課で最新の残額をご確認ください。

早見表:富津市のマンション共用部で使える制度・使えない制度

まず全体像です。令和8年度の富津市公式サイトと、千葉県・国土交通省の公表資料をもとに整理しました。

制度 管理組合が使えるか 主な内容(令和8年度) 確認先
住宅用設備等脱炭素化促進事業補助金(窓の断熱改修) 使える 経費の1/4、上限8万円×改修戸数。仮設足場費も対象経費。着工前申請、先着順 環境保全課 0439-80-1274
同補助金(集合住宅用充電設備) 使える 管理組合または所有者が申請可。国の補助額を基準に1/3(上限50万円×基数)など。本体購入費のみ 環境保全課 0439-80-1274
住宅の省エネ改修に伴う固定資産税の減額 区分所有者ごと 窓の断熱工事を含む改修で翌年度の固定資産税を1/3減額。マンションは専有部分単位 課税課 0439-80-1242
木造住宅耐震改修事業 使えない 木造2階建て以下の一戸建てが対象 都市政策課 0439-80-1306
マンション長寿命化促進税制 要件を満たせば区分所有者ごと 国の制度。管理計画認定などが前提 課税課・都市政策課へ確認
マンション管理計画認定 確認が必要 千葉県は「市の区域は市が認定」と案内。富津市の受付状況は公式サイトで確認できず 都市政策課 0439-80-1306

この表のとおり、富津市の管理組合にとっての本命は「窓の断熱改修」です。ここから順に詳しく見ていきます。

富津市はこんな街です-東京湾に面した南北40kmの海岸線

富津市は房総半島の中西部、東京湾側に位置する市です。市の公式サイトによると、面積は205.40㎢、南北40kmに及ぶ海岸線を持ち、君津市・鴨川市・鋸南町と接しています。東京湾に突き出た富津岬は「関東の天の橋立」と呼ばれ、南房総国定公園に指定されています。東京湾アクアラインや館山自動車道の開通で、都心とのアクセスも向上しました。

人口は、令和8年9月1日現在で37,917人、世帯数は17,452世帯です(富津市の常住人口)。戸建てが中心の街ですが、駅周辺や海沿いには中層の分譲マンション・賃貸マンション、リゾートマンションも見られます。

私たち施工会社の目線で、富津市の建物に共通する特徴をあげると、次の2点です。

  • 海からの風と塩分:東京湾に長い海岸線で面しているため、海沿いの建物では鉄部のさび、シーリング材(目地を埋めるゴム状の材料)の劣化、アルミサッシの腐食が内陸より早く進む傾向があります
  • 高潮・津波への備え:市は洪水・高潮・土砂災害の想定区域を載せたハザードマップを公表しており、津波ハザードマップは富津・大佐和・天羽の3地区版があります。建物の1階まわり、受水槽やポンプ室、電気設備の位置は、修繕計画を考えるうえで外せない確認事項です

この2点は、後で説明する「工法の選び方」と「劣化調査の範囲」にも関わってきます。

結論:富津市の管理組合は「窓の断熱改修補助」を大規模修繕と一緒に計画する

制度の概要

富津市の「住宅用設備等脱炭素化促進事業補助金」は、家庭の地球温暖化対策と電力の強靭化を目的に、住宅用の設備を導入する人に予算の範囲内で補助金を交付する制度です。対象設備はエネファーム、蓄電池、窓の断熱改修、電気自動車、V2H、集合住宅用充電設備などで、このうち管理組合に関係するのが窓の断熱改修と集合住宅用充電設備です。

窓の断熱改修のポイントを、市の「申請のご案内」から整理します。

項目 内容(令和8年度)
申請できる人 市内に住所を有する個人、またはマンション等のマンション管理組合
補助額 補助対象経費×1/4(上限8万円)。マンション等の管理者が設置する場合は上限「8万円×改修戸数」。1,000円未満切捨て
対象となる住宅 既存住宅(新築・建売住宅は対象外)
申請のタイミング 設置工事に着工する前
受付期間 令和9年2月1日まで。先着順、交付可能額に達した時点で終了。予約は不可
実績報告 工事完了から30日以内、または令和9年3月1日のいずれか早い日まで
交付請求の期限 令和9年3月5日
窓口 富津市役所1階 環境保全課 環境保全係(0439-80-1274)

対象になる窓の条件

対象となるのは、国の令和6年度以降の補助事業で、環境共創イニシアチブ(SII)または北海道環境財団に窓・ガラスとして登録された製品のうち、窓全体の熱貫流率(Uw)が1.9以下のものです。熱貫流率とは「熱の逃げやすさ」を表す数値で、小さいほど断熱性能が高いことを意味します。

さらに、1室単位で、外気に接するすべての窓を断熱化する必要があります。部屋の中の一部の窓だけを替える計画では条件を満たさないおそれがあるため、図面の段階で窓ごとに番号を振って確認することをおすすめします。

マンションならではの使いどころ:共用部の窓も対象にできる

私が富津市の制度で特に注目したのは、マンション等では、1戸以上の窓を改修する場合に、エントランス・ロビー・階段・廊下などの共用部分の窓も対象にできると明記されている点です。

大規模修繕では、共用廊下や階段室の窓、エントランスのガラスを同時に更新することがよくあります。住戸の窓と共用部の窓をまとめて断熱化すれば、補助を使いながら、冬の共用廊下の寒さや結露の悩みにも手を打てます。

「仮設足場費」が対象経費に入っている意味

市の申請のご案内では、補助対象経費として、窓・ガラスの本体に加えて、取付費、額縁・ふかし枠、カバー工法のサッシ、外部・内部のシーリング、仮設足場費、既存設備の解体撤去費があげられています。一方で、網戸・雨戸などの付属部材費や、ガラス付きドアの本体と交換工事費は対象外です。

ここで誤解しないでいただきたいのは、対象になる足場費は「高断熱窓の設置と不可分の分」に限られることです。外壁塗装や防水工事も含めた大規模修繕全体の足場費が補助されるわけではありません。見積書の段階で、窓の工事に必要な足場の範囲と費用を、施工会社に分けて書いてもらうことが大切です。

いくら補助されるのか、試算してみます

30戸のマンションで、全30戸の窓を断熱改修するケースを考えます(金額は説明のための仮の数字です)。

項目 金額
窓の断熱改修の補助対象経費(30戸分、足場費の按分を含む) 1,600万円
経費の1/4 400万円
上限(8万円×30戸) 240万円
補助額(いずれか低い方) 240万円

このケースでは上限の240万円が補助額になります。ただし、市の交付可能残額は、執筆時点の表示で478万円でした。複数の申請が重なれば、管理組合の申請が受け付けられる前に予算が尽きる可能性もあります。規模の大きなマンションほど、早めに市へ残額を問い合わせ、申請書類をそろえておくことが重要です。

管理組合が用意する主な書類

管理組合として申請する場合、通常の申請書類に加えて、次のものが求められます。

  • 代表者が選ばれたことを証する書類(総会議事録など)と代表者の本人確認書類(法人格のない管理組合の場合)
  • マンション等であることが分かる書類(確認済証など)
  • 着工前の日付入りの現況写真
  • 窓に番号を振った平面図・立面図

総会の決議と申請のタイミングは、事前にしっかり段取りしておきたいところです。着工前に申請しなければならないため、総会で工事を決議した後、着工までの間に申請書類をそろえる期間を工程表に組み込んでおきましょう。

現場目線のひとこと:工程表に「申請」と「交付決定」の行を入れる

20年以上現場を見てきて、補助をめぐる失敗で一番多いのは、「工事の段取りを先に決めてしまい、申請の時間が取れなかった」というケースです。富津市の窓の断熱改修は、着工前の申請が必須で、審査から交付決定通知までは15日程度かかると案内されています。

私は理事長さまに、工程表の一番上に「補助申請」「交付決定」の行を入れることをおすすめしています。足場を組み始める日を先に決めるのではなく、交付決定の見込み日から逆算して着工日を決める。これだけで、補助を取りこぼすリスクは大きく下がります。

集合住宅用充電設備の補助-駐車場のEV対応も検討できます

富津市の同じ補助金には、集合住宅用充電設備の区分もあります。既存の共同住宅(または長屋)で、居住者が使える駐車場に充電設備を設置する場合に、マンション管理組合または所有者が申請できます。

利用形態 補助額(令和8年度)
住民のみ利用可能な場合 国の補助額×1/3(上限50万円×設置基数)
住民以外も利用可能な場合 国の補助額×2/3(上限100万円×設置基数)

補助の対象は、急速・普通充電設備、充電用コンセント、コンセントスタンドなどの本体購入費のみで、工事費は含まれません。対象機器は、国の補助事業で次世代自動車振興センターが対象としているものに限られます。国の補助を使わない場合の計算方法も示されているため、詳細は申請のご案内でご確認ください。なお、充電設備は窓と違い、着手後の申請でも差し支えないとされています。

大規模修繕のタイミングで駐車場の電気設備を見直す管理組合も増えています。将来の入居者ニーズを考えると、検討の価値がある制度です。

申請スケジュールの逆算-先着順と「着工前申請」に注意

令和8年10月8日時点から、窓の断熱改修補助を使う場合のスケジュールを逆算すると、次のようになります。

時期 管理組合がやること
10月中 市の環境保全課に交付可能残額を確認。施工会社に窓の断熱改修を含む見積りを依頼(窓番号付きの図面、足場費の按分を明記)
11月 理事会で工事内容を検討。必要に応じて臨時総会で決議
総会決議後すぐ 着工前の現況写真を撮影し、申請書類一式を提出
申請から約15日 交付決定通知を受け取る
交付決定後 着工
工事完了から30日以内(遅くとも令和9年3月1日) 実績報告書を提出
令和9年3月5日まで 交付請求書を提出

申請は「不備・不足なく書類一式を提出した日」が受付日として扱われます。書類がそろわないまま窓口に行っても、受付順は確保できません。また、交付決定後の変更申請で補助額を増やすことはできないため、申請時点で改修する戸数と窓をきちんと固めておくことが大切です。

年度内に工事が終わらない計画の場合、令和9年度に同じ制度が続くかどうかは、現時点ではわかりません。翌年度の実施については、市の窓口に確認してください。

制度別に見る:使えない制度を、先に見極めましょう

補助金探しで時間を無駄にしないために、マンションには使えない制度も押さえておきましょう。

木造住宅耐震改修事業:木造の一戸建てが対象

富津市の木造住宅耐震改修事業は、平成12年5月31日以前に建てられた、在来軸組工法の木造2階建て以下の一戸建てが対象です。鉄筋コンクリート造のマンションは対象外です。なお、この制度の市のページは平成27年(2015年)に更新されたもので、令和8年度の運用は都市政策課でご確認ください。

分譲マンションの耐震診断・耐震改修の補助:公式サイトでは確認できず

富津市の耐震関連のページを確認した範囲では、分譲マンション向けの耐震診断・耐震改修の補助は見つかりませんでした。旧耐震基準(昭和56年5月以前に建築確認)のマンションで耐震化を考えている場合は、千葉県や国の制度も含めて、都市政策課に相談するのが確実です。

危険ブロック塀等の除却:公式情報では補助の要件を確認できず

市の耐震改修の一覧には「危険ブロック塀等除却事業」という見出しがありますが、リンク先のページはブロック塀の安全点検の呼びかけで、補助額や要件の記載は確認できませんでした。敷地内のブロック塀の撤去を考えている管理組合は、防災安全課(0439-80-1266)に補助の有無を確認してください。

移住子育て世帯マイホーム取得補助金:管理組合ではなく個人向け

富津市には、子どもを伴って転入する世帯が戸建てやマンションを取得する際の補助(取得費用の1/10、新築は上限100万円・中古は上限80万円)もあります。これは住戸を取得する個人向けの制度で、管理組合の修繕には使えません。ただ、空き住戸の売却や賃貸の募集で「富津市にはこうした移住支援がある」と伝えられることは、資産価値の面で知っておいて損はありません。

固定資産税の減額とマンション長寿命化促進税制

住宅の省エネ改修に伴う固定資産税の減額

富津市では、令和4年4月1日から令和13年3月31日までに一定の省エネ改修を行った住宅について、翌年度の固定資産税を3分の1減額する制度があります(認定長期優良住宅になった場合は3分の2)。主な要件は次のとおりです。

  • 平成26年4月1日以前からある住宅であること
  • 窓の断熱工事を必ず含むこと
  • 補助金などを除いた自己負担額が60万円を超えること
  • 改修後の床面積が40㎡以上240㎡以下であること(令和8年3月31日までの改修は50〜280㎡)
  • 工事終了後、原則3か月以内に申告すること
  • 減額の対象は1戸あたり床面積120㎡分までで、翌年度分に限ること

マンションなど区分所有の建物では、各専有部分(住戸)単位で適用されます。管理組合が窓の断熱改修をまとめて行った場合に、各区分所有者がこの減額を受けられるかどうかは、工事費の負担の仕方や証明書の取り方によって変わる可能性があります。市の窓の補助と、この減額をどう組み合わせられるかは、工事の前に課税課(0439-80-1242)へ確認しておきましょう。

マンション長寿命化促進税制

国の「マンション長寿命化促進税制」は、築20年以上・10戸以上のマンションで、管理計画の認定などを受けたうえで、長寿命化に資する大規模修繕工事(外壁塗装等、床防水、屋根防水)を行った場合に、各住戸の翌年度の固定資産税を減額する制度です。対象となるのは令和9年3月31日までに完了した工事で、完了後3か月以内の申告が必要です。ほかの固定資産税の減額措置との併用には制限があるため、詳細な要件は国土交通省のページと市の課税課で確認してください。

富津市の公式サイトでは、この税制の市独自の案内ページは確認できませんでした。適用を検討する場合は、課税課と都市政策課に早めに相談してください。

マンション管理計画認定制度-富津市の窓口は都市政策課へ確認を

マンション管理計画認定制度は、管理組合の管理計画が一定の基準を満たしていることを、自治体が認定する制度です。認定を受けると、長寿命化促進税制の前提になるほか、住宅金融支援機構の融資での金利引下げなどのメリットがあります。

千葉県の公式ページでは、「県は町村の区域で認定事務を行い、市の区域のマンションは市が認定を行う」と案内されています。つまり、富津市内のマンションは県ではなく富津市が窓口になる仕組みです。ただし、認定は自治体が「マンション管理適正化推進計画」を作っていることが前提で、富津市が推進計画を作成し、認定を受け付けているかは公式サイトで確認できませんでした。

認定を検討している管理組合は、まず富津市都市政策課(建築住宅係 0439-80-1306)に受付状況を問い合わせてください。千葉県も、県土整備部住宅課や相談ダイヤルでマンション管理の相談に応じています。

富津市のマンションの大規模修繕-足場か、ロープアクセスか、公平に比べます

補助金が窓の断熱改修と充電設備に限られる以上、工事費そのものを適正に抑えることが、修繕積立金を守る最大の手段になります。

費用の目安

金額は物件によって大きく変わるため、あくまで参考値です。私たちが見積りの入口でお伝えしている目安は次のとおりです。

項目 目安
30戸規模マンションの大規模修繕 総工費 約3,500万〜5,000万円
うち仮設足場の割合 総工費の約15〜25%
外壁塗装 1㎡あたり約3,500〜4,500円
外壁の打診調査 1㎡あたり約250〜500円
防水工事 1㎡あたり約5,000〜8,000円

10階建て・外周80m・工期3か月の建物を例にとると、足場の費用が約168万円かかるところ、ロープアクセスでは約59万円、差額は約109万円という試算になります。実際の見積りは、建物の形状・劣化状況・工事範囲によって変わります。料金の考え方は大規模修繕の料金の考え方(明誠)でもご紹介しています。

窓の断熱改修と工法の関係

富津市の補助では、窓の工事に不可分な仮設足場費が対象経費に入ります。外側からサッシを交換するカバー工法などでは足場が向くことが多い一方、室内側に内窓を設置する方法なら外部の足場は基本的に不要です。

たとえば、「外壁はロープアクセスで部分補修とシーリングの打替えを行い、窓は内窓で断熱化する」という組み合わせなら、足場費そのものを抑えつつ補助も使える可能性があります。逆に、外壁の劣化が全面に及んでいれば、足場を組んで外壁と窓を一度に工事したほうが総額で有利になることもあります。どちらが得かは、建物ごとに見積りを並べて比べるのが確実です。

3つの工法を、公平に比べる

明誠は、次の3つの工法から建物に合う方法を提案しています。

工法 向いている建物・工事 強み 注意点
通常の足場仮設工法 外壁の全面補修、塗装・防水・タイル・サッシ交換を一括で行う大規模修繕 作業の安全性と品質を確保しやすく、全面的な工事に適する 設置・解体の費用と工期がかかる。足場期間中は防犯・採光・ベランダ使用に配慮が必要
ロープアクセス工法(無足場工法) 外壁の部分補修、シーリングの打替え、調査・点検、部分塗装 足場が不要なため、工期と費用を抑えやすい。居住者の生活への影響が少ない 作業内容によっては向かない。専門技能を持つ職人が必要
ハイブリッド工法 面ごと・部位ごとに足場とロープを使い分けたい建物 部位ごとに最適な方法を選べ、総額を最適化しやすい 計画と工程管理に専門性が必要

ロープアクセス工法では、作業者がメインロープとバックアップロープの2本に接続し、屋上などに2点以上の吊元(ロープを固定する支点)を確保して作業します。明誠の工法の詳細は明誠のロープアクセス工法の技術と実績で、業界全体の安全基準や施工例は姉妹サイトのロープアクセスドットコム(無足場工法の専門メディア)で詳しく紹介しています。安全管理の考え方は明誠の高所作業の安全管理にまとめています。

ここは正直に申し上げます。 私たちは3つの工法をすべて扱うので、足場が最適なら足場を、ロープが向くならロープを提案します。どれか1つに誘導するための記事ではありません。

海沿いの建物で、ロープアクセスが役立つ場面

東京湾に面した富津市では、海側の面だけ劣化が早いという建物が珍しくありません。こうした建物では、大規模修繕の周期の途中で、海側の面だけシーリングや鉄部を部分補修するという考え方が有効です。全面に足場を組むほどではない部分補修に、ロープアクセスは向いています。12〜15年ごとの大規模修繕と、その間の部分補修を組み合わせることで、修繕積立金の山を平らにできる場合があります。

明誠について、数字でお伝えします

株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法での高所作業について、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業では、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを維持しています。IRATA(国際産業ロープアクセス協会)水準の技能訓練を受けた作業員が施工し、ISO9001の品質マネジメントシステムを運用しています。また、日本初のロープアクセス工事のフランチャイズ本部として、塗装・防水・タイル・電気・看板の各分野の専門職と連携しています。

富津市のマンションで、理事会が確認したいこと

  • 海にどれだけ近いか、海側の面と陸側の面で劣化の差があるか
  • ハザードマップ上で、高潮・津波の想定区域に入っているか(1階の設備、受水槽、電気室の位置)
  • サッシ・ガラスの状態と、窓の断熱化を今回の修繕に含めるか
  • 共用廊下・階段・エントランスの窓も一緒に更新するか
  • 駐車場にEV充電設備を設ける需要があるか
  • 敷地に足場の材料置場や車両の搬入経路の余裕があるか
  • 前回の大規模修繕から何年経ち、外壁・防水をどう行ったか

現場で見てきたこと

海沿いの現場でよく見るのが、「前回の大規模修繕で全面を同じ仕様にしたのに、海側だけ5〜6年でシーリングが割れてきた」というケースです。理事会で「まだ大規模修繕の時期ではないから」と様子を見ているうちに、ひび割れから雨水が入り、室内側の漏水につながってしまう。私はこうした建物で、海側の面は点検の間隔を短くし、早めに部分補修することをおすすめしています。

管理組合向けのサービス内容はマンション管理組合さま向けの大規模修繕サービスにまとめています。明誠のこれまでの施工の様子は、明誠の施工事例からご覧いただけます。

制度を使うときの共通の落とし穴

失敗しやすい3つのパターン

  1. 着工してから申請しようとする:窓の断熱改修は着工前の申請が必須です。交付決定の前に着工してよいのは電気自動車・プラグインハイブリッド自動車・集合住宅用の設備に限られます
  2. 「1室単位で全ての窓」の条件を見落とす:外気に接する窓を部屋の中で一部だけ替える計画では、条件を満たさないおそれがあります
  3. 先着順と残額を確認しない:書類が整った日が受付日です。準備に時間がかかっている間に予算が尽きることがあります

理事会で使える質問リスト

市の窓口へ問い合わせるとき、次の質問をそのまま使えます。

  • 窓の断熱改修補助の交付可能残額は、現在いくらですか(環境保全課 0439-80-1274)
  • 大規模修繕と同時に行う場合、仮設足場費のどこまでを窓の工事分として計上できますか
  • 共用部(廊下・階段・エントランス)の窓を含める場合、上限額の計算はどうなりますか
  • 令和9年度も、管理組合区分の窓の断熱改修補助は続く予定ですか
  • 市内マンションの管理計画認定は受け付けていますか(都市政策課 0439-80-1306)
  • 省エネ改修の固定資産税減額は、管理組合が一括で窓を改修した場合に各住戸で使えますか(課税課 0439-80-1242)

富津市のマンションが大規模修繕に向けて動く5つのステップ

  1. 長期修繕計画と修繕積立金の残高を確認する:工事の時期と予算の上限を把握します
  2. 市の制度を確認する:窓の断熱改修補助の残額、充電設備補助の要件、管理計画認定の受付状況を問い合わせます
  3. 建物診断(劣化調査)を行う:海側・陸側の劣化の差を含めて調べます。ロープアクセスでの外壁調査の方法も選択肢の一つです
  4. 工法を比べて見積りを取る:足場・ロープアクセス・ハイブリッドの3つで比べ、窓の工事に関わる足場費を分けて記載してもらいます
  5. 総会で決議し、着工前に補助を申請する:交付決定から逆算して着工日を決めます

賃貸マンション・ビルのオーナーの方へ

富津市の窓の断熱改修補助は、マンション管理組合のほかに「市内に住所を有する個人」も申請できます。市外にお住まいの賃貸マンションのオーナーさまが使えるかどうかは要件次第ですので、市に確認してください。賃貸物件の修繕では、空室期間を短くし、入居者の生活への影響を抑えることが収益に直結します。足場を組まないロープアクセスは、こうした点でもメリットがあります。ビルオーナーさま向けのサービスはビルオーナーさま向け大規模修繕サービスをご覧ください。

よくあるご質問

Q. 富津市で、マンションの大規模修繕工事費に使える補助金はありますか?

A. 令和8年度の公式サイトを確認した範囲では、外壁塗装や防水などの工事費そのものを補助する制度は見つかりませんでした。管理組合が使えるのは、住宅用設備等脱炭素化促進事業補助金の「窓の断熱改修」と「集合住宅用充電設備」です。

Q. 窓の断熱改修補助はいくらもらえますか?

A. 補助対象経費の4分の1で、マンション等の管理者が申請する場合の上限は「8万円×改修を行う戸数」です。30戸すべてを改修する場合、上限は240万円になります。

Q. 足場代も補助の対象になりますか?

A. 高断熱窓の設置と不可分の仮設足場費は、補助対象経費に含まれます。ただし、外壁塗装など大規模修繕全体の足場費が対象になるわけではありません。

Q. 申請の締め切りはいつですか?

A. 令和9年2月1日までですが、先着順で交付可能額に達した時点で終了します。執筆時点の表示では残額は478万円でした。最新の残額は環境保全課(0439-80-1274)でご確認ください。

Q. 共用廊下や階段の窓も対象になりますか?

A. 1戸以上の住戸の窓を改修する場合、エントランス・ロビー・階段・廊下などの共用部分の窓も対象にできると、市の申請のご案内に書かれています。

Q. 足場を組まない大規模修繕は、本当に可能ですか?

A. 外壁の部分補修、シーリングの打替え、調査・点検、部分塗装などでは、ロープアクセス工法で足場を組まずに施工できます。外壁全面の改修やサッシのカバー工法では足場が向く場合もあり、明誠では3つの工法から建物に合う方法をご提案しています。

Q. 相談や見積りに費用はかかりますか?

A. 明誠では、建物の状況確認と概算のお見積りを無料で承っています。補助金・税制の情報整理だけのご相談でもかまいません。大規模修繕の無料相談・お問い合わせからお声がけください。

この記事のポイントまとめ

  • 富津市の令和8年度の補助で、外壁・防水などの大規模修繕工事費そのものに使える制度は確認できず
  • 本命は「住宅用設備等脱炭素化促進事業補助金」の窓の断熱改修。管理組合が申請でき、経費の1/4・上限8万円×戸数、窓と不可分の仮設足場費も対象
  • 1戸以上の窓を改修すれば、共用部(廊下・階段・エントランス)の窓も対象にできる
  • 受付は令和9年2月1日までだが先着順。着工前申請が必須で、交付決定まで約15日
  • 集合住宅用充電設備の補助もあり、管理組合または所有者が申請できる(本体購入費のみ)
  • 管理計画認定は「市の区域は市が認定」。富津市の受付状況は都市政策課へ確認

出典・参考資料

本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月8日時点で公表されている富津市および千葉県、国土交通省の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず富津市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。本記事は法的・税務上の助言ではありません。

富津市は、大規模修繕の工事費に直接使える補助金が多い街ではありません。それでも、管理組合が申請できる窓の断熱改修補助という確かな手段があり、工法を並べて比べれば工事費そのものも見直せます。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。ご相談だけでも遠慮なくお問い合わせフォームからお声がけください。


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この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月8日


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