本間社長ブログ
流山市のマンション漏水・防災対策|江戸川・利根川と内水153ミリ想定、令和8年8月千葉豪雨に備える大規模修繕2026年度版
目次

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著作者プロフィール
株式会社明誠 代表取締役
本間 幸紘
大規模修繕・外壁工事・ロープアクセス工事に関する情報を、現場経験をもとに分かりやすくお届けします。
流山市でマンションやビルをお持ちのオーナー・管理組合さまが、大規模修繕で優先すべき漏水・防災対策は、結論から言うと次の3つです。
- 屋上ドレン(排水口)・バルコニー排水・外壁の目地を、次の大雨の前に点検する:令和8年8月13日の千葉豪雨では、流山市内28か所で道路冠水などが記録され、南流山地区では最大145センチの冠水と床下浸水が報告されました(市の暫定版資料)。
- 「洪水」「内水」「高潮」を分けて、物件の住所で確認する:流山市は河川の洪水、下水や側溝があふれる内水、高潮のマップをそれぞれ公開しています。令和8年2月には、時間153ミリの雨を想定した内水の浸水想定区域図も新たに公表されました。
- 受変電設備・給水ポンプ・エレベーターの設置階と、地震時の備えを修繕計画に入れる:漏水を直しても、電気室や機械室が浸水すれば暮らしは止まります。
私は東京都東大和市の株式会社明誠で、20年以上、マンション・ビル・ホテルの大規模修繕を現場で担当してきました。流山市は、つくばエクスプレスの開業以降、流山おおたかの森駅や南流山駅の周辺に中高層マンションが増えてきた市です。この記事では、流山市と気象庁、国土交通省が公開している一次情報を確認しながら、流山市のマンションに関係する部分だけを取り上げてお話しします。
流山市のハザードマップを1枚で読む
流山市の防災マップのページには、洪水、高潮、内水、雨水出水浸水想定区域図、土砂災害、地震のハザードマップが並んでいます(出典:流山市 地震・洪水・浸水・土砂災害ハザードマップ)。
| 種類 | 市の公開内容の要点 |
|---|---|
| 洪水 | 利根川、江戸川、利根運河、坂川、坂川(放水路)、北千葉導水路、新坂川、大堀川、今上落の氾濫を想定。マップは令和7年11月更新 |
| 内水(雨水出水浸水想定区域図) | 時間最大153ミリの雨で、下水や側溝があふれた場合の想定。令和8年2月公表 |
| 内水ハザードマップ | 平成20年度、平成25年度〜令和4年10月末の道路冠水などの浸水履歴をもとに作成 |
| 高潮 | 想定し得る最大規模の高潮で河川が氾濫した場合の浸水区域と継続時間 |
| 土砂災害・地震 | それぞれ別のマップで公開 |
洪水ハザードマップは、利根川、江戸川、利根運河、坂川、坂川(放水路)、北千葉導水路、新坂川、大堀川、今上落が、想定し得る最大規模の大雨で氾濫した場合に危険が予想される区域を示しています。想定する雨は、利根川流域で72時間総雨量491ミリ、坂川・新坂川流域と大堀川流域で24時間総雨量690ミリです。浸水想定は、河川を管理する国土交通省と千葉県のシミュレーション結果がもとになっています(出典:流山市 洪水ハザードマップ)。
ここで大事なのは、流山市の内水の情報が2種類あることです。
- 雨水出水浸水想定区域図(令和8年2月公表):時間153ミリの雨を想定したシミュレーション。水防法に基づき市が指定・公表したものです。国の指針で示された関東地方の最大降雨量にもとづく値と、市は説明しています(出典:流山市 想定最大規模降雨による雨水出水浸水想定区域図の公表)。
- 内水ハザードマップ(従来版):過去の道路冠水などの実績をもとにした地図です。市のページでは、水防法に基づくものではないと明記されています(出典:流山市 内水ハザードマップ)。
「シミュレーション」と「実績」の両方を見ると、物件の住所の浸水リスクがより立体的にわかります。高潮のマップも、千葉県知事が令和4年6月10日に指定した高潮浸水想定区域にもとづいて作られています(出典:流山市 高潮ハザードマップ)。
読者の方にお願いしたい注意が一つあります。ハザードマップは、国や県、市が定めた条件でのシミュレーションです。市のページでも、着色のない場所でも、雨の降り方や落ち葉・土砂による集水ますの詰まりで浸水する場合があると案内されています。物件の住所を地図で確認したら、画面かPDFを保存して、理事会や社内で共有してください。
令和8年8月の千葉豪雨で、流山市に何が起きたか
気象庁の資料によると、令和8年8月13日から14日にかけて、千葉県の上空に線状降水帯が発生し、記録的短時間大雨の情報が繰り返し発表されました(出典:気象庁 令和8年8月千葉豪雨(速報))。なお、この速報の資料に流山市の個別の数値は載っていません。
流山市の状況は、市の河川課が公開している「令和8年8月千葉豪雨 流山市内の浸水等発生状況(暫定版)」で確認できます。8月13日の豪雨で、市内の北部・中部・東部・南部の28か所で道路冠水などが記録されています(出典:流山市 令和8年8月千葉豪雨 浸水等発生状況(暫定版))。
資料から、深さの記載がある主な箇所を抜き出すと次のとおりです。
| 地区 | 市の資料の記載 |
|---|---|
| 南流山1〜6丁目 | 道路冠水 40〜145センチ・床下浸水 |
| 南流山7丁目 | 道路冠水 30〜40センチ |
| 東初石1・2・4丁目 | 道路冠水 20〜40センチ |
| 流山8丁目、前ケ崎 | 道路冠水 20センチ |
| おおたかの森西1丁目・南1丁目・南3丁目、平和台 | 道路冠水 10センチ |
資料は暫定版で、市が把握したものだけをまとめたものです。記載がない場所でも浸水があった可能性があると、市のページに注意書きがあります(出典:流山市 浸水等の履歴)。同じページには、令和8年台風25号の浸水等発生状況(暫定版)も掲載されています。令和6年度・令和7年度は「報告なし」だったことを考えると、令和8年は流山市にとって雨の被害が目立った年だと言えます。
市の資料では、流山市で観測した過去最大の時間雨量は、平成20年8月の97ミリです。令和4年9月24日にも1時間40ミリを観測しています。想定の153ミリは、これを大きく上回る雨です。
私が現場で見てきた経験でも、道路が冠水するほどの雨の後は、1階や地下の浸水だけでなく、屋上やバルコニーから雨水が入り込む相談が増えます。強い雨が短時間に集中すると、排水口に落ち葉や砂がたまった屋上では水があふれ、立上りの防水を越えます。駅前の新しいマンションでも、植栽の多い屋上や広いバルコニーでは同じことが起こり得ます。
地域特性と漏水事故の関係
流山市の洪水ハザードマップは、江戸川や利根運河のような大きな河川から、坂川・新坂川・大堀川・今上落のような身近な河川まで、9つの河川の氾濫を想定しています。一方、市の暫定版資料を見ると、令和8年8月の被害は、江戸川に近い南部の南流山地区から、新しい住宅地のおおたかの森周辺まで、市内の広い範囲に出ています。
これは「川から遠いから安全」とは言い切れないことを示しています。内水は、雨水管や側溝の能力を超えた雨が降れば、川から離れた場所でも起こります。
流山市のマンションを大きく分けると、点検の着眼点が変わります。
- 南流山駅周辺など、低い土地の物件:洪水・内水・高潮の浸水想定の深さを確認し、1階の共用部、地下の機械室、駐車場の出入口を重点的に見る。
- 流山おおたかの森駅周辺の比較的新しい中高層:屋上やバルコニーの面積が大きく、ドレンが複数ある。ドレンごとの詰まりと、植栽まわりの防水の状態を見る。
- 築30年以上の中規模マンション:外壁のシーリング(目地の防水材)の寿命が来ていることが多く、サッシまわりからの浸水を疑う。
新しい物件でも、竣工から12年前後で最初の大規模修繕の時期を迎えます。つくばエクスプレス沿線で2000年代後半から建った物件は、ちょうどその時期に入っています。
大規模修繕でチェックすべき漏水ポイント7つ
大規模修繕の周期は、一般に12〜15年が目安とされています。現地調査では、私は次の7か所を順に見ています。
- 屋上防水:膨れ、ひび割れ、保護コンクリートの伸縮目地の劣化。防水更新は1㎡あたり5,000〜8,000円程度がひとつのレンジです。
- シーリング:窓まわりや外壁パネルの目地。ひび割れや肉やせは、雨水の入口になります。
- バルコニー排水:排水口のゴミ詰まりと、床の防水層の劣化。
- ルーフドレン(屋上の排水口):落ち葉や土砂のたまり。大雨の前に清掃するだけで、あふれる危険が大きく減ります。
- 立上り:屋上や庇の防水が壁に立ち上がる部分の端部。ここの切れ目から水が入ります。
- サッシまわり:枠と外壁の取り合い部分。シーリングだけでなく、防水下地の確認が必要です。
- エキスパンションジョイント:建物の動きを受ける継ぎ目。カバーの外れや内部の劣化を確認します。
金額は目安です。建物の規模や状態で大きく変わりますので、見積りは現地調査のうえで比較してください。料金の考え方は、明誠の料金の考え方にまとめています。
漏水緊急対応でロープアクセスが強い理由
大雨の翌日に漏水の連絡が入ったとき、足場を組む工事は、見積り、近隣説明、組立で数週間かかります。その間、雨が降るたびに室内へ水が入ります。
ロープアクセス(産業用ロープで外壁に降りて作業する無足場工法)なら、ロープを張った当日から、外壁の点検、応急のシーリング補修、ドレン清掃に入れる場合があります。明誠のロープアクセス工法では、メインロープとバックアップロープの2本を使い、2点以上の吊元に接続する二重の確保を基本としています。明誠および加盟企業では、過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。
費用の面でも違いがあります。たとえば10階建て・外周80m・工期3か月の建物では、足場に約168万円かかる場合に対し、ロープアクセスでは約59万円という試算例があります。物件により変動しますので、あくまで参考値です。工期も、足場工法の約60%で済む場合があります。技術の詳細は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムにまとめています。同業の方や、フランチャイズにご関心のある方にも技術情報のページをご覧いただけます。
明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。漏水の相談は、漏水対応のご案内から状況をお知らせください。
防災上の共用部の位置と修繕優先度
漏水の次に私が確認するのが、暮らしを支える設備の置き場所です。浸水の想定がある場所では、次の順で優先度を考えます。
| 設備 | 確認すること | 優先度 |
|---|---|---|
| 受変電設備(電気室) | 設置階。地下や1階なら止水板・かさ上げを検討 | 高 |
| 給水ポンプ | 設置場所と、停電時の給水のしかた | 高 |
| エレベーター | 機械室・ピットへの雨水の侵入経路、地震時管制運転装置の有無 | 高 |
| 自家発電設備 | 燃料の保管量と設置階 | 中 |
| 避難通路・出入口 | 浸水時の出入口の高さ、段差 | 中 |
エレベーターについて、流山市は、平成21年9月28日より前に設置されたエレベーターには地震時管制運転装置が付いていない可能性があるとして、定期検査報告書などで確認し、設置するよう呼びかけています(出典:流山市 既設エレベータへの地震時管制運転装置の設置)。大規模修繕の時期は、こうした設備の更新を一緒に検討するよい機会です。
この表はあくまで点検の考え方です。実際の判断は、建物ごとの図面と現地確認が必要です。ビルオーナーさま向けにはビルオーナー向けのご案内、管理組合さま向けには大規模修繕のご案内(管理組合)を用意しています。
流山市の防災補助・耐震助成(令和8年度)
流山市には、マンションの耐震診断費の補助があります。市のページによると、令和8年度の受付は4月1日から始まっています(出典:流山市 耐震診断助成事業)。
| 項目 | 内容(令和8年度) |
|---|---|
| 対象 | 昭和56年5月31日以前に建築されたマンションで、都市計画法・建築基準法に違反していないもの |
| 主な条件 | 区分所有者が住んでいる住戸が全体の5分の4以上/延べ面積1,000㎡以上・地上3階以上/構造の設計図等がある |
| 補助額 | 診断費用の3分の2以内。1戸あたり4万円、1棟あたり120万円が上限 |
| 診断する人 | 市に登録したマンション耐震診断士に限る |
| 注意点 | 予算措置のため事前相談が必要。交付決定前に着手すると補助対象外。交付決定日から120日以内または当年度の1月末日までに診断を終え、実績報告が必要 |
2026年11月5日現在、ページ上は受付中の案内ですが、予算の残りや令和8年度中(令和9年1月末日まで)に診断を終えられるかは、事前相談で確認が必要です。年度末までの日数を考えると、令和8年度に間に合わない場合は、令和9年度の受付に向けて理事会で準備を進めるのが現実的です。問い合わせ先は、流山市まちづくり推進部建築住宅課(電話04-7150-6088)です。
浸水の情報については、土木部河川課(電話04-7150-6095)、内水の浸水想定区域図については上下水道局下水道建設課(電話04-7150-6097)が窓口です。行政の対策には時間がかかります。建物側でできる備えを、先に進めておくことをおすすめしています。
よくあるご質問
Q. 流山市のマンションで、大雨の前にやっておくことは何ですか?
A. 屋上ドレンとバルコニー排水の清掃が最優先です。次に、受変電設備や給水ポンプの設置階を確認します。清掃だけなら大きな費用はかかりません。
Q. 内水ハザードマップと雨水出水浸水想定区域図は、どちらを見ればよいですか?
A. 両方をおすすめします。令和8年2月公表の雨水出水浸水想定区域図は時間153ミリの雨のシミュレーション、従来の内水ハザードマップは過去の冠水実績です。さらに「浸水等の履歴」のページで、令和8年8月の千葉豪雨の箇所図も確認できます。
Q. 漏水が起きたとき、まず何をすればよいですか?
A. 水の入り口を写真で記録し、管理会社に連絡してください。ロープアクセスで、点検と応急補修を即日〜翌日に着手できることが多いです。物件の状況により異なりますので、まずはお問い合わせフォームから状況をお知らせください。
Q. 屋上防水の費用はどれくらいですか?
A. 工法や面積で変わりますが、防水の更新は1㎡あたり5,000〜8,000円程度がひとつのレンジです。現地調査をしたうえでの見積りをおすすめします。
Q. 流山市の耐震診断助成は、いま申請できますか?
A. 令和8年度の受付は4月1日から始まっています。マンションは予算措置のため事前相談が必要です。まず建築住宅課へご相談ください。
Q. ロープアクセスは安全ですか?
A. メインロープとバックアップロープの2本を、2点以上の吊元に接続する二重の確保が基本です。明誠および加盟企業では、過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。
まとめ+今週動くこと3点
流山市は、洪水・高潮・内水のマップを別々に公開し、令和8年2月には時間153ミリの雨を想定した内水の浸水想定区域図も公表しました。そして令和8年8月の千葉豪雨では、南流山地区で最大145センチの道路冠水と床下浸水が記録されています。私は理事長さまやオーナーさまに、「雨が降る前に、ドレンと受変電設備の場所を見てください」とお伝えしています。
今週動いていただきたいのは、次の3点です。
- 流山市の洪水・内水(2種類)・高潮のマップと「浸水等の履歴」で、物件所在地を確認し、画面やPDFを保存する。
- 屋上ドレンとバルコニー排水のゴミ詰まり、受変電設備・給水ポンプ・エレベーターの設置階と地震時管制運転装置の有無を、管理会社と一緒に点検する。
- 昭和56年5月31日以前に建築された建物は、耐震診断助成の事前相談を建築住宅課へ入れるかどうか、理事会で話し合う。
理事会で1分だけでも、この話題を出してみてください。
明誠のこれまでの施工事例は、明誠の施工事例からご覧いただけます。
出典・参考資料
- 流山市「地震・洪水・浸水・土砂災害ハザードマップ」
- 流山市「洪水ハザードマップ(想定し得る最大規模の降雨を想定)」
- 流山市「想定最大規模降雨による雨水出水浸水想定区域図の公表」
- 流山市「内水ハザードマップ」
- 流山市「高潮ハザードマップ」
- 流山市「浸水等の履歴」
- 流山市「令和8年8月千葉豪雨 流山市内の浸水等発生状況(暫定版)」
- 流山市「耐震診断助成事業」
- 流山市「既設エレベータへの地震時管制運転装置の設置」
- 気象庁「令和8年8月千葉豪雨(速報)」
- 国土交通省・国土地理院「ハザードマップポータルサイト」
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年11月5日
関連記事(姉妹サイト)
ロープアクセス工法の詳細や実例については、姉妹サイト「ロープアクセスドットコム」の以下の記事もぜひご覧ください。
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本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年11月5日時点で公表されている流山市、気象庁、国土交通省の公式情報をもとに執筆しています。浸水等発生状況は市の暫定版資料です。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、流山市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。

