本間社長ブログ

2026.09.23

練馬区の管理組合が無料で使える相談・派遣12選|アドバイザー派遣料は区が全額助成、耐震アドバイザーは分譲マンションで10回まで無料【令和8年度版】

練馬区の管理組合が無料で使える相談・派遣12選|アドバイザー派遣料は区が全額助成、耐震アドバイザーは分譲マンションで10回まで無料【令和8年度版】
本間 幸紘

著作者プロフィール

株式会社明誠 代表取締役

本間 幸紘

大規模修繕・外壁工事・ロープアクセス工事に関する情報を、現場経験をもとに分かりやすくお届けします。

2026年9月23日 更新

先日、光が丘の分譲マンションの理事さまからこんなご相談をいただきました。

「築45年になる棟で、そろそろ3回目の大規模修繕を考えている。ただ理事は全員一年交代の輪番制で、誰も過去の経緯を知らない。管理会社の提案をそのまま通していいのか、正直自信がない」

伺うと、11階建て・120戸規模の団地型マンションで、長期修繕計画の更新は8年近く止まっていました。輪番制の理事会にありがちな話です。悪意はどこにもなく、ただ「専門家に相談する」という発想そのものが理事の頭になかった。

私はこの手のご相談を受けるたびに思うことがあります。練馬区の管理組合は、実は無料で呼べる第三者の専門家がかなり充実しているのに、その存在自体が知られていない、と。しかも練馬区の場合、単に「相談窓口がある」だけでなく、都のアドバイザー派遣にかかる費用そのものを区が肩代わりする助成まで用意されています。これは23区の中でも手厚い部類です。

申し遅れました。私は株式会社明誠の本間幸紘と申します。東京都東大和市を拠点に、20年近くマンション・ビル・ホテルの外壁の仕事をしてきました。足場を組んで建物をすっぽり囲う工事も、ロープ1本でぶら下がる無足場の工事も、どちらの現場も自分の足で踏んできた人間です。

今日は、練馬区の管理組合とビル・収益不動産オーナーさまが使える相談・派遣・助成を12個、令和8年度(2026年4月1日から2027年3月31日まで)の一次情報で整理します。


結論:練馬区で使える支援は12ある

先に一覧でお示しします。費用ゼロのものと、費用の一部・全部が助成で戻るものを分けて並べました。

# 制度・窓口 誰が対応するか 費用 申込先
1 練馬区 分譲マンション管理運営無料相談 マンション管理士2名 無料/1枠50分・月2回開催 住宅課 03-5984-1289
2 練馬区 分譲マンションアドバイザー制度利用助成 都センター認定アドバイザー 派遣料全額助成(年度内1回) 住宅課 03-5984-1289
3 練馬区 耐震アドバイザー派遣・簡易診断助成 建築士等の耐震アドバイザー 無料(10/10助成)/派遣は同一建物10回まで 建築課 耐震化推進係
4 ねりまマンションセミナー「未来塾」 東京都マンション管理士会と協働 無料(年3回) 住宅課(次回は令和8年11月上旬)
5 練馬区 区民相談所・石神井庁舎の法律相談 弁護士 無料/1回30分・年3回まで 区民相談所 03-5984-4523
6 練馬区 法律相談オンライン(Zoom・水曜) 弁護士 無料 区ホームページの申込フォーム
7 練馬区消費生活センター 消費生活相談員 無料 03-5910-4860(石神井公園区民交流センター内)
8 東京都 マンションアドバイザー無料派遣(管理状況届出制度) マンション管理士等 無料(届出済みが条件) 東京都防災・建築まちづくりセンター
9 東京都 マンション管理士無料派遣(防災力向上・認知症対応) 講習修了のマンション管理士 無料/各2回まで 東京都マンション管理士会(令和9年2月26日まで)
10 (公財)マンション管理センター 電話相談 専門相談員 無料 03-3222-1517/設備は03-3222-1519
11 一般社団法人マンション管理業協会 相談窓口 専門相談員 無料 050-3733-8982
12 練馬区マンション管理計画認定制度 (公財)マンション管理センターが事前確認 手数料4,100円〜(長期修繕計画1本の場合) 住宅課 03-5984-1289

1〜11がお金のかからない相談・派遣・助成、12だけは少額の手数料が発生する認定制度です。順番に見ていきます。


練馬区のマンション管理士派遣は「区役所に呼ばれる」だけでなく「助成で呼べる」

練馬区の分譲マンション支援は、区が直接開く相談会と、都の制度を使うときの費用を区が肩代わりする助成の二段構えになっています。ここが練馬区の一番の特徴です。

1. 分譲マンション管理運営無料相談(事前予約制)

区が公表している内容をそのまま引用します。区内に所在する分譲マンションの管理組合役員および区分所有者が対象です。

項目 内容
対象 区内に所在する分譲マンションの管理組合役員および区分所有者
開催頻度 原則月2回(第1・第3木曜日の午後)
時間・回数 1枠50分、1日3枠(13時20分〜14時10分/14時15分〜15時05分/15時10分〜16時)
相談員 マンション管理士2名
費用 無料
会場 練馬区役所本庁舎13階会議室
申込方法 電子申請(Logoフォーム)または電話03-5984-1289(8時30分〜17時15分、土日祝除く)

(出典:練馬区「分譲マンション管理運営無料相談(事前予約制)」/更新日2026年4月30日)

同席は申請者を含めて3名までという制限があります。理事長お一人でふらっと申し込むよりも、修繕委員長や会計担当と3人で臨むほうが、限られた50分を有効に使えます。私の経験では、質問リストを事前に3つに絞って持っていく理事会ほど、この手の相談枠を使いこなしています。

2. 分譲マンションアドバイザー制度利用助成 — 練馬区の目玉

ここが練馬区独自の強みです。多くの区は「区が専門家を呼ぶ」か「都の制度を紹介するだけ」のどちらかですが、練馬区は都のアドバイザー派遣にかかる費用そのものを、区が全額肩代わりする助成を用意しています。

項目 内容
対象 練馬区の分譲マンション管理組合登録制度に登録した、区内の分譲マンション管理組合等
助成対象アドバイザー (公財)東京都防災・建築まちづくりセンターが派遣する認定アドバイザー
助成額 マンション管理アドバイザー制度:Aコース16,500円・Bコース25,300円の全額。マンション建替え・改修アドバイザー制度:Aコース16,500円・Aオプション8,800円の全額
助成回数 同一管理組合等につき、同一年度内にいずれか1回
手続の流れ ①管理組合登録 ②助成申請書の提出 ③区の審査・交付決定通知 ④アドバイザー派遣の申込・利用 ⑤完了報告と請求書提出後に助成金が入金

(出典:練馬区「分譲マンションアドバイザー制度利用助成」/更新日2026年7月3日)

この制度のポイントは、アドバイザーの種類を選べることです。「マンション管理アドバイザー制度」は管理運営や合意形成が専門のアドバイザー、「マンション建替え・改修アドバイザー制度」は建築士など技術系のアドバイザーが中心になります。つまり練馬区では、管理の相談も、建物の技術的な相談も、実質無料で専門家を呼べる設計です。

私はいつも理事長さまに「まず管理組合登録を先に済ませておいてください」とお伝えしています。登録そのものに費用はかからず、いざ大規模修繕の話が動き出したときに、登録の有無で使えるスピードが変わってくるからです。

3. 耐震アドバイザー派遣・簡易診断助成 — 昭和56年5月以前の分譲マンションなら10回まで無料

もう一つ、練馬区で見落とされがちな支援がこれです。旧耐震基準(昭和56年5月31日以前)の建築物を対象にした、耐震診断のアドバイザー派遣と簡易診断の助成制度です。

項目 内容
対象建築物 昭和56年5月以前に建築された建築物(緊急輸送道路沿道建築物、分譲マンション、災害時医療機関等を含む)
助成率 10分の10(申請者の自己負担なし)
アドバイザー派遣の回数 同一の建物に対して10回まで
助成金額の目安 アドバイザー派遣50,000円/回、簡易診断352,000〜745,000円(建物規模による)
対象者 分譲マンション管理組合の代表者または建築物所有者
内容 耐震診断の進め方だけでなく、区分所有者間の合意形成についてのアドバイスも対象に含まれる

(出典:練馬区「アドバイザー派遣および簡易診断の助成制度」/更新日2026年4月1日)

私がこの制度で驚くのは、アドバイザー派遣が10回までという枠の広さです。他区で見かける耐震アドバイザー制度は3回程度が多い印象ですが、練馬区は合意形成という一番時間のかかる部分まで面倒を見てくれる設計になっています。旧耐震のマンションで「建替えか、改修か」の議論が長引いている管理組合ほど、この枠を使い切る価値があります。

外壁の劣化がどの程度進んでいるかを客観的に把握する方法については、明誠のロープアクセス工法による外壁調査の考え方をご覧いただくと、足場を組まずにどこまで見られるのかが分かります。技術的な仕組みそのものをもう少し深く知りたい方は、同業者向けに書いている姉妹サイトロープアクセスドットコムのほうが詳しいです。


練馬区で使える弁護士の無料法律相談と消費生活センター

管理費の滞納、区分所有者間のトラブル、工事契約をめぐる紛争。これらは管理士や建築士の守備範囲を超えます。練馬区にも法律面の無料窓口が用意されています。

なお、練馬区の弁護士会法律相談センターは「弁護士会による相談(有料)」と区のページに明記されています。無料で使いたい場合は、次の区民相談のほうを選んでください。

5. 区民相談所・石神井庁舎の法律相談

項目 内容
相談時間 午後1時〜午後4時、一人30分以内
費用 無料(相談内容の秘密は厳守)
利用回数 1年間に3回まで
会場 練馬区区民相談所(月・水・金)、石神井庁舎区民相談室(火・木)、男女共同参画センターえーる(土曜)
予約方法 事前予約制・先着順。相談日の1週間前午前9時から電話または窓口で受付開始
連絡先 練馬区区民相談所 03-5984-4523

(出典:練馬区「法律相談」/更新日2026年1月20日)

30分は短く感じますが、年3回まで使えます。さらに水曜日はオンライン(Zoom)でも法律相談を実施しているため、平日の日中に区役所や石神井庁舎まで出向けない理事さまには、こちらのほうが現実的でしょう。私は「争点を1つに絞って行く」ことをいつもお勧めしています。「滞納が3年分たまっている区分所有者に、どの手続きから着手すべきか」まで絞れていれば、30分で具体的な道筋が見えます。

7. 練馬区消費生活センター

工事契約のトラブル、訪問業者による強引な勧誘への対応は、消費生活センターの領域です。

  • 所在地:練馬区石神井町2丁目14番1号 石神井公園区民交流センター内
  • 相談電話:03-5910-4860
  • 相談時間:月〜金 午前9時〜午後4時30分(祝休日・年末年始を除く)

(出典:練馬区「消費生活センター」/更新日2025年10月7日)

「地震のあと点検に来たという業者に、その場で契約書を書かされた」という相談は、残念ながら現場で今も耳にします。この手の話は法律相談より先に、消費生活センターに入れたほうが早いことが多いです。

なお、収入・資産が一定基準以下の方であれば、法テラス(日本司法支援センター)の民事法律扶助による無料法律相談も選択肢になります。同一の問題につき1回30分・3回まで無料で、弁護士・司法書士に相談できます(出典:法テラス「無料法律相談のご利用の流れ」)。練馬区内の相談窓口については練馬区「法テラス(日本司法支援センター)」のページで案内されています。


セミナー・相談会:ねりまマンションセミナー「未来塾」

練馬区は東京都マンション管理士会と協働で、区内の分譲マンション管理組合役員・区分所有者を対象にしたセミナー「未来塾」を開いています。

項目 内容
対象 区内の分譲マンション管理組合役員や区分所有者
開催頻度 年3回開催予定
内容 管理組合の運営や大規模修繕の進め方などの情報提供、参加者相互の交流会
運営協力 東京都マンション管理士会
次回予定 令和8年11月上旬(詳細は令和8年10月下旬ごろにホームページ等で案内)

(出典:練馬区「ねりまマンションセミナー“未来塾”」/更新日2026年6月18日)

私がこの手のセミナーで価値を感じるのは、講義そのものよりも交流会の時間です。「うちの棟は3回目の大規模修繕でこう乗り切った」という他の管理組合の生の声は、コンサルタントの説明より腹に落ちることがあります。次回の令和8年11月上旬に向けて、詳細発表を待たずに理事会の議題として一言触れておくと、参加のハードルが下がります。


東京都・国の相談窓口を重ねて使う

練馬区の枠を使い切っても、まだ残っています。ここからは東京都と国の制度です。

8. マンションアドバイザー無料派遣(管理状況届出制度が前提)

東京都は「管理状況届出制度による届出を行った管理組合に対し、その管理状況に応じて、マンション管理士などの専門家を派遣し、マンションの管理や建替え・改修について、講義や個別具体的な相談に対するアドバイスを行います」としています(出典:東京都マンションポータルサイト「マンションアドバイザー無料派遣のご案内」)。

肝は「届出を出していること」が条件という点です。練馬区は「東京におけるマンションの適正な管理の促進に関する条例」に基づく管理状況届出制度実施要領を定めており、区内の分譲マンションもこの枠組みの対象になります。届出の具体的な手続については、住宅課(03-5984-1289)に確認するのが確実です。

  • 通常の届出済みマンション:1回まで無料
  • 管理不全の兆候があるマンション:5回まで無料
  • 申込先:(公財)東京都防災・建築まちづくりセンター

順番としては「届出 → 無料派遣」です。まだ届出をしていない管理組合は、まずここから動くとよいでしょう。

9. マンション管理士無料派遣(防災力向上・認知症対応)

こちらは届出の有無を問わない枠です。

項目 内容
対象 都内に所在するマンション管理組合
回数 防災力向上・認知症対応それぞれ2回まで(合計最大4回)
費用 無料
受付期間 令和8年6月23日(火)から令和9年2月26日(金)まで
募集枠 防災力向上・認知症対応あわせて160件程度
申込 東京都マンション管理士会のホームページから

(出典:東京都「本日からマンション管理士無料派遣事業の受付を開始(マンション管理組合向け)」/東京都マンションポータルサイト「分譲マンション向けマンション管理士無料派遣(防災力向上・認知症対応)」)

都内全域で160件程度という枠です。締切の令和9年2月26日まで残り約5か月。年内に理事会で決議しておくと安心です。賃貸マンションのオーナーさま向けには、賃貸マンション向け防災アドバイザー無料派遣という別枠も用意されています。

10. (公財)マンション管理センターの電話相談

全国の管理組合が使える、国のマンション管理適正化推進センター指定団体の窓口です。

  • 管理組合運営・管理規約などの相談:03-3222-1517
  • 建物・設備の維持管理の相談:03-3222-1519(電話で事前予約)
  • 相談時間:月〜金 9時30分〜17時00分

(出典:(公財)マンション管理センター「相談窓口について」)

11. 一般社団法人マンション管理業協会の相談窓口

管理会社の団体である日管協(マンション管理業協会)も、管理組合向けの相談窓口を設けています。

  • マンション管理に関する相談:050-3733-8982(10時〜16時30分、12時〜13時は昼休み)

(出典:一般社団法人マンション管理業協会「お問い合わせ」)

「区に相談するほどでもないが、誰かに確認したい」という程度の疑問なら、10番・11番のどちらかが一番手軽です。


練馬区マンション管理計画認定制度(唯一、少額の手数料がかかる制度)

12. マンション管理計画認定制度

練馬区は令和5年4月から、マンション管理計画認定制度を実施しています。

項目 内容
手数料 長期修繕計画が1つの場合4,100円、2つ以上の場合は2つ目以降1件あたり1,800円加算(更新時も同額)
事前確認 (公財)マンション管理センターの「管理計画認定手続支援システム」で事前確認適合証を取得
申請の流れ ①事前相談 ②総会での決議 ③事前確認適合証取得 ④認定申請 ⑤区への書類提出と手数料納付
注意点 オンライン申請をしただけでは申請完了にならず、区への書類提出と手数料納付が必要

(出典:練馬区「練馬区マンション管理計画認定制度」/更新日2026年4月15日)

認定を取ると、住宅金融支援機構の共用部分リフォーム融資の金利引き下げや、長寿命化促進税制の適用要件など、修繕積立金の負担に効いてくる場面があります。国の制度概要は国土交通省「マンション管理計画認定制度」にまとまっています。


お金の話:練馬区で大規模修繕を検討するときの目安

支援制度の話ばかりでは実感が湧かないと思いますので、費用の目安も出しておきます。すべて参考値のレンジです。実際の見積は建物の形状・劣化状況・立地によって大きく変動します。

工種 ㎡単価の目安
外壁塗装 3,500〜4,500円/㎡
外壁打診調査 250〜500円/㎡
屋上・バルコニー防水 5,000〜8,000円/㎡

30戸規模のマンションで大規模修繕を一巡させると、総額のレンジは3,500〜5,000万円程度。このうち仮設足場が15〜25%を占めます。つまり足場だけで500万〜1,200万円という計算になります。

私がロープアクセス工法(産業用ロープで作業員が懸垂し、足場を組まずに外壁作業を行う無足場工法)をお勧めする理由は、ここにあります。10階建て・外周80m・工期3か月というモデルケースでは、足場の仮設費が約168万円に対し、ロープアクセスなら約59万円。差額は約109万円です。

もちろん、どんな建物でもロープアクセスが最適というわけではありません。低層で形状が複雑な建物、外壁の改修範囲が広い建物は、足場を組んだほうが総合コストで有利になります。だからこそ明誠では、通常足場・ロープアクセス・両者を併用するハイブリッド工法の3つから選べる体制をとっています。3工法を自社で提案できる会社は、国内でも多くありません。料金の考え方については明誠の大規模修繕の料金の考え方にまとめています。

株式会社明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法での高所作業について、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業では過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。作業員はIRATA(国際産業ロープアクセス協会)水準の技能訓練を受けています。この安全体制の詳細はロープアクセスドットコムで公開しています。


相談に行くとき、何を持っていけばいいか

50分や30分という枠を最大限に使うために、私がいつもお伝えしている3点セットがあります。

  1. 直近3期分の総会議事録 — 何が決まり、何が先送りされてきたかが一目で分かります
  2. 長期修繕計画書 — 更新が10年近く止まっていても構いません。むしろ止まっていること自体が相談材料です
  3. 管理規約(最新版) — 標準管理規約は令和7年に改正されています。自組合の規約がどの版に準拠しているかで、打てる手が変わります

余裕があれば、これに修繕積立金の残高が分かる直近の決算書と、気になっている箇所のスマホ写真を加えてください。写真は強力です。「北面3階のバルコニー下に白い筋が出ている」と口で説明するより、1枚見せたほうが専門家の判断は10倍速くなります。

法令面では、令和7年5月30日公布の「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律」(令和7年法律第47号)が令和7年11月28日に一部施行されています。旧耐震の団地型マンションで建替えや大規模な改修を視野に入れている管理組合は、この改正を踏まえた助言を受けられるかどうかで、相談の価値が変わってきます。


よくあるご質問

Q. 分譲マンション管理運営無料相談は、理事長でないと申し込めませんか?

A. 対象は「区内に所在する分譲マンションの管理組合役員および区分所有者」ですので、理事でない一区分所有者の立場でもお申し込みいただけます。同席は申請者を含めて3名までです。

Q. アドバイザー制度利用助成は、管理士と建築士のどちらを呼べますか?

A. 「マンション管理アドバイザー制度」(管理運営が中心)と「マンション建替え・改修アドバイザー制度」(建築士など技術系が中心)の2種類から選べます。ただし助成は同一年度内にいずれか1回です。管理組合登録が前提になりますので、まだの場合は早めに登録を済ませておくことをお勧めします。

Q. 耐震アドバイザー派遣・簡易診断助成は、うちのマンションが対象か分かりません。

A. 対象は昭和56年5月31日以前に建築された建築物です。築年数だけでなく建築確認日が基準になりますので、確実な判断は建築課の耐震化推進係にご確認ください。分譲マンション管理組合の代表者が申請できます。

Q. 東京都のマンション管理士無料派遣は、いつまでに申し込めばいいですか?

A. 令和8年度の受付期間は令和8年6月23日から令和9年2月26日までで、防災力向上・認知症対応あわせて160件程度という募集枠が公表されています。年度末ぎりぎりではなく、年内の理事会で決議しておくほうが安心です。

Q. 法律相談は、区民相談所と法テラスのどちらを使えばいいですか?

A. 区民相談所の法律相談は練馬区民であれば所得に関わらず年3回まで無料で使えます。法テラスは収入・資産の要件を満たす方が対象で、同一の問題につき3回まで無料です。まずは要件を問わない区民相談所から検討されるのがよいと思います。

Q. 大規模修繕の工期はどれくらい違いますか?

A. ロープアクセス工法は足場の組立・解体の期間がまるごと不要になるため、足場工法のおよそ60%の工期が目安です。10階建て・外周80mのマンションであれば、足場工法で3か月程度のところ、ロープアクセスなら1.5〜2か月程度になります。ただし改修範囲が広い場合は差が縮まります。

Q. 管理会社を通さずに、明誠に直接相談してもいいのでしょうか?

A. もちろんです。セカンドオピニオンとしてお使いいただくケースが一番多いです。既存の見積書を拝見して、数量と単価の妥当性を一緒に確認するだけでも結構です。お問合せフォームからご連絡ください。


まとめ:今週、練馬区の管理組合が動けること3つ

長くなりましたので、動き出しの3手に絞ります。

1. 住宅課(03-5984-1289)に電話して、分譲マンションアドバイザー制度利用助成の管理組合登録を確認する

登録さえ済ませておけば、都センターのアドバイザー派遣料(16,500〜25,300円)が全額助成の対象になります。登録自体に費用はかかりません。

2. 旧耐震(昭和56年5月以前)の建物かどうかを確認し、該当すれば耐震アドバイザー派遣を検討する

該当すれば10分の10助成で、アドバイザー派遣は同一建物10回まで無料です。合意形成のアドバイスまで含まれるのが練馬区の強みです。

3. 東京都のマンション管理士無料派遣(防災力向上・認知症対応)を理事会の議題に載せる

受付は令和9年2月26日まで。枠は都内全体で160件程度です。防災と認知症対応で各2回、計4回の専門家訪問が無料で受けられる計算になります。


練馬区は、光が丘や関町のような大規模団地型のマンションから、練馬駅・石神井公園駅周辺の中規模マンションまで、建物のタイプが幅広い区です。旧耐震の団地型が数多く残る一方で、駅前再開発で新しい住棟に入れ替わったエリアもある。だからこそ、「よその管理組合がこうしたから」ではなく、自分の建物の状態と築年を自分で把握することが効いてきます。

そして、その第一歩にかかるお金は、練馬区の場合ほとんどゼロにできます。区の相談、都のアドバイザー、耐震アドバイザー、弁護士、消費生活センター。これだけ呼んでも、支出は郵送代と電話代くらいのものです。

私は現場でこう思うことがあります。管理組合が損をするのは、悪い業者に当たったときよりも、相談しないまま時間だけが過ぎたときのほうがずっと多い、と。壁の浮きも、防水の切れも、待っていて良くなることはありません。

明誠のこれまでの明誠の施工事例もあわせてご覧いただければ、実際にどんな建物でどんな判断をしてきたかが伝わると思います。ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。


出典・参考資料


本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月23日時点で公表されている東京都練馬区および国土交通省・東京都の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず東京都練馬区および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。


この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)

株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市

マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年9月23日

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