本間社長ブログ

大磯町のマンション補助金|大規模修繕2026年度版

大磯町のマンション補助金|大規模修繕2026年度版
本間 幸紘

著作者プロフィール

株式会社明誠 代表取締役

本間 幸紘

大規模修繕・外壁工事・ロープアクセス工事に関する情報を、現場経験をもとに分かりやすくお届けします。

2026年10月10日 更新

「大磯町のマンションで、大規模修繕に使える補助金はありますか?」

先に結論をお伝えします。令和8年度(2026年度)の大磯町公式サイトで確認できた範囲では、外壁塗装や屋上防水といった共用部分の大規模修繕の工事費そのものを、管理組合に補助する制度は見つかりませんでした。 大磯町の令和8年度の住宅耐震化補助も、対象は昭和56年5月31日以前に建てられた戸建ての木造住宅で、鉄筋コンクリート造のマンションは対象外です。

それでも、大磯町のマンション管理組合が知っておきたい制度と決まりは3つあります。1つ目は、緊急輸送道路や通学路沿いの危険なブロック塀の撤去に使える「危険ブロック塀撤去等補助」(通学路沿いなら補助率3/4・上限15万円)。2つ目は、神奈川県がマンション管理士などの専門家を無料で派遣する「マンションアドバイザー派遣事業」(令和8年度は令和9年2月26日まで受付)。3つ目は、補助金ではありませんが、10戸以上のマンションで外壁の色を塗り替えるときに届出が必要になる「大磯町景観計画」です。

こんにちは、株式会社明誠の本間です。マンション・ビル・ホテルの大規模修繕に20年以上携わってきました。この記事では、大磯町のマンション管理組合の理事長さま・理事の皆さまに向けて、補助制度を「共用部に使えるか、使えないか」で仕分けし、景観計画の色彩基準を踏まえた塗り替えの進め方、神奈川県が窓口になる管理計画認定、そして工事費そのものを抑える工法の選び方までお伝えします。

早見表:大磯町のマンションで使える制度・使えない制度

まず全体像です。令和8年度の大磯町公式資料と、神奈川県・国土交通省の公表資料をもとに整理しました。

制度・決まり 窓口 管理組合(共用部)で使えるか 内容
危険ブロック塀撤去等補助(令和8年度版) 大磯町 都市計画課 △ 条件付き(法人が所有・管理する塀は対象外。管理組合で申請できるかは要確認) 撤去費の1/2・上限10万円。通学路沿いまたは非課税世帯は3/4・上限15万円
住宅耐震化補助(令和8年度) 大磯町 都市計画課 × マンションは対象外 昭和56年5月31日以前の戸建て木造住宅が対象。耐震補強工事は1/2・上限50万円など
マンションアドバイザー派遣事業(令和8年度) 神奈川県 住宅計画課 ○ 相談に使える(工事費の補助ではない) 派遣料無料、1回3時間以内、1管理組合につき年度内最大2回。令和8年6月26日〜令和9年2月26日
マンション管理計画認定制度 神奈川県(町村部は県が認定) ○ 間接的に有利 長寿命化促進税制や融資の金利引下げの前提になる
マンション長寿命化促進税制 国(申告先は大磯町) ○ 間接的に有利 一定の大規模修繕を令和9年3月31日までに完了した場合、翌年度の固定資産税を減額
大磯町景観計画(届出) 大磯町 都市計画課 補助ではなく「守るべき決まり」 10戸以上の集合住宅などで、外観の過半かつ50㎡超の色彩変更等は届出が必要(景観形成重点地区は10㎡超)

ポイントは、共用部の大規模修繕費に直接使える町の補助は見当たらない一方で、「ブロック塀の撤去」「県の無料アドバイザー」「管理計画認定と税制」を組み合わせる余地があることです。そして大磯町では、外壁の色選びが景観計画のルールに直結する点を、計画の早い段階で押さえておく必要があります。

大磯町のマンションの特徴-「景観のまち」で、県が窓口の町村部

大磯町は神奈川県の中郡にあり、相模湾に面した町です。明治期以来の別荘地(邸園)や旧東海道の松並木が残り、町は平成17年2月に景観法に基づく景観行政団体になっています。マンション管理の観点では、大きな特徴が2つあります。

1つ目は、大磯町は「町村部」なので、マンション管理計画の認定やアドバイザー派遣の窓口が神奈川県になることです。市と違って町に独自のマンション支援策が少ないぶん、県の制度を使いこなすことが大切になります。

2つ目は、景観計画のルールが具体的で、マンションの塗り替えにも関わることです。大磯町の景観計画では、外壁の色をマンセル値(色相・明度・彩度で色を表す国際的な表記法)で定めています。「前回と違う色にしたい」という声が理事会で出たときに、この基準を知らないまま総会で色を決めてしまうと、後で計画をやり直すことになりかねません。

海に近い大磯町のマンションでは、潮風による鉄部のさびやシーリング(外壁の継ぎ目を埋めるゴム状の材料)の劣化も、内陸より早く進む傾向があります。補助金を探すのと同じくらい、劣化に合わせた工事範囲と工法の選択が修繕積立金を守るカギになる、というのが私の考えです。

本命の制度①:危険ブロック塀撤去等補助-通学路沿いは3/4・上限15万円

大磯町の「危険ブロック塀撤去等補助制度」は、地震などでブロック塀が倒れるのを防ぐため、危険なブロック塀の撤去や高さを下げる工事の費用を一部補助する制度です。町の令和8年度版の制度概要(PDF)をもとに整理します。

項目 内容
対象の塀 補強コンクリートブロック造を含む組積造の塀(コンクリートブロック塀、大谷石塀、レンガ塀)
対象の場所 緊急輸送道路(県指定・町指定)、通学路(大磯小・国府小)沿い
高さ 撤去前に60cm以上の高さがあるもの。撤去、または60cm以下への減築
申請できる方 塀が付属する土地・建築物の所有者(管理者)。町外の所有者も可。町税等の滞納がないこと
補助額(一般) 課税世帯で緊急輸送道路沿い:経費の1/2、上限10万円
補助額(上乗せ) 非課税世帯または通学路沿い:経費の3/4、上限15万円
経費の考え方 税抜見積額と標準工事費(基礎1mあたり1万円+塀1㎡あたり5千円)の、いずれか低い方
施工業者 町内に事業所がある事業者に限る
期限 申請年度の12月末までに工事を完了し、交付申請ができること(事前申請が必要)
窓口 都市建設部 都市計画課 開発指導係(0463-61-4100 内線289)

町の計算例では、延長15m・高さ1.2m(面積18㎡)の塀と基礎を撤去する場合、標準工事費は24万円となり、一般は上限の10万円、通学路沿いなどの上乗せは上限の15万円になります。

マンションで使うときの3つの注意点

この補助は、マンションの敷地を囲む古いブロック塀にも使える可能性があります。ただし、町のチェックリストを読むと、次の点に注意が必要です。

  1. 法人が所有し、または管理する塀は対象外です。管理組合法人として登記している管理組合は、この条件に当たる可能性が高いと読めます。法人格のない管理組合が申請できるのか、区分所有者の代表として申請する形になるのかは、資料からは読み取れませんでした。申請前に都市計画課へ確認してください。
  2. 収益・販売目的の土地は対象外です。賃貸マンションのオーナーさまの場合は、対象になりにくいと考えられます。
  3. 「申請年度の12月末までに工事を完了」が条件です。令和8年度分は、記事執筆時点(10月)から逆算すると時間がかなり限られます。総会の決議が必要な管理組合では、次年度(令和9年度)の制度の内容を確認したうえで、年度の早い時期に申請する計画が現実的です。

なお、塀を撤去した後に60cmを超えるブロック塀を作り直すことは認められていません。撤去後の外構は、町の景観計画が推奨する生垣や自然素材の塀で整えることも検討してください。町には、いけがきの設置を補助する制度もあります(町の要綱では法人は対象外とされています)。

本命の制度②:神奈川県のマンションアドバイザー派遣-大磯町の管理組合は無料で使えます

大規模修繕を前に、管理組合が最初に使いたいのがこの制度です。神奈川県の令和8年度 マンションアドバイザー派遣事業のご案内(PDF)によると、内容は次のとおりです。

項目 内容
派遣対象 神奈川県内の分譲マンションの管理組合等(横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市を除く)。大磯町は対象
アドバイザー マンション管理士等の資格を持ち、マンション管理の相談経験がある人
相談時間・回数 1回につきアドバイザー1〜2名、3時間以内。夜間・休日にも対応。1管理組合につき年度内最大2回
派遣料 無料
申込期間 令和8年6月26日〜令和9年2月26日(申込者が多数の場合は早期に終了)
事前相談窓口 NPO法人 かながわマンション管理組合ネットワーク(045-620-6300)

相談できる内容には、長期修繕計画や大規模修繕、修繕積立金などの財務、管理規約、耐震性の向上、管理計画認定制度が含まれています。

一方で、チラシには見積書の比較診断、工事の受注、業者の紹介、長期修繕計画の策定そのもの、管理計画認定の申請業務などは派遣業務の範囲外と明記されています。つまり、アドバイザーは「中立の立場で考え方を整理してくれる人」です。工事の見積りや工法の比較は、施工会社から複数取り寄せて、アドバイザーの助言を判断の物差しにする、という使い方がよいでしょう。詳しくは神奈川県のマンションアドバイザーのページをご覧ください。

大磯町で外壁を塗り替えるときの「景観計画」のルール

ここが、大磯町の管理組合にとっていちばん実務的な話です。補助金ではありませんが、知らずに進めると工程が遅れる決まりなので、詳しく整理します。根拠は、町の大磯町景観計画 概要版(ガイドライン)(PDF)です。

届出が必要になる塗り替え

大磯町は町全体を「一般地区」と「景観形成重点地区」に分けています。マンションの外壁の塗り替えで関係するのは、主に次の2つです。

地区 届出の対象になる外観の変更
一般地区 中高層建築物(高さ10m以上または3階以上)、10戸以上の集合住宅、延べ面積1,000㎡超の建築物などで、外観を変える修繕・模様替・色彩の変更のうち、変更する見付面積(正面から見た面積)が外観の過半を超え、かつ50㎡を超えるもの
景観形成重点地区 外観を変える修繕・模様替・色彩の変更で、施工部分の見付面積の合計が10㎡を超えるもの

景観形成重点地区には、大磯駅周辺北・大磯駅周辺南・小磯山手・大磯港・海岸・小淘綾海岸松林・旧東海道中丸・六所神社周辺・化粧坂松並木・高麗山公園周辺の各地区が指定されています。敷地の一部でも重点地区にかかっていれば、敷地全体が重点地区とみなされます。

10戸以上のマンションで外壁全体の色を変える場合、一般地区でも届出の対象になる可能性が高いということです。同じ色で塗り直す場合の扱いや、自分のマンションがどの地区に入るかは、計画の早い段階で都市計画課に確認してください。

外壁の色の基準(マンセル値)

景観計画では、建物の外壁の「基調色」と「補助色」に、次の基準を定めています(一般地区の場合)。

色の種類 明度(明るさ) 彩度(鮮やかさ)
5YRから5Yまで(赤みの黄〜黄の系統。ベージュやアイボリーなど) 2以上8以下 6以下
上記以外の有彩色(青・緑・赤など) 2以上8以下 2以下
無彩色(白・グレー・黒) 9以下 -

景観形成重点地区では、丘陵側・町中・海岸側で基準がさらに細かく分かれ、たとえば丘陵側の重点地区では明度が2以上6以下に抑えられています。真っ白な外壁や鮮やかな青系の外壁は、基準に合わない可能性があるということです。

基準に合わない届出は、景観法に基づく勧告や変更命令の対象になり得ます。なお、この概要版は平成21年3月の発行です。最新の基準や届出の様式は、町の都市計画課で確認してください。

色決めの進め方(現場目線のアドバイス)

私たちが大磯町のような景観ルールのある地域で塗り替えを行うときは、次の順番をおすすめしています。

  1. 建物診断の段階で、現在の外壁の色をマンセル値で測っておく
  2. 地区の区分(一般地区か、重点地区のどこか)を都市計画課に確認する
  3. 基準に合う色の候補を2〜3案に絞ってから、理事会・修繕委員会で検討する
  4. 試し塗り(実際の外壁に小さく塗った見本)を、朝・昼・夕方の光で確認する
  5. 総会で色を決議し、届出を出してから着工する

色の議論は、区分所有者の関心がいちばん高いところです。最初から基準内の候補だけを並べることで、議論がまとまりやすくなります。

使えない制度を、先に見極めましょう

住宅耐震化補助:戸建ての木造住宅が対象

大磯町の令和8年度の住宅耐震化補助は、昭和56年5月31日以前に建てられた戸建ての木造住宅(枠組壁工法を除く)が対象です。受付は令和8年5月7日から12月4日までの先着順で、耐震補強工事は費用の1/2・1戸あたり上限50万円(予定5件)などとなっています。鉄筋コンクリート造のマンションは対象外です。

旧耐震基準(1981年5月以前に建築確認)のマンションの場合は、まず県のアドバイザー派遣で、耐震性の向上についての考え方を相談してみてください。

町の住宅リフォーム補助:確認できず

近隣の湯河原町や葉山町には、マンションの専有部分にも使える住宅リフォーム補助があります。しかし、大磯町の公式サイトでは、令和8年度に住宅リフォーム全般を補助する制度を確認できませんでした。 見落としの可能性もありますので、各住戸のリフォームを検討している区分所有者の方は、町に問い合わせてみてください。

マンション管理計画認定制度-大磯町は「神奈川県」が認定します

マンション管理計画認定制度は、管理組合の管理計画が一定の基準を満たしていることを、自治体が認定する制度です。認定を受けると、後述のマンション長寿命化促進税制を使う前提になるほか、住宅金融支援機構の融資で金利引下げの対象になります。

神奈川県のマンション管理計画認定 申請の手引き(PDF)によると、大磯町を含む県内14町村(葉山町、寒川町、大磯町、二宮町、中井町、大井町、松田町、山北町、開成町、箱根町、真鶴町、湯河原町、愛川町、清川村)では、神奈川県が認定を行います。

主な認定基準は次のとおりです。

  • 管理者等と監事が置かれ、集会(総会)が年1回以上開かれていること
  • 管理費と修繕積立金を区分して経理し、修繕積立金を他の会計に充てていないこと
  • 修繕積立金の3か月以上の滞納額が全体の1割以内であること
  • 長期修繕計画が標準様式に準拠し、7年以内に作成・見直しされ、計画期間30年以上・残りの期間に大規模修繕工事を2回以上含むこと
  • 将来の一時金の徴収を予定しておらず、計画の最終年度に借入金の残高がないこと

窓口は県土整備局建築住宅部住宅計画課です。手引きは令和4年4月版のため、最新の様式や手数料は県に確認してください。県の住生活基本計画 第5章(マンション管理適正化推進計画)(PDF)では、25年以上の長期修繕計画に基づいて修繕積立金を設定している管理組合の割合を、2030(令和12)年度までに65%以上にする目標が掲げられています。

マンション長寿命化促進税制-認定の取得から逆算を

国のマンション長寿命化促進税制は、築20年以上・10戸以上のマンションで、管理計画の認定などを受けたうえで、長寿命化に資する大規模修繕工事(外壁塗装等、床防水、屋根防水)を行った場合に、各住戸の翌年度の固定資産税を減額する制度です。対象は令和9年3月31日までに完了した工事で、完了後3か月以内に申告が必要です。

大磯町の場合、認定を出すのは神奈川県、固定資産税の申告先は大磯町、と窓口が分かれます。工事の完了時期から逆算して、認定の取得を先に済ませておくことが大切です。ほかの減額措置との併用には制限があるため、詳しい要件は国土交通省のページと町の税務担当で確認してください。

大磯町のマンションの大規模修繕-足場か、ロープアクセスか、公平に比べます

町の補助が共用部に使えない以上、工事費そのものを適正に抑えることが、修繕積立金を守る最大の手段になります。

費用の目安

金額は物件によって大きく変わるため、あくまで参考値です。私たちが見積りの入口でお伝えしている目安は次のとおりです。

項目 目安
30戸規模マンションの大規模修繕 総工費 約3,500万〜5,000万円
うち仮設足場の割合 総工費の約15〜25%
外壁塗装 1㎡あたり約3,500〜4,500円
外壁の打診調査 1㎡あたり約250〜500円
防水工事 1㎡あたり約5,000〜8,000円

10階建て・外周80m・工期3か月の建物を例にとると、足場の費用が約168万円かかるところ、ロープアクセスでは約59万円、差額は約109万円という試算になります。実際の見積りは、建物の形状・劣化状況・工事範囲によって変わります。料金の考え方は大規模修繕の料金の考え方(明誠)でもご紹介しています。

3つの工法を、公平に比べる

明誠は、次の3つの工法から建物に合う方法を提案しています。

工法 向いている建物・工事 強み 注意点
通常の足場仮設工法 外壁の全面補修、塗装・防水・タイル・サッシ交換を一括で行う大規模修繕 作業の安全性と品質を確保しやすく、全面的な工事に適する 設置・解体の費用と工期がかかる。足場期間中は防犯・採光・ベランダ使用に配慮が必要
ロープアクセス工法(無足場工法) 外壁の部分補修、シーリングの打替え、調査・点検、部分塗装 足場が不要なため、工期と費用を抑えやすい。居住者の生活への影響が少ない 作業内容によっては向かない。専門技能を持つ職人が必要
ハイブリッド工法 面ごと・部位ごとに足場とロープを使い分けたい建物 部位ごとに最適な方法を選べ、総額を最適化しやすい 計画と工程管理に専門性が必要

ロープアクセス工法では、作業者がメインロープとバックアップロープの2本に接続し、屋上などに2点以上の吊元(ロープを固定する支点)を確保して作業します。明誠の工法の詳細は明誠のロープアクセス工法の技術と実績で、業界全体の安全基準や施工例は姉妹サイトのロープアクセスドットコム(無足場工法の専門メディア)で詳しく紹介しています。安全管理の考え方は明誠の高所作業の安全管理にまとめています。

ここは正直に申し上げます。 私たちは3つの工法をすべて扱うので、足場が最適なら足場を、ロープが向くならロープを提案します。どれか1つに誘導するための記事ではありません。

海沿いのマンションで、ロープアクセスが役立つ場面

大磯町の海沿いのマンションでは、海側の面だけ鉄部のさびやシーリングの劣化が早いことがよくあります。全面改修の周期を待たずに、劣化の進んだ面だけを部分補修したい場合、足場を組まないロープアクセスなら、仮設費を抑えて早めに手当てできます。

また、景観計画の届出は「外観の過半かつ50㎡超」の変更が対象です(一般地区の場合)。同じ色で部分的に補修する工事であれば、届出の要否も含めて計画を立てやすくなります。ただし、届出が要るかどうかの最終判断は町が行いますので、事前に確認してください。

明誠について、数字でお伝えします

株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法での高所作業について、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業では、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを維持しています。IRATA(国際産業ロープアクセス協会)水準の技能訓練を受けた作業員が施工し、ISO9001の品質マネジメントシステムを運用しています。また、日本初のロープアクセス工事のフランチャイズ本部として、塗装・防水・タイル・電気・看板の各分野の専門職と連携しています。

大磯町のマンションで、理事会が確認したいこと

  • マンションが一般地区と景観形成重点地区のどちらに入るか
  • 外壁の色を変える予定があるか、現在の色のマンセル値はいくつか
  • 長期修繕計画が7年以内に見直されているか、計画期間が30年以上あるか
  • 修繕積立金の3か月以上の滞納がどの程度あるか
  • 海側と山側の面で、鉄部・シーリング・外壁の劣化に差があるか
  • 敷地のブロック塀が緊急輸送道路や通学路に面しているか、管理組合が法人化しているか
  • 県のマンションアドバイザー派遣を、今年度すでに使ったか(年度内最大2回)

現場で見てきたこと

景観ルールのある町で私たちがよく出会うのが、「総会で外壁の色を決めたあとに、届出が必要で、しかもその色が基準に合わないとわかった」というケースです。総会のやり直しは、管理組合にとって時間も労力もかかります。私は、建物診断の段階で色の基準まで調べ、基準に合う候補だけを理事会に出すことを習慣にしています。こうした段取りが、結果的に工期と費用の両方を守ります。

管理組合向けのサービス内容はマンション管理組合さま向けの大規模修繕サービスにまとめています。明誠のこれまでの施工の様子は、明誠の施工事例からご覧いただけます。

制度を使うときの共通の落とし穴

失敗しやすい3つのパターン

  1. 着工してから申請しようとする:危険ブロック塀撤去等補助は事前申請が必要で、町内に事業所がある事業者による工事が条件です
  2. 年度末の期限を見落とす:ブロック塀の補助は「申請年度の12月末までに工事完了」、県のアドバイザー派遣は令和9年2月26日まで、長寿命化促進税制は令和9年3月31日までの工事完了が条件です
  3. 色を決めてから景観の確認をする:届出が必要な場合、基準に合わない色は勧告や変更命令の対象になり得ます

理事会で使える質問リスト

町や県の窓口へ問い合わせるとき、次の質問をそのまま使えます。

  • 当マンションの敷地は、景観計画の一般地区と景観形成重点地区のどちらに入りますか(都市計画課 0463-61-4100 内線289)
  • 10戸以上のマンションで、同じ色で外壁を塗り直す場合も届出は必要ですか
  • 危険ブロック塀撤去等補助は、法人格のない管理組合として申請できますか
  • 敷地に面した道路は、補助の対象となる緊急輸送道路または通学路に当たりますか
  • 町内のマンションの管理計画認定は、どこへ相談すればよいですか(神奈川県 住宅計画課)
  • 県のマンションアドバイザー派遣は、現在受け付けていますか(かながわマンション管理組合ネットワーク)

大磯町のマンションが大規模修繕に向けて動く5つのステップ

  1. 長期修繕計画と修繕積立金の残高を確認する:工事の時期と予算の上限を把握します。計画が古ければ、見直しから始めます
  2. 県のマンションアドバイザーに相談する:無料で、長期修繕計画や修繕積立金、管理計画認定の考え方を中立の立場から整理できます
  3. 建物診断(劣化調査)と地区の確認を行う:海側・山側の劣化の差と、景観計画上の地区の区分を調べます。ロープアクセスでの外壁調査の方法も選択肢の一つです
  4. 工法を比べて見積りを取る:足場・ロープアクセス・ハイブリッドの3つで比べ、仮設費を分けて記載してもらいます
  5. 総会で色と工事を決議し、届出と認定の段取りをする:景観計画の届出、管理計画認定の取得時期、長寿命化促進税制の期限を、工事の工程表と1枚にまとめます

賃貸マンション・ビルのオーナーの方へ

大磯町の危険ブロック塀撤去等補助は、収益・販売目的の土地や、法人が所有・管理する塀を対象外としています。賃貸マンションやビルのオーナーさまは、この補助を使えない可能性が高い点に注意してください。一方、景観計画の届出は、分譲・賃貸を問わず10戸以上の集合住宅や中高層建築物にかかわります。賃貸物件の修繕では、空室期間を短くし、入居者の生活への影響を抑えることが収益に直結します。足場を組まないロープアクセスは、こうした点でもメリットがあります。ビルオーナーさま向けのサービスはビルオーナーさま向け大規模修繕サービスをご覧ください。

よくあるご質問

Q. 大磯町で、マンションの大規模修繕工事費に使える補助金はありますか?

A. 令和8年度の大磯町公式資料で確認した範囲では、共用部分の外壁塗装や屋上防水などの工事費を管理組合に補助する制度は見つかりませんでした。ブロック塀の撤去補助や、県の無料アドバイザー派遣、管理計画認定と長寿命化促進税制の組み合わせが現実的な手立てです。

Q. 危険ブロック塀撤去等補助はいくらもらえますか?

A. 課税世帯で緊急輸送道路沿いの場合は経費の1/2・上限10万円、通学路沿いまたは非課税世帯の場合は経費の3/4・上限15万円です。経費は税抜見積額と標準工事費のいずれか低い方で計算します。法人が所有・管理する塀は対象外です。

Q. マンションの外壁を塗り替えるとき、町への届出は必要ですか?

A. 一般地区では、10戸以上の集合住宅や高さ10m以上・3階以上の建物などで、外観の過半かつ50㎡を超える色彩の変更等をする場合に届出が必要です。景観形成重点地区では、10㎡を超える変更で届出が必要です。詳しくは町の都市計画課に確認してください。

Q. 大磯町のマンションでも、県のマンションアドバイザー派遣は使えますか?

A. 使えます。横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市を除く県内の分譲マンションの管理組合が対象で、派遣料は無料、1管理組合につき年度内最大2回までです。令和8年度の申込期間は令和9年2月26日までです。

Q. 大磯町のマンションの管理計画認定は、どこに申請しますか?

A. 大磯町を含む県内の町村部では、神奈川県が認定を行います。窓口は県土整備局建築住宅部住宅計画課です。マンション管理センターの「管理計画認定手続支援サービス」で事前確認を受けてから申請する方法もあります。

Q. 足場を組まない大規模修繕は、本当に可能ですか?

A. 外壁の部分補修、シーリングの打替え、調査・点検、部分塗装などでは、ロープアクセス工法で足場を組まずに施工できます。外壁全面の改修やサッシのカバー工法では足場が向く場合もあり、明誠では3つの工法から建物に合う方法をご提案しています。

Q. 相談や見積りに費用はかかりますか?

A. 明誠では、建物の状況確認と概算のお見積りを無料で承っています。補助金・税制や景観計画の情報整理だけのご相談でもかまいません。大規模修繕の無料相談・お問い合わせからお声がけください。

この記事のポイントまとめ

  • 大磯町の令和8年度の補助で、共用部の外壁・防水などの大規模修繕工事費に使える制度は確認できず。住宅耐震化補助も戸建て木造住宅のみが対象
  • 危険ブロック塀撤去等補助は、緊急輸送道路・通学路沿いの塀が対象。1/2・上限10万円、通学路沿いなどは3/4・上限15万円。法人が所有・管理する塀は対象外、町内事業者の施工・12月末までの完了が条件
  • 県のマンションアドバイザー派遣は大磯町で使える。無料・年度内2回・令和9年2月26日まで
  • 10戸以上のマンションの外壁の色を大きく変える場合は、景観計画の届出と色彩基準(マンセル値)に注意
  • 管理計画認定は県、固定資産税の申告は町。長寿命化促進税制は令和9年3月31日完了が期限

出典・参考資料

本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月10日時点で公表されている大磯町および神奈川県、国土交通省の公式情報をもとに執筆しています。補助制度は令和8年度版の資料を確認しました。景観計画の概要版は平成21年3月の発行で、その後の改正の有無はページからは確認できなかったため、本文で町への確認をお願いしています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請・届出をされる前に、大磯町および神奈川県の該当窓口へ最新の内容をご確認ください。本記事は法的・税務上の助言ではありません。

大磯町は、大規模修繕の工事費に直接使える補助金が多い町ではありません。それでも、県の無料アドバイザーと管理計画認定、景観ルールを踏まえた段取り、そして工法の比較によって、修繕積立金を守る手立てはあります。色の候補づくりや総会資料の準備だけでも、お力になれることがあります。ご相談だけでも遠慮なくお問い合わせフォームからお声がけください。


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この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月10日


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