本間社長ブログ
志木市のマンション漏水・防災対策|荒川・新河岸川・柳瀬川のハザードマップ連動と大規模修繕2026年度版
目次

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著作者プロフィール
株式会社明誠 代表取締役
本間 幸紘
大規模修繕・外壁工事・ロープアクセス工事に関する情報を、現場経験をもとに分かりやすくお届けします。
志木市でマンションやビルをお持ちのオーナー・管理組合さまが、大規模修繕で優先すべき漏水・防災対策は、結論から言うと次の3つです。
- 屋上ドレン(排水口)とバルコニー排水、外壁の目地を先に直す:志木市は荒川低地・武蔵野台地・柳瀬川低地の3地形にまたがり、低地部では強い雨のたびに建物の防水の弱点が表に出ます。
- 「洪水」と「内水」を分けて、物件の住所でハザードマップを確認する:志木市は新河岸川・柳瀬川の流域と、荒川の想定最大規模の浸水区域が重なるエリアがあります。
- 受変電設備・給水ポンプ・エレベーター制御盤の設置階を、修繕計画に入れる:漏水を直しても、設備が浸水すれば暮らしは止まります。
私は東京都東大和市の株式会社明誠で、20年以上、マンション・ビル・ホテルの大規模修繕を現場で担当してきました。志木市は、東武東上線の志木駅・柳瀬川駅周辺のマンション街から、新河岸川沿いの住宅地、宗岡地区の荒川低地まで、性格の違う地形が並ぶ街です。この記事では、志木市と国・県が公開している一次情報を確認しながら、志木市のマンションに関係する部分だけを取り上げてお話しします。
志木市のマンションが知っておくべき水害リスク(荒川・新河岸川・柳瀬川の3河川)
志木市の地形は、大きく3つに分かれます。
| 地形区分 | 主な位置 | 水害リスクの性格 |
|---|---|---|
| 荒川低地 | 宗岡地区など、市の東側(富士見市・さいたま市との境付近) | 荒川の想定最大規模(1000年に1回規模)の氾濫で、広域かつ深い浸水が想定される |
| 武蔵野台地 | 市の中央部(志木駅・本町・幸町周辺) | 相対的に浸水リスクは低いが、集中豪雨による内水氾濫・道路冠水は起こり得る |
| 柳瀬川低地 | 市の南部(柳瀬川沿い) | 柳瀬川の氾濫と内水の双方に注意が必要 |
市内を流れる主な河川は、新河岸川と柳瀬川です。新河岸川は市街地を抜ける一級河川で、昭和57年(1982年)の台風18号による大雨で、新河岸川流域で浸水被害が発生した歴史があります。柳瀬川は市の南部を東西に流れ、下流で新河岸川に合流します。荒川は志木市と富士見市・さいたま市の境付近を流れており、志木市の宗岡地区は荒川低地に属します。
気象庁の大雨警報・洪水警報の発表基準では、志木市内の河川は新河岸川流域と柳瀬川流域が指定されています。水位情報の基準点としては、新河岸川は宮戸橋、荒川は治水橋(上流側)および岩淵水門(上)が参照されます(出典:気象庁 指定河川洪水予報の発表基準等、国土交通省 川の防災情報)。
志木市ハザードマップで確認すべき浸水想定区域と自宅マンション
志木市は、公式ページ「志木市ハザードマップ」で、洪水・内水・地震のマップを公開しています。洪水のレイヤーは、国土交通省と埼玉県が水防法に基づいて指定した想定最大規模の洪水浸水想定区域を掲載しており、荒川・新河岸川・柳瀬川の3河川の想定を重ね合わせた最大浸水深が表示されます。
ここで、私がいつもオーナーさまにお伝えしていることがあります。市の公式資料には複数の河川の名前が並びますが、これは「志木市のどの建物が、どの川の影響を受けるか」を一律に示したものではありません。ご自分の物件が川の想定にかかるかは、必ず住所でWEB版マップを開いて、浸水の深さを画面で確認してください。川の名前だけを見て安心したり、慌てたりしないことが大切です。
一般的に、志木市で特に水害リスクが高いとされるのは、次のような立地です。
- 宗岡地区など荒川低地に建つマンション:想定最大規模では深い浸水(3m以上)が想定される区域があります
- 新河岸川沿いの低地に建つマンション:河川の氾濫に加え、内水氾濫のリスクも併存します
- 柳瀬川沿いの低地に建つマンション:柳瀬川低地の勾配がゆるい区間で、水はけに注意が必要です
- 武蔵野台地と低地の崖線近くのマンション:斜面からの表流水や、地下への浸水に注意が必要です
浸水の深さは、1階居室が水没する目安(3m以上)、床上浸水の目安(0.5m以上3m未満)、床下浸水の目安(0.5m未満)で読み分けると、避難と防災対策の優先順位をつけやすくなります。
水害後にマンションで多発する漏水トラブルと劣化加速
強い雨や水害のあとに、私が現場でよく相談を受けるのは、次のようなトラブルです。
- 屋上ドレン(排水口)の詰まり:落ち葉や砂、鳥の巣などで目皿がふさがり、屋上がプール状になって、立上りの防水端部から建物内へ水が入ります
- シーリング(外壁目地)の切れ:横殴りの雨で、硬化・肉やせしたシーリングから水が入り、天井や壁にシミが出ます
- バルコニー排水の勾配不良:築年数が経ったマンションで、床防水の摩耗と勾配不良が重なり、サッシ下から屋内へ浸水します
- 笠木(かさぎ)の継ぎ目からの浸水:屋上パラペットの笠木の継ぎ目が劣化すると、強い雨のたびに最上階の天井にシミが広がります
- エキスパンションジョイントの止水の劣化:建物の継ぎ目の止水材が切れ、共用廊下や住戸内へ水が入ります
水害は、一度で終わりません。一度浸水した外壁や防水は、乾燥と吸湿を繰り返すうちに、劣化が加速します。塗膜のふくれ、タイルの浮き、鉄筋のさびによる爆裂は、放置するほど修繕費が膨らみます。雨のあと1〜2ヶ月以内に、専門業者による点検を入れることを、私はおすすめしています。
防災×大規模修繕:止水・防水・外壁の重点ポイント
診断のとき、私は次の順番で見ています。
- 屋上防水:ふくれ、ひび割れ、保護コンクリートの割れ。防水の更新費用の目安は、工法や面積により、1㎡あたり5,000〜8,000円程度が一般的なレンジです
- シーリング(外壁目地・サッシまわり):硬化、ひび割れ、肉やせ
- バルコニー排水:排水口の詰まり、勾配不良、床防水の摩耗
- ドレン(屋上の排水口):ゴミ詰まり、周囲の防水端部の浮き、目皿(ストレーナ)の欠損
- 立上り(屋上やパラペットの根元):笠木の継ぎ目、防水の端部、押さえ金物
- サッシまわり:枠の周囲のシーリング、水切りの勾配
- エキスパンションジョイント:カバー材の外れ、止水の劣化
外壁の劣化の把握には、足場を組まずに調べられるドローンを使った外壁調査も選択肢になります。外壁の打診調査の費用は、1㎡あたり250〜500円程度が目安です。
さらに、防災上の観点では、建物の設備の位置も重要です。
| 設備 | 水害・停電時に起きること | 修繕・対策の優先度 |
|---|---|---|
| 受変電設備・キュービクル | 浸水すると復旧が長期化 | 高。設置階の確認、かさ上げ、防水扉の検討 |
| 給水ポンプ・加圧ポンプ | 停止で上階が断水 | 高。設置場所の確認、電源の確保、非常用の給水手段 |
| エレベーター制御盤・機械室 | 停止で高層階の生活が困難 | 高。設置階の確認、停止時の運用ルール |
| 地下・1階の駐車場、機械式駐車場 | 内水による冠水で車両・設備が被害を受ける | 中〜高。止水板の備え、避難ルールの周知 |
| 屋上・バルコニーの排水 | 詰まりで屋内へ浸水 | 高。年に1〜2回の清掃と点検 |
これらは、大規模修繕の工事費に比べて小さい金額で改善できることも多いです。長期修繕計画に「水害・停電対策」の項目を入れておくと、理事会で優先順位を議論しやすくなります。
ロープアクセス工法が志木市のマンション防災に適する理由
ロープアクセス工法は、メインロープとバックアップロープの2本を、2点以上の確実な吊元に接続して作業する工法です。国際的な技能基準であるIRATA(国際産業ロープアクセス協会)水準の訓練を受けた作業員が、足場を組まずに壁面や屋上端部へ到達します。二重の確保が基本であり、片側に万一の損傷があっても、もう片側で作業員を支える設計です。
志木市のマンションでこの工法が強みを発揮するのは、次のような場面です。
(1)緊急対応の速さ:足場の場合は、見積り、居住者への周知、資材手配、組立てと、早くても1〜2週間かかります。ロープアクセスなら、点検と応急補修に即日〜翌日で着手できることが多いです。新河岸川・柳瀬川流域の豪雨直後、漏水が起きている状況で「2週間待てない」という場面で、効果を発揮します。
(2)足場不要によるコスト削減:30戸規模のマンションの大規模修繕工事は、総額で3,500〜5,000万円程度が一般的なレンジで、そのうち仮設足場が15〜25%を占めるとされています。足場費の見直しは、修繕積立金を守る大きなポイントです。
(3)居住者の生活影響最小化:窓の前に足場が立たず、洗濯物やバルコニーの利用への影響が小さくなります。防犯面でも、足場の長期設置によるリスクを避けられます。
(4)志木市の住宅地に多い中低層〜中高層マンションに適合:志木駅・柳瀬川駅周辺の7〜14階建てクラスのマンションは、ロープアクセスの得意領域です。
明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセスによる高所作業では、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。工法の技術的な詳細は、明誠のロープアクセス工法のご紹介と、姉妹サイトのロープアクセスドットコムにまとめています。安全管理の考え方は、明誠の安全管理への取り組みをご覧ください。
足場とロープアクセスのどちらが良いかは、建物によって違います。明誠は、通常の足場、ロープアクセス、両者を組み合わせたハイブリッドの3工法から、建物にとって最適な方法を提案できます。同業者・フランチャイズ加盟をお考えの方向けの技術情報は、ロープアクセスドットコムの技術情報でご覧いただけます。
費用相場(志木市近隣の事例ベース)
志木市および近隣の埼玉県南西部のマンションでの、工事費の目安は次のとおりです。建物の形状・状態で大きく変わりますので、あくまで参考値としてご覧ください。
| 工事項目 | 目安単価 | 備考 |
|---|---|---|
| 屋上防水(ウレタン塗膜防水・通気緩衝工法) | 1㎡あたり5,000〜8,000円 | 下地の状態により変動 |
| 外壁シーリング打替え | 1mあたり700〜1,200円 | ノンブリードタイプ |
| 外壁塗装(シリコン・フッ素) | 1㎡あたり2,500〜4,500円 | グレード・色数で変動 |
| タイル補修(部分張替え) | 1㎡あたり8,000〜15,000円 | 調査費別途 |
| 外壁打診調査 | 1㎡あたり250〜500円 | 全面打診の場合 |
| バルコニー床防水 | 1㎡あたり3,500〜5,500円 | 塩ビシートまたはウレタン |
ロープアクセス工法を採用した場合の試算の目安として、10階建て・外周80m・工期3ヶ月の中低層マンションで、足場を組む前提で168万円かかる仮設費が、同じ範囲をロープアクセスで施工すると59万円になり、差額は109万円というケースもあります。実際の費用は建物の形状や状態で大きく変わりますので、現地調査をしたうえでの見積りをご依頼ください。
よくあるご質問
Q1. 志木市のマンションで、最初にすべき漏水対策は何ですか?
A. 屋上ドレンとバルコニー排水の清掃・点検です。新河岸川・柳瀬川流域では台風期に強い雨が降るため、年に1〜2回の清掃で防げるケースが多いです。
Q2. 洪水と内水は、何が違いますか?
A. 洪水は川の水があふれる現象、内水は雨水管や水路が受けきれず、マンホールや雨水ますから水があふれる現象です。志木市の武蔵野台地のマンションでも、内水による道路冠水は起こり得ます。
Q3. ハザードマップで色が付いていない場所なら、水害対策は不要ですか?
A. 不要とは言えません。想定は、条件を設定したシミュレーションです。想定を超える雨が降ることもありますので、あくまで備えの目安としてお使いください。
Q4. 緊急の漏水で足場が間に合わないときは、どうすればいいですか?
A. ロープアクセスで、点検と応急補修を即日〜翌日に着手できることが多いです。物件の状況により異なりますので、まずはお問い合わせフォームから状況をお知らせください。
Q5. ロープアクセスは安全ですか?
A. メインロープとバックアップロープの2本を、2点以上の吊元に接続する二重の確保が基本です。明誠および加盟企業では、過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。
まとめ+今週動くこと3点
志木市は、荒川低地・武蔵野台地・柳瀬川低地の3地形にまたがり、新河岸川・柳瀬川・荒川の3河川の想定を重ねて考える必要があります。令和8年度(2026年度)は、気候変動により短時間強雨の頻度が全国的に増えており、過去に浸水被害のなかったエリアでも油断はできません。
今週動いていただきたいのは、次の3点です。
- 志木市のハザードマップ(WEB版)で、物件所在地の洪水・内水・地震(液状化)の想定を確認し、画面やPDFを保存する(国土交通省のハザードマップポータルサイトで重ねて見る方法もあります)
- 屋上ドレンとバルコニー排水のゴミ詰まり、受変電設備・給水ポンプ・エレベーター制御盤の設置階を、管理会社と一緒に点検する
- 長期修繕計画に「水害・停電対策」の項目を追加する議題を、次回の理事会で提案する
理事会で1分だけでも、この話題を出してみてください。
明誠のこれまでの施工事例は、明誠の施工事例からご覧いただけます。管理組合さま向けには大規模修繕のご案内(管理組合)、ビルオーナーさま向けにはビルオーナー向けのご案内をご用意しています。漏水の原因調査や概算のお見積りは、お問い合わせフォームから無料で承ります。
出典・参考資料
- 気象庁「指定河川洪水予報の発表基準等」
- 国土交通省「川の防災情報」
- 国土交通省「ハザードマップポータルサイト」
- 志木市公式ウェブサイト「志木市ハザードマップ」(市公式サイトの防災情報ページ)
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年11月1日
関連記事(姉妹サイト)
ロープアクセス工法の詳細や実例については、姉妹サイト「ロープアクセスドットコム」の以下の記事もぜひご覧ください。
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本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年11月1日時点で公表されている志木市および国・県の公式情報をもとに執筆しています。制度・ハザードマップは年度途中でも改正・更新があり得ます。実際に確認される際は、志木市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。

