本間社長ブログ

東金市のマンション補助金|大規模修繕と税の減額【2026】

東金市のマンション補助金|大規模修繕と税の減額【2026】
本間 幸紘

著作者プロフィール

株式会社明誠 代表取締役

本間 幸紘

大規模修繕・外壁工事・ロープアクセス工事に関する情報を、現場経験をもとに分かりやすくお届けします。

2026年10月7日 更新

「東金市で、マンションの大規模修繕に使える補助金や、税金が安くなる制度はあるのか?」

結論から申し上げます。令和8年度(2026年度)の東金市公式サイトを確認した範囲では、マンション管理組合が共用部の大規模修繕工事費そのものに使える補助金は見つかりませんでした。 一方で、見逃せない制度が1つあります。東金市は「大規模修繕等が行われたマンションに対する固定資産税の減額制度」を公式に案内しており、要件を満たせば、工事完了の翌年度分の固定資産税(住宅部分)が3分の1減額されます。ただし、対象は令和9年(2027年)3月31日までに工事が完了したものに限られます。

こんにちは、株式会社明誠の本間です。マンション・ビル・大手ホテルチェーンの大規模修繕に20年以上携わってきました。この記事では、東金市のマンションの理事長さま・理事の皆さまに向けて、制度を「共用部に使えるか、使えないか」で仕分けしたうえで、税の減額を使うための工程の考え方と、工事費そのものを抑える工法の選び方までお伝えします。

なお、東金市は令和8年8月の千葉豪雨と9月の台風第25号で被害を受け、市の災害情報ページは10月6日にも更新されています。被害に遭われた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。被災したマンションに関わる制度の入口も、後半で整理します。

制度は年度の途中でも変わり、予算の上限に達すれば受付が終わります。申請や申告の前に、市の窓口で最新の内容をご確認ください。

早見表:東金市のマンション共用部で使える制度・使えない制度

東金市の公式サイトで確認できた制度を、管理組合の目線で並べました(2026年10月7日時点)。

制度 管理組合の共用部で使えるか ポイント
大規模修繕等が行われたマンションに対する固定資産税の減額制度 条件を満たせば使える 翌年度分の固定資産税(住宅部分)が3分の1。工事完了は令和9年3月31日まで。完了から3か月以内に申告
令和8年度 住宅用設備等脱炭素化促進事業補助金 市への確認が必要 蓄電池・EV・PHV・V2H充放電設備が対象で、太陽光発電の併設が前提。個人住宅が想定されている記載
木造住宅耐震改修補助制度 使えない 木造の一戸建て・兼用住宅のみ。共同住宅は対象外。今年度は予算なしと明記
木造住宅耐震診断補助制度 使えない 木造の一戸建て・兼用住宅のみ。共同住宅は対象外
災害救助法に基づく住宅の応急修理 要確認 令和8年8月千葉豪雨・台風第25号の被害が対象。受付期限は令和9年2月28日まで延長
外壁・防水など共用部の工事費への補助金 確認できず 令和8年度の公式ページでは見つからなかった

つまり、東金市の特徴は「工事費にお金は出ないが、工事のあとの税金が軽くなる道がある」ことです。この道は、期限から逆算して動かなければ閉じてしまいます。ここから順に説明します。

東金市はこんな街です-人口5万5千人、持ち家中心の住宅都市

東金市の公式サイトによると、人口は55,730人、世帯数は28,511世帯です(2026年10月1日現在、東金市トップページ)。千葉県の九十九里地域に位置し、戸建て住宅が街の中心を占める住宅都市です。

マンションは、戸建てに比べれば数が限られます。だからこそ、理事会に専門知識のある方が少なく、「市に何か制度があるはずだが、どこに聞けばよいかわからない」という声を、私は千葉県の管理組合の皆さまからよく伺います。窓口は制度ごとに別の課に分かれています。この記事の後半に、問い合わせ先を電話番号つきでまとめました。

本命の制度:大規模修繕後の固定資産税が3分の1減額されます

東金市の公式ページ「大規模修繕等が行われたマンションに対する固定資産税の減額制度」(2025年8月26日更新)には、次の内容が載っています(出典:東金市「大規模修繕等が行われたマンションに対する固定資産税の減額制度」)。

減額の中身

  • 減額割合:対象となる家屋(居住用部分)に係る翌年度分の固定資産税の3分の1
  • 対象床面積:住宅1戸あたり100平方メートル相当分まで
  • 適用期間:工事完了の翌年度分の1年間
  • 回数:大規模修繕等工事による減額は1回限り

国の制度(マンション長寿命化促進税制)では、減額割合は市町村が条例で1/6〜1/2の範囲で定めることになっています(参酌基準は1/3)。東金市は、その参酌基準どおりの3分の1を案内している、ということです(出典:国土交通省「マンション長寿命化促進税制(固定資産税の特例措置)」、同・制度概要)。

対象になるマンションの条件

東金市のページでは、次のすべてを満たすことが条件として挙げられています。

  1. 築年数が20年以上経過している
  2. 総戸数が10戸以上である
  3. 過去に、長寿命化工事(外壁塗装等・床防水・屋根防水)を1回以上実施済みである
  4. 管理計画の認定を受けたマンション、または、市の助言・指導を受けた管理組合のマンションである
  5. 修繕積立金について、大規模修繕に必要な額が確保されている

対象になる工事の条件

実施期間は令和5年4月1日から令和9年3月31日までに完了したものです。そして、外壁塗装等工事、床防水工事、屋根防水工事を「一体で」実施することが求められています。3つのうち1つだけでは対象になりません。

ここは、現場の職人としてお伝えしたい大事なところです。屋根防水は予算の都合で次回に回す、床防水(バルコニーや廊下、階段の防水)は劣化の軽いところだけ、という判断は、管理組合の現場ではよくあります。しかし、この税制を使いたいのであれば、3つの工事を同じ大規模修繕のなかに組み込む必要があります。仕様を決める段階で、この点を設計・施工の担当者と確認しておかなければなりません。

申告の手続き

申告期限は工事が完了した日から3か月以内で、申告先は課税課資産税係(市役所第2庁舎1階、電話0475-50-1127)です。必要な書類は、市のページによると次のとおりです。

区分 必要な書類
共通 総戸数確認書、過去工事証明書、大規模修繕等証明書
管理計画認定マンション 管理計画認定通知書、修繕積立引上証明書
助言・指導を受けたマンション 助言・指導内容実施等証明書

「証明書」と名のつく書類は、管理組合だけでは作れないものがあります。大規模修繕等証明書は、工事を行った施工会社や設計者などが関わる書類です。契約の段階で、誰がいつ証明書を用意するかを決めておくことを、私はいつも理事長さまにお伝えしています。

いくら軽くなるのか、試算してみます

固定資産税の額は建物ごとに違うため、あくまで仮の数字です。たとえば、建物部分の固定資産税(住宅部分)が1戸あたり年8万円のマンションなら、3分の1の減額で約2.7万円です。30戸なら、管理組合全体で約80万円になります。1回限りとはいえ、理事会で「この制度を使えるように工事を設計する意味があるか」を判断するには、十分な金額です。実際の減額は、各戸の課税額で決まるため、資産税係に確認してください。

期限は、思っているより近い

今日は2026年10月7日です。工事の完了期限(令和9年3月31日)まで、残りは約6か月です。ここから逆算してみます。

  • 総会で工事の発注を決議する(準備と招集に1〜2か月が一般的)
  • 設計・見積り・施工会社の選定(相見積りを取るなら1〜2か月)
  • 工事の期間(30戸規模なら、足場を組む工事で3か月前後が一つの目安)

これらを順番に積み上げると、年内に総会決議が間に合うかどうかが分かれ目です。これから長期修繕計画の見直しを始める管理組合は、現実には今回の期限に間に合わない可能性が高いでしょう。その場合は、国の税制改正で期限が延長されるかどうかを注視しつつ、計画づくりを先に進めておくのが現実的です。期限の延長は、私が確認した時点では公表されていません。

逆に、すでに修繕委員会が動いていて、工事の仕様や見積りの比較が進んでいる管理組合は、3つの工事が仕様に入っているか、過去工事の証明書がそろうか、管理計画認定または市の助言・指導のどちらで進めるかを、いますぐ確認してください。

助言・指導か、管理計画認定か-どちらで進めるか

税制の対象となる入口は2つあります。管理計画の認定を受けるか、市の助言・指導を受けて長期修繕計画を適切に見直すか、です。

千葉県の案内ページでは、県が認定を担当するのは「町・村の区域」のマンションで、市の区域のマンションについては各市が認定を行うとされています(出典:千葉県「マンションの管理計画認定制度について」)。東金市は「市」ですので、市が窓口になるはずですが、私が東金市の公式サイトで確認した範囲では、認定の申請窓口と手数料の案内ページを見つけられませんでした。一方、税の減額制度のページには、助言・指導の窓口として都市整備課施設管理係(電話0475-50-1150)が記載されています。

まずはこの窓口に、次の2点を聞いてみるのが近道です。

  • 市内のマンションの管理計画認定は、受け付けているか(手数料・必要書類・所要日数)
  • 助言・指導を受ける場合は、どの時点で、どんな資料を持っていけばよいか

認定を受けると、住宅金融支援機構の「フラット35」などで金利の引下げを受けられる点も利点です(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。制度の相談は、国の「マンション管理計画認定制度相談ダイヤル」(電話03-5801-0858)でも受け付けています。

制度別に見る:使えない制度を、先に見極めましょう

補助金は、「使える制度を探す」よりも「使えない制度を先に外す」ほうが、理事会の時間を節約できます。東金市の主な制度を見ていきます。

木造住宅耐震改修・耐震診断の補助:共同住宅は対象外

東金市の耐震改修補助は、昭和56年5月31日以前に着工した、階数2以下の木造の一戸建て住宅または兼用住宅が対象で、共同住宅は対象外と明記されています。さらに、市のページには「今年度は耐震改修補助金の予算はありません」と書かれています(出典:東金市「東金市木造住宅耐震改修補助制度」)。

耐震診断の補助(診断費用の3分の2、上限4万円)も、同じく木造の一戸建て等が対象です(出典:東金市「東金市木造住宅耐震診断補助制度」)。鉄筋コンクリート造のマンションの管理組合は、使えません。

住宅用設備等脱炭素化促進事業補助金:管理組合が使えるかは要確認

令和8年度の東金市住宅用設備等脱炭素化促進事業補助金は、蓄電池(上限7万円)、EV・PHV(10〜15万円)、V2H充放電設備(25万円以内)が対象です。いずれも太陽光発電の併設が前提となっており、補助対象設備は「申請者が使用する未使用品に限る」とされています。申請受付は令和8年5月1日から令和9年1月29日まで、予算の上限に達すれば終了です(出典:東金市「令和8年度 東金市住宅用設備等脱炭素化促進事業補助金について」)。

個人の住宅を想定した制度で、マンションの管理組合が共用部の設備で申請できるかは、私が確認した範囲では読み取れませんでした。山武市のように「集合住宅用充電設備」の項目が立っているわけではありません。共用部への設置を検討している場合は、環境保全課(電話0475-50-1170)に直接確認してください。

ブロック塀の撤去補助:確認できず

市の「ブロック塀等の安全点検について」のページは、点検の呼びかけと相談先の案内が中心で、撤去費用の補助の案内は確認できませんでした(出典:東金市「ブロック塀等の安全点検について」)。マンションの敷地境界に古いブロック塀がある場合は、補助の有無にかかわらず、点検をおすすめします。相談先は都市整備課(電話0475-50-1150)です。

個人向けの住宅改修の税の減額:マンションの共用部とは別の話

東金市には、耐震・バリアフリー・省エネの住宅改修を行った場合に、固定資産税を減額する制度もあります。ただしこれは個人の住宅の改修向けで、ページ上の対象期限は令和8年3月31日となっています(出典:東金市「住宅改修に伴う固定資産税の減額措置」)。大規模修繕の税制とは別の制度で、現時点で使えるかは課税課に確認が必要です。

工事費そのものへの補助:令和8年度の公式ページでは確認できず

外壁・防水・タイルなど、共用部の工事費に対する補助金は、東金市の公式サイトで私は確認できませんでした。見つからないことが制度の不在を意味するとは限りませんので、問い合わせの際は「管理組合が使える補助制度で、公式サイトに載っていないものはありますか」と聞いてみてください。

令和8年8月の千葉豪雨・台風第25号で被災したマンションの方へ

東金市の「被災者支援制度」のページは、令和8年8月の千葉豪雨と、9月の台風第25号を対象としています(2026年10月6日更新)。市の窓口は次のとおりです(出典:東金市「被災者支援制度」)。

内容 窓口 電話
罹災証明書・被災証明書 課税課資産税係 0475-50-1127
住宅の応急修理・応急仮設住宅 都市整備課施設管理係 0475-50-1150
総合相談 消防防災課防災対策係 0475-50-1226

災害救助法に基づく住宅の応急修理

応急修理の限度額は、大規模半壊・中規模半壊・半壊が75万7,000円、準半壊が36万7,000円です。申込期限は、当初の3か月から令和9年2月28日まで延長されています。注意点が3つあります(出典:東金市「災害救助法に基づく住宅の応急修理」)。

  1. 市が直接施工業者と契約する制度で、申込者が自分で業者に頼んで後から費用を請求することはできない
  2. 片付けの前に、被害の状況を写真で記録しておく必要がある
  3. 自分で修理できない世帯が対象で、「一部損壊」は原則として対象外

この制度は、住まい(住戸)の日常生活に欠かせない部分の修理が中心です。マンションの共用部の被害にどこまで使えるかは、公式ページからは読み取れません。理事会としての判断は、都市整備課施設管理係に確認してください。

被災直後こそ、契約の前に一呼吸おいてください

大雨・台風のあとは、屋上防水・外壁のひび割れ・シーリングの切れ・バルコニーの排水などから、雨水が入り込んでいないかを調べる必要があります。ただ、被災直後は「すぐ直します」と営業に来る業者が増える時期でもあります。契約を急がず、市の窓口で手順を確認し、複数社で状況を見てもらってください。 罹災証明の申請や、保険の請求のために、被害の写真と日付を残しておくことも大切です。

なお、9月29日には市が「ため池(家之子地区の丑ヶ池)の決壊への警戒」を呼びかけるなど、今も大雨の影響が続いています。敷地が低い場所にあるマンションは、市の最新の情報を確認してください。

東金市のマンションの大規模修繕-足場か、ロープアクセスか、公平に比べます

工事費への補助が見つからない以上、工事費そのものを適正に抑えることが、修繕積立金を守る最大の手段になります。大規模修繕の費用のなかで、仮設足場は大きな割合を占めるのが一般的です。ここに選択肢があることを、理事会で知っておいていただきたいのです。

そして、東金市の税の減額を使う場合は、外壁塗装等・床防水・屋根防水の3つを一体で行うことが条件でした。つまり、全面的な工事になりやすく、足場を組む工法が中心になる場面が多いはずです。それでも、部位ごとに工法を組み合わせる「ハイブリッド」の考え方で、総額を見直せる余地はあります。

費用の目安

金額は物件によって大きく変わるため、あくまで参考値です。私たちが見積りの入口でお伝えしている目安は、次のとおりです。

項目 目安
30戸規模マンションの大規模修繕 総工費 約3,500万〜5,000万円
うち仮設足場の割合 総工費の約15〜25%
外壁塗装 1㎡あたり約3,500〜4,500円
外壁の打診調査 1㎡あたり約250〜500円
防水工事 1㎡あたり約5,000〜8,000円

たとえば、10階建て・外周80m・工期3か月の建物を例にとると、足場の費用が約168万円かかるところ、ロープアクセスでは約59万円、差額は約109万円という試算になります。もちろん、工事内容によってはロープアクセスが向かないこともあります。実際の見積りは、建物の形状・劣化状況・工事範囲によって変わります。料金の考え方は大規模修繕の料金の考え方(明誠)でもご紹介しています。

3つの工法を、公平に比べる

明誠は、次の3つから建物に合う工法を提案しています。

工法 向いている建物・工事 強み 注意点
通常の足場仮設工法 外壁の全面補修、塗装・防水・タイルを一括で行う大規模修繕 作業の安全性と品質を確保しやすく、全面的な工事に適する 足場の設置・解体の費用と工期がかかる。足場期間中は防犯・採光・ベランダ使用に配慮が必要
ロープアクセス工法(無足場工法) 外壁の部分補修、シーリングの打替え、調査・点検、部分塗装 足場が不要なため、工期と費用を抑えやすい。居住者の生活への影響が少ない 作業内容によっては向かない。専門の技能を持つ職人が必要
ハイブリッド工法 面ごと・部位ごとに足場とロープを使い分ける建物 部位ごとに最適な方法を選べ、総額を最適化しやすい 計画と工程管理に専門性が必要

ロープアクセス工法は、作業者がメインロープとバックアップロープの2本に接続し、屋上などに2点以上の吊元(ロープを固定する支点)を確保して作業する方法です。明誠の工法の詳細は明誠のロープアクセス工法の技術と実績、業界全体の安全基準や事例は姉妹サイトのロープアクセスドットコム(無足場工法の専門メディア)で詳しく解説しています。

ここは利益相反になるので、正直に申し上げます。 私たちは3つの工法をすべて扱うので、足場が最適なら足場を、ロープが向くならロープを提案します。税の減額を使う全面改修なら、足場を中心に、屋上まわりや調査だけロープアクセスを使う、という組み合わせを提案することもあります。どれか1つに誘導するための記事ではありません。

明誠について、数字でお伝えします

株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・大手ホテルチェーンの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法での高所作業について、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業では、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを維持しています。IRATA(国際産業ロープアクセス協会)水準の技能訓練を受けた作業員が施工し、ISO9001の品質マネジメントシステムを運用しています。また、日本初のロープアクセス工事のフランチャイズ本部として、塗装・防水・タイル・電気・看板の各分野の専門職と連携しています。

東金市のマンションで、理事会が確認したいこと

  • 前回の大規模修繕で、外壁塗装・床防水・屋根防水を行ったか、その証明となる書類は残っているか(税の減額の「過去工事」の要件に関わります)
  • 築年数が20年以上、総戸数が10戸以上か(市のページに書かれた条件です)
  • 修繕積立金は、大規模修繕に必要な額が確保できているか(不足していると、減額の要件を満たせません)
  • 屋上・バルコニー・廊下の防水の状態(今年の豪雨のあと、雨漏りや水の回り込みがないか)
  • 敷地に余裕があるか(足場の材料置場、車両の搬入経路、駐車場との調整)
  • 外壁の劣化が全面に及んでいるか、一部の補修で済むか

現場で見てきたこと

現場で20年以上やってきて、私が一番悔しい思いをするのは、「使えたはずの制度を、期限や手順を知らずに逃した」という話を、工事が終わってから聞く場面です。補助金も税の減額も、工事の前や契約の前に動かなければ、後からは取り戻せないものがほとんどです。東金市の減額制度も、屋根防水を外した仕様で契約してしまってから気づいた、というのでは手遅れになります。

管理組合向けのサービス内容はマンション管理組合さま向けの大規模修繕サービスにまとめています。明誠のこれまでの施工の様子は、明誠の施工事例からご覧いただけます。

制度を使うときの共通の落とし穴

失敗しやすい3つのパターン

  1. 3つの工事の一部を外してしまう:東金市の税の減額は、外壁塗装等・床防水・屋根防水を一体で行うことが条件です。予算を理由に屋根防水や床防水を次回送りにすると、対象から外れます
  2. 工事の完了期限を、着工の時期で考えてしまう:期限は「完了」が令和9年3月31日です。天候による遅れも見込んだ余裕のある工程にしなければなりません
  3. 申告の3か月を忘れる:工事が完了した日から3か月以内に、資産税係へ申告します。証明書類の用意が間に合わず、期限を過ぎてしまう例を避けるため、書類は工事の終盤から並行して集めてください

理事会で使える質問リスト

市の窓口へ問い合わせるとき、次の質問をそのまま使えます。

  • 大規模修繕後の固定資産税の減額について、令和8年度中に工事が完了する場合の手順と、必要書類の様式を教えてください(課税課 資産税係)
  • 管理計画の認定と、市の助言・指導の、どちらで進めるのがよいか。申請から結果までの期間はどのくらいか(都市整備課 施設管理係)
  • 市内マンションの管理計画認定は、受け付けていますか。手数料はいくらですか(都市整備課)
  • 脱炭素化促進補助金の蓄電池やV2Hは、管理組合が共用部で申請できますか(環境保全課)
  • 豪雨・台風で被害を受けた共用部は、応急修理などの支援の対象になりますか
  • 管理組合が使える補助制度で、公式サイトに載っていないものはありますか

東金市のマンションが大規模修繕に向けて動く5つのステップ

  1. 長期修繕計画と過去の修繕履歴を確認する:特に、前回の工事で外壁塗装・床防水・屋根防水を行ったか、証明できる書類があるかを確かめます
  2. 市の窓口へ質問リストで確認する:課税課資産税係(0475-50-1127)、都市整備課施設管理係(0475-50-1150)、環境保全課(0475-50-1170)へ、前章の質問を投げます
  3. 建物診断(劣化調査)を行う:工法を選ぶ前に、劣化の程度を調べます。ロープアクセスでの外壁調査の方法という選択肢もあります
  4. 3つの工法で相見積りを取る:足場・ロープ・ハイブリッドのそれぞれで、工事の範囲と見積りを比べます。仕様書に「外壁塗装等・床防水・屋根防水」の3つが入っているか、証明書を誰が用意するかも比べてください
  5. 完了期限(令和9年3月31日)から逆算して工程を組む:総会の決議、契約、着工、完了、申告の日付までを工程表に書き込みます

賃貸マンション・ビルのオーナーの方へ

収益不動産をお持ちのオーナーの方にとって、東金市の制度は限られています。耐震の補助は木造の一戸建て等が対象で、税の減額制度も、管理計画認定や、助言・指導を受けた「管理組合」のマンションが対象です。ワンオーナーの賃貸マンションがこの制度を使えるかは、資産税係に確認が必要です。

ここで私がお勧めするのは、補助金に頼らない収支計画です。外壁の塗装やシーリングの傷み、屋上防水の劣化を放置すると、雨漏りや入居者の退去につながります。足場を組まないロープアクセス工法で部分的に早めに手当てすれば、工事費を抑えながら入居率を守れる場合があります。オーナーさま向けの考え方はビルオーナーさま向けの大規模修繕でご紹介しています。大手ホテルチェーンや旅館の施設をお持ちの方は、大手ホテルチェーンさま向けの大規模修繕もご覧ください。

よくあるご質問

Q. 東金市で、マンションの大規模修繕工事費に使える補助金はありますか?

A. 令和8年度の東金市公式サイトを確認した範囲では、共用部の工事費に使える補助金は見つかりませんでした。耐震の補助は木造の一戸建て等が対象で、共同住宅は対象外です。ただし、工事後の固定資産税を減額する制度があります。制度は年度の途中で変わることもあるため、市の窓口で最新の内容をご確認ください。

Q. 大規模修繕のあとに固定資産税が安くなる制度はありますか?

A. あります。東金市は、築20年以上・総戸数10戸以上などの要件を満たすマンションが、外壁塗装等・床防水・屋根防水を一体で行った場合に、翌年度分の固定資産税(住宅部分)を3分の1減額する制度を案内しています。住宅1戸あたり100平方メートル相当分までで、減額は1回限りです。

Q. 減額を受けるには、いつまでに工事を終える必要がありますか?

A. 令和9年(2027年)3月31日までに工事が完了していることが条件です。申告は、工事が完了した日から3か月以内に、課税課資産税係(電話0475-50-1127)へ行います。国の税制改正で期限が延長されるかどうかは、私が確認した時点では公表されていません。

Q. 管理計画認定を受けていないと、減額は使えませんか?

A. 管理計画の認定を受けたマンション、または、市の助言・指導を受けて長期修繕計画を適切に見直した管理組合のマンションが対象です。認定を受けていない場合でも、助言・指導という入口があります。窓口は都市整備課施設管理係(電話0475-50-1150)です。

Q. 東金市のマンション管理計画認定の窓口はどこですか?

A. 千葉県の案内では、市の区域のマンションは各市が認定を行うとされています。東金市の公式サイトでは、認定の窓口と手数料の案内を私は確認できませんでしたので、都市整備課へ電話でご確認ください。国の相談ダイヤル(電話03-5801-0858)でも相談できます。

Q. 豪雨・台風で被害を受けたマンションの共用部に、応急修理制度は使えますか?

A. 東金市の応急修理は、令和8年8月の千葉豪雨と台風第25号の被害を受けた住家が対象で、市が業者と直接契約する仕組みです。限度額は大規模半壊・中規模半壊・半壊で75万7,000円、準半壊で36万7,000円、申込期限は令和9年2月28日までです。共用部への適用は公式ページから読み取れないため、都市整備課(電話0475-50-1150)でご確認ください。

Q. 足場を組まない大規模修繕は、本当に可能ですか?

A. 外壁の部分補修、シーリングの打替え、調査・点検、部分塗装などは、ロープアクセス工法で対応できる場合があります。10階建て・外周80mの建物で、足場約168万円に対しロープアクセス約59万円という試算もありますが、建物の形状や工事範囲によっては足場のほうが適することもあります。当社では足場・ロープアクセス・ハイブリッドの3つから、建物に合う工法を提案しています。

Q. 相談や見積りに費用はかかりますか?

A. 明誠では、建物の状況確認と概算のお見積りを無料で承っています。税の減額の工程の整理だけのご相談でもかまいません。大規模修繕の無料相談・お問い合わせからお声がけください。

この記事のポイントまとめ

  • 東金市の令和8年度の制度で、管理組合が共用部の大規模修繕工事費に使える補助金は、公式サイトでは確認できなかった
  • 東金市は、大規模修繕後の固定資産税(住宅部分)を3分の1減額する制度を案内。築20年以上・10戸以上、外壁塗装等・床防水・屋根防水を一体で実施し、令和9年3月31日までに完了することが条件
  • 申告は工事完了から3か月以内。窓口は課税課資産税係(0475-50-1127)。入口は管理計画認定か、都市整備課施設管理係(0475-50-1150)の助言・指導
  • 耐震診断・耐震改修の補助は木造の一戸建て等が対象で、共同住宅は対象外。脱炭素化補助は個人住宅を想定しており、管理組合は環境保全課に確認
  • 千葉豪雨・台風第25号の被害には応急修理の制度がある(申込期限は令和9年2月28日まで)。共用部の扱いは窓口で確認

出典・参考資料

本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月7日時点で公表されている東金市および千葉県、国土交通省の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請・申告される前に、東金市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。本記事は法的・税務上の助言ではありません。

東金市は、工事費に補助金を出す街ではありません。それでも、工事のあとの固定資産税が3分の1軽くなる道は、期限つきで開いています。3つの工事を一体で行うこと、令和9年3月31日までに終えること、この2点を軸に、まずは総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。ご相談だけでも遠慮なくお問い合わせフォームからお声がけください。


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この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・大手ホテルチェーンの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月7日


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