本間社長ブログ

2026.09.19

豊島区のマンション漏水・防災対策|河川の洪水想定は高田だけ。残りを決めるのは内水と20か所の擁壁です【大規模修繕2026年度版】

豊島区のマンション漏水・防災対策|河川の洪水想定は高田だけ。残りを決めるのは内水と20か所の擁壁です【大規模修繕2026年度版】
本間 幸紘

著作者プロフィール

株式会社明誠 代表取締役

本間 幸紘

大規模修繕・外壁工事・ロープアクセス工事に関する情報を、現場経験をもとに分かりやすくお届けします。

2026年9月19日 更新

豊島区の要町で、築31年の分譲マンションの理事長さまから「地下の機械室が湿っている」とご相談をいただいたことがあります。屋上からの雨漏りを疑って伺ったのですが、屋上は健全でした。原因は、前の年の夏に道路側の雨水桝が詰まり、通路から流れ込んだ水が地下階段の最下段に溜まり、長い時間をかけて壁の打継ぎ目から染みていたことでした。川からは1キロ以上離れています。それでも、水は来るのです。

私は株式会社明誠の本間幸紘と申します。東京都東大和市を拠点に、20年近くマンション・ビル・ホテルの外壁と向き合ってきました。仮設足場を組む工事も、ロープ1本でぶら下がる無足場の工事も、どちらも現場でやってきた人間です。

豊島区は、23区のなかでも「川のリスクがきわめて限定的なのに、水のトラブルは普通に起きる区」です。理由ははっきりしていて、豊島区の水害は川があふれる話ではなく、降った雨が行き場を失う話だからです。

今日は、豊島区が公表している最新のハザード資料から逆算して、豊島区の分譲・賃貸マンションで先に手を打つべき漏水ポイントと、防災上の共用部の修繕優先度を整理します。


結論:豊島区は「河川の洪水想定は高田だけ、残りは内水と擁壁が決める区」です

先に結論から申し上げます。豊島区で大規模修繕の順番を決めるとき、私が最初に確認するのは屋上ではありません。自分の建物が神田川沿いの高田にあるのか、暗渠になった谷筋の低地にあるのか、区内20か所の土砂災害警戒区域に接しているのかです。

豊島区内に「高潮浸水想定区域」はありません。「津波災害警戒区域」「津波災害特別警戒区域」の指定もありません(出典:豊島区「宅地建物取引業者の方へ(ハザードマップの作成状況等)」/更新日 2026年9月15日)。湾岸区で最優先になる塩害・高潮対策は、豊島区ではほぼ考えなくてよいということです。

さらに、区の公式Q&Aにはこう書かれています。洪水(河川の氾濫等)による浸水の表示は、高田1〜3丁目の神田川浸水想定区域のみ。これが豊島区という区の性格を一言で表しています。

立地 該当エリアの例 主なリスク 最優先の対策
神田川沿いの低地 高田1〜3丁目 外水(河川氾濫)+内水 地下・半地下の止水、受電設備の位置、逆流防止
暗渠化した谷筋・駅周辺の低地 池袋・東池袋・雑司が谷・要町・千川方面の谷地形 内水氾濫(下水道の能力超過) 敷地の雨水桝、地下階段の止水、ドライエリア
斜面・擁壁に接する敷地 高田1・2丁目、駒込1丁目ほか区内20か所 擁壁の劣化・がけ崩れ 擁壁の点検と改修、斜面側の排水と外壁

この3類型のどこに当たるかを、区のハザードマップで先に確定させる。それをやらずに「まず屋上防水から」と進めてしまうと、順番を1つ間違えるだけで数百万円が無駄になります。豊島区の理事会でいつも最初にお伝えしているのは、この一点です。


豊島区のハザード資料を1枚で読む

豊島区は、ハザードマップの作成状況を宅建業者向けページで公式に整理しています。管理組合の書類棚に、この表を1枚コピーして貼っておくだけで議論が早くなります。

災害種別 豊島区の作成状況 根拠法 備考
洪水(外水) 作成済 水防法 表示は高田1〜3丁目の神田川浸水想定区域のみ
雨水出水(内水) 令和8年3月に作成済となった 水防法 東京都下水道局が雨水出水浸水想定区域図を公表
高潮 なし 水防法 区内に高潮浸水想定区域はありません
土砂災害 作成済 土砂災害防止法 区内20か所が警戒区域、うち8か所が特別警戒区域
津波 なし 津波防災地域づくり法 区内に津波災害警戒区域の指定はありません

(出典:豊島区「宅地建物取引業者の方へ(ハザードマップの作成状況等)」/更新日 2026年9月15日、豊島区「豊島区土砂災害ハザードマップ」/更新日 2026年6月25日)

想定されている雨は「1時間153ミリ・総雨量690ミリ」

豊島区洪水・内水ハザードマップが前提にしているのは、時間最大雨量153ミリメートル、総雨量690ミリメートルという降雨です。神田川流域、石神井川及び白子川流域、隅田川及び新河岸川流域の3つの浸水想定から構成されています(出典:豊島区「豊島区洪水・内水ハザードマップ」/更新日 2026年9月15日)。

1時間153ミリという数字は、正直に申し上げてピンと来ないと思います。東京の下水道が標準で想定しているのは1時間50ミリ前後です。つまり設計値の3倍の雨を想定した図だ、ということです。

そして豊島区の場合、この3倍の雨が降ったときに問題になるのは、川からあふれた水ではありません。下水道に入りきらなかった雨水が、道路と敷地に溜まるほうです。

豊島区で最も見落とされている一行

区のハザードマップには、PDFの版に関する注記が付いています。豊島区洪水・内水ハザードマップは令和7年1月発行が最新で、令和6年9月発行版から浸水想定区域・雨水出水区域に変更はない、というものです。一方で、令和8年3月に東京都下水道局が水防法に基づく雨水出水浸水想定区域図を公表しています。

つまり、手元のPDFを見ているだけでは、内水の最新の浸水深は分からないということです。神田川洪水浸水想定区域(青色斜線部分)は外水の浸水深で表示されているため、同じ区域の内水の浸水深を知りたい場合は、東京都下水道局の雨水出水浸水想定区域図を別途確認する必要があります。

現場で管理組合の防災資料を見せていただくと、ここを追えている組合はほとんどありません。豊島区でいちばん実務的な差がつくポイントです。


高田1〜3丁目|区内で唯一、河川の洪水想定が示されているエリア

豊島区の南端、神田川に接する高田1〜3丁目が、区内で唯一「河川の氾濫による浸水」が想定されている地区です。ここに建つマンションでは、他の区域とは優先順位がはっきり変わります。

私が高田の物件で最初に見るのは、次の3つです。

  1. 受変電設備・非常用発電機の設置高さ — 地下や1階の低い位置にあると、浸水時に建物全体が停電します。エレベーターも給水ポンプも止まります。国土交通省の建築物における電気設備の浸水対策ガイドラインが、移設・嵩上げ・防水扉の考え方を整理しています
  2. 地下駐車場・地下倉庫のスロープ最頂部 — 道路面より数センチ低いだけで、水は一気に入ります
  3. 排水の逆流経路 — 1階の浴室・洗濯パンからの逆流は、外から水が入るより先に起きることがあります

そして、高田1・2丁目は令和8年6月24日付の東京都告示で、新たに土砂災害警戒区域に指定されました。神田川の谷と、その北側の台地の縁がぶつかる地形だからです。高田のマンションは、水と斜面の両方を同時に抱える、豊島区で最も条件の厳しい立地だと考えています。


池袋と暗渠の谷筋|豊島区の本命は内水氾濫です

豊島区の大部分は武蔵野台地の上にあります。地図で見ると平らです。しかし実際に歩くと、池袋から要町、千川、雑司が谷へ向かう道は、明らかに上り下りがあります。かつて川が流れ、いまは下水道の幹線として地下に入っている谷筋です。

この谷筋の底に建つマンションで、実際によく起きるのが次の症状です。

  • 大雨のあと、1階エントランスの床タイルの目地から水が滲む
  • 地下階段の最下段付近に、乾いても白い跡(エフロレッセンス)が残る
  • 駐輪場やゴミ置き場の床が、雨のたびに数時間だけ水たまりになる
  • 外壁の地際から50センチ程度の高さに、帯状の汚れと塗膜の膨れが出る

いずれも「雨漏り」とは呼ばれません。だから修繕計画に載らない。でも、これを放置すると躯体の鉄筋が錆び、10年後の大規模修繕で爆裂補修として何百万円かの請求書になって返ってきます。

区の浸水実績は、実は公開資料ではありません。豊島区役所本庁舎5階の防災課、または6階の道路整備課の各窓口でのみ閲覧可能で、平成11年から現在までに区が確認した箇所と、区民から報告を受けた箇所が示されています(出典:豊島区「宅地建物取引業者の方へ」)。

ここは強くお勧めしたいところです。理事長さんか管理会社のフロント担当者に、一度だけ区役所に足を運んでもらってください。自分の建物の前の道路が過去に浸水していたかどうかが分かるだけで、修繕の議論の質が変わります。問い合わせは道路整備課道路整備グループ(03-3981-4878)です。


土砂災害20か所・特別警戒8か所|令和8年6月24日に地図が変わりました

豊島区は平坦な区というイメージがありますが、台地の縁には高低差があります。令和8年6月24日付の東京都告示により、高田1・2丁目が土砂災害警戒区域に新規指定、駒込1丁目の土砂災害(特別)警戒区域が一部解除となりました。これにより区内の指定は警戒区域20か所、うち特別警戒区域8か所となっています。

ここで重要な注意点があります。区が配布している豊島区土砂災害ハザードマップのPDFには、この令和8年6月の変更が反映されていません。区の公式ページにも「令和6年9月発行の豊島区土砂災害ハザードマップは、これらの情報が反映されていませんのでご注意ください」と明記されています。

最新の正確な図面は、東京都の土砂災害警戒区域等マップで確認してください。管理組合の防災資料が数年前のPDFのままなら、いま差し替えるべきタイミングです。

擁壁は「大規模修繕の見積書に載らない場所」の筆頭です

土砂災害警戒区域に接する敷地のマンションで、私がいちばん多く見つける不具合が擁壁の水抜き穴の詰まりです。

擁壁には、背面に溜まった水を逃がすための穴が設けられています。この穴が土や落ち葉、根で塞がると、擁壁の裏に水圧がかかります。結果として起きるのは、擁壁のひび割れ・はらみ・傾きと、擁壁に接した建物側の1階躯体への回り込み漏水です。冒頭の要町の事例も、構図としては同じでした。

ところが、大規模修繕の標準的な見積書は「外壁・屋上・鉄部・シーリング」で組まれます。擁壁は外構扱いか、そもそも項目がありません。見積依頼の段階で「擁壁と敷地排水を含む」と明記する。これだけで見落としが防げます。


豊島区のマンションで水が入る5つのルート

現場で見ている範囲で、豊島区の中高層マンションに水が入る経路を優先度順に並べると、こうなります。

順位 侵入ルート 見つけ方 放置した場合のコスト感
1 屋上・塔屋のドレン詰まり ストレーナー(目皿)を外して手で確認 防水層の全面改修で数百万円規模
2 外壁のひび割れ・タイル浮き 打診調査・赤外線・近接目視 爆裂補修に発展すると1か所あたり数万円〜
3 サッシ廻り・手すり付け根のシーリング切れ 目視。指で押して弾力を見る 室内側の内装復旧費が上乗せ
4 バルコニー・開放廊下の排水口 大雨の翌朝に水たまりが残るか 下階住戸への漏水でトラブル化
5 敷地の雨水桝・擁壁の水抜き穴 蓋を開ける。穴に手を当てる 1階・地下の躯体劣化、機械室の被害

このうち1・3・4は、管理員さんか理事の方が今週できる確認です。特別な道具は要りません。2と5は専門業者の領域になりますが、順番としては1・3・4を先に潰してから診断に入ったほうが、原因の切り分けがはるかに正確になります。


打診調査の費用と、足場かロープアクセスかの分かれ目

外壁の状態を把握する打診調査の費用は、1平方メートルあたり250〜500円程度が目安です(物件の形状、足場の要否、タイルか塗装かで変動します)。外壁塗装は3,500〜4,500円/㎡、防水は5,000〜8,000円/㎡程度がひとつのレンジです。いずれも参考値で、実際の見積は建物ごとに大きく変わります。

大規模修繕の総額でいうと、30戸前後のマンションで3,500〜5,000万円程度、そのうち仮設足場が15〜25%を占めます。ここがロープアクセス工法(無足場工法)で圧縮できる部分です。

分かりやすい比較を1つ挙げます。10階建て・外周80メートル・工期3か月の物件で、仮設足場が約168万円かかるケースでも、ロープアクセスであれば約59万円。差額でおよそ109万円が浮く計算になります。これも目安であり、部位や作業量によって変わりますが、桁の感覚はつかんでいただけると思います。

豊島区で私が「ロープアクセスが効く」と判断するのは、次のような条件です。

  • 隣地との離隔がほとんどない — 池袋周辺や要町・東池袋の細街路沿いに多い形です。足場を組む空間そのものがない
  • 1階が店舗・事務所で、足場による営業影響を避けたい — 豊島区は1階テナント併設のマンションが多い区です
  • 補修範囲が限定的 — 全面改修ではなく、漏水箇所の特定と部分補修から始めたい場合
  • 調査だけ先にやりたい — 足場を組まずに打診・撮影だけ先行できるので、理事会の判断材料を安く早く揃えられます

逆に、外壁の全面打診+全面塗装+バルコニー防水を一気にやるなら、足場を組んだほうが総額で安くなることもあります。ハイブリッド工法といって、低層部と共用廊下側は足場、高層部の外壁面はロープアクセス、という組み合わせが最適解になるケースも豊島区では珍しくありません。工法そのものの技術的な背景は、ロープアクセスドットコムの技術解説で整理しています。

株式会社明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテル大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法での高所作業について、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業では過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。安全管理の考え方は明誠の安全管理への取り組みに、費用の考え方は大規模修繕の料金の考え方にまとめています。


豊島区で使える助成制度(令和8年度)

豊島区には、水と斜面に関係する管理組合向けの制度がいくつかあります。現行年度の情報を整理します。

① 分譲マンション計画修繕調査費助成

漏水の原因を特定するための劣化診断に、そのまま使える制度です。

項目 内容
助成額 計画修繕調査に要する費用の2分の1(上限20万円)
対象 建築後8年以上を経過した分譲マンションの管理組合
要件 管理規約が整備されている/集会で調査実施の決議がなされている/過去10年以内に同助成を受けていない
対象調査 外壁(塗装・タイル)、防水(屋上・ルーフバルコニー・開放廊下・屋外階段)、鉄部塗装、外構、給排水・電気・消防設備、エレベーター、機械式駐車場
令和8年度の受付 4月1日から開始。予算の範囲内で、超過した場合は受付終了
重要な注意 申請は調査の契約締結前。調査完了は年度内のものが対象

(出典:豊島区「分譲マンション計画修繕調査費助成」/更新日 2026年3月10日)

この制度でいちばん多い失敗は、先に調査業者と契約してしまうことです。契約後の申請は対象外になります。理事会で「まず見積を取って、業者を決めてから区に相談」と進めると、そこで詰みます。順番は、事前相談(住宅・マンション課マンショングループ 03-3981-1385)→ 申請 → 承認通知 → 契約・着手、です。

対象調査に外構が含まれている点も見逃せません。前述の敷地排水や擁壁まわりを診断範囲に入れておけば、豊島区の内水リスクにきちんと届く調査になります。

② 擁壁等対策工事等助成・擁壁等専門家派遣(土砂災害警戒区域内)

土砂災害警戒区域内または特別警戒区域内の急傾斜地にある擁壁・がけについて、補強設計等と対策工事に助成があります。対象となるのは、耐震診断で崩落・倒壊のおそれがあると判断された擁壁等で、擁壁の下端から高さの2倍以内、または上端から水平距離10メートル以内に建築物があること。補強設計・対策工事は原則として特別警戒区域の指定を解除できる水準であることが求められます。

あわせて擁壁等専門家派遣があります。1回の派遣につき専門家1名、2時間以内、同一の擁壁につき2回まで。擁壁の安全性の相談、耐震診断・補強設計・対策工事の相談、公的支援の検討まで見てもらえます。

管理組合として使う場合の実務ポイントを1つ。申請書類には、対象地内の擁壁が区分所有建物の敷地に存する場合で、申請者が管理組合の代表者以外のときは、区分所有者全員の承諾書が必要と定められています。逆に言えば、理事長名で申請すればこの書類が不要ということです。ここを知らずに進めて止まる組合が実際にあります。

(出典:豊島区「土砂災害警戒区域内における豊島区擁壁等対策工事等助成について」、豊島区「土砂災害警戒区域内における豊島区擁壁等専門家派遣」)

なお、この2つの制度のページは最終更新日が2025年3月であり、令和8年度の助成額・予算枠・受付期間については区ホームページ上で現行年度の記載が確認できませんでした。申請を検討される場合は、建築課構造審査グループ(03-3981-0614)へ令和8年度の運用を必ずご確認ください。


豊島区の管理組合が今週できる4つの確認

大がかりな話の前に、費用ゼロでできることから並べます。

  1. ハザードマップの版を確認する — 土砂災害ハザードマップのPDFは令和6年9月発行が最新で、令和8年6月24日の指定変更は反映されていません。高田・駒込周辺の組合は東京都の土砂災害警戒区域等マップで現況を確認してください
  2. 内水の浸水深を都の図で確認する — 区のPDFだけでは分かりません。東京都下水道局の雨水出水浸水想定区域図を見てください
  3. 区役所で過去の浸水実績を閲覧する — 本庁舎5階の防災課、または6階の道路整備課の窓口のみで閲覧できます。自分の建物の前の道路が過去に浸水していたかが分かります
  4. 屋上ドレン・バルコニー排水口・敷地の雨水桝・擁壁の水抜き穴を、実物で見る — 点検記録の紙ではなく、現物です。台風期のいまがいちばん適した時期です

この4つを終えてから診断や見積の話に進むと、業者への発注内容が具体的になり、結果として金額も下がります。順番の問題です。


よくあるご質問

Q. 豊島区は川から離れているので、水害の心配はいらないのでは?

A. 河川の氾濫(外水)による浸水想定が示されているのは高田1〜3丁目だけですが、雨水出水(内水)の想定は令和8年3月に水防法に基づいて作成済となっています。豊島区で実際に多いのは、下水道に入りきらない雨が道路と敷地に溜まるタイプの浸水です。川からの距離だけで判断しないでください。

Q. 漏水の原因調査はいくらくらいかかりますか?

A. 調査範囲によりますが、打診調査は1平方メートルあたり250〜500円程度が目安です。豊島区の分譲マンションであれば、計画修繕調査費助成で費用の2分の1・上限20万円の助成が使えます(令和8年度は4月1日受付開始・予算の範囲内)。無料で概算のお見積りをお出しできますので、まずはご相談ください。

Q. 足場を組まずに外壁を調べられますか?

A. できます。ロープアクセス工法なら足場を組まずに打診・近接目視・撮影まで行えます。隣地と離隔がない物件や、1階に店舗が入っていて営業影響を避けたい物件では特に有効です。詳細はロープアクセス工法のページをご覧ください。

Q. 工期はどれくらい変わりますか?

A. ロープアクセス工法なら足場工法の約60%の工期が目安です。10階建て・外周80メートルのマンションであれば、足場で3か月のところ、ロープアクセスで1.5〜2か月程度という感覚です。作業量と部位によって変動します。

Q. 擁壁の調査も大規模修繕に含められますか?

A. 含められます。ただし標準的な見積書では調査範囲から外れていることが多いので、見積依頼の段階で「擁壁と敷地排水を含む」と明記してください。豊島区の計画修繕調査費助成も対象調査に外構を含んでいます。

Q. 土砂災害警戒区域に指定されたら、何かしなければいけませんか?

A. 指定そのものが直ちに工事を義務づけるものではありません。ただし擁壁の安全性は確認しておくべきです。豊島区には擁壁等専門家派遣があり、専門家1名・2時間以内・同一擁壁につき2回まで相談できます。令和8年度の運用は建築課構造審査グループ(03-3981-0614)へご確認ください。

Q. 台風のあと、まず何を見ればいいですか?

A. 屋上ドレンのストレーナー(落ち葉よけの目皿)、バルコニー排水口、敷地の雨水桝、擁壁の水抜き穴の4か所です。この詰まりを取るだけで、次の大雨での漏水リスクはかなり下がります。管理員さんに依頼できる範囲の作業です。

Q. 賃貸マンションのオーナーでも相談できますか?

A. できます。むしろ収益物件では、漏水を1件起こすと原状回復費と空室期間の両方が効いてきます。資産価値維持の観点からの考え方はオーナー向けの提供価値にまとめています。漏水対応そのものについては漏水調査・補修のページもご覧ください。


まとめ:今週、豊島区の理事会で動けること3つ

  1. ハザード資料を最新版に差し替える — 土砂災害の指定は令和8年6月24日の都告示で変わっています。区配布のPDFは未反映です
  2. 内水の想定を都の図で確認する — 豊島区の水害リスクの本体は内水です。区のPDFだけでは浸水深が分かりません
  3. 屋上ドレン・バルコニー排水・雨水桝・擁壁の水抜き穴を実物で確認する — 費用ゼロで、効果がいちばん確実な作業です

豊島区は、高潮も津波もなく、河川の洪水想定も高田1〜3丁目に限られる区です。リスクの総量で言えば、23区のなかでは軽いほうだと思います。だからこそ、残った2つ——内水と擁壁——に的を絞れば、少ない投資で守り切れる区でもあります。「23区の平均的な修繕計画」をそのまま当てはめるより、豊島区の地形に合わせて順番を組み替えたほうが、確実に費用対効果が上がります。

ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。管理組合向けのご支援内容は管理組合向けサービス、ご相談はお問合せフォームからどうぞ。工法の技術面をもう一段深く確認されたい方は、ロープアクセスドットコムもあわせてご覧ください。

明誠のこれまでの施工事例(約6,000棟)は https://rita-construction.com/renew/blog/category/works/ からご覧いただけます。


出典・参考資料

本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月19日時点で公表されている豊島区および東京都・国土交通省の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。特に擁壁等対策工事等助成および擁壁等専門家派遣については区ホームページの更新日が2025年3月であり、令和8年度の助成額・予算枠・受付期間は公式ページ上で確認できませんでした。実際に申請される前に、必ず豊島区および該当窓口(住宅・マンション課マンショングループ 03-3981-1385/建築課構造審査グループ 03-3981-0614)へ最新の内容をご確認ください。


この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年9月19日

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