国立市のマンション管理計画認定制度|申請手数料3,500円〜、管理センター経由のオンライン申請が必須【2026年度版】
結論:国立市で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか
先に結論からお伝えします。国立市でマンション管理計画認定を新規に取得する場合、市への申請手数料は基本3,500円、長期修繕計画が2つ以上ある場合は1つ増えるごとに1,600円が加算されます(出典:国立市「マンション管理計画認定制度」、令和8年3月11日更新)。加えて、新規・更新の申請は公益財団法人マンション管理センターが運営する「管理計画認定手続支援サービス」を経由したオンライン申請が実質必須で、変更認定申請のみ紙での持参・郵送が認められています。
私はこれまで多摩地域のマンション理事長さまから「隣の市は無料なのに、うちはなぜ手数料がかかるのか」というご相談をいただいたことが何度もあります。実際、隣接する国分寺市は市への申請手数料が無料ですが、国立市は基本手数料3,500円に加算1,600円がかかり、変更認定になると項目によって1,900円から8,400円と幅があります。この差は自治体ごとの条例で決まっているだけで、審査の厳しさとは関係がありません。私の経験上、この「自治体ごとに金額がバラバラ」という事実自体を理事会が知らないまま総会に議案を出してしまい、後から質問が飛んで慌てるケースが少なくありません。この記事では、国立市ならではの手数料構造と、必須となるオンライン申請の進め方まで整理します。
認定主体はどこか(国立市が認定行政庁)
マンション管理計画認定制度は令和4年4月に始まった国の制度で、実際に審査・認定を行う「認定行政庁」(用語補足:認定の申請を受け付け、審査し、認定書を交付する権限を持つ役所のことです)は自治体ごとに分かれます。制度の設計上、特別区および市の区域内はその区市自身が認定行政庁となり、町村の区域は都道府県が担います(出典:東京都マンションポータルサイト「マンション管理計画認定制度」)。
国立市は「市」ですので、国立市自身が認定行政庁です。窓口は国立市都市整備部都市計画課住宅政策担当(国立市役所3階50番窓口)で、令和5年4月1日に制度が始まりました(出典:国立市「マンション管理計画認定制度 申請の手引き」)。私は一橋大学のある学園都市・文教地区として知られる国立市の分譲マンションを何棟も見てきましたが、閑静な住宅街に立地する物件ほど「うちは古い建物だから対象外だろう」と思い込んでいる理事会が多い印象です。管理計画認定は築年数を問わず、国の17要件を満たせば取得できる制度ですので、まず要件との照らし合わせから始めることをお勧めしています。
認定17要件(国が定める5分野の基準)
管理計画認定の基準は、マンション管理適正化法第5条の4等に基づき、全国共通で以下の5分野・17項目に整理されています(出典:国土交通省「マンションの管理計画認定の基準」)。
1. 管理組合の運営(2項目)
管理者等および監事が定められていること、集会(総会)が定期的に開催されていること。
2. 管理規約(3項目)
管理規約が作成されていること、緊急時等における専有部分への立入りに関する規定があること、修繕履歴情報の保管と管理費等の財務情報の開示に関する規定があること。
3. 管理組合の経理(3項目)
管理費と修繕積立金が区分経理されていること、修繕積立金が他の会計に充当されていないこと、修繕積立金や管理費の滞納者に対して督促等の措置を講じていること。
4. 長期修繕計画(8項目)
国の標準様式に準拠した長期修繕計画が総会決議されていること、計画の作成または見直しが7年以内であること、計画期間が30年以上かつ大規模修繕工事が2回以上含まれていること、都度の一時金徴収を前提としていないこと、修繕積立金の額が著しく低額でないこと、計画期間の最終年度において借入金の残高がないことなど。
5. その他(2項目)
組合員名簿・居住者名簿が備えられていること、都道府県のマンション管理適正化指針に適合していること。
私が現場で理事会にお伝えしているのは、「長期修繕計画」の8項目が実務上いちばん詰まりやすいという点です。特に修繕積立金の水準は、築年数が経つほど当初設定額とのズレが大きくなり、認定申請の直前に慌てて見直すケースを何度も見てきました。
独自基準の有無と実務への影響
国立市の申請の手引きには「国立市マンション管理適正化指針では、国の基準以外の独自基準を設けていない」と明記されています(出典:国立市「マンション管理計画認定制度 申請の手引き」)。渋谷区や文京区など一部の特別区では、令和7年4月の基準見直しに合わせて防災訓練の実施状況やコミュニティ活動に関する独自の確認項目を運用している例がありますが、国立市はこうした上乗せを行っていません。国の17項目のうち16項目に適合すれば、残る「都道府県の指針への適合」も自動的に満たされる仕組みになっている点も、実務上は覚えておくと安心です。
私はこれを「独自基準がないから審査が甘い」という意味だとは説明していません。国の基準そのものが長期修繕計画・修繕積立金・管理規約の実態を厳しく問うものであり、独自基準の有無にかかわらず準備には数ヶ月単位の時間を見ておく必要があります。むしろ国立市の場合は、独自基準がない分だけ、次に説明する「手数料」と「申請方法」の特殊性の方に理事会の注意を向けていただくべきだと私は考えています。
手数料と申請ルート(マンション管理センター経由が実質必須)
国立市の手数料体系を整理すると次のとおりです。
| 申請区分 | 国立市への手数料 | 備考 |
|---|---|---|
| 新規認定申請 | 3,500円(基本) | 長期修繕計画1つ増加ごとに1,600円加算 |
| 変更認定申請(管理組合の運営) | 4,200円 | 紙での持参または郵送 |
| 変更認定申請(管理規約) | 3,500円 | 同上 |
| 変更認定申請(管理組合の経理) | 4,000円 | 同上 |
| 変更認定申請(名簿関連) | 2,600円 | 同上 |
| 変更認定申請(長期修繕計画) | 8,400円(基本)+4,600円(加算) | 同上 |
| 変更認定申請(その他) | 1,900円 | 同上 |
(出典:国立市「マンション管理計画認定制度 申請の手引き」)
国立市の大きな特徴は、新規申請・更新申請について、(公財)マンション管理センターが運営する「管理計画認定手続支援サービス」を経由したオンライン申請が事実上のルートになっている点です。この支援サービスでは、まず認定基準への適合状況を専門家が事前に確認し、適合証が交付された後にオンラインで国立市へ申請が行われます。事前確認を担当できるのは、マンション管理センターの講習を修了したマンション管理士のみで、依頼のルートは独立系のマンション管理士、管理委託先の管理会社、日本マンション管理士会連合会、マンション管理センター直接依頼の4パターンがあります(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。この支援サービスには国立市への手数料とは別に、システム利用料が1申請あたり10,000円(税込)、事前確認審査料が長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)程度かかります。
私は理事会に「国立市への手数料は数千円台だが、支援サービス利用料を含めた実質的な総コストは数万円規模になる」と必ずお伝えしています。総会で予算承認を取る際は、市への手数料だけでなく支援サービス利用料まで含めて総額を提示しないと、後日「思っていたより高い」という声が出やすいためです。なお変更認定申請だけは支援サービスを使わず、申請書正本・副本と添付書類を国立市の窓口へ持参または郵送する方式になっています。
認定の3つの経済効果(長寿命化促進税制/フラット35/共用部リフォーム融資)
管理計画認定を取得すると、主に3つの経済的なメリットにつながります。
① マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)
外壁塗装等工事・床防水工事・屋根防水工事のいずれかを実施し、令和5年4月1日から令和9年3月31日までに工事を完了したマンションについて、工事完了翌年度の建物部分(専有部分が居住用で100㎡相当分まで)の固定資産税が1/6から1/2の範囲内で減額されます。適用には令和3年9月1日以降に修繕積立金を認定基準まで引き上げていることが条件です(出典:国土交通省「マンション長寿命化促進税制」)。
② フラット35の金利引下げ
管理計画認定を受けたマンションを購入する場合、フラット35の借入金利が一定期間引き下げられる制度があります。適用条件や引下げ幅は制度改定により変わることがあるため、申込み時点の最新条件を住宅金融支援機構の公式サイトで必ず確認してください(出典:住宅金融支援機構)。
③ マンションすまい・る融資(共用部リフォーム融資)の金利引下げ
管理組合が大規模修繕工事のために借り入れる共用部リフォーム融資では、申込時点で管理計画認定を取得している(かつ認定から5年以内の)場合、基準金利から年0.2%の引下げが適用されます(下限0.1%)。さらに耐震改修工事・浸水対策工事・省エネルギー対策工事のいずれかを併せて実施する場合は、返済期間を最大35年まで延長できます(出典:住宅金融支援機構「2026年度マンションすまい・る融資のご案内」)。
私はこの3つの中でも、②のフラット35と③のすまい・る融資は「認定を取ってから工事や借入を検討する」のでは間に合わないケースがある点を強調しています。国立市のように新規申請の実務が支援サービス経由の手続きに一本化されている自治体では、事前確認の依頼先を早めに決めておくことが、経済効果を取り逃さないための第一歩になります。
逆算スケジュール(総会決議→事前確認→認定申請→交付)
管理計画認定は、思いついてすぐ取れるものではありません。私が理事会にお勧めしている標準的な逆算の流れは次のとおりです。
- 理事会での方針決定(認定希望の4〜5ヶ月前):長期修繕計画・修繕積立金水準・管理規約の現状を17要件と突き合わせて事前診断する。
- 書類整備・見直し(3〜4ヶ月前):長期修繕計画の作成または見直しが7年を超えている場合は改定作業を先に完了させる。修繕積立金が著しく低額であれば増額の検討も必要。
- 事前確認の依頼先を決定(2〜3ヶ月前):管理委託先の管理会社、独立系マンション管理士、マンション管理センター直接依頼などから選び、事前確認審査料も含めて見積りを取る。
- 総会での決議(1〜2ヶ月前):管理計画認定の申請そのものと、必要に応じた管理規約改正・修繕積立金改定、支援サービス利用に伴う費用を総会議案として決議する。
- 事前確認・オンライン申請:マンション管理センターの支援サービスで事前確認を受け、適合証交付後にオンラインで国立市へ申請する。
- 市による審査・認定書の交付:書類不備がなければ数週間から1〜2ヶ月程度が目安です。認定後は有効期間(5年)の管理が始まり、更新申請の準備も視野に入れる必要があります。
総会は年1回の開催が基本のマンションが多いため、「今期の総会で決議しそびれると1年遅れる」という点を、私は現場で繰り返しお伝えしています。
まとめ+今週動くこと3点
国立市は市への申請手数料自体は数千円台と大きくありませんが、新規・更新申請で支援サービス経由のオンライン申請が実質必須という運用上の特徴があります。手数料が無料の隣接自治体と比べて「安い・高い」で単純比較するのではなく、支援サービス利用料まで含めた総コストと、事前確認という一段階多い手続きを理事会が理解しておくことが重要です。
今週、理事会で動いていただきたいのは次の3点です。
- 直近の長期修繕計画の作成・見直し日付を確認し、7年以内かどうかをチェックする。
- 事前確認を誰に依頼するか(管理委託先・独立系マンション管理士・マンション管理センター直接)の候補を挙げてみる。
- 次回総会の議案候補として「管理計画認定申請の実施」と、それに伴う支援サービス利用料の予算化を理事会で仮検討する。
大規模修繕工事そのものについては、足場を組む従来工法だけでなく、産業用ロープを使うロープアクセスドットコムの無足場工法や、部位ごとに使い分けるハイブリッド工法という選択肢もあります。私はこれまで約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕に携わってきましたが、足場費とロープアクセスの差額は、8階建て・外周70m・工期2.5ヶ月程度の物件で、足場約145万円に対しロープアクセス約52万円という比較事例もあり、修繕積立金の負担軽減に直結するケースが少なくありません(金額は物件条件により変動する目安です)。ロープアクセス工法における高所作業では、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業で過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。
管理計画認定の取得を機に、修繕積立金の使い道や工法選定まで含めて見直したいという理事会さまには、大規模修繕工事のご相談や管理組合向けサービスのご紹介から、無料の概算相談を承っています。技術面の詳細を深掘りしたい場合は、こちらも姉妹サイトのロープアクセスドットコムで解説しています。
これまでの明誠の施工事例もあわせてご覧いただけます。
よくあるご質問
Q. 国立市への申請手数料はいくらですか?
A. 新規認定申請の基本手数料は3,500円で、長期修繕計画が2つ以上ある場合は1つ増えるごとに1,600円が加算されます。変更認定申請は項目によって1,900円から8,400円まで幅があります。
Q. 国立市には独自の上乗せ基準がありますか?
A. ありません。国立市マンション管理適正化指針では国の基準以外の独自基準を設けておらず、国の17要件のうち16項目に適合すれば残る1項目も自動的に満たされる仕組みです。
Q. マンション管理センターの支援サービスは必ず使わないといけませんか?
A. 新規認定申請・更新申請については、支援サービス経由のオンライン申請が実質必須です。変更認定申請のみ、申請書を持参または郵送する方式が認められています。
Q. 支援サービスを利用すると、市への手数料以外に何がかかりますか?
A. システム利用料が1申請あたり10,000円(税込)、事前確認審査料が長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)程度かかります。市への手数料と合わせて総額を見積もることをお勧めします。
Q. 「マンション管理状況届出制度」と管理計画認定制度は同じものですか?
A. 別の制度です。届出制度は昭和58年12月31日以前に建築され、居住用の独立部分が6戸以上あるマンションが対象で、5年ごとの届出が義務付けられています。管理計画認定制度は任意の制度で、取得すると税制・融資面の優遇が受けられます。
Q. 認定を取得すると必ず固定資産税が減額されますか?
A. 自動的にではありません。長寿命化促進税制の対象となる外壁塗装等・床防水・屋根防水のいずれかの工事を、令和5年4月1日から令和9年3月31日までに完了し、別途申告する必要があります。
Q. 認定の有効期間はどれくらいですか?
A. 5年間です。有効期間満了前に更新申請を行わないと失効するため、更新スケジュールもあらかじめ管理会社や理事会内で共有しておくことをお勧めします。
Q. 小規模なマンションでも認定は取れますか?
A. 戸数による制限はありません。国の17要件を満たしていれば、規模にかかわらず申請可能です。
本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月28日時点で公表されている国立市、東京都、国土交通省、公益財団法人マンション管理センター、住宅金融支援機構の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・要件変更があり得ます。実際に申請される前に、必ず国立市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年9月28日
出典・参考資料
- 国立市「マンションの管理計画認定制度」
- 国立市「マンション管理計画認定制度 申請の手引き」(PDF)
- 東京都マンションポータルサイト「マンション管理計画認定制度」
- 国土交通省「マンションの管理計画認定制度」
- 国土交通省「マンションの管理計画認定の基準」(PDF)
- 国土交通省「マンション長寿命化促進税制」
- 公益財団法人マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」
- 住宅金融支援機構「2026年度マンションすまい・る融資のご案内」(PDF)
- 住宅金融支援機構「金利情報」
国分寺市のマンション管理計画認定制度|市への申請手数料は無料、独自基準なしで国基準準拠【2026年度版】
結論:国分寺市で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか
先に結論からお伝えします。国分寺市でマンション管理計画認定を取得する場合、市への申請手数料は無料です(出典:国分寺市「マンション管理計画認定制度」、令和6年12月1日更新)。国が定める基準に上乗せする独自基準も設けていません。国分寺市は公益財団法人マンション管理センターが運営するオンラインシステムを通じた申請を基本ルートとしており、変更認定申請のみ紙での提出が必要です。
私はこれまで多摩地域のマンション理事長さまから「管理計画認定は自治体によって手数料がバラバラすぎて、うちはいくらなのか分からない」というご相談を何度もいただいてきました。実際、隣接する小金井市では直接申請27,200円・マンション管理センター経由でも3,900円かかるのに対し、国分寺市は市への手数料そのものがゼロです。この差は総会での予算承認にも影響するため、理事会が最初に押さえておくべき最重要ポイントだと私は考えています。ただし、マンション管理センター経由でオンライン申請する場合はセンターへのシステム利用料・審査料が別途発生する点は誤解しないよう注意が必要です。この記事では、国分寺市ならではの手数料構造と、混同されやすい「管理状況届出制度」との違いまで整理します。
認定主体はどこか(国分寺市が認定行政庁)
マンション管理計画認定制度は令和4年4月に始まった国の制度で、実際に審査・認定を行う「認定行政庁」(用語補足:認定の申請を受け付け、審査し、認定書を交付する権限を持つ役所のことです)は自治体ごとに分かれます。制度の設計上、特別区および市の区域内はその区市自身が認定行政庁となり、町村の区域は都道府県が担います(出典:東京都マンションポータルサイト「マンション管理計画認定制度」)。
国分寺市は「市」ですので、国分寺市自身が認定行政庁です。私の経験上、多摩地域の理事会では「東京都のホームページに載っている情報がそのまま自分のマンションにも適用される」と思い込んでしまうケースが少なくありません。しかし国分寺市のように市が独立した認定行政庁である場合、窓口も審査基準の運用も市独自であり、まず市の担当課(都市計画課住宅係)に直接問い合わせることが確実な近道です。
認定17要件(国が定める5分野の基準)
管理計画認定の基準は、マンション管理適正化法第5条の4等に基づき、全国共通で以下の5分野・17項目に整理されています(出典:国土交通省「マンションの管理計画認定の基準」)。
1. 管理組合の運営(2項目)
管理者等および監事が定められていること、集会(総会)が定期的に開催されていること。
2. 管理規約(3項目)
管理規約が作成されていること、緊急時等における専有部分への立入りに関する規定があること、修繕履歴情報の保管と管理費等の財務情報の開示に関する規定があること。
3. 管理組合の経理(3項目)
管理費と修繕積立金が区分経理されていること、修繕積立金が他の会計に充当されていないこと、修繕積立金や管理費の滞納者に対して督促等の措置を講じていること。
4. 長期修繕計画(8項目)
国の標準様式に準拠した長期修繕計画が総会決議されていること、計画の作成または見直しが7年以内であること、計画期間が30年以上かつ大規模修繕工事が2回以上含まれていること、都度の一時金徴収を前提としていないこと、修繕積立金の額が著しく低額でないこと、計画期間の最終年度において借入金の残高がないことなど。
5. その他(2項目)
組合員名簿・居住者名簿が備えられていること、都道府県のマンション管理適正化指針に適合していること。
私が現場で理事会にお伝えしているのは、「長期修繕計画」の8項目が実務上いちばん詰まりやすいという点です。特に修繕積立金の水準は、築年数が経つほど当初設定額とのズレが大きくなり、認定申請の直前に慌てて見直すケースを何度も見てきました。
独自基準の有無と実務への影響
国分寺市のページには「国の基準以外の独自基準を設けていない」と明記されています(出典:国分寺市「マンション管理計画認定制度」)。渋谷区や文京区など一部の特別区では、令和7年4月の基準見直しに合わせて防災訓練の実施状況やコミュニティ活動に関する独自の確認項目を運用している例がありますが、国分寺市はこうした上乗せを行っていません。
これは実務上、大きなメリットです。理事会が用意すべき書類は国の17要件を満たす標準的なものだけでよく、区独自の追加様式や追加ヒアリングに時間を取られずに済みます。私は「独自基準がないから審査が甘い」という意味では決してないとお伝えしています。国の基準そのものが長期修繕計画・修繕積立金・管理規約の実態を厳しく問うものであり、独自基準の有無にかかわらず準備には数ヶ月単位の時間を見ておく必要があります。
手数料と申請ルート(事前確認あり/なし・マンション管理センター経由)
国分寺市の手数料体系を整理すると次のとおりです。
| 申請ルート | 国分寺市への手数料 | 備考 |
|---|---|---|
| マンション管理センター経由のオンライン申請 | 無料 | センターへのシステム利用料・審査料は別途 |
| 市への直接申請(変更認定など) | 無料 | 紙提出が必要な場合あり |
(公財)マンション管理センターの事前確認・オンライン申請支援サービスを利用する場合、センターへのシステム利用料が申請あたり10,000円(税込)、事前確認審査料が長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)程度かかります(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。この事前確認を利用すると、マンション管理士による事前チェックを経て申請書類が電子的に自動生成されるため、市側の審査負担が減り、結果として認定までの期間短縮につながりやすいという利点があります。
私は理事会に「市への手数料が無料だからといって、認定取得のコストがゼロになるわけではない」と必ずお伝えしています。センター利用料に加え、長期修繕計画の見直しや管理規約改正を専門家に依頼する場合の費用も含めて、総会前に総額を試算しておくことをお勧めします。
認定の3つの経済効果(長寿命化促進税制/フラット35/共用部リフォーム融資)
管理計画認定を取得すると、主に3つの経済的なメリットにつながります。
① マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)
外壁塗装等工事・床防水工事・屋根防水工事のいずれかを実施し、令和5年4月1日から令和9年3月31日までに工事を完了したマンションについて、工事完了翌年度の建物部分(専有部分が居住用で100㎡相当分まで)の固定資産税が1/6から1/2の範囲内で減額されます。適用には令和3年9月1日以降に修繕積立金を認定基準まで引き上げていることが条件です(出典:国土交通省「マンション長寿命化促進税制」)。
② フラット35の金利引下げ
管理計画認定を受けたマンションを購入する場合、フラット35の借入金利が一定期間引き下げられる制度があります。適用条件や引下げ幅は制度改定により変わることがあるため、申込み時点の最新条件を住宅金融支援機構の公式サイトで必ず確認してください(出典:住宅金融支援機構)。
③ マンションすまい・る融資(共用部リフォーム融資)の金利引下げ
管理組合が大規模修繕工事のために借り入れる共用部リフォーム融資では、申込時点で管理計画認定を取得している(かつ認定から5年以内の)場合、基準金利から年0.2%の引下げが適用されます(下限0.1%)。さらに耐震改修工事・浸水対策工事・省エネルギー対策工事のいずれかを併せて実施する場合は、返済期間を最大35年まで延長できます(出典:住宅金融支援機構「2026年度マンションすまい・る融資のご案内」)。
私はこの3つの中でも、②のフラット35と③のすまい・る融資は「認定を取ってから工事や借入を検討する」のでは間に合わないケースがある点を強調しています。認定取得と大規模修繕工事の実施スケジュールは、逆算で組み立てる必要があります。
逆算スケジュール(総会決議→書類準備→認定申請→交付)
管理計画認定は、思いついてすぐ取れるものではありません。私が理事会にお勧めしている標準的な逆算の流れは次のとおりです。
- 理事会での方針決定(認定希望の3〜4ヶ月前):長期修繕計画・修繕積立金水準・管理規約の現状を17要件と突き合わせて事前診断する。
- 書類整備・見直し(2〜3ヶ月前):長期修繕計画の作成または見直しが7年を超えている場合は改定作業を先に完了させる。修繕積立金が著しく低額であれば増額の検討も必要。
- 総会での決議(1〜2ヶ月前):管理計画認定の申請そのものと、必要に応じた管理規約改正・修繕積立金改定を総会議案として決議する。
- 申請書類の提出:マンション管理センターのオンラインシステム、または市の窓口へ提出。事前確認を利用する場合はここでマンション管理士のチェックを受ける。
- 市による審査:標準処理期間は自治体ごとに異なりますが、書類不備がなければ数週間から1〜2ヶ月程度が目安です。
- 認定書の交付:認定後は有効期間(5年)の管理が始まり、更新申請の準備も視野に入れる必要があります。
総会は年1回の開催が基本のマンションが多いため、「今期の総会で決議しそびれると1年遅れる」という点を、私は現場で繰り返しお伝えしています。
まとめ+今週動くこと3点
国分寺市は市への申請手数料が無料で、独自基準もない分、実務上のハードルは比較的低い自治体です。一方で、長期修繕計画の見直しや修繕積立金の水準確認には相応の時間がかかるため、総会シーズンから逆算した準備が欠かせません。
今週、理事会で動いていただきたいのは次の3点です。
- 直近の長期修繕計画の作成・見直し日付を確認し、7年以内かどうかをチェックする。
- 修繕積立金の月額・累計額を、17要件の「著しく低額でない」水準と照らして概算する。
- 次回総会の議案候補として「管理計画認定申請の実施」を理事会で仮検討する。
大規模修繕工事そのものについては、足場を組む従来工法だけでなく、産業用ロープを使うロープアクセスドットコムの無足場工法や、部位ごとに使い分けるハイブリッド工法という選択肢もあります。私はこれまで約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕に携わってきましたが、足場費とロープアクセスの差額は、10階建て・外周80m・工期3ヶ月程度の物件で、足場約168万円に対しロープアクセス約59万円という比較事例もあり、修繕積立金の負担軽減に直結するケースが少なくありません(金額は物件条件により変動する目安です)。ロープアクセス工法における高所作業では、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業で過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。
管理計画認定の取得を機に、修繕積立金の使い道や工法選定まで含めて見直したいという理事会さまには、大規模修繕工事のご相談や管理組合向けサービスのご紹介から、無料の概算相談を承っています。技術面の詳細を深掘りしたい場合は、こちらも姉妹サイトのロープアクセスドットコムで解説しています。
これまでの明誠の施工事例もあわせてご覧いただけます。
よくあるご質問
Q. 国分寺市への申請手数料は本当に無料ですか?
A. はい。国分寺市の公式ページで「無料です」と明記されています。ただしマンション管理センター経由でオンライン申請する場合は、センターへのシステム利用料・審査料が別途必要です。
Q. 国分寺市には独自の上乗せ基準がありますか?
A. ありません。国分寺市は国の基準以外の独自基準を設けておらず、国の17要件を満たせば認定対象になります。
Q. 「マンション管理状況届出制度」と管理計画認定制度は同じものですか?
A. 別の制度です。届出制度は昭和58年12月31日以前に建築され、居住用の独立部分が6戸以上あるマンションが対象で、5年ごとの届出が義務付けられています。管理計画認定制度は任意の制度で、取得すると税制・融資面の優遇が受けられます。
Q. 認定を取得すると必ず固定資産税が減額されますか?
A. 自動的にではありません。長寿命化促進税制の対象となる外壁塗装等・床防水・屋根防水のいずれかの工事を、令和5年4月1日から令和9年3月31日までに完了し、別途申告する必要があります。
Q. 認定の有効期間はどれくらいですか?
A. 5年間です。有効期間満了前に更新申請を行わないと失効するため、更新スケジュールもあらかじめ管理会社や理事会内で共有しておくことをお勧めします。
Q. マンション管理センターの事前確認を使うメリットは何ですか?
A. マンション管理士による事前チェックを受けられるほか、申請書類が電子システムで自動生成されるため、市側の審査がスムーズに進みやすくなります。
Q. 認定取得のために大規模修繕工事を先にやる必要がありますか?
A. 必須ではありません。ただし長期修繕計画の内容や修繕積立金の水準は審査対象になるため、老朽化が進んでいる場合は計画の見直しと並行して大規模修繕の時期を検討することをお勧めします。
Q. 小規模なマンションでも認定は取れますか?
A. 戸数による制限はありません。国の17要件を満たしていれば、規模にかかわらず申請可能です。
本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月28日時点で公表されている国分寺市、東京都、国土交通省、公益財団法人マンション管理センター、住宅金融支援機構の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・要件変更があり得ます。実際に申請される前に、必ず国分寺市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年9月28日
出典・参考資料
- 国分寺市「マンション管理計画認定制度」
- 国分寺市「マンション管理状況届出制度」
- 東京都マンションポータルサイト「マンション管理計画認定制度」
- 国土交通省「マンションの管理計画認定制度」
- 国土交通省「マンションの管理計画認定の基準」(PDF)
- 国土交通省「マンション長寿命化促進税制」
- 公益財団法人マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」
- 住宅金融支援機構「2026年度マンションすまい・る融資のご案内」(PDF)
- 住宅金融支援機構「金利情報」
小金井市のマンション管理計画認定制度|手数料は直接申請27,200円・マンション管理センター経由なら3,900円、独自基準なしでも届出制度との関係に注意【2026年度版】
結論:小金井市で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか
先に結論からお伝えします。小金井市でマンション管理計画認定を取得する場合、市への申請手数料は無料ではありません。小金井市に直接申請(紙)する場合は27,200円(同一マンションで複数の長期修繕計画を提出する場合、2件目以降は1件につき15,700円を加算)、公益財団法人マンション管理センターを経由してオンライン申請する場合は3,900円(複数の場合は1件につき1,700円を加算)です(出典:小金井市「マンションの管理計画認定制度」、2023年6月13日更新)。国が定める基準に上乗せする独自基準は設けていません。
私はこれまで小金井市内のマンションの理事長さまから「認定の手数料は最近どこも無料になったと聞いたのですが」というご質問を何度も受けてきました。実際、東京23区の多くは手数料を無料化していますが、小金井市のように従来どおり手数料を徴収している自治体もまだ少なくありません。ここを事前に確認せず予算組みをすると、総会での承認手続きに手戻りが出ます。加えて小金井市には認定制度とは別に「マンション管理状況届出制度」という届出義務の仕組みもあり、この二つを混同されている理事会役員の方にもよくお会いします。この記事では、小金井市ならではの手数料体系と届出制度との関係まで整理しておきます。
認定主体はどこか(小金井市が認定行政庁)
マンション管理計画認定制度は令和4年4月に始まった国の制度で、実際に審査・認定を行う「認定行政庁」(用語補足:認定の申請を受け付け、審査し、認定書を交付する権限を持つ役所のことです)は自治体ごとに異なります。制度の設計上、特別区および市の区域内はその区市自身が認定行政庁となり、町村の区域内は都道府県が担う仕組みです(出典:国土交通省「マンションの管理計画認定制度」)。
小金井市は「市」ですので、小金井市自身が認定行政庁です。窓口は小金井市まちづくり推進課住宅係(電話042-387-9861)が担当しています。私の経験上、この窓口確認を後回しにして東京都のホームページだけを見て手続きを進めようとしてしまう理事会が意外と多いのですが、小金井市の場合は都ではなく市が審査主体である点をまず押さえておく必要があります。
認定17要件(国が定める5分野の基準)
管理計画認定制度の認定基準は、国土交通省が示すガイドラインに沿って全国共通で以下の5分野に整理されています(出典:国土交通省「マンションの管理計画認定制度」)。
- 管理組合の運営:集会(総会)が年1回以上開催されていること、監事が選任されていること
- 管理規約:管理規約が作成されていること(マンション標準管理規約に準拠していることが望ましい)
- 管理組合の経理:管理費と修繕積立金が区分経理されていること、修繕積立金が積立方式で計画的に積み立てられていること
- 長期修繕計画の作成及び見直し等:計画期間が30年以上で、かつ残存期間内に大規模修繕工事が2回以上含まれていること、長期修繕計画の内容が総会で決議されていること
- その他:組合員名簿・居住者名簿が適切に管理されていること、反社会的勢力の排除に関する規定が管理規約にあること
これらのうち、私の肌感覚として小金井市の管理組合が最初につまずくのは「4.長期修繕計画」です(用語補足:長期修繕計画とは、建物の劣化状況をふまえ、いつ・どの部位を・いくらで修繕するかを長期にわたって定めた計画書のことです)。築年数の古いマンションほど、計画期間が30年に届いていなかったり、直近の改定から時間が経っていて実勢価格と乖離していたりするケースが目立ちます。なお、国土交通省は令和9年4月1日から分譲事業者も認定申請できるよう制度を拡充する方針を示しており、今後は新築段階からの認定取得も選択肢に入ってくる見込みです(出典:国土交通省「マンションの管理計画認定制度」)。
独自基準の有無と実務への影響(小金井市の場合)
東京都内では、区や市によって国の基準に上乗せする独自基準を設けているところがあります。防災マニュアルの整備や防災訓練の実施実績、コミュニティ活動の状況などを追加要件にしている自治体です。これに対して小金井市は、私が確認した限り独自の上乗せ基準を設けていません。国が定める基準にそのまま準拠する形です(出典:小金井市「マンションの管理計画認定制度」)。
正直に申し上げると、これは小金井市のマンションにとって「ハードルが低い」という意味ではありません。独自基準がないぶん、国の基準そのものを漏れなく満たしているかどうかがそのまま審査結果に直結します。私はこれを、必ずワンセットで理事会にお伝えするようにしています。「上乗せ基準がないから楽」ではなく、「基準がシンプルな分、書類の精度がそのまま審査に響く」という考え方で準備を進めるべきだということです。
手数料と申請ルート(直接申請 vs マンション管理センター経由)
小金井市での申請には、大きく分けて二つのルートがあります。
ルート①:小金井市への直接申請(紙)
市への手数料は27,200円(複数の長期修繕計画を同時に提出する場合、2件目以降は1件につき15,700円を加算)です。事前確認を経ずに申請することも制度上は可能ですが、要件適合のチェックをすべて管理組合側で行う必要があります。
ルート②:マンション管理センターを経由したオンライン申請(管理計画認定手続支援サービス)
市への手数料は3,900円(複数の場合は1件につき1,700円を加算)と直接申請より安く設定されていますが、これに加えてシステム利用料10,000円(税別、消費税909円)と、マンション管理士による事前確認の審査料が発生します(出典:公益財団法人マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。事前確認審査料は、管理組合が個別にマンション管理士に依頼するパターンでは組合と管理士の間で金額を取り決める形になり、業界団体経由・直接申込みのパターンでは1計画あたり10,000円(税別)が目安です。
私の経験上、市への手数料だけを見るとルート②の方が安く見えますが、システム利用料と事前確認審査料を合計すると総額はルート①とそれほど変わらないこともあります。それでも私がルート②を勧めることが多いのは、マンション管理士による事前確認で書類不備による差し戻しのリスクが下がるからです。
マンション管理状況届出制度との関係にも注意
小金井市には、管理計画認定制度とは別に「マンション管理状況届出制度」という仕組みがあります。これは昭和58年以前に新築された6戸以上の分譲マンションを対象に、管理組合の有無や管理規約の有無、長期修繕計画の有無などを東京都に届け出る義務を課す制度で、令和2年4月1日から運用が始まっています(出典:小金井市「マンション管理状況届出制度について」)。
私はこれを、認定制度と混同されている理事会役員の方に必ずお伝えしています。届出制度は「管理状況を行政に報告する義務」であり、認定制度は「一定水準を満たしていることの証明を受ける任意の手続き」という違いがあります。対象となる築年数のマンションでは、まず届出義務を果たしたうえで、任意である認定取得を検討するという順序で進めるのが実務的です。
認定の3つの経済効果(長寿命化促進税制/フラット35/共用部リフォーム融資)
管理計画認定を受けることで、次の3つの経済的なメリットを受けられる可能性があります。いずれも小金井市固有のものではなく全国共通の制度ですが、認定を取得していることが前提条件になります。
①マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額措置)
長寿命化に資する大規模修繕工事を行った認定マンションについて、工事完了翌年度分の家屋にかかる固定資産税額が3分の1減額されます(1戸あたり100平方メートルに相当する部分まで)。対象となるのは令和5年4月1日から令和9年3月31日までの間に工事が完了したマンションで、同一の家屋につき1回のみの適用です(出典:千葉県船橋市「マンション長寿命化促進税制」、2026年4月1日更新/制度の根拠:国土交通省「マンション長寿命化促進税制」)。
②【フラット35】の金利引下げ
管理計画認定マンションを購入する場合、【フラット35】の借入金利が当初5年間、年0.25%引き下げられます(出典:東京都マンションポータルサイト掲載資料)。区分所有者にとっては資産としての魅力向上にもつながる部分です。
③マンションすまい・る融資(共用部分リフォーム融資)の金利引下げ
管理組合が大規模修繕工事の資金を借り入れる際、住宅金融支援機構の「マンションすまい・る融資」を利用できますが、管理計画認定を受けている場合は融資金利が年0.2%引き下げられます(出典:住宅金融支援機構「マンションすまい・る融資」)。
こうした金利優遇は工事費そのものを直接下げるものではありませんが、資金計画全体で見れば無視できない差になります。私が現場から申し上げたいのは、認定取得による優遇と、工法選定による直接的なコスト削減は両方追いかけてこそ効果が最大化するということです。たとえば10階建て・外周80m・工期3ヶ月程度の建物なら、通常の足場工事で足場費が168万円ほどかかるところ、ロープアクセス工法(無足場工法)に切り替えると59万円程度に収まり、差額はおよそ109万円というのが私どもの実感値です(目安であり、実際の金額は建物の形状・立地・工事範囲により変動します)。工法選定の考え方はロープアクセスドットコムでも技術面から詳しく解説しています。
逆算スケジュール(総会決議→書類準備→認定申請→交付)
小金井市での認定取得までの標準的な流れは、おおむね次のとおりです。
- 長期修繕計画の見直し・総会決議:計画期間30年以上・大規模修繕2回以上を満たすよう改定し、総会で決議
- 管理規約・名簿の整備:管理規約の内容確認、組合員名簿・居住者名簿の最新化
- 申請ルートの選定:直接申請(紙)にするか、マンション管理センター経由(事前確認あり)にするかを理事会で決定
- 事前確認(ルート②を選んだ場合):マンション管理士による審査を受け、適合証の交付を受ける
- 小金井市への申請:まちづくり推進課住宅係へ申請書類一式を提出
- 審査・認定証の交付:認定の有効期間は5年間で、更新には改めて申請が必要
私はこの流れを理事会にご説明する際、必ず「総会決議から逆算して、遅くとも申請の半年前には長期修繕計画の見直しに着手してください」とお伝えしています。計画の改定自体に専門家の関与と一定の期間が必要なため、認定取得を急いでも見直しが間に合わなければ意味がないからです。
まとめ|今週動くこと3点
小金井市のマンション管理計画認定制度は、独自基準こそありませんが、手数料が発生する点、そして管理状況届出制度という別の仕組みが並走している点が実務上のポイントです。今週理事会で動けることとして、次の3点をおすすめします。
- 長期修繕計画が「計画期間30年以上・大規模修繕2回以上」を満たしているか、現行の計画書を確認する
- 管理規約と組合員名簿・居住者名簿が最新の状態に整備されているか棚卸しする
- 直接申請かマンション管理センター経由か、費用と事務負担のバランスを踏まえて申請ルートを理事会で検討する
私はいつも理事長さまに、「制度は使わなければただの紙です。使うと決めた瞬間から逆算スケジュールで動きましょう」とお伝えしています。管理組合の大規模修繕のご相談は管理組合向けの大規模修繕サービスでも承っています。
よくあるご質問
Q. 小金井市の管理計画認定の手数料はいくらですか?
A. 小金井市への直接申請(紙)は27,200円、マンション管理センターを経由したオンライン申請は市への手数料が3,900円です。ただしオンライン申請にはシステム利用料や事前確認審査料が別途かかります(出典:小金井市「マンションの管理計画認定制度」)。
Q. マンション管理センター経由と直接申請、どちらがお得ですか?
A. 市への手数料単体ではセンター経由の方が安いですが、システム利用料・事前確認審査料を合算すると総額はほぼ同水準になることが多いです。書類不備による差し戻しリスクを下げたい場合はセンター経由をおすすめしています。
Q. 小金井市は独自基準がありますか?
A. 私が確認した限り、小金井市は国の基準に上乗せする独自基準を設けていません。国の認定基準にそのまま準拠する形です。
Q. マンション管理状況届出制度と管理計画認定制度は同じものですか?
A. 別の制度です。届出制度は昭和58年以前に建てられた6戸以上のマンションが対象で、管理状況を東京都に報告する義務です。認定制度は任意で、一定水準を満たしていることの証明を受ける手続きです。
Q. 認定の有効期間はどれくらいですか?
A. 認定の有効期間は5年間です。継続して優遇措置を受けるには、期限が来る前に更新の申請が必要です。
Q. 認定を受けると固定資産税はいくら安くなりますか?
A. 長寿命化に資する大規模修繕工事を行った場合、工事完了翌年度分の家屋の固定資産税が3分の1減額されます(1戸あたり100平方メートル相当まで、同一家屋1回のみ)。詳細は資産税を所管する部署にご確認ください。
Q. 大規模修繕でロープアクセス工法を使うと、認定の審査に影響しますか?
A. 影響しません。認定基準は長期修繕計画の内容や管理組合の運営状況を見るものであり、工法そのものは審査対象ではありません。むしろ足場費を抑えられる分、長期修繕計画上の資金計画に無理が出にくくなるという副次的なメリットがあります。
Q. 申請には管理組合の総会決議が必要ですか?
A. 長期修繕計画の改定内容そのものは総会決議を経ておく必要があります。認定申請の手続き自体は理事会決議で進められる場合もありますが、管理規約の定めに従って進めてください。
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営し、これまでに約6,000棟の大規模修繕に携わってきました。ロープアクセス工法における高所作業では、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業で過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年9月27日
本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月27日時点で公表されている小金井市および国土交通省・住宅金融支援機構・公益財団法人マンション管理センターの公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・要件変更があり得ます。実際に申請される前に、必ず小金井市まちづくり推進課住宅係および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。
出典・参考資料
- 小金井市「マンションの管理計画認定制度」(2023年6月13日更新)
- 小金井市「マンション管理状況届出制度について」
- 小金井市「小金井市マンション管理適正化推進計画」(令和4年3月)
- 国土交通省「マンションの管理計画認定制度」
- 国土交通省「マンション長寿命化促進税制」
- 千葉県船橋市「マンション長寿命化促進税制」(2026年4月1日更新)
- 公益財団法人マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」
- 住宅金融支援機構「マンションすまい・る融資(管理組合申込みの場合)」
- 東京都マンションポータルサイト掲載資料「府中市 管理計画認定マンションに対する優遇措置」(フラット35金利引下げの確認用)
大規模修繕そのものの進め方や費用の考え方は大規模修繕の料金の考え方やロープアクセス工法の技術詳細のページでもご紹介しています。工法選びに関するより専門的な情報はロープアクセスドットコムもあわせてご参照ください。明誠のこれまでの施工事例は明誠の施工事例からご覧いただけます。
府中市のマンション管理計画認定制度|手数料無料・独自基準なしでも、アドバイザー派遣は「先に市への助成申請」という順序を本間社長が解説【2026年度版】
結論:府中市で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか
先に結論からお伝えします。府中市でマンション管理計画認定を取得する場合、市への認定申請手数料は無料です。府中市は国が定める基準に上乗せする独自基準も設けていません(出典:府中市「マンションの管理計画認定制度」、2026年3月6日更新)。
私はこれまで府中市内の理事長さまから「手数料が無料なら手続きも簡単なんですよね」というお言葉をいただくことが何度もありました。実際には市への手数料はゼロでも、事前確認の実務費用や、市が独自に用意している専門家派遣の助成申請には順番があり、そこを誤解したまま進めると後で手戻りが発生します。府中市はマンションの適正管理に向けた取組みとして、認定制度のほかに管理状況届出制度やマンションアドバイザー制度利用助成事業なども並行して運用しており、これらをどの順番で使うかが実務上のポイントになります(出典:府中市「マンションの適正管理に向けた取組を支援します」)。この記事では、そうした府中市ならではの実務の流れまで含めて整理しておきます。
認定主体はどこか(府中市が認定行政庁)
マンション管理計画認定制度は令和4年4月に始まった国の制度で、実際に審査・認定を行う「認定行政庁」(用語補足:認定の申請を受け付け、審査し、認定書を交付する権限を持つ役所のことです)は自治体ごとに異なります。国の制度設計では、特別区および市の区域内はその区市自身が認定行政庁となり、町村の区域内は都道府県が担う仕組みになっています。
府中市は特別区でも中核市でもない東京都下の一般市ですが、市として自ら認定行政庁を担っています。担当窓口は都市整備部住宅課支援係で、電話番号は042-335-4458、メールはjutaku01@city.fuchu.tokyo.jpです(出典:府中市「マンションの管理計画認定制度」)。一方で瑞穂町や日の出町、島しょ部といった町村部のマンションについては、東京都が別途審査を行う仕組みになっています(出典:東京都マンションポータルサイト)。私の感覚では「23区か多摩地域か」で窓口が変わると考えている理事長さまが多いのですが、実際は「市か町村か」で分かれる制度だという点を押さえておくと、周辺自治体との比較でも混乱が減ります。認定の有効期間は、認定を受けた日から5年間です(出典:府中市「マンションの管理計画認定制度」)。
認定17要件(総会・修繕計画・修繕積立金・長期修繕計画 等)
国が定める認定基準は、大きく5分野・合計17項目に整理されています(出典:国土交通省 認定基準)。
管理組合の運営に関する2項目では、管理者等と監事が定められていること、総会(区分所有者の集会)が年1回以上開催されていることが求められます。管理規約に関する3項目では、規約そのものが整備されていることに加え、緊急時の専有部分への立入りに関する規定、修繕履歴の保管・情報提供に関する規定が必要です。管理組合の経理に関する3項目では、管理費と修繕積立金を区分経理していること、修繕積立金を他の会計に充当していないこと、滞納額が全体の1割以内に収まっていることなどが確認されます。
もっとも項目数が多いのが長期修繕計画に関する7項目で、標準様式に準拠した長期修繕計画と修繕積立金額が総会で決議されていること、7年以内に作成または見直しがされていること、計画期間が30年以上かつ大規模修繕工事が2回以上含まれていること、一時金徴収を予定していないこと、修繕積立金の平均額が著しく低額でないこと、計画最終年度に借入金残高が残らないこと、その計画に基づく資金計画が適切であることが審査されます。最後にその他の2項目として、組合員名簿・居住者名簿の適切な管理と、都道府県等が定めるマンション管理適正化指針への適合性が確認されます(出典:国土交通省 認定基準)。府中市の場合、この17項目がそのまま認定基準であり、上乗せの独自項目はありません(出典:府中市「マンションの管理計画認定制度」)。
独自基準の有無と実務への影響
府中市は「独自基準なし」の自治体です。都内の一部区では防災訓練やコミュニティ活動などを独自の上乗せ要件として課しているところもありますが、府中市は国の基準どおりに審査を進めています(出典:府中市「マンションの管理計画認定制度」)。
独自基準がないことは、書類準備の負担という点では確かに助かる話です。ただし私が現場でお伝えしたいのは、独自基準がないからといって17要件そのもののハードルが下がるわけではないという点です。特に長期修繕計画に関する7項目は、標準様式への準拠、7年以内の見直し、30年以上・大規模修繕2回以上という条件を同時に満たす必要があり、これは独自基準の有無に関わらず全国共通の高いハードルです。私の経験上、修繕積立金の見直しや長期修繕計画の更新を先送りにしてきた管理組合ほど、この長期修繕計画の要件で足踏みします。
上乗せ基準がないぶん、大規模修繕そのものの費用構造をどれだけ見直せるかが、認定取得のしやすさに直結してきます。実際に私たちが手がけた案件では、9階建て・外周85m程度、工期2.5か月を想定したマンションで、足場を組む従来工法だと概算175万円ほどかかる仮設費が、ロープアクセスドットコムで紹介している無足場工法(ロープアクセス工法。産業用ロープで足場を組まずに外壁へ近づく工法です)を使うと62万円程度に収まり、差額にして113万円ほど圧縮できたケースがありました(建物条件により変動するため目安としてご覧ください)。こうして浮いた分を長期修繕計画の積立不足の穴埋めに回せれば、修繕積立金要件にも近づきやすくなります。
手数料と申請ルート(事前確認必須・電子申請+助成申請の順序に注意)
手数料については冒頭でお伝えした通り、府中市への認定申請手数料は無料です。ただし府中市に書面で直接申請することはできず、必ず(公財)マンション管理センターの「管理計画認定手続支援サービス」というオンラインシステムで事前確認適合証の交付を受けたうえで、市への申請も電子システム上で行う仕組みになっています(変更申請のみ直接提出も可能です)(出典:府中市「マンションの管理計画認定制度」)。
申請の前提として、マンション管理士等による事前確認を受け「事前確認適合証」を取得しておく必要があります。(公財)マンション管理センターに直接依頼する場合、長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)の審査料に加え、支援システム利用料1申請あたり10,000円(税込)が別途必要です(出典:公益財団法人マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。私はいつも理事長さまに「市の手数料はゼロでも、事前確認の実務費用は数万円単位で見ておいてください」とお伝えするようにしています。
申請の流れは、①理事会・総会での決議、②事前確認の依頼先選定と申込、③事前確認の実施、④適合証の取得、⑤電子申請、⑥府中市の審査、⑦認定通知書の交付という順番です(出典:府中市「マンションの管理計画認定制度」)。この流れを理事会で共有しておくと、途中で足踏みする事態を防げます。
なお府中市には、認定申請とは別に「マンションアドバイザー制度利用助成事業」があり、東京都防災・建築まちづくりセンターが実施するマンション管理アドバイザー派遣(AコースやBコースは派遣料全額、築20年以上向けのCコースは派遣料の2分の1)の費用を助成してもらえます。ここで注意すべきは順番です。府中市の案内では、東京都への派遣申込みより前に市への助成金交付申請を済ませておく必要があるとされています(出典:府中市「マンションアドバイザー制度利用助成事業」、2026年4月1日更新)。先に東京都へ申し込んでから市に相談するケースを何度か見てきましたが、その順番では助成が受けられない可能性があるため、必ず住宅課支援係へ先にご相談ください。
認定の3つの経済効果(長寿命化促進税制/フラット35/共用部リフォーム融資)
管理計画認定を取得すると、主に3つの経済的なメリットにつながります。
1つ目は固定資産税の減額です。マンション長寿命化促進税制では、外壁塗装等工事・床防水工事・屋根防水工事の3種すべてを実施し、築後20年以上経過・総戸数10戸以上・専有部分床面積の2分の1以上が住宅用途などの要件を満たしたマンションについて、工事完了年度の翌年度分の固定資産税(建物部分、1戸100平方メートル相当分まで)が減額されます。府中市の減額率は3分の1で、これは東京23区の多くが独自に定める2分の1よりも低い、国の標準的な水準にあたります(出典:府中市「長寿命化に資する大規模修繕工事が行われたマンションに係る固定資産税の減額について」、2025年4月3日更新)。対象となる工事の完了時期は令和5年4月1日から令和9年3月31日までで、工事完了後3か月以内に府中市資産税課への申告が必要です(出典:同ページ)。正直に申し上げると、この「区市によって減額率が違う」という点は見落とされがちなので、大規模修繕の予算組みの段階で一度確認しておくことをお勧めします。
2つ目はフラット35の金利引下げです。管理計画認定マンションを対象とした【フラット35】維持保全型では、借入金利が当初5年間で年0.25%引き下げられます。この制度には予算枠があり、予算金額に達する見込みとなった場合は受付が終了する点に注意が必要です(出典:住宅金融支援機構【フラット35】維持保全型)。3つ目は住宅金融支援機構の共用部分リフォーム融資で、認定マンションが長期修繕計画に基づいて修繕工事を行う際、基準金利から年0.2%の引下げが受けられます。さらに「マンションすまい・る債」の積立要件も満たせば、追加で年0.2%、合計で最大年0.4%の引下げになります(出典:住宅金融支援機構 管理計画認定マンションに対する優遇措置)。金利や税制の数字は年度や制度見直しによって変わり得るため、実際に申請される時点で最新の数値を住宅金融支援機構(jhf.go.jp)や府中市の窓口で確認していただくのが確実です。
先ほどのマンションアドバイザー制度利用助成事業も、長期修繕計画の見直しを外部専門家に相談する費用負担を軽くしてくれる実質的な経済効果のひとつです。認定申請の準備段階でうまく組み合わせることをお勧めします。
逆算スケジュール(総会決議→事前確認→電子申請→交付)
認定取得までの流れは、おおむね次のように逆算して考えるとスムーズです。まず理事会・総会で長期修繕計画と修繕積立金額の見直しを決議します。標準様式に沿った計画になっているか、7年以内の見直しか、30年以上・大規模修繕2回以上を含むかを、この段階で確認しておく必要があります。
長期修繕計画の見直しに専門家の手を借りたい場合は、この段階でマンションアドバイザー制度利用助成事業への交付申請を先に済ませておきます。次に事前確認をどのルートで受けるかを決め、必要書類を整えます。管理士への直接依頼か管理センター経由かで費用感や所要期間が変わるため、複数ルートへの事前相談をお勧めします。事前確認適合証を取得したら支援システムで電子申請を行い、府中市の審査を経て認定通知書が交付されます。事前確認の依頼先選びと助成申請の順番、この2か所で足踏みする管理組合が多いので、まずは住宅課支援係へ一本電話を入れることをお勧めしています。
まとめ+今週動くこと3点
府中市は独自基準がなく、市の手数料も無料という点で、認定取得のハードルが比較的低い自治体だと私は感じています。一方で市に書面で直接申請できるわけではなく、事前確認と電子申請という段階を必ず踏む点、そしてマンションアドバイザー制度利用助成事業は東京都への派遣申込みより先に市への助成申請が必要という順序がある点は、他の自治体の記事だけを読んでいると見落としがちな府中市ならではの特徴です。
今週動けることは3つです。1つ目は長期修繕計画が7年以内に見直され標準様式に沿っているかの点検。2つ目は修繕積立金の水準が著しく低額になっていないか、次回大規模修繕の見積りと照らした確認。3つ目はマンションアドバイザー制度利用助成事業や事前確認の依頼先について、順番を間違えないよう住宅課支援係へ早めに相談することです。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがありますので、遠慮なくお声がけください。
大規模修繕そのものの費用を圧縮したい場合は、ロープアクセスドットコムで公開している無足場工法の技術情報や、明誠の大規模修繕工事の料金の考え方のページもあわせてご覧ください。管理組合さま向けのご相談は管理組合さま向けサービスのご案内から、ロープアクセス工法のご紹介や実際の工事のイメージは明誠の施工事例でもご紹介しています。株式会社明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけており、ロープアクセス工法における高所作業では過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。
よくあるご質問
Q. 府中市への申請手数料は本当に無料ですか?
A. はい、市への認定申請手数料は無料です。ただし事前確認にかかる審査料(マンション管理センター利用時は長期修繕計画1計画あたり10,000円)と、支援システムの利用料1申請あたり10,000円は別途必要になります。
Q. 府中市には独自の上乗せ基準がありますか?
A. ありません。府中市は国が定める基準以外の独自基準を設けておらず、認定基準は17要件のみです。
Q. 市の窓口に直接書面で申請できますか?
A. 新規申請はできません。マンション管理士等による事前確認を受け、事前確認適合証を取得したうえで、(公財)マンション管理センターの支援システムを通じて電子申請する流れになります。なお変更申請のみ直接提出が可能です。
Q. 認定の有効期間はどれくらいですか?
A. 認定を受けた日から5年間です。有効期間満了前に更新申請が必要になりますので、理事会の引き継ぎ事項として記録しておくことをおすすめします。
Q. マンションアドバイザー制度利用助成事業とは何ですか?
A. 東京都のマンション管理アドバイザー派遣を利用する費用を府中市が助成する制度です。AコースとBコースは派遣料全額、Cコースは2分の1が助成されます。東京都への申込みより先に、市への助成金交付申請が必要な点にご注意ください。
Q. 認定を取ると具体的にどんな経済的メリットがありますか?
A. 一定の要件を満たす大規模修繕を行った場合の固定資産税減額(府中市は3分の1)、フラット35維持保全型の金利引下げ、共用部分リフォーム融資の金利引下げの3つが主な効果です。数値は制度改定により変わることがあるため、申請時点の最新情報をご確認ください。
Q. 固定資産税の減額率が23区と違うのはなぜですか?
A. マンション長寿命化促進税制の減額率は市区町村ごとに条例で定められており、東京23区の多くが2分の1を採用しているのに対し、府中市は国の標準的な水準である3分の1を採用しているためです。
Q. 町村部のマンションとは申請窓口が違うのですか?
A. はい。府中市は市として自ら認定行政庁を担いますが、瑞穂町や日の出町など町村部のマンションについては東京都が別途審査を行う仕組みになっています。
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年9月27日
本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月27日時点で公表されている府中市および国土交通省・東京都・住宅金融支援機構の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず府中市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。
出典・参考資料
- 府中市「マンションの管理計画認定制度」(2026年3月6日更新)
- 府中市「マンションの適正管理に向けた取組を支援します」
- 府中市「長寿命化に資する大規模修繕工事が行われたマンションに係る固定資産税の減額について」(2025年4月3日更新)
- 府中市「マンションアドバイザー制度利用助成事業」(2026年4月1日更新)
- 東京都マンションポータルサイト「マンション管理計画認定制度」
- 国土交通省「マンションの管理計画認定制度に係る認定基準」
- 国土交通省「管理計画認定マンションに対する優遇措置」
- 公益財団法人マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」
- 住宅金融支援機構「【フラット35】維持保全型」
調布市のマンション管理計画認定制度|手数料無料・独自基準なしでも電子申請必須という見落としがちな注意点を本間社長が解説【2026年度版】
結論:調布市で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか
先に結論からお伝えします。調布市でマンション管理計画認定を取得する場合、市への認定申請手数料は無料です。そのうえ調布市は、国が定める基準に上乗せする独自基準を設けていません(出典:調布市「マンションの管理計画認定制度」、2023年7月5日更新)。
私はこれまで多摩地域の理事長さまから「うちは調布だから23区より制度が緩いんですか」というご質問を何度もいただいてきました。調布市の答えは「手数料はゼロで独自基準もないが、市の窓口に書面で直接申請できるわけではない」というものです。ここを誤解したまま総会決議の準備を進めると、後になって「電子申請って何を用意すればいいのか」で足踏みしてしまいます。この記事では申請の実際の流れまで含めて整理しておきます。調布市は住宅マスタープランの中でマンション管理の適正化を重点施策のひとつに位置づけており、管理計画認定制度もその一環として運用されています(出典:調布市「マンション管理等」)。
認定主体はどこか(調布市長が認定行政庁)
マンション管理計画認定制度は令和4年4月に始まった国の制度で、実際に審査・認定を行う「認定行政庁」(用語補足:認定の申請を受け付け、審査し、認定書を交付する権限を持つ役所のことです)は自治体ごとに異なります。国の制度設計では、特別区および市の区域内はその区市自身が認定行政庁となり、町村の区域内は都道府県が担う仕組みになっています。
調布市は特別区でも中核市でもない東京都下の一般市ですが、市として認定行政庁を担っています。担当窓口は都市整備部住宅課で、電話番号は042-481-7545、ファクスは042-481-6800です(出典:調布市「マンションの管理計画認定制度」)。一方で東京都は、瑞穂町や日の出町、島しょ部といった町村部のマンションについては、別途「町村に所在するマンションの管理計画認定申請の手引」を用意して都自身が審査しています(出典:東京都マンションポータルサイト)。私の感覚では「23区か多摩地域か」で窓口が変わると誤解している理事長さまが多いのですが、実際は「市か町村か」で分かれる制度だという点を押さえておくと、周辺自治体との比較でも混乱が減ります。認定の有効期間は、認定を受けた日から5年間です(出典:調布市「マンションの管理計画認定制度」)。
認定17要件(総会・修繕計画・修繕積立金・長期修繕計画 等)
国が定める認定基準は、大きく5分野・合計17項目に整理されています(出典:国土交通省 認定基準)。
管理組合の運営に関する2項目では、管理者等と監事が定められていること、総会(区分所有者の集会)が年1回以上開催されていることが求められます。管理規約に関する3項目では、規約そのものが整備されていることに加え、緊急時の専有部分への立入りに関する規定、修繕履歴の保管・情報提供に関する規定が必要です。管理組合の経理に関する3項目では、管理費と修繕積立金を区分経理していること、修繕積立金を他の会計に充当していないこと、滞納額が全体の1割以内に収まっていることなどが確認されます。
もっとも項目数が多いのが長期修繕計画に関する7項目で、標準様式に準拠した長期修繕計画と修繕積立金額が総会で決議されていること、7年以内に作成または見直しがされていること、計画期間が30年以上かつ大規模修繕工事が2回以上含まれていること、一時金徴収を予定していないこと、修繕積立金の平均額が著しく低額でないこと、計画最終年度に借入金残高が残らないこと、その計画に基づく資金計画が適切であることが審査されます。最後にその他の2項目として、組合員名簿・居住者名簿の適切な管理と、都道府県等が定めるマンション管理適正化指針への適合性が確認されます(出典:国土交通省 認定基準)。調布市の場合、この17項目がそのまま認定基準であり、上乗せの独自項目はありません(出典:調布市「マンションの管理計画認定制度」)。
独自基準の有無と実務への影響
調布市は「独自基準なし」の自治体です。渋谷区や世田谷区のように防災訓練やコミュニティ活動を独自要件として課している区がある一方で、調布市は国の基準どおりに審査を進めています(出典:調布市「マンションの管理計画認定制度」)。
独自基準がないことは、書類準備の負担という点では確かに助かる話です。ただし私が現場でお伝えしたいのは、独自基準がないからといって17要件そのもののハードルが下がるわけではないという点です。特に長期修繕計画に関する7項目は、標準様式への準拠、7年以内の見直し、30年以上・大規模修繕2回以上という条件を同時に満たす必要があり、これは独自基準の有無に関わらず全国共通の高いハードルです。私の経験上、修繕積立金の見直しや長期修繕計画の更新を先送りにしてきた管理組合ほど、この長期修繕計画の要件で足踏みします。
上乗せ基準がないぶん、大規模修繕そのものの費用構造をどれだけ見直せるかが、認定取得のしやすさに直結してきます。実際に私たちが手がけた案件では、8階建て・外周90m程度、工期2.5か月を想定したマンションで、足場を組む従来工法だと概算180万円ほどかかる仮設費が、ロープアクセスドットコムで紹介している無足場工法(ロープアクセス工法。産業用ロープを使い、足場を組まずに外壁へ近づく工法です)を使うと65万円程度に収まり、差額にして115万円ほど圧縮できたケースがありました(工事内容・建物条件により変動するため、あくまで目安としてご覧ください)。こうして浮いた分を長期修繕計画の積立不足の穴埋めに回せれば、認定基準の「修繕積立金の平均額が著しく低額でない」という項目にも近づきやすくなります。
手数料と申請ルート(事前確認必須・電子申請のみ)
手数料については冒頭でお伝えした通り、調布市への認定申請手数料は無料です。ただし調布市に書面で直接申請することはできず、必ず(公財)マンション管理センターの「管理計画認定手続支援サービス」というオンラインシステムで事前確認適合証の交付を受けたうえで、市への申請も電子申請で行う仕組みになっています(出典:調布市「マンションの管理計画認定制度」)。
申請の前提として、マンション管理士等による事前確認を受け、「事前確認適合証」を取得しておく必要があります。事前確認の依頼先には、マンション管理士に直接依頼する方法、管理会社や管理士会経由で依頼する方法、(公財)マンション管理センターに直接依頼する方法の複数パターンがあります。マンション管理センターに直接依頼する場合、長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)の事前確認審査料に加えて、支援システムの利用料が1申請あたり10,000円(税込)別途必要です(出典:公益財団法人マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。私はいつも理事長さまに「市の手数料はゼロでも、事前確認の実務費用は数万円単位で見ておいてください」とお伝えするようにしています。
申請の流れは、①理事会・総会での認定申請の決議、②事前確認の依頼先の選定と申込、③事前確認の実施、④事前確認適合証の取得、⑤支援システムでの電子申請、⑥調布市による審査、⑦認定通知書の交付という順番になります(出典:調布市「マンションの管理計画認定制度」)。事前確認から認定通知までの一連の流れをあらかじめ理事会で共有しておくと、途中で「次は誰が何をするのか」で止まってしまう事態を防げます。
認定の3つの経済効果(長寿命化促進税制/フラット35/共用部リフォーム融資)
管理計画認定を取得すると、主に3つの経済的なメリットにつながります。
1つ目は固定資産税の減額です。マンション長寿命化促進税制では、外壁塗装等工事・床防水工事・屋根防水工事のすべてを実施し、築後20年以上経過・総戸数10戸以上・専有部分床面積の2分の1以上が住宅用途などの要件を満たしたマンションについて、工事完了年度の翌年度分の固定資産税(建物部分)が減額されます。調布市の減額率は3分の1で、これは東京23区の多くが独自に定める2分の1よりも低い、国の標準的な水準にあたります(出典:調布市「大規模修繕工事が行われたマンションに対する固定資産税の減額」、2025年4月17日更新)。対象となる工事の完了時期は令和5年4月1日から令和9年3月31日までで、工事完了後3か月以内に調布市市民部資産税課(電話042-481-7208・7209)への申告が必要です(出典:同ページ)。正直に申し上げると、この「区市によって減額率が違う」という点は見落とされがちなので、大規模修繕の予算組みの段階で一度確認しておくことをお勧めします。
2つ目はフラット35の金利引下げです。管理計画認定マンションを対象とした【フラット35】維持保全型では、借入金利が当初5年間で年0.25%引き下げられます。この制度には予算枠があり、予算金額に達する見込みとなった場合は受付が終了する点に注意が必要です(出典:住宅金融支援機構【フラット35】維持保全型)。3つ目は住宅金融支援機構の共用部分リフォーム融資で、認定マンションが長期修繕計画に基づいて修繕工事を行う際、基準金利から年0.2%の引下げが受けられます。さらに「マンションすまい・る債」の積立要件も満たせば、追加で年0.2%、合計で最大年0.4%の引下げになります(出典:住宅金融支援機構 管理計画認定マンションに対する優遇措置)。金利や税制の数字は年度や制度見直しによって変わり得るため、実際に申請される時点で最新の数値を住宅金融支援機構(jhf.go.jp)や調布市の窓口で確認していただくのが確実です。
なお調布市には、認定制度とは別に「分譲マンション管理アドバイザー派遣事業」という無料の専門家派遣制度もあります。1つのマンションにつき3回まで(1回1コース)マンション管理士等の専門家を無料で派遣してもらえる制度で、令和8年度の受付期間は令和8年4月1日から12月28日までですが、予算に限りがあるため締切前に終了する可能性があります(出典:調布市「分譲マンション管理アドバイザー派遣事業」、2026年9月4日更新)。長期修繕計画の見直しや認定申請の準備段階で、この派遣制度を先に使っておくという組み合わせも実務的には有効です。
逆算スケジュール(総会決議→事前確認→電子申請→交付)
認定取得までの流れは、おおむね次のように逆算して考えるとスムーズです。まず理事会・総会で長期修繕計画と修繕積立金額の見直しを決議します。標準様式に沿った計画になっているか、7年以内の見直しか、30年以上・大規模修繕2回以上を含むかを、この段階で確認しておく必要があります。
次に事前確認をどのルートで受けるかを決め、必要書類を整えます。マンション管理士への直接依頼か、マンション管理センター経由かで費用感や所要期間が変わってきますので、複数のルートに事前に相談してみるのも一つの方法です。事前確認適合証を取得したら、支援システムで電子申請を行い、調布市による審査を経て認定通知書が交付されます。私の経験上、事前確認の依頼先を決める段階で足踏みしてしまう管理組合が多いので、まずは市の住宅課かマンション管理センターに一本電話を入れて、進め方の相談から始めることをお勧めしています。
まとめ+今週動くこと3点
調布市は独自基準がなく、市の手数料も無料という点で、認定取得のハードルが比較的低い自治体だと私は感じています。一方で市に書面で直接申請できるわけではなく、事前確認と電子申請という段階を必ず踏む点、そして固定資産税の減額率が23区の多くより低い3分の1である点は、他区の記事だけを読んでいると見落としがちな調布市ならではの特徴です。
今週動けることとして、まず1つ目は長期修繕計画が7年以内に見直されているか、標準様式に沿っているかを点検すること。2つ目は修繕積立金の水準が著しく低額になっていないか、次回の大規模修繕費用の見積りと照らして確認すること。3つ目は分譲マンション管理アドバイザー派遣事業や事前確認の依頼先(マンション管理士・各種協会・マンション管理センター)に、複数の窓口で見積りや相談を打診してみることです。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがありますので、ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。
大規模修繕そのものの費用を圧縮したい場合は、ロープアクセスドットコムで公開している無足場工法の技術情報や、明誠の大規模修繕工事の料金の考え方のページもあわせてご覧ください。管理組合さま向けのご相談は管理組合さま向けサービスのご案内から、ロープアクセス工法のご紹介や実際の工事のイメージは明誠の施工事例でもご紹介しています。株式会社明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけており、ロープアクセス工法における高所作業では過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。
よくあるご質問
Q. 調布市への申請手数料は本当に無料ですか?
A. はい、市への認定申請手数料は無料です。ただし事前確認にかかる審査料(マンション管理センター利用時は長期修繕計画1計画あたり10,000円)と、支援システムの利用料1申請あたり10,000円は別途必要になります。
Q. 調布市には独自の上乗せ基準がありますか?
A. ありません。調布市は国が定める基準以外の独自基準を設けておらず、認定基準は17要件のみです。
Q. 市の窓口に直接書面で申請できますか?
A. できません。マンション管理士等による事前確認を受け、事前確認適合証を取得したうえで、(公財)マンション管理センターの支援システムを通じて電子申請する流れになります。
Q. 認定の有効期間はどれくらいですか?
A. 認定を受けた日から5年間です。有効期間満了前に更新申請が必要になりますので、理事会の引き継ぎ事項として記録しておくことをおすすめします。
Q. 認定を取ると具体的にどんな経済的メリットがありますか?
A. 一定の要件を満たす大規模修繕を行った場合の固定資産税減額(調布市は3分の1)、フラット35維持保全型の金利引下げ、共用部分リフォーム融資の金利引下げの3つが主な効果です。数値は制度改定により変わることがあるため、申請時点の最新情報をご確認ください。
Q. 固定資産税の減額率が23区と違うのはなぜですか?
A. マンション長寿命化促進税制の減額率は市区町村ごとに条例で定められており、東京23区の多くが2分の1を採用しているのに対し、調布市は国の標準的な水準である3分の1を採用しているためです。
Q. 町村部のマンションとは申請窓口が違うのですか?
A. はい。調布市は市として自ら認定行政庁を担いますが、瑞穂町や日の出町など町村部のマンションについては東京都が別途審査を行う仕組みになっています。
Q. 認定申請とは別に使える無料の専門家派遣制度はありますか?
A. あります。「分譲マンション管理アドバイザー派遣事業」では、1つのマンションにつき3回までマンション管理士等の専門家を無料で派遣してもらえます。令和8年度は予算に限りがあるため、早めの申込みをおすすめします。
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年9月26日
本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月26日時点で公表されている調布市および国土交通省・東京都・住宅金融支援機構の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず調布市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。
出典・参考資料
- 調布市「マンションの管理計画認定制度」(2023年7月5日更新)
- 調布市「マンション管理等」
- 調布市「大規模修繕工事が行われたマンションに対する固定資産税の減額」(2025年4月17日更新)
- 調布市「分譲マンション管理アドバイザー派遣事業」(2026年9月4日更新)
- 東京都マンションポータルサイト「マンション管理計画認定制度」
- 国土交通省「マンションの管理計画認定制度に係る認定基準」
- 国土交通省「管理計画認定マンションに対する優遇措置」
- 公益財団法人マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」
- 住宅金融支援機構「【フラット35】維持保全型」
三鷹市のマンション管理計画認定制度|市手数料無料・独自基準なしでも見落としがちな申請ルートを本間社長が解説【2026年度版】
結論:三鷹市で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか
先に結論からお伝えします。三鷹市でマンション管理計画認定を取得する場合、市への認定申請手数料は無料です。そのうえ三鷹市は、国が定める基準に上乗せする独自基準を設けていません(出典:三鷹市「マンション管理計画認定制度」、2026年6月16日更新)。
私はこれまで多摩地域の理事長さまから「うちの市は23区より制度が緩いんですか」というご質問を何度もいただいてきました。三鷹市の答えは「手数料はゼロで独自基準もないが、市に直接申請できるわけではない」というものです。ここを誤解したまま準備を進めると、総会での説明が食い違ってしまいますので、この記事で申請の実際の流れまで含めて整理しておきます。三鷹市は住生活基本計画(住宅マスタープラン)の中でマンション管理の適正化推進を位置づけており、管理計画認定制度もその一環として運用されています(出典:三鷹市住生活基本計画)。
認定主体はどこか(三鷹市長が認定行政庁)
マンション管理計画認定制度は令和4年4月に始まった国の制度で、実際に審査・認定を行う「認定行政庁」(用語補足:認定の申請を受け付け、審査し、認定書を交付する権限を持つ役所のことです)は自治体ごとに異なります。国の制度設計では、特別区および市の区域内はその区市自身が認定行政庁となり、町村の区域内は都道府県が担う仕組みになっています。
三鷹市は特別区でも中核市でもない東京都下の一般市ですが、市として認定行政庁を担っています。担当窓口は都市再生部住宅政策課で、電話番号は0422-29-9704です(出典:三鷹市「マンション管理計画認定制度」)。一方で東京都は、瑞穂町や日の出町、島しょ部といった町村部のマンションについては、別途「町村に所在するマンションの管理計画認定申請の手引」を用意して都自身が審査しています(出典:東京都マンションポータルサイト)。私の感覚では「23区か多摩地域か」で窓口が変わると誤解している理事長さまが多いのですが、実際は「市か町村か」で分かれる制度だという点を押さえておくと、周辺自治体との比較でも混乱が減ります。認定の有効期間は、認定を受けた日から5年間です(出典:三鷹市「マンション管理計画認定制度」)。
認定17要件(総会・修繕計画・修繕積立金・長期修繕計画 等)
国が定める認定基準は、大きく5分野・合計17項目に整理されています(出典:国土交通省 認定基準)。
管理組合の運営に関する2項目では、管理者等と監事が定められていること、総会(区分所有者の集会)が年1回以上開催されていることが求められます。管理規約に関する3項目では、規約そのものが整備されていることに加え、緊急時の専有部分への立入りに関する規定、修繕履歴の保管・情報提供に関する規定が必要です。管理組合の経理に関する3項目では、管理費と修繕積立金を区分経理していること、修繕積立金を他の会計に充当していないこと、滞納額が全体の1割以内に収まっていることなどが確認されます。
もっとも項目数が多いのが長期修繕計画に関する7項目で、標準様式に準拠した長期修繕計画と修繕積立金額が総会で決議されていること、7年以内に作成または見直しがされていること、計画期間が30年以上かつ大規模修繕工事が2回以上含まれていること、一時金徴収を予定していないこと、修繕積立金の平均額が著しく低額でないこと、計画最終年度に借入金残高が残らないこと、その計画に基づく資金計画が適切であることが審査されます。最後にその他の2項目として、組合員名簿・居住者名簿の適切な管理と、都道府県等が定めるマンション管理適正化指針への適合性が確認されます(出典:国土交通省 認定基準)。三鷹市の場合、この17項目がそのまま認定基準であり、上乗せの独自項目はありません(出典:三鷹市「マンション管理計画認定制度」)。
独自基準の有無と実務への影響
三鷹市は「独自基準なし」の自治体です。渋谷区や世田谷区のように防災訓練やコミュニティ活動を独自要件として課している区がある一方で、三鷹市は国の基準どおりに審査を進めています(出典:三鷹市「マンション管理計画認定制度」)。
独自基準がないことは、書類準備の負担という点では確かに助かる話です。ただし私が現場でお伝えしたいのは、独自基準がないからといって17要件そのもののハードルが下がるわけではないという点です。特に長期修繕計画に関する7項目は、標準様式への準拠、7年以内の見直し、30年以上・大規模修繕2回以上という条件を同時に満たす必要があり、これは独自基準の有無に関わらず全国共通の高いハードルです。私の経験上、修繕積立金の見直しや長期修繕計画の更新を先送りにしてきた管理組合ほど、この長期修繕計画の要件で足踏みします。
上乗せ基準がないぶん、大規模修繕そのものの費用構造を見直す余力をどれだけ作れるかが、認定取得のしやすさに直結してきます。実際に私たちが手がけた案件では、7階建て・外周75m程度、工期2.5か月を想定したマンションで、足場を組む従来工法だと概算150万円ほどかかる仮設費が、ロープアクセスドットコムで紹介している無足場工法(ロープアクセス工法。産業用ロープを使い、足場を組まずに外壁へ近づく工法です)を使うと55万円程度に収まり、差額にして95万円ほど圧縮できたケースがありました(工事内容・建物条件により変動するため、あくまで目安としてご覧ください)。こうして浮いた分を長期修繕計画の積立不足の穴埋めに回せれば、認定基準の「修繕積立金の平均額が著しく低額でない」という項目にも近づきやすくなります。
手数料と申請ルート(事前確認必須・オンライン申請のみ)
手数料については冒頭でお伝えした通り、三鷹市への認定申請手数料は無料です。ただし三鷹市に書面で直接申請することはできず、必ず(公財)マンション管理センターの「管理計画認定手続支援サービス」というオンラインシステムを経由して申請する仕組みになっています(出典:三鷹市「マンション管理計画認定制度」)。
申請の前提として、マンション管理士等による事前確認を受け、「事前確認適合証」を取得しておく必要があります。事前確認の依頼先には、マンション管理士に直接依頼する方法、管理会社や管理士会経由で依頼する方法、(公財)マンション管理センターに直接依頼する方法の複数パターンがあります。マンション管理センターに直接依頼する場合、長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)の事前確認審査料に加えて、支援システムの利用料が1申請あたり10,000円(税込)別途必要です(出典:公益財団法人マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。私はいつも理事長さまに「市の手数料はゼロでも、事前確認の実務費用は数万円単位で見ておいてください」とお伝えするようにしています。
申請の流れは、①理事会・総会での認定申請の決議、②事前確認の依頼先の選定と申込、③事前確認の実施、④事前確認適合証の取得、⑤支援システムでのオンライン申請、⑥三鷹市による審査、⑦認定通知書の交付という順番になります(出典:三鷹市「マンション管理計画認定制度」)。事前確認から認定通知までの一連の流れをあらかじめ理事会で共有しておくと、途中で「次は誰が何をするのか」で止まってしまう事態を防げます。
認定の3つの経済効果(長寿命化促進税制/フラット35/共用部リフォーム融資)
管理計画認定を取得すると、主に3つの経済的なメリットにつながります。
1つ目は固定資産税の減額です。マンション長寿命化促進税制では、外壁塗装等工事・床防水工事・屋根防水工事を実施し、築20年以上・総戸数10戸以上などの要件を満たしたマンションについて、工事完了年度の翌年度分の固定資産税(建物部分、1戸当たり床面積100平方メートル相当分まで)が減額されます。三鷹市の減額率は3分の1で、これは東京23区の多くが独自に定める2分の1よりも低い、国の標準的な水準にあたります(出典:三鷹市「大規模修繕等が行われたマンションに対する固定資産税の減額制度」、2025年6月4日更新)。対象となる工事の完了時期は令和5年4月1日から令和9年3月31日までで、工事完了後3か月以内に三鷹市役所2階24番の市税総合窓口(資産税課家屋係)への申告が必要です(出典:同ページ)。正直に申し上げると、この「区市によって減額率が違う」という点は見落とされがちなので、大規模修繕の予算組みの段階で一度確認しておくことをお勧めします。
2つ目はフラット35の金利引下げです。管理計画認定マンションを対象とした【フラット35】維持保全型では、借入金利が当初5年間で年0.25%引き下げられます。この制度には予算枠があり、予算金額に達する見込みとなった場合は受付が終了する点に注意が必要です(出典:住宅金融支援機構【フラット35】維持保全型)。3つ目は住宅金融支援機構の共用部分リフォーム融資で、認定マンションが長期修繕計画に基づいて修繕工事を行う際、基準金利から年0.2%の引下げが受けられます。さらに「マンションすまい・る債」の積立要件も満たせば、追加で年0.2%、合計で最大年0.4%の引下げになります(出典:住宅金融支援機構 管理計画認定マンションに対する優遇措置)。金利や税制の数字は年度や制度見直しによって変わり得るため、実際に申請される時点で最新の数値を住宅金融支援機構(jhf.go.jp)や三鷹市の窓口で確認していただくのが確実です。
逆算スケジュール(総会決議→事前確認→認定申請→交付)
認定取得までの流れは、おおむね次のように逆算して考えるとスムーズです。まず理事会・総会で長期修繕計画と修繕積立金額の見直しを決議します。標準様式に沿った計画になっているか、7年以内の見直しか、30年以上・大規模修繕2回以上を含むかを、この段階で確認しておく必要があります。
次に事前確認をどのルートで受けるかを決め、必要書類を整えます。マンション管理士への直接依頼か、マンション管理センター経由かで費用感や所要期間が変わってきますので、複数のルートに事前に相談してみるのも一つの方法です。事前確認適合証を取得したら、支援システムでオンライン申請を行い、三鷹市による審査を経て認定通知書が交付されます。私の経験上、事前確認の依頼先を決める段階で足踏みしてしまう管理組合が多いので、まずは市の住宅政策課かマンション管理センターに一本電話を入れて、進め方の相談から始めることをお勧めしています。
まとめ+今週動くこと3点
三鷹市は独自基準がなく、市の手数料も無料という点で、認定取得のハードルが比較的低い自治体だと私は感じています。一方で市に直接申請できるわけではなく、事前確認という一段階が必ず挟まる点、そして固定資産税の減額率が23区の多くより低い3分の1である点は、他区の記事だけを読んでいると見落としがちな三鷹市ならではの特徴です。
今週動けることとして、まず1つ目は長期修繕計画が7年以内に見直されているか、標準様式に沿っているかを点検すること。2つ目は修繕積立金の水準が著しく低額になっていないか、次回の大規模修繕費用の見積りと照らして確認すること。3つ目は事前確認をどのルート(マンション管理士・各種協会・マンション管理センター)に依頼するか、複数の窓口に見積りや相談を打診してみることです。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがありますので、ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。
大規模修繕そのものの費用を圧縮したい場合は、ロープアクセスドットコムで公開している無足場工法の技術情報や、明誠の大規模修繕工事の料金の考え方のページもあわせてご覧ください。管理組合さま向けのご相談は管理組合さま向けサービスのご案内から、ロープアクセス工法のご紹介や実際の工事のイメージは明誠の施工事例でもご紹介しています。株式会社明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけており、ロープアクセス工法における高所作業では過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。
よくあるご質問
Q. 三鷹市への申請手数料は本当に無料ですか?
A. はい、市への認定申請手数料は無料です。ただし事前確認にかかる審査料(マンション管理センター利用時は長期修繕計画1計画あたり10,000円)と、支援システムの利用料1申請あたり10,000円は別途必要になります。
Q. 三鷹市には独自の上乗せ基準がありますか?
A. ありません。三鷹市は国が定める基準以外の独自基準を設けておらず、認定基準は17要件のみです。
Q. 市の窓口に直接書面で申請できますか?
A. できません。マンション管理士等による事前確認を受け、事前確認適合証を取得したうえで、(公財)マンション管理センターの支援システムを通じてオンライン申請する流れになります。
Q. 認定の有効期間はどれくらいですか?
A. 認定を受けた日から5年間です。有効期間満了前に更新申請が必要になりますので、理事会の引き継ぎ事項として記録しておくことをおすすめします。
Q. 認定を取ると具体的にどんな経済的メリットがありますか?
A. 一定の要件を満たす大規模修繕を行った場合の固定資産税減額(三鷹市は3分の1)、フラット35維持保全型の金利引下げ、共用部分リフォーム融資の金利引下げの3つが主な効果です。数値は制度改定により変わることがあるため、申請時点の最新情報をご確認ください。
Q. 固定資産税の減額率が23区と違うのはなぜですか?
A. マンション長寿命化促進税制の減額率は市区町村ごとに条例で定められており、東京23区の多くが2分の1を採用しているのに対し、三鷹市は国の標準的な水準である3分の1を採用しているためです。
Q. 町村部のマンションとは申請窓口が違うのですか?
A. はい。三鷹市は市として自ら認定行政庁を担いますが、瑞穂町や日の出町など町村部のマンションについては東京都が別途審査を行う仕組みになっています。
Q. 事前確認にはどのくらい費用がかかりますか?
A. マンション管理センターに依頼する場合、長期修繕計画1計画あたり10,000円の審査料と、支援システム利用料1申請あたり10,000円がかかります。マンション管理士へ直接依頼する場合は依頼先ごとに費用が異なりますので、事前に見積りを取ることをおすすめします。
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年9月26日
本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月26日時点で公表されている三鷹市、東京都、国土交通省の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・要件変更があり得ます。実際に申請される前に、必ず三鷹市都市再生部住宅政策課へ最新の内容をご確認ください。
出典・参考資料
- 三鷹市「マンション管理計画認定制度」(2026年6月16日更新)
- 三鷹市「大規模修繕等が行われたマンションに対する固定資産税の減額制度」(2025年6月4日更新)
- 国土交通省「マンション管理計画認定制度 認定基準」
- 国土交通省「マンション管理計画認定制度」
- 国土交通省「マンション長寿命化促進税制(固定資産税の特例措置)」
- 東京都マンションポータルサイト「マンション管理計画認定制度」
- 公益財団法人マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」
- 住宅金融支援機構【フラット35】「維持保全型」
- 住宅金融支援機構「管理計画認定マンションに対する優遇措置」
武蔵野市のマンション管理計画認定制度|独自基準なし・手数料無料でも見落としがちな注意点を本間社長が解説【2026年度版】
結論:武蔵野市で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか
先に結論からお伝えします。武蔵野市でマンション管理計画認定を取得する場合、市への認定申請手数料は無料です。加えて武蔵野市は、国が定める基準に上乗せする独自基準を設けていません(出典:武蔵野市「マンション管理計画認定制度」、2026年8月14日更新)。
私はこれまで多くの理事長さまから「うちの区市は独自ルールがあるんですか」というご質問をいただいてきました。武蔵野市の答えは明快で、国の基準どおりに準備を進めれば良く、上乗せの心配は要りません。ただしこれは「何もしなくていい」という意味ではなく、市への直接申請ができるわけではない点は誤解が多いところですので、後ほど詳しくお伝えします。武蔵野市の制度は令和5年9月から運用が始まっています(出典:武蔵野市「マンション管理計画認定申請の手引」)。
認定主体はどこか(武蔵野市が認定行政庁)
マンション管理計画認定制度は令和4年4月に始まった国の制度で、実際に審査・認定を行う「認定行政庁」(用語補足:認定の申請を受け付け、審査し、認定書を交付する権限を持つ役所のこと)は自治体ごとに異なります。国の枠組みでは、特別区および市の区域内はその区市自身が認定行政庁となり、町村の区域内は都道府県が担う仕組みです。
武蔵野市は特別区でも中核市でもない、東京都下の一般市ですが、市として認定行政庁を担っています。窓口は都市整備部住宅対策課耐震助成等担当です(出典:同ページ)。一方で東京都は、瑞穂町や日の出町、島しょ部といった町村部のマンションを対象に、別立てで申請の手引を用意しています(出典:東京都マンションポータルサイト「町村に所在するマンションの管理計画認定申請の手引」)。つまり「23区か多摩地域か」ではなく、「市か町村か」で窓口が分かれる制度だという理解が、実は一番誤解されやすいポイントだと私は感じています。認定の有効期間は認定を受けた日から5年間です(出典:武蔵野市「マンション管理計画認定申請の手引」)。
認定17要件(総会・修繕計画・修繕積立金・長期修繕計画 等)
国が定める認定基準は、大きく5分野・合計17項目に整理されています(出典:国土交通省 認定基準)。
管理組合の運営に関する2項目では、管理者等と監事が定められていること、総会(区分所有者の集会)が年1回以上開催されていることが求められます。管理規約に関する3項目では、規約そのものが整備されていることに加え、緊急時の専有部分への立入りに関する規定、修繕履歴の保管・情報提供に関する規定が必要です。管理組合の経理に関する3項目では、管理費と修繕積立金を区分経理していること、修繕積立金を他の会計に充当していないこと、滞納額が全体の1割以内に収まっていることなどが確認されます。
もっとも項目数が多いのが長期修繕計画に関する7項目で、標準様式に準拠した長期修繕計画と修繕積立金額が総会で決議されていること、7年以内に作成または見直しがされていること、計画期間が30年以上かつ大規模修繕工事が2回以上含まれていること、一時金徴収を予定していないこと、修繕積立金の平均額が著しく低額でないこと、計画最終年度に借入金残高が残らないこと、その計画に基づく資金計画が適切であることが審査されます。最後にその他の2項目として、組合員名簿・居住者名簿の適切な管理と、都道府県等が定めるマンション管理適正化指針への適合性が確認されます(出典:国土交通省 認定基準)。武蔵野市の場合、この17項目がそのまま認定基準となっており、独自の追加項目はありません(出典:武蔵野市「マンション管理計画認定申請の手引」)。
独自基準の有無と実務への影響
武蔵野市は「独自基準なし」の自治体にあたります。渋谷区や世田谷区のように防災訓練やコミュニティ活動を独自要件として課す区がある一方、武蔵野市は「基本方針で掲げる基準以外の独自基準は設けていません」と明記しています(出典:武蔵野市「マンション管理計画認定申請の手引」)。
独自基準がないことは、書類準備の負担という点では確かにありがたい話です。ただし私が現場で申し上げたいのは、独自基準がないからといって、17要件そのもののハードルが下がるわけではないという点です。特に長期修繕計画に関する7項目は、標準様式への準拠、7年以内の見直し、30年以上・大規模修繕2回以上という条件を同時に満たす必要があり、これは全国どの自治体でも共通の高いハードルです。私の経験上、修繕積立金の水準や計画期間の見直しを先送りにしてきた管理組合ほど、この長期修繕計画の要件でつまずきます。
上乗せ基準がないぶん、大規模修繕そのものの費用構造を見直す余力を作れるかどうかが、認定取得のしやすさに直結してきます。実際に私たちが手がけた案件では、9階建て・外周90m程度のマンションで、足場を組む従来工法だと概算195万円ほどかかる仮設費が、ロープアクセスドットコムで紹介している無足場工法(ロープアクセス工法。産業用ロープを使い、足場を組まずに外壁に近づく工法です)を使うと70万円程度に収まり、差額にして125万円ほど圧縮できたケースがありました(工事内容・建物条件により変動するため、あくまで目安としてご覧ください)。こうして浮いた分を長期修繕計画の積立不足の穴埋めに回せれば、認定基準の「修繕積立金の平均額が著しく低額でない」という項目にも近づきやすくなります。
手数料と申請ルート(事前確認必須・マンション管理センター経由)
手数料については冒頭でお伝えした通り、武蔵野市への認定申請手数料は無料です。ただし武蔵野市に直接申請することはできず、必ず事前確認を受けたうえで、支援システムを通じて申請する流れになります(出典:武蔵野市「マンション管理計画認定申請の手引」)。
事前確認のルートは4パターンあります。マンション管理士に直接依頼する方法、マンション管理業協会の評価制度を利用する方法、日本マンション管理士会連合会の診断を利用する方法、そして(公財)マンション管理センターに依頼する方法です。マンション管理センターに依頼する場合、長期修繕計画1計画あたり10,000円の審査料がかかるほか、支援システムの利用料が1申請あたり10,000円(税込)別途必要です(出典:武蔵野市「マンション管理計画認定申請の手引」、公益財団法人マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。私はいつも理事長さまに「市の手数料はゼロでも、事前確認の実務費用は数万円単位で見ておいてください」とお伝えするようにしています。
申請の流れは、①理事会・総会での認定申請の決議、②事前確認申請、③事前確認、④事前確認適合通知の取得、⑤支援システムでの認定申請、⑥市による審査、⑦認定通知書の交付という順番です(出典:武蔵野市「マンション管理計画認定申請の手引」)。事前確認から認定通知までの一連の流れをあらかじめ理事会で共有しておくと、途中で「次は誰が何をするのか」で止まってしまうことを防げます。
認定の3つの経済効果(長寿命化促進税制/フラット35/共用部リフォーム融資)
管理計画認定を取得すると、主に3つの経済的なメリットにつながります。
1つ目は固定資産税の減額です。マンション長寿命化促進税制では、外壁塗装等工事・床防水工事・屋根防水工事の3工事を一体として実施し、築20年以上・総戸数10戸以上などの要件を満たしたマンションについて、工事完了年度の翌年度分の固定資産税(1戸当たり床面積100平方メートル相当分まで)が減額されます。武蔵野市の減額率は3分の1で、これは東京23区の多くが独自に定める2分の1よりも低い、国の標準的な水準にあたります(出典:武蔵野市「マンション長寿命化促進税制」、2026年2月2日更新)。対象となる工事の完了時期は令和5年4月1日から令和9年3月31日までで、工事完了後3か月以内に資産税課への申告が必要です(出典:同ページ)。正直に申し上げると、この「区市によって減額率が違う」という点は見落とされがちなので、大規模修繕の予算組みの段階で一度確認しておくことをお勧めします。
2つ目はフラット35の金利引下げです。認定マンションを購入する場合、借入金利が当初5年間で年0.25%引き下げられる制度が用意されています。3つ目は住宅金融支援機構の共用部分リフォーム融資で、認定マンションが計画に基づいて修繕工事を行う際、基準金利から年0.2%程度の引下げが受けられます(出典:住宅金融支援機構関連資料)。金利や税制の数字は年度や制度見直しによって変わり得るため、実際に申請される時点で最新の数値を住宅金融支援機構(jhf.go.jp)や武蔵野市の窓口で確認していただくのが確実です。
逆算スケジュール(総会決議→事前確認→認定申請→交付)
認定取得までの流れは、おおむね次のように逆算して考えるとスムーズです。まず理事会・総会で長期修繕計画と修繕積立金額の見直しを決議します。標準様式に沿った計画になっているか、7年以内の見直しか、30年以上・大規模修繕2回以上を含むかを、この段階で確認しておく必要があります。
次に事前確認をどのルートで受けるかを決め、必要書類を整えます。マンション管理士への直接依頼か、マンション管理センター経由かで費用感が変わってきますので、複数のルートに事前に相談してみるのも一つの方法です。事前確認適合証を取得したら、支援システムでオンライン申請を行い、武蔵野市による審査を経て認定通知書が交付されます。私の経験上、事前確認の依頼先を決めるところで足踏みしてしまう管理組合が多いので、まずは市の窓口かマンション管理センターに一本電話を入れて、進め方の相談から始めることをお勧めしています。
まとめ+今週動くこと3点
武蔵野市は独自基準がなく、市の手数料も無料という点で、認定取得のハードルが比較的低い自治体だと私は感じています。一方で市に直接申請できるわけではなく、事前確認という一段階が必ず挟まる点、そして固定資産税の減額率が23区の多くより低い3分の1である点は、他区の記事だけを読んでいると見落としがちな武蔵野市ならではの特徴です。
今週動けることとして、まず1つ目は長期修繕計画が7年以内に見直されているか、標準様式に沿っているかを点検すること。2つ目は修繕積立金の水準が著しく低額になっていないか、次回の大規模修繕費用の見積りと照らして確認すること。3つ目は事前確認をどのルート(マンション管理士・各種協会・マンション管理センター)に依頼するか、複数の窓口に見積りや相談を打診してみることです。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがありますので、ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。
大規模修繕そのものの費用を圧縮したい場合は、ロープアクセスドットコムで公開している無足場工法の技術情報や、明誠の大規模修繕工事の料金の考え方のページもあわせてご覧ください。管理組合さま向けのご相談は管理組合さま向けサービスのご案内から、ロープアクセス工法のご紹介や実際の工事のイメージは明誠の施工事例でもご紹介しています。株式会社明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけており、ロープアクセス工法における高所作業では過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。
よくあるご質問
Q. 武蔵野市への申請手数料は本当に無料ですか?
A. はい、市への認定申請手数料は無料です。ただし事前確認にかかる審査料(マンション管理センター利用時は長期修繕計画1計画あたり10,000円)と、支援システムの利用料1申請あたり10,000円は別途必要になります。
Q. 武蔵野市には独自の上乗せ基準がありますか?
A. ありません。武蔵野市は国が定める基本方針の基準以外の独自基準を設けておらず、認定基準は17要件のみです。
Q. 市の窓口に直接申請できますか?
A. できません。マンション管理士や各種協会、マンション管理センターなどによる事前確認を受け、事前確認適合証を取得したうえで、支援システムを通じて申請する流れになります。
Q. 認定の有効期間はどれくらいですか?
A. 5年間です。有効期間満了前に更新申請が必要になりますので、理事会の引き継ぎ事項として記録しておくことをおすすめします。
Q. 認定を取ると具体的にどんな経済的メリットがありますか?
A. 一定の要件を満たす大規模修繕を行った場合の固定資産税減額(武蔵野市は3分の1)、フラット35購入時の金利引下げ、共用部分リフォーム融資の金利引下げの3つが主な効果です。数値は制度改定により変わることがあるため、申請時点の最新情報をご確認ください。
Q. 固定資産税の減額率が23区と違うのはなぜですか?
A. マンション長寿命化促進税制の減額率は市区町村ごとに条例で定められており、東京23区の多くが2分の1を採用しているのに対し、武蔵野市は国の標準的な水準である3分の1を採用しているためです。
Q. 新築予定のマンションでも認定を受けられますか?
A. 新築予定マンションについては、区市ではなく(公財)マンション管理センターが「予備認定」の認定主体となる制度が用意されています。詳細はマンション管理センターにご確認ください。
Q. 事前確認にはどのくらい費用がかかりますか?
A. マンション管理センターに依頼する場合、長期修繕計画1計画あたり10,000円の審査料と、支援システム利用料1申請あたり10,000円がかかります。マンション管理士へ直接依頼する場合は依頼先ごとに費用が異なりますので、事前に見積りを取ることをおすすめします。
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年9月25日
本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月25日時点で公表されている武蔵野市、東京都、国土交通省の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・要件変更があり得ます。実際に申請される前に、必ず武蔵野市都市整備部住宅対策課耐震助成等担当へ最新の内容をご確認ください。
出典・参考資料
- 武蔵野市「マンション管理計画認定制度」(2026年8月14日更新)
- 武蔵野市「マンション管理計画認定申請の手引」(令和5年9月)
- 武蔵野市「マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額制度)」(2026年2月2日更新)
- 国土交通省「マンション管理計画認定制度 認定基準」
- 国土交通省「マンション管理計画認定制度」
- 国土交通省「マンション長寿命化促進税制(固定資産税の特例措置)」
- 東京都マンションポータルサイト「マンション管理計画認定制度」
- 公益財団法人マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」
- 住宅金融支援機構(jhf.go.jp)
江戸川区のマンション管理計画認定制度|築年数で変わる独自基準を本間社長が解説【2026年度版】
結論:江戸川区で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか
先に結論からお伝えします。江戸川区でマンション管理計画認定を取得する場合、区への認定申請手数料は無料です。ただし(公財)マンション管理センターが運営する「管理計画認定手続支援サービス」を使って事前確認を受ける必要があり、そのシステム利用料として1申請あたり10,000円がかかります(出典:江戸川区「マンション管理計画認定制度」、2025年4月1日更新)。
私はこれまで多くの理事長さまから「認定を取ると結局いくらかかるんですか」というご質問をいただいてきました。江戸川区の場合、区役所に払うお金は0円ですが、事前確認の依頼先に払うシステム利用料と審査料で数万円程度は見ておく必要があるというのが正直なお答えです。江戸川区は令和5年8月15日から認定制度の運用を開始しており(出典:江戸川区「マンションの管理の適正化の推進に関する法律の改正について」通信、2024年12月発行)、23区の中では比較的早い時期から動き出した区の一つです。加えて江戸川区には、建築時期に応じた独自の届出要件があり、この点は他区の記事を読んで安心していると見落としがちなポイントですので、後ほど詳しくお伝えします。
認定主体はどこか(江戸川区が認定行政庁)
マンション管理計画認定制度は令和4年4月に始まった国の制度で、実際に審査・認定を行う「認定行政庁」(用語補足:認定の申請を受け付け、審査し、認定書を交付する権限を持つ役所のこと)は自治体ごとに異なります。特別区・中核市・施行時特例市はその区市自身が認定行政庁となり、それ以外の市町村(東京都では島しょ部など)は都道府県が担う仕組みです。
江戸川区は特別区にあたるため、江戸川区長が認定行政庁です。窓口は都市開発部建築指導課耐震化促進係が担当しています(出典:江戸川区「マンション管理計画認定制度」)。なお新築予定のマンションについては、区ではなく(公財)マンション管理センターが「予備認定」の認定主体となる点は他区にはあまり見られない特徴です。認定の有効期間は5年間で、更新時は従前の認定の有効期間満了日の翌日から起算して5年間となります(出典:同ページ)。私は現場で「一度取れば一生モノ」と誤解されている理事さんに何度もお会いしてきましたが、5年ごとに更新が必要な制度だという点は、初回のご説明で必ずお伝えするようにしています。
認定17要件(総会・修繕計画・修繕積立金・長期修繕計画 等)
国が定める認定基準は、大きく5分野・合計17項目に整理されています(出典:国土交通省 認定基準)。
管理組合の運営に関する2項目では、管理者等と監事が定められていること、総会(区分所有者の集会)が年1回以上開催されていることが求められます。管理規約に関する3項目では、規約そのものが整備されていることに加え、緊急時の専有部分への立入りに関する規定、修繕履歴の保管・情報提供に関する規定が必要です。管理組合の経理に関する3項目では、管理費と修繕積立金を区分経理していること、修繕積立金を他の会計に充当していないこと、滞納額が全体の1割以内に収まっていることなどが確認されます。
もっとも項目数が多いのが長期修繕計画に関する7項目で、標準様式に準拠した長期修繕計画と修繕積立金額が総会で決議されていること、7年以内に作成または見直しがされていること、計画期間が30年以上かつ大規模修繕工事が2回以上含まれていること、一時金徴収を予定していないこと、修繕積立金の平均額が著しく低額でないこと、計画最終年度に借入金残高が残らないこと、その計画に基づく資金計画が適切であることが審査されます。最後にその他の2項目として、組合員名簿・居住者名簿の適切な管理と、都道府県等が定めるマンション管理適正化指針への適合性が確認されます(出典:国土交通省 認定基準)。江戸川区の場合、この最後の項目は東京都が定める適正化指針への適合という形で審査に組み込まれています。
独自基準の有無と実務への影響
ここが自治体ごとに差が出やすいポイントで、江戸川区は「独自基準あり」の区にあたります。渋谷区や世田谷区のように防災訓練やコミュニティ活動を独自要件として課す区がある一方、江戸川区の独自基準は建築時期に応じた行政への届出状況に着目したものです。区の資料によると、江戸川区では次の2点が独自基準として定められています。1つ目は昭和58年以前に建築されたマンションについて「マンションの管理状況届出書」を区に提出していること、2つ目は平成17年以降に建築されたマンションについて「管理組合等設立届」を区に提出していることです(出典:江戸川区「マンションの管理の適正化の推進に関する法律の改正について」通信、2024年12月発行)。
実務上のありがたい点として、江戸川区のページでは「区の独自基準に関して書類の提出は不要です。ただし、独自基準を満たしている確認が取れない場合は、別途書類の提出を求めることがあります」と案内されています(出典:江戸川区「マンション管理計画認定制度」)。つまり過去にきちんと届出を済ませているマンションであれば、認定申請の段階で追加の証明書類を用意する必要は基本的にありません。私が現場で見てきた限り、築40年を超えるような古いマンションほど、この管理状況届出書の存在自体を歴代の理事が把握していないケースが目立ちます。認定申請を検討し始めたタイミングで、まず区に「うちのマンションの届出状況はどうなっていますか」と一本電話を入れておくことを、私はいつも理事長さまにお勧めしています。
上乗せ基準の有無にかかわらず、修繕積立金の水準や長期修繕計画の中身が甘くて良いわけではありません。私が現場で一番悔しい思いをするのは、修繕積立金が「著しく低額」と判定されるほど乏しいまま大規模修繕の時期を迎えてしまった管理組合を見るときです。工事費そのものを圧縮できれば、同じ積立金額でも計画の実現性は上がります。実際に私たちが手がけた案件では、12階建て・外周100m程度の建物で、足場を組む従来工法だと概算180万円ほどかかる仮設費が、ロープアクセスドットコムで紹介している無足場工法(ロープアクセス工法。産業用ロープを使い、足場を組まずに外壁に近づく工法です)を使うと65万円程度に収まり、差額にして115万円ほど圧縮できたケースがありました(工事内容・建物条件により変動するため、あくまで目安としてご覧ください)。こうしたコスト最適化の積み重ねが、長期修繕計画の実現性、ひいては認定取得のしやすさにもつながっていきます。
手数料と申請ルート(事前確認あり・マンション管理センター経由)
手数料については冒頭でお伝えした通り、江戸川区への認定申請手数料は無料です。ただし新規申請では、区の窓口へ直接持ち込むのではなく、必ず(公財)マンション管理センターの「管理計画認定手続支援サービス」を経由して事前確認を受け、区に申請するという流れになります(出典:江戸川区「マンション管理計画認定制度」)。事前確認のシステム利用料は1申請あたり10,000円で、これとは別に事前確認を依頼する先(マンション管理業協会、マンション管理士会連合会、マンション管理センター、講習を受けたマンション管理士など複数のルートがあります)に支払う審査料が発生します。審査料の額は依頼先ごとに異なりますが、目安として1万円台からとお考えいただくとよいでしょう(出典:公益財団法人マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。私はいつも理事長さまに「区の手数料は無料でも、事前確認の実務費用はかかります」とお伝えするようにしています。
なお、軽微な変更にとどまる変更認定については、事前確認を経ずに区の耐震化促進係へ直接申請できる扱いになっています。認定申請には、そもそも管理組合の集会(総会)で管理計画について決議していることが前提になりますので、この点は総会シーズンの議案として早めに組み込んでおくことをおすすめします。
認定の3つの経済効果(長寿命化促進税制/フラット35/共用部リフォーム融資)
管理計画認定を取得すると、主に3つの経済的なメリットにつながります。
1つ目は固定資産税の減額です。マンション長寿命化促進税制では、外壁塗装等工事・床防水工事・屋根防水工事の3工事すべてを実施し、築20年以上・総戸数10戸以上などの要件を満たした認定マンションについて、工事完了の翌年度分の固定資産税(家屋部分)が減額されます。東京23区では減額率が2分の1と定められており、工事完了日から3か月以内に申告する必要があります。対象となる工事の完了時期は令和5年4月1日から令和9年3月31日までとされています(出典:東京都主税局、国土交通省 マンション長寿命化促進税制)。
2つ目はフラット35の金利引下げです。認定マンションを購入する場合、借入金利が当初5年間で年0.25%引き下げられる制度が用意されています。3つ目は住宅金融支援機構の共用部分リフォーム融資で、認定マンションが計画に基づいて修繕工事を行う際、基準金利から年0.2%程度の引下げが受けられます(出典:住宅金融支援機構関連資料)。金利や税制の数字は年度や制度見直しによって変わり得るため、正直に申し上げると、実際に申請される時点で最新の数値を住宅金融支援機構(jhf.go.jp)や江戸川区の窓口で確認していただくのが確実です。
逆算スケジュール(総会決議→書類準備→認定申請→交付)
認定取得までの流れは、おおむね次のように逆算して考えるとスムーズです。まず理事会・総会で長期修繕計画と修繕積立金額の見直しを決議します。標準様式に沿った計画になっているか、7年以内の見直しか、30年以上・大規模修繕2回以上を含むかを、この段階で確認しておく必要があります。
次に管理規約や総会議事録、組合員名簿・居住者名簿などの必要書類を整えるのと並行して、自分たちのマンションが「管理状況届出書」または「管理組合等設立届」を過去に区へ提出済みかどうかを確認します。未提出のまま申請すると、認定申請後に区から連絡が来て追加提出を求められる流れになりますので、先に確認しておいた方が段取りは早く進みます。書類がそろったら、マンション管理センターなどの事前確認ルートに申し込み、事前確認適合証の交付を受けます。最後にその適合証を添えて江戸川区へ申請し、審査を経て認定書が交付されるという流れです。私の経験上、書類準備から適合証の取得までに数週間から1〜2か月程度を見込んでおくと、総会シーズンに慌てずに済みます。
まとめ+今週動くこと3点
江戸川区は区の手数料が無料な点は他区と共通していますが、築年数に応じた独自の届出要件があるという点で、渋谷区・世田谷区型(防災・コミュニティ上乗せ)とも、葛飾区型(独自基準なし)とも違う、江戸川区ならではの特徴を持つ自治体だと私は感じています。
今週動けることとして、まず1つ目は自分たちのマンションが「管理状況届出書」または「管理組合等設立届」を過去に区へ提出しているかどうかを、理事会で確認すること。2つ目は長期修繕計画が7年以内に見直されているか、標準様式に沿っているかを点検すること。3つ目は修繕積立金の水準が著しく低額になっていないか、次回の大規模修繕費用の見積りと照らして確認することです。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがありますので、ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。
大規模修繕そのものの費用を圧縮したい場合は、ロープアクセスドットコムで公開している無足場工法の技術情報や、明誠の大規模修繕工事の料金の考え方のページもあわせてご覧ください。管理組合さま向けのご相談は管理組合さま向けサービスのご案内から、ロープアクセス工法のご紹介や実際の工事のイメージは明誠の施工事例でもご紹介しています。株式会社明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけており、ロープアクセス工法における高所作業では過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。
よくあるご質問
Q. 江戸川区への申請手数料は本当に無料ですか?
A. はい、区への認定申請手数料は無料です。ただしマンション管理センターなどの事前確認にかかるシステム利用料(1申請10,000円)や審査料は別途必要になります。
Q. 江戸川区には独自の上乗せ基準がありますか?
A. あります。渋谷区のような防災訓練やコミュニティ活動の要件ではなく、昭和58年以前建築のマンションは「管理状況届出書」、平成17年以降建築のマンションは「管理組合等設立届」を過去に区へ提出していることが独自基準として求められます。
Q. 届出書類を提出していない場合はどうなりますか?
A. 認定申請時に改めて書類を用意する必要は基本的にありませんが、区が届出状況を確認できない場合は、申請後に区から連絡が入り追加提出を求められることがあります。
Q. 区の窓口に直接申請できますか?
A. 新規申請は原則できず、マンション管理センターなどの事前確認を経て事前確認適合証を取得したうえで区へ申請する流れになります。軽微な変更申請のみ、区の耐震化促進係へ直接申請できる扱いです。
Q. 認定の有効期間はどれくらいですか?
A. 5年間です。更新時は従前の認定の有効期間満了日の翌日から起算して5年間となりますので、理事会の引き継ぎ事項として記録しておくことをおすすめします。
Q. 認定を取ると具体的にどんな経済的メリットがありますか?
A. 一定の要件を満たす大規模修繕を行った場合の固定資産税減額(東京23区は建物部分が2分の1)、フラット35購入時の金利引下げ、共用部分リフォーム融資の金利引下げの3つが主な効果です。数値は制度改定により変わることがあるため、申請時点の最新情報をご確認ください。
Q. 新築予定のマンションでも認定を受けられますか?
A. 新築予定マンションについては、区ではなく(公財)マンション管理センターが「予備認定」の認定主体となる制度が用意されています。詳細はマンション管理センターにご確認ください。
Q. 事前確認にはどのくらい費用がかかりますか?
A. システム利用料が1申請あたり10,000円で、これとは別に依頼先ごとの審査料がかかります。目安として1万円台からとお考えいただき、事前に見積りを取ることをおすすめします。
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年9月25日
本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月25日時点で公表されている江戸川区、東京都、国土交通省の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・要件変更があり得ます。実際に申請される前に、必ず江戸川区都市開発部建築指導課耐震化促進係へ最新の内容をご確認ください。
出典・参考資料
- 江戸川区「マンション管理計画認定制度」(2025年4月1日更新)
- 江戸川区「マンションの管理の適正化の推進に関する法律の改正について」通信(2024年12月発行)
- 国土交通省「マンション管理計画認定制度 認定基準」
- 国土交通省「マンション管理計画認定制度」
- 国土交通省「マンション長寿命化促進税制(固定資産税の特例措置)」
- 東京都主税局「長寿命化に資する大規模修繕工事が行われたマンションに対する固定資産税の減額制度」
- 東京都マンションポータルサイト「マンション管理計画認定制度」
- 公益財団法人マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」
- 住宅金融支援機構(jhf.go.jp)
葛飾区のマンション管理計画認定制度|手数料無料と事前確認ルートを本間社長が解説【2026年度版】
結論:葛飾区で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか
先に結論からお伝えします。葛飾区でマンション管理計画認定を取得する場合、区への認定申請手数料(新規・変更とも)は無料です。ただし区の窓口に直接申請することはできず、必ず(公財)マンション管理センターの「管理計画認定手続支援システム」を経由した事前確認を受けたうえで区へ申請する流れになります。事前確認のシステム利用料や審査料は別途かかります(出典:葛飾区「管理計画認定制度」、令和5年12月28日更新)。
私はこれまで多くの理事長さまから「認定を取ると具体的に何が変わるんですか」とご質問をいただいてきました。答えは、固定資産税の減額、フラット35の金利引下げ、共用部リフォーム融資の金利引下げという3つの経済効果に加え、修繕積立金が適正に積み立てられ、長期修繕計画がきちんと機能している「管理状態の良いマンション」であることが対外的に証明される点にあります。葛飾区は令和6年1月に認定行政庁としての運用を開始した比較的新しい自治体で、区独自の防災訓練やコミュニティ活動といった上乗せ基準を設けていない点も、申請を検討する管理組合にとっては取り組みやすい材料になります。
認定主体はどこか(葛飾区が認定行政庁)
マンション管理計画認定制度は令和4年4月に始まった国の制度ですが、実際に審査・認定を行う「認定行政庁」は自治体ごとに異なります(用語補足:認定行政庁とは、認定の申請を受け付けて審査し、認定書を交付する権限を持つ役所のことです)。特別区や中核市・施行時特例市はその区市自身が認定行政庁となり、それ以外の市町村(東京都では島しょ部など)は都道府県が担う仕組みです。
葛飾区は特別区のため、葛飾区長が認定行政庁です。区の公式サイトによると、葛飾区での運用開始は令和6年1月からとされており、東京23区の中では比較的あとから制度運用に加わった区にあたります(出典:葛飾区「管理計画認定制度」)。認定の有効期間は他の自治体と同様に5年間で、期限が来れば更新申請が必要になります(出典:東京都マンションポータルサイト「マンション管理計画認定制度」)。私は現場で「一度取れば安心」と誤解されている理事さんに何度もお会いしてきましたが、5年ごとの更新が前提の制度だという点は最初に必ずお伝えするようにしています。
認定17要件(総会・修繕計画・修繕積立金・長期修繕計画 等)
国が定める認定基準は、大きく5分野・合計17項目に整理されています(出典:国土交通省 認定基準)。
管理組合の運営に関する2項目では、管理者等と監事が定められていること、総会(区分所有者の集会)が定期的に開催されていることが求められます。管理規約に関する3項目では、規約そのものが整備されていることに加え、緊急時の専有部分への立入りに関する規定、修繕履歴の保管や情報提供に関する規定が必要です。管理組合の経理に関する3項目では、管理費と修繕積立金を区分経理していること、修繕積立金を他の会計に充当していないこと、滞納に適切に対処していることが確認されます。
もっとも項目数が多いのが長期修繕計画に関する7項目で、標準様式に準拠した長期修繕計画と修繕積立金額が総会で決議されていること、7年以内に作成または見直しがされていること、計画期間が30年以上かつ大規模修繕が2回以上含まれていること、一時金徴収を予定していないこと、修繕積立金の平均額が著しく低額でないこと、計画最終年度に借入金残高が残らないこと、その計画に基づく資金計画が適切であることが審査されます。最後にその他の2項目として、組合員名簿・居住者名簿の適切な管理と、都道府県等が定めるマンション管理適正化指針への適合性が確認されます。葛飾区の場合、この最後の項目は「葛飾区マンション管理適正化指針に照らして適切なものであること」という形で審査に組み込まれています(出典:葛飾区「管理計画認定制度」)。
独自基準の有無と実務への影響
ここが自治体ごとに差が出やすいポイントです。東京都内でも渋谷区のように、防災(マニュアル整備・訓練・自主防災組織・備蓄など)やコミュニティ活動(自治会加入・地域連携の担当者選任など)に関する独自の上乗せ基準を追加した区が出てきています(出典:渋谷区ポータル「マンション管理計画認定制度」)。
一方で葛飾区は、私が区の公式ページや適正化指針・適正化推進計画の公開資料を確認した範囲では、渋谷区のような具体的な防災訓練実施やコミュニティ活動の担当者選任といった追加要件は明記されていません。区が定める「葛飾区マンション管理適正化指針」(出典:葛飾区マンション管理適正化指針、令和7年12月2日更新)は、国が定めた17要件のうち「都道府県等が定める指針への適合性」という項目を区として具体化したもので、これに沿っていれば足り、それ以上に独立した上乗せ基準を課しているわけではないというのが実務上の理解になります。つまり葛飾区内のマンションは、国の17要件と区の適正化指針への適合を満たせば認定を受けられ、防災訓練の実施記録や自治会加入の証明といった追加書類を別途そろえる必要が基本的にはありません。
とはいえ、上乗せ基準がないからといって、修繕積立金の水準や長期修繕計画の中身が甘くて良いわけではありません。私が現場で一番悔しい思いをするのは、修繕積立金が「著しく低額」と判定されるほど乏しいまま大規模修繕の時期を迎えてしまった管理組合を見るときです。工事費そのものを圧縮できれば、同じ積立金額でも計画の実現性は上がります。実際に私たちが手がけた案件では、8階建て・外周90m程度の建物で、足場を組む従来工法だと概算150万円ほどかかる仮設費が、ロープアクセスドットコムで紹介している無足場工法(ロープアクセス工法)を使うと55万円程度に収まり、差額にして95万円ほど圧縮できたケースがありました(工事内容・建物条件により変動するため、あくまで目安としてご覧ください)。こうしたコスト最適化の積み重ねが、長期修繕計画の実現性、ひいては認定取得のしやすさにもつながっていきます。
手数料と申請ルート(事前確認あり・マンション管理センター経由)
手数料については冒頭でお伝えした通り、葛飾区への申請手数料は新規・変更とも無料です。ただし新規申請では区の窓口へ直接書類を持ち込むことができず、必ず(公財)マンション管理センターが運営する「管理計画認定手続支援システム」を経由して「事前確認適合証」を取得する必要があります(出典:葛飾区「管理計画認定制度」)。変更認定についても、軽微な変更を除きすべて変更申請の対象になる点は、私の経験上、見落とされやすいポイントです。
事前確認のルートはいくつかのパターンに分かれており、個別のマンション管理士に依頼する方法、管理業協会の適正評価制度を使う方法、日本マンション管理士会連合会の診断サービスを利用する方法、マンション管理センターに直接依頼する方法などがあります。いずれのルートでも、マンション管理センターへのシステム利用料として1申請あたり10,000円(税込)が必要で、日管連の診断サービスを使う場合は事前確認審査料として長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)が別途かかります(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。個別のマンション管理士や管理業協会のルートでは、審査料は管理組合と委託先の間で個別に決まります。私はいつも理事長さまに「区の手数料は無料でも、事前確認の実務費用はかかります」とお伝えするようにしています。総額の目安としては、ケースによって2万円台からそれ以上まで幅がありますので、事前に見積りを取ることをおすすめします。
認定の3つの経済効果(長寿命化促進税制/フラット35/共用部リフォーム融資)
管理計画認定を取得すると、主に3つの経済的なメリットにつながります。
1つ目は固定資産税の減額です。マンション長寿命化促進税制では、外壁塗装等工事・床防水工事・屋根防水工事の3工事すべてを実施し、築20年以上・総戸数10戸以上などの要件を満たした認定マンションについて、工事完了の翌年度分の固定資産税(家屋部分)が減額されます。東京23区では減額率が2分の1と定められており、工事完了日から3か月以内に申告する必要があります。対象となる工事の完了時期は令和5年4月1日から令和9年3月31日までとされています(出典:東京都主税局、国土交通省 マンション長寿命化促進税制)。
2つ目はフラット35の金利引下げです。認定マンションを購入する場合、借入金利が当初5年間で年0.25%引き下げられる制度が用意されています。3つ目は住宅金融支援機構の共用部分リフォーム融資で、認定マンションが計画に基づいて修繕工事を行う際、基準金利から年0.2%程度の引下げが受けられます(出典:府中市「マンションの管理計画認定制度」広報資料)。金利や税制の数字は年度や制度見直しによって変わり得るため、正直に申し上げると、実際に申請される時点で最新の数値を住宅金融支援機構(jhf.go.jp)や葛飾区の窓口で確認していただくのが確実です。
逆算スケジュール(総会決議→書類準備→認定申請→交付)
認定取得までの流れは、おおむね次のように逆算して考えるとスムーズです。まず理事会・総会で長期修繕計画と修繕積立金額の見直しを決議します。標準様式に沿った計画になっているか、7年以内の見直しか、30年以上・大規模修繕2回以上を含むかを、この段階で確認しておく必要があります。
次に管理規約や総会議事録、組合員名簿・居住者名簿などの必要書類を整えます。ここで規約に緊急時の立入り規定や情報提供規定が盛り込まれているかを再確認してください。書類がそろったら、マンション管理センターの手続支援システムから事前確認を申し込み、事前確認適合証の交付を受けます。最後にその適合証を添えて葛飾区へ申請し、審査を経て認定書が交付されるという流れです。私の経験上、書類準備から適合証の取得までに数週間から1〜2か月程度を見込んでおくと、総会シーズンに慌てずに済みます。
まとめ+今週動くこと3点
葛飾区は区の手数料が無料で、渋谷区のような独自の上乗せ基準もない分、他区に比べて申請のハードルが低い自治体だと私は感じています。ただし新規申請は区の窓口への直接申請ができず、マンション管理センターの事前確認を経る必要がある点、そして令和6年1月に運用が始まったばかりの制度である点は見落とされがちです。
今週動けることとして、まず1つ目は長期修繕計画が7年以内に見直されているか、標準様式に沿っているかを理事会で確認すること。2つ目は修繕積立金の水準が著しく低額になっていないか、次回の大規模修繕費用の見積りと照らして点検すること。3つ目はマンション管理センターの事前確認ルートのうち、自分たちの管理組合にはどのパターンが合うか、費用感を含めて情報収集を始めることです。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがありますので、ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。
大規模修繕そのものの費用を圧縮したい場合は、ロープアクセスドットコムで公開している無足場工法の技術情報や、明誠の大規模修繕工事の料金の考え方のページもあわせてご覧ください。管理組合さま向けのご相談は管理組合さま向けサービスのご案内から、実際の工事のイメージは明誠の施工事例でもご紹介しています。株式会社明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけており、ロープアクセス工法における高所作業では過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。
よくあるご質問
Q. 葛飾区への申請手数料は本当に無料ですか?
A. はい、新規・変更とも区への認定申請手数料は無料です。ただしマンション管理センターの事前確認にかかるシステム利用料や審査料は別途必要になります。
Q. 葛飾区には独自の上乗せ基準がありますか?
A. 現時点で確認できる公開資料の範囲では、渋谷区のような防災訓練やコミュニティ活動に関する独立した上乗せ基準はありません。国の17要件の一部である「区の適正化指針への適合」という枠組みの中で審査されます。
Q. 区の窓口に直接申請できますか?
A. 新規申請はできません。必ず(公財)マンション管理センターの管理計画認定手続支援システムを経由し、事前確認適合証を取得したうえで区へ申請する流れになります。
Q. 認定の有効期間はどれくらいですか?
A. 5年間です。期限が近づいたら更新申請が必要になりますので、理事会の引き継ぎ事項として記録しておくことをおすすめします。
Q. 認定を取ると具体的にどんな経済的メリットがありますか?
A. 一定の要件を満たす大規模修繕を行った場合の固定資産税減額(東京23区は建物部分が2分の1)、フラット35購入時の金利引下げ、共用部分リフォーム融資の金利引下げの3つが主な効果です。数値は制度改定により変わることがあるため、申請時点の最新情報をご確認ください。
Q. 長期修繕計画がどんな内容だと認定を受けにくいですか?
A. 計画期間が30年未満だったり、大規模修繕が2回分含まれていなかったり、修繕積立金の平均額が著しく低額だったりすると、審査を通りにくくなります。7年以内の見直しがされているかもあわせて確認してください。
Q. 事前確認にはどのくらい費用がかかりますか?
A. パターンによって異なりますが、システム利用料が1申請あたり10,000円(税込)、日本マンション管理士会連合会の診断サービスを使う場合は長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)の審査料が目安です。個別の管理士や管理業協会に依頼する場合は、委託先との間で費用が決まります。
Q. 申請から認定までどのくらいの期間を見ておけばよいですか?
A. 書類準備から事前確認適合証の取得までに数週間から1〜2か月程度を見込んでおくと安心です。総会での決議事項が多いため、総会シーズンの前から準備を始めることをおすすめします。
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年9月24日
本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月24日時点で公表されている葛飾区、東京都、国土交通省の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・要件変更があり得ます。実際に申請される前に、必ず葛飾区の担当窓口(住環境整備課)へ最新の内容をご確認ください。
出典・参考資料
- 葛飾区「管理計画認定制度」(令和5年12月28日更新)
- 葛飾区「葛飾区マンション管理適正化指針」(令和7年12月2日更新)
- 葛飾区「葛飾区マンション管理適正化推進計画」
- 国土交通省「マンション管理計画認定制度 認定基準」
- 国土交通省「マンション長寿命化促進税制(固定資産税の特例措置)」
- 東京都主税局「長寿命化に資する大規模修繕工事が行われたマンションに対する固定資産税の減額制度」
- 東京都マンションポータルサイト「マンション管理計画認定制度」
- 公益財団法人マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」
- 府中市「マンションの管理計画認定制度」広報資料(フラット35・共用部リフォーム融資の金利引下げ幅)
- 渋谷区ポータル「マンション管理計画認定制度」(独自基準の比較参照)
足立区のマンション管理計画認定制度|手数料無料化と独自基準なしの申請ルート【2026年度版】
結論:足立区で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか
先に結論からお伝えします。足立区でマンション管理計画認定を取得する場合、区への申請手数料は当面のあいだ無料です(変更認定申請も含みます)。ただし、区の窓口に直接申請することはできません。新規申請は必ず(公財)マンション管理センターの「管理計画認定手続支援システム」を経由する必要があり、そこでシステム利用料などが別途かかります(出典:足立区「マンション管理計画認定制度について」、2026年4月1日更新)。
私はこれまで多くの管理組合の理事長さまから「認定を取ると何が変わるんですか」とご質問をいただいてきました。答えはシンプルで、固定資産税の減額、フラット35の金利引下げ、共用部リフォーム融資の金利引下げという3つの経済効果に加え、修繕積立金が適正に積み立てられている「安心なマンション」であることが対外的に証明される点にあります。足立区は現時点で区独自の上乗せ基準を設けておらず、国が定めた17項目の基準をクリアすれば認定される、比較的取り組みやすい制度設計になっています。
認定主体はどこか(足立区が認定行政庁)
マンション管理計画認定制度は、令和4年4月に始まった国の制度ですが、実際に審査・認定を行う「認定行政庁」は自治体ごとに異なります(用語補足:認定行政庁とは、認定の申請を受け付けて審査し、認定書を交付する権限を持つ役所のことです)。特別区や中核市・施行時特例市はその区市自身が認定行政庁となり、それ以外の市町村(東京都では島しょ部など)は都道府県が担います。
足立区は特別区のため、足立区長が認定行政庁です。神奈川県や千葉県内の町村部のように、まず都道府県に申請するケースとは窓口が異なりますので、足立区内の分譲マンションであれば足立区が定めた手続きに従うことになります。認定の有効期間は5年間で、期限が来たら更新申請が必要です(出典:東京都マンションポータルサイト「マンション管理計画認定制度」)。私は現場で「一度取れば終わり」と誤解されている理事さんに何度もお会いしましたが、5年ごとの更新が前提の制度だという点は最初にお伝えするようにしています。
認定17要件(総会・修繕計画・修繕積立金・長期修繕計画 等)
国が定める認定基準は、大きく5分野・合計17項目に整理されています(出典:国土交通省 認定基準)。
管理組合の運営に関する2項目では、管理者等と監事が定められていること、総会(区分所有者の集会)が定期的に開催されていることが求められます。管理規約に関する3項目では、規約そのものが整備されていることに加え、緊急時の専有部分への立入りに関する規定、修繕履歴の保管や情報提供に関する規定が必要です。管理組合の経理に関する3項目では、管理費と修繕積立金を区分経理していること、修繕積立金を他の会計に充当していないこと、滞納に適切に対処していることが確認されます。
もっとも項目数が多いのが長期修繕計画に関する7項目で、標準様式に準拠した長期修繕計画と修繕積立金額が総会で決議されていること、7年以内に作成または見直しがされていること、計画期間が30年以上かつ大規模修繕が2回以上含まれていること、一時金徴収を予定していないこと、修繕積立金の平均額が著しく低額でないこと、計画最終年度に借入金残高が残らないこと、その計画に基づく資金計画が適切であることが審査されます。最後にその他の2項目として、組合員名簿・居住者名簿の適切な管理と、都道府県等が定めるマンション管理適正化指針への適合性が確認されます。
独自基準の有無と実務への影響
ここが自治体ごとに差が出るポイントです。東京都内でも渋谷区のように、令和8年4月から防災(マニュアル整備・訓練・自主防災組織・備蓄など)やコミュニティ活動(自治会加入・地域連携の担当者選任など)に関する独自の上乗せ基準を追加した区が出てきています(出典:渋谷区ポータル「マンション管理計画認定制度」)。
一方で足立区は、区の公式ページに「足立区マンション管理適正化指針に照らして適切なものであること(区の独自基準による上乗せは、現在行っていません)」と明記されています。つまり足立区内のマンションは、国の17要件と適正化指針への適合を満たせば認定を受けられ、防災訓練の実施記録や自治会加入の証明といった追加書類を別途そろえる必要がありません。私の経験上、これは理事会の事務負担という観点で大きな違いです。上乗せ基準がある区では、認定準備と並行して自主防災組織の立ち上げから始めなければならない管理組合を何度も見てきました。
ただし独自基準がないからといって、修繕積立金の水準や長期修繕計画の中身が甘くて良いわけではありません。私が現場で一番悔しい思いをするのは、修繕積立金が「著しく低額」と判定されるほど乏しいまま大規模修繕の時期を迎えてしまった管理組合を見るときです。工事費そのものを圧縮できれば、同じ積立金額でも計画の実現性は上がります。実際に私たちが手がけた案件では、10階建て・外周80m程度の建物で、足場を組む従来工法だと概算168万円ほどかかる仮設費が、ロープアクセスドットコムで紹介している無足場工法(ロープアクセス工法)を使うと59万円程度に収まり、差額にして109万円ほど圧縮できたケースがありました(工事内容・建物条件により変動するため、あくまで目安としてご覧ください)。こうしたコスト最適化の積み重ねが、長期修繕計画の実現性、ひいては認定取得のしやすさにもつながっていきます。
手数料と申請ルート(事前確認あり・マンション管理センター経由)
手数料については冒頭でお伝えした通り、足立区への申請手数料は当面のあいだ無料です(変更認定申請を含む)。ただし新規申請では区の窓口へ直接書類を持ち込むことができず、必ず(公財)マンション管理センターが運営する「管理計画認定手続支援システム」を経由して「事前確認適合証」を取得する必要があります(出典:足立区「マンション管理計画認定制度について」)。変更認定の申請については、郵送または区の窓口への提出が認められています。
事前確認のルートはいくつかのパターンに分かれており、個別のマンション管理士に依頼する方法、管理業協会の適正評価制度を使う方法、日本マンション管理士会連合会の診断サービスを利用する方法などがあります。いずれのルートでも、マンション管理センターへのシステム利用料として1申請あたり10,000円(税込)が必要で、日管連の診断サービスを使う場合は事前確認審査料として長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)が別途かかります(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。個別のマンション管理士や管理業協会のルートでは、審査料は管理組合と委託先の間で個別に決まります。私はいつも理事長さまに「区の手数料は無料でも、事前確認の実務費用はかかります」とお伝えするようにしています。総額の目安としては、ケースによって2万円台からそれ以上まで幅がありますので、事前に見積りを取ることをおすすめします。
認定の3つの経済効果(長寿命化促進税制/フラット35/共用部リフォーム融資)
管理計画認定を取得すると、主に3つの経済的なメリットにつながります。
1つ目は固定資産税の減額です。マンション長寿命化促進税制では、外壁塗装等工事・床防水工事・屋根防水工事の3工事すべてを実施し、築20年以上・総戸数10戸以上などの要件を満たした認定マンションについて、工事完了の翌年度分の固定資産税(家屋部分)が減額されます。東京23区では減額率が2分の1と定められており、工事完了日から3か月以内に申告する必要があります。対象となる工事の完了時期は令和5年4月1日から令和9年3月31日までとされています(出典:東京都主税局、国土交通省 マンション長寿命化促進税制)。なお足立区では、認定ルートとは別に、区の助言・指導を受けて是正した管理組合向けに証明書を発行する制度も設けられています(出典:足立区「マンション長寿命化促進税制の創設に伴う助言・指導内容実施等証明の交付について」、手数料1通300円)。
2つ目はフラット35の金利引下げです。認定マンションを購入する場合、借入金利が当初5年間で年0.25%引き下げられる制度が用意されています。3つ目は住宅金融支援機構の共用部分リフォーム融資で、認定マンションが計画に基づいて修繕工事を行う際、基準金利から年0.2%程度の引下げが受けられます(出典:府中市「マンションの管理計画認定制度」広報資料)。金利や税制の数字は年度や制度見直しによって変わり得るため、正直に申し上げると、実際に申請される時点で最新の数値を住宅金融支援機構(jhf.go.jp)や足立区の窓口で確認していただくのが確実です。
逆算スケジュール(総会決議→書類準備→認定申請→交付)
認定取得までの流れは、おおむね次のように逆算して考えるとスムーズです。まず理事会・総会で長期修繕計画と修繕積立金額の見直しを決議します。標準様式に沿った計画になっているか、7年以内の見直しか、30年以上・大規模修繕2回以上を含むかを、この段階で確認しておく必要があります。
次に管理規約や総会議事録、組合員名簿・居住者名簿などの必要書類を整えます。ここで規約に緊急時の立入り規定や情報提供規定が盛り込まれているかを再確認してください。書類がそろったら、マンション管理センターの手続支援システムから事前確認を申し込み、事前確認適合証の交付を受けます。最後にその適合証を添えて足立区へ申請し、審査を経て認定書が交付されるという流れです。私の経験上、書類準備から適合証の取得までに数週間から1〜2か月程度を見込んでおくと、総会シーズンに慌てずに済みます。
まとめ+今週動くこと3点
足立区は区の手数料が当面無料で、独自の上乗せ基準もない分、他区に比べて申請のハードルが低い自治体だと私は感じています。ただし新規申請は区の窓口への直接申請ができず、マンション管理センターの事前確認を経る必要がある点は見落とされがちです。
今週動けることとして、まず1つ目は長期修繕計画が7年以内に見直されているか、標準様式に沿っているかを理事会で確認すること。2つ目は修繕積立金の水準が著しく低額になっていないか、次回の大規模修繕費用の見積りと照らして点検すること。3つ目はマンション管理センターの事前確認ルートのうち、自分たちの管理組合にはどのパターンが合うか、費用感を含めて情報収集を始めることです。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがありますので、ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。
大規模修繕そのものの費用を圧縮したい場合は、ロープアクセスドットコムで公開している無足場工法の技術情報や、明誠の大規模修繕工事の料金の考え方のページもあわせてご覧ください。管理組合さま向けのご相談は管理組合さま向けサービスのご案内から、実際の工事のイメージは明誠の施工事例でもご紹介しています。株式会社明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけており、ロープアクセス工法における高所作業では過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。
よくあるご質問
Q. 足立区への申請手数料は本当に無料ですか?
A. はい、当面のあいだ区への申請手数料は無料です(新規・変更ともに)。ただしマンション管理センターの事前確認にかかるシステム利用料や審査料は別途必要になります。
Q. 足立区には独自の上乗せ基準がありますか?
A. 現時点ではありません。足立区マンション管理適正化指針への適合は必要ですが、渋谷区などのような防災・コミュニティ活動の独自要件は設けられていません。
Q. 区の窓口に直接申請できますか?
A. 新規申請はできません。必ず(公財)マンション管理センターの管理計画認定手続支援システムを経由し、事前確認適合証を取得したうえで区へ申請する流れになります。変更認定は郵送または窓口提出が可能です。
Q. 認定の有効期間はどれくらいですか?
A. 5年間です。期限が近づいたら更新申請が必要になりますので、理事会の引き継ぎ事項として記録しておくことをおすすめします。
Q. 認定を取ると具体的にどんな経済的メリットがありますか?
A. 一定の要件を満たす大規模修繕を行った場合の固定資産税減額(東京23区は建物部分が2分の1)、フラット35購入時の金利引下げ、共用部分リフォーム融資の金利引下げの3つが主な効果です。数値は制度改定により変わることがあるため、申請時点の最新情報をご確認ください。
Q. 長期修繕計画がどんな内容だと認定を受けにくいですか?
A. 計画期間が30年未満だったり、大規模修繕が2回分含まれていなかったり、修繕積立金の平均額が著しく低額だったりすると、審査を通りにくくなります。7年以内の見直しがされているかもあわせて確認してください。
Q. 事前確認にはどのくらい費用がかかりますか?
A. パターンによって異なりますが、システム利用料が1申請あたり10,000円(税込)、日本マンション管理士会連合会の診断サービスを使う場合は長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)の審査料が目安です。個別の管理士や管理業協会に依頼する場合は、委託先との間で費用が決まります。
Q. 申請から認定までどのくらいの期間を見ておけばよいですか?
A. 書類準備から事前確認適合証の取得までに数週間から1〜2か月程度を見込んでおくと安心です。総会での決議事項が多いため、総会シーズンの前から準備を始めることをおすすめします。
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年9月24日
本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月24日時点で公表されている足立区、東京都、国土交通省の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・要件変更があり得ます。実際に申請される前に、必ず足立区住宅課および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。
出典・参考資料
- 足立区「マンション管理計画認定制度について」(2026年4月1日更新)
- 足立区「マンション長寿命化促進税制の創設に伴う助言・指導内容実施等証明の交付について」
- 国土交通省「マンション管理計画認定制度 認定基準」
- 国土交通省「マンション長寿命化促進税制(固定資産税の特例措置)」
- 東京都主税局「長寿命化に資する大規模修繕工事が行われたマンションに対する固定資産税の減額制度」
- 東京都マンションポータルサイト「マンション管理計画認定制度」
- 公益財団法人マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」
- 府中市「マンションの管理計画認定制度」広報資料(フラット35・共用部リフォーム融資の金利引下げ幅)
- 渋谷区ポータル「マンション管理計画認定制度」(独自基準の比較参照)

