府中市の管理組合が無料で使える相談・派遣16選|マンションアドバイザー制度は派遣料を全額または半額助成、耐震アドバイザー派遣は1回5万円まで5回無料【令和8年度版】

2026年9月27日 更新

先日、府中駅から歩いて10分ほどの、昭和55年築・5階建て38戸の分譲マンションの理事長さまから、こんなご相談をいただきました。

「大規模修繕の見積りを管理会社経由で1社だけ取ったが、金額が適正かどうか判断できない。そもそもうちの建物は旧耐震基準に当たるはずだが、耐震診断すら受けたことがない。理事会の中でも、今の管理会社に任せきりでいいのか、一度外部の専門家に見てもらうべきか、意見が割れている」

竣工年月を伺うと、まさに昭和56年5月31日以前でした。旧耐震基準の建物は、震度6強から7に達する地震で倒壊または崩壊する危険性が高いとされる区分に入ります。それにもかかわらず、耐震診断を受けたことのある管理組合は私の肌感覚でも半数に届きません。

私はこの手のご相談を受けるたびに思うことがあります。府中市の管理組合には、実は費用をかけずに使える専門家派遣や助成制度がかなり揃っているのに、その情報が理事会まで届いていない、と。府中市にはマンションアドバイザー制度利用助成事業という仕組みがあり、マンション管理士や一級建築士の派遣費用を全額または半額助成してもらえます。旧耐震基準の建物であれば、耐震アドバイザー派遣は1回5万円まで5回無料、耐震診断は上限200万円(費用の3分の2)まで助成が出ます。

申し遅れました。私は株式会社明誠の本間幸紘と申します。東京都東大和市を拠点に、20年近くマンション・ビル・ホテルの外壁の仕事をしてきました。足場を組んで建物をすっぽり囲う工事も、ロープ1本でぶら下がる無足場の工事も、両方できる会社は実はそう多くありません。今日は工事の話の前に、府中市の管理組合が今すぐ使える「お金をかけない相談先」を整理してお伝えします。


結論:府中市で使える支援は16ある

先に一覧でお示しします。費用ゼロのものと、費用の大半(または全額)が助成で戻るものを分けて並べました。

# 制度・窓口 誰が対応するか 費用 申込先
1 マンションアドバイザー制度利用助成事業(管理アドバイザー) マンション管理士・一級建築士等 派遣料の全額または半額助成 都市整備部住宅課支援係 042-335-4458
2 マンション建替え・改修アドバイザー制度(入門編) 再開発プランナー等 派遣料全額助成 都市整備部住宅課支援係 042-335-4458
3 耐震アドバイザー派遣(分譲マンション耐震助成) 耐震診断の専門家 無料(1回5万円まで、5回まで) 住宅課 042-335-4458
4 耐震診断(府中市) - 費用の2/3(上限200万円、市指導物件は5/6・上限250万円) 住宅課 042-335-4458
5 補強設計(府中市) - 費用の2/3(上限200万円) 住宅課 042-335-4458
6 マンション管理状況届出制度(府中市) - 届出無料 住宅課支援係
7 マンションの管理計画認定制度(府中市) - 市への申請手数料無料 (公財)マンション管理センター オンラインシステム
8 分譲マンション総合相談窓口(東京都) マンション管理士 無料 03-6427-4900
9 法律相談(府中市) 弁護士 無料(月・水・金、第2・4土曜) 広聴相談課 042-366-1711
10 登記相談(府中市) 司法書士等 無料(第1・3金曜) 広聴相談課 042-366-1711
11 消費生活相談(府中市) 消費生活相談員 無料 042-360-3316
12 東京都マンションアドバイザー無料派遣(管理状況届出制度) マンション管理士等 無料(1回、管理不全兆候ありは5回まで) 東京都防災・建築まちづくりセンター 03-5466-2103
13 分譲マンション向けマンション管理士無料派遣(防災力向上・認知症対応) マンション管理士 無料(各テーマ2回まで) 東京都住宅政策本部マンション課 03-5320-5004
14 (公財)マンション管理センター 電話相談 専門相談員 無料 運営03-3222-1517/設備03-3222-1519
15 すまいるダイヤル 建築士資格者 無料 0570-016-100
16 一般社団法人マンション管理業協会 相談窓口 専門相談員 無料 050-3733-8982

1〜16が、費用のかからない、あるいは費用の大半・全額が戻る相談・助成です。府中市の特徴は、管理アドバイザーと耐震アドバイザーという2系統の派遣制度を、目的に応じて使い分けられる点と、耐震診断・補強設計までは手厚く助成が出る一方で、改修工事そのものの助成メニューは用意されていない点です。この違いを知らずに「府中市も耐震改修費用が出る」と思い込んでいる理事会もあるので、順番に見ていきます。


マンション管理士も建築士も、派遣料を全額または半額助成

1〜2. マンションアドバイザー制度利用助成事業

府中市内のマンションの管理組合(管理組合が組織されていない場合は区分所有者の任意の団体)が対象です。東京都防災・建築まちづくりセンターが運営するマンションアドバイザー制度・マンション建替え・改修アドバイザー制度を利用した際にかかる派遣料を、府中市が助成する仕組みです。

コース 内容 派遣料の目安 助成率
管理アドバイザーAコース(講座編) 管理組合運営の基礎講座 16,500円/回 全額
管理アドバイザーBコース(相談編) 個別の管理上の相談 25,300円/回 全額
管理アドバイザーCコース(支援編、築20年以上対象) 長期修繕計画の見直し等の継続支援 25,300円〜357,500円 1/2
建替え・改修アドバイザーAコース(入門編) 建替え・大規模改修の入門相談 8,800円〜16,500円/回 全額
項目 内容
派遣する専門家 マンション管理士、一級建築士、再開発プランナー等
年度内の利用回数 管理・建替え・改修の合計で上限3回
申込方法 東京都への派遣申込みの前に、府中市へ助成金交付申請書を提出
申込先 府中市都市整備部住宅課支援係 042-335-4458

(出典:府中市「マンションアドバイザー制度利用助成事業」、更新日2026年4月1日)

私はいつも理事長さまに「管理会社の見立てを疑う前に、まず第三者の目を無料に近い費用で入れてください」とお伝えしています。府中市の制度は、講座編のような基礎的な内容から、築20年以上の建物向けの継続支援まで段階が分かれているのが特徴です。ただし東京都への派遣申込みより前に市への助成金交付申請が必要という順序があるため、まずは住宅課支援係(042-335-4458)に電話して手順を確認するところから始めてください。


耐震アドバイザー派遣は1回5万円まで5回無料、診断・設計は2/3助成

府中市の分譲マンション耐震助成制度は、昭和56年5月31日以前に建築確認を受けた、耐火または準耐火構造で、地階を除く階数が3階以上の分譲マンション(2以上の区分所有者がいる建物)が対象です。特定緊急輸送道路沿道の建築物は別制度の対象になります。

3. 耐震アドバイザー派遣(府中市)

項目 内容
助成額 派遣費用の全額(1回あたり上限5万円)
派遣回数 管理組合につき5回まで
申込先 住宅課 042-335-4458

4. 耐震診断(府中市)

項目 助成率 上限額
通常 費用の2/3 200万円
市の指導を受けた建物 費用の5/6 250万円

5. 補強設計(府中市)

項目 内容
助成率 費用の2/3
上限額 200万円

(出典:府中市「分譲マンションの耐震助成制度」、更新日2026年8月20日)

ここで正直にお伝えしておきたいことがあります。府中市の耐震助成は、アドバイザー派遣・診断・補強設計までは手厚い一方で、実際の耐震改修工事そのものに対する助成メニューは、府中市のページ上には見当たりません(木造の戸建て住宅向けには改修工事・除却の助成がありますが、分譲マンションは対象外です)。診断や設計の段階まで無料に近い費用で進められても、工事費は管理組合の自己負担になる前提で資金計画を立てておく必要があります。

外壁や躯体の劣化状況を客観的に把握する方法としては、足場を組まずに近接目視できるロープアクセス工法という選択肢もあります。仮設足場だと10階建て・外周80m・工期3ヶ月クラスの現場で足場費だけで168万円ほどかかることもありますが、ロープアクセスなら59万円程度に収まるケースもあり、その差額(約109万円)を耐震診断や補強設計の自己負担分に回すという考え方もできます(実際の金額は建物の形状・立地により大きく変動しますので、参考としてご覧ください)。株式会社明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけており、ロープアクセス工法での高所作業では過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。工法そのものの技術的な仕組みや訓練基準を詳しく知りたい建設業の方は、姉妹サイトロープアクセスドットコムで解説しています。


管理状況届出制度・管理計画認定制度

6. マンション管理状況届出制度(府中市)

昭和58年12月31日以前に建築された、居住の用に供する独立部分が6戸以上あるマンションが対象です。管理組合は前回の届出から5年以内ごとに、届出内容の更新が必要です。届出方法はインターネットのマンション管理状況届出システム、または届出書の郵送・持参のいずれかです。

(出典:府中市「マンション管理状況届出制度」、更新日2025年3月12日)

この届出をしておくと、後述する東京都マンションアドバイザーの無料派遣を受けられるようになります。届出そのものは支援制度ではなく義務ですが、その先にある無料派遣につながる入り口として押さえておく価値があります。

7. マンションの管理計画認定制度(府中市)

府中市の認定基準は、市独自の上乗せ基準を設けておらず、国のマンション管理適正化指針と同じ内容です。市への認定申請手数料は無料ですが、申請前に(公財)マンション管理センターの「管理計画認定手続支援サービス」による事前確認を受ける必要があり、この事前確認には1万円程度の利用料がかかります。初回申請・更新申請はオンライン、変更認定申請・軽微な変更届は市への郵送または窓口提出です。

(出典:府中市「マンションの管理計画認定制度」、更新日2026年3月6日、東京都マンションポータルサイト「マンション管理計画認定制度」、国土交通省「マンション管理計画認定制度」)

市の手数料が無料であっても、事前確認費用は自己負担になる点は理事会で共有しておいてください。認定を受けると、住宅金融支援機構のフラット35やマンション共用部分リフォーム融資での金利優遇、一定要件を満たせばマンション長寿命化促進税制による固定資産税の減額対象にもなります。府中市のページの更新は昨年度時点のものですが、独自基準を設けていないという制度の骨格は、東京都・国の最新ページでも変わっていないことを確認しています。


弁護士・司法書士・消費生活相談:トラブルへの備え

9. 法律相談(府中市)

項目 内容
開催頻度 広聴相談課:毎週月・水・金曜日(祝日除く)/市政情報センター:毎月第2・第4土曜日
相談時間 1枠30分
対象 府中市民(在勤・在学含む)
予約方法 電話・オンライン予約、相談日4週間前の同曜日午前8時半から先着順
予約先 広聴相談課 042-366-1711
費用 無料

(出典:府中市「法律相談(無料)」、更新日2026年9月1日)

管理費・修繕積立金の滞納対応、区分所有者間のトラブル、規約違反への対応など、法的な整理が必要な場面で使えます。予約枠は先着順のため、相談したい日が決まっているなら4週間前の朝に電話するくらいの心づもりでいるとよいと思います。

10. 登記相談(府中市)

項目 内容
開催頻度 毎月第1・第3金曜日(祝日等で変更あり)
相談時間 午後1時〜3時半、30分刻み
対象 府中市民(在勤・在学含む)
予約先 広聴相談課 042-366-1711
費用 無料

(出典:府中市「登記相談(無料)」、更新日2026年9月1日)

建替えや敷地の権利関係、相続がらみの区分所有者の変更登記など、司法書士が対応する分野の相談に使えます。

11. 消費生活相談(府中市消費生活センター)

項目 内容
相談時間 平日午前10時〜正午、午後1時〜4時
場所 ル・シーニュ6階(京王線府中駅徒歩1分)、来所は予約不要
対象 市内在住・在勤・在学の方
電話番号 042-360-3316
費用 無料

(出典:府中市「消費生活相談」、更新日2025年7月30日)

事業者との取引トラブルの相談・あっせんが基本業務です。大規模修繕の契約や訪問販売的な勧誘トラブルなど「事業者との取引」に関わる相談で力を発揮します。管理費滞納や区分所有者間トラブルの法的対応は、9の法律相談と組み合わせて検討するのが現実的です。


東京都・国の相談窓口を重ねて使う

市の制度だけで手一杯にならなくても大丈夫です。東京都・国レベルの窓口も無料で使えます。

8. 分譲マンション総合相談窓口(東京都)

府中市も案内している、東京都が実施する相談窓口です。マンション管理士が、日常の維持管理から再生に関する相談まで幅広く対応します。月曜日から金曜日、午前9時から午後5時まで開設しています。

(出典:東京都マンションポータルサイト「分譲マンション総合相談窓口」、府中市「マンションの適正管理に向けた取組を支援します」)

管理そのものの相談だけでなく、「工事の進め方が適正かどうか」を技術面から見てほしいという理事会も少なくありません。技術的な工法の違いをもう少し詳しく知りたい方は、私たちが同業者向けに書いている姉妹サイトロープアクセスドットコムのほうが専門的にまとまっています。

12. 東京都マンションアドバイザー無料派遣(管理状況届出制度)

昭和58年12月31日以前に新築された、独立部分6戸以上の分譲マンションで、管理状況届出が受理された管理組合が対象です。通常1回まで、管理不全の兆候があるマンションは5回まで無料で派遣を受けられます。

(出典:東京都防災・建築まちづくりセンター「マンションアドバイザー無料派遣」)

13. 分譲マンション向けマンション管理士無料派遣(防災力向上・認知症対応)

令和8年度に東京都が実施している制度で、防災力向上・区分所有者の高齢化や認知症対応というテーマに特化してマンション管理士を無料派遣します。受付期間は令和8年6月23日から令和9年2月26日まで、過去年度の利用回数も含めて各テーマ2回まで無料です。

(出典:東京都マンションポータルサイト「分譲マンション向けマンション管理士無料派遣」)

府中市は多摩川と府中崖線を抱える街でもあります。地震だけでなく水害・土砂災害のリスクにも目を向けた備蓄計画や避難動線づくりを、この制度を使って専門家と一緒に整理しておくと安心です。

14〜16. その他の国レベルの相談窓口

# 窓口 電話番号
14 (公財)マンション管理センター 電話相談 運営03-3222-1517/設備03-3222-1519
15 すまいるダイヤル 0570-016-100
16 一般社団法人マンション管理業協会 相談窓口 050-3733-8982

(出典:(公財)マンション管理センター「相談窓口について」、一般社団法人マンション管理業協会「相談業務」)

資力の乏しい方向けには、法テラス・サポートダイヤル(0570-078374、平日9時〜21時・土曜9時〜17時)を通じた無料法律相談や弁護士費用の立替え制度もあります(資力要件あり)。市の窓口、都の窓口、国レベルの窓口は、同じ悩みでも切り口を変えて重ねて使えます。私はよく「1つの窓口で満足せず、少なくとも2つは意見を聞いてから判断してください」とお伝えしています。


何を持っていけばいいか:相談前に揃えたい3点セット

どの窓口に行くにしても、手ぶらで行くと専門家も的確なアドバイスがしづらくなります。私がいつもお伝えしているのは、次の3点です。

1. 総会議事録(直近2〜3年分)

管理組合としての意思決定の経緯がわかる資料です。過去にどんな議論があったかを把握してもらうことで、相談時間を有効に使えます。

2. 長期修繕計画書

現在の修繕積立金の水準が、今後の工事に対して足りているかどうかを判断する基礎資料です。作成年が古い場合は、その旨を正直に伝えてください。

3. 建築確認済証または登記簿謄本

旧耐震・新耐震の判定に必要です。府中市の耐震アドバイザー派遣・耐震診断助成は昭和56年5月31日以前の建築確認が条件になるため、この日付を確認できる書類は最初に用意しておくと話が早く進みます。

この3点があれば、マンション管理士でも、建築士でも、弁護士でも、初回の相談だけでかなり具体的な話ができます。


よくあるご質問

Q. マンションアドバイザー制度利用助成事業は、何度でも無料ですか?

A. 管理アドバイザー(講座編・相談編)と建替え・改修アドバイザー(入門編)は派遣料の全額、支援編は半額の助成です。管理・建替え・改修の合計で年度内3回までが上限です。

Q. 府中市は耐震改修工事の費用も助成してもらえますか?

A. 府中市のページで確認できる限り、分譲マンション向けに助成があるのは耐震アドバイザー派遣・耐震診断・補強設計までで、改修工事そのものへの助成メニューは見当たりません。工事費は自己負担になる前提で資金計画を立てておく必要があります。

Q. うちのマンションが旧耐震か新耐震か分かりません。どこに聞けばいいですか?

A. まずは登記簿謄本か建築確認済証で建築確認の年月日を確認し、住宅課(042-335-4458)に伝えるのが早道です。昭和56年5月31日以前に建築確認を受けていれば、耐震アドバイザー派遣・耐震診断(上限200万円)・補強設計(上限200万円)の助成対象になり得ます。

Q. マンション管理計画認定制度を府中市に直接申請できますか?

A. 市への手数料自体は無料ですが、申請前に(公財)マンション管理センターの管理計画認定手続支援サービスで事前確認を受ける必要があり、この事前確認には別途費用がかかります。初回・更新申請はオンラインで行います。

Q. 法律相談や登記相談は府中市民でなくても利用できますか?

A. 府中市の法律相談・登記相談は、府中市内在住・在勤・在学の方が対象です。それ以外の区分所有者の場合は、法テラスや(公財)マンション管理センターの電話相談など、居住地を問わない窓口をご利用ください。

Q. 大規模修繕の工期は、工法によってどれくらい違いますか?

A. ロープアクセス工法は足場の組立・解体の期間がまるごと不要になるため、足場工法のおよそ60%の工期が目安です。10階建て・外周80mのマンションであれば、足場工法で3か月程度のところ、ロープアクセスなら1.5〜2か月程度になります。改修範囲が広い場合は差が縮まる点にはご留意ください。

Q. 管理会社を通さずに、明誠に直接相談してもいいのでしょうか?

A. もちろんです。セカンドオピニオンとしてお使いいただくケースが一番多いです。既存の見積書を拝見して、数量と単価の妥当性を一緒に確認するだけでも結構です。お問合せフォームからご連絡ください。


まとめ:今週、府中市の管理組合が動けること3つ

長くなりましたので、動き出しの3手に絞ります。

1. 住宅課支援係(042-335-4458)に電話して、マンションアドバイザー制度利用助成事業の使い方を確認する

管理アドバイザーでも建替え・改修アドバイザーでも、派遣料の全額または半額が助成されます。東京都への申込みより前に、市への助成金交付申請が必要な点だけ押さえてください。

2. 自分の建物が旧耐震基準(昭和56年5月31日以前に建築確認)に該当するか確認する

該当すれば、耐震アドバイザー派遣は1回5万円まで5回無料、耐震診断(上限200万円)・補強設計(上限200万円)の助成対象になり得ます。工事費自体の助成はない前提で資金計画も並行して考えておいてください。

3. 東京都のマンション管理士無料派遣(防災力向上・認知症対応)を理事会の議題に載せる

受付は令和9年2月26日までです。多摩川と府中崖線を抱える府中市だからこそ、防災の切り口で専門家に相談できる機会を費用ゼロで確保しておく価値があります。


府中市は、1900年以上の歴史を持つ武蔵国総社・大國魂神社の門前町であり、5月の「くらやみ祭」には市内外から多くの人が訪れます。東京競馬場を擁する「競馬のまち」でもあり、京王線・JR南武線・JR武蔵野線が交わる交通の結節点として、単身世帯からファミリー層まで幅広い住民層を抱えています。市域には昭和40年代〜50年代に建てられた分譲マンションと、府中本町・分倍河原周辺の再開発で生まれた比較的新しいマンションが混在しており、建物ごとに抱える課題の幅も広いのが特徴です。だからこそ、「よそのマンションがこうしたから」ではなく、自分の建物の構造と築年、そして立地のリスクを自分たちで把握することが効いてきます。

そして、その第一歩にかかるお金は、府中市の場合ほとんどゼロに近づけられます。市のアドバイザー派遣、耐震診断助成、弁護士、登記相談、消費生活センター。これだけ使っても、支出は郵送代と電話代くらいのものです。

私は現場でこう思うことがあります。管理組合が損をするのは、悪い業者に当たったときよりも、相談しないまま時間だけが過ぎたときのほうがずっと多い、と。外壁のタイルの浮きも、防水の切れも、待っていて良くなることはありません。

明誠のこれまでの明誠の施工事例もあわせてご覧いただければ、実際にどんな建物でどんな判断をしてきたかが伝わると思います。マンション・ビルの管理組合さまはマンション管理組合さま向けサービスのご案内もご参照ください。株式会社明誠がどのような理念で大規模修繕に向き合っているかは、明誠の理念にまとめています。ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。


出典・参考資料


本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月27日時点で公表されている東京都府中市および国土交通省・東京都の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず東京都府中市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。なお「マンション管理状況届出制度」(2025年3月12日更新)と「マンションの管理計画認定制度」(2026年3月6日更新)は前年度時点のページですが、いずれも要件・基準が年度で変わりにくい制度であり、東京都マンションポータルサイト・国土交通省の最新ページでも制度の骨格に変更がないことを確認しています。助成の受付枠・予算残額等の細部は申込時に住宅課へ再度ご確認ください。


この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)

株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市

マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年9月27日

調布市の管理組合が無料で使える相談・派遣18選|マンション管理士・建築士のアドバイザー派遣は1マンション3回まで無料、耐震改修工事は上限2,000万円を助成【令和8年度版】

2026年9月27日 更新

先日、調布駅から歩いて15分ほどの分譲マンションの理事さまから、こんなご相談をいただきました。

「築43年、5階建て・36戸の建物で、外壁のタイルが数枚落下したのをきっかけに理事会で調べたら、長期修繕計画が12年前に管理会社が作ったきりだった。次の大規模修繕をこのまま今の管理会社任せで進めていいのか、一度第三者に見てもらいたいが、どこに頼めばいいのか分からない」

伺うと、竣工が昭和56年よりわずかに前で、旧耐震基準に該当する可能性がある建物でした。耐震診断すら受けたことがなく、理事会では「うちは大丈夫」という空気と「本当に大丈夫か」という不安が半々だったそうです。

私はこの手のご相談を受けるたびに思うことがあります。調布市の管理組合には、実は費用をかけずに使える専門家派遣や助成制度がかなり揃っているのに、その情報が理事会まで届いていない、と。調布市には分譲マンション管理アドバイザー派遣事業という仕組みがあり、マンション管理士や一級建築士を1マンションにつき3回まで無料で派遣してもらえます。さらに旧耐震基準の建物であれば、耐震診断は上限100万円、補強設計は上限200万円、耐震改修工事は最大2,000万円まで市の助成を受けられます。

申し遅れました。私は株式会社明誠の本間幸紘と申します。東京都東大和市を拠点に、20年近くマンション・ビル・ホテルの外壁の仕事をしてきました。足場を組んで建物をすっぽり囲う工事も、ロープ1本でぶら下がる無足場の工事も、両方できる会社は実はそう多くありません。今日は工事の話の前に、調布市の管理組合が今すぐ使える「お金をかけない相談先」を整理してお伝えします。


結論:調布市で使える支援は18ある

先に一覧でお示しします。費用ゼロのものと、費用の大半(または全額)が助成で戻るものを分けて並べました。

# 制度・窓口 誰が対応するか 費用 申込先
1 分譲マンション管理アドバイザー派遣事業(調布市) マンション管理士・一級建築士等 無料(1マンション3回まで) 都市整備部住宅課 042-481-7545
2 耐震診断(調布市) - 上限100万円 住宅課 042-481-7545
3 補強設計(調布市) - 上限200万円 住宅課 042-481-7545
4 耐震改修・建替え・除却(調布市) - 1,000㎡以上は1/3、未満は23%(上限2,000万円) 住宅課 042-481-7545
5 工事監理(調布市) - 上限200万円 住宅課 042-481-7545
6 マンション管理状況届出制度(調布市) - 届出無料 住宅課 042-481-7545
7 マンションの管理計画認定制度(調布市) - 市への申請手数料無料 (公財)マンション管理センター オンラインシステム
8 マンション再生事業(円滑化法・調布市) 市長認可・助言 手続関与は無料 住宅課 042-481-7545
9 住まいの相談窓口週間(調布市) マンション管理士等 無料(要予約) 住宅課専用フォーム・電話
10 東京都 分譲マンション専門相談(市経由) 弁護士・一級建築士 無料(要予約・市経由) 住宅課 042-481-7545
11 法律相談(調布市) 弁護士 無料(火・金・第2土曜) 042-481-7032
12 消費生活相談(調布市消費生活センター) 消費生活相談員 無料 042-481-7034
13 東京都マンションアドバイザー無料派遣(管理状況届出制度) マンション管理士等 無料(1回、管理不全兆候ありは5回まで) 東京都防災・建築まちづくりセンター 03-5466-2103
14 分譲マンション向けマンション管理士無料派遣(防災力向上・認知症対応) マンション管理士 無料(各テーマ2回まで) 東京都住宅政策本部マンション課 03-5320-5004
15 東京都 分譲マンション総合相談窓口 都職員・専門相談員 無料 03-6427-4900
16 (公財)マンション管理センター 電話相談 専門相談員 無料 運営03-3222-1517/設備03-3222-1519
17 すまいるダイヤル 建築士資格者 無料 0570-016-100
18 一般社団法人マンション管理業協会 相談窓口 専門相談員 無料 050-3733-8982

1〜18が、費用のかからない、あるいは費用の大半・全額が戻る相談・助成です。調布市の特徴は、マンション管理士と一級建築士のどちらも同じ窓口(分譲マンション管理アドバイザー派遣事業)から1マンション3回まで無料で呼べる点と、耐震診断から改修工事・除却まで一気通貫で助成が組まれている点です。順番に見ていきます。


マンション管理士も建築士も、1マンション3回まで無料で呼べる

1. 分譲マンション管理アドバイザー派遣事業

調布市内にある分譲マンションの管理組合、または管理組合が未設置の場合は区分所有者全員の同意で選任された代表者が対象です。マンション管理士や一級建築士などの有資格者がアドバイザーとして派遣され、費用は無料(利用辞退後のキャンセル料は対象外)です。

項目 内容
対象 調布市内の分譲マンション管理組合、管理組合設立準備の代表者
派遣する専門家 マンション管理士、一級建築士等の有資格者
費用 無料
派遣回数 1つのマンションにつき3回まで(1回1コース)
受付期間 令和8年4月1日〜12月28日
申込方法 派遣希望日の30日前までに申請書を住宅課へ提出
申込先 調布市都市整備部住宅課 042-481-7545

(出典:調布市「分譲マンション管理アドバイザー派遣事業」、更新日2026年9月4日)

私はいつも理事長さまに「管理会社の見立てを疑う前に、まず第三者の目を無料で入れてください」とお伝えしています。管理会社を通さずに市の制度で専門家を呼べるので、今の管理体制のセカンドオピニオンとして使いやすい制度です。相談内容は大規模修繕の進め方、長期修繕計画の見直し、管理規約の改定など幅広く対応してもらえます。年度内の受付枠には限りがあるため、12月28日という期限を待たずに早めに動くことをおすすめします。


耐震診断から改修・除却まで、調布市は「上限2,000万円」で一気通貫

調布市の分譲マンション耐震化促進事業は、診断から改修・建替え・除却まで一連の流れで助成が組まれているのが特徴です。対象は、昭和56年5月31日以前に建築基準法に基づく建築確認を受け、工事に着手した鉄筋コンクリート造・鉄骨造・鉄骨鉄筋コンクリート造で、地上3階以上、耐火または準耐火建築物、2戸以上の区分所有者がいる共同住宅です。

2. 耐震診断(調布市)

項目 内容
助成額 実支出額または助成対象限度額のいずれか低い額
上限額 100万円
申込先 住宅課 042-481-7545

3. 補強設計(調布市)

項目 内容
助成額 実支出額または助成対象限度額のいずれか低い額
上限額 200万円
申込先 住宅課 042-481-7545

4. 耐震改修・建替え・除却(調布市)

項目 助成率 上限額
延床面積1,000㎡以上 実支出額の1/3 2,000万円
延床面積1,000㎡未満 実支出額の23% 2,000万円

5. 工事監理(調布市)

項目 内容
助成額 実支出額
上限額 200万円
申込先 住宅課 042-481-7545

(出典:調布市「分譲マンション耐震化促進事業」、更新日2026年4月16日)

耐震診断だけでも100万円まで戻り、改修まで進めば上限2,000万円という規模です。私の経験上、理事会で最初につまずくのは「うちの建物がいつ建築確認を受けたか分からない」という段階です。まずは登記簿謄本か建築確認済証で竣工年月を確認し、住宅課(042-481-7545)に伝えるところから始めてください。

外壁や躯体の劣化状況を客観的に把握する方法としては、足場を組まずに近接目視できるロープアクセス工法という選択肢もあります。仮設足場だと10階建て・外周80m・工期3ヶ月クラスの現場で足場費だけで168万円ほどかかることもありますが、ロープアクセスなら59万円程度に収まるケースもあり、その差額(約109万円)を耐震診断や改修設計の自己負担分に回すという考え方もできます(実際の金額は建物の形状・立地により大きく変動しますので、あくまで目安としてご参考ください)。株式会社明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけており、ロープアクセス工法での高所作業では過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。工法そのものの技術的な仕組みや訓練基準を詳しく知りたい建設業の方は、姉妹サイトロープアクセスドットコムで解説しています。


管理計画認定制度・管理状況届出制度・マンション再生事業

6. マンション管理状況届出制度(調布市)

昭和58年12月31日以前に建築された、居住の用に供する独立部分が6戸以上あるマンションが対象です。管理組合は5年ごとに届出内容の更新が必要で、連絡窓口の変更など内容に変更があった場合は変更届の提出が求められます。届出方法はインターネットシステムまたは郵送・持参です。

(出典:調布市「マンション管理状況届出制度」)

この届出が受理されると、後述する東京都マンションアドバイザーの無料派遣を受けられるようになります。届出そのものは義務であり支援制度ではありませんが、その先にある無料派遣につながる入り口として押さえておく価値があります。

7. マンションの管理計画認定制度(調布市)

調布市の認定基準は、市独自の上乗せ基準を設けておらず、国が定める基準と同じです。市への認定申請手数料は無料ですが、申請前に(公財)マンション管理センターの「管理計画認定手続支援サービス」で事前確認を受ける必要があり、この事前確認には別途システム利用料がかかります。市への申請自体は電子申請で行います。

(出典:調布市「マンションの管理計画認定制度」、東京都マンションポータルサイト「マンション管理計画認定制度」、国土交通省「マンション管理計画認定制度」)

参考までに、東京都への手数料はオンライン申請で長期修繕計画1つあたり4,100円、マンション管理センターの事前確認には別途2万円程度の利用料がかかります。市の手数料が無料であっても、事前確認費用は自己負担になる点は理事会で共有しておいてください。認定を受けると、住宅金融支援機構のフラット35やマンション共用部分リフォーム融資で金利優遇が受けられるほか、一定要件を満たせばマンション長寿命化促進税制による固定資産税の減額対象にもなります。

8. マンション再生事業(円滑化法・調布市)

「マンションの再生等の円滑化に関する法律」に基づく制度で、区分所有者5人以上が共同して定款・事業計画を作成し、市長の認可を受けて実施する「マンション再生組合」による事業と、全員合意で進める「個人施行者」による事業の2形態があります。市長は事業の円滑な施行のために報告徴収や勧告・助言・援助を行える立場にあります。

(出典:調布市「マンションの再生等の円滑化に関する法律に基づくマンション再生事業」、更新日2026年4月1日)

建替えや大規模な再生を検討する段階になった管理組合にとっては、直接の金銭的支援ではなくても、市が手続の相談に乗ってくれる公的な枠組みがあることは心強い材料です。


弁護士無料相談・消費生活相談:滞納やトラブルへの備え

11. 法律相談(調布市)

項目 内容
開催頻度 毎週火曜日・金曜日 午後1時〜5時、毎月第2土曜日 午前9時〜午後1時
相談時間 30分
対象 調布市内在住・在勤・在学の方
予約方法 窓口・電話・オンライン(相談日の28日前午前9時から受付開始)
予約先 042-481-7032
費用 無料

(出典:調布市「法律相談」、更新日2026年8月20日)

管理費・修繕積立金の滞納対応、区分所有者間のトラブル、規約違反への対応など、法的な整理が必要な場面で使えます。オンライン予約は相談日前日の午後5時で締め切られるため、早めの予約をおすすめします。

12. 消費生活相談(調布市消費生活センター)

項目 内容
電話相談 平日午前9時〜正午、午後1時〜3時30分/第2土曜日午前9時〜正午
来所相談 平日午前9時〜正午、午後1時〜3時(予約制)
対象 市内在住・在勤・在学の方
電話番号 042-481-7034
費用 無料(通話料は相談者負担)

(出典:調布市消費生活センター、更新日2026年4月27日)

事業者との取引トラブルの相談・あっせんが基本業務です。大規模修繕の契約や訪問販売的な勧誘トラブルなど「事業者との取引」に関わる相談で力を発揮します。管理費滞納や区分所有者間トラブルの法的対応は、11の法律相談と組み合わせて検討するのが現実的です。


自治体のセミナー・相談会:住まいの相談窓口週間と分譲マンション専門相談

9. 住まいの相談窓口週間(調布市)

項目 内容
開催時期 奇数月(5・7・9・11・1・3月)の第2週または第3週、年6回
相談内容 住宅リフォーム、分譲マンション管理、空き家対応
相談時間帯 午後1時30分/2時30分/3時30分のいずれか
相談員 工事業者、マンション管理士、空家・空地管理士など
予約方法 専用申込フォーム・メール・電話(開催月の前月20日から受付)
費用 無料

(出典:調布市「住まいの相談窓口週間」、更新日2026年9月9日)

マンション管理を単独のテーマとして相談できるだけでなく、リフォームや空き家といった隣接テーマの専門家と同じ枠組みで相談できるのが調布市らしいところです。理事会単独では判断しづらい修繕範囲の線引きなどを、複数分野の視点から整理したいときに向いています。

10. 東京都 分譲マンション専門相談(市経由)

東京都が実施する、弁護士と一級建築士による分譲マンション専門の相談です。弁護士相談は月3回、一級建築士相談は月1回、いずれも午後1時から3時まで、1件あたり約20分の完全予約制です。調布市を経由した申込みが必要で、相談日の5開庁日前までに市役所7階の住宅課へ連絡します。

(出典:調布市「東京都 分譲マンション専門相談」、更新日2026年9月2日)

「弁護士に聞くべきか、建築士に聞くべきか分からない」という初期段階の相談ほど、この窓口が向いています。技術的な工法の違いをもう少し詳しく知りたい方は、私たちが同業者向けに書いている姉妹サイトロープアクセスドットコムのほうが専門的にまとまっています。


都道府県・国の相談窓口を重ねて使う

市の制度だけで手一杯にならなくても大丈夫です。東京都・国レベルの窓口も無料で使えます。

13. 東京都マンションアドバイザー無料派遣(管理状況届出制度)

昭和58年12月31日以前に新築された、独立部分6戸以上の分譲マンションで、管理状況届出が受理された管理組合が対象です。通常1回まで、管理不全の兆候があるマンションは5回まで無料で派遣を受けられます。

(出典:東京都防災・建築まちづくりセンター「マンションアドバイザー無料派遣」)

14. 分譲マンション向けマンション管理士無料派遣(防災力向上・認知症対応)

令和8年度に東京都が実施している制度で、防災力向上・区分所有者の高齢化や認知症対応というテーマに特化してマンション管理士を無料派遣します。受付期間は令和8年6月23日から令和9年2月26日まで、過去年度の利用回数も含めて各テーマ2回まで無料です。

(出典:東京都マンションポータルサイト「分譲マンション向けマンション管理士無料派遣」)

調布市は野川や仙川、多摩川に近い住宅都市でもあります。地震だけでなく水害リスクにも目を向けた備蓄計画や避難動線づくりを、この制度を使って専門家と一緒に整理しておくと安心です。

15〜18. その他の都道府県・国の相談窓口

# 窓口 電話番号
15 東京都 分譲マンション総合相談窓口 03-6427-4900
16 (公財)マンション管理センター 電話相談 運営03-3222-1517/設備03-3222-1519
17 すまいるダイヤル 0570-016-100
18 一般社団法人マンション管理業協会 相談窓口 050-3733-8982

(出典:東京都マンションポータルサイト「分譲マンション総合相談窓口」、(公財)マンション管理センター「相談窓口について」、一般社団法人マンション管理業協会「相談業務」)

資力の乏しい方向けには、法テラス・サポートダイヤル(0570-078374、平日9時〜21時・土曜9時〜17時)を通じた無料法律相談や弁護士費用の立替え制度もあります(資力要件あり)。市の窓口、都の窓口、国レベルの窓口は、同じ悩みでも切り口を変えて重ねて使えます。私はよく「1つの窓口で満足せず、少なくとも2つは意見を聞いてから判断してください」とお伝えしています。


何を持っていけばいいか:相談前に揃えたい3点セット

どの窓口に行くにしても、手ぶらで行くと専門家も的確なアドバイスがしづらくなります。私がいつもお伝えしているのは、次の3点です。

1. 総会議事録(直近2〜3年分)

管理組合としての意思決定の経緯がわかる資料です。過去にどんな議論があったかを把握してもらうことで、相談時間を有効に使えます。

2. 長期修繕計画書

現在の修繕積立金の水準が、今後の工事に対して足りているかどうかを判断する基礎資料です。作成年が古い場合は、その旨を正直に伝えてください。

3. 管理規約

区分所有者間のルールがわかる資料です。滞納対応や違反行為への対応を相談する際には必須です。

この3点があれば、マンション管理士でも、建築士でも、弁護士でも、初回の相談だけでかなり具体的な話ができます。


よくあるご質問

Q. 分譲マンション管理アドバイザー派遣事業は、本当に何度でも無料ですか?

A. 1つのマンションにつき3回まで(1回1コース)無料です。受付期間は令和8年4月1日から12月28日までなので、年度末に慌てないよう早めの申請をおすすめします。

Q. うちのマンションが旧耐震か新耐震か分かりません。どこに聞けばいいですか?

A. まずは住宅課(042-481-7545)に、建築確認を受けた年月日を伝えて確認するのが早道です。昭和56年5月31日以前に建築確認を受けていれば、耐震診断(上限100万円)・補強設計(上限200万円)の助成対象になり得ます。

Q. マンション管理アドバイザー派遣と東京都の分譲マンション専門相談はどう違いますか?

A. 前者は調布市の制度で、マンション管理士・一級建築士を1マンション3回まで無料で派遣してもらえます。後者は東京都の制度で、弁護士・一級建築士による20分程度の個別相談を市経由で申し込む形です。相談内容の深さや継続性で使い分けてください。

Q. マンション管理計画認定制度を調布市に直接申請できますか?

A. 市への手数料自体は無料ですが、申請前に(公財)マンション管理センターの管理計画認定手続支援サービスで事前確認を受ける必要があり、この事前確認には別途費用がかかります。市への申請は電子申請で行います。

Q. 法律相談は調布市民でなくても利用できますか?

A. 調布市の法律相談窓口は、調布市内在住・在勤・在学の方が対象です。それ以外の区分所有者の場合は、法テラスや(公財)マンション管理センターの電話相談など、居住地を問わない窓口をご利用ください。

Q. 大規模修繕の工期は、工法によってどれくらい違いますか?

A. ロープアクセス工法は足場の組立・解体の期間がまるごと不要になるため、足場工法のおよそ60%の工期が目安です。10階建て・外周80mのマンションであれば、足場工法で3か月程度のところ、ロープアクセスなら1.5〜2か月程度になります。ただし改修範囲が広い場合は差が縮まります。

Q. 管理会社を通さずに、明誠に直接相談してもいいのでしょうか?

A. もちろんです。セカンドオピニオンとしてお使いいただくケースが一番多いです。既存の見積書を拝見して、数量と単価の妥当性を一緒に確認するだけでも結構です。お問合せフォームからご連絡ください。


まとめ:今週、調布市の管理組合が動けること3つ

長くなりましたので、動き出しの3手に絞ります。

1. 住宅課(042-481-7545)に電話して、分譲マンション管理アドバイザー派遣事業の空き枠を確認する

マンション管理士でも一級建築士でも、1マンション3回まで無料で呼べます。受付は12月28日までです。

2. 自分の建物が旧耐震基準(昭和56年5月31日以前に建築確認)に該当するか確認する

該当すれば、耐震診断(上限100万円)・補強設計(上限200万円)、改修工事は上限2,000万円までの助成対象になります。

3. 東京都のマンション管理士無料派遣(防災力向上・認知症対応)を理事会の議題に載せる

受付は令和9年2月26日まで。調布市は野川・仙川・多摩川に近い住宅都市だからこそ、防災の切り口で専門家に相談できる機会を無料で確保しておく価値があります。


調布市は、深大寺そばと深大寺だるま市で知られる古刹の門前町であり、味の素スタジアムを本拠地とするFC東京・東京ヴェルディの試合日には駅前が一気ににぎわう街でもあります。角川大映スタジオや日活撮影所が今も稼働する「映画のまち」であり、電気通信大学のキャンパスも構えるなど、住宅地としての落ち着きと文化的な厚みを併せ持つ多摩地域の中核都市です。京王線沿線を中心に、昭和40年代〜50年代に建てられた分譲マンションと、比較的新しいファミリー向けマンションが混在しており、建物ごとに抱える課題の幅も広いのが特徴です。だからこそ、「よそのマンションがこうしたから」ではなく、自分の建物の構造と築年、そして立地のリスクを自分たちで把握することが効いてきます。

そして、その第一歩にかかるお金は、調布市の場合ほとんどゼロにできます。市のアドバイザー派遣、耐震診断助成、弁護士、消費生活センター。これだけ使っても、支出は郵送代と電話代くらいのものです。

私は現場でこう思うことがあります。管理組合が損をするのは、悪い業者に当たったときよりも、相談しないまま時間だけが過ぎたときのほうがずっと多い、と。外壁のタイルの浮きも、防水の切れも、待っていて良くなることはありません。

明誠のこれまでの明誠の施工事例もあわせてご覧いただければ、実際にどんな建物でどんな判断をしてきたかが伝わると思います。マンション・ビルの管理組合さまはマンション管理組合さま向けサービスのご案内もご参照ください。株式会社明誠がどのような理念で大規模修繕に向き合っているかは、明誠の理念にまとめています。ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。


出典・参考資料


本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月27日時点で公表されている東京都調布市および国土交通省・東京都の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず東京都調布市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。なお「マンションの管理計画認定制度」の調布市ページの最終更新日は2023年7月5日ですが、市に独自基準がなく国の基準をそのまま適用する制度である旨は東京都マンションポータルサイト・国土交通省の最新ページでも確認しています。年度予算の残額・受付枠等の細部は申込時に住宅課へ再度ご確認ください。


この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)

株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市

マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年9月27日

三鷹市の管理組合が無料で使える相談・派遣17選|耐震アドバイザー派遣は1回5万円×5回まで無料、耐震改修工事は上限2,000万円を助成【令和8年度版】

2026年9月26日 更新

先日、三鷹駅の南口から歩いて10分ほどの分譲マンションの理事長さまから、こんなご相談をいただきました。

「築38年、6階建て・42戸の建物で、そろそろ2回目の大規模修繕を検討しないといけない。ただ、1回目の修繕でお願いした業者にそのまま頼んでいいのか、それとも一度第三者に見てもらうべきなのか、理事会だけでは決められない」

伺うと、竣工が昭和60年前後で、新耐震基準にはぎりぎり乗っているものの、長期修繕計画は約8年前に管理会社が作成したまま、専門家の見直しを一度も受けていない状態でした。

私はこの手のご相談を受けるたびに思うことがあります。三鷹市の管理組合には、実は費用をかけずに使える専門家派遣や助成制度がかなり揃っているのに、その情報が理事会まで届いていない、と。三鷹市にはマンションアドバイザー制度利用助成という仕組みがあり、東京都のアドバイザー派遣を受ける際の料金を市が全額助成してくれます。さらに旧耐震基準の建物であれば、耐震診断・補強設計は費用の3分の2(上限200万円)、耐震改修工事は最大2,000万円まで市の助成を受けられます。

申し遅れました。私は株式会社明誠の本間幸紘と申します。東京都東大和市を拠点に、20年近くマンション・ビル・ホテルの外壁の仕事をしてきました。足場を組んで建物をすっぽり囲う工事も、ロープ1本でぶら下がる無足場の工事も、両方できる会社は実はそう多くありません。今日は工事の話の前に、三鷹市の管理組合が今すぐ使える「お金をかけない相談先」を整理してお伝えします。


結論:三鷹市で使える支援は17ある

先に一覧でお示しします。費用ゼロのものと、費用の大半(または全額)が助成で戻るものを分けて並べました。

# 制度・窓口 誰が対応するか 費用 申込先
1 マンションアドバイザー制度利用助成(三鷹市) 建築士・マンション管理士等 派遣料金の全額を助成(年度内2講座まで) 都市再生部住宅政策課 0422-29-9704
2 耐震アドバイザー派遣(三鷹市) 耐震アドバイザー 全額助成(1回5万円まで、5回まで) 住宅政策課 0422-29-9704
3 耐震診断(三鷹市) - 3分の2助成(上限200万円) 住宅政策課 0422-29-9704
4 補強設計(三鷹市) - 3分の2助成(上限200万円) 住宅政策課 0422-29-9704
5 耐震改修工事(三鷹市) - 23%または3分の1助成(上限2,000万円) 住宅政策課 0422-29-9704
6 マンション管理計画認定制度(三鷹市) - 市への申請手数料無料 (公財)マンション管理センター オンラインシステム
7 マンション管理状況届出制度(三鷹市) - 届出無料 住宅政策課 0422-29-9704
8 分譲マンション維持管理セミナー・相談会(三鷹市) 講師・専門家 無料(要予約) 住宅政策課 0422-29-9704
9 法律相談(三鷹市) 弁護士 無料(月火水金・要予約) 相談・情報課 0422-44-6600
10 不動産・住居相談(三鷹市) 不動産関連の専門家 無料(奇数月第1月曜・要予約) 相談・情報課 0422-44-6600
11 消費者相談窓口(三鷹市消費者活動センター) 消費生活相談員 無料 0422-47-9042
12 東京都マンションアドバイザー無料派遣(管理状況届出制度) マンション管理士等 無料(1回、管理不全兆候ありは5回まで) 東京都防災・建築まちづくりセンター 03-5466-2103
13 分譲マンション向けマンション管理士無料派遣(防災力向上・認知症対応) マンション管理士 無料(各テーマ2回まで) 東京都住宅政策本部マンション課 03-5320-5004
14 東京都 分譲マンション総合相談窓口 都職員・専門相談員 無料 03-6427-4900
15 (公財)マンション管理センター 電話相談 専門相談員 無料 運営03-3222-1517/設備03-3222-1519
16 すまいるダイヤル 建築士資格者 無料 0570-016-100
17 一般社団法人マンション管理業協会 相談窓口 専門相談員 無料 050-3733-8982

1〜17が、費用のかからない、あるいは費用の大半・全額が戻る相談・助成です。三鷹市の特徴は、武蔵野市のように市が直接マンション管理士を無料派遣する制度ではなく、東京都のアドバイザー派遣制度を利用したときの費用を三鷹市が助成するという二段構えになっている点です。順番に見ていきます。


マンションアドバイザー制度は「東京都の派遣を三鷹市が全額助成」という二段構え

1. マンションアドバイザー制度利用助成

三鷹市内の分譲マンションの管理組合、または管理組合設立準備団体が対象です。東京都防災・建築まちづくりセンターが実施する「マンション管理アドバイザー制度」「マンション建替え・改修アドバイザー制度」を利用した際の派遣料金を、三鷹市が助成します。

項目 内容
対象 三鷹市内の分譲マンション管理組合、管理組合設立準備団体
助成対象 管理組合:すべての講座/設立準備団体:Aコースのみ
助成額 派遣料金の全額(消費税込)
助成回数 管理組合は各コース同一年度内2講座まで(建替え・改修Bコースは1講座まで)/設立準備団体はAコース同一年度内2講座まで
申込方法 アドバイザー派遣を受けたのち、市役所本庁舎5階52番窓口(住宅政策課)へ申請
申込先 都市再生部住宅政策課 0422-29-9704

(出典:三鷹市「マンションアドバイザー制度利用助成のご案内」、更新日2026年3月25日)

私はいつも理事長さまに「まずは電話で予算の残額を確認してから申し込んでください」とお伝えしています。この助成は年度予算の範囲内で運用されており、予算枠に達すると年度途中でも受付が終了する仕組みだからです。派遣料金そのものの目安は東京都防災・建築まちづくりセンター側で決まっており、管理アドバイザー派遣は1講座あたり1万円台、建替え・改修アドバイザー派遣(Bコース)は1回あたり20万円台の実例が案内されています。これがまるごと戻ってくると考えると、使わない理由はありません。

8. 分譲マンション維持管理セミナー・相談会

三鷹市が毎年秋ごろに開催している、管理組合向けの講演会と個別相談会です。

項目 内容
テーマ 「築10年・20年・30年で差がつくマンション管理」
開催日 令和8年10月18日(日)10時〜12時10分
会場 三鷹産業プラザ 701・702号会議室
個別相談 希望者は10月14日までに要申込・先着順
費用 無料
申込先 住宅政策課 0422-29-9704/jutaku@city.mitaka.lg.jp

(出典:三鷹市「分譲マンションの維持管理」)

築年数ごとに直面する課題が変わる、という視点で組まれている点が実務的です。長期修繕計画をまだ一度も見直していない管理組合ほど、こうした場で他の組合の悩みを聞くことが最初の一歩になります。技術的な工法の違いをもう少し詳しく知りたい方は、私たちが同業者向けに書いている姉妹サイトロープアクセスドットコムのほうが専門的にまとまっています。


耐震アドバイザーから改修工事まで、三鷹市は「上限2,000万円」で支える

三鷹市の分譲マンション耐震助成制度は、アドバイザー派遣から改修工事まで一気通貫で支援が組まれているのが特徴です。対象は、2以上の区分所有者がいる居住用の分譲マンションで、昭和56年5月31日以前に建築確認を受けて着工した、地上3階以上の耐火・準耐火建築物です(特定緊急輸送道路沿道建築物は別制度)。

2. 耐震アドバイザー派遣(三鷹市)

項目 内容
助成率 全額(消費税込)
上限額 1回5万円まで、5回まで(合計25万円まで)
対象 分譲マンション管理組合
申込先 住宅政策課 0422-29-9704(事前協議必須)

3・4. 耐震診断/補強設計(三鷹市)

項目 助成率 上限額
耐震診断 3分の2 200万円
補強設計(耐震改修設計) 3分の2 200万円

5. 耐震改修工事(三鷹市)

項目 助成率 上限額
耐震改修工事 延床面積1,000㎡未満は23%、1,000㎡以上は3分の1 2,000万円

(出典:三鷹市「分譲マンション耐震助成制度のご案内」、更新日2026年7月27日)

耐震診断だけでも200万円まで3分の2が戻り、改修工事まで進めば上限2,000万円という規模です。これは23区の多くの補助制度と比べても手厚い設定です。私の経験上、理事会で最初につまずくのは「うちは新耐震か旧耐震かわからない」という段階です。まずは住宅政策課(0422-29-9704)に竣工年月と確認申請の時期を伝えて、対象になるかどうかを確認するところから始めてください。

外壁や躯体の劣化状況を客観的に把握する方法としては、足場を組まずに近接目視できるロープアクセス工法という選択肢もあります。仮設足場だと10階建て・外周80m・工期3ヶ月クラスの現場で足場費だけで168万円ほどかかることもありますが、ロープアクセスなら59万円程度に収まるケースもあり、その差額(約109万円)を耐震診断や改修設計の自己負担分に回すという考え方もできます(実際の金額は建物の形状・立地により大きく変動しますので、あくまで目安としてご参考ください)。株式会社明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけており、ロープアクセス工法での高所作業では過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。工法そのものの技術的な仕組みや訓練基準を詳しく知りたい建設業の方は、姉妹サイトロープアクセスドットコムで解説しています。


マンション管理計画認定制度と管理状況届出制度

6. マンション管理計画認定制度(三鷹市)

三鷹市の認定基準は、国土交通省の「マンション管理適正化指針」と同一で、市独自の上乗せ基準はありません。市への認定申請手数料は無料ですが、申請は三鷹市への直接・書面での受付は行っておらず、(公財)マンション管理センターが運営するオンラインシステム「管理計画認定手続支援サービス」を経由します。申請前にマンション管理士による事前確認を受け、「事前確認適合証」を取得することが必須です。

(出典:三鷹市「マンション管理計画認定制度」、更新日2026年6月16日、国土交通省「マンション管理計画認定制度」)

認定を受けると、住宅金融支援機構のフラット35やマンション共用部分リフォーム融資で金利優遇が受けられるほか、一定要件を満たせばマンション長寿命化促進税制による固定資産税の減額対象にもなります。長期修繕計画の水準を客観的に確認する良い機会にもなるので、大規模修繕の計画づくりと合わせて検討する管理組合が増えています。

7. マンション管理状況届出制度(三鷹市)

昭和58年12月31日以前に新築された、居住用の独立部分が6戸以上ある分譲マンション(賃貸マンションは対象外)が対象です。建物の老朽化と区分所有者の高齢化が同時に進む課題に対応するため、東京都が導入した制度で、三鷹市では令和2年4月1日から届出が始まっています。

(出典:三鷹市「マンション管理状況届出制度」、更新日2025年10月17日)

届出をすると、管理不全の兆候があるマンションについては、後述する東京都マンションアドバイザーの無料派遣を最大5回まで受けられるようになります。届出そのものは義務であり支援制度ではありませんが、その先にある無料派遣につながる入り口として押さえておく価値があります。


弁護士無料相談・消費生活相談:滞納やトラブルへの備え

9. 法律相談(三鷹市)

項目 内容
開催頻度 月曜日・火曜日・水曜日・金曜日
相談時間 午後1時30分〜午後4時(30分×1日4枠)
対象 三鷹市に在住・在勤・在学のかた
予約先 相談・情報課 0422-44-6600

(出典:三鷹市「法律相談(要予約)」)

管理費・修繕積立金の滞納対応、区分所有者間のトラブル、規約違反への対応など、法的な整理が必要な場面で使えます。枠数が1日4枠と限られているため、早めの予約をおすすめします。

10. 不動産・住居相談(三鷹市)

項目 内容
開催頻度 奇数月・第1月曜日(祝日・年末年始を除く)
相談時間 午後1時30分〜午後4時(30分×1日5枠)
対象 三鷹市に在住・在勤・在学のかた
予約先 相談・情報課 0422-44-6600

(出典:三鷹市「不動産・住居相談(要予約)」)

不動産の権利関係や賃貸借、住み替えなど幅広く相談できる窓口です。マンションの区分所有権や管理規約に関する疑問を、弁護士相談とは別の角度から相談したいときに向いています。

11. 消費者相談窓口(三鷹市消費者活動センター)

項目 内容
相談時間 平日午前10時〜正午、午後1時〜午後4時
対象 三鷹市に在住・在勤・在学のかた
電話番号 0422-47-9042

(出典:三鷹市「消費者相談窓口のご案内」、更新日2025年7月1日)

事業者との取引トラブルの相談・あっせんが基本業務です。大規模修繕の契約や訪問販売的な勧誘トラブルなど「事業者との取引」に関わる相談で力を発揮します。管理費滞納や区分所有者間トラブルの法的対応は、9の法律相談と組み合わせて検討するのが現実的です。


都道府県・国の相談窓口を重ねて使う

市の制度だけで手一杯にならなくても大丈夫です。東京都・国レベルの窓口も無料で使えます。

12. 東京都マンションアドバイザー無料派遣(管理状況届出制度)

昭和58年12月31日以前に新築された、独立部分6戸以上の分譲マンションで、管理状況届出が受理された管理組合が対象です。通常1回まで、管理不全の兆候があるマンションは5回まで無料で派遣を受けられます。

(出典:東京都防災・建築まちづくりセンター「マンションアドバイザー無料派遣」)

13. 分譲マンション向けマンション管理士無料派遣(防災力向上・認知症対応)

令和8年度に東京都が実施している制度で、防災力向上・区分所有者の高齢化や認知症対応というテーマに特化してマンション管理士を無料派遣します。受付期間は令和8年6月23日から令和9年2月26日まで、各テーマ2回まで無料です。

(出典:東京都マンションポータルサイト「分譲マンション向けマンション管理士無料派遣」)

三鷹市は野川や仙川など中小河川が流れる住宅都市でもあります。地震だけでなく水害リスクにも目を向けた備蓄計画や避難動線づくりを、この制度を使って専門家と一緒に整理しておくと安心です。

14〜17. その他の都道府県・国の相談窓口

# 窓口 電話番号
14 東京都 分譲マンション総合相談窓口 03-6427-4900
15 (公財)マンション管理センター 電話相談 運営03-3222-1517/設備03-3222-1519
16 すまいるダイヤル 0570-016-100
17 一般社団法人マンション管理業協会 相談窓口 050-3733-8982

(出典:東京都マンションポータルサイト「分譲マンション総合相談窓口」、(公財)マンション管理センター「相談窓口について」、一般社団法人マンション管理業協会「相談業務」)

資力の乏しい方向けには、法テラスの無料法律相談や弁護士費用の立替え制度もあります(資力要件あり)。市の窓口、都の窓口、国レベルの窓口は、同じ悩みでも切り口を変えて重ねて使えます。私はよく「1つの窓口で満足せず、少なくとも2つは意見を聞いてから判断してください」とお伝えしています。


何を持っていけばいいか:相談前に揃えたい3点セット

どの窓口に行くにしても、手ぶらで行くと専門家も的確なアドバイスがしづらくなります。私がいつもお伝えしているのは、次の3点です。

1. 総会議事録(直近2〜3年分)

管理組合としての意思決定の経緯がわかる資料です。過去にどんな議論があったかを把握してもらうことで、相談時間を有効に使えます。

2. 長期修繕計画書

現在の修繕積立金の水準が、今後の工事に対して足りているかどうかを判断する基礎資料です。作成年が古い場合は、その旨を正直に伝えてください。

3. 管理規約

区分所有者間のルールがわかる資料です。滞納対応や違反行為への対応を相談する際には必須です。

この3点があれば、マンション管理士でも、建築士でも、弁護士でも、初回の相談だけでかなり具体的な話ができます。


よくあるご質問

Q. マンションアドバイザー制度利用助成は、本当に費用が全額戻りますか?

A. はい、東京都防災・建築まちづくりセンターが実施するアドバイザー派遣の料金全額が対象です(建替え・改修アドバイザーBコースは3分の2)。年度内の講座数に上限があるため、詳しい運用は住宅政策課(0422-29-9704)にご確認ください。

Q. うちのマンションが旧耐震か新耐震か分かりません。どこに聞けばいいですか?

A. まずは住宅政策課(0422-29-9704)に、竣工年月と確認申請の時期を伝えて確認するのが早道です。昭和56年5月31日以前に建築確認を受けていれば、耐震診断・補強設計の3分の2助成(各上限200万円)の対象になり得ます。

Q. 耐震アドバイザー派遣と一般的なマンションアドバイザー制度利用助成はどう違いますか?

A. 耐震アドバイザー派遣は耐震化に特化した相談で、1回5万円まで5回無料という上限が独自に設定されています。マンションアドバイザー制度利用助成は、大規模修繕の進め方や建替え・改修の判断など、耐震以外のテーマも含めた東京都の派遣制度全般が対象です。相談内容に応じて使い分けてください。

Q. マンション管理計画認定制度を三鷹市に直接申請できますか?

A. できません。三鷹市への直接申請・書面申請は受け付けておらず、(公財)マンション管理センターのオンラインシステム経由での申請のみとなります。市への申請手数料自体は無料ですが、事前確認の費用は別途かかります。

Q. 法律相談は三鷹市民でなくても利用できますか?

A. 三鷹市の法律相談窓口は、三鷹市に在住・在勤・在学のかたが対象です。それ以外の区分所有者の場合は、法テラスや(公財)マンション管理センターの電話相談など、居住地を問わない窓口をご利用ください。

Q. 大規模修繕の工期は、工法によってどれくらい違いますか?

A. ロープアクセス工法は足場の組立・解体の期間がまるごと不要になるため、足場工法のおよそ60%の工期が目安です。10階建て・外周80mのマンションであれば、足場工法で3か月程度のところ、ロープアクセスなら1.5〜2か月程度になります。ただし改修範囲が広い場合は差が縮まります。

Q. 管理会社を通さずに、明誠に直接相談してもいいのでしょうか?

A. もちろんです。セカンドオピニオンとしてお使いいただくケースが一番多いです。既存の見積書を拝見して、数量と単価の妥当性を一緒に確認するだけでも結構です。お問合せフォームからご連絡ください。


まとめ:今週、三鷹市の管理組合が動けること3つ

長くなりましたので、動き出しの3手に絞ります。

1. 住宅政策課(0422-29-9704)に電話して、マンションアドバイザー制度利用助成の対象講座と予算残額を確認する

大規模修繕の進め方から建替え・改修の判断まで、まずはここから相談を始められます。

2. 自分の建物が旧耐震基準(昭和56年5月31日以前に建築確認)に該当するか確認する

該当すれば、耐震診断・補強設計の費用の3分の2(各上限200万円)、改修工事は上限2,000万円までの助成対象になります。

3. 東京都のマンション管理士無料派遣(防災力向上・認知症対応)を理事会の議題に載せる

受付は令和9年2月26日まで。三鷹市は野川や仙川など水と緑が近い住宅都市だからこそ、防災の切り口で専門家に相談できる機会を無料で確保しておく価値があります。


三鷹市は、SUBARU(旧・中島飛行機/富士重工業)が研究拠点を置いてきた「ものづくりのまち」であり、三鷹の森ジブリ美術館や国際基督教大学(ICU)を擁する文教的な落ち着きも併せ持つ、多摩地域を代表する住宅都市です。JR中央線沿線の利便性から単身者向けのコンパクトなマンションと、ファミリー向けの中規模マンションが混在しており、築年数も立地も幅広いのが特徴です。だからこそ、「よそのマンションがこうしたから」ではなく、自分の建物の構造と築年、そして立地のリスクを自分たちで把握することが効いてきます。

そして、その第一歩にかかるお金は、三鷹市の場合ほとんどゼロにできます。市のアドバイザー助成、耐震アドバイザー、弁護士、消費生活センター。これだけ使っても、支出は郵送代と電話代くらいのものです。

私は現場でこう思うことがあります。管理組合が損をするのは、悪い業者に当たったときよりも、相談しないまま時間だけが過ぎたときのほうがずっと多い、と。外壁の浮きも、防水の切れも、待っていて良くなることはありません。

明誠のこれまでの明誠の施工事例もあわせてご覧いただければ、実際にどんな建物でどんな判断をしてきたかが伝わると思います。マンション・ビルの管理組合さまはマンション管理組合さま向けサービスのご案内もご参照ください。株式会社明誠がどのような理念で大規模修繕に向き合っているかは、明誠の理念にまとめています。ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。


出典・参考資料


本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月26日時点で公表されている東京都三鷹市および国土交通省・東京都の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず東京都三鷹市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。なお「マンションアドバイザー制度利用助成」のページの最終更新日は2026年3月25日(令和7年度末)ですが、三鷹市の分譲マンション対策の現行案内ページから継続して案内されている制度であることを確認しています。年度予算の残額・助成回数等の細部は申込時に住宅政策課へ再度ご確認ください。


この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)

株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市

マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年9月26日

武蔵野市の管理組合が無料で使える相談・派遣16選|分譲マンション管理アドバイザー派遣は同一組合で10回まで無料、耐震診断・改修設計は3分の2を助成【令和8年度版】

2026年9月26日 更新

先日、吉祥寺駅から歩いて15分ほどの分譲マンションの理事長さまから、こんなお話を伺いました。

「築44年、5階建て・28戸の建物で、次の大規模修繕をどう進めればいいか、理事会の中でも意見がバラバラになっている。管理会社の提案をそのまま信じていいのか、それとも第三者に見てもらうべきなのか、判断する材料がない」

伺うと、竣工が昭和57年前後で、ちょうど新耐震基準の境目にあたる建物でした。長期修繕計画は10年以上前に管理会社が作成したまま、専門家の見直しを一度も受けていなかったそうです。

私はこの手のご相談を受けるたびに思うことがあります。武蔵野市の管理組合には、実はお金をかけずに使える専門家派遣や相談窓口がかなり揃っているのに、その情報が理事会まで届いていない、と。武蔵野市は分譲マンション管理アドバイザー派遣という市独自の制度を持っていて、マンション管理士や建築士を同一の管理組合につき10回まで無料で呼べます。さらに旧耐震基準の建物なら、耐震診断・補強設計の費用の3分の2(上限200万円)まで市が助成してくれます。

申し遅れました。私は株式会社明誠の本間幸紘と申します。東京都東大和市を拠点に、20年近くマンション・ビル・ホテルの外壁の仕事をしてきました。足場を組んで建物をすっぽり囲う工事も、ロープ1本でぶら下がる無足場の工事も、両方できる会社は実はそう多くありません。今日は工事の話の前に、武蔵野市の管理組合が今すぐ使える「お金をかけない相談先」を整理してお伝えします。


結論:武蔵野市で使える支援は16ある

先に一覧でお示しします。費用ゼロのものと、費用の大半が助成で戻るものを分けて並べました。

# 制度・窓口 誰が対応するか 費用 申込先
1 分譲マンション管理アドバイザー派遣(武蔵野市) マンション管理士・建築士 無料(同一組合10回まで、1回2時間以内) 都市整備部住宅対策課 0422-60-1976
2 分譲マンション再生支援事業助成(都アドバイザー派遣費用) マンション建替え・改修アドバイザー Aコース全額助成(4回まで)/Bコース3分の2助成(上限36万円・1回) 東京都防災・建築まちづくりセンター 03-5466-2103
3 住まいのなんでも相談室(市役所) 建築士等 無料(1組50分・予約制) 住宅対策課 0422-60-1976
4 専門団体電話相談窓口(弁護士・司法書士・税理士・建築士等9団体) 各分野の専門家 無料 住宅対策課 0422-60-1976
5 すまいるダイヤル 建築士資格者 無料 0570-016-100
6 住宅・マンションの耐震化助成(耐震診断・補強設計) - 各3分の2助成(上限200万円) 住宅対策課 耐震助成等担当 0422-60-1976
7 住宅・マンションの耐震化助成(耐震改修工事) - 3分の1助成(延床面積×51,700円との低い方) 住宅対策課 耐震助成等担当 0422-60-1976
8 耐震・耐久セミナー(マンション耐震セミナー等) 専門家団体 無料 東京都耐震ポータル/NPO耐震総合安全機構
9 分譲マンション管理セミナー マンション管理士等 無料 住宅対策課 0422-60-1976
10 マンション管理計画認定制度 - 市への申請手数料無料(事前確認利用時は別途システム利用料等) 住宅対策課 耐震助成等担当 0422-60-1976
11 法律相談(市の相談窓口) 弁護士 無料(20分×1案件3回まで) 市民相談係 0422-60-1921
12 消費生活相談 消費生活相談員 無料 消費生活センター 0422-21-2971
13 東京都マンションアドバイザー無料派遣(管理状況届出制度) マンション管理士等 無料(1回、管理不全兆候ありは5回まで) 東京都防災・建築まちづくりセンター 03-5989-1453
14 分譲マンション向けマンション管理士無料派遣(防災力向上・認知症対応) マンション管理士 無料(各テーマ2回まで) 東京都住宅政策本部マンション課 03-5320-5004
15 東京都 分譲マンション総合相談窓口 都職員・専門相談員 無料 03-6427-4900
16 (公財)マンション管理センター 電話相談 専門相談員 無料 運営03-3222-1517/設備03-3222-1519

1〜16が、お金のかからない、あるいは費用の大半が戻る相談・派遣です。このうち10だけは、市への申請手数料自体は無料でもシステム利用料がかかるケースがあるので、記事の後半で別枠にしてご説明します。順番に見ていきます。


マンション管理士派遣は「市独自の10回無料」と「都のアドバイザー制度」の二重構え

武蔵野市でマンション管理士に相談したいとき、実は入り口が複数あります。ひとつは市が独自に用意している「分譲マンション管理アドバイザー派遣」。もうひとつは、東京都のマンションアドバイザー制度を、市の助成を使って呼ぶルートです。私はいつも理事長さまに「まず市独自の制度から検討してください、回数の余裕が違います」とお伝えしています。

1. 分譲マンション管理アドバイザー派遣(武蔵野市)

区分所有法の適用を受け、2戸以上の住居がある耐火・準耐火の共同住宅の管理組合等が対象です。

項目 内容
対象 市内の分譲マンション(区分所有法適用、2戸以上、耐火・準耐火建築物)の管理組合等
専門家 マンション管理士・建築士
費用 無料
派遣回数 同一の管理組合等につき10回まで、1回あたり2時間以内
申込方法 希望日のおおむね2週間前までに申請書を提出
申込先 都市整備部住宅対策課 0422-60-1976

(出典:武蔵野市「分譲マンション管理アドバイザー派遣」)

10回という回数は、23区の多くが1〜5回程度に留めているのと比べても手厚い設定です。長期修繕計画の見直しから、大規模修繕の発注方法、管理費滞納への対応まで、テーマを変えながら複数回にわたって相談を積み重ねられるのが強みです。私の経験上、これは1回きりの相談で終わらせず、総会に向けて段階的に使うのがいちばん効果的です。

2. 分譲マンション再生支援事業助成(東京都アドバイザー派遣費用の助成)

東京都防災・建築まちづくりセンターの「マンション建替え・改修アドバイザー制度」を利用するときの派遣費用を、市が助成する仕組みです。

項目 内容
対象 Aコース:市内の全分譲マンション/Bコース:築30年以上の市内分譲マンション(非木造)
助成額 Aコース:派遣費用全額(4回まで)/Bコース:派遣費用の3分の2、上限36万円(千円未満切捨て、1回まで)
申込先 公益財団法人東京都防災・建築まちづくりセンター 03-5466-2103

(出典:武蔵野市「分譲マンション再生支援事業助成」、更新日2022年9月6日)

こちらは建替えや大規模な再生を視野に入れた相談に向いています。市独自のアドバイザー派遣(10回)が日常的な運営相談だとすれば、こちらは「建替えか、改修か」という大きな岐路に立ったときの相談、と役割を分けて考えるとわかりやすいと思います。大規模修繕をどこまで自分たちで判断できるかについては、明誠のロープアクセス工法のご紹介もあわせてご覧いただくと、足場を組まずにどこまで調査・施工ができるのかが伝わるはずです。

3. 住まいのなんでも相談室(市役所)

市役所4階東側の住宅対策課窓口で、毎週木曜日に実施している対面相談です。

項目 内容
開催頻度 毎週木曜日 午前9時〜正午、午後1時〜4時(1組50分)
対応専門家 建築士・マンション管理士等
予約 事前予約制、前週金曜日まで受付
申込先 住宅対策課 0422-60-1976

(出典:武蔵野市「専門家による相談窓口について」)

管理運営、大規模修繕の進め方、資金計画、建物診断、構造的な不安まで幅広く相談できます。派遣制度は書類のやり取りが発生しますが、こちらは電話1本で予約できる手軽さが利点です。「まず聞いてみたい」という段階に向いています。

4. 専門団体電話相談窓口(弁護士・司法書士・税理士・建築士等9団体)

弁護士・司法書士・税理士・建築士など9つの専門団体が、それぞれ電話相談窓口を用意しています(一部団体は対面相談も実施)。

(出典:武蔵野市「専門家による相談窓口について」掲載のPDF「住まいの相談窓口一覧」)

団体ごとに曜日・時間帯が異なるため、詳細は市の案内PDFで確認したうえで、相談したい分野に合う団体へ直接電話するのが確実です。

5. すまいるダイヤル

公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターが運営する、建築士資格者による全国共通の無料電話相談です。

項目 内容
専門家 建築士資格者
費用 無料
電話番号 0570-016-100
受付時間 午前10時〜午後5時(土日祝を除く)

リフォームや大規模修繕の契約トラブル、見積書の見方など、専門的な内容を電話だけで相談できる点が便利です。技術的な工法の違いをもう少し詳しく知りたい方は、私たちが同業者向けに書いている姉妹サイトロープアクセスドットコムのほうが専門的にまとまっています。


建築士派遣・大規模修繕アドバイザーは「耐震」に強い武蔵野市

6・7. 住宅・マンションの耐震化助成(耐震診断/補強設計/耐震改修工事)

昭和56年5月31日以前に着工された住宅・マンションが対象です。分譲マンションの場合は管理組合が申請します。

助成対象 助成率 限度額
耐震診断 3分の2 200万円
補強設計(耐震改修設計) 3分の2 200万円
耐震改修工事 3分の1 「対象費用×3分の1」と「延床面積×51,700円」の低い方(千円未満切捨て)

(出典:武蔵野市「住宅・マンションの耐震化助成」、更新日2026年8月14日、令和8年度版「耐震化助成・支援事業ご利用の手引き」および住宅・マンション耐震化促進事業助成要綱に基づく)

耐震診断だけでも200万円まで3分の2が戻るというのは、正直かなり手厚い設定です。私の経験上、理事会で最初につまずくのは「うちは新耐震か旧耐震かわからない」という段階です。まずは住宅対策課の耐震助成等担当(0422-60-1976)に電話して、自分の建物が対象になるかを確認するところから始めてください。

外壁や躯体の劣化状況を客観的に把握する方法としては、足場を組まずに近接目視できるロープアクセス工法という選択肢もあります。仮設足場だと10階建て・外周80m・工期3ヶ月クラスの現場で足場費だけで150万円前後かかることも珍しくありませんが、ロープアクセスなら50〜60万円程度に収まるケースもあり、その差額を耐震診断や改修設計の自己負担分に回すという発想もできます(実際の金額は建物の形状・立地により大きく変動しますので、あくまで目安としてご参考ください)。株式会社明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけており、ロープアクセス工法での高所作業では過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。工法そのものの技術的な仕組みや訓練基準を詳しく知りたい建設業の方は、姉妹サイトロープアクセスドットコムで解説しています。

8. 耐震・耐久セミナー

マンション管理組合役員・区分所有者・賃貸オーナー向けの「マンション耐震セミナー」や、設計事務所・工務店向けの講習会などを不定期に開催しています。

項目 内容
対象 マンション管理組合役員、区分所有者、賃貸マンションオーナー等
費用 無料
申込方法 イベントごとに異なる(東京都耐震ポータルサイト、NPO法人耐震総合安全機構等)

(出典:武蔵野市「耐震・耐久セミナー」、更新日2026年8月27日)

9. 分譲マンション管理セミナー

市内の分譲マンション居住者・管理組合役員・区分所有者を対象にしたセミナーで、テーマは年度ごとに変わります。直近(令和7年度)は区分所有法改正に伴う標準管理規約の見直しがテーマでした。

(出典:武蔵野市「分譲マンション管理セミナー」、更新日2025年12月5日)

令和8年度の開催時期・テーマは現時点で公表待ちです。開催予定については住宅対策課(0422-60-1976)へ直接お問い合わせいただくのが確実です。


弁護士無料相談・消費生活センター:管理費滞納やトラブルへの備え

10. 法律相談(市の相談窓口)

項目 内容
開催頻度 毎週月・水・金曜日
費用 無料
相談時間 対面20分(午前10時〜午後3時30分の9枠から選択)
対象 武蔵野市内在住のかた
回数 1つの案件につき最大3回まで
予約先 市民相談係 0422-60-1921

(出典:武蔵野市「法律相談(市の相談窓口)」、更新日2025年9月29日)

管理費・修繕積立金の滞納対応、区分所有者間のトラブル、規約違反への対応など、法的な整理が必要な場面で使えます。1案件につき3回まで相談できるので、初回で方針を固め、進捗を見ながら再相談する使い方もできます。

11. 消費生活相談

項目 内容
費用 無料
相談時間 平日午前9時〜午後4時
対象 市内在住・在勤・在学者
電話番号 0422-21-2971(予約兼用)

(出典:武蔵野市「消費生活相談」、更新日2025年7月29日)

事業者との取引トラブルの相談・あっせんが基本業務です。管理費滞納そのものというより、大規模修繕の契約や訪問販売的な勧誘トラブルなど「事業者との取引」に関わる相談で力を発揮します。管理費滞納や区分所有者間トラブルの法的対応は、10の法律相談または後述の法テラスと組み合わせて検討するのが現実的です。

法テラス

資力の乏しい方向けの無料法律相談(資力要件あり)や、弁護士費用の立替え制度を提供しています。武蔵野市内での利用相談は、市民活動推進課市民相談係(0422-60-1829)でも案内を受けられます。

(出典:武蔵野市「法テラスとは何ですか」、法テラス・サポートダイヤル)


マンション管理計画認定制度(唯一、費用の考え方が少し違う制度)

武蔵野市への認定申請手数料は無料です。ただし、認定の前提となる「事前確認」を(公財)マンション管理センターのオンラインシステムで受ける場合は、長期修繕計画1計画あたり10,000円のシステム利用料等が別途かかります。マンション管理士に直接依頼する、あるいは管理業協会の評価制度や管理士会連合会の診断サービスを使う場合は、それぞれの団体の料金体系に従います。

認定基準は国の基本方針に準拠し、管理組合の運営体制・管理規約・経理の区分・30年以上の長期修繕計画(2回以上の大規模修繕を含む)などが問われます。認定を受けると、住宅金融支援機構のフラット35やマンション共用部分リフォーム融資で金利優遇が受けられるほか、一定要件を満たせばマンション長寿命化促進税制による固定資産税の減額対象にもなります。

(出典:武蔵野市「マンション管理計画認定制度」、更新日2026年8月14日、国土交通省「マンション管理計画認定制度」)


都道府県・国の相談窓口を重ねて使う

市の制度だけで手一杯にならなくても大丈夫です。東京都・国レベルの窓口も無料で使えます。

12. 東京都マンションアドバイザー無料派遣(管理状況届出制度)

昭和58年12月31日以前に新築された、独立部分6戸以上の分譲マンションで、管理状況届出が受理された管理組合が対象です。通常1回まで、管理不全の兆候があるマンションは5回まで無料で派遣を受けられます。

(出典:東京都防災・建築まちづくりセンター「マンションアドバイザー無料派遣」)

13. 分譲マンション向けマンション管理士無料派遣(防災力向上・認知症対応)

令和8年度に東京都が実施している制度で、防災力向上・区分所有者の高齢化や認知症対応というテーマに特化してマンション管理士を無料派遣します。受付期間は令和8年6月23日から令和9年2月26日まで、各テーマ2回まで無料です。

(出典:東京都マンションポータルサイト「分譲マンション向けマンション管理士無料派遣」)

武蔵野市は玉川上水や善福寺川沿いなど、水と緑が身近な住宅都市です。地震だけでなく水害リスクにも目を向けた備蓄計画や避難動線づくりを、この制度を使って専門家と一緒に整理しておくと安心です。

14〜16. その他の都道府県・国の相談窓口

# 窓口 電話番号
14 東京都 分譲マンション総合相談窓口 03-6427-4900
15 (公財)マンション管理センター 電話相談 運営03-3222-1517/設備03-3222-1519
16 一般社団法人マンション管理業協会 相談窓口 050-3733-8982

(出典:東京都マンションポータルサイト「分譲マンション総合相談窓口」、(公財)マンション管理センター「相談窓口について」、一般社団法人マンション管理業協会「相談業務」)

市の窓口、都の窓口、国レベルの窓口は、同じ悩みでも切り口を変えて重ねて使えます。私はよく「1つの窓口で満足せず、少なくとも2つは意見を聞いてから判断してください」とお伝えしています。


何を持っていけばいいか:相談前に揃えたい3点セット

どの窓口に行くにしても、手ぶらで行くと専門家も的確なアドバイスがしづらくなります。私がいつもお伝えしているのは、次の3点です。

1. 総会議事録(直近2〜3年分)

管理組合としての意思決定の経緯がわかる資料です。過去にどんな議論があったかを把握してもらうことで、相談時間を有効に使えます。

2. 長期修繕計画書

現在の修繕積立金の水準が、今後の工事に対して足りているかどうかを判断する基礎資料です。作成年が古い場合は、その旨を正直に伝えてください。

3. 管理規約

区分所有者間のルールがわかる資料です。滞納対応や違反行為への対応を相談する際には必須です。

この3点があれば、マンション管理士でも、建築士でも、弁護士でも、初回の相談だけでかなり具体的な話ができます。


よくあるご質問

Q. 分譲マンション管理アドバイザー派遣は、本当に10回も無料で使えますか?

A. はい、同一の管理組合につき10回までが上限です。1回2時間以内で、希望日のおおむね2週間前までに申請が必要です。詳しい運用は住宅対策課(0422-60-1976)にご確認ください。

Q. うちのマンションが旧耐震か新耐震か分かりません。どこに聞けばいいですか?

A. まずは住宅対策課の耐震助成等担当(0422-60-1976)に、竣工年月と確認申請の時期を伝えて確認するのが早道です。昭和56年5月31日以前着工であれば、耐震診断・補強設計の3分の2助成(上限200万円)の対象になり得ます。

Q. 分譲マンション管理アドバイザー派遣と、東京都マンションアドバイザー無料派遣はどう違いますか?

A. 市の制度は同一組合で10回まで使える汎用的な相談窓口で、都の無料派遣は管理状況届出済みの建物を対象に1〜5回まで完全無料という制度です。まず市の制度で気軽に相談し、建替え・改修の大きな判断が必要になったら分譲マンション再生支援事業助成(都アドバイザー制度の費用助成)を検討する、という順番がおすすめです。

Q. 法律相談は武蔵野市民でなくても利用できますか?

A. 市の法律相談窓口は武蔵野市内在住のかたが対象です。市外にお住まいの区分所有者の場合は、法テラスや(公財)マンション管理センターの電話相談など、居住地を問わない窓口をご利用ください。

Q. マンション管理計画認定制度を取ると、具体的にどんなメリットがありますか?

A. 住宅金融支援機構のフラット35やマンション共用部分リフォーム融資で金利優遇が受けられます。市への申請手数料自体は無料ですが、事前確認をマンション管理センターのオンラインシステムで受ける場合は、長期修繕計画1計画あたり10,000円が別途かかります。

Q. 大規模修繕の工期は、工法によってどれくらい違いますか?

A. ロープアクセス工法は足場の組立・解体の期間がまるごと不要になるため、足場工法のおよそ60%の工期が目安です。10階建て・外周80mのマンションであれば、足場工法で3か月程度のところ、ロープアクセスなら1.5〜2か月程度になります。ただし改修範囲が広い場合は差が縮まります。

Q. 管理会社を通さずに、明誠に直接相談してもいいのでしょうか?

A. もちろんです。セカンドオピニオンとしてお使いいただくケースが一番多いです。既存の見積書を拝見して、数量と単価の妥当性を一緒に確認するだけでも結構です。お問合せフォームからご連絡ください。


まとめ:今週、武蔵野市の管理組合が動けること3つ

長くなりましたので、動き出しの3手に絞ります。

1. 住宅対策課(0422-60-1976)に電話して、分譲マンション管理アドバイザー派遣(10回まで無料)の申請方法を確認する

日常的な運営相談から大規模修繕の進め方まで、まずはここから相談を始められます。

2. 自分の建物が旧耐震基準(昭和56年5月31日以前着工)に該当するか確認する

該当すれば、耐震診断・補強設計の費用の3分の2(上限200万円)が助成対象になります。

3. 東京都のマンション管理士無料派遣(防災力向上・認知症対応)を理事会の議題に載せる

受付は令和9年2月26日まで。武蔵野市は玉川上水など水と緑が近い住宅都市だからこそ、防災の切り口で専門家に相談できる機会を無料で確保しておく価値があります。


武蔵野市は、吉祥寺のような商業集積の強いエリアから、三鷹寄りの落ち着いた住宅街まで、マンションのタイプが幅広い市です。築年数が古い建物ほど、区分所有者の高齢化と修繕積立金の不足が同時に進んでいるケースをよく見かけます。だからこそ、「よそのマンションがこうしたから」ではなく、自分の建物の構造と築年、そして立地のリスクを自分たちで把握することが効いてきます。

そして、その第一歩にかかるお金は、武蔵野市の場合ほとんどゼロにできます。市のマンション管理アドバイザー、都のマンション管理士、弁護士、消費生活センター。これだけ呼んでも、支出は郵送代と電話代くらいのものです。

私は現場でこう思うことがあります。管理組合が損をするのは、悪い業者に当たったときよりも、相談しないまま時間だけが過ぎたときのほうがずっと多い、と。外壁の浮きも、防水の切れも、待っていて良くなることはありません。

明誠のこれまでの明誠の施工事例もあわせてご覧いただければ、実際にどんな建物でどんな判断をしてきたかが伝わると思います。マンション・ビルの管理組合さまはマンション管理組合さま向けサービスのご案内もご参照ください。株式会社明誠がどのような理念で大規模修繕に向き合っているかは、明誠の理念にまとめています。ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。


出典・参考資料


本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月26日時点で公表されている東京都武蔵野市および国土交通省・東京都の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず東京都武蔵野市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。なお「分譲マンション管理アドバイザー派遣」のページ掲載日は2016年7月と古いものの、武蔵野市の分譲マンション対策の現行案内ページから継続して案内されている制度であることを確認しています。回数・費用等の細部は申込時に住宅対策課へ再度ご確認ください。


この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)

株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市

マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年9月26日

足立区の管理組合が無料で使える相談・派遣12選|マンション管理アドバイザー派遣は年12時間無料、耐震改修工事は上限3000万円を助成【令和8年度版】

2026年9月25日 更新

先月、竹の塚エリアの分譲マンションの理事さまからお電話をいただきました。

「築38年、7階建て・52戸の建物で、2回目の大規模修繕をそろそろ本気で考え始めている。ただ、修繕委員会もまだ立ち上がっておらず、管理会社の提案をそのまま鵜呑みにしていいのか判断がつかない」

伺うと、長期修繕計画は15年近く前に一度作られたきり、専門家の目で見直されていない状態でした。修繕積立金の水準が今後の工事に対して足りているのかどうかも、理事会の誰も正確には把握していませんでした。

私はこの手のご相談を受けるたびに、同じことを思います。足立区の管理組合には、実はお金をかけずに使える専門家派遣や相談窓口がかなり揃っているのに、その情報が理事会まで届いていない、と。特に足立区は、マンション管理アドバイザー派遣を区が独自に、年間最大12時間まで完全無料で提供しています。東京都の助成を介した「自己負担が一部残る」タイプの制度が多い中で、これは23区内でも手厚い部類に入ります。

申し遅れました。私は株式会社明誠の本間幸紘と申します。東京都東大和市を拠点に、20年近くマンション・ビル・ホテルの外壁の仕事をしてきました。足場を組んで建物をすっぽり囲う工事も、ロープ1本でぶら下がる無足場の工事も、どちらの現場も自分の足で踏んできた人間です。

今日は、足立区の管理組合とビル・収益不動産オーナーさまが使える相談・派遣を12個、令和8年度(2026年4月1日から2027年3月31日まで)の一次情報で整理します。


結論:足立区で使える支援は12ある

先に一覧でお示しします。費用ゼロのものと、費用の一部が助成で戻るものを分けて並べました。

# 制度・窓口 誰が対応するか 費用 申込先
1 分譲マンション管理アドバイザー派遣制度 マンション管理士 無料(年間最大12時間または2名派遣で6時間) 建築室住宅課住宅計画係 03-3880-5963
2 東京都マンションアドバイザー無料派遣(管理状況届出制度) マンション管理士等 無料(1回、管理不全兆候ありは5回まで) 東京都防災・建築まちづくりセンター 03-5989-1453
3 分譲マンション向けマンション管理士無料派遣(防災力向上・認知症対応) マンション管理士 無料(各テーマ2回まで) 東京都住宅政策本部マンション課 03-5320-5004
4 分譲マンション出張相談会 マンション管理士 無料(要予約・区内5会場、年8回) 建築室住宅課住宅計画係 03-3880-5963
5 建築物等耐震アドバイザー派遣制度 建築士 費用は窓口へ要確認(区の派遣制度) 建築防災課耐震化推進第一・第二係 03-3880-5317
6 耐震診断・改修計画策定・改修工事費用の助成(非木造共同住宅) - 診断5割(上限500万円)、計画策定5割(上限300万円)、工事5割(上限3000万円) 同上
7 不動産相談(予約制) 宅地建物取引士 無料(1件35分以内) 区民の声相談課 03-3880-5359
8 法律相談(予約制) 弁護士 無料(1件40分以内) 区民の声相談課 03-3880-5359
9 消費生活相談 消費生活相談員 無料 足立区消費生活センター 03-3880-5380
10 東京都 分譲マンション総合相談窓口 都職員・専門相談員 無料 03-6427-4900
11 (公財)マンション管理センター 電話相談 専門相談員 無料 運営03-3222-1517/設備03-3222-1519
12 一般社団法人マンション管理業協会 相談窓口 専門相談員 無料 050-3733-8982

1〜12が、お金のかからない、あるいは費用の大半が助成で戻る相談・派遣です。このほかに、区の手数料自体は無料でもシステム利用料だけが別途かかる「マンション管理計画認定制度」があるので、記事の後半で別枠でご紹介します。順番に見ていきます。


足立区独自のマンション管理アドバイザー派遣は年12時間まで無料

足立区でマンション管理士に相談したいとき、実は入り口が複数あります。ひとつは足立区が自前で用意している完全無料の派遣制度、もうひとつは東京都が直接派遣する無料制度、そして年8回の出張相談会です。私はいつも理事長さまに「まず一番使いやすい窓口から手をつけてください」とお伝えしています。

1. 分譲マンション管理アドバイザー派遣制度

足立区が独自に実施している、マンション管理士の派遣制度です。

項目 内容
対象 区内分譲マンションの管理組合
費用 無料
派遣内容 マンション管理士が1時間単位で対応。年間最大12時間(1名派遣)または6時間(2名派遣)まで利用可能
申込方法 電話またはオンライン申請システムで仮予約→派遣マンション管理士と日程調整→申込書を窓口に提出して本申込
主な条件 派遣希望日の2週間以上前に仮予約、理事長が申込者、区分所有者2名以上の参加が必須、訴訟中・紛争案件は対象外
申込先 建築室住宅課住宅計画係 03-3880-5963(平日9時〜16時)

(出典:足立区「分譲マンション管理アドバイザー派遣制度」、更新日2025年4月1日)

年間12時間という枠は、決して小さくありません。私の経験上、長期修繕計画の見直しだけなら2〜3時間、総会資料のチェックまで含めても1回2時間程度で済むケースが多いので、複数回に分けて使い切る管理組合がほとんどです。総会前の議案整理、修繕積立金の妥当性チェック、管理規約の見直しなど、テーマを変えて何度も呼べるのがこの制度の強みです。

2. 東京都マンションアドバイザー無料派遣(管理状況届出制度)

こちらは区を通さず、東京都防災・建築まちづくりセンターに直接申し込む完全無料の制度です。

項目 内容
対象 昭和58年12月31日以前に新築された、独立部分6戸以上の分譲マンションで、管理状況届出が受理された管理組合
派遣回数 通常は1回まで無料、管理不全の兆候があるマンションは5回まで無料
申込方法 申込書をFAX・メール・郵送のいずれかで提出
申込先 東京都防災・建築まちづくりセンター まちづくり推進課 03-5989-1453

(出典:東京都防災・建築まちづくりセンター「マンションアドバイザー無料派遣」)

「管理状況届出」というのは、管理組合の運営体制や修繕積立金の状況などを都に定期的に報告する制度のことです。届出さえ済ませておけば、この無料派遣の対象になります。まだ届出をしていない管理組合は、まずこの届出から着手するのが近道です。足立区独自の派遣制度と、この都の無料派遣は別枠として扱われますので、条件が合えば両方使うことも可能です。

3. 分譲マンション向けマンション管理士無料派遣(防災力向上・認知症対応)

令和8年度に東京都が新たに始めた制度で、防災力の向上と、区分所有者の高齢化・認知症対応というテーマに特化してマンション管理士を無料で派遣します。

項目 内容
対象 都内の分譲マンション管理組合
派遣回数 防災力向上・認知症対応、それぞれ2回まで無料(過去年度分も上限に含む)
受付期間 令和8年6月23日から令和9年2月26日まで
募集件数 2テーマ合わせて都内160件程度
申込方法 東京都マンション管理士会のホームページから申込
申込先 東京都住宅政策本部民間住宅部マンション課 03-5320-5004

(出典:東京都マンションポータルサイト「分譲マンション向けマンション管理士無料派遣」)

足立区は荒川と綾瀬川に挟まれ、区内に低地帯を抱える区です。水害への備えは他区以上に切実なテーマで、実際に私も現場で理事長さまから「1階の電気室が浸水想定区域に入っているが、対策を後回しにしている」というお話を伺ったことがあります。防災力向上のテーマでこの制度を使えば、備蓄計画や垂直避難の動線づくりまで、専門家の視点で整理してもらえます。株式会社明誠がどのような理念で大規模修繕に向き合っているかは、明誠の理念にまとめています。

4. 分譲マンション出張相談会

区内5か所の会場を巡回する、マンション管理士による出張相談会です。

項目 内容
開催頻度 年8回(令和8年度)
会場 区役所本庁舎、梅田地域学習センター、生涯学習センター、西新井住区センター、足立区勤労福祉会館(綾瀬プルミエ)
内容 ミニセミナー60分+相談会60分(1組あたり最大60分)
対応専門家 マンション管理士
予約 必須(事前申込制)
申込先 建築室住宅課住宅計画係 03-3880-5963(平日9時〜16時)

(出典:足立区「分譲マンション出張相談会開催のお知らせ」、更新日2026年4月3日)

派遣制度は書類のやり取りが発生しますが、この出張相談会は自宅や勤務先に近い会場を選べる手軽さが利点です。ミニセミナーで制度の全体像を聞いてから、個別相談で自分の建物固有の悩みを聞く、という2段構えになっているのも初めての方には安心材料になると思います。

外壁の劣化がどの程度進んでいるかを客観的に把握する方法については、明誠のロープアクセス工法による外壁調査のご紹介をご覧いただくと、足場を組まずにどこまで見られるのかが分かります。技術的な仕組みそのものをもう少し深く知りたい方は、同業者向けに書いている姉妹サイトロープアクセスドットコムのほうが詳しいです。


建築士派遣と非木造建築物の耐震助成:工事費用は上限3000万円

5. 建築物等耐震アドバイザー派遣制度

資格を持つ建築士が派遣され、建物やブロック塀の調査、相談、改善方法の提案を行う制度です。

項目 内容
対象 区内の建築物、および道路に面する高さ1.2mを超えるブロック塀
対応者 建築士のアドバイザー
費用 区のページに費用の明記はありません。申込時に窓口へ直接ご確認ください
申込方法 オンライン申請システム、または郵送・窓口での申込書提出(代理申請は委任状が必要)
申込先 建築室建築防災課耐震化推進第一・第二係 03-3880-5317

(出典:足立区「建築物等耐震アドバイザー派遣制度」、更新日2026年9月1日)

正直に申し上げます。この制度については区の公式ページに費用の記載が見当たらず、私の立場で「無料です」と断定することはできません。ただ、この種の派遣制度は自治体側の予算で運営されるのが一般的です。申込前に一本、電話で費用の有無を確認されることをおすすめします。

6. 耐震診断・改修計画策定・改修工事費用の助成(非木造共同住宅)

昭和56年5月以前に建築された非木造(鉄筋コンクリート造・鉄骨造など)の共同住宅・特定建築物を対象に、診断から工事まで段階ごとに助成があります。

工程 助成の考え方(共同住宅)
耐震診断 診断費用の5割、上限500万円(住宅戸数×10万円以下)
耐震改修計画策定 診断で不足判定を受けた場合、策定費用の5割、上限300万円
耐震改修工事 工事費用の5割、上限3000万円
除却工事 費用の9割、上限200万円

(出典:足立区「非木造住宅・建築物の耐震化に助成を行っています」、更新日2026年4月2日)

耐震改修工事の助成上限が3000万円というのは、23区の中でも相当に手厚い水準です。私の経験上、これは大規模修繕を検討する管理組合にとって見落としがちな話です。「大規模修繕=外壁や防水の話」だと思い込んでいる理事さまが多いのですが、昭和56年5月以前に建築確認を取得した建物であれば、耐震診断・改修の助成もあわせて使えないか、同じタイミングで確認しておくべきです。2回目・3回目の大規模修繕は、多くの建物で耐震性能の再確認が必要になる時期と重なります。

現場で20年やってきて、私が一番悔しい思いをするのは、こうした無料・助成の窓口があることを知らないまま、割高な見積りをそのまま受け入れてしまう管理組合を見たときです。株式会社明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法での高所作業について、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業では過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。作業員はIRATA(国際産業ロープアクセス協会)水準の技能訓練を受けており、この安全体制の詳細はロープアクセスドットコムで公開しています。足場を組む工事とロープアクセス工法(無足場工法)、どちらも中立的にご提案できる立場だからこそ申し上げますが、複数の視点から意見を聞く癖をつけておくと、後々の判断が楽になります。目安として、10階建て・外周80m・工期3ヶ月程度の建物であれば、足場費用は約168万円かかるところ、ロープアクセス工法なら約59万円程度に収まるケースがあります(建物の形状・現況により変動します)。耐震改修とあわせて外壁の点検・補修まで検討する場合、この差が総工費に与える影響は小さくありません。


不動産相談・法律相談・消費生活相談:契約とトラブルへの備え

管理会社の変更や大規模修繕の契約、区分所有者間のトラブル、悪質な訪問業者への対応など、法律や不動産の知識が必要になる場面も少なくありません。

7. 不動産相談(予約制)

宅地建物取引士による相談です。管理会社の契約内容や、賃貸オーナーとしての疑問にも対応してもらえます。

項目 内容
開催頻度 毎月第1・3水曜日
時間 午後1時〜4時(1件35分以内)
対象 区内在住・在勤・在学の方
場所 足立区役所北館2階 区民の声相談課
予約 電話予約(平日8時30分〜17時15分)
申込先 03-3880-5359

(出典:足立区「不動産相談(予約制)」、更新日2026年6月19日)

8. 法律相談(予約制)

項目 内容
開催頻度 平日(月〜金)、第2土曜日、第4日曜日(祝日・年末年始を除く)
時間 平日午前9時〜正午・午後1時〜4時、第2土曜午前9時30分〜午後0時30分(1件40分以内)
対象 区内在住・在勤・在学の方
相談方法 窓口、電話、オンライン(オンラインは午後2時30分開始のみ)
場所 足立区役所北館2階 区民の声相談課
予約 電話または窓口(平日8時30分〜17時15分)
申込先 03-3880-5359

(出典:足立区「法律相談(予約制)」、更新日2026年6月19日)

理事個人が対象となる制度ですが、管理費滞納の督促方法や、規約違反者への対応など、実務的な相談に対応してもらえます。なお、足立区に限らず全国どこからでも使える窓口として、収入・資産が一定額以下の方は法テラス・サポートダイヤル(0570-078374、平日9時〜21時・土曜9時〜17時)を使うと、その後の弁護士費用の立替え制度まで視野に入れて相談できます。

9. 消費生活相談

項目 内容
相談時間 月曜日〜金曜日 午前9時〜午後4時45分(祝日・年末年始を除く)
費用 無料(通話料・通信費は自己負担)
対象 足立区内在住・在勤・在学の個人(事業者は対象外)
相談方法 電話、来所、オンライン(Web会議)、外国語対応のテレビ通訳
申込先 足立区消費生活センター 03-3880-5380

(出典:足立区「消費生活相談」、更新日2025年2月1日)

修繕工事の訪問業者から強引な契約を迫られた、というご相談は足立区に限らずどこの管理組合からも聞く話です。「今日契約すれば特別価格」という営業トークが出た時点で、その場で契約せず、まず消費生活センターに一本電話を入れる。それだけで防げるトラブルは相当数あります。


都道府県・国の相談窓口を重ねて使う

区の窓口だけでなく、東京都や国レベルの相談窓口も無料で使えます。足立区の窓口が混み合っている、あるいはより専門的な意見が欲しいという場合は、こちらも選択肢に入れてください。

10. 東京都 分譲マンション総合相談窓口

項目 内容
相談内容 管理組合運営、改修・建替えの合意形成、大規模修繕工事の検討、助成制度の紹介など
相談時間 月〜金曜日、第1土曜日、第3日曜日(午前9時〜午後5時、水曜のみ午後7時まで)
費用 無料
相談方法 電話・来所(要予約)・メール・FAX・Web会議(Zoom、1週間前までに要予約)
申込先 03-6427-4900

(出典:東京都マンションポータルサイト「分譲マンション総合相談窓口」)

11. (公財)マンション管理センター 電話相談

国土交通大臣・都道府県知事指定の公益財団法人で、全国のマンション管理組合からの相談を受け付けています。

項目 内容
相談内容 管理組合運営・管理規約に関する相談、建物・設備の維持管理に関する相談
電話番号 運営・規約相談 03-3222-1517/建物・設備相談 03-3222-1519
相談時間 月〜金曜日(祝日・年末年始を除く)午前9時30分〜午後5時
費用 無料

(出典:(公財)マンション管理センター「相談窓口について」)

12. 一般社団法人マンション管理業協会 相談窓口

マンション管理会社の業界団体で、管理会社との契約や委託業務に関するトラブル相談を受け付けています。

項目 内容
電話番号 050-3733-8982
相談時間 平日午前10時〜午後4時30分(正午〜午後1時を除く)
費用 無料

(出典:一般社団法人マンション管理業協会「相談業務」)

私はこれを、必ずワンセットで提案するようにしています。管理会社側の言い分だけでなく、管理業協会や管理センターという中立的な立場の相談先も持っておくと、理事会としての判断に自信が持てます。


マンション管理計画認定制度(唯一、少額の費用がかかる制度)

ここまでご紹介してきた12の窓口はすべて無料でした。最後にご紹介する管理計画認定制度だけは、区への申請手数料自体は無料ですが、(公財)マンション管理センターのシステム利用料が別途かかります。

項目 内容
区への申請手数料 当面のあいだ無料(変更認定申請を含む)
システム利用料等 (公財)マンション管理センターへ別途必要(金額は同センターへ要確認)
審査期間の目安 新規申請でおよそ30日間
申込先 建築室住宅課住宅計画係 03-3880-5963
センター問合せ先 (公財)マンション管理センター 03-6261-1274

(出典:足立区「マンション管理計画認定制度について」、更新日2026年4月1日)

マンション管理計画認定制度は、長期修繕計画や管理組合の運営状況が一定の基準を満たしていることを行政が認定する仕組みです(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。認定を取得すると、住宅金融支援機構のフラット35で金利が優遇されるなど、区分所有者にもメリットが及びます。システム利用料の具体的な金額は申請方法(オンラインか紙か)によっても変わるため、申請を検討する段階になったら、まず住宅計画係かマンション管理センターに事前相談されることをおすすめします。


何を持っていけばいいか:相談前に揃えたい3点セット

どの窓口に行くにしても、手ぶらで行くと専門家も的確なアドバイスがしづらくなります。私がいつもお伝えしているのは、次の3点です。

1. 総会議事録(直近2〜3年分)

管理組合としての意思決定の経緯が分かる資料です。過去にどんな議論があったかを把握してもらうことで、相談時間を有効に使えます。

2. 長期修繕計画書

現在の修繕積立金の水準が、今後の工事に対して足りているかどうかを判断する基礎資料です。作成年が古い場合は、その旨を正直に伝えてください。

3. 管理規約

区分所有者間のルールが分かる資料です。滞納対応や違反行為への対応を相談する際には必須です。

この3点があれば、マンション管理アドバイザーでも、建築士でも、弁護士でも、初回の相談だけでかなり具体的な話ができます。


よくあるご質問

Q. 足立区のマンション管理アドバイザー派遣は、本当に無料ですか?

A. はい、無料です。年間最大12時間(1名派遣)または6時間(2名派遣)まで利用でき、テーマを変えて複数回に分けて使うこともできます。申込先は建築室住宅課住宅計画係(03-3880-5963)です。

Q. 足立区独自の派遣制度と、東京都の無料派遣はどう違いますか?

A. 足立区の制度は区内分譲マンションの管理組合であれば利用でき、年間12時間まで何度でも呼べます。東京都の無料派遣(管理状況届出制度)は対象建物と回数(原則1回、管理不全の兆候があれば5回)に制限があります。両方の条件を満たせば、併用を検討する価値があります。

Q. 耐震改修工事の助成上限3000万円は、どのマンションでも使えますか?

A. 昭和56年5月以前に建築確認を取得した非木造(鉄筋コンクリート造・鉄骨造など)の共同住宅が対象です。まずは建築室建築防災課耐震化推進第一・第二係(03-3880-5317)に、ご自身の建物が対象になるかを確認するのが最初の一歩です。

Q. 不動産相談と法律相談は、どちらを使えばいいですか?

A. 管理会社との契約内容や賃貸に関する実務的な疑問は宅地建物取引士による不動産相談、管理費滞納の督促や規約違反者への対応など法的な判断が必要な場面は弁護士による法律相談が向いています。迷ったときは区民の声相談課(03-3880-5359)に相談内容を伝えれば、適切な窓口を案内してもらえます。

Q. マンション管理計画認定制度を取ると、具体的にどんなメリットがありますか?

A. 住宅金融支援機構のフラット35で金利優遇が受けられるなど、区分所有者個人にもメリットが及びます。区への申請手数料は当面のあいだ無料で、別途マンション管理センターのシステム利用料がかかります。

Q. 大規模修繕の工期は、工法によってどれくらい違いますか?

A. ロープアクセス工法は足場の組立・解体の期間がまるごと不要になるため、足場工法のおよそ60%の工期が目安です。10階建て・外周80mのマンションであれば、足場工法で3か月程度のところ、ロープアクセスなら1.5〜2か月程度になります。ただし改修範囲が広い場合は差が縮まります。

Q. 管理会社を通さずに、明誠に直接相談してもいいのでしょうか?

A. もちろんです。セカンドオピニオンとしてお使いいただくケースが一番多いです。既存の見積書を拝見して、数量と単価の妥当性を一緒に確認するだけでも結構です。お問合せフォームからご連絡ください。


まとめ:今週、足立区の管理組合が動けること3つ

長くなりましたので、動き出しの3手に絞ります。

1. 建築室住宅課住宅計画係(03-3880-5963)に電話して、マンション管理アドバイザー派遣の年12時間枠を確認する

まだ一度も使っていない管理組合が大半です。まずは仮予約だけでも動かしてみてください。

2. 自分の建物が昭和56年5月以前に建築確認を取得しているか確認する

該当すれば、耐震アドバイザー派遣の相談対象になり、耐震診断・改修設計・改修工事の助成(工事は上限3000万円)も視野に入ります。

3. 管理状況届出を済ませているか確認し、済んでいなければ届出を進める

届出さえ済ませておけば、東京都のマンションアドバイザー無料派遣(1〜5回無料)の対象になります。


足立区は、竹の塚・西新井のような中規模マンションから、北千住・綾瀬駅周辺の大規模マンションまで、建物のタイプが幅広い区です。荒川・綾瀬川に挟まれた低地帯という土地柄もあり、防災という切り口が他区以上に大きな意味を持ちます。だからこそ、「よその管理組合がこうしたから」ではなく、自分の建物の構造と築年、そして立地のリスクを自分たちで把握することが効いてきます。

そして、その第一歩にかかるお金は、足立区の場合ほとんどゼロにできます。区のマンション管理アドバイザー、都のマンション管理士、建築士、弁護士、消費生活センター。これだけ呼んでも、支出は郵送代と電話代くらいのものです。

私は現場でこう思うことがあります。管理組合が損をするのは、悪い業者に当たったときよりも、相談しないまま時間だけが過ぎたときのほうがずっと多い、と。外壁の浮きも、防水の切れも、待っていて良くなることはありません。

明誠のこれまでの明誠の施工事例もあわせてご覧いただければ、実際にどんな建物でどんな判断をしてきたかが伝わると思います。マンション・ビルの管理組合さまはマンション管理組合さま向けサービスのご案内もご参照ください。ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。


出典・参考資料


本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月25日時点で公表されている東京都足立区および国土交通省・東京都の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず東京都足立区および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。


この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)

株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市

マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年9月25日

江戸川区の管理組合が無料で使える相談・派遣13選|耐震アドバイザー派遣は無料、耐震診断・改修は最大3分の2を助成【令和8年度版】

2026年9月25日 更新

先月、小岩の分譲マンションの理事さまからお電話をいただきました。

「築45年、5階建て・36戸の建物で、そろそろ3回目の大規模修繕を考え始めている。ただ、うちの建物が旧耐震基準に該当するのかどうかも分からないし、そもそも誰に聞けば正確な話が出てくるのか見当がつかない」

伺うと、昭和55年築で、旧耐震基準(昭和56年5月31日以前)にちょうど該当する建物でした。長期修繕計画は管理会社が作成したものが一度も専門家の目でチェックされないまま、10年近く据え置かれていたそうです。

私はこの手のご相談を受けるたびに、同じことを思います。江戸川区の管理組合には、実はお金をかけずに使える専門家派遣や相談窓口がかなり揃っているのに、その情報が理事会まで届いていない、と。特に江戸川区は、旧耐震基準の分譲マンションを対象にした耐震アドバイザー派遣が無料で、さらに耐震診断や改修設計の費用まで3分の2を区が助成してくれる、23区の中でも手厚い制度を持っています。

申し遅れました。私は株式会社明誠の本間幸紘と申します。東京都東大和市を拠点に、20年近くマンション・ビル・ホテルの外壁の仕事をしてきました。足場を組んで建物をすっぽり囲う工事も、ロープ1本でぶら下がる無足場の工事も、どちらの現場も自分の足で踏んできた人間です。

今日は、江戸川区の管理組合とビル・収益不動産オーナーさまが使える相談・派遣を13個、令和8年度(2026年4月1日から2027年3月31日まで)の一次情報で整理します。


結論:江戸川区で使える支援は13ある

先に一覧でお示しします。費用ゼロのものと、費用の一部が助成で戻るものを分けて並べました。

# 制度・窓口 誰が対応するか 費用 申込先
1 マンションアドバイザー制度利用助成 都センター認定アドバイザー 派遣料の3分の2を助成(千円未満切捨て) 建築指導課耐震化促進係 03-5662-6389
2 東京都マンションアドバイザー無料派遣(管理状況届出制度) マンション管理士等 無料(1回、管理不全兆候ありは5回まで) 東京都防災・建築まちづくりセンター 03-5989-1453
3 分譲マンション向けマンション管理士無料派遣(防災力向上・認知症対応) マンション管理士 無料(各テーマ2回まで) 東京都住宅政策本部マンション課 03-5320-5004
4 分譲マンション無料相談会 マンション管理士 無料(予約優先・1件60分) 建築指導課耐震化促進係 03-5662-6389
5 マンション耐震アドバイザー派遣制度 建築士 無料 建築指導課耐震化促進係 03-5662-6389
6 耐震診断・改修設計・改修工事費用の助成 - 診断・設計は3分の2助成、改修工事は限度額の範囲内で助成 建築指導課耐震化促進係 03-5662-6389
7 無料建築相談会(東京都建築士事務所協会 江戸川支部) 建築士 無料(予約不要) 03-5636-1412
8 法律相談(グリーンパレス区民相談室) 弁護士 無料/1件30分 区民相談室 03-5662-7684
9 「法テラス」の法律相談(グリーンパレス区民相談室) 弁護士 無料/収入・資産要件あり 区民相談室 03-5662-7684
10 江戸川区消費者センター 消費生活相談員 無料 相談専用 03-5662-7637
11 東京都 分譲マンション総合相談窓口 都職員・専門相談員 無料 03-6427-4900
12 (公財)マンション管理センター 電話相談 専門相談員 無料 運営03-3222-1517/設備03-3222-1519
13 一般社団法人マンション管理業協会 相談窓口 専門相談員 無料 050-3733-8982

1〜13が、お金のかからない、あるいは費用の大半が戻る相談・派遣です。このほかに、費用の大半は無料でもシステム利用料だけがかかる「マンション管理計画認定制度」があるので、記事の後半で別枠でご紹介します。順番に見ていきます。


マンション管理士派遣は「区の助成で呼ぶ」と「都から直接無料で呼ぶ」の二重構え

江戸川区でマンション管理士に相談したいとき、実は入り口が2つあります。ひとつは東京都のマンションアドバイザー制度を使い、区がその費用の大半を助成してくれるルート。もうひとつは、条件を満たせば都から直接無料で派遣を受けられるルートです。私はいつも理事長さまに「まず自分の建物がどちらに該当するかを確認してください」とお伝えしています。

1. マンションアドバイザー制度利用助成

東京都防災・建築まちづくりセンターが実施する「マンションアドバイザー制度」を利用するときの派遣料を、区が助成する仕組みです。

項目 内容
対象 区内分譲マンションの管理組合または区分所有者(管理状況届出または管理組合設立届の提出が必須)
対象コース マンション管理アドバイザー(A・B・C-0コース)、マンション建替え・改修アドバイザー(Aコース)
助成額 派遣料の3分の2(千円未満切捨て)
申込先 建築指導課耐震化促進係 03-5662-6389

(出典:江戸川区「マンションアドバイザー制度利用助成」、更新日2025年4月1日)

派遣料そのものは、東京都マンションポータルサイトの公表によればAコース(講座編)が1回16,500円、Bコース(相談編)が1回25,300円です(出典:東京都マンションポータルサイト「マンション管理アドバイザー制度」)。3分の2が助成されるので、Bコースなら自己負担はおよそ8,500円程度まで下がる計算です。長期修繕計画の見直しや管理委託の方法など、実務に直結する相談ができます。派遣を申し込む前に区への助成申請が必要になる点だけ、私からも重ねてお伝えしておきます。

2. 東京都マンションアドバイザー無料派遣(管理状況届出制度)

こちらは区を通さず、東京都防災・建築まちづくりセンターに直接申し込む完全無料の制度です。

項目 内容
対象 昭和58年12月31日以前に新築された、独立部分6戸以上の分譲マンションで、管理状況届出が受理された管理組合
派遣回数 通常は1回まで無料、管理不全の兆候があるマンションは5回まで無料
申込方法 申込書をFAX・メール・郵送のいずれかで提出
申込先 東京都防災・建築まちづくりセンター まちづくり推進課 03-5989-1453

(出典:東京都防災・建築まちづくりセンター「マンションアドバイザー無料派遣」)

「管理状況届出」というのは、管理組合の運営体制や修繕積立金の状況などを都に定期的に報告する制度のことです。届出さえ済ませておけば、この無料派遣の対象になります。まだ届出をしていない管理組合は、まずこの届出から着手するのが近道です。

3. 分譲マンション向けマンション管理士無料派遣(防災力向上・認知症対応)

令和8年度に東京都が新たに始めた制度で、防災力の向上と、区分所有者の高齢化・認知症対応というテーマに特化してマンション管理士を無料で派遣します。

項目 内容
対象 都内の分譲マンション管理組合
派遣回数 防災力向上・認知症対応、それぞれ2回まで無料(過去年度分も上限に含む)
受付期間 令和8年6月23日から令和9年2月26日まで
募集件数 2テーマ合わせて都内160件程度
申込方法 東京都マンション管理士会のホームページから申込
申込先 東京都住宅政策本部民間住宅部マンション課 03-5320-5004

(出典:東京都マンションポータルサイト「分譲マンション向けマンション管理士無料派遣」)

江戸川区は荒川・江戸川の水に挟まれた低地の区で、水害への備えは他区以上に切実なテーマです。私自身、現場で理事長さまから「うちのマンションは1階が浸水想定区域に入っているが、備蓄品の置き場所すら決まっていない」というお話を伺ったことがあります。防災力向上のテーマでこの制度を使えば、備蓄計画や垂直避難の動線づくりまで、専門家の視点で整理してもらえます。株式会社明誠がどのような理念で大規模修繕に向き合っているかは、明誠の理念にまとめています。

4. 分譲マンション無料相談会

区が主催する対面の相談会です。

項目 内容
開催頻度 毎月1回、第4土曜日午後
会場 グリーンパレス2階区民相談室
対応専門家 マンション管理士
予約 予約優先制(定員3組・1件60分以内)、3日前までに電話
申込先 建築指導課耐震化促進係 03-5662-6389

(出典:江戸川区「マンションアドバイザー制度利用助成」関連ページ、更新日2025年12月25日)

派遣制度は書類のやり取りが発生しますが、この相談会は思い立ったらすぐ電話1本で予約できる手軽さが利点です。総会に諮る前の「まず聞いてみたい」段階に向いています。

外壁の劣化がどの程度進んでいるかを客観的に把握する方法については、明誠のロープアクセス工法による外壁調査のご紹介をご覧いただくと、足場を組まずにどこまで見られるのかが分かります。技術的な仕組みそのものをもう少し深く知りたい方は、同業者向けに書いている姉妹サイトロープアクセスドットコムのほうが詳しいです。


建築士派遣・大規模修繕アドバイザーは「耐震」に強い江戸川区

5. マンション耐震アドバイザー派遣制度

冒頭でお話しした通り、江戸川区の耐震アドバイザー派遣は完全無料です。

項目 内容
対象建物 昭和56年5月31日以前に建築確認を取得した、3階建て以上の耐火・準耐火建築物で、区分所有形態のマンション
費用 無料
対応者 建築士
相談内容 耐震診断・改修設計・改修工事に関する相談
申込先 建築指導課耐震化促進係 03-5662-6389

(出典:江戸川区「分譲マンション(耐震化助成)」、更新日2026年7月3日)

6. 耐震診断・改修設計・改修工事費用の助成

アドバイザー派遣にとどまらず、実際に耐震診断や改修工事に進む段階でも助成があります。

工程 助成の考え方
耐震診断 診断費用の実額と、区が定める面積区分の単価による額を比較し、少ないほうの3分の2を助成
改修設計 診断で改修が必要と判断された場合の設計費用について、3分の2を助成
改修工事 改修工事費用と、限度額単価×延べ面積を比較し、いずれか少ない額を助成(戸数に応じた上限あり、免震工法等は拡充措置あり)

(出典:同上、江戸川区「分譲マンション(耐震化助成)」)

私の経験上、これは大規模修繕を検討する管理組合にとって見落としがちな話です。「大規模修繕=外壁や防水の話」だと思い込んでいる理事さまが多いのですが、旧耐震基準の建物であれば、耐震診断・改修の助成もあわせて使えないか、同じタイミングで確認しておくべきです。3回目の大規模修繕は、多くの建物で耐震性能の再確認が必要になる時期と重なります。

7. 無料建築相談会(東京都建築士事務所協会 江戸川支部)

区の制度とは別に、民間の建築士団体による無料相談会もあります。

項目 内容
開催頻度 毎月第4土曜日
時間 午後1時〜4時
会場 グリーンパレス2階集会室(江戸川区松島1丁目38番1号)
対応者 建築士
予約 不要
問合せ先 03-5636-1412

(出典:一般社団法人東京都建築士事務所協会 江戸川支部「無料建築相談会」)

区の相談会と同じグリーンパレスの建物内で、テーマの異なる相談会が並行して開催されているのが江戸川区の特徴です。新築・リフォーム・耐震診断・建物調査まで幅広く相談できます。

現場で20年やってきて、私が一番悔しい思いをするのは、こうした無料の窓口があることを知らないまま、割高な見積りをそのまま受け入れてしまう管理組合を見たときです。株式会社明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法での高所作業について、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業では過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。作業員はIRATA(国際産業ロープアクセス協会)水準の技能訓練を受けており、この安全体制の詳細はロープアクセスドットコムで公開しています。足場を組む工事とロープアクセス工法(無足場工法)、どちらも中立的にご提案できる立場だからこそ申し上げますが、複数の視点から意見を聞く癖をつけておくと、後々の判断が楽になります。目安として、10階建て・外周80m・工期3ヶ月程度の建物であれば、足場費用は約168万円かかるところ、ロープアクセス工法なら約59万円程度に収まるケースがあります(建物の形状・現況により変動します)。耐震改修とあわせて外壁の点検・補修まで検討する場合、この差が総工費に与える影響は小さくありません。


弁護士無料相談・消費生活センター:管理費滞納やトラブルへの備え

管理費・修繕積立金の滞納、区分所有者間のトラブル、悪質な訪問業者への対応など、法律や消費生活の知識が必要になる場面も少なくありません。

8. 法律相談(グリーンパレス区民相談室)

項目 内容
開催頻度 第1〜第4火曜日・金曜日
時間 午前9時30分〜正午/午後1時30分〜4時(1件30分)
対象 江戸川区内在住・在勤・在学の方(収入・資産要件なし)
予約 相談希望日の前週水曜日から電話予約
申込先 区民相談室(グリーンパレス2階)03-5662-7684

(出典:江戸川区「法律相談(グリーンパレス区民相談室)」)

オンライン相談も同じ曜日の午前11時30分から正午に用意されています。管理組合として相談する場合、理事長や理事が個人として利用する形になりますが、管理費滞納の督促方法や、規約違反者への対応など、実務的な相談に対応してもらえます。

9. 「法テラス」の法律相談(グリーンパレス区民相談室)

区民相談室の法律相談とは別に、法テラス(日本司法支援センター)による相談枠も同じ会場で開かれています。

項目 内容
開催頻度 毎週月曜日・木曜日
時間 午前9時30分〜正午/午後1時30分〜4時(1件30分)
対象 収入・資産が一定額以下の方(単身者は月収200,200円以下、現金・預貯金180万円以下が目安)
申込先 区民相談室(グリーンパレス2階)03-5662-7684

(出典:江戸川区「『法テラス』の法律相談(グリーンパレス区民相談室)」)

条件を満たせば、その後の弁護士費用を法テラスが立て替える制度も利用できます。理事個人が対象となる制度ですが、悪質な訪問販売や個人としての契約トラブルを抱えている区分所有者がいれば、案内してあげられる窓口です。

要件を問わず誰でも使えるのが区民相談室の法律相談、収入・資産要件があるものの弁護士費用の立替えまで視野に入るのが法テラスの相談、という違いで覚えておくと選びやすいと思います。なお、江戸川区に限らず全国どこからでも使える窓口として、法テラス・サポートダイヤル(0570-078374、平日9時〜21時・土曜9時〜17時)もあります。

10. 江戸川区消費者センター

項目 内容
相談時間 月曜日〜金曜日 午前9時〜午後4時
費用 無料
対象 江戸川区内在住・在勤・在学の個人(事業者は対象外)
主な相談内容 契約トラブル、悪質商法の被害、製品事故など
申込先 相談専用 03-5662-7637

(出典:江戸川区消費者センター「相談したい」)

修繕工事の訪問業者から強引な契約を迫られた、というご相談は江戸川区に限らずどこの管理組合からも聞く話です。正直に申し上げます。「今日契約すれば特別価格」という営業トークが出た時点で、その場で契約せず、まず消費者センターに一本電話を入れる。それだけで防げるトラブルは相当数あります。


都道府県・国の相談窓口を重ねて使う

区の窓口だけでなく、東京都や国レベルの相談窓口も無料で使えます。江戸川区の窓口が混み合っている、あるいはより専門的な意見が欲しいという場合は、こちらも選択肢に入れてください。

11. 東京都 分譲マンション総合相談窓口

項目 内容
相談内容 管理組合運営、改修・建替えの合意形成、大規模修繕工事の検討、助成制度の紹介など
相談時間 月〜金曜日、第1土曜日、第3日曜日(午前9時〜午後5時、水曜のみ午後7時まで)
費用 無料
相談方法 電話・来所(要予約)・メール・FAX・Web会議(Zoom、1週間前までに要予約)
申込先 03-6427-4900

(出典:東京都マンションポータルサイト「分譲マンション総合相談窓口」)

12. (公財)マンション管理センター 電話相談

国土交通大臣・都道府県知事指定の公益財団法人で、全国のマンション管理組合からの相談を受け付けています。

項目 内容
相談内容 管理組合運営・管理規約に関する相談、建物・設備の維持管理に関する相談
電話番号 運営・規約相談 03-3222-1517/建物・設備相談 03-3222-1519
相談時間 月〜金曜日(祝日・年末年始を除く)午前9時30分〜午後5時
費用 無料

(出典:(公財)マンション管理センター「相談窓口について」)

13. 一般社団法人マンション管理業協会 相談窓口

マンション管理会社の業界団体で、管理会社との契約や委託業務に関するトラブル相談を受け付けています。

項目 内容
電話番号 050-3733-8982
相談時間 平日午前10時〜午後4時30分(正午〜午後1時を除く)
費用 無料

(出典:一般社団法人マンション管理業協会「相談業務」)

私はこれを、必ずワンセットで提案するようにしています。管理会社側の言い分だけでなく、管理業協会や管理センターという中立的な立場の相談先も持っておくと、理事会としての判断に自信が持てます。


マンション管理計画認定制度(唯一、少額の手数料がかかる制度)

ここまでご紹介してきた13の窓口はすべて無料、あるいは費用の大半が助成で戻る制度でした。最後にご紹介する管理計画認定制度だけは、区への申請手数料自体は無料ですが、システム利用料として少額の費用がかかります。

項目 内容
区への申請手数料 無料
システム利用料 1申請あたり10,000円
申込先 都市開発部建築指導課耐震化促進係 03-5662-6389

(出典:江戸川区「マンション管理計画認定制度」、更新日2025年4月1日)

マンション管理計画認定制度は、長期修繕計画や管理組合の運営状況が一定の基準を満たしていることを行政が認定する仕組みです(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。認定を取得すると、住宅金融支援機構のフラット35で金利が優遇されるなど、区分所有者にもメリットが及びます。認定基準の詳細はPDFで公開されていますので、申請を検討する段階になったら、まず耐震化促進係に事前相談されることをおすすめします。


何を持っていけばいいか:相談前に揃えたい3点セット

どの窓口に行くにしても、手ぶらで行くと専門家も的確なアドバイスがしづらくなります。私がいつもお伝えしているのは、次の3点です。

1. 総会議事録(直近2〜3年分)

管理組合としての意思決定の経緯が分かる資料です。過去にどんな議論があったかを把握してもらうことで、相談時間を有効に使えます。

2. 長期修繕計画書

現在の修繕積立金の水準が、今後の工事に対して足りているかどうかを判断する基礎資料です。作成年が古い場合は、その旨を正直に伝えてください。

3. 管理規約

区分所有者間のルールが分かる資料です。滞納対応や違反行為への対応を相談する際には必須です。

この3点があれば、耐震アドバイザーでも、マンション管理士でも、弁護士でも、初回の相談だけでかなり具体的な話ができます。


よくあるご質問

Q. 江戸川区の耐震アドバイザー派遣は、何回まで無料で呼べますか?

A. 回数の上限は公表されていませんが、耐震診断・改修設計・改修工事のそれぞれの段階で相談できる制度です。まずは建築指導課耐震化促進係(03-5662-6389)に、ご自身の建物が対象になるかを確認するのが最初の一歩です。

Q. マンションアドバイザー制度利用助成は、どのマンションでも使えますか?

A. 昭和58年以前の建物は管理状況届出書、平成17年以降の建物は管理組合設立届の提出が前提条件です。届出がまだの場合は、区に先に確認されることをおすすめします。

Q. 東京都のマンションアドバイザー無料派遣と、区の助成制度はどう違いますか?

A. 都の無料派遣(管理状況届出制度)は完全無料ですが対象建物と回数に制限があります。区の助成制度は自己負担が発生しますが、より幅広いコース(講座編・相談編・支援編)を選べます。まずは無料派遣の対象になるかを確認し、対象外なら助成制度を使う、という順番がおすすめです。

Q. 弁護士に相談したいのですが、区民相談室と法テラスのどちらを使えばいいですか?

A. 区民相談室の法律相談は収入・資産の要件なく江戸川区民であれば利用できます。法テラスは収入・資産の要件を満たす方が対象で、その後の弁護士費用の立替え制度も利用できます。まずは要件を問わない区民相談室から検討されるとよいと思います。

Q. マンション管理計画認定制度を取ると、具体的にどんなメリットがありますか?

A. 住宅金融支援機構のフラット35で金利優遇が受けられるなど、区分所有者個人にもメリットが及びます。申請手数料自体は無料で、システム利用料1万円のみが管理組合の負担です。

Q. 大規模修繕の工期は、工法によってどれくらい違いますか?

A. ロープアクセス工法は足場の組立・解体の期間がまるごと不要になるため、足場工法のおよそ60%の工期が目安です。10階建て・外周80mのマンションであれば、足場工法で3か月程度のところ、ロープアクセスなら1.5〜2か月程度になります。ただし改修範囲が広い場合は差が縮まります。

Q. 管理会社を通さずに、明誠に直接相談してもいいのでしょうか?

A. もちろんです。セカンドオピニオンとしてお使いいただくケースが一番多いです。既存の見積書を拝見して、数量と単価の妥当性を一緒に確認するだけでも結構です。お問合せフォームからご連絡ください。


まとめ:今週、江戸川区の管理組合が動けること3つ

長くなりましたので、動き出しの3手に絞ります。

1. 建築指導課耐震化促進係(03-5662-6389)に電話して、自分の建物が旧耐震基準(昭和56年5月以前)に該当するか確認する

該当すれば、耐震アドバイザー派遣が無料で使え、耐震診断・改修設計の費用も3分の2まで助成対象になります。

2. 管理状況届出を済ませているか確認し、済んでいなければ届出を進める

届出さえ済ませておけば、東京都のマンションアドバイザー無料派遣(1〜5回無料)の対象になります。

3. 東京都のマンション管理士無料派遣(防災力向上・認知症対応)を理事会の議題に載せる

受付は令和9年2月26日まで。江戸川区は水害への備えが特に重要な区です。防災力向上のテーマで、専門家に相談できる機会を無料で確保できます。


江戸川区は、小岩・平井のような下町の中規模マンションから、葛西・西葛西の湾岸エリアの大規模マンションまで、建物のタイプが幅広い区です。荒川と江戸川に挟まれた低地という土地柄もあり、防災という切り口が他区以上に大きな意味を持ちます。だからこそ、「よその管理組合がこうしたから」ではなく、自分の建物の構造と築年、そして立地のリスクを自分たちで把握することが効いてきます。

そして、その第一歩にかかるお金は、江戸川区の場合ほとんどゼロにできます。区の耐震アドバイザー、都のマンション管理士、弁護士、消費生活センター。これだけ呼んでも、支出は郵送代と電話代くらいのものです。

私は現場でこう思うことがあります。管理組合が損をするのは、悪い業者に当たったときよりも、相談しないまま時間だけが過ぎたときのほうがずっと多い、と。外壁の浮きも、防水の切れも、待っていて良くなることはありません。

明誠のこれまでの明誠の施工事例もあわせてご覧いただければ、実際にどんな建物でどんな判断をしてきたかが伝わると思います。マンション・ビルの管理組合さまはマンション管理組合さま向けサービスのご案内もご参照ください。ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。


出典・参考資料


本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月25日時点で公表されている東京都江戸川区および国土交通省・東京都の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず東京都江戸川区および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。


この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)

株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市

マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年9月25日

葛飾区の管理組合が無料で使える相談・派遣13選|耐震アドバイザー派遣は1棟4回まで無料、管理計画認定アドバイザーは令和9年2月28日まで受付【令和8年度版】

2026年9月24日 更新

先週、金町の分譲マンションの理事長さまから電話をいただきました。

「築42年の棟で、そろそろ大規模修繕の3回目を検討し始めている。ただ、うちは旧耐震基準の建物らしいと聞いたことがあるが、それが何を意味するのか、誰に聞けばいいのかも分からない」

伺うと、5階建て・48戸の建物で、昭和54年築。旧耐震基準(昭和56年5月31日以前)の建築物にぴったり該当していました。しかも長期修繕計画は一度も専門家の手が入らないまま、管理会社の提案書をそのまま踏襲してきたとのことでした。

私はこの手のご相談を受けるたびに、同じことを思います。葛飾区の管理組合には、実は無料で呼べる専門家や、費用の大半が助成で戻る制度がかなり揃っているのに、その情報が理事会まで届いていない、と。特に葛飾区は、旧耐震基準の建物を対象にした耐震アドバイザー派遣を1棟あたり4回まで無料で使える、23区の中でも手厚い制度を持っています。

申し遅れました。私は株式会社明誠の本間幸紘と申します。東京都東大和市を拠点に、20年近くマンション・ビル・ホテルの外壁の仕事をしてきました。足場を組んで建物をすっぽり囲う工事も、ロープ1本でぶら下がる無足場の工事も、どちらの現場も自分の足で踏んできた人間です。

今日は、葛飾区の管理組合とビル・収益不動産オーナーさまが使える相談・派遣・助成を13個、令和8年度(2026年4月1日から2027年3月31日まで)の一次情報で整理します。


結論:葛飾区で使える支援は13ある

先に一覧でお示しします。費用ゼロのものと、費用の一部が助成で戻るものを分けて並べました。

# 制度・窓口 誰が対応するか 費用 申込先
1 マンション管理計画認定取得のためのアドバイザー派遣 マンション管理士等 無料(システム利用料1万円は管理組合負担) 住環境整備課企画管理係 03-5654-8352
2 分譲マンションアドバイザー制度利用助成 都センター認定アドバイザー 派遣料の一部助成(上限8,250〜25,300円・年度内1回) 住環境整備課企画管理係 03-5654-8352
3 マンション耐震アドバイザー派遣制度 建築士等の耐震アドバイザー 無料/1棟あたり4回まで 建築課建築安全係 03-5654-8552
4 分譲マンション維持管理セミナー・個別相談会 専門家講師+個別相談 無料 住環境整備課 03-5654-8352/8529
5 区の法律相談 弁護士 無料/30分程度・電話予約制 区民相談室 03-5654-8612〜8615
6 建築・リフォームなんでも相談 建築士 無料/第1・3金曜、予約不要 区民相談室 03-5654-8612〜8615
7 葛飾区消費生活センター 消費生活相談員 無料 03-5698-2311
8 東京都 分譲マンション総合相談窓口 都職員・専門相談員 無料 03-6427-4900
9 東京都 マンションアドバイザー無料派遣(管理状況届出制度) マンション管理士等 無料(届出済みが条件・管理不全兆候ありは最大5回) 東京都防災・建築まちづくりセンター 03-5989-1453
10 (公財)マンション管理センター 電話相談 専門相談員 無料 運営03-3222-1517/設備03-3222-1519
11 一般社団法人マンション管理業協会 相談窓口 専門相談員 無料 050-3733-8982
12 法テラス・サポートダイヤル 案内オペレーター 無料(個別法律相談は要件により有料の場合あり) 0570-078374
13 葛飾区マンション管理計画認定制度 住環境整備課(事前確認は外部機関) 区への申請手数料無料(事前確認料等は別途) 住環境整備課企画管理係 03-5654-8352

1〜12がお金のかからない、あるいは費用の大半が戻る相談・派遣・助成、13は区への申請自体は無料で事前確認費用のみ発生する認定制度です。順番に見ていきます。


葛飾区の目玉は「耐震アドバイザー派遣・1棟4回まで無料」

多くの区の耐震アドバイザー制度は1回きりか、せいぜい2回までです。葛飾区は同一マンションにつき最大4回まで無料で派遣を受けられる点が際立っています。

1. マンション耐震アドバイザー派遣制度

区が公表している内容をそのまま引用します。

項目 内容
対象建築物 昭和56年5月31日以前に建築された、3階以上・鉄骨造/鉄筋コンクリート造/鉄骨鉄筋コンクリート造の耐火・準耐火建築物(区内の共同住宅)
費用 無料
派遣回数 1つのマンションにつき4回まで
申込先 葛飾区役所建築課建築安全係 03-5654-8552

(出典:葛飾区「マンション耐震アドバイザー派遣制度(無料)」)

4回という回数の意味は小さくありません。1回目で現地を見てもらい、2回目で簡易診断の結果を踏まえた説明を受け、3回目で耐震改修の方向性を詰め、4回目で総会向けの資料の見せ方を相談する——そこまでの伴走を無料で受けられる計算です。私はいつも理事長さまに「1回で終わらせず、総会説明の直前にもう一度呼んでください」とお伝えしています。総会当日に区分所有者から想定外の質問が飛んでも、アドバイザーに聞いた内容ならその場で答えやすくなるからです。

対象は昭和56年5月31日以前の建物に限られますが、葛飾区は柴又・金町・新小岩・立石など昭和40年代後半から50年代に建てられた分譲マンションが多いエリアです。まずご自身の管理組合の建物がこの年代に該当するか、竣工年月日を登記簿や重要事項調査報告書で確認するところから始めてみてください。


マンション管理計画認定制度を取りに行くなら、アドバイザー派遣がほぼ無料で使える

令和4年に始まったマンション管理計画認定制度は、葛飾区でも申請が進んでいます。区は認定取得を後押しするアドバイザー派遣制度を用意しています。

2. マンション管理計画認定取得のためのアドバイザー派遣

項目 内容
対象 区内分譲マンションの管理組合、または管理組合から委託を受けた管理会社
費用 無料(ただし管理計画認定手続支援サービスのシステム利用料 税込10,000円は管理組合負担)
受付期間 令和8年5月1日〜令和9年2月28日
申込方法 申込書を郵送・持参、または申込みフォーム
申込先 住環境整備課企画管理係 03-5654-8352

(出典:葛飾区「マンション管理計画認定取得のためのアドバイザーを派遣します」/更新日令和8年5月1日)

アドバイザー派遣そのものは無料ですが、認定申請の前段階として必要になる事前確認(マンション管理士や日本マンション管理士会連合会、マンション管理センターなどによる適合証の発行)には別途費用がかかります。この事前確認料と、認定申請支援システムの利用料1万円が、実質的な自己負担額です。

3. 葛飾区マンション管理計画認定制度そのもの

項目 内容
区への認定申請手数料 無料
事前確認 必須(マンション管理士・管理会社・日管連・マンション管理センターいずれかの「事前確認適合証」が必要)
申請窓口 住環境整備課企画管理係(葛飾区立石5-13-1 区役所3階307番窓口)
電話 03-5654-8352

(出典:葛飾区「管理計画認定制度」)

認定を取得すると、住宅金融支援機構のフラット35の金利引き下げや、大規模修繕工事融資の金利優遇といった税制・融資面のメリットが受けられます。長期修繕計画の見直しと合わせて検討する管理組合が増えている制度です。

4. 分譲マンションアドバイザー制度利用助成 — 都の派遣費用を区が一部負担

(公財)東京都防災・建築まちづくりセンターのマンションアドバイザー制度を利用するとき、その派遣料の一部を葛飾区が助成してくれます。

項目 内容
対象 区内の分譲マンションの管理組合または区分所有者
助成額 B-1〜B-7コース:上限12,650円/B-8①②コース:上限25,300円/建替え・改修Aコース:上限8,250円
助成回数 同一マンションにつき年度内1回
申込先 住環境整備課企画管理係 03-5654-8352(事前に電話連絡のうえ申請)

(出典:葛飾区「分譲マンションアドバイザー制度利用助成」/掲載更新日令和5年4月10日)

このページの更新日は令和5年4月10日と少し古いため、助成額そのものに変更がないかは、申請前に必ず住環境整備課へ電話で確認してください。区がハブとして案内している分譲マンションの維持管理相談窓口ページでは「派遣料の半額を助成」という説明もあり、コースによって助成率の表現が異なります。いずれにせよ、都のアドバイザー派遣を単独で申し込むより、区の助成を併用したほうが自己負担は小さくなります。

私はこれを、大規模修繕の初動段階で必ずワンセットで提案するようにしています。管理状況届の提出、都のアドバイザー制度、区の助成——3つを組み合わせて初めて「実質無料に近い専門家派遣」が完成するからです。


区が主催する無料セミナー・個別相談会

5. 分譲マンションにお住まいの方のための維持管理セミナー

区が年に数回開催している、講師によるセミナーと個別相談会のセットです。

項目 内容
対象 区内分譲マンションの管理組合役員、区分所有者
費用 無料
直近の開催 令和8年6月13日(土曜)9時30分〜10時50分がセミナー、11時〜12時が個別相談会
申込先 住環境整備課 03-5654-8352または03-5654-8529

(出典:葛飾区「分譲マンションにお住まいの方のための維持管理セミナー」/更新日令和8年5月1日)

本記事の執筆時点(2026年9月24日)では直近の開催は令和8年6月13日で終了しており、次回の日程は未公表です。定員に達すると受付が締め切られる形式のため、興味のある管理組合は住環境整備課に電話をして、次回開催の案内を早めに受け取れるようにしておくことをお勧めします。


区民相談室──弁護士も建築士も無料で呼べる

6. 区の法律相談(弁護士)

項目 内容
頻度 月〜金曜(第1木曜は午前から、第2水曜は夜間まで拡充)
時間 通常13:00〜16:40、第1木曜8:40〜16:40、第2水曜13:00〜19:20
費用 無料
予約 電話のみ・相談日の2週間前から受付
電話 03-5654-8612〜8615(平日8:30〜17:00)

(出典:葛飾区「法律相談」/更新日令和8年7月2日)

管理費の滞納が続く区分所有者への対応、専有部分の使用差し止め、総会決議の有効性など、区分所有法が絡む相談は法律相談の得意分野です。メール相談は実施していないため、電話で予約してください。

7. 建築・リフォームなんでも相談(建築士)

項目 内容
頻度 第1・3金曜日
時間 13:00〜16:00
費用 無料
予約 不要(当日来室または電話可)
電話 03-5654-8612〜8615

(出典:葛飾区「区民相談のご案内」)

予約不要というのが使い勝手の良いところです。大規模修繕の見積書や、管理会社から提示された改修プランを持ち込んで、第三者の建築士に目を通してもらうという使い方ができます。

8. 葛飾区消費生活センター

項目 内容
費用 無料
受付時間 月〜金曜9:00〜17:00(休日・年末年始除く)
電話 03-5698-2311

(出典:葛飾区「消費生活相談はこちら」)

管理組合が結んだ工事契約や、訪問営業によるリフォーム契約のトラブルは消費生活センターの管轄です。クーリングオフの可否や、契約書の不備の指摘など、実務的なアドバイスが受けられます。


都・国レベルの相談窓口も併用できる

区の窓口だけでなく、東京都や業界団体が用意する無料窓口も併用できます。

9. 東京都 分譲マンション総合相談窓口

日常の維持管理から建替え・改修まで、幅広く相談できる都の窓口です。電話:03-6427-4900。

10. 東京都 マンションアドバイザー無料派遣(管理状況届出制度)

管理状況届を提出済みの要届出マンション(昭和58年12月31日以前に新築・6戸以上)であれば、アドバイザー派遣1回が無料。管理不全の兆候がある場合はさらに手厚く、最大5回まで無料派遣を受けられます。申込・問合せ先は(公財)東京都防災・建築まちづくりセンター 03-5989-1453です。

(出典:東京都マンションポータルサイト「管理状況の届出内容に応じたアドバイザー派遣費用の助成」)

11. (公財)マンション管理センターの電話相談

管理組合運営・管理規約の相談は03-3222-1517、建物・設備の維持管理相談は03-3222-1519。受付は平日9:30〜17:00です。

(出典:(公財)マンション管理センター「相談窓口について」)

12. 一般社団法人マンション管理業協会の相談窓口

管理会社との契約内容や委託業務の範囲に疑問があるときの相談先です。電話:050-3733-8982、受付10:00〜16:30(12:00〜13:00を除く)。

(出典:一般社団法人マンション管理業協会「お問い合わせ」)

13. 法テラス・サポートダイヤル

個別の法律相談窓口を案内してくれる全国共通の窓口です。電話:0570-078374(ナビダイヤル)、平日9:00〜21:00・土曜9:00〜17:00。資力要件を満たす場合は無料の民事法律扶助(弁護士費用の立替制度)につながることもあります。

(出典:法テラス「法テラス・サポートダイヤル」)


お金の話:葛飾区で大規模修繕を検討するときの目安

制度の話ばかりでは実感が湧かないと思いますので、費用の目安も出しておきます。すべて参考値のレンジです。実際の見積は建物の形状・劣化状況・立地によって大きく変動します。

工種 ㎡単価の目安
外壁塗装 3,500〜4,500円/㎡
外壁打診調査 250〜500円/㎡
屋上・バルコニー防水 5,000〜8,000円/㎡

30戸規模のマンションで大規模修繕を一巡させると、総額のレンジは3,500〜5,000万円程度。このうち仮設足場が15〜25%を占めます。足場だけで500万〜1,200万円という計算です。

私がロープアクセス工法(産業用ロープで作業員が懸垂し、足場を組まずに外壁作業を行う無足場工法)をご提案することが多い理由は、ここにあります。10階建て・外周80m・工期3か月というモデルケースでは、足場の仮設費が約168万円に対し、ロープアクセスなら約59万円。差額は約109万円です。

ただし、どんな建物でもロープアクセスが最適というわけではありません。低層で形状が複雑な建物、改修範囲が広い建物は、足場を組んだほうが総合コストで有利になることもあります。だからこそ明誠では、通常足場・ロープアクセス・両者を部位ごとに使い分けるハイブリッド工法の3つから選べる体制をとっています。3工法を自社で提案できる会社は、国内でも多くありません。料金の考え方は明誠の大規模修繕の料金の考え方にまとめています。

株式会社明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法での高所作業について、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業では過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。作業員はIRATA(国際産業ロープアクセス協会)水準の技能訓練を受けています。この安全体制の詳細はロープアクセスドットコムで公開しています。ISO9001品質マネジメントシステムに基づく施工品質の考え方も、姉妹サイトのロープアクセスドットコムで技術的に解説しています。安全管理の考え方は明誠の安全管理への取り組み、会社の理念は明誠の理念もあわせてご覧ください。

葛飾区は柴又・金町・新小岩・立石・青戸と、地域によって建物のストック年齢に差があります。旧耐震基準の建物が集中するエリアもあれば、区画整理でまとまって建て替えられたエリアもある。同じ葛飾区でも、まず確認すべきことは建物によって違います。


相談に行くとき、何を持っていけばいいか

限られた相談時間を最大限に使うために、私がいつもお伝えしている3点セットがあります。

  1. 直近3期分の総会議事録 — 何が決まり、何が先送りされてきたかが一目で分かります
  2. 長期修繕計画書 — 更新が止まっていても構いません。むしろ止まっていること自体が相談材料です
  3. 管理規約(最新版) — 標準管理規約は令和7年に改正されています。自組合の規約がどの版に準拠しているかで、打てる手が変わります

余裕があれば、竣工年月日が分かる書類(登記簿・重要事項調査報告書など)と、気になっている箇所のスマホ写真を加えてください。旧耐震基準に該当するかどうかは、耐震アドバイザー派遣を申し込む際にまず聞かれる項目です。

法令面では、令和7年5月30日公布の「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律」(令和7年法律第47号)が令和7年11月28日に一部施行されています。建替えや大規模な改修を視野に入れている管理組合は、この改正を踏まえた助言を受けられるかどうかで、相談の価値が変わってきます。


よくあるご質問

Q. 耐震アドバイザー派遣は、旧耐震基準かどうかが分からなくても申し込めますか?

A. まず建築課建築安全係(03-5654-8552)に竣工年月日と構造(鉄骨造・鉄筋コンクリート造など)を伝えれば、対象になるかどうかを確認してもらえます。登記簿や重要事項調査報告書に竣工年月日の記載がありますので、事前に手元に用意しておくとスムーズです。

Q. マンション管理計画認定を取得すると、具体的にどんなメリットがありますか?

A. 住宅金融支援機構のフラット35の金利引き下げや、マンション共用部分リフォーム融資の金利優遇が代表的です。長期修繕計画の内容や修繕積立金の水準が一定の基準を満たしていることが前提になりますので、まずは事前確認から始めることをお勧めします。

Q. 分譲マンションアドバイザー制度利用助成の金額は、令和8年度も同じですか?

A. 区の該当ページの掲載更新日は令和5年4月10日で、令和8年度向けの改定情報は確認できていません。申請前に住環境整備課企画管理係(03-5654-8352)へ電話し、現行年度の助成額を直接ご確認ください。

Q. 賃貸マンションのオーナーでも使える制度はありますか?

A. 耐震アドバイザー派遣や管理計画認定関連の制度は分譲マンションの管理組合が主な対象です。賃貸マンションのオーナーさまは区民相談室の建築相談・法律相談(区内在住・在勤・在学の個人が対象)や、民間の第三者診断をご検討ください。収益物件の維持管理については明誠のオーナー向けサービスをご覧ください。

Q. 大規模修繕の工期は、足場とロープアクセスでどれくらい違いますか?

A. ロープアクセス工法は足場の組立・解体の期間がまるごと不要になるため、足場工法のおよそ60%の工期が目安です。10階建て・外周80mのマンションであれば、足場工法で3か月程度のところ、ロープアクセスなら1.5〜2か月程度になります。

Q. 管理会社を通さずに、明誠に直接相談してもいいのでしょうか?

A. もちろんです。セカンドオピニオンとしてお使いいただくケースが一番多いです。既存の見積書を拝見して、数量と単価の妥当性を一緒に確認するだけでも結構です。お問合せフォームからご連絡ください。管理組合向けのご案内は明誠の管理組合向けサービスにまとめています。

Q. 予算がなくなったら助成は使えなくなりますか?

A. アドバイザー派遣制度は年度予算の範囲内で運営されているため、年度末に近づくほど枠が埋まる可能性があります。特に管理計画認定取得のためのアドバイザー派遣は受付期間が令和9年2月28日までと定められていますので、検討している管理組合は早めに住環境整備課へお問い合わせください。


まとめ:今週、葛飾区の管理組合が動けること3つ

長くなりましたので、動き出しの3手に絞ります。

1. 建物の竣工年月日を確認し、旧耐震基準に該当するか調べる

昭和56年5月31日以前の建物であれば、耐震アドバイザー派遣を1棟あたり4回まで無料で使えます。登記簿や重要事項調査報告書があれば、すぐに確認できます。

2. 住環境整備課(03-5654-8352)に電話して、管理計画認定アドバイザー派遣の受付状況を聞く

受付期間は令和9年2月28日までですが、予算の状況によって早期に締め切られる可能性もあります。長期修繕計画の見直し時期と合わせて検討している管理組合は、早めの相談をお勧めします。

3. 次の理事会に、この記事の一覧表を持っていく

13ある制度のうち、自分たちの管理組合がどれに該当するかを整理するだけでも、専門家に相談するときの話が具体的になります。


葛飾区は、旧耐震基準の建物への支援という点で、23区の中でも特徴のある制度を持っています。耐震アドバイザー派遣が1棟4回まで無料というのは、決して小さな数字ではありません。

一方で、都の制度と区の助成を組み合わせる仕組みは少し分かりにくく、掲載情報の更新頻度にもばらつきがあります。だからこそ、電話一本で確認する手間を惜しまないことが大切だと、私は現場で感じています。

私はこう思うことがあります。管理組合が損をするのは、悪い業者に当たったときよりも、相談しないまま時間だけが過ぎたときのほうがずっと多い、と。壁の浮きも、防水の切れも、待っていて良くなることはありません。

明誠のこれまでの明誠の施工事例もあわせてご覧いただければ、実際にどんな建物でどんな判断をしてきたかが伝わると思います。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。


出典・参考資料


本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月24日時点で公表されている東京都葛飾区および国土交通省・東京都の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。特に分譲マンションアドバイザー制度利用助成のページは掲載更新日が令和5年4月10日と古いため、助成額に変更がないか申請前に必ず住環境整備課へご確認ください。実際に申請される前に、必ず東京都葛飾区および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。


この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)

株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市

マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年9月24日

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