
雨漏れ調査における調査方法は色々とあります。
例えば、単純に水を散水する方法、電気を通す方法、ガスを使用する方法。
ただ漏水は1箇所が原因ではなく、複数の箇所が複合的に関与している事も多々あり、一度、漏水が止まった!と喜んでも別の場所から、また漏れてくることを経験された方もいるのではないでしょうか。
その中で、特に有効なのが特殊な顔料を使用した「レインボービューシステム」による外壁調査になります。
弊社(株式会社明誠)でも、扱えるようになりましたので、今後、ロープアクセスとレインボービューシステムを掛け合わせた漏水調査も可能になります。
散水箇所によって、発光色を変えることで何処の場所から漏水がしているかが明朗になり、スムーズな漏水補修工事を行うことが出来るのが最大のメリットになります。
1.散水試験(散水調査)の重要性
1.1 概要と定義
まず「散水試験(散水調査)」とは、雨漏れが疑われる建物外部の被疑箇所へ実際に水(ホースやシャワー状、バケツなど)をかけて「雨の状況を再現」し、室内や屋裏、小屋裏、壁裏、サッシ廻りなどで漏水が発生するかを確認・観察する調査手法です。
yaneyasan14.net
+4
EPARKくらしのレスキュー
+4
yaneyasan13.net
+4
この試験により、目視だけでは得にくい「どこから雨水が浸入して、どのルートで室内に到達しているか」を可視化・実証し、修繕工事の提案根拠を明確にできます。
1.2 なぜ重要か(意義)
原因特定の精度向上
目視調査(ひび割れ・シーリングの破断・劣化等)だけでは、浸入口から室内までの水の流下ルート/浸入経路を断定できない場合が多くあります。
yaneyasan13.net
+2
tosouyasan12.net
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散水試験を実施することで「この外部被疑箇所に水をかけたら、室内のここから水が出る」という因果が再現でき、修繕対象を絞り込みやすくなります。例えば「屋根からの浸入」「壁・シーリングからの浸入」「バルコニー/サッシ回りからの浸入」など、多岐の可能性を仮説化して順に検証できます。
tosouyasan12.net
+1
結果として「無駄な補修工事」を減らし、「散水結果を根拠とした補修提案」ができるという点で、施工提案者としての信頼性が高まります。
工事提案前のリスク低減
原因が曖昧なまま補修を進めると、補修後にも雨漏れが再発する可能性が高くなります。散水による再現試験で浸入口・経路を明らかにすることにより、工事内容の仕様(足場+防水/シーリング打替え/タイル補修/ロープアクセス施工可否など)を最適化できます。
tosouyasan12.net
+1
例えば、RITA社長様が扱われておられるホテル・ビル・マンションなど大規模建物において、足場を建てるかロープアクセスで済ませるかという選択においても、浸入口が特定できていればコスト削減・工期短縮の提案をより確度高くできます。
説得材料としての「再現映像・結果」
散水試験で「水をかけたら室内のこの位置から水が出ました」という実証ができると、管理組合やオーナーへの説明、保険(火災・地震・損保)申請時の資料として非常に説得力があります。既往データの収集・報告書化も容易になります。例えば、保険申請代行も貴社の付帯サービスに含まれているとのことですので、この調査を活用すると「調査→資料提出→申請代行」の流れがスムーズになります。
1.3 散水試験の実施手順・留意点
実務的には以下のような手順・ポイントがあります(各社事例より整理)。
ヒアリング・目視調査:まず、雨漏れがいつ、どの程度、どこで発生したかをヒアリングし、外観・内観の目視点検を行います。
amepita.jp
+1
被疑箇所の設定・仮説立案:雨漏れが起きる時間、雨量・風向き、発生部の位置などから浸入口の仮説を立て、散水箇所を決定します。
amepita.jp
+1
散水試験の実行:ホースやシャワー状の水をかけ、浸入の再現を試みます。水量・時間・場所を段階的に変えて、どこから内部へ浸入しているか追跡します。
EPARKくらしのレスキュー
+1
確認・記録:室内・天井裏・壁裏などで水の出現を観察・記録し、どこから浸入しているかを特定します。検証には時間(1箇所あたり60〜90分程度の例あり)を要する場合があります。
urabejyuusou.co.jp
+1
報告・修繕提案:原因が特定できたら報告書を作成し、最適な施工方法(足場/ロープ/防水/シーリング等)を提案します。散水不能または原因が不明な場合は、別の調査手法を併用することも検討されます。
yaneyasan13.net
ただし、以下の留意点もあります。
散水試験を行うためには水道利用やホース・仮設設備が必要で、建物によっては足場または高所作業車が必要になることがあります。
屋根修理・雨漏り修理・外壁塗装は総合リフォーム・おうちのお悩みドロボー
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調査員の経験・建物構造の理解が調査精度に大きく影響します。知識・経験の少ない調査だと誤診・時間延長のリスクがあります。
神清
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散水時は天候・屋根/壁の状態・乾燥具合など影響を受けるため、条件を整えて実施する必要があります。
amamori119.jp
1.4 建物改修提案という観点からの活用メリット
RITA社長様が扱われているような「ホテル・マンション・ビル・プラント工場」など大規模建築物において、散水試験を活用するメリットを整理します。
足場を仮設して高所作業を行うか、ロープアクセスで対応可能かの判断がしやすくなります。「浸入口が比較的外壁の上部かつアクセス困難であれば、ロープアクセス工法×改修工事提案」が有効です。
コスト算出の根拠として、調査結果をもとに「足場有/無」「ロープアクセス併用」「重点範囲限定」などを検討できます。これにより、一般的に足場を建てるより平均20%安く工事ができるという御社の強みを、説得力をもってオーナーに提示できます。
保険申請・管理組合への説明時にも、明確な原因特定データを提示できるため、信頼構築・契約成立率向上に繋がります。
複数の浸入箇所・複雑な経路(例えば、屋上から壁を伝ってバルコニーへというようなケース)も散水+仮説検証を通じて整理できるため、「見えない雨漏れ」を表層的な補修ではなく、構造的に止めるという提案が可能になります。
2.「レインボービューシステム(紫外線投射発光調査)」のメリット
2.1 概要と定義
「レインボービューシステム」とは、正式には 一般社団法人全日本雨漏調査協会 が認定する雨漏り調査技師が用いる、特殊な7色に発光する調査液「レインボービュー」と紫外線(UV)照射器を用し、雨漏り浸入口・浸入経路を可視化・特定する調査工法です。
SFビルメンテナンス
+3
雨漏り専門調査110番|業務実績3000件以上のプロにお任せください |
+3
全日本雨漏調査協会(一般社団法人)
+3
この工法は“発光による可視化”という点で従来の散水試験・赤外線調査に対する進化形と位置づけられています。
七色雨漏り診断
+1
2.2 なぜメリットがあるか(特徴)
以下、主なメリットを整理します。
発光による浸入口/経路の可視化
調査液を被疑箇所に散布または流し、水の侵入ルートをその調査液が経由して室内等に到達することで、紫外線下で蛍光発光します。これにより、水の流れ、浸入口、経路が“色”で識別できるようになります。
フタバコーポレーション
+2
雨漏り専門調査110番|業務実績3000件以上のプロにお任せください |
+2
複数の色を用いることで、浸入口が複数あるケース、また複数経路が絡むケース(=典型的な大規模建築物で起こる“混在型雨水浸入”)でも、どの色が最初の浸入口か、どの色が二次的な経路か、という分析が可能となります。
フタバコーポレーション
+1
天候・時間の制約が少ない
従来、雨漏れ現象を目視で確認するためには「実際の降雨時」「風向き条件」「雨量」などが限定されており、調査できるタイミングが少ないという課題がありました。レインボービュー工法では晴天時・降雨無くとも調査液を用いて“散水/流水”+紫外線撮影が可能であり、調査のタイミング自由度が高まります。
七色雨漏り診断
+1
構造・材質を問わず適用可能
木造/鉄骨造/RC造問わず、一般建築物の屋根・外壁・バルコニー・サッシまわり・プラント構造物等、幅広く適用可能とされています。
七色雨漏り診断
+1
この点、御社が対象とされている「ビル・ホテル・マンション・商業施設・プラント工場」といった多様な構造物に対しても有効な手法と言えます。
調査時間・工数の削減
可視化がしやすいため、従来より原因特定までの時間が短縮されるケースが報告されています。例えば「今まで解決できなかった複数箇所の原因が短時間で特定できた」という紹介があります。
全日本雨漏調査協会(一般社団法人)
+1
工事前の調査段階での期間短縮・判断速度アップという点で、工期管理・施工計画をする上で優位となります。
修繕提案の説得力強化
発光画像・映像記録・色別解析が可能であるため、オーナーや管理組合、保険申請先に対して「ここから浸入しています/この色の流れを辿りました」という説明資料として非常に説得力があります。特に高級ホテル・大規模マンションなどで説明責任・投資判断が厳しい案件において有効です。
2.3 実務での活用ポイント・注意点
実務的に活用する上で、以下のポイントがあります。
仮説設定と散水/調査液散布の設計:どこに調査液を流すか、どのルートを想定するかをあらかじめヒアリング・目視・設計図面等から仮説化しておく必要があります。
被疑箇所のアクセス確保:発光液を散布する場所、紫外線照射を行う場所、暗所撮影ができる環境など、被疑構造物のアクセス・安全確保が重要です。例えば足場・高所作業車・ロープアクセスが必要になるケースもあるため、御社のロープアクセス強みを活かすことが可能です。
撮影・報告の精度:発光状態を撮影・記録し、色別の動線・浸入口・経路を整理・報告書化する工程が重要です。
調査液・紫外線器材の確保と安全管理:調査液が無害とされているものの、建物・人への影響を考慮して適切に使用する必要があります。
SFビルメンテナンス
+1
補修前・補修後の確認:調査で浸入口を特定し補修を実施した後、再び発光調査を行って“浸入が止まった”という検証を行うと、オーナー・管理組合からの信頼性が高まります。
2.4 建物改修提案という観点からの活用メリット
御社のように「足場仮設+ロープアクセス」「機能性とコスト競争力を兼ね備えた大規模修繕提案」を行われる場合、レインボービューを活用することで以下のようなメリットがあります。
複数箇所・複雑な浸入経路が想定される大規模建築(ホテル・商業施設・プラント工場)において、原因特定が早く、施工範囲を限定できるため、足場規模・施工期間・仮設コストを抑えやすくなります。
ロープアクセス工法を提案する際に、「なぜ足場ではなくロープアクセスが合理的か」を調査結果とともに説明できます。例えば「浸入口が高所壁面のピンポイントであり、足場を全面に建てる必要がない」「ロープアクセスでこの範囲をカバーできます」という提案根拠が強くなります。
保険申請(損保・火災(地震)保険)や管理組合への資料提示において、“色で特定された浸入経路”という説明は説得力があり、施工受注率・信用度向上につながります。
実測データを交えた報告書をもとに、「修繕範囲を明確化」「コスト見積りを合理化」「将来的な改修サイクルを提示」といった資産運用提案(特にマンション管理組合向け)を加えることで、単なる補修工事ではなく“資産価値維持・改修戦略”としてのポジショニングを強められます。
3.散水試験 vs レインボービューシステム:比較と使い分け
3.1 比較ポイント
以下に、両手法を比較した表を示します。
項目 散水試験 レインボービューシステム(紫外線投射発光)
原理 実際に水をかけて雨漏れを再現 →室内等で水の出現を確認
amepita.jp
+1
被疑箇所に発光調査液を流し、紫外線を当てて発光させることで浸入口・経路を可視化
フタバコーポレーション
メリット 費用が比較的低く、実水を用いた再現性あり。多くの業者が実施。
EPARKくらしのレスキュー
+1
可視化性能が高い。複数色使用で複合浸入経路の特定が可能。天候制約が少ない。構造/材質を問わず適用。
七色雨漏り診断
デメリット 調査員のスキル・経験に依存。時間がかかる場合あり。天候・水量・仮設設備の影響を受けやすい。
urabejyuusou.co.jp
調査液・紫外線器材が必要でコストがやや高め。被疑箇所の前提設定が重要。機材・準備が増える。
対象建物規模 戸建て~中規模建物で実施されることが多い。
神清
中〜大規模建築物(ビル・マンション・商業施設・プラント等)にも適用実績あり。
フタバコーポレーション
調査スピード 条件によっては1箇所あたり60〜90分、被疑箇所が多ければ時間延長あり。
urabejyuusou.co.jp
比較的短時間で浸入経路の特定が可能という報告あり。
全日本雨漏調査協会(一般社団法人)
3.2 使い分けの考え方
改修提案を行う立場から、どちらを採用すべきか、あるいは両者を併用すべきかを以下のように整理できます。
初期段階の原因特定において、まず散水試験を用いる:被疑箇所が少数で、構造が比較的単純な建物(例えばマンションのバルコニー周り・サッシ廻りなど)では、散水試験で十分に原因特定できるケースが多いです。時間・コストともに抑えやすいため、まずこの手法を検討するのが合理的です。
原因が複数想定される、あるいは高難易度建築(大規模構造・複雑な外装・工期・コスト制約がある)ではレインボービューを選択/併用:例えば、ホテル・プラント工場・高層ビルなどで雨漏れが“何度も直っても再発”しているケース、浸入経路が複雑に入り組んでいる疑いがある場合には、レインボービューシステムが有効です。「調査に時間をかけない」「原因を明確にする」「施工範囲を限定・効率化する」という点でメリットが大きいです。
併用戦略も有効:例えば、散水試験でおおまかな浸入口候補を絞り込んだうえで、レインボービューによる詳細可視化を行うという流れが考えられます。これにより無駄な調査コストを抑えつつ、精度を高めることができます。
提案時のプレゼン・資料化という観点からも併用価値あり:散水試験の「水をかけて再現した実証データ」+レインボービューの「発光可視化データ」を両者提示すると、管理組合・オーナー・保険会社に対する説得力が強まります。特に大型物件・資産価値を維持する修繕提案を行う際には、調査段階から“価値ある資料”として活用できます。
3.3 工法提案時における活用シナリオ
ホテル改修:宿泊稼働率を下げずに施工という御社の強みを活かすため、調査段階でレインボービューを使い「浸入口を短時間で特定」「施工範囲を狭く」「足場・ロープアクセスの併用で効率的工事」を提案。
マンション管理組合:資産運用提案の一環として「改修の根拠となる原因特定調査」「施工後の効果検証(再発+可視化)」を提示。「無駄な修繕を減らし、費用を明確化」というアプローチが有効。
プラント工場/商業施設:構造が複雑・使用停止コストが大きいため、レインボービューによる調査で“停止期間最小化”“ピンポイント改修”を目指す。調査之后、足場仮設かロープアクセス工法かの判断を明確にできます。
弊社は通常の足場による大規模修繕工事と無足場工法によるロープアクセス工事の両方をメイン事業としていますが、
空室対策、不動産管理、地震保険や補助金助成金申請サポート、各専門の士業の御紹介などオーナー様の様々なお困りごとをトータルでサポートをしております。
相談は無料ですので、お悩みがある方は、お気軽にお問い合わせください。
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