
皆さまも記憶に新しいと思いますが大阪の繁華街で火事があり消防隊員の方が犠牲になった事件がありました。
繁華街ということもあり法令違反になる看板を設置していたことで被害が拡大したと見られています。
所有している建物に不燃性の看板を設置している方は、極端に少ないと思いますが、「法令順守」がどこまで出来ているか?という観点で考えると、不安になる方もいるのではないでしょうか。
■まずは、大阪の件について、その後のニュースを抜粋してみます。
大阪・ミナミの道頓堀で昨年8月、消防隊員2人が犠牲になった火災の現場となったビルでは、一部の屋外広告で建築基準法に反する材料が用いられており、大阪市は道頓堀川沿いの屋外広告の実態調査と是正指導を進めている。
建築基準法は高さ3メートルを超える広告について、不燃材料の使用を義務付けている。しかし、現場ビル2棟には3メートル以上の広告が計3つ設置されていたが、いずれも違反していた。
調査委員会は、建物外壁を炎が急速に拡大した要因を明らかにするため、現場外壁を10分の1規模で再現し、屋外広告の影響を調べる実験を行った。その結果、不燃材料を使った広告は炎の高さや燃焼時間が抑えられ、焼損範囲も限定的だった。一方で、それ以外の広告では炎が高く上がり、燃焼も持続。延焼拡大が顕著だった。
調査委は再発防止策を公表。屋外広告物条例に基づき広告物の設置・更新を許可制にしている市側は、これまで不燃材料の使用確認を行っていなかったが今後、広告の設置や更新申請時に不燃材料の使用に関する新たな記載欄を設けるとともに、不燃材料が使用されていない場合には、是正指導を行うなどと定めた。
火災後、市は道頓堀川沿いの屋外広告物の現地調査も実施。火災現場を含む約260メートルの間に建築基準法で不燃材料の使用が定められている屋外広告を86件確認した。しかし、中には不燃材料を使用していない広告もあり、市は広告管理者に是正計画の提出を求めるなど改善を促している。調査結果は今年度末をめどに公表する。
坂口隆夫・元東京消防庁麻布署長の話
調査報告書でも言及されている通り、現場で活動する隊員と指揮本部との連携が不十分だったことが2人の殉職につながった。指揮本部は現場や周辺の情報を収集した上で、十分に現場へ共有すべきだった。
報告書では再発防止策として、組織体制の強化や装備を充実する必要性を示した。あわせて、現場に潜むあらゆる危険性を組織全体で再認識し、退路の確保といった基本的な原則を改めて徹底させるべきだ。そうすることで再発防止策が形だけではなく、現場活動に生かされることとなる。
今回の火災では、建築基準法に違反した屋外広告物により想定外の延焼経路をたどった。特に広告設置の規制が緩和されている道頓堀地区は、行政による現地確認を行う必要があると考える。
大きな社会問題にも発展しました。
では、所有者が守るべき内容とは、どういうものがあるでしょうか。
簡単にまとめてみました。
1. 建築基準法
1-1. 法の目的と所有者の責務
建築基準法は、建物の敷地・構造・設備・用途に関する最低基準を定め、国民の生命・健康・財産を守ることを目的としています。建物所有者は、建物がこれらの基準に適合した状態を維持する義務があります。
1-2. 違反建築物の是正
既存不適格建築物を除き、用途変更や増改築を行う場合には、現行法令に適合させる必要があります。違反がある場合、是正命令や使用停止命令の対象となる可能性があります。
1-3. 定期報告制度
一定規模以上の建物(特定建築物等)については、建築物や建築設備の状況を定期的に調査・検査し、特定行政庁へ報告する義務があります。
2. 消防法
2-1. 防火・防災管理義務
建物所有者(または管理者)は、建物用途や規模に応じて、消火設備・警報設備・避難設備などを適切に設置・維持管理しなければなりません。
2-2. 消防用設備等の点検
消防法では、消防用設備等について有資格者による定期点検と、その結果の消防署への報告が義務付けられています。
2-3. 防火管理者の選任
一定規模以上の建物では、防火管理者を選任し、防火管理計画を作成・実施する必要があります。
3. 都市計画法・用途地域規制
3-1. 用途地域の遵守
都市計画法により定められた用途地域では、建築可能な建物の用途・規模が制限されます。建物所有者は、用途変更時にもこれを遵守しなければなりません。
3-2. 開発行為・建築行為の制限
一定規模以上の土地造成や建築行為には、開発許可や届出が必要となります。
4. 建物の維持管理に関する法令
4-1. 建築物衛生法(建築物における衛生的環境の確保に関する法律)
多数の者が利用する「特定建築物」では、空気環境、水質、清掃、害虫防除などについて基準が定められ、定期的な測定・管理が必要です。
4-2. 水道法・下水道法
給水設備や排水設備については、適正な管理を行い、水質汚染や悪臭、漏水等を防止する義務があります。
5. 環境関連法令
5-1. 騒音規制法・振動規制法
建物の設備やテナント活動により、周辺に著しい騒音・振動を発生させないよう管理する責任があります。
5-2. 廃棄物処理法
建物から発生する廃棄物については、分別・保管・処理を適正に行い、不法投棄や不適切処理を防止しなければなりません。
6. 労働安全衛生法(事業用建物の場合)
事務所や店舗など、労働者が使用する建物では、照度・換気・温度管理、設備の安全性確保など、労働安全衛生法に基づく配慮が必要です。
7. バリアフリー関連法令
7-1. バリアフリー法
不特定多数が利用する建物では、高齢者や障害者が円滑に利用できるよう、段差解消やエレベーター設置等の配慮が求められます。
8. 民法上の責任
8-1. 工作物責任
民法では、建物の設置・保存に瑕疵があり、第三者に損害を与えた場合、所有者が損害賠償責任を負うと定められています。
8-2. 賃貸借における義務
賃貸建物の場合、所有者(賃貸人)は、建物を使用収益できる状態に保つ修繕義務を負います。
9. 地方自治体の条例
国の法律に加え、各自治体が定める建築・防災・景観・環境に関する条例を守る必要があります。内容は地域ごとに異なるため、必ず確認が必要です。
10. まとめ
建物所有者が守るべき法令は多岐にわたり、「建てる段階」だけでなく「使い続ける段階」での維持管理が極めて重要です。法令違反は、行政指導や罰則、さらには事故発生時の重大な民事責任につながる可能性があります。そのため、日常的な点検と記録、専門家との連携、法令改正への継続的な対応が不可欠です。
防火・防災管理義務については、消防点検の時だけ是正する、という方も中にはいるのではないかと思います。
テナントを貸していると、なかなかいう事を聞いてくれない方もいると思いますが、何かがあってからでは遅く、責任も所有者に来てしまう為、改善が見られない場合には退去して頂くなど強気の姿勢も必要だと思います。
弊社は通常の足場による大規模修繕工事と無足場工法によるロープアクセス工事の両方をメイン事業としていますが、外壁打診調査、漏水調査、ピンポイントの塗装、防水など建物の事であれば何でも行っています。
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