不動産を持つと様々な税金が掛かることから、色々と複雑に感じてしまいますよね。
今回は簡単な部分をお伝えしようと思います。
意外に思う方もいるかもしれませんが、都内ではビルを所有されている約半分の方が法人名義、もう半分が個人名義で登記をされています。
結論、利益規模と将来戦略によって正解が変わってきます。
1. 不動産に関わる税金の基礎
- 各ステージの税金:
- 取得時(購入時): 登録免許税と不動産取得税がかかる。税額は購入金額ではなく固定資産税評価額に基づいて計算される。
- 保有時: 固定資産税・都市計画税(毎年)と、家賃収入から経費を引いた利益(不動産所得)に対する所得税・住民税がかかる。
- 売却時: 売却益(譲渡所得)に対して譲渡所得税がかかる。給与所得とは別の分離課税で、所有期間によって税率が大きく異なる。
- 短期譲渡所得(所有期間5年以内): 約40%
- 長期譲渡所得(所有期間5年超): 約20%
- 所有期間は売却した年の1月1日時点で判定されるため注意が必要。
- 所得税の計算と注意点:
- 不動産所得は給与所得などと合算(総合課税)され、累進課税(最高税率55%超)が適用されるため、本人の年収によって税額が大きく変わる。
- 例として、年収400万円の人と2000万円の人では、同じ不動産所得でも税負担に約130万円の差が出ることがある。
- 売却時の税金計算の注意点:
- 購入時と同額で売却しても、保有期間中に経費計上した建物の減価償却費の累計額が売却益に加算されるため、税金が発生する。
- 例: 10年間で合計2,800万円を減価償却した場合、この2,800万円が売却益となり、約570万円の税金が課される。
2. 相続税対策としての不動産投資
- 不動産投資の有効性:
- 相続税評価額が時価(実勢価格)よりも低く評価されるため、最強の相続税対策とされる。
- 現金1億円の相続税評価は1億円だが、不動産は時価1億円でも評価額は50%未満になることもある。
- 賃貸することでさらに評価額が下がる。
- 借入金は全額マイナス評価される一方、不動産自体の評価は低いため、レバレッジ効果で相続財産を大きく圧縮できる。
- 相続税評価額の具体例(1億7,400万円の物件):
- 土地: 路線価で評価され、賃貸していることによる評価減を適用すると5,670万円に。
- 建物: 固定資産税評価額で評価され、賃貸による評価減を適用すると1,853万円に。
- 小規模宅地等の特例: 貸付用宅地は200㎡まで評価額を50%減額できる制度。土地評価額がさらに半分の2,837万円になる。
- 合計評価額: 上記を適用すると、1億7,400万円の物件の評価額が約4,700万円となり、約1億2,700万円の評価差額が生まれる。この特例は土地単価が高い都心部ほど効果が大きい。
- 令和8年の税制改正の影響:
- 相続直前の駆け込み節税を防ぐため、「5年以内に取得した投資用不動産」の評価方法が、従来の路線価評価から実態の取引価格を基礎とする方法に変更される予定。
- これにより、短期的な節税効果は見えにくくなる。
- 5年以上保有している場合は従来通りの評価が適用されるため、若いうちからの長期的な不動産投資が理想的とされる。
3. 個人所有と法人所有の比較
- 個人所有:
- メリット: 赤字が出た場合に給与所得と損益通算できる。小規模宅地等の特例は個人でしか利用できない。
- デメリット: 所得税が累進課税のため高所得者ほど税率が高くなる。所得の分散が難しい。
- 法人所有:
- メリット: 法人税率が比較的フラットなため高所得でも税金を抑えやすい。経費の範囲が広く、家族への役員報酬で所得分散が可能。高所得の個人事業主は社会保険料を抑えられる場合がある。
- デメリット: 法人設立・維持コストがかかる。役員報酬を支払う場合、社会保険への加入が義務となり、個人・法人合わせて約30%の社会保険料負担が発生する。
- 法人所有物件の売却方法:
- 物件として売却: 会社が物件を売却し、売却益に法人税が課される。買主には不動産取得税等がかかる。
- 株式として譲渡(M&A): 会社ごと売却する。株式の譲渡益に対し一律約20%の税金がかかる。
4. 番長投資不動産のアパート運用と融資
- 番長不動産の特徴と物件価値:
- 建築から一体で行うことでコストを抑制し、相場より1%以上高い利回り(6.5%〜7%)を実現。
- 都心部物件の価値は、主に家賃収入から算出される「収益還元法」で評価されるため、安定した家賃収入と高い利回りが確保できれば、物件価値は下がりにくい。
- 高い利回りで始めると、5年後、10年後も価値が下がりにくく、ローン返済が進んだ分が売却時の利益になりやすい。
- アパートローンと自己資金:
- アパートローンは審査基準が明確でない「事業用ローン(プロパー融資)」であり、融資を受けることが最大のハードル。個人の属性や資産状況などを総合的に判断される。
- 融資額は物件価格の9割が最多ケースで、残りの1割は頭金として自己資金が必要。
- 頭金の他に、諸費用も別途必要となり、銀行は借り手に資金的ゆとりを求める。
-
ビル・マンション・アパートを所有するなら「法人」と「個人」どちらが得か?
― 税金・相続・事例を含めた総合解説 ―
不動産投資において、最も重要なテーマの一つが
「個人名義で持つか、法人名義で持つか」
という問題です。
本稿では、税制・社会保険・相続・売却時税金などを総合的に比較し、具体的事例を用いて分かりやすく解説します。
1. 全体像の比較
📊 個人 vs 法人の基本比較
項目 個人所有 法人所有 所得税率 5〜45%(累進) 約23%前後(中小法人実効税率) 住民税 約10% 法人住民税(均等割あり) 社会保険 不動産所得のみなら基本不要 役員報酬に社会保険加入義務 経費計上 制限あり 幅広く可能 相続対策 有効 非常に有効(株式承継) 赤字の扱い 損益通算可 繰越10年可能 売却時税率 最大39.63% 法人税率約23%
2. 税率構造の違い
① 個人の場合(所得税は累進課税)
課税所得900万円超 → 33%
課税所得1,800万円超 → 40%
課税所得4,000万円超 → 45%
+住民税10%つまり、
▶ 最高税率は約55%
高所得になるほど税負担は急増します。
② 法人の場合(比例課税)
中小法人(年800万円以下) → 約15%
800万円超 → 約23%累進ではないため、大きな利益が出ても税率は一定です。
3. 具体事例①:年間利益1,000万円の場合
前提
-
家賃収入:1,800万円
-
経費:800万円
-
利益:1,000万円
👤 個人の場合
課税所得1,000万円 → 税率33%帯
概算税額:
所得税:約230万円
住民税:約100万円
合計:約330万円手残り:約670万円
🏢 法人の場合
法人税(実効税率23%想定)
1,000万円 × 23% = 約230万円手残り:770万円
▶ 法人のほうが約100万円有利
4. 具体事例②:利益300万円の場合
同様に比較すると
個人
税率20%帯
→ 税額 約60万円法人
法人税15%程度
→ 税額 約45万円
+均等割 約7万円合計 約52万円
▶ ほぼ差はない
5. 図解:利益水準別の有利性
利益300万円以下 → 個人でも法人でも大差なし
利益500万円超 → 徐々に法人有利
利益800万円超 → 法人が明確に有利
利益1,000万円超 → 法人優位
6. 相続対策の観点
個人所有
不動産そのものを相続
→ 相続税評価額で課税
→ 高額になりやすい
法人所有
相続するのは「株式」
不動産 → 法人資産
相続対象 → 法人株式✔ 株価評価のコントロールが可能
✔ 役員報酬で利益調整
✔ 生前贈与しやすい資産規模が大きいほど法人が圧倒的に有利
7. 社会保険の落とし穴
法人にすると
-
役員報酬を取る
-
社会保険加入義務発生
-
会社負担+個人負担
例:
月額報酬50万円
→ 社会保険年間 約180万円前後小規模投資だとこれが重い。
8. 経費計上の違い
法人で可能なもの
-
家族への役員報酬
-
生命保険
-
社宅制度
-
退職金積立
-
出張旅費規程
-
車両費
節税の自由度は法人が圧倒的に高い。
9. 売却時の税金
個人
長期譲渡 → 20.315%
短期譲渡 → 39.63%
法人
法人税率(約23%)
大きな差はないが、
短期売却は法人が有利
10. 規模別の結論
■ 年間利益300万円以下
→ 個人で十分
■ 年間利益500〜800万円
→ 検討ライン
■ 年間利益1,000万円以上
→ 法人が有利になる可能性大
■ 総資産3億円以上
→ 相続対策として法人ほぼ必須
11. 実例ケーススタディ
ケースA:地方アパート1棟(利益350万円)
→ 個人でOK
法人化メリット小
ケースB:都内RCマンション(利益1,200万円)
→ 法人化で毎年100〜200万円節税可能
→ 10年で1,000万円以上差
ケースC:資産家(総資産10億円)
→ 法人化+株式分散
→ 相続税数千万円単位で差
12. 法人化のデメリット
-
設立費用(約25万円)
-
税理士顧問料
-
社会保険負担
-
決算申告の手間
小規模ではコスト倒れの可能性あり。
13. 最終まとめ
✔ 個人が向いている人
-
副業規模
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利益500万円未満
-
手間をかけたくない
✔ 法人が向いている人
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利益800万円以上
-
相続対策が必要
-
複数物件保有
-
将来的に拡大予定
結論
利益規模と将来戦略で判断するべき
短期利益なら個人
長期資産形成なら法人税率だけでなく
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相続
-
社会保険
-
売却戦略
-
家族承継
まで考えて総合判断が重要です。
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