本間社長ブログ
守谷市の賃貸マンション補助金2026|耐震補助ゼロでも固定資産税1/2減額、ブロック塀撤去は上限20万円
目次
- 守谷市の賃貸オーナー向け制度マップ【令和8年度】
- 県内で唯一「耐震補助なし」の守谷市で、オーナーが押さえるべき事実
- 耐震改修の固定資産税減額は「共同住宅も対象」と書かれている
- 危険ブロック塀等撤去補助金(上限20万円)は賃貸物件でも検討の価値大
- 太陽光・蓄電池・給湯器の補助は「入居者が申請、オーナーが承諾」
- 守谷市集合住宅条例:4戸以上の賃貸オーナーが知っておくべき義務
- 定期報告は守谷市役所ではなく「県南県民センター」へ
- マンション長寿命化促進税制と管理計画認定は「分譲向け」と割り切る
- 試算:守谷市の8戸アパートで考える、減額と補助のインパクト
- 補助に頼れない部分は「仮設計画」で取り返す
- 足場・ロープアクセス・ハイブリッド、守谷市の物件ではどう選ぶか
- 損金算入:修繕費と資本的支出の線引き、補助金の課税
- 出口戦略:守谷市の賃貸物件を「選ばれる物件」で売るために
- 医療法人・介護事業者オーナーさまへ:守谷市の施設で優先すべきこと
- 守谷市のオーナーさま向け:着手までの5ステップ
- よくあるご質問
- この記事のポイントまとめ
- 守谷市の賃貸オーナーさまへ

-
著作者プロフィール
株式会社明誠 代表取締役
本間 幸紘
大規模修繕・外壁工事・ロープアクセス工事に関する情報を、現場経験をもとに分かりやすくお届けします。
守谷市で賃貸マンション・賃貸アパート・収益ビルをお持ちのオーナーさまへ。この記事は、令和8年度(2026年度)に守谷市の賃貸オーナーさまが「使える制度」「入居者が使う制度」「使えない制度」を、守谷市と茨城県の公式ページで確認できた事実だけで仕分けたものです。
結論からお伝えします。守谷市は、茨城県が公表している木造住宅の耐震補助の市町村一覧(令和8年度)で、診断・設計・改修・総合支援・部分改修のすべてが「-(補助制度なし)」になっています。一覧に載る44市町村のうち、診断の補助まで含めてすべてが「-」なのは守谷市だけです。つまり守谷市では、耐震を「補助金」で後押ししてもらう道は、現時点ではありません。
その一方で、オーナーさまにとって見逃せない仕組みが三つあります。一つ目は、昭和57年1月1日以前に建てられた共同住宅も対象になる、耐震改修の固定資産税減額(1戸120平方メートル相当分まで2分の1)です。二つ目は、通学路や避難路に面した危険ブロック塀の撤去補助(費用の3分の2、上限20万円)で、申込期限は令和8年11月30日です。三つ目は、太陽光・蓄電池・高効率給湯器の補助に「第三者が所有する住宅に居住し、所有者の承諾を受けて設置するかた」という枠があることです。申請するのは入居者さまですが、承諾書を出すのはオーナーさまです。
もう一つ、守谷市には賃貸オーナーさまに直接かかわる独自のルールがあります。平成16年に施行された「守谷市集合住宅の建築及び管理に関する条例」です。4戸以上の共同住宅に、管理人等表示板の設置や管理規約の写しの提出などを求めています。補助の話ではありませんが、修繕や建替えの計画を立てるときに必ず関係してきます。
この記事では、これらの制度を入居率・NOI(実質賃料収入)・損金算入・出口戦略の視点で整理し、補助に頼れない部分をどう工事の設計で取り返すかまで、20年以上この仕事を続けてきた私の現場感覚を交えてお話しします。
守谷市の賃貸オーナー向け制度マップ【令和8年度】
最初に全体を一枚にまとめます。「賃貸オーナーの立ち位置」は、市と県の公式ページの記載から私が判断した目安です。個別の物件で使えるかどうかは、必ず担当窓口でご確認ください。
| 制度名 | 対象・内容 | 賃貸オーナーの立ち位置 | 令和8年度の状況 |
|---|---|---|---|
| 木造住宅の耐震診断・設計・改修の補助 | 昭和56年以前の木造住宅 | ×(制度なし) | 県の一覧で全項目「-」。問い合わせ先は都市計画課(内線245) |
| 耐震改修の固定資産税減額 | 昭和57年1月1日以前の専用住宅・共同住宅・併用住宅。1戸あたり工事費50万円超 | ○(共同住宅も対象と明記) | 令和13年3月31日までの完了分。1戸120平方メートル相当分まで2分の1 |
| 危険ブロック塀等撤去補助金 | 通学路・避難路等に面する高さ60センチ超の危険な塀 | ○(販売目的の土地は対象外) | 申込は令和8年6月1日〜11月30日。費用の3分の2・上限20万円 |
| 住宅用太陽光発電システム設置費補助金 | 居住者が設置。第三者所有住宅は所有者の承諾で可 | △(申請者は入居者、オーナーは承諾する側) | 5万円・30件。抽選は終了、交付申請は11月27日まで |
| 家庭用リチウムイオン蓄電池設置費補助金 | 同上+いばらきエコチャレンジ登録 | △(同上) | 5万円。9月28日更新時点で先着3件を追加募集中(窓口のみ) |
| 住宅用高効率給湯器設置費補助金 | 同上 | △(同上) | 3万円・30件。交付申請は11月27日まで |
| バリアフリー改修の固定資産税減額 | 高齢者等が居住する住宅 | ×(賃貸住宅は除くと明記) | 令和13年3月31日までの改修分 |
| 空家のリフォーム・解体の補助 | - | ×(市は実施していない) | 市のよくある質問で明記 |
| マンション管理計画認定制度 | 分譲マンションの管理組合 | ×(賃貸一棟は対象外) | 令和6年4月開始。窓口は都市計画課 |
| 建築物の定期報告 | 対象用途・規模の建築物の所有者・管理者 | -(義務。補助ではない) | 窓口は県南県民センター建築指導課(土浦市) |
表を眺めると、守谷市の特徴がはっきりします。現金の補助は「環境」と「ブロック塀」に集まり、建物そのものの改修への支援は「税の減額」という形で用意されているのです。賃貸経営では、補助金の申請書類よりも、減額の申告期限と工事証明書の段取りのほうが、手残りに効く場面が多いと私は感じています。
県内で唯一「耐震補助なし」の守谷市で、オーナーが押さえるべき事実
茨城県の「耐震診断・補強設計・耐震改修の補助を行っている市町村の一覧」(更新日:2026年6月10日)は、県内44市町村の令和8年度の補助制度を●と-で示した表です。守谷市の欄は、担当課が都市計画課、電話0297-45-1111(内線245)と書かれ、診断から部分改修(耐震シェルター等)まで五つの欄すべてが「-」です。隣の取手市やつくばみらい市、常総市には少なくとも診断と総合支援の●があり、牛久市にも診断の●があります。
守谷市はつくばエクスプレスの開業以降に住宅地が広がった街で、市の条例のページにも「守谷市には、1,000棟を超える集合住宅があり」と書かれています。比較的新しい建物が多いことが、木造耐震の補助を設けていない背景の一つかもしれません。ただ、これは私の推測であり、市がそう説明しているわけではありません。
賃貸オーナーさまにとって大事なのは、背景より次の二点です。
- 旧耐震(昭和56年5月31日以前の建築確認)の木造アパートや賃貸戸建てをお持ちの場合、診断も含めて自己資金が前提になる
- その代わり、耐震改修を行えば固定資産税の減額という形で一部が戻ってくる可能性がある
補助がないからといって、耐震の検討を後回しにする理由にはなりません。賃貸物件では、地震で建物が損傷して入居者さまに被害が出た場合、所有者としての責任が問われるおそれがあります。診断結果と補強の履歴は、融資の審査や売却の場面でも確認される情報です。制度の有無と、オーナーとしてのリスク管理は、分けて考えるのが賢明です。
耐震改修の固定資産税減額は「共同住宅も対象」と書かれている
守谷市の「住宅の耐震・バリアフリー・省エネ改修工事に伴う減額」のページ(更新日:令和8年4月21日)を読むと、三つの減額のうち、賃貸オーナーさまが使える可能性が最も高いのは耐震改修です。要件は次のとおりです。
- 対象の建物:昭和57年1月1日以前に建てられた専用住宅、共同住宅、併用住宅(居住部分の割合が2分の1以上)
- 工事の内容:建築基準法の現行の耐震基準に適合する耐震改修工事
- 工事費:50万円超(共同住宅等は1戸あたりの改修工事費用が50万円超)
- 期限:令和13年3月31日までに工事が完了すること
- 減額の内容:1戸あたり120平方メートル相当分までの固定資産税額の2分の1を、工事完了年の翌年度から1年間(通行障害既存耐震不適格建築物に当たる場合は2年間)
- 申告:工事完了日から3か月以内に、税務課資産税グループへ申告書・工事明細書や写真・領収書・増改築等工事証明書を提出
同じページで、バリアフリー改修の減額には「賃貸住宅は除く」と明記されていますが、耐震改修の要件にはその記載がありません。この違いは、賃貸オーナーさまにとって大きな意味があります。ただし、共同住宅で「1戸あたり50万円超」という条件を満たすには、棟全体の耐震改修費を戸数で割って50万円を超える規模の工事が必要です。たとえば8戸のアパートなら、総額400万円を超える耐震改修が目安になります。減額の対象になるのは家屋の固定資産税のみで、都市計画税は含まれない点、1戸につき1回のみで他の減額との併用ができない点にもご注意ください。
実務で私がお勧めしているのは、工事を発注する前に、増改築等工事証明書を発行できる建築士や検査機関を工事のチームに入れておくことです。証明書は工事が終わってから慌てて頼むと、必要な写真や図面がそろわず、減額を逃すことがあります。申告の期限が「完了日から3か月以内」と短いことも、早めの段取りが必要な理由です。
なお、省エネ改修の減額は、対象が「専用住宅、併用住宅」と書かれ、共同住宅の記載がありません。賃貸物件での扱いは、税務課資産税グループ(0297-45-1111)で個別にご確認ください。
危険ブロック塀等撤去補助金(上限20万円)は賃貸物件でも検討の価値大
守谷市で、賃貸オーナーさまが自分の名義で申請できる可能性が高い現金の補助が、危険ブロック塀等撤去補助金です(市のページ更新日:令和8年5月10日)。
- 対象:通学路・避難路等に面する危険なブロック塀等で、次のすべてを満たすもの
- 道路面からの高さが60センチメートルを超える
- 販売を目的とする土地にあるものではない
- 都市計画課が実施する事前相談・現地調査で危険と判断された
- 守谷市に営業所などを有する建設業許可業者または解体工事業登録業者が施工する
- 補助額:撤去費用の3分の2と、撤去延長1メートルあたり17,000円の3分の2のうち、低いほうの額。上限20万円(1,000円未満切り捨て)
- 申込期間:令和8年6月1日〜令和8年11月30日
- 工事完了期限:令和9年1月29日
- 注意:撤去工事の着手前に申請が必要。予算の範囲を超えた場合は期間内でも受付終了の可能性あり
自己居住の要件は書かれておらず、除外されているのは「販売を目的とする土地」です。そのため、賃貸アパートの敷地に古いブロック塀がある場合は、検討の価値が大きい制度だと私は考えています。たとえば延長20メートルの塀なら、1メートルあたり17,000円×20メートル×3分の2で約22.6万円となり、撤去費用の3分の2がそれ以上であれば上限の20万円に届きます。
賃貸経営の視点では、ブロック塀は「事故が起きたときの損失が大きい割に、ふだんは目に入りにくい」部位です。通行人や入居者のお子さまにけがをさせてしまえば、補償だけでなく物件の評判にも響きます。申込期限の11月30日まで残り2か月を切っています。まずは都市計画課開発指導グループ(内線245・246)へ事前相談・現地確認を依頼するところから始めてください。撤去後のフェンスや生垣の設置については、市に生垣設置補助金の制度もありますので、外構の更新とあわせて相談すると効率的です。
太陽光・蓄電池・給湯器の補助は「入居者が申請、オーナーが承諾」
守谷市の住宅用太陽光発電システム、家庭用リチウムイオン蓄電池、住宅用高効率給湯器の三つの補助(いずれも令和8年度)は、補助対象者の条件に共通の一文があります。
第三者が所有する住宅に居住し、所有者の承諾を受けて当該住宅に対象設備を設置するかた
申請する時点で対象設備を設置した住宅に住んでいる方が対象で、住民票で確認されます。つまり、オーナーさまご自身は申請できませんが、入居者さまが申請者になり、オーナーさまは承諾書(第三者所有)を出す側になります。市のページには承諾書の様式も掲載されています。
令和8年度の概要は次のとおりです。
| 補助 | 補助額 | 件数・受付の状況 | 主な条件 |
|---|---|---|---|
| 住宅用太陽光発電システム | 5万円 | 30件。抽選申込は8月12日で終了、当選者の交付申請は11月27日まで | 出力10キロワット未満、逆潮流ありで系統連系、中古・リースは不可 |
| 家庭用リチウムイオン蓄電池 | 5万円 | 30件。9月28日更新時点で先着3件を追加募集中(窓口のみ・11月27日まで) | 太陽光と接続、国の補助事業の登録製品、いばらきエコチャレンジ登録 |
| 住宅用高効率給湯器 | 3万円 | 30件。当選者の交付申請は11月27日まで | エコキュート・ハイブリッド給湯器・エネファームなど |
いずれも令和8年4月1日以降の着工で、令和8年11月27日までに工事を終えて申請する必要があります。窓口は生活経済部生活環境課です。
一棟の賃貸マンションでは、各住戸に太陽光を載せる場面は多くありません。この枠が現実に関係するのは、賃貸戸建てやテラスハウス、長屋型の賃貸でしょう。入居者さまから「給湯器を高効率型に替えたい」「蓄電池を置きたい」と相談されたとき、承諾の条件(設置位置、撤去や原状回復の取り決め、設備の所有の帰属)を決めておくと、トラブルを防げます。逆に言えば、給湯器の更新時期が近い賃貸戸建てでは、入居者さまと話し合って補助を使ってもらうことが、オーナーさまの更新費用の軽減と入居者満足の両方につながる可能性があります。設備の所有関係によって税務上の扱いも変わりますので、契約前に顧問税理士にもご確認ください。
守谷市集合住宅条例:4戸以上の賃貸オーナーが知っておくべき義務
守谷市には、平成16年7月1日に施行された「守谷市集合住宅の建築及び管理に関する条例」があります。対象は、4戸以上(賃貸の店舗や事務所を含む)の共同住宅、長屋住宅、マンション等です。市のページ(更新日:令和6年1月23日)では、路上駐車やごみの出し方をめぐる近隣トラブルを防ぐために制定したと説明されています。
すでに集合住宅を管理しているオーナーさまに求められていることは、次の三つです。
- 市に所有者と管理者を報告する
- 所有者と管理人の氏名・連絡先を書いた管理人等表示板を、出入口などの見やすい位置に設置する
- 迷惑行為の禁止、ごみ処理方法の徹底、地元自治会への協力などを定めた管理規約を作り、入居者に守ってもらう(写しを市に提出)
また、20戸以上の集合住宅では管理人の常駐が求められます(連絡体制を整え、苦情に速やかに対応できる場合は免除)。新築や建替えの場合は、1住戸の専用床面積19平方メートル以上、駐車場と駐輪場を原則1戸1台以上、鉄製階段などの防音対策、華美な色彩を避けた外観、などの基準があります。
大規模修繕との関係でいえば、外壁の塗り替えで色を大きく変えるときや、鉄骨階段の改修のときに、この条例の考え方(周辺環境への配慮、防音対策)を意識しておくと安心です。工事中の近隣対応も、条例が目指す「円滑な近隣関係」と同じ方向を向いています。足場を長期間かける工事では、駐車場の一部が使えなくなることもあり、入居者さまの路上駐車が近隣の苦情につながることがあります。工程と仮設の計画を、入居者さまと近隣の両方の目線で考えておくことが大切です。
定期報告は守谷市役所ではなく「県南県民センター」へ
茨城県の定期報告制度のページ(更新日:2026年8月30日)では、特定行政庁は水戸市・日立市・土浦市・古河市・高萩市・北茨城市・取手市・つくば市・ひたちなか市の9市ではそれぞれの市長、それ以外の市町村では県知事とされています。提出先の表で、守谷市は県南県民センター建築指導課(土浦市真鍋五丁目17番26号、電話029-822-8519)の管轄に含まれています。
賃貸マンションや賃貸ビルが定期報告(いわゆる12条点検の報告)の対象になるかどうかは、用途と規模で決まります。対象建築物と報告時期は、県が公表している一覧(PDF)で確認できます。なお、防火設備の定期報告の報告期間は、令和7年1月1日から毎年7月1日〜12月28日に変わっています。
私が賃貸オーナーさまにお伝えしているのは、定期報告の周期を、外壁や防水の修繕計画の「物差し」にするという考え方です。外壁の全面打診調査の時期と、大規模修繕の時期を合わせれば、調査と補修を一度の仮設計画で済ませられることがあります。点検のたびに足場を組み直すのは、費用の面でも、入居者さまの負担の面でも、もったいないことです。
マンション長寿命化促進税制と管理計画認定は「分譲向け」と割り切る
守谷市は令和6年4月から、マンション管理計画認定制度を運用しています(窓口は都市計画課)。市のページでは、市への認定申請手数料は無料とされ、別途、マンション管理センターの事前確認の費用がかかると案内されています。ただし、この制度は分譲マンションの管理組合のためのもので、一棟所有の賃貸マンションは対象外です。
管理計画認定と関係の深い「マンション長寿命化促進税制」も、区分所有のマンションを想定した国の制度です。国土交通省が示す主な要件は、築20年以上・総戸数10戸以上、長寿命化に資する大規模修繕工事(外壁塗装、床防水、屋根防水)の実施、令和7年4月1日から令和9年3月31日までの工事完了などで、減額の割合は国の参酌基準が3分の1(市町村が条例で6分の1〜2分の1の範囲で定める)です。守谷市の割合や、一棟所有の賃貸の扱いは公式ページでは確認できませんでしたので、検討される場合は税務課資産税グループへご確認ください。
賃貸オーナーさまにとっての意味は、制度そのものより「流れ」にあります。分譲マンションで管理の見える化が評価され始めたことは、賃貸の世界でも、修繕履歴と長期修繕計画を整えた物件が選ばれる時代に入ったことを示していると私は見ています。
試算:守谷市の8戸アパートで考える、減額と補助のインパクト
ここからは、仮定にもとづくイメージ試算です(実在の物件の数字ではありません)。
仮に、昭和55年築・木造2階建て・8戸・平均賃料5.0万円の賃貸アパートを守谷市内にお持ちだとします。満室時の年間賃料収入は、8戸×5.0万円×12か月=480万円です。
- 耐震改修:総額480万円(1戸あたり60万円)の耐震改修を行い、現行の耐震基準に適合したとします。1戸あたり50万円超の条件を満たすので、固定資産税減額の申告ができる可能性があります。建物の固定資産税が年30万円なら、減額は翌年度の1年間で約15万円です。
- ブロック塀:道路沿いの延長15メートルの危険ブロック塀を撤去し、費用が45万円だったとします。費用の3分の2は30万円、延長基準は17,000円×15メートル×3分の2で17万円なので、補助額は低いほうの17万円です。
- 入居率:耐震補強と外構の安全対策を「安心して住める根拠」として募集図面や物件資料に書ければ、空室期間を1戸あたり1か月短くできた場合、年間で5万円×空室数の改善になります。
減額と補助を合わせても、耐震改修費の全額には遠く及びません。ただ、「補助ゼロ」と思っていた守谷市でも、税と外構の補助を組み合わせれば数十万円規模の支援を受けられる可能性があることは、知っておいて損はありません。
物件価値の面からも考えてみます。年間NOIが300万円のアパートを、キャップレート7.0%で評価すれば約4,286万円、7.5%で評価すれば4,000万円です。0.5ポイントの違いで約286万円の差が出ます。旧耐震のまま放置された物件は、買い手や金融機関から「リスクのある物件」と見られ、キャップレートが高く(=価格が低く)なりがちです。耐震補強の履歴は、この差を縮める材料になります。
補助に頼れない部分は「仮設計画」で取り返す
守谷市では、外壁塗装や防水といった大規模修繕の本体工事に使える補助は、私が確認できた範囲では見当たりません。だからこそ、総工費の中で大きな割合を占める仮設足場をどう計画するかが、オーナーさまの手残りを左右します。
一般に、大規模修繕の総工費のうち仮設足場の費用は15〜25%程度を占めるといわれます。30戸規模のマンションの大規模修繕がおおよそ3,500〜5,000万円とすると、足場だけで数百万円規模です。たとえば、10階建て・外周80メートル・工期3か月の建物で、足場工法の仮設費の概算が168万円、ロープアクセス工法が59万円となった事例では、約109万円の差が出ました(建物の形状や条件により変わる参考値で、実際の見積は物件ごとに異なります)。
仕様の目安も挙げておきます。外壁の打診調査は1平方メートルあたり250〜500円、外壁塗装は3,500〜4,500円、防水は5,000〜8,000円程度が一般的なレンジです。調査で劣化の範囲を正確に把握してから、必要な箇所に必要な工事をすることが、過剰な見積を避ける一番の近道です。料金の考え方は明誠の大規模修繕の料金の考え方で公開しています。
株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕に携わってきました。ロープアクセス工法は、作業員1人につきメインロープとバックアップロープの2本に接続し、2点以上の吊元を確保して行うのが基本です。明誠と全国のフランチャイズ加盟企業では、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを維持しています。作業員はIRATA(国際産業ロープアクセス協会)水準の技能訓練を受け、品質面ではISO9001を取得しています。安全への取り組みは明誠の安全管理をご覧ください。
足場・ロープアクセス・ハイブリッド、守谷市の物件ではどう選ぶか
明誠は、通常の足場工法、無足場のロープアクセス工法、両者を組み合わせたハイブリッド工法の3つから、建物にとって最適な工法を提案できる、日本でも数少ない会社です。
| 工法 | 向いている守谷市の物件のイメージ | 強み | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 通常の足場工法 | 2〜3階建ての木造・軽量鉄骨アパートで、外壁の全面塗装を行う場合 | 広い面を一度に施工でき、作業の自由度が高い | 足場費がかかり、窓がふさがる期間が長い。駐車場が使えない期間が出ることも |
| ロープアクセス工法(無足場) | 守谷駅周辺などの中高層の賃貸マンション、敷地に余裕がない物件、部分補修 | 足場費の削減、工期短縮、入居者さまの生活への影響が小さい | 大面積の全面施工や重量物の搬入には向かない場合がある |
| ハイブリッド工法 | 低層部と高層部が混在する物件、店舗併用の賃貸ビル | 部位ごとに最適化して総額を下げる | 工程管理に高い調整力が必要 |
守谷市内の賃貸物件は、駐車場を1戸1台以上確保している敷地が多いのが特徴です。足場を組むと駐車場の一部が使えなくなり、入居者さまの路上駐車が近隣の苦情につながることがあります。仮設を最小限にできるロープアクセスやハイブリッドは、集合住宅条例が目指す近隣との関係づくりとも相性が良いと私は考えています。
ロープアクセス工法の技術的な解説や事例は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムで詳しく紹介しています。賃貸ビルや店舗併用の物件については、ビルオーナー向けの明誠のサービスもあわせてご覧ください。
損金算入:修繕費と資本的支出の線引き、補助金の課税
工事費の税務処理は、オーナーさまの手残りに直結します。原状回復や維持管理の範囲の工事は修繕費としてその年の損金(個人は必要経費)に算入できますが、建物の価値を高めたり耐用年数を延ばしたりする性質の工事は資本的支出として資産に計上し、減価償却で費用化します。
耐震改修は、建物の性能を高める工事として資本的支出に区分されることが多い工事です。一方、外壁の塗り替えや防水の更新は、内容によって修繕費となる部分が多くなります。耐震補強と外装の修繕を同時に行う場合は、見積書の段階で工事項目を分けておくと、税理士が区分を判断しやすくなります。明誠では、オーナーさまの税務処理を前提に、見積の内訳を整理してお出ししています。
ブロック塀の撤去補助のように、オーナーさまが補助金を受け取る場合は、受け取った補助金の課税関係にも注意が必要です。個人であれば所得の計算、法人であれば収益計上や圧縮記帳の可否が論点になります。固定資産税の減額は「税が安くなる」ものなので、補助金とは性質が異なりますが、固定資産税は不動産所得の必要経費でもあるため、減額された分だけ経費も減ることになります。いずれも、必ず顧問税理士に事前にご相談ください。
出口戦略:守谷市の賃貸物件を「選ばれる物件」で売るために
将来、物件を売却する、あるいは相続で次世代に引き継ぐことを考えるなら、「どんな修繕を、いつ、いくらで行ったか」の記録が価値になります。旧耐震の物件であれば、耐震診断の結果と補強工事の内容、増改築等工事証明書の写しは、買い手にとって何より安心できる資料です。
守谷市は、つくばエクスプレスと関東鉄道常総線が通り、都心への通勤圏として賃貸需要のある街です。その分、築年数の新しい物件との競争もあります。古い物件が選ばれ続けるには、「古いけれど、きちんと手を入れている」ことを示す必要があります。外壁や防水の修繕履歴、ブロック塀の撤去や外構の改善、集合住宅条例にもとづく管理規約や表示板の整備まで、管理の質を書類と写真で残しておくことをお勧めします。調査の記録はドローン調査なども活用して写真で残すと、売却時の説明資料として役立ちます。これまでの工事の実例は明誠の施工事例からご覧いただけます。
医療法人・介護事業者オーナーさまへ:守谷市の施設で優先すべきこと
守谷市内でクリニックやサービス付き高齢者向け住宅、介護施設を運営している、あるいはそうした建物を貸しているオーナーさまは、一般の賃貸住宅とは別の視点が必要です。
第一に、定期報告の対象になりやすいことです。病院や高齢者・障害者等の施設は、面積や所在階などの条件で対象かどうかが決まり、守谷市の提出先は県南県民センター建築指導課です。第二に、BCP(事業継続計画)の観点です。停電時の電源確保や、外壁の剥落・ブロック塀の倒壊による来訪者への危険は、運営の継続に直結します。第三に、工事中の利用者への影響です。施設の大規模修繕では、窓を長期間ふさがず、騒音や視界の遮断を抑えられる工法が求められます。足場を組まないロープアクセス工法は、こうした施設で選ばれることが多い工法です。
なお、守谷市のバリアフリー改修の固定資産税減額は、対象が専用住宅・併用住宅で「賃貸住宅は除く」とされているため、施設や賃貸物件では使えない前提で計画してください。
守谷市のオーナーさま向け:着手までの5ステップ
- 建物の現状把握:外壁・防水・鉄部・ブロック塀を調査し、旧耐震かどうか(建築確認の日付)も確認する
- 期限のある制度から逆算する:ブロック塀撤去補助の申込は11月30日まで、太陽光・蓄電池・給湯器の交付申請は11月27日まで
- 耐震改修の減額を見据えた体制づくり:増改築等工事証明書を発行できる建築士・検査機関を、発注前に決めておく
- 工法と仕様の比較見積:足場・ロープアクセス・ハイブリッドで比較し、修繕費と資本的支出の内訳を分けてもらう
- 入居者・近隣への周知:集合住宅条例の考え方に沿って、駐車場や騒音への配慮を工程に組み込む
雨漏りや漏水が気になる物件は、漏水対応のページも参考にしてください。
よくあるご質問
Q1. 守谷市には木造アパートの耐震診断や耐震改修の補助金がありますか?
A. 茨城県の令和8年度の一覧では、守谷市は診断・設計・改修・総合支援・部分改修のすべてが「-(補助制度なし)」です。問い合わせ先は都市計画課(0297-45-1111、内線245)と記載されています。
Q2. 守谷市の耐震改修の固定資産税減額は、賃貸アパートでも使えますか?
A. 市のページでは、対象として昭和57年1月1日以前の「共同住宅」が明記され、共同住宅等は1戸あたりの改修工事費50万円超が条件です。賃貸住宅を除く旨はバリアフリー改修にのみ書かれています。1戸120平方メートル相当分まで2分の1の減額で、工事完了から3か月以内の申告が必要です。個別の可否は税務課資産税グループでご確認ください。
Q3. 危険ブロック塀等撤去補助金の上限と申込期限は?
A. 撤去費用の3分の2と、延長1メートルあたり17,000円の3分の2のうち低い額で、上限は20万円です。申込は令和8年11月30日まで、工事完了は令和9年1月29日までで、着手前の申請が必要です。窓口は都市計画課開発指導グループ(内線245・246)です。
Q4. 守谷市の太陽光・蓄電池補助を、賃貸物件のオーナーが申請できますか?
A. オーナーさまご自身は申請できません。ただし「第三者が所有する住宅に居住し、所有者の承諾を受けて設置するかた」が対象に含まれるため、入居者さまが申請者となり、オーナーさまが承諾書を出す形で使える可能性があります。蓄電池は9月28日更新時点で先着3件の追加募集中です。
Q5. 守谷市に空き家のリフォームや解体の補助はありますか?
A. 市のよくある質問で「守谷市では実施しておりません」と回答されています。空家バンク(都市計画課)による売買・賃貸の橋渡しは行われています。
Q6. 守谷市内の建物の定期報告はどこに提出しますか?
A. 守谷市は特定行政庁ではないため、県南県民センター建築指導課(土浦市真鍋五丁目17番26号、電話029-822-8519)が提出先です。
Q7. 守谷市集合住宅条例は、既存の賃貸アパートにも関係しますか?
A. 関係します。4戸以上の集合住宅を管理している場合、所有者・管理者の市への報告、管理人等表示板の設置、管理規約の作成と写しの提出が求められています。20戸以上では管理人の常駐(連絡体制が整っていれば免除)も求められます。
Q8. 耐震補強と外壁塗装を同時に行うと、税務上どう扱われますか?
A. 一般に、耐震補強は資本的支出、外壁の塗り替えは内容により修繕費となる部分が多い工事です。見積の段階で工事項目を分けておくと区分がしやすくなります。最終的な判断は顧問税理士にご確認ください。
この記事のポイントまとめ
- 守谷市は茨城県の一覧で、木造耐震の補助が診断も含めて全項目「-」。県内44市町村で唯一です。
- 代わりに、耐震改修の固定資産税減額(共同住宅も対象・1戸120平方メートル相当分まで2分の1)が令和13年3月31日完了分まで使えます。
- 危険ブロック塀撤去補助(3分の2・上限20万円)は申込期限が令和8年11月30日。賃貸物件でも検討の価値があります。
- 太陽光・蓄電池・給湯器の補助は入居者が申請し、オーナーが承諾する枠があります。
- 4戸以上の賃貸オーナーは、守谷市集合住宅条例の表示板・管理規約の義務も確認を。
- 補助が薄い本体工事は、仮設計画と工法選びでNOIと出口価格を守ります。
守谷市の賃貸オーナーさまへ
守谷市は「補助金で修繕費を大きく減らせる街」ではありません。けれども、税の減額、ブロック塀の補助、入居者さまが使える環境系の補助、そして集合住宅条例という独自のルールを正しく組み合わせれば、オーナーさまの打ち手は思っている以上にあります。そのうえで、足場を含めた工法の選び方で総額を最適化することが、手残りを守る一番の近道です。
お持ちの物件で、まだ修繕計画や税制の検討を始めていないオーナーさまは、ぜひ一度お問合せください。1棟の現地調査と利回り改善シミュレーション、キャッシュフロー試算だけでもご相談を承ります。こちらからお問合せいただけます。収益物件の修繕に関する考え方はオーナー向けの明誠のご案内にもまとめています。
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ロープアクセスドットコム|無足場工法専門メディア
本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月6日時点で公表されている守谷市・茨城県・国土交通省の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請・申告される前に、必ず守谷市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年10月6日
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『大規模修繕工事 職人だから言える本当の話 —— 見積書では見えない業界の裏側と、修繕積立金を守る発注術』(Kindle版)を出版しています。20年以上の現場経験から、管理組合・オーナーが修繕積立金を守るための発注術と、業界の内幕を書き下ろしました。
出典(守谷市・茨城県・国土交通省 公式ウェブサイト)
- 耐震診断・補強設計・耐震改修の補助を行っている市町村の一覧(令和8年度)- 茨城県(更新2026年6月10日)
- 住宅の耐震・バリアフリー・省エネ改修工事に伴う減額 – 守谷市(更新令和8年4月21日)
- 危険ブロック塀等撤去補助金 – 守谷市(更新令和8年5月10日)
- 令和8年度 守谷市住宅用太陽光発電システム設置費補助金 – 守谷市(更新令和8年7月13日)
- 令和8年度 守谷市家庭用リチウムイオン蓄電池設置費補助金 – 守谷市(更新令和8年9月28日)
- 令和8年度 守谷市住宅用高効率給湯器設置費補助金 – 守谷市(更新令和8年10月6日)
- 住宅の助成 – 守谷市
- 守谷市集合住宅の建築及び管理に関する条例 – 守谷市
- 空家のリフォームや解体にする補助はありますか? – 守谷市
- マンション管理計画・関連情報 – 守谷市
- 守谷市の住宅関連助成制度等一覧(R8.4.1)- 茨城県
- 定期報告制度について – 茨城県(更新2026年8月30日)
- マンション長寿命化促進税制 – 国土交通省

