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横浜市中区のマンション管理計画認定制度|市独自基準なし・直接申請は不可・手数料と固定資産税の減額を整理【2026年度版】

横浜市中区のマンション管理計画認定制度|市独自基準なし・直接申請は不可・手数料と固定資産税の減額を整理【2026年度版】
本間 幸紘

著作者プロフィール

株式会社明誠 代表取締役

本間 幸紘

大規模修繕・外壁工事・ロープアクセス工事に関する情報を、現場経験をもとに分かりやすくお届けします。

結論:横浜市中区で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか

先に結論です。横浜市中区の分譲マンションの管理計画認定は、中区役所ではなく、横浜市(建築局住宅部住宅再生課)が窓口です。横浜市の制度ページでは認定基準は国と同じ17項目で、市のQ&Aには「市独自の基準はありません」と書かれています(出典:横浜市「管理計画認定制度に関するご質問」)。

もう一つ、横浜市ならではの大事な点があります。管理組合が市へ直接申請する窓口はありません。申請はオンラインで、公益財団法人マンション管理センターの手続支援システムを通して行います(出典:横浜市「管理計画認定制度」、最終更新2025年12月8日)。

費用の中身は次のとおりです。

  • 横浜市への申請手数料:3,900円(計画が複数なら1,700円×(計画数-1)を加算)。郵送料は別途
  • 手続システム利用料:1申請あたり10,000円(税込)
  • 事前確認の費用:センターや管理士会連合会なら1計画あたり10,000円(税込)。管理士や管理会社なら取り決めた金額

長期修繕計画が1つで、センターに事前確認を直接頼むなら、合計でおよそ2万4千円に郵送料です。長期修繕計画の見直しや規約改正を専門家に頼む費用は別です。

認定を受けると、固定資産税の減額、【フラット35】の金利引下げ、マンションすまい・る債の利率上乗せといった優遇の入口に立てます。横浜市の固定資産税の減額割合は、国の枠で最大の「2分の1」です。ただし、認定を受けたうえで大規模修繕工事を令和9年3月31日までに終えることが前提です。

私は東京都東大和市で会社を構え、首都圏の大規模修繕に20年以上関わってきました。読んだその日に理事会で動けるよう、順に整理します。

なお、横浜市の制度ページに令和8年度の変更点の記載は見当たりませんでした。申請の前に、市の窓口で最新の内容をご確認ください。

横浜市中区のマンション事情と認定主体:認定行政庁は横浜市です

管理計画認定制度は、令和4年4月に始まった国の制度です。管理組合が作った管理計画を審査して認定する役所を「認定行政庁」(認定の事務を担う自治体)と呼びます。横浜市は政令指定都市ですので、市内の認定は横浜市が行います。中区は区ですが、区役所に認定の窓口はありません。

問合せ先は、建築局住宅部住宅再生課(電話045-671-2954、メールはkc-jutakusaisei@city.yokohama.lg.jp)です。区役所は、のちほど触れる固定資産税の減額の手続きでお世話になります。

横浜市は、管理計画認定の件数が全国でも突出しています。市の資料(令和8年5月)によれば、累計の認定は令和7年度末で326件、全国3,746件のうち1位です。市内の築40年以上のマンションは約16万戸(30.7%)とされています(出典:横浜市「第1回マンション部会 資料」(PDF))。

中区だけの棟数や戸数は、私が確認した市の公表資料には載っていませんでしたので、数字は書きません。そのうえで、現場の実感を申し上げます。中区は、関内・伊勢佐木町のあたりの駅近の中高層、元町・山手の起伏のある住宅地、本牧・根岸の海沿いと、建物の条件がまるで違う区です。条件が違えば、傷み方も、足場の組みやすさも変わります。

海沿いは潮風の影響を受けやすく、駅近は道路が狭くて足場の搬入に苦労することが多いです。立地の事情まで長期修繕計画に織り込むと、数字がずれにくくなります。

認定基準17項目を、理事会が確認しやすい順に整理する

認定の基準は、国が5つの分野に17項目で定めています。横浜市でも17項目すべてを満たす必要があります(出典:国土交通省「マンションの管理計画認定の基準」(PDF))。順に見ていきます。

管理組合の運営・管理規約・経理

管理者等と監事が定められ、総会が年1回以上開かれていることが基本です。規約には、専有部分への緊急時の立入り、修繕履歴の保管、財務・管理情報の提供の定めが要ります。経理は、管理費と修繕積立金の区分、他会計への流用なし、3か月以上の滞納が全体の1割以内であることが条件です。書面決議ばかりで議事録が薄い組合は、まず議事録の残し方から整えるのが近道だと私は考えています。

長期修繕計画の作成及び見直し等

ここがいちばん手間のかかる分野で、6項目あります。

  • 標準様式に準拠した計画と修繕積立金額が、総会で決議されていること
  • 計画の作成または見直しが7年以内であること
  • 計画期間が30年以上で、残存期間内に大規模修繕が2回以上含まれること
  • 将来の一時金の徴収を予定していないこと
  • 修繕積立金の平均額が著しく低額でないこと
  • 計画の最終年度に借入金の残高がないこと

その他

組合員名簿と居住者名簿を備え、年1回以上確認していること、そして「横浜市マンション管理適正化指針に照らして適切であること」です。最後の項目は国の基準の17番目として全国共通に置かれているもので、横浜市が別に上乗せした基準ではありません。

現場で見る「計画の古さ」と足場費の考え方

私が以前、理事会に呼ばれたマンションでは、築35年超なのに長期修繕計画が十数年動いていませんでした。見直しを機に工法も比べたところ、10階建てで外周80m、工期3か月ほどという条件の試算で、仮設足場が約168万円、ロープアクセス工法を併用した場合は約59万円、差額は約109万円という結果が出ました。建物の形や立地で大きく変わりますので、あくまで一つの目安です。

ロープアクセス工法の安全管理については大規模修繕工事の安全管理と進め方で、技術の詳細は姉妹サイトのロープアクセスドットコムでご紹介しています。

独自基準の有無と実務への影響:横浜市の上乗せはありません

神奈川県内や東京都内には、防災関連などで独自の基準を設けている自治体があります。では横浜市はどうかというと、市のQ&Aに、国の基準と同じで市独自の基準はないと明記されています。

実務上の意味は、国の17項目を整えれば市独自の追加書類に追われないこと、そして令和9年4月の国の基準見直しを横浜市もそのまま受けることです。

17項目目の「横浜市マンション管理適正化指針に照らして適切であること」は、制度ページに具体的な中身が書かれていません。事前確認の専門家に確かめてください。

手数料と申請ルート:市へ直接は出せず、事前確認から電子申請へ

横浜市の標準ルート

流れは次のとおりです。ここが他の自治体と大きく違うのは、市への申請の前に、専門家による事前確認が入る点です。

  1. 認定基準のセルフチェックを行う
  2. 総会で、管理計画認定の申請を決議する
  3. 専門家(管理会社、日本マンション管理士会連合会、マンション管理センター、管理組合で契約しているマンション管理士)に適合確認を依頼する
  4. 手続システムに入力し、書類を提出して申請する
  5. 横浜市が審査し、問題がなければ認定される

横浜市のQ&Aでは、事前確認に約1〜2か月、市への申請から認定まで約1か月が目安とされています。一方、制度ページには、申請から認定まで2〜3か月かかる場合があり、マンションすまい・る債の応募期間に間に合わないこともあると書かれています。ぎりぎりの日程は組まないでください。

事前確認の依頼先と費用

マンション管理センターの案内では、申請の経路は次のように整理されています(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。

パターン 依頼先 事前確認審査料
① 事前確認講習を修了したマンション管理士 管理組合とマンション管理士が取り決める
② 管理会社(マンション管理適正評価制度と併せて) 管理組合と管理会社が取り決める
③ 日本マンション管理士会連合会(診断サービスと併せて) 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)
④ マンション管理センターへ直接申込 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)
⑤ 地方公共団体に直接申請 事前確認なし(横浜市は直接申請の窓口なし)

⑤は自治体が窓口を用意している場合の道筋で、横浜市では①から④のどれかを選びます。システム利用料はどれも1申請あたり10,000円です。

複数の見積りを比べ、最新の料金は各窓口でご確認ください。

認定の有効期間は5年間です(出典:横浜市「管理計画認定制度」)。満了までに更新の申請をする形になります。

認定の3つの経済効果:税・住宅ローン・債券

1. マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)

長寿命化に役立つ大規模修繕工事を行ったマンションについて、工事の翌年度の建物部分の固定資産税を減額する制度です。国の制度では減額割合は6分の1から2分の1の範囲で市町村が定め、参酌基準(国の目安)は3分の1です(出典:国土交通省「管理計画認定のメリット」(PDF))。

横浜市は、この割合を固定資産税の2分の1としています。横浜市の制度ページ(最終更新2026年4月8日)による主な内容は次のとおりです(出典:横浜市「大規模修繕工事を行ったマンションの固定資産税の減額」)。

  • 減額されるのは工事完了の翌年度分の1年度のみ。都市計画税と土地は対象外
  • 1戸あたり100㎡まで。令和5年4月1日から令和9年3月31日までに工事が完了していること
  • 築20年以上、総戸数10戸以上、居住用が床面積の2分の1以上。外壁塗装等・床防水・屋根防水を行い、建築士等が証明すること
  • 認定マンションは、認定に加え、過去の3工事の実績などが要件。積立金を基準未満から引き上げた場合の扱いは、制度ページの表で確認すること
  • 工事完了から3か月以内に、区役所の税務課家屋担当へ書類を提出すること

申告先は、中区の場合は中区役所の税務課家屋担当(電話045-224-8204、本館4階44番窓口)です。開庁時間は月曜から金曜の午前8時45分から午後5時までと案内されています(出典:横浜市中区役所「税務課」、最終更新2026年1月28日)。認定そのものは市の住宅再生課、減額の手続きは区役所の税務課と、窓口が分かれる点に注意してください。

押さえたいのは期限です。令和9年3月31日の工事完了が前提ですので、これから設計から施工へ進めるのは日程に余裕がありません。工事の計画がある組合は、完了時期を最優先で確認してください。

2. 【フラット35】の金利引下げ

管理計画認定マンションの住戸を購入する方が使える住宅ローンの優遇で、国土交通省の資料では、当初5年間、年0.25%の引下げと示されています(出典:国土交通省「管理計画認定のメリット」(PDF))。予算に達する見込みになると受付が終わりますので、利用する際は住宅金融支援機構の【フラット35】のページで最新の状況をご確認ください。

3. マンションすまい・る債と共用部リフォーム融資

マンションすまい・る債は、管理組合が修繕積立金を運用する債券で、認定マンションは利率が上乗せされます。国土交通省の資料では、認定マンションは2.1%、認定なしは2.0%と想定され、上乗せは0.1ポイント、5,000万円を満期まで保有した場合の受取利息は税引前で約50万円の差とされています。応募期間は、2026年4月13日から10月9日までで、本記事を公開する10月9日が最終日です(出典:同資料)。

マンション共用部分リフォーム融資は、国土交通省の資料で、認定マンションは全期間、年0.20%の金利引下げとされています。借入の前に、住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資のページや窓口で、最新の条件を確認してください。

数字で見る経済効果のイメージ

仮に総額5,000万円の大規模修繕なら、仮設足場は総工費の15〜25%(750万〜1,250万円)が目安で、外壁塗装は1㎡あたり3,500〜4,500円がレンジです。物件ごとに大きく変わります。工法で足場の比率を下げ、制度で税を下げる。私はこれを「二段構え」と呼んでいます。

株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法では、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを続けています。通常足場、ロープアクセス、両者を組み合わせたハイブリッド工法の3つから、建物に合う工法をご提案できます。

費用の考え方は大規模修繕の料金の考え方に、管理組合の方向けの内容は管理組合さま向けの大規模修繕サービスにまとめています。ロープアクセス工法そのものは、明誠のロープアクセス工法のページをご覧ください。技術情報や訓練の話題は、ロープアクセスドットコムでも公開しています。

横浜市の独自の取組みも活用する

令和8年度は、横浜市版の大規模修繕工事費用シミュレーターやLINE公式アカウント「横浜市マンションお役立ち情報」が令和8年1月から始まり、よこはまマンション・団地サポーター制度も令和8年4月から全マンション・団地に広がりました(出典:横浜市「第1回マンション部会 資料」(PDF))。

令和9年4月の制度改正にも目を向けておく

国土交通省のページでは、令和9年度に管理計画認定制度の拡充や認定基準の見直しに係る規定が施行されると案内されています。省令と告示は令和8年7月31日に公布され、令和9年4月1日以降に申請する場合は、見直し後の認定基準が適用されます。経過措置も設けられています(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。

令和9年3月までに申請するか、4月以降かで基準が変わり得ます。横浜市の住宅再生課とマンション管理センターに、変更点を確認しておいてください。

逆算スケジュール(令和8年10月起点)

認定に絞った逆算です。工事まで同時に進める組合は、半年では足りないことが多いです。

時期の目安 やること
令和8年10月 理事会で認定の方針を共有。長期修繕計画の作成時期と、規約・名簿・会計の現状を確認
令和8年11月 長期修繕計画が7年以内でなければ見直しを依頼。事前確認の依頼先を決め、費用を見積もる
令和8年12月 臨時総会で、認定申請、長期修繕計画と修繕積立金額、必要な規約改正を決議
令和9年1月 議事録などをそろえ、事前確認を依頼(約1〜2か月)
令和9年2〜3月 事前確認を終え、手続システムから横浜市へ申請(審査は約1か月)

固定資産税の減額を使いたい場合は、令和9年3月31日までに工事を終える必要があります。私はいつも理事長さまに、「期限に合わせて中身を急ぐより、建物の状態を優先しましょう」とお伝えしています。期限に間に合わなくても、認定そのものは住宅ローンや資産価値の面で意味があります。

まとめと、今週動くこと3点

横浜市中区のマンションの管理計画認定は、横浜市が認定行政庁で、市独自の上乗せ基準はありません。市への直接申請はなく、事前確認を経て、手続システムから申請する形です。費用の中心は、システム利用料10,000円、事前確認審査料、市への申請手数料3,900円です。固定資産税の減額は、横浜市では2分の1ですが、令和9年3月31日までの工事完了が条件です。

今週、理事会で動いていただきたいことは次の3点です。

  1. 長期修繕計画の作成日を確認する(7年以内かどうかが最初の分かれ目です)
  2. 管理規約、名簿、会計の整備状況を、国の17項目に照らして確認する
  3. 横浜市建築局住宅再生課(045-671-2954)へ、認定の流れと令和9年4月の改正の扱いを電話で確認する。固定資産税の減額は、中区役所の税務課家屋担当(045-224-8204)へ

十月のうちに理事会で数分でもこの話題を出していただければ、年内の総会決議が現実的になります。令和9年3月が一つの分かれ目です。どこから手をつければよいか迷われたら、ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。明誠へのお問合せフォームからどうぞ。これまでの明誠の施工事例もご覧いただけます。

よくあるご質問

Q. 横浜市中区の管理計画認定に、市へ払う手数料はいくらですか?

A. 横浜市へは申請手数料3,900円です。長期修繕計画が複数ある場合は、1,700円×(計画数-1)が加わります。ほかに、手続システム利用料10,000円と事前確認の費用、郵送料がかかります。

Q. 横浜市に独自の認定基準はありますか?

A. 横浜市のQ&Aに、国の基準と同じで市独自の基準はないと書かれています。ただし17項目目に「横浜市マンション管理適正化指針に照らして適切であること」があり、事前確認で確認されます。

Q. 管理組合が横浜市に直接申請することはできますか?

A. できません。横浜市の制度ページでは、市へ直接申請せず、マンション管理センターの手続システムを利用すると案内されています。まず専門家による事前確認を受ける流れです。

Q. 固定資産税はどれくらい減りますか?

A. 横浜市では固定資産税の2分の1です。工事完了の翌年度の1年度分のみで、1戸あたり100㎡までが対象です。築20年以上、総戸数10戸以上などの条件があり、令和9年3月31日までの工事完了が前提です。申告は工事完了から3か月以内に、中区役所の税務課家屋担当へ行います。

Q. 認定までにどれくらいかかりますか?

A. 事前確認に約1〜2か月、市への申請に約1か月が目安です。2〜3か月かかる場合もあります。有効期間は5年間です。

Q. 長期修繕計画が古い場合、どうすればよいですか?

A. 作成や見直しが7年以内であることが要件の一つです。専門家に見直しを依頼し、あわせてロープアクセス工法を含めた工法の比較をすると、工事費の見え方が変わる場合があります。明誠では概算のご相談を承っています。

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月9日


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本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月9日時点で公表されている横浜市および国土交通省・マンション管理センターの公式情報をもとに執筆しています。横浜市の制度ページの最終更新は2025年12月8日、固定資産税の減額制度は令和9年3月31日までの工事完了が対象、マンションすまい・る債の応募期間は2026年10月9日までです。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず横浜市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。

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