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鎌倉市の12条点検|毎年7〜9月の報告期間と外壁打診の時期【2026年度版】

鎌倉市の12条点検|毎年7〜9月の報告期間と外壁打診の時期【2026年度版】
本間 幸紘

著作者プロフィール

株式会社明誠 代表取締役

本間 幸紘

大規模修繕・外壁工事・ロープアクセス工事に関する情報を、現場経験をもとに分かりやすくお届けします。

Q. 鎌倉市のマンションやビル、ホテルは、12条点検(定期報告)の対象になるのか?外壁の全面打診はいつ必要か?

A. 鎌倉市内の建物の定期報告は、鎌倉市建築指導課が所管し、報告書は一般財団法人神奈川県建築安全協会が提出窓口です。鎌倉市の一覧では、病院・有床診療所、旅館・ホテル、サービス付き高齢者向け住宅などの就寝用途の施設や、一定規模の店舗・飲食店が入る建物が対象で、一般の分譲マンション・賃貸マンションは対象用途として掲載されていません。対象建築物の報告は原則として毎年、令和7年7月1日以降の調査分は毎年7月1日から9月30日までに行います(出典:鎌倉市「定期報告制度について(令和7年7月1日以降に調査を行うもの)」)。外壁の全面打診は、竣工・外壁改修・前回の全面打診からおおむね10年を超えたあとの定期調査で必要になります(出典:国土交通省「定期報告制度における外壁のタイル等の調査について」)。

(最終更新:2026年10月16日/執筆時点の現行年度:令和8年度)

結論:鎌倉市で12条点検の対象になる建物と、全面打診のタイミング

株式会社明誠は、東京都東大和市に拠点を置く大規模修繕の会社です。私は代表として20年以上、マンション・ビル・ホテルの修繕現場に立ってきました。神奈川県の12条点検シリーズは、横浜市・川崎市・相模原市の各区、横須賀市、平塚市に続き、今回は古都・鎌倉市を取り上げます。

鎌倉市は、相模湾に面し、三方を丘陵に囲まれたまちです。人口は、令和2年国勢調査の確定値で172,710人、75,722世帯です(出典:鎌倉市「人口・世帯数(令和2年10月1日現在)」)。観光客が多く、ホテルや旅館、飲食店が入る建物も多いエリアです。

鎌倉市は、建築基準法上の「特定行政庁」として、定期報告制度を自ら運用しています。特定行政庁とは、建築確認や違反建築の指導を担う行政機関のことです。12条点検の目線で鎌倉市を見ると、押さえておきたい点が3つあります。

  • 報告の周期が原則「毎年」。多くの自治体は3年ごとなので、準備の猶予が短くなります。
  • 報告期間が「毎年7月1日から9月30日まで」と、年に一度の期間で決まっている。そして報告の期限は、調査の日から1か月以内です。
  • 対象用途が避難階(通常は1階)だけにある場合や、対象用途の床面積の合計が200㎡以下の場合は対象外と明記されています。

鎌倉市で「建築物」の定期報告が必要になるかどうかは、次のように整理できます。

建物の種類 鎌倉市での定期報告(建築物)
住戸だけの分譲マンション・賃貸マンション・アパート 対象用途に掲載なし(対象外)
1階だけに店舗が入るマンション(2階以上は住戸) 対象外(対象用途が避難階のみ)
病院・有床診療所・旅館・ホテル・サービス付き高齢者向け住宅など(地階または3階以上、または2階の当該用途が300㎡以上) 対象
物品販売店舗・飲食店・遊技場など(地階または3階以上、2階の当該用途が500㎡以上、または床面積3,000㎡以上) 対象
劇場・映画館・集会場など 規模により対象
エレベーター・エスカレーター(昇降機) 原則対象(住戸内のものなどを除く)

(出典:鎌倉市「定期報告制度について」(令和7年7月1日以降)、鎌倉市「鎌倉市の定期報告について」)

全面打診の要否は、次の一文で判断できます。

「竣工、または前回の全面打診・外壁全面改修から10年を超えていれば、次の定期調査で全面打診が必要」

鎌倉市は毎年報告なので、「10年を超えた年の報告」がそのまま全面打診の年になります。

建築基準法第12条の基本(定期調査と定期検査の違い)

建築基準法第12条は、多くの人が利用する建物の所有者・管理者に「建物の安全を有資格者に定期的に調べさせ、その結果を特定行政庁に報告する」ことを求める制度です。国土交通省は、定期報告制度を、建築物や設備の劣化・不具合を早期に把握し、事故を未然に防ぐための制度と位置づけています(出典:国土交通省「建築基準法に基づく定期報告制度について」)。

12条には、建物本体を調べる「特定建築物定期調査」と、設備を調べる「建築設備・防火設備・昇降機等の定期検査」があります。外壁の打診は、特定建築物定期調査のうち「建築物の外部」の項目に含まれます。鎌倉市の一覧でも、建築物のほか、機械換気設備・中央管理方式の空気調和設備・排煙機を設けた排煙設備・非常用の照明装置、防火設備、昇降機・遊戯施設が、それぞれ対象として整理されています。

外壁の全面打診のルールは、平成20年国土交通省告示第282号で定められています。タイル・石貼り(乾式工法を除く)・モルタルなどの外壁で、落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分は、竣工・外壁改修・前回の全面打診から10年を超えたときに、全面的に打診等で調べることになりました。令和4年1月18日の告示改正では、無人航空機(ドローン)による赤外線調査も、全面打診以外の方法として認められています(出典:国土交通省)。

さらに令和7年7月1日から、定期報告告示の見直しにより、鎌倉市でも定期報告が必要な防火設備の要件が変わりました。たとえば常時閉鎖式の防火設備は、各階の主要な防火扉(避難経路に設けられたもの、吹抜けに面するもの、日常の通行頻度が高いもの)に限られます。調査会社に依頼するときは、見直し後の様式と鎌倉市の扱いを理解しているかを確認してください。

鎌倉市の12条点検:対象の線引き・報告時期・窓口

窓口は建築指導課、提出先は神奈川県建築安全協会

項目 内容(公式ページ掲載)
市の担当 鎌倉市 建築指導課(本庁舎3階)
所在地 鎌倉市御成町18-10
電話 市役所代表 0467-23-3000(建築指導課は内線2530)
報告書の提出先 一般財団法人 神奈川県建築安全協会

(出典:鎌倉市「定期報告制度について」(2025年6月27日更新)、鎌倉市「窓口案内」)

報告書の様式、手数料、提出方法は、提出先の協会のサイトで確認する形になっています。手数料の額は、鎌倉市の該当ページに掲載がないため本記事では記載しません。提出の前に、協会または建築指導課にご確認ください。

報告は「毎年7月1日から9月30日」、令和8年度の期間は終了

鎌倉市の一覧によれば、建築物・建築設備・防火設備の報告の時期は、次のとおりです(出典:鎌倉市「定期報告制度について」)。

区分 報告の周期・時期
建築物・建築設備・防火設備 原則毎年。初回は、対象となった日から2回目の7月1日から9月30日まで。2回目以降は毎年7月1日から9月30日まで
昇降機・工作物 初回は検査済証の交付を受けた日から1年後の月。2回目以降は前回報告の1年後の同じ月
報告の期限 調査の日から1か月以内

この記事を書いている令和8年10月16日時点では、令和8年度の報告期間(7月1日〜9月30日)はすでに終了しています。報告がまだ済んでいない建物のオーナーさまは、まず建築指導課へ状況を相談してください。次の報告期間は、令和9年(2027年)7月1日から9月30日です。

ここで大事なのは、「報告の期間」と「調査をする時期」の関係です。調査の日から1か月以内に報告する決まりなので、調査は期間の前後を含めて逆算して計画します。夏場に調査と報告が集中しやすいため、調査会社の予約や、テナント・宿泊客への事前周知は、春のうちに動き出すのが安全です。

全面打診は「毎回その月に詰め込む」必要があるのか

毎年報告と聞くと「全面打診も毎年やるのか」と心配される方がいます。平成20年国土交通省告示第282号は、全面打診が必要になる場合を「竣工・外壁改修・前回の全面打診等から10年を超え、かつ、3年以内に全面打診等を実施していない場合」と定めています。また、3年以内に外壁改修等が行われることが確実な場合や、別途、歩行者等の安全を確保する対策を講じている場合は除くとされています(出典:平成20年国土交通省告示第282号(抜粋資料)、国土交通省)。言い換えれば、直近3年以内に全面打診を実施していれば、その結果を踏まえて報告できるという考え方です。

ただし、毎年の定期調査そのもの(目視や手の届く範囲の打診など)は、毎年行う必要があります。全面打診をいつ実施し、その結果をどの年の報告に使うかは、建築指導課や調査会社と事前に確認しておくのが確実です。私は、全面打診を大規模修繕の足場がある時期や、ロープアクセスで計画的に実施できる時期に前倒しで行い、毎年の調査とは切り分けて段取りすることをお勧めしています。

「1階だけの店舗」は対象外、上階に入ると対象に

鎌倉市の一覧には「該当用途の部分の床面積が合計200㎡以下の場合や、該当用途が避難階のみにある場合は除く」と書かれています。避難階とは、直接地上へ出られる出入口がある階のことで、多くの建物では1階です。

このため、1階だけに飲食店や物販店が入る小規模なビルは、建築物の定期報告の対象外になる場合があります。一方、次のような建物は対象になり得ます。

  • 2階の物販店・飲食店の床面積の合計が500㎡以上
  • 3階以上や地階に飲食店・物販店・遊技場などが入る雑居ビル
  • 店舗・飲食店などの床面積の合計が3,000㎡以上の商業ビル
  • 3階以上や地階に客室がある、または2階の客室等が300㎡以上のホテル・旅館

観光地の鎌倉市では、上階に客室を持つ宿泊施設や、上階に飲食店が入るテナントビルもあります。「店舗が入っているから対象」「マンションだから対象外」と思い込まず、どの階に、どの用途が、何㎡あるかを一度整理してください。判断がつかない場合は、階ごとの用途と面積をまとめて、建築指導課に相談するのが確実です。

鎌倉市ならではの事情:古都の景観と、海風・谷戸の地形

景観地区・風致地区では、補修の「色」と「見た目」に配慮が要る

鎌倉市は、全国でも珍しい古都保存の制度が重なるまちです。鎌倉市の資料によると、古都保存法の歴史的風土保存区域は約982.2haで、そのうち約573.6haが歴史的風土特別保存地区です。風致地区は約2,194haで、市全体の55.5%を占めます。さらに、鎌倉景観地区と北鎌倉景観地区が定められており、色彩を含む形態意匠の制限が地区ごとに設けられています。建築物の高さの最高限度は15m(第一種低層住居専用地域内は10m)です(出典:鎌倉市「歴史的風致維持向上計画 令和2年度進行管理・評価シート(案)」)。

外壁の打診調査や、浮きの部分補修そのものは、見た目を変える工事ではありません。ただ、調査の結果を受けて外壁を塗り替えたり、タイルを張り替えたりする場合には、色や意匠の扱いが問題になることがあります。ご所有の建物が景観地区や風致地区に当たるかどうか、工事の内容が事前の協議や認定の対象になるかは、物件ごとに異なります。私は、補修計画の段階で、鎌倉市の担当課に確認することをお勧めしています。

海風を受ける外壁は、劣化の出方が違う

鎌倉市は相模湾に面しています。海沿いの建物の外壁は、潮風に含まれる塩分の影響を受けやすく、内陸の建物とは劣化の出方が違うことがあります。私が海沿いの現場で見てきた例では、鉄部のさびが早く進む、タイル目地やシーリングの傷みが早い、さびた鉄筋が膨らんでコンクリートを押し出す「爆裂」が出る、といった症状が目立ちます。

外壁のタイルやモルタルは、下地との間に浮きが生じると、ある日突然落ちることがあります。観光客や通学の子どもが多く歩く道に面した建物は、落下したときの被害が大きくなります。海に面した面や、風を強く受ける面は、10年を待たずに一度、手の届く範囲を叩いて状態を確かめておくと安心です。

谷戸や斜面の建物は、面ごとに「足場の高さ」が違う

鎌倉市は、丘陵と、谷戸と呼ばれる谷あいが入り組む地形です。斜面に建つマンションやホテルは、坂の上側から見ると3階建てでも、下側から見ると5階建てというように、面によって地面からの高さが変わります。坂の下側の面ほど足場が高くなり、隣地との境に擁壁があると、足場を組む場所自体が取りにくくなります。道が細い場所では、足場の資材の搬入も大きな課題です。

全面打診を計画するときは、面ごとに「どこから人が近づけるか」「その真下を誰が歩くか」を最初に確かめてください。私が現場で調査範囲を決めるときも、歩道や通学路、出入口の上を優先して叩きます。

毎年報告だからこそ、「外壁の記録」を積み上げる

毎年報告は、手間に感じられるかもしれません。ただ、見方を変えれば、毎年の定期調査の記録がそのまま「外壁の健康診断の履歴」になります。浮きやひび割れの位置を毎年同じ図面に記録しておけば、劣化がどの面で、どの速さで進んでいるかが分かります。その記録は、次の大規模修繕の補修数量や、長期修繕計画の見直しの根拠になります。

なお、住戸だけのマンションは定期報告の対象外ですが、外壁の責任がなくなるわけではありません。建築基準法第8条は、建物の所有者・管理者・占有者に「常時適法な状態に維持するよう努める」ことを求めています。外壁のタイルが落ちて通行人がけがをすれば、民法第717条(工作物責任)により所有者等が責任を問われる可能性があります。報告義務のない分譲マンションも、管理組合が自主的に外壁を調べる意味があります。

全面打診が必要になる4つのきっかけ

理事長さまやオーナーさまには、次の4つを「全面打診のきっかけ」としてお伝えしています。

  1. 竣工から10年を超えた:最初の全面打診の起点です。
  2. 外壁の全面改修から10年を超えた:タイル張替えや全面補修をした年から数え直します。
  3. 前回の定期調査で「要是正」とされ、改善が済んでいない:毎年報告の鎌倉市では、翌年の報告ですぐに改善状況が問われます。
  4. タイルの浮き・剥落の兆候が見つかった:手の届く範囲の打診で異常があれば、全面打診で確かめます。

鎌倉市の対象建築物では、10年を超えた年の報告がそのまま全面打診の年です。前回の大規模修繕の年と、最後に全面打診をした年を、まず修繕履歴で確かめてみてください。たとえば平成28年(2016年)に外壁改修をした建物なら、令和8年(2026年)以降の報告で全面打診が求められる時期に入っています。

費用の目安:打診の㎡単価と、足場・ロープアクセスの差

費用の目安を示します。以下は参考値で、実際の見積は建物の形状・高さ・外壁の仕上げ・敷地条件で大きく変わります。

項目 目安
全面打診調査の㎡単価(調査のみ) 250〜500円/㎡
10階建て・外周80m・打診対象約2,000㎡の調査費 約50〜100万円
同条件で仮設足場を組む場合(工期3か月想定) 約168万円
同条件でロープアクセス工法の場合 約59万円
足場とロープアクセスの差額 約109万円

全体の費用を押し上げるのは、打診そのものより足場です。斜面で足場が高くなる建物や、道が狭く資材を置きにくい敷地、ホテルや店舗の前に足場を組むと営業や景観に影響が出る建物では、足場の計画がさらに難しくなります。料金の考え方は明誠の大規模修繕の料金の考え方でも公開しています。

ロープアクセス工法が12条打診で選ばれる理由

ロープアクセス工法とは、屋上などの確実な吊元から、作業員がメインロープとバックアップロープの2本に接続して壁面に降り、足場を組まずに調査や補修を行う工法です。吊元は2点以上を確保し、二重の冗長化で安全を確保します。国際基準(IRATA)に沿った、業界標準のやり方です。技術の詳細は明誠のロープアクセス工法のページに、安全への取り組みは明誠の安全管理にまとめています。

12条打診でロープアクセスを選ぶ理由は、主に3つです。

  1. 費用:足場代を抑えられます。上の例では、足場工法より約100万円の差が出る可能性があります。
  2. 期間:足場の組立・解体がないため、足場工法の約60%の工期が目安です。報告期間が決まっている鎌倉市では、短い期間で調査を終えられることが大きな利点です。
  3. 営業しながら・住みながら施工:窓や店舗の前に足場やメッシュシートがかからず、ホテルの眺望や客室の日当たり、店舗の看板が隠れる心配が少なく済みます。観光地では、景観への影響が小さいことも利点です。

斜面に建つ鎌倉市の建物では、ロープアクセスの強みがさらに生きます。屋上に吊元が取れれば、坂の下側の高い面まで、壁面に沿って降りて調べられます。擁壁があって足場の置き場がない面も、作業員が降りる広さがあれば調査できます。

打診は、テストハンマーでタイルやモルタルを一枚ずつ叩き、音の違いを聞き分ける仕事です。ロープアクセスなら、見つけた浮きにその場でマーキングし、条件が合えば注入による部分補修まで続けて行えます。海風で傷んだシーリングや鉄部の状態も、同じ降下で一緒に確かめられます。ドローンの赤外線調査で全体を把握し、気になる面だけロープアクセスで叩いて確かめる組み合わせも可能です。ただし、住宅が密集した地域や海沿いの風の強い場所でドローンを飛ばすには、航空法上の許可・承認や周辺への配慮が必要なため、事前の確認が欠かせません。

株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕に携わってきました。ロープアクセスでの高所作業では、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを続けています。作業は、IRATA水準の訓練を受けた作業員が担当します。

ロープアクセスの訓練体制や施工の実例は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムで詳しく紹介しています。足場・ロープアクセス・ハイブリッドの3工法の比較もロープアクセスドットコムに掲載しています。塗装・防水・タイル・電気・看板などの専門工事会社さまで、フランチャイズ加盟をご検討の方もロープアクセスドットコムからご覧ください。

12条点検を大規模修繕・長期修繕計画とつなげる

12条点検(または自主的な外壁調査)と大規模修繕を、別々の会社に別々のタイミングで発注している管理組合やオーナーさまは少なくありません。私はこれを、できるだけワンセットで考えるよう提案しています。

  • 足場代の二重払いを避ける:打診のために足場を組み、数年後の大規模修繕でまた組む、という重複をなくせます。
  • 調査結果が補修数量の根拠になる:浮き・欠損の位置と数量が分かれば、見積書の数量が透明になります。
  • 長期修繕計画の精度が上がる:外壁の劣化が数字で分かり、修繕積立金の見通しが立てやすくなります。
  • ハイブリッド工法の判断材料になる:店舗のある低層部や地面に近い面は足場、高層部や斜面の下側の高い面はロープアクセス、と面ごとに使い分けると総額が下がる建物もあります。

鎌倉市のように毎年報告がある市では、全面打診の年を大規模修繕の年に合わせられれば、足場を一度で済ませられます。全面打診の結果は、直近3年以内のものであれば報告に生かせる考え方なので、大規模修繕の計画と、翌年7月からの報告期間を並べて、段取りを組んでみてください。

分譲マンションの管理組合さまは管理組合様向けの大規模修繕サービスを、賃貸マンション・テナントビル・ホテルのオーナーさまはビルオーナー様向けの修繕サービスをご覧ください。

よくあるご質問

Q. 鎌倉市の分譲マンションは、12条の定期報告が必要ですか?

A. 鎌倉市の一覧に、一般の共同住宅は対象用途として掲載されていません。就寝用途の施設(病院、旅館、ホテル、サービス付き高齢者向け住宅など)にあたらない住戸だけのマンションは、建築物の定期報告の対象外です。ただし、エレベーターなどの昇降機は、住戸内のものなどを除き定期検査報告の対象です。

Q. 1階にカフェが入るビルは対象ですか?

A. 鎌倉市は「該当用途が避難階のみにある場合」や「該当用途の床面積が合計200㎡以下の場合」を対象外としています。1階(避難階)だけに店舗がある場合は、原則として建築物の定期報告の対象外です。2階以上や地階に入る場合は、階と面積によって対象になります。

Q. 鎌倉市の12条点検の報告は何年ごとですか?

A. 建築物・建築設備・防火設備は原則毎年です。3年ごとの自治体とは異なるので注意してください。

Q. 報告はいつ出せばよいですか?

A. 建築物・建築設備・防火設備は、毎年7月1日から9月30日までです。令和8年度の期間は終了しており、次回は令和9年7月1日から9月30日です。調査の日から1か月以内に報告する決まりもあります。

Q. 鎌倉市の12条点検の窓口はどこですか?

A. 市の担当は鎌倉市建築指導課(御成町18-10 本庁舎3階、市役所代表0467-23-3000、内線2530)です。報告書の提出先は、一般財団法人神奈川県建築安全協会です。

Q. 外壁の全面打診は何年ごとですか?

A. 定期報告の対象建築物では、竣工や外壁改修、前回の全面打診から10年を超えたときに必要です。根拠は平成20年国土交通省告示第282号です。直近3年以内に全面打診を実施していれば、その結果を踏まえて報告する考え方が示されています。

Q. 谷戸や斜面に建つホテルでも、足場なしで外壁を調べられますか?

A. 屋上に2点以上の吊元を確保できれば、ロープアクセス工法でメインロープとバックアップロープの2本に接続して降り、坂の下側の高い面まで足場なしで叩いて調べられます。営業を続けながらの調査にも対応します。現地を見て、足場との組み合わせも含めてご提案します。

まとめ+今週動くこと3点

鎌倉市の12条点検の窓口は、鎌倉市建築指導課で、報告書の提出先は神奈川県建築安全協会です。住戸だけのマンションや、1階だけに店舗があるビルは、建築物の定期報告の対象外です。一方、ホテル・旅館や、上階・地階に店舗・飲食店が入る建物は対象になり、報告は原則毎年、期間は7月1日から9月30日です。10年を超えた年の報告がそのまま全面打診の年になるため、準備は早めが肝心です。

今週動くことを3つに絞ります。

  1. 自分の建物が対象かを確かめる:階ごとの用途と床面積を整理し、対象かどうか分からない建物は建築指導課に相談する。令和8年度の報告が未了なら、状況を早めに伝える。
  2. 最後の全面打診の年を調べる:修繕履歴や過去の調査報告書を見て、10年を超える年がいつかを確かめる。報告義務のない分譲マンションも、10年を目安に外壁の状態を数字で把握する。海に面した面は特に早めに。
  3. 次の大規模修繕とセットで考える:全面打診の年と大規模修繕の年、翌年7月からの報告期間を並べ、足場を一度で済ませられないか、ロープアクセスで前倒しできないかを、次の理事会・オーナー会議で共有する。

明誠の施工実績は明誠の施工事例で、私たちの考え方は明誠の理念でご覧いただけます。ご相談は大規模修繕・打診調査のお問い合わせフォームからどうぞ。鎌倉市を含む神奈川県全域で、現地調査にも対応しています。報告期間の前に一度建物を見ておくだけでも、次の一手はずっと選びやすくなります。

出典・参考資料

本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月16日(令和8年度)時点で公表されている国土交通省・鎌倉市の公式情報をもとに執筆しています。鎌倉市の「定期報告制度について」は2025年6月27日(令和7年度)の更新で、令和7年7月1日以降に調査を行うものの対象・周期・時期を示した資料(令和7年7月1日付)が掲載されています。令和8年度に入ってからの改定は確認できませんでしたが、令和7年度掲載の情報であるため、調査・報告の前に必ず市へ現行の内容をご確認ください。人口は令和2年国勢調査の確定値で、最新の推計値ではありません。景観地区・風致地区などの面積は令和2年度の資料に基づきます。制度は年度途中でも改正があり得ます。手数料は市のページに掲載がないため記載していません。費用の数字は参考値で、個別の見積を保証するものではありません。

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月16日


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