本間社長ブログ
前橋市の賃貸オーナー向け補助金2026|中心市街地の空き店舗・空き区画は改修費1/2・最大50万円「リビルド補助」、外壁・防水は工法でNOIを守る
目次
- 前橋市で賃貸オーナーが確認すべき制度一覧【令和8年度】
- まちなかリビルド支援補助金:空き区画を「貸せる状態」に戻す費用の半分
- 貸店舗オーナーは「開業支援補助金」をテナント募集の材料にする
- 建築住宅課の2つの補助は、賃貸経営にはほぼ使えない
- 耐震改修補助は「自己居住の木造戸建て」が前提
- 国の制度:賃貸集合住宅の給湯器交換は「賃貸集合給湯省エネ2026」
- 外壁・防水は「仮設費」の見直しで手残りを守る
- 前橋市の単身向け賃貸マンションでNOIを試算する
- 店舗・事務所・医療施設のオーナーは「営業を止めない」計画を
- 限られた予算で優先すべき工事の順番
- 税務:修繕費と資本的支出、補助金の計上
- 売却を見据えた出口戦略
- 前橋市で工事を始めるまでの5ステップ
- よくあるご質問
- まとめ:前橋市のオーナーが押さえたい3つのポイント
- 前橋市で収益物件をお持ちのオーナーさまへ

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著作者プロフィール
株式会社明誠 代表取締役
本間 幸紘
大規模修繕・外壁工事・ロープアクセス工事に関する情報を、現場経験をもとに分かりやすくお届けします。
前橋市で賃貸マンション・アパート、貸店舗や小さな事務所ビルをお持ちのオーナーさまから、「市の補助金で外壁塗装や屋上防水の負担を減らせないか」というご相談をいただきます。先に結論をお伝えすると、令和8年度の前橋市には、一棟の賃貸物件の外壁・防水工事を広く対象にした市の補助金は、市の公式資料からは確認できませんでした。
ただし、前橋市には収益不動産オーナーが「自分が申請者になれる」珍しい制度があります。それが、にぎわい商業課の令和8年度 前橋市まちなかリビルド支援補助金です。中心市街地(前橋市アーバンデザイン策定区域・約158ha)にある空き店舗や空き家などの遊休不動産を、所有者がリノベーションして賃貸・テナント募集に出す場合、内外装工事や解体、給排水・電気工事などの費用の1/2、上限50万円(入居する事業者が未定なら40万円)が補助されます。申請期間は令和9年2月28日までです。
一方で、建築住宅課の住宅リフォーム補助金(外壁・屋根も対象)は自己居住用の住宅が条件で、令和8年度の申込み(5月11日〜6月10日)はすでに締め切られています。空き家活用リフォーム補助金も、貸す相手が親族に限られ、共同住宅は対象外です。この記事では、前橋市の公式資料で確認できた制度をオーナーの立場で仕分けし、補助が届かない外壁・防水工事で手残り(NOI)を守る工法の選び方、税務、売却を見据えた出口戦略まで、大規模修繕に20年以上携わってきた立場から整理します。
前橋市で賃貸オーナーが確認すべき制度一覧【令和8年度】
前橋市のにぎわい商業課・建築住宅課・建築指導課と国の公開情報を、賃貸経営の目線で並べ直しました。
| 制度(担当課) | 内容 | オーナーの使いやすさ |
|---|---|---|
| まちなかリビルド支援補助金(にぎわい商業課) | 遊休不動産のリノベーション費の1/2。上限50万円(入居する事業主体が確定)/40万円(未定)。申請は令和9年2月28日まで | ◎ 申請者は物件の所有者(またはリノベパートナー)。事業完了後に賃貸・テナント募集を始めることが条件。対象は中心市街地の約158haのみ |
| まちなか開業支援補助金(にぎわい商業課) | 出店者の改装費・備品費の1/2。場所に応じて上限25万〜100万円 | ○ 申請するのは出店者。貸店舗オーナーには「この物件なら補助が使えます」という募集材料になる |
| 住宅リフォーム補助金(建築住宅課) | 外壁・屋根など建物本体の改修工事費の1/3、上限10万円 | × 自己居住用の住宅が条件。共同住宅は自分が住む専有部分のみ。令和8年度の申込みは6月10日で終了 |
| 空き家活用リフォーム補助金(建築住宅課) | 工事費の1/3以内、基本額50万円+加算最大50万円 | △ 戸建て(店舗併用住宅を含む)のみ。貸す場合は親族に貸すケースに限られ、一般の入居者向けの賃貸は対象外 |
| 木造住宅耐震改修費補助(建築指導課) | 令和7年度版では改修費の4/5、上限115万円 | × 令和7年度版の案内では自己居住用の木造戸建てが条件。令和8年度の募集内容は窓口で確認を |
| 賃貸集合給湯省エネ2026事業(国) | 賃貸集合住宅の給湯器を省エネ型に交換する工事を補助 | ○ 賃貸オーナー向けの国の制度。申請は登録事業者が行い、予約期限は11月16日 |
管理組合向けの記事では「管理計画認定」と「長寿命化促進税制」が中心になりますが、一棟所有の賃貸オーナーにはどちらも原則として関係しません。オーナーにとって前橋市で一番の材料は、中心市街地の空き区画を埋めるためのリビルド補助です。使える制度は契約前に拾い、それ以外は工法と税務で手残りを守るという二段構えで考えるのが現実的です。
まちなかリビルド支援補助金:空き区画を「貸せる状態」に戻す費用の半分
前橋市が公表している令和8年度 前橋市まちなかリビルド支援補助金のチラシによると、この制度は「まちなかの空き店舗や空き家等の遊休不動産を活用し、新たなテナントの入居や募集を促進するためのリノベーションにかかる費用」を支援するものです。市は同じチラシの中で、まちなかでの新規開業が増える一方で貸し出せる物件が減っていると説明しています。借りたい人はいるのに、貸せる状態の物件が足りないという状況です。
対象になるオーナーと物件
申請できるのは、次の条件をすべて満たす事業者です。
- 遊休不動産の所有者、または所有者から物件を借りたリノベパートナー(市に登録された、物件オーナーと出店希望者をつなぐ事業者)
- 事業完了後、その物件の賃貸またはテナント募集を始めること
- 対象事業に着手する前であること
対象区域は前橋市アーバンデザイン策定区域(約158ha)です。中心市街地の一部に限られるため、ご自身の物件が区域内かどうかを最初に確認してください。郊外のアパートは対象になりません。
補助額は「借り手が決まっているか」で変わる
| 区分 | 補助率 | 補助上限額 |
|---|---|---|
| 物件を使う事業主体が確定している場合 | 1/2 | 50万円 |
| 物件を使う事業主体が未定の場合 | 1/2 | 40万円 |
交付申請のあとで区分を変えることはできません。テナント候補との話が進んでいるなら、確定してから申請した方が上限は10万円高くなります。逆に、空室期間が長引いている区画なら、先に40万円枠で改修して募集をかける判断もあり得ます。どちらが得かは、空室が1か月延びたときの賃料と、上限の差10万円を比べて決めるのがオーナーらしい考え方です。
補助対象になる経費
チラシに例示されている対象経費は、残置物撤去、解体、内外装工事、給排水工事、電気工事、図面作成・調査費、不動産の登記費用、不動産鑑定費用、測量費用などです。対象経費は税抜額で計算し、発注は市内業者が原則とされています。外装工事も例に入っているので、空き区画の改修に合わせて正面の外壁や看板まわりを整える工事が対象になるかどうかは、事前相談で確認する価値があります。
申請は1事業者あたり3回までで、同じテナントに複数回使うことはできません。予算額に達した時点で受付が終わり、工事は令和9年3月31日までに終えて支払いを済ませる必要があります。
試算:中心市街地の1階空き店舗(30坪)を貸し出す場合
次の数字は制度の効き方を示すための仮定です。実際の工事費や賃料は物件ごとに違います。
| 項目 | 仮定の数値 |
|---|---|
| 改修費(残置物撤去・内装解体・給排水・電気・外装の一部、税抜) | 180万円 |
| リビルド補助(1/2、上限50万円・テナント確定) | 50万円 |
| オーナーの実質負担 | 130万円 |
| 月額賃料(仮定) | 15万円 |
| 実質負担の回収期間(賃料ベース) | 約9か月 |
補助50万円は、この仮定では賃料3か月分強にあたります。空き区画を「スケルトンのまま貸すか」「最低限の設備を整えて貸すか」で迷っている場合、この補助が後者の判断を後押しします。さらに、出店者が令和8年度 前橋市まちなか開業支援補助金を使えば、出店者側の改装費も1/2(上限25万〜100万円)補助されます。オーナーの区画整備と出店者の内装を2つの補助で分担できるのが、前橋市の中心市街地の強みです。
貸店舗オーナーは「開業支援補助金」をテナント募集の材料にする
まちなか開業支援補助金は、オーナーではなく出店する事業者が申請する制度です。それでも貸店舗オーナーにとっては、募集図面に「前橋市の開業支援補助金の対象区域です」と書けることが、競合物件との差になります。
| 開業場所 | 昼間主の上限 | 夜間主の上限 |
|---|---|---|
| 指定通り以外の1階以外 | 50万円 | 25万円 |
| 指定通り以外の1階/指定通りの1階以外 | 80万円 | 40万円 |
| 指定通りの1階 | 100万円 | 50万円 |
出店者は開業後、週4日以上かつ1日2時間以上営業することなどが条件です。1階の路面区画は上限が高く設定されているため、路面の空き区画を持つオーナーほど、この制度の恩恵を間接的に受けやすいといえます。2階以上の事務所区画でも上限50万円(昼間主)の対象になるので、空室が続く上層階の募集にも使えます。
建築住宅課の2つの補助は、賃貸経営にはほぼ使えない
住宅リフォーム補助金:外壁・屋根も対象だが自己居住用のみ
令和8年度 前橋市住宅リフォーム補助金交付要項では、対象工事に「建物の外壁や屋根ならびに建物本体にかかる改修や修繕工事」が含まれています。補助は工事費(税抜)の1/3以内・上限10万円です。ただし対象は築20年以上(平成18年以前の建築)の自己居住用の住宅で、マンション等の共同住宅は個人の専有部分に限られます。申請者も、その住宅に住民登録して住んでいる所有者または家族です。
つまり、オーナーご自身が住んでいる自宅部分には使えても、入居者に貸している部屋や一棟アパートの外壁には使えません。しかも令和8年度は、5月11日〜6月10日の申込みのなかから建築年の古い順に600件を選ぶ方式で、申込み期間はすでに終わっています。賃貸併用住宅でご自宅部分のリフォームを考えている方は、令和9年度の募集を待つことになります。
空き家活用リフォーム補助金:一般の入居者向けの賃貸は対象外
令和8年度 前橋市空き家活用リフォーム補助金交付要項は、内装・外装工事も対象になり、補助額も基本額50万円と大きめです。ただし対象となる空き家は「概ね1年以上空き家であることを証明できる戸建て住宅(店舗等併用住宅を含む)」で、共同住宅と店舗は対象外です。申請できるのも、自ら住む人か、親族に住居として貸す人に限られます。
相続した実家を親族に貸すケースなら使える可能性がありますが、一般の入居者を募集する貸家経営には当てはまりません。また、補助を受けて改修した住宅は原則10年間転売しないことが条件になっているため、出口を考えているオーナーは注意が必要です。事前相談は前橋市空家利活用センターで令和9年1月20日まで受け付けています。
耐震改修補助は「自己居住の木造戸建て」が前提
前橋市建築指導課の令和7年度 前橋市木造住宅耐震改修費補助事業のご案内では、補助額は改修費の4/5・上限115万円と手厚い一方、対象は昭和56年5月31日以前に着工した在来軸組構法の平屋・2階建てで、自己の居住の用に供する住宅に限られていました。令和7年度の募集は6月9日〜10月10日・先着6戸でした。
令和8年度 前橋市住宅耐震化緊急促進アクションプログラムには、令和8年度も耐震改修費補助(目標2戸)、除却費補助(目標1戸)、耐震シェルター等設置費補助(目標1戸)を実施すると書かれています。ただ、令和8年度の募集要項は今回の調査では確認できませんでした。旧耐震の木造貸家をお持ちの方は、補助の対象になるかを建築指導課(027-898-6752)に直接お問い合わせください。
なお前橋市は中核市で、建築確認や定期報告などの建築行政を市が担う特定行政庁です。共同住宅や店舗の定期報告(建築基準法第12条)の窓口も前橋市建築指導課になります。外壁の調査結果は、そのまま次の修繕計画の資料になります。
国の制度:賃貸集合住宅の給湯器交換は「賃貸集合給湯省エネ2026」
市の補助が薄い分、国の制度は確認しておきたいところです。国土交通省の「住宅省エネ2026キャンペーン」の交付申請受付に関する報道発表(令和8年3月30日)によると、賃貸オーナー向けの賃貸集合給湯省エネ2026事業は3月31日から受付が始まっています。申請予約の期限は11月16日、申請受付の期限は12月31日で、予算上限に達した時点で締め切られます。申請は消費者ではなく、登録した住宅事業者が行います。
給湯器は入居者の満足度に直結する設備で、故障すれば即日対応が必要になります。築15〜20年前後で給湯器の交換時期が近い物件なら、外壁や防水の計画と一緒に検討すると、足場や作業日程の調整も一度で済みます。窓の断熱改修(先進的窓リノベ2026事業)も同じキャンペーンに含まれていますので、補助額や対象製品は工事を依頼する事業者を通じて確認してください。
外壁・防水は「仮設費」の見直しで手残りを守る
外壁塗装や屋上防水、シーリングの打ち替えといった本体工事に使える市の補助は、前橋市では見当たりません。その分、工事費の組み立てそのものを見直すことが、オーナーにとって最も確実なコスト対策になります。
大規模修繕の見積書で見落とされがちなのが、足場などの仮設工事費です。建物の外周すべてに足場を組むと、組立・解体・運搬・養生シート・警備まで費用が積み上がり、工期も延びます。株式会社明誠では、建物の形状や劣化の範囲に応じて、足場を組まないロープアクセス工法、通常の足場工法、両者を組み合わせたハイブリッド工法の3つから最適な方法をご提案しています。ロープアクセス工法は、作業員がメインロープとバックアップロープの2本に接続し、2点以上の吊元を確保して作業する方法で、部分補修や点検、外壁タイルの浮き調査などで特に効果を発揮します。工法の詳しい仕組みは姉妹サイトのロープアクセスドットコムでも解説しています。
足場を減らすと、入居者にとっても「窓の前に足場がない」「防犯面の不安が少ない」「洗濯物を干せない期間が短い」といった利点があります。工事中の退去やクレームを抑えられることは、そのまま入居率の維持につながります。費用の考え方は明誠の大規模修繕が適正価格でできる理由にまとめています。
前橋市の単身向け賃貸マンションでNOIを試算する
補助が少ないからこそ、修繕を「費用」ではなく「投資」として数字で判断することが大切です。以下は考え方を示すための仮定の試算です。
試算:築27年・RC造4階建て・1K 24戸の賃貸マンション
| 項目 | 修繕を先送りした場合 | 外壁・防水を計画的に実施した場合 |
|---|---|---|
| 平均賃料(月額・仮定) | 4.3万円 | 4.5万円 |
| 平均入居率(仮定) | 85% | 93% |
| 年間賃料収入 | 約1,053万円 | 約1,205万円 |
| 年間運営費(仮定・同額) | 350万円 | 350万円 |
| NOI(純営業収益) | 約703万円 | 約855万円 |
この仮定では、入居率8ポイントと賃料2,000円の差だけで、NOIが年間約150万円変わります。入居率1%の改善が年間どれだけのキャッシュフロー差になるかを、ご自身の物件の数字で一度計算してみてください。築年数なりの劣化は、賃料の下落圧力として静かに効いてきます。外観の印象が内見の決め手になる単身向け物件では、とくにその傾向が強くなります。
キャップレート(還元利回り)を仮に7%とすると、NOIが年間150万円違えば、収益還元法での物件価格には約2,100万円の差が出る計算です。修繕費は、手残りと売却価格の両方に効く投資だといえます。
店舗・事務所・医療施設のオーナーは「営業を止めない」計画を
前橋市の中心市街地には、1階に店舗、上階に事務所や住戸が入った複合ビルが多くあります。こうした建物で足場を全面に組むと、1階テナントの看板や入口が覆われ、売上が落ちたテナントから賃料減額の相談を受けることもあります。工事の段取りは、テナントの営業への影響まで含めて考える必要があります。
クリニックや介護施設、サービス付き高齢者向け住宅をお持ちのオーナーさまは、さらに慎重な計画が必要です。工事中の騒音・臭気が患者さんや入居者の体調に影響しないか、避難経路が確保されているか、BCP(事業継続計画)の観点で停電・断水を伴う工程をどう組むか、といった点です。医療報酬・介護報酬は施設が通常どおり運営されてこそ得られるものなので、工事で受け入れを止めない工程を最初に設計しておくことが大切です。施設系の建物についてはビル・施設オーナーさま向けの大規模修繕のページもご覧ください。
限られた予算で優先すべき工事の順番
補助が使えない前提で予算を組むなら、優先順位をはっきりさせることが重要です。
- 雨水の侵入を止める工事:屋上防水、外壁のひび割れ補修、サッシまわりのシーリング。漏水は入居者の退去理由になり、躯体の劣化も早めます。
- 落下事故を防ぐ工事:外壁タイルの浮き、モルタルの剥がれ、手すりや看板の固定。第三者に被害が出れば、オーナーの責任が問われます。
- 内見の印象を左右する工事:エントランスまわりの塗装、共用廊下の床、照明。賃料単価に直結します。
見積書でチェックしたい項目
- 仮設工事費が全体のどのくらいを占めているか、別の工法で減らせないか
- 外壁の補修数量が「調査に基づく実数」か「一式」か
- 防水・シーリングの材料グレードと保証年数
- 入居者・テナントへの告知や対応が見積に含まれているか
明誠が工事後のアフターまで責任を持つ理由は明誠が選ばれる理由で紹介しています。
税務:修繕費と資本的支出、補助金の計上
オーナーにとって、修繕の「税務上の扱い」は手残りを大きく左右します。修繕費か資本的支出か、税務処理で結果が大きく変わります。
| 区分 | 典型例 | 税務上の扱い(一般論) |
|---|---|---|
| 修繕費 | 原状回復のための外壁塗装の塗り替え、防水層の補修、ひび割れ補修 | 支出した年の必要経費(損金)に算入できる |
| 資本的支出 | 建物の価値を高める・耐用年数を延ばす改修(用途変更を伴う大規模な間取り変更、性能を大きく上げる改修など) | 資産として計上し、減価償却で複数年にわたり経費化する |
リビルド補助のように空き店舗を貸せる状態に戻す改修では、原状回復にあたる部分と、用途や価値を高める部分が混ざりやすくなります。見積書の段階で工事項目を分けておくと、税理士さんとの相談がスムーズです。
また、補助金は受給時に雑収入(法人は益金)として課税される点に注意が必要です。固定資産の取得に充てた補助金には圧縮記帳という処理が使える場合もあります。個別の判断は顧問税理士にご確認ください(本記事は税務上の助言ではなく、一般的な考え方の紹介です)。
売却を見据えた出口戦略
いずれ売却や相続を考えているオーナーさまにとって、修繕は「出口価格を守る投資」です。買い手や金融機関は、外観の状態に加えて、修繕履歴と次の修繕時期を見ています。
- 修繕履歴を書面で残す:工事内容・数量・保証書・写真をまとめておくと、買い手のデューデリジェンスで評価されます。
- 次の修繕時期を示せるようにする:直近で外壁・防水を済ませた物件は、買い手の追加投資が少なく、価格交渉で不利になりにくくなります。
- 空き区画を埋めてから売る:中心市街地の空き店舗は、リビルド補助で整えてテナントを付けてから売る方が、収益還元価格は高くなります。
出口を見据えた修繕投資は、利回りの改善だけでなく物件価値そのものを底上げします。投資目線での修繕の考え方は収益物件オーナーさま向けの修繕投資のページでも解説しています。
前橋市で工事を始めるまでの5ステップ
- 物件の所在地を確認:中心市街地の約158ha(前橋市アーバンデザイン策定区域)に入っているか、にぎわい商業課(027-210-2188)で確認します。
- 劣化調査と工法比較:外壁・防水の状態を調べ、足場・ロープアクセス・ハイブリッドの概算を比べます。
- 補助の事前相談・申請:リビルド補助は着手前の申請が必須です。工事契約の前に申請を済ませます。
- 入居者・テナントへの告知:工期、騒音、ベランダの使用制限などを早めに伝えます。
- 工事・実績報告・記録の保管:補助の実績報告と同時に、修繕履歴として写真・保証書を整理します。
よくあるご質問
Q1. 前橋市で一棟アパートの外壁塗装に使える市の補助金はありますか?
令和8年度の前橋市の公式資料では、一棟の賃貸物件の外壁・防水工事を広く対象にした補助金は確認できませんでした。住宅リフォーム補助金は外壁・屋根も対象ですが、自己居住用の住宅に限られ、令和8年度の申込みは6月10日で終わっています。
Q2. まちなかリビルド支援補助金は、どんな物件で使えますか?
前橋市アーバンデザイン策定区域(約158ha)内の空き店舗や空き家などの遊休不動産です。所有者が改修し、完了後に賃貸またはテナント募集を始めることが条件で、補助は改修費の1/2・上限50万円(入居する事業主体が未定なら40万円)です。
Q3. リビルド補助はいつまで申請できますか?
申請期間は令和8年4月1日から令和9年2月28日までで、令和9年3月31日までに工事を終えて支払いを済ませる必要があります。予算額に達した時点で受付が終わるため、早めの相談をおすすめします。
Q4. 相続した空き家を貸家にしたいのですが、空き家活用リフォーム補助金は使えますか?
令和8年度の要項では、貸す場合は「親族関係にある者に住居として貸そうとする個人」に限られています。一般の入居者を募集する貸家には使えません。また、補助を受けた住宅は原則10年間転売しないことが条件です。
Q5. 旧耐震の木造貸家に、前橋市の耐震改修補助は使えますか?
令和7年度の案内では、自己の居住の用に供する住宅が条件でした。令和8年度の募集要項は今回確認できなかったため、建築指導課(027-898-6752)にお問い合わせください。
Q6. 補助金を受け取ると税金はかかりますか?
一般に、補助金は受け取った年の雑収入(法人は益金)として課税対象になります。固定資産の取得に充てた場合は圧縮記帳を使える場合もあるため、顧問税理士にご確認ください。
Q7. 入居者やテナントが使ったままでも外壁工事はできますか?
できます。足場を最小限にするロープアクセス工法やハイブリッド工法なら、窓の前を長期間ふさがず、店舗の看板や入口も覆いにくいため、入居者・テナントの負担を抑えられます。
Q8. 前橋市の物件も明誠に相談できますか?
はい。株式会社明誠は群馬県を含む関東一円で施工しています。現地調査と工法別の概算比較から承ります。
まとめ:前橋市のオーナーが押さえたい3つのポイント
- 一棟賃貸の外壁・防水を広く支える市の補助は確認できず、住宅リフォーム補助と耐震補助は自己居住用が前提、空き家活用リフォームも一般向けの賃貸は対象外です。
- オーナーが申請者になれるのは、中心市街地の遊休不動産を貸すための「まちなかリビルド支援補助金」(1/2・上限50万円、令和9年2月28日まで)です。出店者向けの開業支援補助金と合わせて、空き区画を埋める材料になります。
- 補助が届かない部分は、仮設費を抑える工法選び、修繕費と資本的支出の仕分け、修繕履歴の保管でNOIと売却価格を守ります。
前橋市で収益物件をお持ちのオーナーさまへ
市の補助だけで外壁や防水の費用をまかなうのは難しいのが実情です。それでも、中心市街地ならリビルド補助を契約前に押さえ、本体工事は工法で仮設費を抑え、税務を整えることで、物件の収益力と出口での評価は変わります。
株式会社明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法での高所作業について、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業では過去16年間、墜落による労働災害ゼロを維持しています。まずは1棟の現地調査と工法別の概算比較、修繕後の入居率とキャッシュフローの試算だけでもお気軽にご相談ください。大規模修繕のお問い合わせフォームから承ります。これまでの工事の様子は明誠の施工事例でご覧いただけます。
▼ロープアクセス工法・無足場工法の詳細解説はこちら
ロープアクセスドットコム|無足場工法専門メディア
本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月16日時点で公表されている前橋市・国土交通省の公式情報をもとに、令和8年度の制度として執筆しています。まちなかリビルド支援補助金と開業支援補助金は令和8年度版のチラシ、住宅リフォーム補助金と空き家活用リフォーム補助金は令和8年4月1日適用の交付要項、耐震化の取り組みは令和8年度アクションプログラムを参照しました。木造住宅耐震改修費補助の補助額・対象要件は令和7年度版の案内に基づくもので、令和8年度の募集内容は建築指導課でご確認ください。補助制度は予算の範囲内で実施され、年度途中で受付が終わることがあります。
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。株式会社明誠は約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。
最終更新:2026年10月16日
関連記事(姉妹サイト)
ロープアクセス工法の詳細や実例については、姉妹サイト「ロープアクセスドットコム」の以下の記事もぜひご覧ください。
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