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渋川市の賃貸オーナー向け補助金2026|耐震最大115万円は居住前提、店舗改装は最大30万円(12月28日まで)、賃貸マンションの手続きは県が窓口

渋川市の賃貸オーナー向け補助金2026|耐震最大115万円は居住前提、店舗改装は最大30万円(12月28日まで)、賃貸マンションの手続きは県が窓口
本間 幸紘

著作者プロフィール

株式会社明誠 代表取締役

本間 幸紘

大規模修繕・外壁工事・ロープアクセス工事に関する情報を、現場経験をもとに分かりやすくお届けします。

渋川市で賃貸マンション・アパート、店舗併用ビル、温泉地に近い宿泊向けの建物などを持つオーナーさまが、いちばん知りたいのは「市の補助金で、うちの外壁や防水の修繕費は軽くなるのか」という点だと思います。この記事では、令和8年度に渋川市で確認できる公式情報だけを、NOI(実質賃料収入)・入居率・税務・売却価格という投資判断の目線で整理しました。

先に結論をお伝えします。渋川市の住宅向け補助は、「自分が住む持ち家」を前提にした制度が中心で、賃貸住宅が名指しで対象外のもの(住宅エコリフォーム)もあれば、居住を前提としている制度(木造住宅の耐震改修)もあります。そのため、RC造の賃貸マンション一棟の外壁・防水を直接支える市の現金補助は、現時点の公式ページからは見当たりません。一方で、賃貸オーナー自身が使える可能性のある制度(危険ブロック塀等の除却補助、国の賃貸集合給湯省エネ2026事業)や、入居しているテナントの店舗改装を後押しする制度(店舗改装事業補助金・12月28日まで)、さらに渋川市が「限定特定行政庁」であるために、賃貸マンションの手続き窓口が市ではなく群馬県になるという、知らないと手戻りになるポイントがあります。補助が届かない部分は、工法選びと税務の整理で手残りを守る、というのが私の考えです。

渋川市の収益物件オーナー向け 制度の早見表【令和8年度】

まず、令和8年10月21日時点で渋川市・群馬県・国の公式ページから確認できた制度を一覧にします。「賃貸オーナーが直接使えるか」を右端にまとめました。

制度(担当課) 令和8年度の主な内容 期限・状況 賃貸オーナーの使いどころ
住宅エコリフォーム支援事業補助金(建築住宅課) 断熱・省エネ改修。工事費20万円以上で5%、上限10万円 令和8年4月1日から受付。予算の残りは市へ確認 賃貸住宅は対象外と明記。自宅兼用のオーナーのみ
空家活用支援事業補助金(建築住宅課) 空家を住宅としてリフォーム。工事費の10分の1、上限30万円、加算20万円で最大50万円 4月1日開始・予算到達で終了。ページ上で「受付は終了しました」とも記載 賃貸目的は記載なし。個人所有の空家が前提。事前に市へ確認
木造住宅耐震改修補助事業(建築住宅課) 耐震改修費の5分の4、上限115万円(令和8年度に引上げ) 予算がなくなり次第終了 居住を前提。賃貸住宅の扱いは記載なし
危険ブロック塀等除却事業(建築住宅課) 除却費の2分の1、上限5万円 4月1日開始・予算がなくなり次第終了 所有者の同意があれば申請者になり得る。賃貸物件の扱いは要確認
店舗改装事業補助金(商工課) 改装費の2分の1、上限30万円(税抜30万円以上の工事) 令和8年9月1日〜12月28日(予算到達で早期終了) テナントが申請。貸主の同意書が必要
建築物の定期報告・防火設備の報告(群馬県) 県の土木事務所建築係へ提出。報告前3か月以内の調査結果 用途により2年毎・3年毎 対象用途の建物を貸すオーナーは義務
賃貸集合給湯省エネ2026事業(国・事務局) 賃貸集合住宅の給湯器を省エネ型へ交換 令和8年10月21日0時時点で申請額は予算の概算61% 事業者経由で申請。オーナーの直接申請は不可

この表のとおり、補助を前提にした修繕計画を組むと、資金計画が狂います。まず「補助は出ない前提」で手残りを設計し、使える制度が見つかったら上積みする、という順番をお勧めします。

渋川市は群馬県のほぼ中央に位置し、赤城山・榛名山・子持山に囲まれ、利根川が流れる市です。伊香保温泉という全国区の観光資源を抱える一方で、住宅地、駅前の商店街、工業団地が混在していて、物件の事情は一棟ごとにかなり違います。人口が減っていく市場で入居者に選ばれ続けるには、築年数なりの劣化を放置せず、外観と設備の印象を保つことが、賃料の下落圧力を抑える基本になります。

賃貸マンションの手続きの窓口は「県」|渋川市は限定特定行政庁

今回の調査でいちばん重要だと感じたのが、この点です。渋川市の公式ページ「渋川市が所管する建築物について」によると、渋川市は「限定特定行政庁」として、一部の小規模な建築物だけの建築確認と検査を行っています。市が扱うのは次のとおりです。

区分 渋川市(限定特定行政庁)が扱う建築物
特殊建築物(建築基準法別表第1(い)欄) 床面積の合計が200㎡以下のもの
木造(上記以外) 2階建て以下、延べ面積300㎡以下、高さ16m以下
非木造(上記以外) 平屋建て、延べ面積200㎡以下

これを超える規模の建築物は、群馬県の所管になります。市のページには、県の所管の例として、延べ面積200㎡を超える特殊建築物や、2階以上または延べ面積200㎡を超える木造・非木造建築物(市の所管建築物を除く)が挙げられています。エレベーターやエスカレーターなどの建築設備も県の所管です。

賃貸オーナーにとっての意味は、はっきりしています。RC造や鉄骨造の賃貸マンション、一棟ビルの用途変更・増改築・大規模な改修に伴う手続きは、渋川市役所ではなく群馬県の窓口で行う場面が多いということです。補助金の問い合わせ先は市(建築住宅課)、建築基準法の手続きの窓口は県、という二重構造になるため、工事のスケジュールを組むときに「どこへ何を出すのか」を最初に整理しておかないと、着工直前に手戻りが起きます。

ここで、埼玉県や茨城県の記事で触れた「特定行政庁の市は全建築物を市が所管する」という構図と対比しておきます。渋川市は逆に、市が扱う範囲が小さい「限定」のタイプです。同じ群馬県内でも、前橋市・高崎市・桐生市・伊勢崎市・太田市・館林市のように定期報告の窓口が各市役所になる市と、渋川市のように県の土木事務所になる市があります。この違いは、後述する定期報告の項で改めて整理します。

工事の相談先の整理表を、私の現場感覚でまとめるとこうなります。

  1. 補助金の相談:渋川市 建設交通部 建築住宅課 指導係(電話0279-25-7191)
  2. 店舗改装事業補助金の相談:渋川市 商工観光部 商工課(電話0279-22-2596)
  3. 建築確認・定期報告など建築基準法の手続き:群馬県(建築課審査指導係 電話027-226-3702、または所管の土木事務所建築係)
  4. 賃貸集合給湯省エネ2026事業:登録された「賃貸集合給湯省エネ事業者」(施工業者)

この4つの窓口を最初に一枚の表にしておくだけで、修繕の段取りは驚くほどスムーズになります。

住宅エコリフォーム支援事業補助金は賃貸が対象外|工事費20万円以上で5%

渋川市の「住宅エコリフォーム支援事業補助金」(令和8年10月14日更新)は、断熱や省エネにつながる改修に対する補助です。内容は次のとおりです。

項目 令和8年度の内容
対象者 渋川市に住民登録があり、市税の滞納がない人
対象住宅 申請者が自己居住している個人住宅(併用住宅の住宅部分を含む)
補助額 工事費20万円以上が対象。工事費の5%、上限10万円
回数 対象者および対象住宅につき1回限り
対象外 1年以内に建てられた新築住宅、賃貸住宅、給与住宅、別荘、売買目的の住宅
主な条件 市内の工事業者に発注、工事着工前に申請、年度末の3月末までに実績報告

賃貸物件のオーナーが使えない理由

市のページには、賃貸住宅は対象外と明記されています。自己居住が条件なので、貸している部屋の窓や給湯設備を改修しても、この制度は使えません。ただし、「オーナー自身が同じ建物の一室に住んでいる併用住宅」の場合は、住宅部分が対象になる余地があります。上限は10万円と大きくはありませんが、申請の前に建築住宅課へ「自宅部分の範囲」を確認する価値はあります。

ここで強調したいのは、補助額が小さい制度ほど、申請の手間が利回りを食うという点です。上限10万円のために、見積書の取り直しや工事の順序の調整が必要になるなら、本業である入居者対応を優先したほうが得になる場面もあります。判断の目安として、私は「申請に使う社内の時間を時給換算して、補助額を下回るか」で見ています。

空家活用支援事業補助金|最大50万円。ただし「賃貸目的」は記載なし、受付状況は市に確認

「空家活用支援事業補助金」は、市内の空家の利活用を促し、良好な市街地の形成と定住を進めることを目的に、空家を住宅としてリフォームする費用の一部を補助する制度です。

項目 内容
対象者 空家の所有者、または空家を取得して居住するためにリフォームする人(市税の滞納なし)
対象空家 個人が所有する、1年以上使われていない空家。住宅としてリフォームするもの
対象外 マンション、長屋住宅、給与住宅など/一度も使用していない建物/空家解体事業補助金を受けたもの
補助率・上限 工事費が20万円以上の場合、工事費の10分の1。上限30万円
加算額 市外からの転入者、夫婦のいずれかが40歳未満の世帯、15歳以下の子を扶養する世帯、居住誘導区域内の空家のいずれかで20万円加算(複数該当でも20万円)
最大額 50万円(対象者および対象空家につき1回限り)
必須条件 市内の工事業者に発注、工事着手前に申請、年度末の3月末までに完了実績報告

この表を見て、賃貸オーナーが気にするのは「空家を直して貸す場合は対象になるのか」という点でしょう。市のページには、賃貸目的の改修が対象になるかどうかは記載されていません。対象者の記載は「空家の所有者」または「取得して居住するためにリフォームする人」であり、補助の目的も「住宅としてリフォームする」「定住を進める」とされています。私の読み方では、居住や定住につながる改修を想定した制度であり、貸すための改修が通るかどうかは窓口での事前確認が必須です。「通るはず」で着工すると、補助対象外になったときに取り返しがつきません。

令和8年度の受付状況に、ページ上の矛盾があります

もう一点、注意が必要です。このページには「令和8年4月1日から開始し、予算に達した時点で終了」と書かれている一方で、ページ冒頭には「令和8年度の受付は終了しました」という記載もあります。私が確認した時点では、この2つが同じページに並んでいて、受付が続いているのか、すでに終了しているのかをページだけでは断定できません。令和8年度の予算額も記載がありませんでした。ここは推測で書かず、建築住宅課(電話0279-25-7191)に電話で確認するのが確実です。

仮に令和8年度の枠が終わっていても、申請の準備は今のうちに進められます。工事着手前に申請する決まりなので、令和9年度の募集開始(令和8年度は4月1日開始でした)に合わせて、見積書・図面・登記事項証明書を揃えておくだけで、先着順の競争で有利になります。

木造住宅耐震改修補助は最大115万円|ただし「居住」が前提

令和8年度に補助上限が引き上げられたのが、「木造住宅耐震改修補助事業」です。耐震改修工事費(設計・工事監理費を含む)の5分の4を補助し、限度額は115万円。市のページは令和8年10月14日に更新されています。

項目 内容
対象建築物 個人が所有する市内の住宅で、居住しているもの、または改修後に居住しようとするもの
建築時期・構造 昭和56年5月31日以前に着工、一戸建てまたは併用住宅(居住面積が全体の半分以上)、地上2階建て以下、木造在来軸組構法
診断・工事の条件 耐震診断で上部構造評点が1.0未満、改修後に1.0以上になる工事。一級・二級・木造建築士で指定講習を受けた者が設計・工事監理
補助率・限度額 工事費の5分の4、115万円
受付 期間の記載なし。予算がなくなり次第終了

ここでも、賃貸住宅についてはページに直接の記載がありません。条件が「居住しているもの」「改修後に居住しようとするもの」とされているため、居住を前提とした制度と読むのが自然です。木造の戸建て賃貸を何棟か持っているオーナーさまは、「入居者が住んでいる=居住している」と解釈できるのかを、窓口で確認してください。ここは私が断定できる部分ではありません。

関連して、「木造住宅耐震診断者派遣事業」は、診断が無料で、随時募集されています。ただし対象は「個人が所有し居住している住宅又は居住しようとするもの」で、賃貸に出している住宅の扱いは明記されていません。また「耐震シェルター等設置工事」は設置費の2分の1(上限30万円)ですが、居住者が65歳以上または障害のある方のみの世帯などの条件があり、収益物件には当てはまりにくい制度です。

RC造・鉄骨造の賃貸マンションの耐震は、別のルートで考える

渋川市の耐震改修促進計画のページ(第3期計画は令和4年4月策定、令和6年4月に住宅耐震化の緊急促進アクションプログラムを追加)を確認しましたが、市のページに載っている民間建築物向けの補助は木造住宅が対象のものです。RC造・鉄骨造の賃貸マンションに使える市の耐震補助は、私が確認した範囲では見当たりませんでした。

ただし、全国共通の法律である耐震改修促進法の考え方は押さえておく価値があります。同法は、学校・病院・店舗・事務所・賃貸共同住宅などのうち、一定の規模以上(賃貸共同住宅は階数3以上かつ床面積の合計1,000㎡以上が目安)で、旧耐震基準の建築物を「特定既存耐震不適格建築物」と位置づけ、所有者に耐震診断・改修の努力義務を課しています。この区分に当たる建物は、他の自治体では所有者(賃貸オーナー)が補助の申請者になれる制度があるため、渋川市でも「該当する制度があるか」を一度は確認する価値があります。確認先は建築住宅課(電話0279-25-7191)です。昭和56年5月31日以前に着工した旧耐震のRC造・鉄骨造の賃貸物件をお持ちの場合は、補助の有無にかかわらず、耐震診断の結果が売却時の説明事項になり、買主の融資審査にも響く点を忘れないでください。

危険ブロック塀等除却事業|除却費の2分の1、上限5万円

賃貸オーナーが使える可能性が最も高いのが、「危険ブロック塀等除却事業」です。対象者は「塀の所有者、その相続人、または所有者から同意を得た人」で、賃貸物件の扱いについてはページに記載がありません。

項目 内容
対象となる塀 個人が所有し、道路に沿って設置され、道路または地表面からの高さが1.2mを超えるもの。国の点検表で危険性があるとみなされたもの
工事の条件 市内の工事業者が施工、工事着手前の申請、危険ブロック塀等を全部撤去(一部撤去は対象外)
補助額 除却費の2分の1、上限5万円(同一年度に1回限り)
受付 令和8年4月1日から。予算がなくなり次第終了

上限5万円は小さな金額に見えますが、賃貸オーナーにとっての価値は金額よりリスクの除去にあります。地震でブロック塀が倒れて通行人に被害が出れば、所有者としての責任が問われます。入居者の募集写真で最初に目に入る外構が、ひび割れた古いブロック塀では、内見の第一印象も下がります。

注意したいのは、対象が「個人が所有するもの」であることです。法人名義の物件や、管理会社が所有者に代わって申請する場合は、対象になるかどうかを事前に確認してください。また、市の「ブロック塀の安全点検をしましょう」のページにある点検表で危険性を確認してから、見積もりを取る流れが基本です。

店舗改装事業補助金|入居テナントの味方になる制度(12月28日まで)

貸しているのが住居ではなく、店舗や飲食店のテナントなら、見るべきは「店舗改装事業補助金」です。渋川市の小規模事業者が店舗を改装する費用の一部を補助する制度で、住民の買い物環境や生活環境の向上が目的とされています。

項目 内容
対象者 市内の常時雇用従業員5人以下の小規模事業者。渋川商工会議所またはしぶかわ商工会の経営相談を事前に受けていること
営業年数 当該店舗を5年以上営業しており、改装後も3年以上継続すること
対象店舗 小売・飲食・生活関連サービスの対面店舗。フランチャイズのチェーン店、風営法の許可が必要な事業は対象外
補助額 対象経費の2分の1、上限30万円(税抜30万円以上の工事)
対象工事の例 耐久性の向上、安全・衛生の改善、空調・LED照明・窓などの店舗機能の向上、スロープや多機能トイレなどのバリアフリー
受付期間 令和8年9月1日〜12月28日(予算到達で早期終了)。商工課の窓口へ持参

貸主(オーナー)に求められるのは「同意書」

この制度の大事なポイントは、建物を借りている事業者も申請できることです。その場合、賃貸借契約書の写しに加えて、「店舗所有者の同意書(様式第3号)」が必要です。共有名義の場合は、共有者全員の同意書(様式第2号)も求められます。

つまり、貸主であるオーナーの役割は「同意書に署名する」ことです。テナントが自己負担を軽くして店舗を改装してくれるのは、オーナーにとって、空室リスクを下げ、建物の価値を維持する追い風になります。ただし、同意書に署名する前に、次の3点は整理しておきましょう。

  1. 工事の範囲が、建物の構造や共用部、外壁・防水に及ぶかどうか(オーナーの承諾が必要な範囲の確認)
  2. 退去時の原状回復の扱い(補助を受けて取り付けた設備の帰属)
  3. 賃貸借契約の残存期間(補助の条件に「改装後3年以上の営業継続」があるため、契約期間が短いと不整合が生じます)

この制度は対象経費に外壁や屋上防水を含む記載はなく、建物の大規模修繕の資金源にはなりません。それでも、テナントが長く営業を続けてくれることは、賃料収入の安定という形でオーナーに返ってきます。

建築物の定期報告と防火設備の報告|渋川市は県の土木事務所が窓口

補助金とは別に、オーナーに義務としてのしかかるのが、建築基準法第12条の定期報告です。群馬県の公式ページ(建築課)によると、建築物の定期報告書と防火設備の定期検査報告書の提出先は、建築場所が前橋市・高崎市・桐生市・伊勢崎市・太田市・館林市の場合は各市役所、それ以外は建築場所を所管する土木事務所の建築係とされています。渋川市はこの6市に含まれていないため、提出先は県の土木事務所になると読めます。窓口の詳細は、県の建築課審査指導係(電話027-226-3702)に確認してください。

項目 群馬県のページに記載されている内容
提出書類 様式1〜4を綴じた書類2部(正本・副本)と、様式5の概要書1部
調査の時期 報告前3か月以内に行った調査の結果を提出
提出方法 窓口・郵送のほか、「ぐんま電子申請受付システム」によるオンライン提出(県所管区域のみ)
防火設備の注意点 検査結果表の様式が、調査着手日が令和7年6月30日までか、7月1日以後かで異なる
対象でなくなったとき 対象でなくなった旨の届出(別記様式第25号)、再び対象になった旨の届出(別記様式第26号)

群馬県の「定期報告が必要な建築物」のページに載っている対象用途の一覧には、劇場・映画館、病院・診療所、就寝用福祉施設、旅館・ホテル、百貨店・物品販売業を営む店舗などがあり、報告の周期は用途により2年毎や3年毎、時期は6〜7月または10〜11月とされています。私が確認した一覧の表には「共同住宅」は載っていませんでしたが、対象用途や規模は個別に指定される場合があるため、お持ちの物件が対象かどうかは、県の建築課に確認するのが確実です。

伊香保温泉の周辺で、旅館・ホテル・民泊に近い用途の建物、あるいは福祉施設を貸しているオーナーさまは、特に注意が必要です。報告を怠ると是正の指導の対象になり、最悪の場合は営業に支障が出ます。点検で外壁タイルの浮きや防火設備の不具合が見つかったとき、修繕を先送りすると、次の報告でまた同じ指摘を受けることになります。調査と修繕をセットで計画するのが、結果的に費用を抑える近道です。

国の制度|賃貸集合給湯省エネ2026事業は事業者経由、予算の申請額は概算61%

市の補助が届かない賃貸マンションで、国の制度として確実に押さえたいのが「賃貸集合給湯省エネ2026事業」です。事業の公式サイトによると、賃貸集合住宅の給湯器を省エネ型(エコジョーズ、エコフィール等)に交換する工事が補助対象で、令和8年10月21日午前0時時点の補助金申請額の割合は概算61%です。予算上限の100%に達し次第、交付申請の受付が終了します。

この制度の大事な特徴は、オーナーが直接申請できないことです。申請手続き、補助金の受け取り、オーナーへの還元は、事前登録した「賃貸集合給湯省エネ事業者」(施工業者またはリース事業者)が行います。登録のない事業者と契約しても、補助の対象になりません。補助額は事業者向けの案内によると、給湯専用(追い焚きなし)が1台5万円、ふろ給湯器(追い焚きあり)が1台7万円で、3方弁タイプへの交換などの加算が3万円、1住戸1台で最大10万円とされています(事業者の案内ページより。最終的には公式サイトで確認してください)。対象は賃貸集合住宅のみで、建築から1年以上経過している、またはいずれかの住戸に居住実績がある建物が条件です。

申請額の割合は毎日更新され、100%に達した時点で受付が終わります。そのため、給湯器の交換時期が近い物件があるなら、見積もりを前倒しで取り、登録事業者に確認することをお勧めします。給湯器の交換は入居者の満足度にも直結し、「お湯が出ない」というクレームは退去の引き金になりやすい設備です。外壁や防水の大規模修繕と同じ年に給湯器を計画的に更新すると、キャッシュアウトの山を作らずに済みます。

補助が届かない外壁・屋上防水は「仮設費」で差がつく

ここまで見てきたとおり、渋川市の公式制度では、賃貸マンションの外壁塗装や屋上防水そのものに出る補助は確認できませんでした。そうなると、手残りを左右するのは工事費の中身、特に「仮設費」です。大規模修繕の見積書を開くと、足場の組立・解体・メッシュシート・飛散防止などの仮設費が、総額の2割前後を占める例は珍しくありません。

明誠が3つの工法を使い分けている理由は、ここにあります。

工法 向いている建物 仮設費の考え方 オーナーのメリット
通常の足場工法 全面に手を入れる大規模修繕、塗装・補修・防水を同時に行う建物 足場の組立・解体・シート一式がかかる 作業の自由度が高く、細部まで確認しやすい
ロープアクセス工法(無足場) 外壁の補修・塗装・タイルの浮き対策・シーリングなど、部分的〜中規模の工事 足場が不要で、仮設費を大きく圧縮できる 工期が短く、入居者の視界・動線への影響が小さい
ハイブリッド工法 足場が必要な面と不要な面が混在する建物 必要な面だけ足場を組み、残りはロープで対応 品質と費用のバランスを取りやすい

私は、これまで数多くのマンション・ビル・ホテルの現場を見てきましたが、築年数が進んだ賃貸物件ほど「足場を組むこと自体が目的化している」見積書に出会います。どの面に足場が本当に必要かを、現地調査で切り分けるだけで、仮設費の見え方は大きく変わります。ロープアクセス工法の安全基準や施工事例の一般的な解説は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムにまとめています。また、明誠の工法の考え方はロープアクセス工法のページ、費用面の考え方は低価格で高品質な理由のページでも紹介しています。

手残りで考える|24戸の賃貸マンションの試算(すべて仮定の数字)

数字のイメージを持っていただくため、あくまで仮定の例として、渋川市内にある築25年・24戸・3階建てのRC造賃貸マンションを考えます。この数字は実在の物件ではなく、計算の考え方を示すためのものです。

項目 仮定の数字 計算
平均賃料(月額) 4.8万円/戸 仮定
満室時の年間賃料収入 約1,382万円 4.8万円×24戸×12か月
入居率が1%改善したときの年間収入増 約13.8万円 1,382万円×1%
キャップレート8%で見た物件価値の増加 約173万円 13.8万円÷8%(NOI増が全額残る仮定)
足場を組む場合の仮設費(仮定) 約700万円 仮定
無足場・ハイブリッドで圧縮できる場合の仮設費(仮定) 約350万円 仮定
仮設費の差額 約350万円 入居率1%改善による年間収入増の約25年分

この表で伝えたいのは、補助金の上限5万円や10万円を探し回るより、仮設費の差額350万円(仮定)のほうが、手残りに与える影響が桁違いに大きいということです。もちろん、すべての建物でこの差額が出るわけではありません。屋上防水や全面の塗り替えが必要な建物では足場が適する場面もあります。だからこそ、「どの工法が最適か」を中立に比較する現地調査が価値を持ちます。

もうひとつの見方が、入居率です。工事で外観が整い、共用部の印象が上がり、給湯器の更新で設備の不満が減れば、入居率1%の改善が年間でどれだけのキャッシュフロー差になるかが見えてきます。上の仮定では年間約13.8万円ですが、これを10年続ければ約138万円です。補助金の申請手続きが取れる額に見合うかどうか、冷静に比べてください。

営業を止めたくない物件は「工程」から考える

伊香保温泉の周辺や、駅前の店舗併用ビルのように、営業を止められない物件では、工事の「工程」が収益に直結します。足場を全面に組む工事では、工期中に窓が塞がれ、ベランダの使用が制限され、入居者の不満が募ります。ロープアクセス工法なら、必要な箇所に職人が降りて作業するため、窓やベランダの使用制限を最小限にできる場面が多くあります。

  1. 入居者への事前周知:工事の日程、作業する面、ベランダの使用制限を、少なくとも着工の2〜3週間前に掲示と書面で案内する
  2. 繁忙期を避ける日程:賃貸の繁忙期である1〜3月の募集活動とぶつからない時期を選ぶ
  3. 店舗の営業時間への配慮:テナントの定休日や営業時間外に、騒音・粉じんの出る作業を寄せる
  4. 雨天・強風時の判断基準:赤城おろしと呼ばれる冬の強い風が吹く地域のため、作業中止の基準を事前に決めておく

群馬県は冬の北西風(からっ風)が強い地域です。外壁の補修や塗装は、気温と風の条件が整う時期に集中させたいため、見積もりの段階から工期の余裕と時期を相談しておくと、追加費用や工期の延びを防げます。

税務|修繕費と資本的支出、補助金の受け取り方

オーナー向けの記事で、税務の整理は欠かせません。ここでは一般的な考え方を紹介します(個別の判断は税理士にご確認ください)。

区分 内容 税務上の扱い(一般論)
修繕費 建物の維持管理・原状回復のための支出(ひび割れ補修、定期的な塗り替えなど) 支出した年に全額を経費にできる場合が多い
資本的支出 建物の価値を高める、耐用年数を延ばす支出(用途変更、大規模な増改築、耐震補強など) 固定資産に計上し、減価償却で数年にわたって費用化する
補助金・助成金 市や国から受け取る補助 受給時に雑収入(法人は益金)として課税対象となるのが原則。圧縮記帳の特例が使える場合がある

修繕費か資本的支出かの区分は、国税庁の通達(資本的支出と修繕費)に基準が示されています。同じ工事でも、内容の書き方や工事の範囲の分け方で区分が変わることがあるため、見積書の項目を整理する段階で税理士と相談するのが安全です。

補助金を受け取る場合は、受給時に雑収入として課税される点に注意してください。満額50万円の補助でも、税率によっては実質の手取りが減ります。耐震補強で受ける補助は、資本的支出の取得価額から控除する圧縮記帳が使える場合があり、処理を誤ると税負担が変わります。補助金の入金時期と、工事の完了時期が年度をまたぐ場合の経理処理も、事前に確認しておきたいところです。

出口戦略|修繕履歴と法令の説明が、売却価格を決める

収益物件のオーナーにとって、修繕は「出口」の準備でもあります。買主は、融資を受けるために金融機関へ物件の説明資料を出します。その際に評価されるのは、次のような情報です。

  • 修繕履歴:いつ、どこを、どの工法で、いくらで直したか(写真付きで残す)
  • 耐震性の説明:昭和56年5月31日以前に着工した旧耐震の建物なら、耐震診断の結果と今後の対応
  • 法令への適合:定期報告・防火設備の報告が滞りなく行われていること
  • 設備の更新時期:給湯器・受水槽・エレベーターなどの更新計画

私は、「出口を見据えた修繕投資は、利回り改善より物件価値そのものを底上げします」とお伝えしています。補助金を使えたかどうかよりも、修繕履歴と法令の説明責任が果たされているかが、買主からの信頼と価格交渉力につながります。補助金が使えなかった工事でも、記録を残しておけば、売却時の価格交渉で強い味方になります。

渋川市で補助と修繕を進める6つの手順

  1. 物件を3つに分ける:木造の戸建て賃貸、RC・鉄骨の賃貸マンション、店舗・宿泊用途の建物。使える制度が分かれます
  2. 窓口を一枚の表にする:補助金は市の建築住宅課・商工課、建築基準法の手続きは群馬県、給湯器は登録事業者
  3. 賃貸・法人名義の扱いを電話で確認する:空家活用、耐震、ブロック塀の3制度は、条文だけでは判断できません
  4. 国の給湯器更新の予算残を確認する:公式サイトの申請額割合(毎日更新)を見て、登録事業者に見積もりを依頼
  5. 現地調査で工法を比較する:足場・ロープアクセス・ハイブリッドの3案で、仮設費と工期を並べる
  6. 税務と記録を整える:修繕費と資本的支出の区分を税理士と確認し、写真付きの修繕履歴を残す

よくあるご質問

Q1. 渋川市で賃貸マンションのオーナーが使える市の補助金はありますか?

A. 令和8年度の公式ページから確認できる範囲では、賃貸マンションの外壁・防水を直接支える市の現金補助は見当たりません。使える可能性があるのは、危険ブロック塀等除却事業(上限5万円)や、国の賃貸集合給湯省エネ2026事業です。個別の可否は建築住宅課(電話0279-25-7191)にご確認ください。

Q2. 住宅エコリフォーム支援事業補助金は賃貸住宅に使えますか?

A. 使えません。市のページに、賃貸住宅は対象外と明記されています。対象は申請者が自己居住している個人住宅で、工事費20万円以上、補助は工事費の5%、上限10万円です。

Q3. 空家活用支援事業補助金は、空家を直して貸す場合にも使えますか?

A. 市のページには賃貸目的が対象かどうかの記載がありません。対象は空家の所有者または取得して居住する人で、目的は定住の促進です。貸すための改修が対象になるかは、着工前に必ず窓口で確認してください。受付状況もページ内の記載が矛盾しているため、あわせて確認が必要です。

Q4. 耐震改修の補助は最大いくらですか?

A. 木造住宅耐震改修補助事業は、工事費の5分の4、限度額は115万円です(令和8年度に引上げ)。ただし、居住していることが前提で、昭和56年5月31日以前に着工した木造2階建て以下の住宅が対象です。賃貸住宅の扱いは記載がありません。

Q5. 渋川市の「限定特定行政庁」とは何ですか?

A. 建築確認と検査を行う権限を、一部の小規模な建築物に限って持つ市のことです。渋川市は、特殊建築物で200㎡以下、木造で2階建て以下かつ300㎡以下、非木造で平屋かつ200㎡以下などを扱い、それを超える規模は群馬県の所管です。賃貸マンションの手続きは県が窓口になる場面が多くなります。

Q6. 店舗の入居テナントが改装するとき、オーナーは何をすればよいですか?

A. 店舗改装事業補助金(上限30万円・令和8年12月28日まで)をテナントが申請する場合、貸主の同意書(様式第3号)が必要です。署名の前に、工事の範囲、原状回復の扱い、契約の残存期間を確認してください。

Q7. 定期報告はどこに出しますか?

A. 群馬県のページによると、前橋市・高崎市・桐生市・伊勢崎市・太田市・館林市以外は、建築場所を所管する土木事務所の建築係です。お持ちの物件が報告の対象かどうかは、県の建築課審査指導係(電話027-226-3702)に確認してください。

Q8. 賃貸集合給湯省エネ2026事業はオーナーが直接申請できますか?

A. できません。登録された「賃貸集合給湯省エネ事業者」が手続きを行います。令和8年10月21日0時時点の申請額は予算の概算61%で、100%に達すると受付が終わります。

まとめ:渋川市のオーナーが押さえたい3つのポイント

  • 市の住宅補助は「居住」が前提:賃貸住宅は対象外のもの(エコリフォーム)と、扱いが不明なもの(空家活用・耐震・ブロック塀)があり、着工前の確認が必須です。
  • 手続きの窓口は市と県に分かれる:渋川市は限定特定行政庁のため、賃貸マンションの建築手続きや定期報告は群馬県が窓口になる場面が多くなります。
  • 補助が届かない部分は、仮設費と税務で差がつく:3つの工法の概算を並べ、修繕費と資本的支出を整理し、修繕履歴を残して出口に備えます。

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渋川市は、温泉地の観光需要、駅前の商店街、住宅地、工業団地が混在していて、物件ごとに事情が違います。株式会社明誠は、マンション・ビル・ホテルの大規模修繕を専門に、通常の足場工法・ロープアクセス工法・ハイブリッド工法から、建物にとって最適な方法をご提案しています。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部として、塗装・防水・タイル・電気・看板の各分野の専門職と連携しています。

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補助金の話は、制度の数字を追うほど「うちは対象外だった」で終わりがちです。ですが、対象外だと分かった時点から、本当の勝負が始まります。次の動きとして、まずは物件の劣化の状況を確認することから始めましょう。


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本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月21日時点で公表されている渋川市・群馬県・国の公式情報をもとに、令和8年度の制度として執筆しています。住宅エコリフォーム支援事業補助金・木造住宅耐震改修補助事業・危険ブロック塀等除却事業は令和8年10月14日更新の市ページ、店舗改装事業補助金は令和8年9月1日からの追加募集を告知する市ページ、賃貸集合給湯省エネ2026事業の申請額割合は令和8年10月21日0時時点の公式表示を参照しました。空家活用支援事業補助金は、市のページ内で受付状況の記載が一致していないため、断定を避けています。群馬県の定期報告の対象用途は、県の一覧表で確認できた範囲での記載です。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず渋川市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。本記事は一般的な情報提供であり、税務・法律上の助言ではありません。

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月21日


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出典(渋川市・群馬県・国 公式ウェブサイト)

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