本間社長ブログ
練馬区のマンション管理計画認定制度|手数料4,100円・20基準・防災書類と表明保証書【2026年度版】
目次

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著作者プロフィール
株式会社明誠 代表取締役
本間 幸紘
大規模修繕・外壁工事・ロープアクセス工事に関する情報を、現場経験をもとに分かりやすくお届けします。
結論:練馬区で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか
先に結論です。練馬区の分譲マンションの管理計画認定は、東京都ではなく「練馬区」が行います。窓口は建築・開発担当部住宅課管理係で、区への基本手数料は長期修繕計画が1つなら4,100円、2つ目以降は1件あたり1,800円が加算されます(出典:練馬区「練馬区マンション管理計画認定制度」、ページ更新日2026年4月15日)。
押さえておきたい点を5つ挙げます。
- 認定の有効期間は5年で、更新申請も新規と同額の手数料が必要です
- 練馬区は国+区独自の計20の認定基準を定めています。令和5年2月に「練馬区マンション管理適正化推進計画」を策定し、同年4月から制度を運用しています
- 申請ルートは「マンション管理センター経由」の1本に絞られており、事前確認適合証の取得が必須です
- 区独自の提出書類として、災害対応マニュアルの写し、防災訓練実施報告書(または定期的な防災訓練の実施が確認できる書類の写し)、温室効果ガス排出量削減に努める旨の表明保証書の3点が必要です
- 固定資産税の減額(長寿命化促進税制)は、令和9年3月31日までに対象工事を完了することが条件です
私は東京都東大和市に会社を構え、20年以上、マンションの大規模修繕に携わってきました。練馬区は人口約74万人で東京23区最大の人口を持ち、西武池袋線・西武新宿線・都営大江戸線の沿線に分譲マンションが広く立地しています。1980〜90年代に建った中層マンションが築30〜40年に差しかかっており、長期修繕計画の見直しと管理計画認定を同時に進める相談が増えています。
練馬区の認定主体と窓口:住宅課管理係が担当します
管理計画認定制度は、令和4年4月に始まった国の制度です。管理組合がつくる管理計画を、役所が審査して認定します。この役所を「認定行政庁」(認定の事務を担う自治体のこと)と呼びます。マンション管理適正化推進計画をつくった市と特別区が認定を行い、町村部は都道府県が担当します(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。
練馬区は特別区のひとつとして、令和5年2月に「練馬区マンション管理適正化推進計画」を策定し、同年4月から独自の認定事務を始めています。窓口は、建築・開発担当部住宅課管理係です。所在地は〒176-8501 東京都練馬区豊玉北6丁目12番1号、電話は03-5984-1289(直通)です。来庁の際は事前連絡と予約が必要です。
認定基準20項目:国の17要件+区独自3項目の「防災・環境」セット
国土交通省の認定基準は、大きく5分野で構成されています。管理組合の運営、管理規約、管理組合の経理、長期修繕計画の作成及び見直し等、その他です(出典:国土交通省「マンションの管理計画認定の基準」)。
| 分野 | 主な要件 |
|---|---|
| 管理組合の運営 | 管理者等の選任/監事の選任/総会を年1回以上開催 |
| 管理規約 | 規約の作成/緊急時の専有部分への立入りや修繕履歴管理の規定/財務・管理情報の書面交付等 |
| 経理 | 管理費と修繕積立金の区分経理/積立金会計から他会計への充当なし/3か月以上の滞納額が全体の1割以内 |
| 長期修繕計画 | 標準様式に準拠し総会で決議/作成・見直しが7年以内/計画期間30年以上で大規模修繕2回以上/一時的な積立金徴収を予定しない/平均額が著しく低額でない/最終年度に借入金残高がない |
| その他 | 組合員名簿・居住者名簿を備え年1回以上確認/マンション管理適正化指針に照らして適切 |
練馬区独自の3項目:災害対応・防災訓練・温室効果ガス
練馬区は、国の17要件に加えて次の3項目を区独自基準として求めています。区のページでは「計20の基準」と明記されています。
- 災害対応マニュアルを作成していること(作成の留意点は申請の手引き22ページに記載)
- 定期的な防災訓練を実施していること(防災訓練実施報告書または実施が確認できる書類で証明)
- 修繕にあたっては温室効果ガスの排出量の削減に努める旨の表明保証書を提出すること
私の現場感覚では、ここが練馬区の特徴です。防災と環境の2つが、区独自基準として明示されているのです。1と2は、災害対応マニュアルを作っていない組合、または作っていても毎年更新していない組合で止まりやすく、3は、工事仕様書に「低VOC塗料」「省エネ化」などの選択肢を入れているかどうかで議論が分かれます。
申請の流れ:事前相談から認定までの5ステップ
練馬区の申請フローは、区のページで5ステップに整理されています(出典:練馬区「練馬区マンション管理計画認定制度」)。
- 区へ事前相談(来庁は事前連絡が必要。区独自基準の認定内容について事前に相談)
- 認定申請することを総会で決議
- マンション管理センターの事前確認適合証を取得
- マンション管理センターの支援システムから練馬区へ認定申請
- 区の住宅課窓口へ必要書類(2部)の提出と手数料の納付
ここで押さえておきたいのは、ステップ4の「オンライン申請だけでは完了しない」という点です。練馬区では、センターの支援システム上の申請と、区の窓口での書類提出・手数料納付の両方が必要です。窓口来庁は事前予約制なので、修繕工事の予定から逆算してスケジュールを組んでください。
現場の話:長期修繕計画の作り直しに3か月
以前、練馬区内の築30年ほどのマンションの理事長さまから、「認定を取りたいが何から手をつけるか」と相談を受けました。規約と経理は問題なく、止まったのは長期修繕計画でした。作成から8年経っており、計画期間も25年しかなかったのです。計画を30年に延ばし、大規模修繕2回を織り込み、総会で決議し直すまでに、およそ3か月かかりました。私はいつも理事長さまに、「認定の前に、まず計画の日付と期間を確認してください」とお伝えしています。
認定のメリットと、固定資産税減額の期限
住宅金融支援機構のフラット35等で金利優遇
管理計画認定を取得すると、住宅金融支援機構の「フラット35」および「マンション共用部分リフォーム融資」等で金利優遇を受けられます(出典:練馬区「練馬区マンション管理計画認定制度」)。認定情報はマンション管理センターの閲覧サイトで公表され、売買時の市場評価にもつながります。
マンション長寿命化促進税制:令和9年3月31日が工事完了期限
マンション長寿命化促進税制は、管理計画認定を受け一定の要件を満たすマンションで、長寿命化に資する大規模修繕工事が実施された場合に、翌年度の建物部分の固定資産税が減額される制度です。措置期間は、現時点で令和5年4月1日から令和9年3月31日までです(出典:東京都主税局「長寿命化に資する大規模修繕工事が行われたマンションに対する固定資産税の減額制度」)。
30戸規模のマンションで、1戸あたり年間1万円の減額だとしても、総額30万円の効果が出ます。認定手数料4,100円との差額を考えれば、計画認定と大規模修繕のタイミングを合わせる経営判断には十分な根拠があります。令和9年4月以降の制度延長の有無は、国土交通省と東京都のページで最新情報をご確認ください。
認定の有効期間と更新:5年ごとに同額の手数料
認定の有効期限は認定を受けた日から5年間で、有効期間満了日前の6か月以内に更新手続きが必要です。更新時の手数料は、新規申請と同額(長期修繕計画が1つなら4,100円、2つ目以降は1件あたり1,800円加算)です。認定内容に変更がある場合は変更認定申請が必要で、変更の内容によっては手続きが不要な場合もあります。詳細は区の窓口でご確認ください。
大規模修繕と管理計画認定を「一体で設計」するという発想
ここが私が一番お伝えしたい部分です。管理計画認定の長期修繕計画は、絵に描いた計画ではなく「30年の間に大規模修繕2回以上」を実際に積立金で回せる計画でなければなりません。つまり、認定と積立金と大規模修繕の工法選定は、切り離して議論できないのです。
ロープアクセスで足場コストを抑え、積立金を守る
練馬区の分譲マンションは3〜8階建ての中層が多く、建物形状によっては足場架設の費用が全体工事費の2〜3割を占めます。株式会社明誠はロープアクセス工法を標準で扱っており、外壁・バルコニー・最上階の庇まわりなど、足場架設が過大になる部位では、大規模修繕のコストを抑え、修繕積立金の健全性を保ちやすくします。ロープアクセス工法は、作業員1人につきメインロープ1本とバックアップロープ1本の計2本のロープに接続し、2点以上の吊元を確保する国際的な安全基準に沿った手法です。1点吊りやシングルロープで降りる作業ではありません。
通常足場・ロープアクセス・ハイブリッドの3工法を建物特性で選べる会社は少なく、練馬区の中層マンションの大規模修繕では、工法選択だけで数百万円から数千万円の差がつくこともあります。詳しくは、大規模修繕の工法比較、修繕積立金と長期修繕計画の整え方、管理計画認定と大規模修繕の一体設計で解説しています。
姉妹サイト「ロープアクセスドットコム」の工法詳細ページと、中層マンション事例もあわせてご覧ください。
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 練馬区の管理計画認定は、東京都ではなく区に申請するのですか?
はい。練馬区は特別区(認定行政庁)のひとつで、区が直接認定事務を行っています。都の窓口ではありません。
Q2. 区への手数料は結局いくらですか?
長期修繕計画が1つの場合は区へ4,100円です。2つ目以降は1件あたり1,800円が加算されます。別途、マンション管理センターへの支援システム利用料と事前確認審査料が必要です。
Q3. 事前確認適合証は必須ですか?
はい。練馬区では、マンション管理センターが発行する事前確認適合証の取得が申請の要件になっています。直接申請ルートは案内されていません。
Q4. 築年数が古く、積立金が不足していても申請できますか?
計画期間30年以上と最終年度の借入金残高ゼロが要件なので、まず長期修繕計画を標準様式で作り直し、総会で決議してから申請します。私の経験では、計画の作り直しに3〜6か月かかるケースが多いです。
Q5. 災害対応マニュアルがないのですが、どうしたらいいですか?
区の申請の手引き22ページに作成の留意点が記載されています。防災訓練と組み合わせて、年1回の総会までに整備するのが現実的なスケジュールです。
練馬区で管理計画認定を検討されている管理組合さまへ
株式会社明誠は、東京都を中心に関東圏の分譲マンションの大規模修繕を20年以上行ってきました。練馬区の中層マンションの大規模修繕では、ロープアクセス工法を活用した足場コスト削減、長期修繕計画の見直し、管理計画認定の取得支援まで、通しでご相談いただけます。認定手数料・標準処理期間・区独自基準の読み方など、具体的な質問はお気軽にお問い合わせください。
執筆者情報
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役。マンション・ビル・ホテルの大規模修繕工事を20年以上手がける。日本初のロープアクセス工事フランチャイズを展開し、通常足場・ロープアクセス・ハイブリッドの3工法から建物特性に応じた最適提案を行う。一般社団法人全国建設業支援協会(JCSA)代表理事。
更新日:2026年11月2日
関連記事(姉妹サイト)
ロープアクセス工法の詳細や実例については、姉妹サイト「ロープアクセスドットコム」の以下の記事もぜひご覧ください。
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