本間社長ブログ

玉村町のマンション補助金|大規模修繕2026年度版

玉村町のマンション補助金|大規模修繕2026年度版
本間 幸紘

著作者プロフィール

株式会社明誠 代表取締役

本間 幸紘

大規模修繕・外壁工事・ロープアクセス工事に関する情報を、現場経験をもとに分かりやすくお届けします。

2026年11月6日 更新

「玉村町のマンションやアパートで、大規模修繕に使える補助金はありますか?」

先に結論をお伝えします。2026年11月6日時点で、群馬県の移住支援サイト「ぐんま暮らし」に掲載されている玉村町の支援制度一覧(令和8年5月時点)と、群馬県・国の公表資料を確認した範囲では、外壁塗装や屋上防水といったマンション共用部の大規模修繕工事そのものに、管理組合や賃貸オーナーが使える町の補助金は見つかりませんでした。 玉村町の住宅系の支援は、木造戸建ての耐震改修、空き家バンクの物件のリフォーム、自宅の太陽光発電・蓄電池などが中心です。

ただし、玉村町の建物には、補助金よりも先に押さえていただきたい大切な論点が2つあります。ひとつは、玉村町は「町」なので、分譲マンションの管理計画認定は町ではなく群馬県が所管すること。もうひとつは、利根川と烏川が合流する場所に位置し、国の資料で「決壊した場合、決壊直後に氾濫水が到達する」と想定されている区間が町内にあることです。

玉村町の理事長さま・修繕委員の皆さま、そして町内に賃貸物件をお持ちのオーナーさまに、最初に押さえていただきたいのは次の5点です。

  1. 玉村町の分譲マンションの「管理計画認定」は、玉村町ではなく群馬県が所管します。県の要綱は、申請できるのを「群馬県の区域内(市の区域は除く。)の管理組合の管理者等」と定めています
  2. 県の要綱では、認定の申請に公益財団法人マンション管理センターが発行する「事前確認適合証」を添付することになっています
  3. 町の「木造住宅耐震改修補助金」は、耐震改修費用の2分の1以内・上限80万円ですが、旧耐震基準の木造住宅が対象で、マンションは対象外です
  4. 国土交通省の資料では、利根川右岸184.5k(玉村町五料地先)付近で堤防が決壊した場合、玉村町には決壊直後に氾濫水が到達し、烏川合流点付近で浸水深1m以上の区域があると想定されています
  5. 国の住宅省エネ2026キャンペーンは、予約の期限が11月16日です。今日から数えて10日しかありません

こんにちは、株式会社明誠の本間です。マンション・ビル・ホテルの大規模修繕に20年以上携わってきました。この記事では、玉村町・群馬県・国の制度を「共用部に使えるか、使えないか」で仕分けし、補助金に頼りすぎずに修繕積立金と家賃収入を守る進め方をお伝えします。確認できなかった項目は、できなかったと正直に書きます。

早見表:玉村町のマンションで使える制度・使えない制度

2026年11月6日時点で確認できた群馬県・玉村町に関する公式資料と、国の公表資料をもとに整理しました。「読める」「確認できない」は、公式資料の記載に基づく私の判断です。最終的には各窓口でご確認ください。

制度 窓口 管理組合(共用部)で使えるか 内容・確認できた状況
外壁・屋上の大規模修繕そのものへの補助 — × 見当たらない 町の支援制度一覧(令和8年5月時点)に共用部向けの制度なし
マンション管理計画認定(町村の区域) 群馬県 住宅政策課 ○ 管理組合が申請 県の要綱で「市の区域を除く」区域は県が認定。事前確認適合証の添付が必要。手数料は確認できず
木造住宅耐震改修補助金 町 都市建設課 住宅政策係 × 戸建て等の木造のみ 旧耐震の木造住宅で総合評点1.0未満。改修費の2分の1以内、上限80万円
空き家リフォーム補助金 町 都市建設課 住宅政策係 × 共用部には使えない 空き家バンク登録物件を購入・賃借した人。町内業者・総額20万円以上。2分の1以内、上限80万円
空き家片付け補助金 町 都市建設課 住宅政策係 × 修繕には使えない 空き家バンク登録物件の家財処分費。2分の1以内、上限10万円
住宅用太陽光発電・蓄電池の設置補助金 町 環境安全課 環境政策係 × 自宅向け 自ら居住する住宅。1kWあたり1万円、各上限5万円
マンション長寿命化促進税制 町(固定資産税) ○ 要件に合えば 管理計画認定などを受けたマンションの長寿命化工事で減額。工事完了の期限は令和9年3月31日
住宅省エネ2026キャンペーン 国(登録事業者が申請) △ 工事内容による 予約は11月16日まで。予算上限で前倒し終了あり

表の通り、町独自の「マンション共用部向け補助」はありません。ただし、玉村町の分譲マンションは「認定は群馬県、税は玉村町」という二つの窓口を使い分けることで、税と融資の支援につなげることができます。順番に見ていきます。

玉村町のマンション事情-人口約3.5万人、利根川と烏川に挟まれた町

町の概況

玉村町は、群馬県の南部、佐波郡にある町です。前橋市・高崎市・伊勢崎市に囲まれ、町の南側を利根川が流れ、烏川が町の西側から南側を流れて、町の南で利根川に合流します。群馬県の「群馬県移動人口調査」によると、令和8年8月1日現在の人口は34,945人、世帯数は15,920世帯です。このうち外国人の人口は1,542人です(出典:群馬県「群馬県の人口と世帯の動き(令和8年8月1日現在)」(PDF)、令和8年8月25日公表)。

県内の町村の中では人口が最も多い町のひとつで、前橋・高崎のベッドタウンとして住宅地が広がってきました。

分譲マンションの数は、町の資料では確認できません

正直に書きます。玉村町内の分譲マンションの棟数・戸数を示す町の公式資料は、今回の調査では見つけられませんでした。参考になるのは、群馬県が令和4年4月に策定した「群馬県マンション管理適正化推進計画」の数字です。県の報道提供資料には、群馬県が所管する区域(町村部)のマンションは40棟・7,703戸で、修繕積立金の滞納、居住者の高齢化、管理組合の役員のなり手不足など、管理に課題を抱えるマンションがあると書かれています(出典:群馬県「群馬県マンション管理適正化推進計画を策定しました」、2022年4月1日)。

県内の町村部すべてを合わせても40棟ですから、玉村町の集合住宅の多くは、分譲マンションよりも賃貸のアパート・マンション、社宅や寮だと考えられます。そのため、この記事では管理組合さまだけでなく、賃貸オーナーさまに関わる視点も厚めにお伝えします。

平野部の外壁は、強い日射と冬の乾いた風で傷み方が変わる

一般論として、群馬県南部の平野部は夏の暑さが厳しく、冬は乾いた北西の季節風が吹く地域として知られています。強い日射を受ける南面・西面は、塗膜の色あせやチョーキング(手でこすると白い粉が付く現象)、シーリング(外壁の継ぎ目のゴム状の材料)の硬化やひび割れが早く進みやすくなります。また、夏の夕立のような短時間の強い雨では、屋上やバルコニーの排水口(ドレン)のつまりから雨水があふれることもあります。

建物ごとに状況は大きく違うため、面ごとの劣化診断を先に行い、傷みの大きい部分から優先順位を付けるのが有効だと私は考えています。

玉村町の制度を一つずつ読む:共用部に届くのか、届かないのか

マンション管理計画認定:所管は群馬県

群馬県が定めた「群馬県マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行要綱」の第3条は、「群馬県の区域内(市の区域は除く。)の管理組合の管理者等は、(中略)管理計画の認定を申請することができる」と定めています。また、別表1で、認定申請書に添付する書類として「公益財団法人マンション管理センターが発行する事前確認適合証」を挙げています。要綱は令和4年4月1日から施行されています(出典:群馬県「群馬県マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行要綱」(PDF))。

県のマンション管理適正化推進計画は、群馬県の所管する区域内(町村部)のマンション管理の適正化を目的としており、計画期間は令和4年度から令和12年度までの9年間です。担当は群馬県 住宅政策課(電話027-898-2889)です(出典:群馬県「群馬県マンション管理適正化推進計画を策定しました」)。

したがって、玉村町内の分譲マンションの管理計画認定は、群馬県が所管することになります。前橋市・高崎市・伊勢崎市など「市」にあるマンションとは、申請先が違う点にご注意ください。

ここで正直にお伝えすることがあります。今回の調査では、群馬県の公式サイトで、県に支払う認定の手数料の額を確認することができませんでした。 認定の準備を始める管理組合さまは、まず県の住宅政策課に、手数料・申請書の様式・受付の流れを確認してください。申請の前には、公益財団法人マンション管理センターの「管理計画認定手続支援サービス」で事前確認を受け、事前確認適合証を取得するのが、群馬県の要綱に沿った流れです。

認定を受けると、マンション長寿命化促進税制(固定資産税の特例)や、住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資の金利引下げなどのメリットにつながります。町の修繕補助がない玉村町では、「県の認定を取って、町の税と国の融資で支援を受ける」という道筋が、管理組合にとって現実的な選択肢です。

木造住宅耐震改修補助金:上限80万円、ただし木造住宅のみ

群馬県の移住支援サイトに掲載されている玉村町の支援制度一覧(令和8年5月時点)には、「木造住宅耐震改修補助金事業」が載っています。対象者は「旧耐震基準で建築された木造住宅で耐震診断による総合評点が1.0未満の住宅所有者」、内容は「耐震改修費用の1/2以内で上限80万円」です。問い合わせ先は都市建設課 住宅政策係(0270-64-7707)です(出典:ぐんま暮らし「玉村町の支援制度一覧(令和8年5月時点)」(PDF))。

鉄筋コンクリート造のマンションには使えません。 ご自宅が旧耐震の木造住宅という区分所有者さま・オーナーさまは、住宅政策係へ直接お問い合わせください。令和8年度の受付期間・予算の残り、耐震診断の補助の有無は、今回の調査では町の公式資料で確認できませんでした。

空き家リフォーム補助金・空き家片付け補助金:空き家バンクの物件向け

同じ一覧には、空き家バンクに登録された物件に限る補助金が2つ載っています。

  • 空き家リフォーム補助金:空き家バンクで物件を購入するか、2年以上の賃貸借契約を結び、リフォーム後2年以上、住居や店舗、地域の社会貢献活動の場所として使う予定の人が対象。町内業者が施工する総額20万円以上のリフォーム工事で、費用の2分の1以内・上限80万円
  • 空き家片付け補助金:家財道具などの処分費用の2分の1以内・上限10万円

これらは空き家の流通を進めるための制度で、管理組合が発注する共用部の大規模修繕には使えません。一方で、町内に空き家となった戸建てや店舗をお持ちの方が、空き家バンクを通じて貸し出す場合には、借り手側のリフォーム費用の負担を軽くする材料になり得ます。対象になるかは事前の相談が必要とされていますので、住宅政策係へご確認ください。なお、当社は玉村町内の業者ではないため、空き家リフォーム補助金の「町内業者」には当たりません。

住宅用太陽光発電・蓄電池の設置補助金

町内の自ら居住する住宅に太陽光発電システムや蓄電池を設置した方などを対象に、1kWあたり1万円・上限5万円(太陽光・蓄電池それぞれ)を補助する制度もあります(環境安全課 環境政策係、0270-64-7708)。過去に同じ補助を受けていないこと、世帯員全員に町税の未納がないことが条件です。自宅向けの制度のため、マンション共用部や賃貸住宅には使えないと読めます。

そのほかの町の制度

同じ一覧には、文化センター周辺住宅団地定住促進奨励金(1棟につき5万円)、家庭用生ごみ処理機設置補助金なども載っています。いずれも住む人や個々の住宅のための制度で、マンション共用部の大規模修繕に直接使えるものではありません。

国の制度:期限のあるものから確認する

住宅省エネ2026キャンペーン:予約は11月16日まで

経済産業省の発表によると、給湯省エネ2026事業などの交付申請の予約の期限は令和8年11月16日(月)です。申請額が予算上限に達した場合は、期限前でも受付が終了します(出典:経済産業省「給湯省エネ2026事業」及び「賃貸集合給湯省エネ2026事業」の交付申請(予約含む)の受付開始について)。キャンペーン全体の最新の予算の状況は、住宅省エネ2026キャンペーンの公式サイトで公表されています。手続きは住宅の所有者ではなく、登録された住宅事業者が行います。

マンションの場合、共用部の大規模修繕そのものよりも、住戸の窓や給湯器の交換で使われることが多い制度です。賃貸集合住宅の給湯器を入れ替える事業もあるため、賃貸オーナーさまは11月16日までに、取引のある設備業者さんに予約の可否を確認しておくと安心です。

マンション長寿命化促進税制:期限は令和9年3月31日

管理計画認定を受けたマンションなどで、長寿命化工事(外壁塗装等・床防水・屋根防水)を行った場合、工事完了の翌年度の建物部分の固定資産税が減額される制度です。国土交通省の資料では、築20年以上・総戸数10戸以上で、過去に長寿命化工事を行っていることなどが要件として挙げられており、対象は令和9年3月31日までに工事が完了したものです(出典:国土交通省「マンション長寿命化促進税制」)。減額割合は市町村の条例で定められ、工事完了後3か月以内に市町村へ申告します。

玉村町の場合、認定は群馬県、固定資産税の申告は玉村町と、窓口が分かれる点に注意が必要です。玉村町の減額割合は、今回の調査では町の公式資料で確認できませんでした。減額割合と申告の方法は、町の税務担当へ直接ご確認ください。

耐震改修の固定資産税減額(国の制度)

国の制度として、耐震改修を行った住宅の固定資産税の減額もあります(出典:国土交通省「耐震改修に係る固定資産税の減額措置」(PDF))。

  • 対象:昭和57年1月1日以前から所在する住宅
  • 工事:工事費50万円超の耐震改修。適用期限は令和13年(2031年)3月31日まで
  • 減額:翌年度分の固定資産税額の2分の1(1戸あたり120㎡相当分まで)
  • 手続き:工事完了後3か月以内に市町村へ申告

旧耐震のマンションで耐震改修を検討している管理組合さまは、着手前に町の税務担当へ、申告の方法と必要書類を確認しておくと安心です。

玉村町ならではの論点:利根川・烏川の浸水特性を修繕計画に重ねる

決壊地点が町内にある:「決壊直後に氾濫水が到達」

国土交通省関東地方整備局 利根川上流河川事務所が平成29年3月にまとめた「堤防決壊時の市区町別浸水特性 玉村町」には、計画規模の洪水で利根川右岸が決壊した場合の玉村町の浸水特性が、次のように書かれています(出典:国土交通省 利根川上流河川事務所「堤防決壊時の市区町別浸水特性 玉村町」(PDF)、平成29年3月)。

  • 玉村町に氾濫水が到達する可能性があるのは、玉村町五料地先(184.5k)付近の堤防がある区間で決壊した場合
  • その区間を受け持つ観測所は八斗島(やったじま)水位観測所で、出水時はこの観測所の水位を注視する
  • 184.5k地点は玉村町内のため、ここで決壊した場合、玉村町には決壊直後に氾濫水が到達すると想定される
  • 玉村町が浸水する範囲はわずかだが、烏川合流点付近で浸水深が1.0m以上となる区域があり、1.0m〜2.0m未満の区域は建物の1階が浸水するおそれがある

この資料は概ね200年に一度の規模の洪水を対象にしており、「想定を上回る降雨の場合は、浸水域や到達時間はより広く・早くなる可能性がある」とも書かれています。

想定最大規模の浸水想定区域図にも玉村町の図面

利根川上流河川事務所は、利根川の洪水浸水想定区域図(想定最大規模)を平成29年7月20日に指定・公表しており、市区町別の図面の中に玉村町の図面も掲載されています。避難場所や避難経路は、各市区町が公表している洪水ハザードマップで確認するよう案内されています(出典:国土交通省 利根川上流河川事務所「洪水浸水想定区域図」、利根川 洪水浸水想定区域図(想定最大規模)玉村町(PDF))。

玉村町の洪水ハザードマップは、町の公式サイトまたは町役場でご確認ください。

マンション・アパートの修繕計画で確認しておきたい3点

マンションやアパートの大規模修繕の計画では、次の3点を確認しておくと安心です。

  • 1階の住戸・共用部(電気室、受水槽、ポンプ室、エレベーターの機械)の位置:浸水深1m以上の想定がある場所では、修繕に合わせて止水板や設備のかさ上げを検討する
  • 外壁の下の部分と鉄部の状態:地面に近い外壁は、雨のはね返りや湿気で塗膜のふくれ・鉄部のさびが進みやすい。劣化診断で重点的に確認する
  • 屋上・バルコニーの排水能力:夕立のような短時間の強い雨に備え、ドレンの清掃と防水の更新を優先する

雨水の侵入や漏水が心配な場合は、明誠の漏水対応もご覧ください。

費用の目安:玉村町のマンション大規模修繕にいくらかかるか

補助の話だけでは、総会で判断ができません。一般的な費用の目安をお伝えします。いずれも物件の規模・劣化状況・仕様によって大きく変わる参考値で、実際の金額は現地調査のうえでの見積りになります。

項目 一般的な目安
30戸規模のマンションの大規模修繕 総額 3,500万〜5,000万円程度
うち仮設足場の割合 総額の15〜25%程度
外壁塗装 1㎡あたり3,500〜4,500円程度
外壁打診調査 1㎡あたり250〜500円程度
防水工事 1㎡あたり5,000〜8,000円程度

たとえば、10階建て・外周80m・工期3か月の建物で試算すると、足場の費用が約168万円かかるところ、ロープアクセスで行えば約59万円、差額は約109万円という例があります。これは条件を置いた試算で、すべての建物にそのまま当てはまるものではありません。

玉村町の賃貸物件は、2〜4階建て程度の中低層が多いと考えられます。低い建物では足場の費用が総額に占める割合も変わるため、「足場を掛けるか、掛けないか」を建物ごとに比べることが大切です。オーナーさま・管理組合さま別のご案内は、明誠の大規模修繕サービス一覧もご覧ください。

補助が少ない町で、修繕積立金と家賃収入を守る5つの工夫

工夫1:診断を先に行い、「やる工事」と「やらない工事」を分ける

建物は面ごとに傷み方が違います。日射の強い南面・西面だけ色あせとシーリングの切れが目立つ、北面だけ苔とふくれがある、といった具合です。先に外壁の打診調査や劣化診断で数値化しておけば、「今回は傷んだ面と屋上だけ」という判断ができます。建物の高い位置の調査には、ドローンを使った外壁調査も選択肢になります。

工夫2:足場を掛けるか、掛けないかを、建物の形から決める

私は、次の3つの工法から、建物にとってベストな組み合わせを提案しています。

工法 向いている建物・工事 注意点
通常の足場仮設 全面に補修が必要な建物、敷地に余裕がある建物 足場の費用がかかり、工期が長くなりやすい
ロープアクセス(無足場工法) 外壁の部分補修、シーリングの打ち替え、点検、漏水の調査・対応 全面の塗り替えには向かないことがある。作業員の技能と安全管理が必須
ハイブリッド(足場+ロープアクセス) 面ごとに劣化の程度が違う建物 設計に経験が必要

ロープアクセスは、屋上などの2点以上の吊元を確保し、メインロープとバックアップロープの2本に接続して作業する工法です。国際的な技能基準であるIRATA(国際産業ロープアクセス協会)の考え方に沿った二重の安全確保が、業界の標準になっています。技術的な詳細は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムに詳しくまとめています。当社の考え方は、明誠のロープアクセス工法の技術詳細もご覧ください。

隣の建物との間が狭い敷地や、駐車場・駐輪場をふさがずに工事をしたい物件では、地上に大きな仮設を置かずに済むロープアクセスは検討の価値がある工法です。ただし、ロープアクセスは万能ではありません。全面的な塗り替えなどでは、足場のほうが安全で経済的な場合もあります。 だからこそ、3つの工法を比べて提案できる会社を選ぶことが大切だと考えています。

工夫3:積立金を「1戸あたり」で考える

総会で大きな金額を見せられると、判断が止まります。たとえば仮に、30戸のマンションで工事費が4,500万円なら、1戸あたり150万円です。これは架空の例ですが、見積りの比較は総額ではなく、戸あたり金額と工事項目ごとの単価で行うと、見積書の見え方が変わります。賃貸オーナーさまなら、工事費を「何か月分の家賃収入か」に置き換えると、判断がしやすくなります。

工夫4:同じ前提で、複数社の見積りを比べる

見積書は、会社ごとに書式や項目の立て方が違います。足場や諸経費の載せ方で、同じ工事でも総額が違って見えます。診断結果・工事範囲・仕様をそろえたうえで、3社程度で比べるのが基本です。

工夫5:「県の認定」と「町の税」をセットで段取りする

長寿命化促進税制は、管理計画認定を受けたマンションであることなどが要件になるため、大規模修繕の発注より先に、認定の準備を始めるのが安全な順序です。玉村町では、認定の前にマンション管理センターの事前確認、認定は群馬県、工事後の税の申告は玉村町と、三つの窓口を順に回ることになります。期限(令和9年3月31日の工事完了)から逆算すると、来年度に工事を予定している管理組合さまは、この冬のうちに認定の相談を始めることをお勧めします。

明誠について:信頼の根拠

株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法での高所作業について、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業では、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを維持しています。IRATA水準の技能訓練を受けた作業員、ISO9001の品質マネジメントシステム、日本ロープ高所作業協会の事務局という体制で、安全と品質を管理しています。安全への取り組みは明誠の安全管理でもご紹介しています。

また、明誠は日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部として、塗装・防水・タイル・電気・看板など各分野の専門職と連携しています。玉村町のような前橋・高崎・伊勢崎に囲まれた町でも、建物の状態に合わせた職種の組み合わせで、品質と費用のバランスを取ることができます。同業者の方向けの技術情報や訓練の情報は、姉妹サイトのロープアクセスドットコム(無足場工法の専門メディア)でも発信しています。

これまでの工事の様子は、明誠の施工事例からご覧いただけます。

玉村町で賃貸マンション・アパートをお持ちのオーナーさまへ

町内で賃貸物件をお持ちのオーナーさまにとって、玉村町の制度は次のように整理できます。

  • 町の支援制度一覧(令和8年5月時点)に、賃貸住宅の修繕や建設に使える町の補助は載っていません
  • 太陽光発電・蓄電池の補助は自ら居住する住宅が対象で、賃貸住宅は対象外と読める
  • 空き家リフォーム補助金は、空き家バンクの物件を2年以上借りる人のリフォームも対象で、空き家となった戸建てを貸し出す際の材料になり得る
  • 国の住宅省エネ2026では、賃貸集合住宅の給湯器交換の事業がある。予約は11月16日まで
  • 利根川の浸水想定区域図やハザードマップは、入居者への説明と、保険・修繕の優先順位づけに使える

群馬県の移動人口調査では、玉村町の令和8年7月中の人口の増減は9人の減少で、大きな増減はありません。前橋・高崎・伊勢崎への通勤圏という強みがある一方で、入居者に選ばれる物件と、選ばれない物件の差は、外観と共用部の印象で広がります。ただし、空室が多い物件に高額な修繕をかけても回収できないこともあります。「全面修繕」「部分改修」「設備更新」を家賃収入の見通しと並べて比べることが、玉村町のオーナーさまには特に大切だと私は考えています。収益物件の修繕については、収益不動産オーナーさま向けのご案内もご覧ください。

玉村町の管理組合・オーナーさまが、今日から1か月でやること

  1. 今日〜11月上旬:築年数(昭和57年1月1日以前か)、長期修繕計画の作成年と期間、直近の総会で管理規約や修繕積立金を見直したかを確認する
  2. 11月16日まで:住宅省エネ2026の予約が必要な住戸・賃貸住宅の工事(窓・給湯器など)があるか、登録事業者に相談する
  3. 11月中旬:群馬県 住宅政策課(027-898-2889)に、管理計画認定の手数料・様式・受付の流れを確認する。あわせて玉村町の税務担当に、長寿命化促進税制の減額割合と申告方法を確認する
  4. 11月中:町のハザードマップと利根川の浸水想定区域図で、建物の位置を確認する。烏川合流点に近い建物は、1階の設備の位置と止水の備えを点検する
  5. 12月以降:劣化診断の発注、マンション管理センターの事前確認、長期修繕計画の見直し、認定の取得を前提にした総会議案の準備を進める

よくあるご質問

Q. 玉村町に、マンション共用部の大規模修繕に使える補助金はありますか?

A. 2026年11月6日時点で、群馬県の移住支援サイトに掲載された玉村町の支援制度一覧(令和8年5月時点)と、県・国の公表資料を確認した範囲では見つかりませんでした。管理計画認定を取得し、長寿命化促進税制や住宅金融支援機構の融資の金利引下げを活用するのが現実的です。

Q. 玉村町のマンションの管理計画認定は、どこに申請しますか?

A. 玉村町ではなく群馬県です。県の要綱は、市の区域を除く県内の管理組合の管理者等が県に申請できると定めています。担当は県の住宅政策課(027-898-2889)です。申請にはマンション管理センターの事前確認適合証の添付が必要です。

Q. 認定の手数料はいくらですか?

A. 今回の調査では、群馬県の公式サイトで手数料の額を確認できませんでした。申請前に県の住宅政策課へご確認ください。マンション管理センターの事前確認には、別途その手数料がかかります。

Q. 耐震改修の補助(上限80万円)は、マンションでも使えますか?

A. 使えません。町の木造住宅耐震改修補助金は、旧耐震基準で建てられた木造住宅で、耐震診断の総合評点が1.0未満のものが対象です。鉄筋コンクリート造のマンションの耐震改修は、国の固定資産税の減額などを検討します。

Q. 玉村町で利根川が決壊したら、どのくらい浸水しますか?

A. 国土交通省の平成29年3月の資料では、利根川右岸184.5k(玉村町五料地先)付近で決壊した場合、決壊直後に氾濫水が到達し、浸水する範囲はわずかながら、烏川合流点付近で浸水深1m以上の区域があると想定されています。これは概ね200年に一度の規模の洪水の想定で、想定を上回る雨ではより広く・早くなる可能性があります。

Q. 洪水のとき、どの水位観測所を見ればよいですか?

A. 同じ資料では、玉村町が注視すべき観測所として、利根川の八斗島水位観測所が挙げられています。あわせて町のハザードマップで避難場所と避難経路をご確認ください。

Q. 国の住宅省エネ2026は、いつまで使えますか?

A. 経済産業省の発表では、予約の期限は11月16日です。予算上限に達すると前倒しで締め切られます。手続きは登録された住宅事業者が行いますので、早めにご相談ください。

Q. 足場を掛けない工法で、大規模修繕はできますか?

A. 建物の形や劣化の状態によっては可能です。ロープアクセス工法は、2点以上の吊元を確保し、メインロープとバックアップロープの2本に接続して作業します。部分補修やシーリング打ち替えに向き、全面の塗り替えでは足場のほうが適する場合もあります。3工法を比べたうえでのご提案が可能です。

この記事のポイントまとめ

  • 玉村町には、外壁・防水そのものに使える町の補助は見当たらない(町の支援制度一覧 令和8年5月時点)
  • 玉村町のマンションの管理計画認定は、町ではなく群馬県が所管。事前確認適合証の添付が必要で、手数料は要確認
  • 木造住宅耐震改修補助金は旧耐震の木造住宅向け(2分の1以内・上限80万円)、空き家リフォーム補助金は空き家バンクの物件向け(2分の1以内・上限80万円)
  • 利根川右岸184.5k(玉村町五料地先)で決壊した場合、決壊直後に氾濫水が到達し、烏川合流点付近で浸水深1m以上の想定。修繕計画に重ねる
  • 国の住宅省エネ2026の予約は11月16日まで、長寿命化促進税制は令和9年3月31日の工事完了まで

出典・参考資料

本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年11月6日時点で公表されている群馬県・国土交通省・経済産業省ほかの公式情報と、群馬県の移住支援サイトに掲載された玉村町の支援制度一覧(令和8年5月時点)をもとに執筆しています。玉村町の公式サイトの各制度ページは今回直接確認できなかったため、木造住宅耐震改修補助金・空き家リフォーム補助金などの令和8年度の受付状況・予算残額、耐震診断の補助の有無、長寿命化促進税制の減額割合は未確認です。群馬県の管理計画認定の手数料も確認できませんでした。利根川の浸水特性は平成29年3月の資料によるものです。費用の目安は一般的な参考値で、個別の見積りとは異なります。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず玉村町・群馬県および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。本記事は法的・税務上の助言ではありません。

玉村町は、利根川と烏川という2本の大きな川が出会い、前橋・高崎・伊勢崎の3市に囲まれた、暮らしやすい平野の町です。マンション共用部の修繕に使える町の補助はありませんが、管理計画認定は群馬県が所管し、町内の決壊想定地点と浸水特性が国から公表されているという点は、管理組合さまにも賃貸オーナーさまにも見逃せない材料です。使える制度と使えない制度を最初に仕分け、期限のある制度は今月中に確認し、浸水のリスクを診断に織り込んで工法を比べることが、修繕積立金と家賃収入を守る一番の近道だと私は考えています。長期修繕計画の見直しのご相談だけでも、お力になれることがあります。どうぞ明誠へのお問い合わせフォームからお声がけください。

関連する群馬県の記事として、前橋市のマンション補助金、高崎市のマンション補助金、伊勢崎市のマンション補助金も、あわせてご覧ください。管理組合の方は管理組合さま向けのご案内、資産価値の維持については建物の資産価値を守る修繕も参考にしてください。


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この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年11月6日


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