本間社長ブログ
日立市の賃貸マンション補助金2026|ブロック塀は最大50万円、税制は1/2減額も賃貸に壁
目次
- 日立市で賃貸オーナーが押さえるべき制度【令和8年度・一覧】
- 日立市は特定行政庁 — 建築確認も12条点検(定期報告)も市の建築指導課へ
- 危険ブロック塀等改善事業補助 — 最大50万円、ただし「市の事前調査で危険と判定」が入口
- 木造住宅の耐震化支援は「所有者等が居住する戸建て」限定 — 賃貸共同住宅は対象外
- 特定既存耐震不適格建築物ルート — 賃貸共同住宅が名指しされる法令の話
- 固定資産税の減額 — 耐震改修は「令和8年3月31日まで」の記載に注意
- マンション長寿命化促進税制 — 減額割合は2分の1、ただし区分所有マンション向け
- マンション管理計画認定制度 — 市の手数料は無料、ただし対象は分譲マンション
- 「まちなかマンション建設促進補助金」は賃貸には使えない
- 日立市の賃貸市場と入居率の実感
- 補助金が薄いからこそ、工事費そのものの最適化が効く
- 損金算入とキャッシュフロー:オーナーが押さえるべき税務の基本
- 出口戦略への影響:耐震と管理状態の見える化が物件価値に効く
- 医療法人・介護事業者オーナーさまへ:BCP・防災の視点も
- 足場・ロープアクセス・ハイブリッドの3工法の選び方
- よくあるご質問
- この記事のポイントまとめ
- 日立市の賃貸オーナーさまへ

-
著作者プロフィール
株式会社明誠 代表取締役
本間 幸紘
大規模修繕・外壁工事・ロープアクセス工事に関する情報を、現場経験をもとに分かりやすくお届けします。
日立市で賃貸マンション・賃貸アパート・収益ビルをお持ちのオーナーさまへ。この記事は、令和8年度(2026年度)に日立市で賃貸オーナーさまが実際に使える制度と、使えない制度の境界線を、公式ページで確認できた事実だけで整理したものです。「日立市の賃貸物件で大規模修繕をするとき、補助金や税制優遇は使えるのか」という疑問に、誇張なくお答えします。
結論から申し上げます。日立市の住宅系の補助金は、私が確認できた範囲では「自ら住む個人」向けか「分譲」向けがほとんどです。木造住宅の耐震改修補助は「所有者またはその二親等以内の親族が居住する戸建て木造」が前提で、賃貸に出している共同住宅は対象になりません。管理計画認定制度は日立市内の分譲マンション限定、「まちなかマンション建設促進補助金」は分譲の新築を手がける事業者向けで、賃貸住宅は対象外と明記されています。
ただし、日立市には賃貸オーナーさまが今まさに検討できる制度が二つあります。一つは、危険ブロック塀等の改善事業補助です。補助対象者は「所有者または管理者」で、最大50万円、受付は令和8年4月27日から11月30日までです。もう一つは、マンション長寿命化促進税制です。日立市は固定資産税の減額割合を2分の1と明記しており、全国で多い3分の1より手厚い設定です。ただし対象は管理計画認定などを受けた区分所有マンションが中心で、一棟所有の賃貸にそのまま使えるとは限りません。私が関東一円で賃貸マンション・ビルの大規模修繕に携わってきた現場感覚も交えながら、補助金に頼りすぎず、NOI(実質賃料収入)と出口価格を守る考え方を順に整理します。
日立市で賃貸オーナーが押さえるべき制度【令和8年度・一覧】
まず全体像を表で押さえます。詳細は後述の各見出しで解説します。
| 制度名 | 対象 | 賃貸オーナーの使いやすさ | 令和8年度の状況 |
|---|---|---|---|
| 危険ブロック塀等改善事業補助 | 危険ブロック塀等の所有者または管理者 | ○(要件を満たせば検討可。法人・賃貸の明記なし) | 令和8年4月27日〜11月30日・予算内で先着、最大50万円 |
| 木造住宅耐震化支援事業助成金 | 昭和56年5月31日以前の木造戸建て(所有者等が居住) | ×(賃貸共同住宅は対象外) | 診断は令和9年1月29日まで、改修等は令和8年11月30日まで |
| マンション長寿命化促進税制 | 築20年以上・10戸以上の区分所有マンション | △(管理計画認定等が前提。一棟賃貸は要確認) | 固定資産税1/2減額・令和9年3月31日までの完了分 |
| マンション管理計画認定制度 | 日立市内の分譲マンション | ×(賃貸一棟所有は対象外) | 令和6年5月運用開始・市の手数料は無料 |
| まちなかマンション建設促進補助金 | 分譲マンションを新築する事業者 | ×(賃貸は対象外と明記) | 令和8年4月13日更新・新築限定 |
| 耐震改修に伴う固定資産税の減額 | 昭和57年1月1日以前の住宅・工事費50万円以上 | △(ページ記載の完了期限が令和8年3月31日で要確認) | 窓口で現行の取扱いを確認 |
この表を見て、「使える制度が少ない」と感じられた方も多いと思います。ただ、私は補助金が薄い物件ほど、工事費そのものの最適化が効くと考えています。この点は後半でじっくりお話しします。
日立市は特定行政庁 — 建築確認も12条点検(定期報告)も市の建築指導課へ
日立市で収益物件を運用するうえで、まず押さえたいのが「行政の窓口」です。茨城県の建築確認事務のページ(更新2026年4月1日)には、日立市が「市特定行政庁(9市)」の一つとして、都市建設部建築指導課の連絡先とともに掲載されています。県の定期報告制度のページにも、水戸市・日立市・土浦市・古河市・高萩市・北茨城市・取手市・つくば市・ひたちなか市の9市は、それぞれ自らの申請を扱うと書かれています。
建築基準法第12条に基づく定期報告(12条点検)について、日立市の「建築物・建築設備の定期調査報告制度」のページには、共同住宅が対象になるのは「地階または3階以上の階にあるもの、2階が300㎡以上のもの」のうち、サービス付き高齢者向け住宅やグループホームなど、高齢者・障害者の就寝を伴う施設に限られると案内されています。報告の周期は3年ごと、提出先は都市建設部建築指導課(本庁舎5階)です。なお、このページの最終更新は令和7年7月24日で、令和8年度の最新の取扱いは窓口で再確認が必要です。
つまり、一般的な賃貸マンションは直ちに12条点検の対象とは限りませんが、サ高住やグループホームを併設・転用している物件、あるいは用途変更を検討している物件では、対象になる可能性があります。外壁タイルの浮きや落下リスクは、定期報告の打診調査で指摘されやすい項目です。大規模修繕の前に、点検履歴と外壁の状態を整理して建築指導課へ相談しておくと、工事後の是正指摘やテナントとのトラブルを未然に防げます。問合せ先は、日立市役所の代表番号0294-22-3111です。
危険ブロック塀等改善事業補助 — 最大50万円、ただし「市の事前調査で危険と判定」が入口
賃貸オーナーさまにとって、日立市で最も現実的な直接補助が、危険ブロック塀等の改善事業補助です。市のページ(更新は令和8年4月21日)によると、補助対象者は危険ブロック塀等の所有者または管理者で、補助の対象となる事業は、危険ブロック塀の除却工事、除却後の軽量フェンスの設置、除却後の生垣の設置です。補助率は対象経費の3分の2で、最大50万円とされています(塀の長さなどに応じた上限の内訳は、市が公表している令和8年度版の利用手引きで確認できます)。
受付期間は令和8年4月27日から11月30日までです。予算がなくなった時点で年度途中でも終了する可能性があると明記されています。対象となる塀には、次の三つの条件が示されています。
- 避難路等に面していること(住宅等から指定避難所までの経路、緊急輸送道路、小中学校の通学路)
- 道路面からの高さが60cmを超えるものであること
- 地震時に倒壊のおそれがあるもの(市の事前調査で危険と判定されたもの)
ここが日立市の制度の核心です。いきなり工事の見積りを取るのではなく、先に市へ事前調査を申請し、危険と判定されてから補助金の交付申請に進むという順序になっています。手順は、事前調査申請、市による危険判定、補助金交付申請、工事実施、実績報告の5段階で、実績報告の期限は工事完了から20日以内、または令和9年2月26日までのいずれか早い日とされています。工事の契約は交付決定の後でなければ補助の対象になりません。先に着工してしまうと、補助が受けられなくなる点に注意してください。
施工者の条件もあります。除却工事は、建設業法の許可を持つ建設業者か、解体工事業者のうち、市内に本店等を有する法人または個人事業者に限られます。市外の業者や、普段お付き合いのある管理会社の協力業者に依頼すると、補助の対象外になるおそれがあります。
除外条件として、市税の滞納がある方、敷地の販売を目的として撤去する所有者、すでに同じ補助を受けたことのある方が挙げられています。売却を前提にしたブロック塀の撤去は対象外ですから、出口として売却を近く予定している物件では、使えない可能性があります。
賃貸オーナーさまが特に確認すべき点が二つあります。一つは、対象者が「所有者または管理者」とされている一方、法人名義の物件や共同住宅の塀が対象になるかどうかは、私が確認できた範囲では明記されていないことです。管理会社が「管理者」に当たるのかも含め、申請前に建築指導課へ確認してください。もう一つは、日立市は海と山に挟まれた坂の多い街で、傾斜地に建つ賃貸物件では塀と擁壁が一体になっていることが少なくありません。擁壁の安全性は別の法令で扱われますので、塀だけの改善で済むのか、擁壁の点検も必要なのかを、事前調査の際に併せて相談しておくことをお勧めします。
賃貸マンションやアパートの道路側に古いブロック塀が残っていると、倒壊した際には通行人や入居者への被害だけでなく、所有者責任として原状回復や損害賠償で数百万円単位の負担になり得ます。受付は予算に達し次第終了するため、検討される場合は11月30日を待たず、早めの相談をお勧めします。
木造住宅の耐震化支援は「所有者等が居住する戸建て」限定 — 賃貸共同住宅は対象外
日立市には、木造住宅耐震化支援事業助成金があります。令和8年度の受付は4月27日に始まり、対象は昭和56年5月31日以前に建築された木造の戸建て住宅で、所有者または二親等以内の親族が居住していることが前提です。補助の区分は、耐震診断(上限3万円)、耐震改修計画(上限10万円)、耐震改修工事(上限30万円)、計画と工事の一体型(上限115万円)、耐震シェルターの設置(上限50万円)で、申込期限は耐震診断が令和9年1月29日、そのほかが令和8年11月30日です。契約の前に申請することが条件で、市内の登録施工業者などの要件もあります。
見てのとおり、これは「自分が住む木造の家」を守る制度です。RC造やS造の賃貸マンション、あるいは賃貸に出している木造アパートは、私が確認できた範囲では対象に当たりません。「耐震の補助金があるから使えるはず」と思い込んで耐震診断の見積りを取り、あとから対象外とわかるケースは珍しくありません。賃貸物件の耐震は、後述する法令の枠組みで考える必要があります。
特定既存耐震不適格建築物ルート — 賃貸共同住宅が名指しされる法令の話
市の住宅向け助成が使えなくても、賃貸オーナーさまが押さえておくべき法令があります。耐震改修促進法第14条では、一定規模以上の多数の人が利用する建築物のうち、旧耐震基準で建てられたものを「特定既存耐震不適格建築物」と位置づけ、所有者に耐震診断・耐震改修の努力義務を課しています。規模要件の表には、階数3以上かつ床面積1,000㎡以上の賃貸共同住宅なども含まれています。
日立市の補助金ページで私が確認できた耐震関連の助成は、木造住宅の耐震化支援とブロック塀の改善事業です。民間の賃貸共同住宅や事務所ビルの耐震診断・改修に対する市独自の助成は、見当たりませんでした。ただし、国の補助制度は別にありますので、規模の大きい物件では建築指導課へ「特定既存耐震不適格建築物に該当するか」「利用できる国の制度があるか」を確認する価値があります。
補助の有無にかかわらず、旧耐震の賃貸マンションを放置してよいわけではありません。耐震性が不明な物件は、金融機関の担保評価や売却時のデューデリジェンスで必ず問われます。耐震診断で現状を数字にしておくことが、出口戦略の第一歩です。
固定資産税の減額 — 耐震改修は「令和8年3月31日まで」の記載に注意
日立市の「耐震改修工事に伴う固定資産税の減額」のFAQページには、減額の対象が昭和57年1月1日以前から所在する住宅で、現行の耐震基準に適合する改修を行い、工事費が50万円以上であること、減額の範囲は1戸あたり120㎡相当分まで、期間は1年度分(通行の妨げになる建物は2年度分)と書かれています。完了後3か月以内に、工事の証明書類などを添えて資産税課へ申告します。
ただし、このページに示された工事の完了期限は令和8年3月31日となっており、令和8年10月の時点では期限が過ぎた記載のままです。国の税制措置が延長されている可能性はありますが、日立市のページからはそれを確認できませんでした。そのため、私はこの制度を「使える」とは書かず、着工前に資産税課(0294-22-3111、内線231〜234)へ現行の取扱いを確認することをお勧めします。また、賃貸住宅が対象かどうかも、ページには明記されていません。ここも確認事項です。
マンション長寿命化促進税制 — 減額割合は2分の1、ただし区分所有マンション向け
日立市の「長寿命化に資する大規模修繕工事を行ったマンションに対する固定資産税の減額制度」のページによると、一定の要件を満たすマンションが大規模修繕工事を完了した場合、翌年度の固定資産税が2分の1に減額されます。全国で多い3分の1と比べて手厚い設定で、水戸市と同じ割合です。
主な要件は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象マンション | 築20年以上、総戸数10戸以上、居住用専有部分が床面積の2分の1以上 |
| 管理体制 | 市の「管理計画認定制度」の認定を受けたマンション、または市から助言・指導を受けた管理組合 |
| 対象工事 | 外壁塗装等工事、床防水工事、屋根防水工事(実施の証明が必要) |
| 工事の実施期間 | 令和5年4月1日〜令和9年3月31日 |
| 減額の範囲 | 1戸あたり100㎡(共用部分を含む)まで |
| 回数 | 当該マンションにつき1度のみ |
| 申告期限 | 工事完了から3か月以内 |
この制度は、管理組合が決議して大規模修繕を行う区分所有(分譲)マンションを想定した仕組みです。一棟全体を一人のオーナーさまが所有する賃貸マンションでは、「管理組合」も「管理計画認定」も存在しないため、そのままでは要件を満たせない可能性が高いと私は見ています。ただし、賃貸と分譲が混在する物件や、区分所有の一部を所有している場合は条件が変わります。工事を発注する前に、資産税課へ「自分の物件は対象か」を必ず確認してください。令和9年3月31日という期限があるため、検討するなら令和8年度中に動くことが大切です。
マンション管理計画認定制度 — 市の手数料は無料、ただし対象は分譲マンション
日立市のマンション管理計画認定制度は、令和6年5月から運用が始まりました。市のページ(最終更新は令和8年6月11日)によると、申請窓口は都市建設部住政策推進課(本庁舎5階)、市の認定に係る手数料は無料です。ただし、公益財団法人マンション管理センターのシステム利用料と事前確認の審査料は別に必要です。認定基準は国土交通省告示のとおりで、日立市独自の基準はありません。対象は日立市内の分譲マンションのみです。
賃貸一棟所有のオーナーさまは対象外ですが、分譲マンションの一室を投資用に所有している区分所有オーナーさまには、無関係ではありません。管理計画の認定を受けたマンションは、固定資産税の減額特例や金融機関の融資金利の優遇を受けやすく、将来の売却価格にも好影響が出る可能性があります。区分所有のオーナーさまは、管理組合に認定の検討状況を確認してみてください。
「まちなかマンション建設促進補助金」は賃貸には使えない
日立市には、中心市街地などでの住宅建設を後押しする「まちなかマンション建設促進補助金」があります。対象区域は、日立BRTの各停留所から半径500m、JR常磐線の大甕駅・日立多賀駅・日立駅・小木津駅・十王駅から半径1km以内で、いずれも居住誘導区域内であることが条件です。補助額は、専有面積65㎡以上の住戸1戸あたり10万円、1計画あたり上限400万円です。
ただし、市のページ(更新は令和8年4月13日)では、対象は分譲マンションを新築する事業者であり、賃貸住宅は対象外と整理されています。既存の賃貸物件を修繕するオーナーさまには関係がなく、新築の分譲事業者向けの制度だとご理解ください。「日立市に補助金がある」と聞いても、中身を確認すると賃貸には使えないものが多い、という見本のような制度です。
日立市の賃貸市場と入居率の実感
日立市は、日立製作所の創業の地として知られる企業城下町で、JR常磐線の日立駅周辺や大甕駅、日立多賀駅の周辺に、社宅や賃貸マンション、アパートが広がってきました。私はこれまで関東一円の賃貸マンション・ビルの修繕に携わってきましたが、企業の事業所や工場の動きと入居の動きが連動しやすい街では、入居者の第一印象を左右する外観の劣化が、空室期間に直結しやすいと感じています。
外壁タイルの浮きや塗膜の劣化、屋上防水の切れ、鉄部のサビは、内見のときに入居希望者の評価を確実に下げます。さらに、日立市は海に近く、潮風を受ける立地では鉄部の腐食やシーリングの劣化が進みやすい傾向があります。築年数なりの劣化は、賃料の下落圧力として静かに効いてきます。周辺の競合物件が外観を整えていれば、同じ賃料では決まらなくなり、値下げか空室期間の長期化かを迫られます。入居率が1%下がると年間のキャッシュフローがどれだけ変わるか、一度数字で確認してみてください。
私が現場でよく見るのは、「補助金が出ないから修繕を先送りにした結果、雨漏りが起きて入居者が退去し、結局は高くついた」というパターンです。補助金の有無と、修繕の要否は別の話として切り分けて考えていただきたいのです。
補助金が薄いからこそ、工事費そのものの最適化が効く
補助金が使えない、あるいは使える額が小さい場合、最も効果が大きいのは工事費そのものを適正化することです。大規模修繕では、仮設足場の架設・解体だけで工事費全体の15〜25%を占めることが少なくありません。3階建て以上の賃貸マンションや、坂道や傾斜地で足場の設置条件が厳しい物件では、足場代が総額を押し上げる大きな要因になります。
一つの目安として、10階建て・外周80m・工期3か月のマンションでは、足場を組む場合の仮設費が約168万円のところ、ロープアクセス工法では約59万円と、約109万円の差が出る試算があります(あくまで参考値で、実際の費用は建物の形状・劣化状況・周辺環境で大きく変わります)。外壁の部分補修、防水、シーリングの打ち替え、タイル浮き補修、打診調査などは、足場を組まずに施工できる場合があります。打診調査の㎡単価は250〜500円程度、外壁塗装は3,500〜4,500円/㎡程度が目安で、補助金で数十万円を受け取ることと、工事費から数百万円を削減することでは、キャッシュフローへのインパクトが桁違いです。
株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法での高所作業では、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。ロープアクセスの基本的な考え方や安全基準は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムでも詳しく解説しています。建物の形状や劣化の状況によっては、足場が最適な場合もあります。大切なのは、最初から工法を決めつけず、建物ごとに最も合理的な工法を比較することです。費用の考え方は、当社の合理的な価格でご提案するページや、安全管理の安全への取り組みもご覧ください。明誠のこれまでの施工事例もご参照いただけます。
損金算入とキャッシュフロー:オーナーが押さえるべき税務の基本
補助金が使えない場合でも、税務上の扱いを正しく理解することで、実質的な手取りは大きく変わります。修繕費として一括で損金算入できるか、資本的支出として減価償却になるかで、その年の税引後キャッシュフローは大きく違ってきます。原状回復や維持管理のための外壁塗装や防水の改修は、修繕費と判断されることが多い一方、建物の価値を高める性質の工事は資本的支出とされる場合があります。区分は工事の内容や金額で判断が分かれるため、着工前に顧問税理士へ確認してください。
また、ブロック塀の改善事業補助のような補助金を受け取った場合、受給時に雑収入などとして課税される点にも注意が必要です。補助金を受け取れたとしても、税引後の手取りは満額ではありません。最大50万円の補助でも、税負担を含めて実質いくらになるかを試算しておくことが、健全な投資判断につながります。修繕計画の段階から、キャッシュフロー試算と併せて検討しましょう。
出口戦略への影響:耐震と管理状態の見える化が物件価値に効く
賃貸経営で多くのオーナーさまが見落としがちなのが、出口(売却)の視点です。金融機関は、担保評価の際に築年数だけでなく、修繕履歴、耐震性、定期報告の実施状況を見ます。買い手側の投資家も、収益還元価格の算定でキャップレートを判断するとき、将来の大規模修繕リスクを織り込みます。
「出口を見据えた修繕投資は、利回り改善より物件価値そのものを底上げします」と、私は常々申し上げています。修繕履歴が整理され、耐震診断の結果があり、外壁や防水が適切に維持されている物件は、査定で有利に評価されやすくなります。逆に、大規模修繕が未実施のまま売りに出すと、買い手から「修繕費を値引きしてほしい」と交渉される材料になります。なお、日立市のブロック塀補助は、敷地の販売を目的とした撤去が対象外です。売却を急ぐ物件では、制度の目的と自分の計画が合うかを事前に確認してください。投資の考え方は、収益不動産のオーナーさま向けページでも整理しています。
医療法人・介護事業者オーナーさまへ:BCP・防災の視点も
病院やクリニック、サービス付き高齢者向け住宅、グループホームなどを所有・運営されている医療法人・介護事業者さまは、賃貸マンションのオーナーさまとは異なる視点が必要です。まず、日立市の定期報告のページでも、高齢者・障害者の就寝を伴う施設が共同住宅の対象として挙げられていることです。規模や用途によって3年ごとの報告が必要になる場合があり、日立市内の建築物は市の建築指導課へ報告します。
次に、稼働を止めない工法選びが経営上の死活問題になる点です。足場を組む工事では、施設の出入口や駐車場、換気口が長期間ふさがれ、患者さまや入居者さま、面会のご家族の動線に影響が出ます。足場を組まないロープアクセス工法であれば、施設の動線を大きく変えずに外壁や防水の工事を進められるケースがあります。BCP(事業継続計画)や防災の観点からも、工事中の安全確保と稼働の維持を両立する工法を検討する価値があります。
足場・ロープアクセス・ハイブリッドの3工法の選び方
私たち株式会社明誠は、通常の足場仮設工事・無足場工法であるロープアクセス・両者を組み合わせたハイブリッド工法の3つから、建物にとって最適な工法をご提案できる、日本でも数少ない会社です。ロープアクセスとしては日本初のフランチャイズ展開も行っており、塗装、防水、タイル、電気、看板など各分野の専門職が加盟しています。高品質で低価格な工事を目指しています。
3工法の使い分けの目安は次のとおりです。
| 工法 | 向いている建物・工事 | 主なメリット |
|---|---|---|
| 通常の足場仮設 | 全面改修・屋根の大規模工事・塗装の全面塗り替え | 作業の安全性と品質が安定、大面積の施工に強い |
| ロープアクセス(無足場) | 部分補修・防水・シーリング・タイル補修・外壁調査 | 足場代を削減、工期短縮、入居者への影響が少ない |
| ハイブリッド | 低層部は足場、高層部や狭小部はロープで対応 | 費用と安全性のバランスを最適化 |
日立市のように坂道や傾斜地、海沿いの立地が多いエリアでは、足場の設置条件や潮風による劣化の進み方が物件ごとに違います。だからこそ、建物の形状、周辺環境、工事範囲によって最適解は変わります。当社のロープアクセスの取り組みは、ロープアクセス工法のご案内でもご覧いただけます。また、技術詳細や訓練情報を知りたい方は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムが参考になります。まずは現地の状態を見て、3工法を並べて比較することが大切です。
よくあるご質問
Q1. 日立市の木造住宅耐震化支援は、賃貸アパートにも使えますか?
A. 私が確認できた範囲では使えません。対象は昭和56年5月31日以前に建築された木造の戸建て住宅で、所有者または二親等以内の親族が居住していることが前提です。賃貸共同住宅は対象外と考えて、まず市へ確認してください。
Q2. ブロック塀の補助金は、法人名義の賃貸ビルでも申請できますか?
A. 市のページでは対象者が「所有者または管理者」とされ、個人・法人の別や共同住宅の塀の扱いは明記されていません。法人名義の場合は、申請前に建築指導課へ確認してください。
Q3. ブロック塀の補助は、先に工事を発注してもいいですか?
A. いいえ。日立市では、先に市へ事前調査を申請して危険判定を受け、補助金の交付申請をして交付決定を受けた後に工事を契約する手順です。先に着工すると対象外になるおそれがあります。
Q4. 日立市のマンション長寿命化促進税制の減額割合は何分の1ですか?
A. 日立市のページでは、固定資産税の2分の1を減額すると案内されています。対象は築20年以上・10戸以上で、管理計画認定などを受けたマンションです。工事の完了期限は令和9年3月31日で、申告は完了後3か月以内です。
Q5. 一棟所有の賃貸マンションでも、長寿命化促進税制は使えますか?
A. 制度は管理組合のある区分所有マンションを想定しており、一棟所有の賃貸は要件を満たせない可能性が高いと私は見ています。着工前に資産税課へ確認してください。
Q6. 日立市で12条点検(定期報告)の提出先はどこですか?
A. 日立市は特定行政庁で、提出先は都市建設部建築指導課です。共同住宅は、地階または3階以上、あるいは2階が300㎡以上のもので、高齢者・障害者の就寝を伴う施設が対象と案内されています。ページは令和7年7月24日更新のため、現行の取扱いを窓口で確認してください。
Q7. 日立市の管理計画認定制度は、賃貸マンションにも使えますか?
A. 対象は市内の分譲マンションのみです。市の手数料は無料ですが、マンション管理センターの事前確認の審査料などが別に必要です。
Q8. 大規模修繕の費用は、修繕費と資本的支出のどちらで処理すればいいですか?
A. 工事の内容と金額で判断が分かれます。原状回復や維持管理の工事は修繕費、価値を高める工事は資本的支出とされる場合があります。着工前に顧問税理士へご確認ください。
この記事のポイントまとめ
- 日立市は特定行政庁で、建築確認・定期報告の窓口は市の建築指導課。共同住宅の定期報告は、高齢者・障害者の就寝施設が対象
- 危険ブロック塀等改善事業補助(3分の2・最大50万円)は令和8年11月30日まで。先に事前調査と危険判定が必要で、売却目的の撤去は対象外
- 木造住宅の耐震化支援は、所有者等が居住する木造戸建て限定。賃貸共同住宅は対象外
- マンション長寿命化促進税制は固定資産税2分の1と手厚いが、区分所有マンション向け。一棟賃貸は要確認
- 管理計画認定とまちなかマンション建設促進補助金は、分譲向けで賃貸は対象外
- 補助金が薄いからこそ、3工法の比較で工事費を最適化し、NOIと出口価格を守る
日立市の賃貸オーナーさまへ
私から最後に一言申し上げます。日立市でお持ちの物件について、補助金が使えるかどうかを調べるより先に、旧耐震かどうか、外壁や防水の劣化がどこまで進んでいるか、道路沿いに古いブロック塀が残っていないかを把握することが、投資判断の出発点です。補助金は「出たらありがたい」ものであって、修繕計画の前提にすべきものではありません。
お持ちの物件で、まだ修繕の検討を始めていないオーナーさまは、ぜひ一度お問合せください。1棟の現地調査と利回り改善シミュレーション、キャッシュフロー試算だけでも、ご相談を承ります。こちらからお問合せいただけます。数字の話と、次の一歩を、一緒に整理させてください。
▼ロープアクセス工法・無足場工法の詳細解説はこちら
ロープアクセスドットコム|無足場工法専門メディア
本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月2日時点で公表されている日立市および国土交通省・茨城県の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請・申告される前に、必ず日立市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年10月2日
関連記事(姉妹サイト)
ロープアクセス工法の詳細や実例については、姉妹サイト「ロープアクセスドットコム」の以下の記事もぜひご覧ください。
本間社長の著書のご案内
『大規模修繕工事 職人だから言える本当の話 —— 見積書では見えない業界の裏側と、修繕積立金を守る発注術』(Kindle版)を出版しています。20年以上の現場経験から、管理組合・オーナーが修繕積立金を守るための発注術と、業界の内幕を書き下ろしました。
出典(日立市・茨城県・国土交通省 公式ウェブサイト)
- 危険ブロック塀等の改善工事を助成します – 日立市
- 日立市危険ブロック塀等改善事業 補助制度利用の手引き(令和8年度版)- 日立市
- 日立市木造住宅耐震化支援事業助成金 – 日立市
- 日立市の住まいに関する支援・助成制度 – 日立市
- 日立市マンション管理計画認定制度のご案内 – 日立市
- 長寿命化に資する大規模修繕工事を行ったマンションに対する固定資産税の減額制度 – 日立市
- 耐震改修工事に伴う固定資産税の減額について – 日立市
- まちなかマンション建設促進補助金 – 日立市
- 建築物・建築設備の定期調査報告制度 – 日立市
- 建築指導課 – 日立市
- 定期報告制度について – 茨城県
- 建築確認事務に関する問合せ・申請先 – 茨城県
- マンション長寿命化促進税制(固定資産税の特例措置)- 国土交通省
- マンション管理計画認定制度 – 国土交通省

