本間社長ブログ
潮来市のマンション補助金|大規模修繕2026年度版
目次

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著作者プロフィール
株式会社明誠 代表取締役
本間 幸紘
大規模修繕・外壁工事・ロープアクセス工事に関する情報を、現場経験をもとに分かりやすくお届けします。
2026年11月4日 更新
「潮来市のマンションで、大規模修繕に使える補助金はありますか?」
先に結論をお伝えします。2026年11月4日時点で、茨城県がまとめた「住宅関連助成制度等一覧【潮来市】(令和8年4月1日版)」と潮来市の公式サイトを確認した範囲では、外壁塗装や屋上防水といったマンション共用部の大規模修繕工事そのものに、管理組合が使える市の補助金は見つかりませんでした。 潮来市の住宅系の助成は、戸建て木造住宅の耐震、住宅の取得、浄化槽・下水道、蓄電池などが中心です。
一方で、潮来市のマンション・アパートには、ほかの街にはあまりない大切な論点があります。東日本大震災で日の出地区をはじめ市内各地区に液状化の被害が出たこと、そして北浦・常陸利根川・霞ヶ浦(西浦)に囲まれた水郷の街であることです。補助金の有無よりも、地盤と水のリスクを修繕計画にどう織り込むかが、潮来市の管理組合さま・オーナーさまにとって大きな差になります。
潮来市の理事長さま・修繕委員の皆さま、そして市内に賃貸物件をお持ちのオーナーさまに、最初に押さえていただきたいのは次の5点です。
- 潮来市の分譲マンションの「管理計画認定」は、茨城県ではなく潮来市が所管します。茨城県が認定するのは12町村の区域のマンションだけで、市の区域は各市が担当すると、県の公式ページと推進計画に書かれています
- 県の一覧(令和8年4月1日版)に載る潮来市の住宅系の制度は、戸建て木造住宅の耐震、住宅取得、浄化槽・下水道、蓄電池、生ごみ処理機、重度障害者の住宅リフォームで、マンション共用部の修繕向けのものはありません
- 潮来市は平成31年3月に「液状化ハザードマップ」を作成しています。東日本大震災で日の出地区をはじめ各地区で液状化の被害が出たためです
- 市の洪水ハザードマップは、霞ヶ浦流域の100年に1度の大雨、または利根川流域でカスリーン台風規模の大雨で堤防が決壊した想定にもとづくもので、平成30年4月改訂版が公開されています
- 国の住宅省エネ2026キャンペーンは、予約の期限が11月16日です。今日から数えて12日しかありません
こんにちは、株式会社明誠の本間です。マンション・ビル・ホテルの大規模修繕に20年以上携わってきました。この記事では、潮来市・茨城県・国の制度を「共用部に使えるか、使えないか」で仕分けし、補助金に頼りすぎずに修繕積立金と家賃収入を守る進め方をお伝えします。確認できなかった項目は、できなかったと正直に書きます。
早見表:潮来市のマンションで使える制度・使えない制度
2026年11月4日時点で確認できた茨城県・潮来市の公式ページと、国の公表資料をもとに整理しました。「読み取れる」「確認できない」は、公式ページの記載に基づく私の判断です。最終的には各窓口でご確認ください。
| 制度 | 窓口 | 管理組合(共用部)で使えるか | 内容・確認できた状況 |
|---|---|---|---|
| 外壁・屋上の大規模修繕そのものへの補助 | — | × 見当たらない | 県の一覧(R8.4.1版)・市サイトに共用部向けの制度なし |
| マンション管理計画認定(市の区域) | 潮来市 | ○ 管理組合が申請 | 県と市の共同計画で「市の区域は当該市」が所管。市の申請窓口・手数料は公式サイトで確認できず |
| 戸建て木造住宅耐震改修工事等補助金 | 市 都市建設課 | × 戸建てのみ | 耐震補強設計・耐震改修工事(建替えを含む)が対象。マンションは対象外と読める |
| 木造住宅耐震診断事業(診断士の派遣) | 市 都市建設課 | × 木造住宅のみ | 昭和56年5月以前着工の木造住宅が対象。茨城県木造住宅耐震診断士が診断 |
| 潮来市若年世帯定住促進助成金 | 市 都市建設課 | × 共用部には使えない | 46歳未満の世帯の住宅の新築・購入(中古は築20年以内)が対象。R8.4.1版の県の一覧に掲載 |
| 住宅用自立・分散型エネルギー設備導入 | 市 環境課 | × 住戸向け | 令和8年度分は市のサイトで「受付終了」と表示 |
| 公共下水道排水設備工事資金助成・浄化槽設置 | 市 上下水道課 | △ 物件による | くみ取り・浄化槽から水洗化する工事など。共用部の修繕とは別の制度 |
| マンション長寿命化促進税制 | 市(固定資産税) | ○ 要件に合えば | 管理計画認定などを受けたマンションの長寿命化工事で減額。工事完了の期限は令和9年3月31日 |
| 住宅省エネ2026キャンペーン | 国(登録事業者が申請) | △ 工事内容による | 予約は11月16日まで。予算上限で前倒し終了あり |
表の通り、市独自の「マンション共用部向け補助」はありません。ただし、潮来市でも「認定(市)」と「税(市)」の入り口は市役所にあり、認定を取れば税と融資の支援につながります。順番に見ていきます。
潮来市のマンション事情-人口約2.5万人、水郷と液状化の街
市の概況
潮来市は、茨城県の南東部、鹿行(ろっこう)地域にある市です。茨城県の統計によると、令和8年7月1日現在の常住人口は25,408人、世帯数は10,992世帯です。国勢調査の人口は平成7年の32,133人をピークに、令和2年は27,604人まで減っています。65歳以上の割合は36.1%(令和7年10月1日現在)で、高齢化が進んでいる市です(出典:茨城県「市町村のデータ(潮来市)」、2026年8月31日更新)。
市役所は辻626にあり、代表電話は0299-63-1111です。住宅の耐震や建築の窓口は都市建設課(第1分庁舎1階)、防災・ハザードマップの窓口は総務課(本庁舎2階)です。
分譲マンションの数は、市の資料では確認できません
正直に書きます。潮来市内の分譲マンションの棟数・戸数を示す市の公式資料は、今回の調査では見つけられませんでした。県全体の状況としては、茨城県マンション管理適正化推進計画の概要版に、県内の住宅約112.7万戸のうち一戸建てが72.3%(全国は53.6%)、マンションは約3.5万戸で3.1%(全国は10.6%)と書かれています(出典:茨城県マンション管理適正化推進計画【概要版】、2018年住宅・土地統計調査にもとづく数値)。
茨城県は戸建ての県で、潮来市もその傾向が強い街だと考えられます。市内の集合住宅の多くは、分譲マンションよりも賃貸のアパート・マンション、そして社宅や寮だと考えられます。そのため、この記事では管理組合さまだけでなく、賃貸オーナーさまに関わる視点も厚めにお伝えします。
水辺の街の外壁は、湿気と風で傷み方が変わる
一般論として、湖や川に近い建物は、湿気の影響で北面や日の当たりにくい面に苔・カビ・塗膜のふくれが出やすい傾向があります。また、開けた水面を渡ってくる風は、雨を横から外壁に吹き付けます。シーリング(外壁の継ぎ目のゴム状の材料)や窓まわりからの雨水の侵入が起きやすいのは、こうした環境の建物です。
建物ごとに状況は大きく違うため、面ごとの劣化診断を先に行い、傷みの大きい面から優先順位を付けるのが、潮来市のような環境では特に有効だと私は考えています。
潮来市の制度を一つずつ読む:共用部に届くのか、届かないのか
マンション管理計画認定:所管は潮来市
茨城県の「マンション政策」のページには、マンション管理計画認定制度について「県では、町村区域のマンションを認定します」と書かれ、対象として茨城町・大洗町・城里町・東海村・大子町・美浦村・阿見町・河内町・八千代町・五霞町・境町・利根町の12町村が挙げられています。市の区域のマンションは、各市に問い合わせるよう案内されています(出典:茨城県「マンション政策」)。
また、茨城県マンション管理適正化推進計画の概要版には、次のように書かれています(出典:茨城県マンション管理適正化推進計画【概要版】)。
- 計画は県と市が共同して作成(水戸市・土浦市・つくばみらい市は単独で作成)
- 所管区域は「市の区域にあっては当該市、町村の区域にあっては県」
- 管理計画の認定は「各所管行政庁(県又は市)」が行い、認定基準は国が定める基準のとおり(独自基準なし)
- 認定申請の前に、公益財団法人マンション管理センターの「管理計画認定手続支援サービス」を利用する
- 計画期間は令和6年度から令和12年度まで
潮来市は、単独で計画をつくった3市には含まれていません。したがって、潮来市内の分譲マンションの管理計画認定は、潮来市が所管することになります。
ここで正直にお伝えすることがあります。今回の調査では、潮来市の公式サイトで、管理計画認定の申請窓口となる課の案内、市に支払う手数料、申請書の様式を見つけることができませんでした。 住宅や建築の窓口は都市建設課です。認定の準備を始める管理組合さまは、まず市役所の代表電話(0299-63-1111)で「マンション管理計画認定の担当課」を確認し、手数料・様式・受付の流れを聞いてください。
認定を受けると、マンション長寿命化促進税制(固定資産税の特例)や、住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資の金利引下げなどのメリットにつながります。市の修繕補助がない潮来市では、「認定を取って、税と融資で支援を受ける」という道筋が、管理組合にとって現実的な選択肢です。
県の新しい動き:マンション管理適正化支援法人
同じ県のページには、2025年5月の法改正で創設された「マンション管理適正化支援法人」の登録制度について、県と市が共同で登録を行う方針と、一般社団法人茨城県マンション管理士会が登録されたことが書かれています(出典:茨城県「マンション政策」)。
支援法人に期待されているのは、管理組合からの相談への対応、管理規約や長期修繕計画の見直しへの助言などです。市の窓口で手続きを聞き、中身の相談は茨城県マンション管理士会にするという使い分けもできます。潮来市が共同登録に参加しているかどうかは、県の登録簿でご確認ください。
戸建て木造住宅耐震改修工事等補助金・耐震診断:マンションは対象外
茨城県の「住宅関連助成制度等一覧【潮来市】」(令和8年4月1日版)には、潮来市の耐震関係の制度として次の2つが載っています(出典:茨城県「住宅関連助成制度等一覧【潮来市】」(PDF))。
- 木造住宅耐震診断事業:木造住宅の安全性の向上を図るため、住宅の耐震診断を行う者を派遣する(都市建設課 内線348)
- 戸建て木造住宅耐震改修工事等補助金:戸建て木造住宅の耐震補強設計と耐震改修工事(建替え工事も含む)に補助する(都市建設課 内線348)
市のページでは、耐震診断の派遣事業について、昭和56年5月以前に着工された木造住宅が対象であること、診断する建築士が「茨城県木造住宅耐震診断士」である必要があることが説明されています(出典:潮来市「木造住宅耐震診断士について」、2023年7月20日更新)。
いずれも木造の戸建てが対象で、鉄筋コンクリート造のマンションには使えないと読めます。令和8年度の補助額・受付期間は、市の公式サイトでは確認できませんでした。ご自宅が戸建ての木造住宅という区分所有者さま・オーナーさまは、都市建設課へ直接お問い合わせください。
若年世帯定住促進助成金:住戸の買い手を後押しする制度
県の一覧(令和8年4月1日版)には、「潮来市若年世帯定住促進助成金」が、潮来市内で住宅を新築、または建売住宅・中古住宅(築20年以内)を購入した46歳未満の世帯に補助金を支給する制度として載っています(都市建設課 内線346)。
管理組合の修繕費には使えません。また、令和8年度の受付状況・金額は市の公式サイトで確認できず、民間の紹介サイトには「事業終了」と書かれたものもありました。市内のマンションの住戸を売りたい区分所有者さまは、買い手が使える制度かどうか、都市建設課に最新の状況をご確認ください。
住宅用自立・分散型エネルギー設備:令和8年度は受付終了
蓄電池などの住宅用自立・分散型エネルギー設備の導入補助は、市のお知らせで「【受付終了】令和8年度住宅用自立・分散型エネルギー設備導入に対する補助制度について」と表示されています(出典:潮来市「くらし・手続き」お知らせ一覧)。住戸向けの制度で、共用部の修繕には使えません。
国の制度:期限のあるものから確認する
住宅省エネ2026キャンペーン:予約は11月16日まで
経済産業省の発表によると、給湯省エネ2026事業などの交付申請の予約の期限は令和8年11月16日(月)です。申請額が予算上限に達した場合は、期限前でも受付が終了します(出典:経済産業省「給湯省エネ2026事業」及び「賃貸集合給湯省エネ2026事業」の交付申請(予約含む)の受付開始について)。キャンペーン全体の最新の予算の状況は、住宅省エネ2026キャンペーンの公式サイトで公表されています。手続きは住宅の所有者ではなく、登録された住宅事業者が行います。
マンションの場合、共用部の大規模修繕そのものよりも、住戸の窓や給湯器の交換で使われることが多い制度です。賃貸集合住宅の給湯器を入れ替える事業もあるため、賃貸オーナーさまは11月16日までに、取引のある設備業者さんに予約の可否を確認しておくと安心です。
マンション長寿命化促進税制:期限は令和9年3月31日
管理計画認定を受けたマンションなどで、長寿命化工事(外壁塗装等・床防水・屋根防水)を行った場合、工事完了の翌年度の建物部分の固定資産税が減額される制度です。国土交通省の資料では、築20年以上・総戸数10戸以上で、過去に長寿命化工事を行っていることなどが要件として挙げられており、対象は令和9年3月31日までに工事が完了したものです(出典:国土交通省「マンション長寿命化促進税制」)。減額割合は市町村の条例で定められ、工事完了後3か月以内に市町村へ申告します。
潮来市の固定資産税のページには、この税制の案内は見当たりませんでした。減額割合と申告の方法は、市の税務担当へ直接ご確認ください。
耐震改修の固定資産税減額(国の制度)
国の制度として、耐震改修を行った住宅の固定資産税の減額もあります(出典:国土交通省「耐震改修に係る固定資産税の減額措置」(PDF))。
- 対象:昭和57年1月1日以前から所在する住宅
- 工事:工事費50万円超の耐震改修。適用期限は令和13年(2031年)3月31日まで
- 減額:翌年度分の固定資産税額の2分の1(1戸あたり120㎡相当分まで)
- 手続き:工事完了後3か月以内に市町村へ申告
旧耐震のマンションで耐震改修を検討している管理組合さまは、着手前に市の税務担当へ、申告の方法と必要書類を確認しておくと安心です。
潮来市ならではの論点:液状化と水害を修繕計画に重ねる
液状化ハザードマップ(平成31年3月作成)
潮来市の公式サイトには、「平成23年3月11日に起きた東日本大震災により、日の出地区をはじめ各地区で地盤の液状化による被害が発生しました」と書かれています。市はこれを受けて、地盤の液状化がどのように発生するのか、どんな対策ができるのかを確認するため、平成31年3月に液状化ハザードマップを作成しました。地図面と情報面のPDFが公開されています(出典:潮来市「潮来市液状化ハザードマップ」)。
日の出地区では、国の復興交付金を使った調査を経て、地下水位低下工法による市街地の液状化対策事業が進められてきました(出典:復興庁「潮来市 復興交付金事業計画」関連資料(2015年))。事業の現在の状況は、市にご確認ください。
マンションやアパートの大規模修繕では、液状化の視点から次の点を確認することをお勧めします。
- 建物まわりの沈下・段差:エントランスのスロープ、外構の舗装、建物と地面の境目に、段差やすき間が出ていないか
- 埋設配管の接続部:給排水管やガス管が建物に入る部分は、地盤が動くとずれやすい場所です。漏水の兆候がないかを点検する
- 外壁のひび割れの向き:建物の不同沈下(一部だけが沈むこと)があると、斜めのひび割れが出ることがあります。劣化診断でひび割れの位置と向きを記録しておく
洪水ハザードマップ:霞ヶ浦流域と利根川流域の想定
潮来市の「ハザードマップ(洪水・震災等避難地図)」は、霞ヶ浦流域で100年に1度の大雨(8日間の総雨量600ミリメートル)、または利根川流域で昭和22年のカスリーン台風規模の大雨(3日間の総雨量318ミリメートル)が降り、堤防が決壊したという想定で、浸水想定区域と深さを示しています(平成30年4月改訂)。市は、地図に示した区域の外でも、小さい河川や下水道などから浸水することがあると注意を呼びかけています(出典:潮来市「潮来市ハザードマップ(洪水・震災等避難地図)」)。
このほか、令和4年9月以降に全戸配布された「潮来市総合防災マップ(保存版)」も公開されています。また、国土交通省関東地方整備局 霞ヶ浦河川事務所が平成28年8月18日に公表した「利根川水系北浦洪水浸水想定区域図(計画規模)」でも、関係市町村として潮来市が挙げられています(出典:国土交通省関東地方整備局「利根川水系北浦洪水浸水想定区域図(計画規模)」(PDF))。市の地図と、国・県が公表している河川ごとの浸水想定区域図の両方を見比べることをお勧めします。
マンションやアパートの大規模修繕の計画では、次の3点を確認しておくと安心です。
- 1階の住戸・共用部(電気室、受水槽、ポンプ室)の位置:浸水の想定がある場所では、修繕に合わせて止水板や設備のかさ上げを検討する
- 屋上・バルコニーの排水能力:ドレン(排水口)の清掃と防水の更新を優先する
- 外壁・窓まわりの防水:横殴りの雨を受けやすい面のシーリングを、劣化診断の重点項目にする
雨水の侵入や漏水が心配な場合は、明誠の漏水対応もご覧ください。
費用の目安:潮来市のマンション大規模修繕にいくらかかるか
補助の話だけでは、総会で判断ができません。一般的な費用の目安をお伝えします。いずれも物件の規模・劣化状況・仕様によって大きく変わる参考値で、実際の金額は現地調査のうえでの見積りになります。
| 項目 | 一般的な目安 |
|---|---|
| 30戸規模のマンションの大規模修繕 総額 | 3,500万〜5,000万円程度 |
| うち仮設足場の割合 | 総額の15〜25%程度 |
| 外壁塗装 | 1㎡あたり3,500〜4,500円程度 |
| 外壁打診調査 | 1㎡あたり250〜500円程度 |
| 防水工事 | 1㎡あたり5,000〜8,000円程度 |
たとえば、10階建て・外周80m・工期3か月の建物で試算すると、足場の費用が約168万円かかるところ、ロープアクセスで行えば約59万円、差額は約109万円という例があります。これは条件を置いた試算で、すべての建物にそのまま当てはまるものではありません。
潮来市の賃貸物件は、3〜4階建て程度の中低層が多いと考えられます。低い建物では足場の費用が総額に占める割合も変わるため、「足場を掛けるか、掛けないか」を建物ごとに比べることが大切です。オーナーさま・管理組合さま別のご案内は、明誠の大規模修繕サービス一覧もご覧ください。
補助が少ない市で、修繕積立金と家賃収入を守る5つの工夫
工夫1:診断を先に行い、「やる工事」と「やらない工事」を分ける
先ほど触れた通り、建物は面ごとに傷み方が違います。北面だけ苔とふくれが目立つ、湖側の面だけシーリングが早く切れている、といった具合です。先に外壁の打診調査や劣化診断で数値化しておけば、「今回は湖側の面と屋上だけ」という判断ができます。建物の高い位置の調査には、ドローンを使った外壁調査も選択肢になります。
工夫2:足場を掛けるか、掛けないかを、建物の形から決める
私は、次の3つの工法から、建物にとってベストな組み合わせを提案しています。
| 工法 | 向いている建物・工事 | 注意点 |
|---|---|---|
| 通常の足場仮設 | 全面に補修が必要な建物、敷地に余裕がある建物 | 足場の費用がかかり、工期が長くなりやすい |
| ロープアクセス(無足場工法) | 外壁の部分補修、シーリングの打ち替え、点検、漏水の調査・対応 | 全面の塗り替えには向かないことがある。作業員の技能と安全管理が必須 |
| ハイブリッド(足場+ロープアクセス) | 面ごとに劣化の程度が違う建物 | 設計に経験が必要 |
ロープアクセスは、屋上などの2点以上の吊元を確保し、メインロープとバックアップロープの2本に接続して作業する工法です。国際的な技能基準であるIRATA(国際産業ロープアクセス協会)の考え方に沿った二重の安全確保が、業界の標準になっています。技術的な詳細は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムに詳しくまとめています。当社の考え方は、明誠のロープアクセス工法の技術詳細もご覧ください。
液状化の影響で建物まわりの地盤が柔らかい場所や、外構に段差がある敷地では、足場を組む地盤の養生に手間がかかることがあります。地上に大きな仮設を置かずに済むロープアクセスは、こうした敷地で検討の価値がある工法です。ただし、ロープアクセスは万能ではありません。全面的な塗り替えなどでは、足場のほうが安全で経済的な場合もあります。 だからこそ、3つの工法を比べて提案できる会社を選ぶことが大切だと考えています。
工夫3:積立金を「1戸あたり」で考える
総会で大きな金額を見せられると、判断が止まります。たとえば仮に、30戸のマンションで工事費が4,500万円なら、1戸あたり150万円です。これは架空の例ですが、見積りの比較は総額ではなく、戸あたり金額と工事項目ごとの単価で行うと、見積書の見え方が変わります。賃貸オーナーさまなら、工事費を「何か月分の家賃収入か」に置き換えると、判断がしやすくなります。
工夫4:同じ前提で、複数社の見積りを比べる
見積書は、会社ごとに書式や項目の立て方が違います。足場や諸経費の載せ方で、同じ工事でも総額が違って見えます。診断結果・工事範囲・仕様をそろえたうえで、3社程度で比べるのが基本です。
工夫5:「認定」と「税」をセットで段取りする
長寿命化促進税制は、管理計画認定を受けたマンションであることなどが要件になるため、大規模修繕の発注より先に、認定の準備を始めるのが安全な順序です。期限(令和9年3月31日の工事完了)から逆算すると、来年度に工事を予定している管理組合さまは、この冬のうちに認定の相談を始めることをお勧めします。
明誠について:信頼の根拠
株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法での高所作業について、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業では、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを維持しています。IRATA水準の技能訓練を受けた作業員、ISO9001の品質マネジメントシステム、日本ロープ高所作業協会の事務局という体制で、安全と品質を管理しています。安全への取り組みは明誠の安全管理でもご紹介しています。
また、明誠は日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部として、塗装・防水・タイル・電気・看板など各分野の専門職と連携しています。潮来市のような鹿行地域の街でも、建物の状態に合わせた職種の組み合わせで、品質と費用のバランスを取ることができます。同業者の方向けの技術情報や訓練の情報は、姉妹サイトのロープアクセスドットコム(無足場工法の専門メディア)でも発信しています。
これまでの工事の様子は、明誠の施工事例からご覧いただけます。
潮来市で賃貸マンション・アパートをお持ちのオーナーさまへ
市内で賃貸物件をお持ちのオーナーさまにとって、潮来市の制度は次のように整理できます。
- 県の一覧(令和8年4月1日版)に、賃貸住宅の修繕や建設に使える市の助成は載っていません
- 戸建て木造住宅の耐震補助、若年世帯の住宅取得の助成は、住む人のための制度で、賃貸経営の修繕には使えない
- 国の住宅省エネ2026では、賃貸集合住宅の給湯器交換の事業がある。予約は11月16日まで
- 液状化・洪水のハザードマップは、入居者への説明と、保険・修繕の優先順位づけに使える
人口が減っている街では、入居者に選ばれる物件と、選ばれない物件の差が広がります。外壁や共用部の印象は入居の判断に直結しますが、空室が多い物件に高額な修繕をかけても回収できないこともあります。「全面修繕」「部分改修」「設備更新」を家賃収入の見通しと並べて比べることが、潮来市のオーナーさまには特に大切だと私は考えています。収益物件の修繕については、収益不動産オーナーさま向けのご案内もご覧ください。
潮来市の管理組合・オーナーさまが、今日から1か月でやること
- 今日〜11月上旬:築年数(昭和57年1月1日以前か)、長期修繕計画の作成年と期間、直近の総会で管理規約や修繕積立金を見直したかを確認する
- 11月16日まで:住宅省エネ2026の予約が必要な住戸・賃貸住宅の工事(窓・給湯器など)があるか、登録事業者に相談する
- 11月中旬:市役所の代表電話(0299-63-1111)で、管理計画認定の担当課・手数料・様式を確認する。あわせて長寿命化促進税制の申告方法を確認する
- 11月中:液状化ハザードマップと洪水ハザードマップで、建物の位置を確認する。建物まわりの段差・配管まわりの漏水の兆候を点検する
- 12月以降:劣化診断の発注、長期修繕計画の見直し、認定の取得を前提にした総会議案の準備を進める
よくあるご質問
Q. 潮来市に、マンション共用部の大規模修繕に使える補助金はありますか?
A. 2026年11月4日時点で、県の一覧(令和8年4月1日版)と市の公式サイトを確認した範囲では見つかりませんでした。管理計画認定を取得し、長寿命化促進税制や住宅金融支援機構の融資の金利引下げを活用するのが現実的です。
Q. 潮来市のマンションの管理計画認定は、どこに申請しますか?
A. 茨城県ではなく潮来市です。県が認定するのは12町村の区域だけで、市の区域は各市が所管します。ただし市の公式サイトでは担当課・手数料・様式の案内を確認できなかったため、代表電話(0299-63-1111)で担当課をご確認ください。
Q. 潮来市の耐震改修の補助は、マンションでも使えますか?
A. 使えないと読めます。県の一覧に載る潮来市の耐震改修補助は「戸建て木造住宅」が対象で、耐震診断の派遣も昭和56年5月以前に着工した木造住宅が対象です。鉄筋コンクリート造のマンションの耐震改修は、国の固定資産税の減額などを検討します。
Q. 液状化の被害を受けたマンションの修繕で、気をつけることはありますか?
A. 建物まわりの沈下や段差、給排水管が建物に入る部分のずれ、外壁の斜めのひび割れを、劣化診断で確認することをお勧めします。市は平成31年3月に液状化ハザードマップを作成していますので、建物の位置とあわせてご確認ください。
Q. 潮来市の洪水ハザードマップは、どの想定のものですか?
A. 市のページで公開されている洪水ハザードマップは、霞ヶ浦流域の100年に1度の大雨、または利根川流域のカスリーン台風規模の大雨で堤防が決壊した想定で、平成30年4月改訂版です。令和4年9月以降に全戸配布された総合防災マップもあわせてご確認ください。
Q. 国の住宅省エネ2026は、いつまで使えますか?
A. 経済産業省の発表では、予約の期限は11月16日です。予算上限に達すると前倒しで締め切られます。手続きは登録された住宅事業者が行いますので、早めにご相談ください。
Q. 足場を掛けない工法で、大規模修繕はできますか?
A. 建物の形や劣化の状態によっては可能です。ロープアクセス工法は、2点以上の吊元を確保し、メインロープとバックアップロープの2本に接続して作業します。部分補修やシーリング打ち替えに向き、全面の塗り替えでは足場のほうが適する場合もあります。3工法を比べたうえでのご提案が可能です。
Q. 見積りや相談は、潮来市でもお願いできますか?
A. はい。茨城県は明誠の施工エリアです。長期修繕計画の見直しや、工法の比較だけのご相談でもお受けしています。
この記事のポイントまとめ
- 潮来市には、外壁・防水そのものに使える市の補助は見当たらない(県の一覧 令和8年4月1日版)
- 市のマンションの管理計画認定は、県ではなく潮来市が所管。担当課・手数料は要確認
- 市の耐震補助・耐震診断は戸建ての木造住宅が対象で、マンションは対象外と読める
- 平成31年3月作成の液状化ハザードマップと、平成30年4月改訂の洪水ハザードマップを修繕計画に重ねる
- 国の住宅省エネ2026の予約は11月16日まで、長寿命化促進税制は令和9年3月31日の工事完了まで
出典・参考資料
- 茨城県「住宅関連助成制度等一覧【潮来市】」(令和8年4月1日版)
- 茨城県「市町村のデータ(潮来市)」(2026年8月31日更新)
- 茨城県「マンション政策」
- 「茨城県マンション管理適正化推進計画【概要版】」
- 潮来市「木造住宅耐震診断士について」(2023年7月20日更新)
- 潮来市「潮来市液状化ハザードマップ」(平成31年3月作成)
- 潮来市「潮来市ハザードマップ(洪水・震災等避難地図)」(平成30年4月改訂)
- 潮来市「潮来市総合防災マップ」
- 潮来市「くらし・手続き(お知らせ一覧)」
- 国土交通省関東地方整備局「利根川水系北浦洪水浸水想定区域図(計画規模)」(平成28年8月18日公表)
- 復興庁「潮来市 復興交付金事業計画 関連資料(2015年)」
- 公益財団法人マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」
- 住宅金融支援機構「マンション共用部分リフォーム融資」
- 国土交通省「マンション長寿命化促進税制」
- 国土交通省「耐震改修に係る固定資産税の減額措置」
- 経済産業省「給湯省エネ2026事業及び賃貸集合給湯省エネ2026事業の交付申請(予約含む)の受付開始について」
- 「住宅省エネ2026キャンペーン 公式サイト」
本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年11月4日時点で公表されている潮来市・茨城県・国土交通省・経済産業省ほかの公式情報をもとに執筆しています。潮来市の管理計画認定の担当課・手数料・申請様式、耐震改修補助の令和8年度の補助額、若年世帯定住促進助成金の令和8年度の受付状況、長寿命化促進税制の減額割合は、市の公式サイトで確認できませんでした。市の洪水ハザードマップは平成30年4月改訂、液状化ハザードマップは平成31年3月作成のものです。費用の目安は一般的な参考値で、個別の見積りとは異なります。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず潮来市・茨城県および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。本記事は法的・税務上の助言ではありません。
潮来市は、北浦・常陸利根川・霞ヶ浦に囲まれ、あやめと水郷の景色で知られる街です。マンション共用部の修繕に使える市の補助はありませんが、管理計画認定は市が所管し、液状化と洪水のハザードマップが公開されているという点は、管理組合さまにも賃貸オーナーさまにも見逃せない材料です。使える制度と使えない制度を最初に仕分け、期限のある制度は今月中に確認し、地盤と水のリスクを診断に織り込んで工法を比べることが、修繕積立金と家賃収入を守る一番の近道だと私は考えています。長期修繕計画の見直しのご相談だけでも、お力になれることがあります。どうぞ明誠へのお問い合わせフォームからお声がけください。
関連する茨城県南部・鹿行地域の記事として、稲敷市のマンション補助金、鉾田市のマンション補助金、阿見町のマンション補助金も、あわせてご覧ください。市と町村では、管理計画認定の窓口が違うことが分かります。管理組合の方は管理組合さま向けのご案内、資産価値の維持については建物の資産価値を守る修繕も参考にしてください。
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この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年11月4日
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