本間社長ブログ

大規模修繕の施工会社が倒産したら?|建設業の倒産・廃業が上半期5,937件で過去最多、管理組合・オーナーが契約前に確認したい7つの備え【2026年10月】

大規模修繕の施工会社が倒産したら?|建設業の倒産・廃業が上半期5,937件で過去最多、管理組合・オーナーが契約前に確認したい7つの備え【2026年10月】
本間 幸紘

著作者プロフィール

株式会社明誠 代表取締役

本間 幸紘

大規模修繕・外壁工事・ロープアクセス工事に関する情報を、現場経験をもとに分かりやすくお届けします。

この記事で分かること

「契約した工事会社が、着工して2か月で連絡が取れなくなった」——。業界に長くいると、こうした話を耳にすることがあります。足場は組まれたまま、外壁は洗浄しただけ、職人さんも来なくなる。そうなったとき、発注者が一番困るのは「すでに払ったお金がどうなるのか分からない」ことです。

いま、この話は決して他人事ではありません。帝国データバンクの集計では、2026年上半期(1〜6月)に建設業の倒産と休廃業・解散を合わせた「撤退」は5,937件となり、上半期としてはリーマン・ショック直後の2009年(5,811件)を上回って過去最多になりました(出典:帝国データバンク「建設業」の倒産・休廃業解散動向(2026年上半期))。

この記事では、次の問いにお答えします。マンションやビルの大規模修繕工事の途中で施工会社が倒産したら、何が起きるのか? 管理組合や賃貸オーナーは、契約前に何を確認しておけば被害を小さくできるのか?

結論を先に書きます。

  • 建設業の倒産・廃業は増えていますが、月によって増減があり、すべての会社が危ないわけではありません。 東京商工リサーチの集計では、2026年9月の建設業の倒産は132件で、前年同月から27.4%減っています。
  • 発注者がいちばん損をしやすいのは、工事の進み具合より多くのお金を先に払っている状態で倒産が起きたときです。
  • 被害を小さくする鍵は、①支払条件を出来高(工事の進み具合)に合わせる、②大規模修繕工事瑕疵保険の登録業者かを確認する、③会社の許可・決算・下請体制を見るの3点です。
  • 工法の選び方も、「工事が止まったときの影響の大きさ」を左右します。足場を使う工事と、ロープアクセス工法・ハイブリッド工法では、止まったときに残るもの、前払いの規模が変わります。

なお、本記事の統計は、2026年10月13日時点で帝国データバンク・東京商工リサーチ・国土交通省が公表している資料に基づいています。最新の数値は各機関の公式サイトでご確認ください。

2026年10月13日 更新


ニュースの要点|建設業の「撤退」は上半期で過去最多

倒産1,043件、休廃業・解散4,894件

まず、数字を整理します。

項目 2026年上半期(1〜6月) 前年同期比
建設業の倒産(負債1,000万円以上・法的整理) 1,043件 57件・5.8%増
建設業の休廃業・解散 4,894件 1,064件・27.8%増
合計(撤退) 5,937件 上半期として過去最多

出典:帝国データバンク「建設業」の倒産・休廃業解散動向(2026年上半期)、2026年7月14日発表

ここで注目していただきたいのは、倒産よりも休廃業・解散の増え方が大きいことです。休廃業・解散とは、裁判所の手続きを取らずに事業をやめることを指します。借金を抱えて行き詰まる「倒産」とは違い、余力のあるうちに自主的に店を閉じるケースも含まれます。

大規模修繕に関わる職種で増えている

同じ発表では、前年同期から増加率が大きかった業態として、左官工事(104件・67.7%増)、金属製屋根工事(50件・66.7%増)、タイル工事(45件・60.7%増)が挙げられています。

左官やタイルはマンションの大規模修繕で欠かせない専門工事で、屋根工事も建物によっては関わります。元請の施工会社が健全でも、その下で実際に手を動かす専門工事会社が途中で抜けると、工程が止まることがあります。私が「元請だけでなく、下請の体制も聞いてください」と申し上げるのは、このためです。

物価高と人手不足が背景に

帝国データバンクの別の集計では、仕入れ価格の上昇を価格に転嫁できずに倒産する「物価高倒産」は2026年上半期に556件で、半期として過去最多でした。そのうち建設業は151件で、業種別で最も多くなっています(出典:帝国データバンク「物価高倒産」の動向(2026年上半期))。

建設業の151件のうち、鋼材・木材・コンクリートなど資材費の高騰による倒産が65件で、約4割を占めたとされています。資材の値上がりに加え、職人不足による外注費や人件費の上昇も重なっています。

直近の月次はどうか

月ごとの動きも見ておきます。

集計 全体の倒産件数 建設業
帝国データバンク 2026年9月 800件(前年同月比12.0%減) 145件(同18.5%減)
東京商工リサーチ 2026年9月 831件(同4.8%減) 132件(同27.4%減、今年最少)

出典:帝国データバンク 倒産集計 2026年9月報、東京商工リサーチ 2026年9月の全国企業倒産831件

※両社は調査方法・集計基準が異なるため、数字を単純に比べることはできません。

9月は帝国データバンク・東京商工リサーチの両集計とも、建設業の倒産が前年同月を下回りました。つまり、「建設会社がバタバタ倒れている」と一括りにするのは正確ではありません。 一方で、東京商工リサーチは、日本銀行が9月に政策金利を1.25%程度へ引き上げたことに触れ、コスト高に加えて金利上昇の影響がじわりと広がる可能性を指摘しています。

私の見立ても同じです。数字の上下に一喜一憂するより、「どの会社に頼んでも、万一に備えた契約にしておく」ことが、管理組合とオーナーにとって一番現実的な守り方だと考えています。


工事中に施工会社が倒産すると、何が起きるのか

よくある流れ

大規模修繕の途中で元請の施工会社が倒産した場合、一般的には次のようなことが起こり得ます。個別の事情で大きく異なりますので、あくまで一例としてお読みください。

  1. 工事が止まる。 職人さんや下請会社への支払いが滞り、現場に人が来なくなります。
  2. 前払金が戻らない可能性がある。 工事の進み具合より多く払っていた分は、倒産手続きの中で「債権」として扱われ、全額は戻らないことが多いです。
  3. 仮設足場の扱いが問題になる。 足場は仮設会社からのレンタルであることが多く、レンタル料が払われていないと、撤去や残置をめぐって調整が必要になります。
  4. 引き継ぐ会社を探し直す。 途中まで進んだ工事を引き継ぐには、現状の調査と見積りのやり直しが必要です。施工範囲の切り分けが難しく、割高になりやすい傾向があります。
  5. 保証が受けられなくなる。 施工会社が発行する工事保証は、会社がなくなると原則として履行されません。

一番つらいのは「時間」

こうした事態で発注者にとって一番つらいのは、お金よりも「いつ終わるのか分からない」状態が続くことだと、私は考えています。

足場とメッシュシートに覆われたまま、窓も開けにくく、洗濯物も外に干せない。居住者の方からの問い合わせは、すべて理事会に集まります。工事を引き継ぐ会社が決まるまでに数か月かかることも珍しくありません。賃貸マンションやテナントビルであれば、その間の入居募集や賃料交渉にも影響します。

だからこそ、倒産が起きた後にどう動くかより、起きる前に「被害の上限」を決めておくことが大切なのです。


契約前に確認したい7つの備え

ここからが本題です。管理組合・オーナーが施工会社と契約する前に確認しておきたいことを、7つにまとめます。

備え1:支払条件は「出来高」に合わせる

大規模修繕の支払いは、「契約時」「中間」「完成時」の3回程度に分けるのが一般的です。たとえば契約時30%・中間30%・完成時40%のような形です。

ここで大切なのは、それぞれの支払いが、実際の工事の進み具合を超えないようにすることです。

  • 契約時の支払いが大きすぎないか(材料の確保や足場の仮設に必要な範囲か)
  • 中間金は「○月○日」ではなく「○○工事の完了確認後」など、工事の進み具合に結びつけているか
  • 支払いの前に、設計監理者や理事会が現場を確認する手順があるか

工事の進み具合に合わせて支払う考え方を、業界では「出来高払い」と呼びます。前払いの額が小さいほど、万一のときに戻らないお金も小さくなります。

備え2:「大規模修繕工事瑕疵保険」に入れる業者かを確かめる

国土交通省のサイトでは、共同住宅の大規模修繕工事を対象にした「大規模修繕工事瑕疵保険」が紹介されています(出典:国土交通省 住まいの安心総合支援サイト「大規模修繕工事瑕疵保険」)。

瑕疵(かし)とは、工事の不具合・欠陥のことです。この保険の主な内容は次のとおりです。

項目 内容
支払いの対象 修補費用、調査費用、仮住居・転居費用など
保険期間 1〜10年(対象部分などによって異なる)
保険金額 1,000万円〜5億円(請負金額などによって異なる)
免責金額 10万円
填補率 事業者へは80%、発注者(管理組合など)へは100%(事業者倒産等時)

特に重要なのは最後の行です。施工会社が倒産などで不具合の補修をしない場合、発注者である管理組合などが保険法人に直接請求できる仕組みになっています(詳しい条件は保険法人・商品ごとに異なります)。

ただし、注意点が2つあります。

  • この保険は、保険法人にあらかじめ登録した事業者でなければ利用できません。 見積りの段階で「登録していますか」「この工事で加入しますか」と聞いておくことをおすすめします。
  • 保険がカバーするのは工事完了後に見つかった不具合です。工事の途中で倒産したときの前払金や、工事の中断そのものを補償するものではありません。 だからこそ、備え1の支払条件とセットで考える必要があります。

備え3:建設業許可と経営の状態を見る

建設業の許可は、国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で、許可番号・許可業種・有効期限などを確認できます。

あわせて、次の点も聞いてみてください。

  • 直近2〜3期の決算書(売上・利益・自己資本の推移)
  • 同規模のマンション・ビルの施工実績と、その発注者
  • 経営事項審査(公共工事を受ける会社が受ける審査)の結果があれば、その内容

決算書を見せてもらうのは失礼ではないか、と遠慮される理事長さまもいらっしゃいます。私の経験上、誠実な会社ほど、こうした質問にはきちんと答えてくれます。逆に、説明をはぐらかす会社には、慎重になった方がよいでしょう。

備え4:下請・専門工事会社の体制を聞く

先ほどの統計のとおり、左官・タイルなどの専門工事会社の倒産・廃業も増えています。元請の会社に、次のことを聞いてみてください。

  • 主要な工種(塗装・防水・シーリング・タイル補修など)を、自社施工か外注か
  • 外注の場合、何社くらいと継続的に取引しているか
  • ある会社が抜けたとき、代わりの職人を手配できるか

1つの工種を1社だけに頼っている体制だと、その会社が抜けたときに工程が止まりやすくなります。

備え5:契約書に「もしも」の条項を入れる

工事請負契約書には、国土交通省に置かれた中央建設業審議会が作成・勧告している「民間建設工事標準請負契約約款」や、これに沿った約款を使うのが基本です。そのうえで、次のような点を確認しておくと安心です。

  • 施工会社が工事を続けられなくなったときの、発注者からの契約解除の条件
  • 解除した場合の、出来高(できあがった部分)の確認方法と精算方法
  • 工事の遅れに対する取り決め(遅延損害金など)
  • 仮設足場や資材の所有者と、中断時の扱い

契約書の具体的な文言については、マンション管理士や弁護士などの専門家にご相談ください。私は施工会社の立場ですので、法律の判断ではなく、現場で困りやすい点をお伝えしています。

備え6:工期を短く、段階を区切る

前払いの額や、工事が止まったときの影響は、工期が長いほど大きくなる傾向があります。工程を「外壁」「防水」「鉄部」などの段階に区切り、段階ごとに検査と支払いを行うと、どこまで終わっているかが分かりやすくなります。

備え7:困ったときの相談先を知っておく

工事の発注や契約で不安を感じたときは、公的な相談窓口を使えます。国土交通省は2026年9月28日、関東地方の大規模修繕工事をめぐる独占禁止法違反事案(公正取引委員会の排除措置命令)を受けて、管理組合向けに発注等の相談窓口を周知しました。その一つである公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターの「住まいるダイヤル」(電話03-3556-5147、平日10時〜17時・祝日と年末年始を除く)では、マンション管理士や建築士などによるアドバイスを受けられます(出典:国土交通省 報道発表「マンション大規模修繕工事の発注等に関する相談窓口の周知等について」)。

受付時間などは変わることがあるため、ご利用前に公式サイトでご確認ください。


工法の選び方で「止まったときの影響」が変わる

足場を使う工事は、仮設の比重が大きい

国土交通省の調査では、1回目の大規模修繕工事の戸あたり工事金額は「100〜125万円/戸」の割合が最も高いという結果が出ています(出典:国土交通省 マンション大規模修繕工事に関する実態調査)。この調査は令和3年度のもので、現在は資材費・人件費の上昇が続いている点にご注意ください。

足場を使う工事では、工事費のうち仮設足場の費用が大きな割合を占めます。そして足場は、工事の最初に組み、最後に解体するものです。

つまり、着工直後に仮設費が発生し、その分の支払いも前の段階に寄りやすくなります。工事が途中で止まれば、足場は建物を覆ったまま残ることがあります。

ロープアクセス工法・ハイブリッド工法という選択肢

ロープアクセス工法は、屋上などから吊るしたロープを使って外壁の作業を行う、足場を組まない工法です。安全面について誤解のないように書いておくと、作業員はメインロープとバックアップロープの2本に接続し、吊元(ロープを固定する支点)も2点以上確保して作業します。国際的な産業ロープアクセスの基準に沿った二重の安全確保が、業界の標準です。技術的な基準や事例は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムで詳しく解説しています。

倒産リスクという視点で見ると、ロープアクセス工法には次のような特徴があります。

  • 仮設足場の費用が大きく減るため、着工時にまとまったお金を払う必要が小さくなりやすい
  • 工期が短くなりやすいため、工事期間中に起こるリスクにさらされる時間も短い
  • 万一工事が止まっても、建物全体を覆う足場が長期間残るといった事態は起きにくい

一方で、すべての建物・工種に向いているわけではありません。下層階の大がかりな補修や、作業量の多い面では、足場の方が効率的なこともあります。そこで、部位ごとに足場とロープアクセスを使い分けるのがハイブリッド工法です。

明誠では、大規模修繕工事のご紹介でご案内しているとおり、通常足場・ロープアクセス・ハイブリッドの3工法から、建物ごとに比べてご提案しています。ロープアクセス工法の技術的な特徴は、明誠のロープアクセス工法の技術詳細をご覧ください。

費用の目安

工事費の目安として、明誠でよくご相談いただく工種の単価帯を示します。建物の状態・規模・仕様で大きく変わりますので、参考値としてご覧ください。

工種 単価の目安
外壁塗装 3,500〜4,500円/㎡
外壁打診調査 250〜500円/㎡
防水工事 5,000〜8,000円/㎡

※明誠の施工事例をもとにした目安で、2026年10月時点のものです。資材価格の変動により変わる場合があります。

足場費用を抑えられる工法を選ぶと、コストを抑えた修繕のご提案でご紹介しているように、工事費全体の構成が変わります。見積りを比べるときは、総額だけでなく「仮設費がいくらで、いつ払うのか」にも目を向けてみてください。


想定ケースで考える|築25年・60戸のマンション

具体的なイメージを持っていただくために、東京都多摩地域にある築25年・60戸のマンションを想定して考えてみます。数字はあくまで説明のための仮定です。

想定する状況

  • 工事総額:約7,800万円(戸あたり約130万円)
  • 工期:足場を使う場合で約5か月
  • 支払条件案A:契約時40%・中間30%・完成時30%
  • 支払条件案B:契約時20%・足場完了後10%・外壁完了後30%・防水完了後20%・完成時20%

着工2か月後に施工会社が倒産したら

着工2か月の時点で、足場の仮設と外壁洗浄・下地補修の一部まで進んでいたとします。出来高は、仮に全体の25%程度とします。

  • 案Aの場合、契約時の40%(約3,120万円)を払っているため、出来高との差は約15%分(約1,170万円)になります。
  • 案Bの場合、契約時20%と足場完了後10%の計30%(約2,340万円)を払っている計算で、差は約5%分(約390万円)にとどまります。

もちろん、実際には倒産手続きの中で一部が戻る可能性もありますし、逆に引き継ぎの費用がかかることもあります。ただ、支払条件を工程に結びつけておくだけで、「戻らないかもしれないお金」の上限がこれだけ変わることは、知っておいていただきたいと思います。

工法を変えるとどうなるか

この建物の外壁の多くをロープアクセス工法で施工できる場合、仮設足場の費用が減り、工期も短くなる可能性があります。着工時に大きな仮設費を払う必要がなくなれば、契約時の支払いもさらに小さくできます。

ただし、ロープアクセスが向くかどうかは、建物の高さ・形状・屋上の構造(吊元を取れるか)・劣化の状態で決まります。現地調査をしたうえで、足場・ロープアクセス・ハイブリッドを比べることをおすすめします。


管理組合と賃貸オーナー、それぞれの視点

分譲マンションの管理組合の方へ

管理組合の場合、施工会社の選定や契約条件は、理事会・修繕委員会・総会で決めていきます。支払条件や保険の加入は、見積りを依頼する段階で条件として示しておくと、各社の見積りを同じ土俵で比べやすくなります。

発注の進め方については、管理組合向け大規模修繕のご案内でも紹介しています。

賃貸マンション・ビルのオーナーの方へ

オーナーさまの場合、発注から契約まで、ご自身でスピーディーに決められるのが強みです。一方で、相見積りを省いたり、知り合いの会社に任せきりにしたりして、契約条件の確認が甘くなるケースも見かけます。

賃貸物件では、工事が長引くと空室の募集や入居者対応にも響きます。 工期の短さと、支払条件の安全性を、同じくらい重視していただきたいと思います。ビルオーナーさま向けのご案内は、ビル・賃貸マンションオーナー様向けサービスをご覧ください。

関東の発注者が使える情報源

東京・神奈川・埼玉・千葉など関東で大規模修繕を検討されている方は、国土交通省の相談窓口に加え、お住まいの自治体のマンション相談窓口も活用できます。自治体によって支援の内容が違いますので、各市区町村の公式サイトでご確認ください。


私が施工会社として心がけていること

ここまで、発注者の方を守るための話をしてきました。最後に、施工会社の側として私が心がけていることも、正直に書いておきます。

私たち施工会社にとっても、物価高と職人不足は他人事ではありません。資材の値上がりを見積りに反映できず、無理な金額で受注してしまうと、工事の途中で資金繰りが苦しくなります。無理な安値受注は、結果として発注者さまに一番迷惑をかける——これは、私が若いころに先輩から言われ、今も肝に銘じていることです。

株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕に携わってきました。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部として、塗装・防水・タイル・電気・看板などの専門職の加盟企業と連携しています。一つの工種を一社に頼りきらない体制をつくることも、工事を止めないための備えのひとつだと考えています。実際の現場の様子は、明誠の施工事例でご覧いただけます。

同業の施工会社の方で、ロープアクセス技術者の育成や安全基準について知りたい方には、ロープアクセスドットコム(無足場工法専門メディア)もおすすめです。


注意点|この記事の読み方について

  • 本記事の統計は、帝国データバンク・東京商工リサーチが公表した集計です。両社は調査方法や集計の基準が異なります。
  • 倒産時の前払金や契約の扱いは、契約書の内容や倒産手続きの種類によって大きく変わります。具体的な判断は、弁護士・マンション管理士などの専門家にご相談ください。
  • 大規模修繕工事瑕疵保険の補償内容・条件は、保険法人や商品によって異なります。加入前に約款をご確認ください。
  • 想定ケースの金額は説明のための仮定であり、実際の工事費を示すものではありません。

よくあるご質問

Q1. 建設業の倒産は本当に増えているのですか?

A. 帝国データバンクの集計では、2026年上半期の建設業の倒産は1,043件で、前年同期から5.8%増えました。休廃業・解散を合わせた「撤退」は5,937件で、上半期として過去最多です。ただし、東京商工リサーチの2026年9月の集計では建設業の倒産は前年同月から27.4%減っており、月によって増減があります。

Q2. 工事の途中で施工会社が倒産したら、払ったお金は戻りますか?

A. 工事の進み具合を超えて払った分は、倒産手続きの中で債権として扱われ、全額は戻らないことが多いです。戻る割合は、手続きの種類や会社の資産状況によって異なります。契約前に、支払いを工事の進み具合に合わせておくことが大切です。

Q3. 大規模修繕工事瑕疵保険は、工事中の倒産も補償しますか?

A. 国土交通省の資料では、この保険は工事後に見つかった不具合の修補費用などが対象です。施工会社が倒産した場合は、発注者が保険法人に直接請求でき、填補率は100%とされています。ただし、工事の途中で倒産した場合の前払金や工事の中断は、原則として対象外です。詳しくは各保険法人の約款をご確認ください。

Q4. 施工会社の経営状態は、どうやって確認すればよいですか?

A. 建設業許可は国土交通省の企業情報検索システムで確認できます。あわせて、直近の決算書、同規模の施工実績、主要工種を外注しているかどうかを、見積りの段階で質問するのがおすすめです。

Q5. 大規模修繕の費用は、戸あたりどのくらいですか?

A. 国土交通省の令和3年度の実態調査では、1回目の大規模修繕で「100〜125万円/戸」の割合が最も高くなっています。現在は資材費・人件費が上がっているため、最新の見積りで確認してください。明誠の工種別の目安は、外壁塗装3,500〜4,500円/㎡、防水工事5,000〜8,000円/㎡です。

Q6. ロープアクセス工法なら、倒産リスクはなくなりますか?

A. なくなるわけではありません。ただ、足場の仮設費が小さくなり、工期も短くなりやすいため、前払いの額や工事が止まったときの影響を小さくしやすい特徴があります。建物によっては足場やハイブリッド工法の方が向く場合もあります。

Q7. 明誠に相談すると費用はかかりますか?

A. 建物の現地調査と概算のお見積りは無料で承っています。足場・ロープアクセス・ハイブリッドの3工法を比べたうえで、支払条件や工程の組み方も含めてご提案します。お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。


この記事のポイントまとめ

  • 2026年上半期、建設業の倒産・休廃業・解散は5,937件で、上半期として過去最多
  • 左官・タイルなど、大規模修繕に関わる専門工事の撤退も増えている
  • 一方で月ごとの増減はあり、9月の建設業倒産は前年同月比27.4%減
  • 発注者の備えは「出来高に合わせた支払い」「瑕疵保険の登録確認」「許可・決算・下請体制の確認」
  • 工法によって、前払いの規模や工事が止まったときの影響が変わる

出典・参考資料


▼ロープアクセス工法・無足場工法の詳細解説はこちら
ロープアクセスドットコム|無足場工法専門メディア

工事は、始めることより、最後まできちんと終えることの方がずっと難しいものです。だからこそ私は、契約の前に「もしも」の話を発注者さまと一緒にしておくことを大切にしています。現地調査と概算のお見積りは無料で承っていますので、お問い合わせフォームから、ご相談だけでもお気軽にどうぞ。次回も、現場で本当に使える話だけをお届けします。


この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月13日


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ロープアクセス工法の詳細や実例については、姉妹サイト「ロープアクセスドットコム」の以下の記事もぜひご覧ください。

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