本間社長ブログ
相模原市中央区のマンション漏水・防災対策|相模川・境川の洪水想定と内水153mm・急傾斜地から考える大規模修繕の優先順位【2026年度版】
目次
- 結論:中央区で優先すべきは「内水の確認」「屋上・バルコニーの排水」「立地に応じた洪水・土砂の確認」です
- 相模原市中央区のハザードマップを1枚で読む(内水/洪水/土砂災害)
- 気候の変化:1時間50mm以上の雨は、約1.5倍に増えています
- 中央区の地域特性と漏水事故の関係:多いのは「排水の詰まり」と「取り合い」の不具合です
- 大規模修繕でチェックすべき漏水ポイント7つ
- 漏水緊急対応でロープアクセスが強い理由
- 防災上の共用部:位置と修繕優先度を決める
- 相模原市で使える支援制度(令和8年度に市のページで確認できたもの)
- 賃貸マンション・ビルオーナーさまへ:「想定外」を事業継続の言葉に直す
- よくあるご質問
- まとめ:今週動くこと3点
- 出典・参考資料

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著作者プロフィール
株式会社明誠 代表取締役
本間 幸紘
大規模修繕・外壁工事・ロープアクセス工事に関する情報を、現場経験をもとに分かりやすくお届けします。
2026年10月12日 更新
相模原市中央区のマンションで修繕のご相談をいただくと、私は最初に「ハザードマップは、理事会で一度でもご覧になりましたか」とお尋ねします。多くの管理組合で、答えは「個人では見たことがあるが、建物として確認した記録はない」です。中央区は、相模川と境川という大きな川の流域にかかる区で、市の内水ハザードマップは1時間153mmという非常に強い雨を想定しています。さらに、区内には急傾斜地の土砂災害警戒区域もあります。
私は株式会社明誠の本間幸紘と申します。拠点は東京都東大和市で、神奈川県内のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕も手がけています。20年以上、外壁と防水の現場に立ってきました。仮設足場を組む工事も、メインロープとバックアップロープの2本に接続して壁面に降りる無足場の工事も、どちらも自分の手でやってきた人間です。
今日は、相模原市・神奈川県・国土交通省・気象庁の公式情報をもとに、中央区の分譲マンション、賃貸マンション、そしてビルオーナーさまの建物が、大規模修繕で先に押さえるべき場所を整理します。相模原市中央区のハザードマップを、漏水と防災の「修繕の順番」に置き換えてお伝えします。
結論:中央区で優先すべきは「内水の確認」「屋上・バルコニーの排水」「立地に応じた洪水・土砂の確認」です
先に結論を申し上げます。相模原市中央区のマンションでは、次の3つから動くことをお勧めします。
- 市の「内水ハザードマップ(中央区版)」で、建物の位置と想定浸水深を確認する:川から離れた建物でも、下水道や水路があふれる「内水」で浸水することがあります
- 屋上ドレン・バルコニー排水・サッシまわりのシーリングを点検し、防水の改修時期を記録で確認する:短時間の強い雨で、まず出るのは排水が追いつかないことによる漏水です
- 洪水ハザードマップ(相模川・境川沿い)と、神奈川県の土砂災害警戒区域の告示図書で、立地ごとのリスクを確認する
順に見ていきます。
相模原市中央区のハザードマップを1枚で読む(内水/洪水/土砂災害)
相模原市は、区ごとにハザードマップを作成しています。中央区版では、次の3種類を確認できます。
| 種類 | 中央区の状況(市・県の公式資料より) | マンションで見るべき点 |
|---|---|---|
| 内水 | 中央区版の内水ハザードマップ(情報面・地図面)あり。1時間153mmを想定 | 低い道路沿い、地下・半地下、ピット(昇降路の底) |
| 洪水 | 相模川・境川沿いの一部が洪水浸水想定区域 | 川沿いの建物の想定浸水深と、電気設備の位置 |
| 土砂災害 | 急傾斜地の崩壊で土砂災害警戒区域あり(県の告示図書に区域を掲載) | 斜面・擁壁に近い建物、敷地排水 |
内水:想定降雨は1時間153mm、市全域に同時に降る前提です
相模原市の内水ハザードマップのページ(令和8年10月1日更新)には、過去に関東地方で観測された1時間降雨量153mmの想定最大規模降雨が、市域全体に同時に降った場合を想定している、と書かれています。「下水道や水路などから水があふれ、地表面を流れて浸水が広がる範囲とその深さ」を示すもので、水防法に基づく「雨水出水浸水想定区域図」をもとにしています。着色されていない区域でも浸水が起きる可能性があると注意書きがあります。
洪水と内水は一連の降雨で同時に起きる可能性が高いため、あわせて確認するよう市が求めています。中央区版は、情報面と地図面の2種類のPDFが公開されています(出典:相模原市「内水ハザードマップ」、中央区版 地図面(PDF))。地図面の問い合わせ先は下水道経営課(042-707-1840)、情報面は危機管理統括部 防災計画担当(042-769-8208)です。
私が管理組合の理事会でお願いしているのは、地図面で「自分たちの建物と、前面道路、駐車場の出入口、ゴミ置場、受変電設備(電気を建物に引き込む設備)の位置」に丸を付けることです。それだけで、「どこから水が入りそうか」が具体的な議論になります。
洪水:相模川と境川沿いの一部が洪水浸水想定区域です
相模原市の都市計画マスタープランの中央区の部分には、相模川と境川沿いの一部地域が洪水浸水想定区域に指定されていること、市管理河川の鳩川・八瀬川・姥川では改修事業や一時貯留施設の設置促進を進めることが書かれています。田名地区では相模川の親水空間の形成も図るとされています(出典:相模原市「都市計画マスタープラン(中央区)」。根拠資料は令和2年2月の市資料とされています)。同じ文書は、道保川を計画的な河川改修の対象に挙げていますが、浸水想定区域としての指定は記載していません。
ここで一つ、お知らせしておきたい点があります。神奈川県は2025年10月31日、相模川・中津川の洪水浸水想定区域図のうち、「家屋倒壊等氾濫想定区域(氾濫流)」に誤りがあったと発表し、同年12月25日に修正した区域図を公表しました。相模原市分は約2.8km²から約0.9km²に修正されています(出典:神奈川県「相模川及び中津川の洪水浸水想定区域図の修正について」)。数字は相模原市全体の値で、中央区だけの値ではありません。市の土砂災害ハザードマップのページにも、中央区のマップ(令和4年3月作成)について、「家屋倒壊等氾濫想定区域」の一部に誤りがある旨の注記があります。
大切なのは、手元のマップが古い版でないかを確認することです。管理組合で印刷してお持ちの図は、修正前のものかもしれません。市のページで最新版を確認してください(出典:相模原市「洪水ハザードマップ」)。
土砂災害:県の告示図書で、区域を町名ごとに確認できます
神奈川県の告示図書では、相模原市中央区について、急傾斜地の崩壊の区域が27区域掲載されています(令和6年2月22日現在の掲載)。上溝、陽光台、横山、横山台、星が丘、上矢部、下九沢、田名、水郷田名、東淵野辺、淵野辺本町、緑が丘、青葉、宮下本町などの町名が挙がっています(出典:神奈川県「土砂災害警戒区域及び土砂災害特別警戒区域 告示図書(相模原市中央区)」)。指定日は主に令和3年5月25日と平成29年3月21日です。
相模原市の土砂災害ハザードマップのページによると、地図上の区域は作成時点のもので、追加指定や解除で現在の指定状況と異なる場合があります。最新の状況は県の告示図書や土砂災害情報ポータルで確認するよう案内されています(出典:相模原市「土砂災害ハザードマップ」)。県の告示図書のページには、他の区にまたがる区域の掲載もあります。ご自身の建物の町名が挙がっている場合は、区域図で境界との位置関係を確認してください。
土砂災害警戒区域に入るかどうかは、町名ではなく区域図の境界で決まります。町名が挙がっている地区の建物では、擁壁や斜面側の外壁、敷地の排水を点検項目に加えてください。区域に入っていない建物でも、屋上やバルコニーの排水の点検は欠かせません。
気候の変化:1時間50mm以上の雨は、約1.5倍に増えています
気象庁の「日本の気候変動2025」によると、全国のアメダスで、1時間に50mm以上の雨の年間発生回数は、1976〜1985年の平均約226回から2015〜2024年の平均約334回へ、約1.5倍に増えました。80mm以上は約14回から約24回へ、約1.7倍です(出典:気象庁「日本の気候変動2025」、1,300地点換算)。
数字は全国のものですが、私が現場で感じる変化と一致します。この10年ほどで、「ゲリラ豪雨のあとだけ、ベランダ側の天井にしみが出る」「バルコニーの排水口から水があふれて、下の階のサッシまわりに回った」というご相談が確かに増えました。屋上とバルコニーの排水に余力がある建物ほど、被害は小さくなります。
中央区の地域特性と漏水事故の関係:多いのは「排水の詰まり」と「取り合い」の不具合です
ここからは私の現場経験の話です。ハザードマップは「水がどこに来るか」を示しますが、マンションの漏水は「水がどこから入るか」の問題です。
どの地域の建物でも同じですが、築30年を過ぎたマンションでは、現場で見る不具合のパターンはほぼ決まっています。
- 屋上ドレン(雨水の排水口)に落ち葉や砂がたまり、強い雨で屋上に水がたまる
- バルコニーの排水口が詰まり、床の勾配が弱い部分に水が回る
- サッシ枠と外壁の取り合い(接する部分)のシーリング(目地の防水材)が切れ、風を伴う雨で室内に入る
- エキスパンションジョイント(建物の継ぎ目)のカバーが外れ、止水材が劣化している
「ひび割れは見当たらないのに室内が濡れる」というご相談の多くは、ひび割れではなく、サッシまわりのシーリングの小さな切れが原因でした。これは私が現場で繰り返し見てきた実感で、公的な統計ではありません。
大規模修繕でチェックすべき漏水ポイント7つ
大規模修繕の前の劣化調査で、私がいつも見る7か所です。
| 部位 | 見るところ | 中央区で特に気にする点 |
|---|---|---|
| ①屋上防水 | 膨れ・ひび割れ・端部の浮き | 排水勾配と溜まり水。1時間50mm級の雨でオーバーフローしないか |
| ②シーリング | 肉やせ・切れ・剥離 | 風雨を受ける面。サッシまわり |
| ③バルコニー排水 | 排水口の詰まり・床の勾配 | 豪雨時の溢れ。上階から下階への回り込み |
| ④ドレン | 落ち葉・砂の堆積、取付部の隙間 | 街路樹や緑地に近い建物の落ち葉 |
| ⑤立上り(防水層の壁際) | 端部の押さえ金物、防水層の切れ | 金物の錆と防水層の浮き |
| ⑥サッシまわり | 枠まわりのシーリング、水切り | 吹き込みの風雨を受ける面 |
| ⑦エキスパンションジョイント | カバーの外れ、止水材の劣化 | 地震後のずれ |
川沿いや低地の建物、土砂災害警戒区域に近い建物では、これに加えて、地下・半地下の止水、受変電設備の位置、擁壁と敷地排水を確認します。
目安となる金額もお伝えします。防水の改修費は、工法や下地の状態で変わりますが、屋上・バルコニーで1㎡あたり5,000〜8,000円程度が一つの目安です。外壁の打診調査は1㎡あたり250〜500円程度が目安です(いずれも物件により大きく変動します。正式な金額は調査後の見積でご確認ください)。ドレンの清掃や部分補修は、被害が出る前なら比較的小さな費用で済みます。漏水が出て内装まで傷めてからでは、工事費に室内の復旧費が上乗せされます。
劣化の見分け方は、明誠の漏水対応の専門ページにもまとめています。
漏水緊急対応でロープアクセスが強い理由
台風や豪雨のあと、「上の階から水が落ちてくる」「外壁のひびから雨が入る」という連絡をいただくことがあります。仮設足場を組む工事は、手配から組み上げまで日数がかかります。さらに、敷地に余裕のない建物や、前面道路が狭い建物では、足場の費用と工期が膨らみやすくなります。
ロープアクセス工法は、足場を組まずに、メインロープとバックアップロープの2本に接続した作業員が壁面へ降り、2点以上の吊元を確保して作業します。原因の確認と応急処置に、足場の組立期間が要りません。ひび割れの確認、シーリングの打ち替え、仮止水といった作業を、短い日数で進められます。この工法の考え方と技術情報は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムに整理しています。
金額面でも差が出ます。一つの目安として、10階建て・外周80m・工期3か月のマンションの例では、足場費が約168万円かかる計算の物件で、ロープアクセスなら約59万円(差額約109万円)に収まる試算があります(あくまで一例です。実際は建物の形状や作業内容で変わります)。工期も、足場工法の約60%で終えられる場合があります。
安全面について。株式会社明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。明誠および全国のフランチャイズ加盟企業では、ロープアクセス工法での高所作業について、過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。IRATA(国際産業ロープアクセス協会)水準の技能訓練を受けた作業員が、二重の確保を前提に作業します。工法の詳細は明誠のロープアクセス工法のご紹介と安全管理の取り組みをご覧ください。
建物の部位ごとに、足場とロープを使い分けるハイブリッド工法もあります。足場を組みやすい面は足場、足場が組みにくい面や高所の部分補修はロープ、という組み合わせで、総額を抑えられることがあります。工法比較の技術解説はロープアクセスドットコムの技術解説でも紹介しています。
防災上の共用部:位置と修繕優先度を決める
漏水の次に、電気と水の話です。国土交通省と経済産業省がまとめた「建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン」(令和2年6月)は、令和元年東日本台風で川崎市内の高層マンションの電気設備が浸水した事例などを受けて作られたものです。ハザードマップや過去の浸水実績から「どのくらいの深さ・時間の浸水に備えるか」を決め、そのうえで電気設備を浸水リスクの低い場所に置く、出入口・からぼり(地下の採光用の掘り込み)・換気口などの開口部をふさぐ、排水設備の逆流を防ぐ、といった対策を組み合わせるよう示しています(出典:国土交通省「建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン」概要)。
管理組合の優先順位に置き換えると、こうなります。
- 受変電設備(電気を建物に引き込む設備):エレベーターもポンプも、ここが水をかぶると動きません。地下や1階にある場合は最優先で確認します
- 給水ポンプ・受水槽:停電で止まると、高層階は断水します
- エレベーター:ピット(昇降路の底)への浸水は長期停止につながります
- 非常用発電機と燃料:発電機自体が浸水しない位置にあるか、燃料の備蓄量は足りるかを確認します
- 駐車場・ゴミ置場・駐輪場の出入口:内水の水が最初に流れ込む場所です。止水板の取付下地が傷んでいないかを見ます
設備まわりの防水(床・壁・貫通部の止水)や止水板の取付下地の補修は、大規模修繕の工事範囲に入れておけば、足場やロープの手配を共用でき、費用を抑えやすくなります。設備の移設そのものは大きな費用がかかるため、長期修繕計画の見直しとセットで検討するのが現実的です。ビルオーナーさまはビルオーナー向けの明誠のサービス、管理組合さまは管理組合向けの明誠のサービスをご覧ください。
なお、避難の考え方も確認しておきましょう。相模原市の土砂災害ハザードマップ資料は、土砂災害のおそれがある区域では立退き避難が原則であること、約30cmの浸水で車は走行困難になるため車での避難は控えること、避難情報が出ていなくても状況から判断して自主的に避難すること、を案内しています。マンションでも、居住者向けの避難の手引きに、これらを反映しておくとよいでしょう。
相模原市で使える支援制度(令和8年度に市のページで確認できたもの)
相模原市中央区のマンションで使える可能性のある市の制度です。年度で内容が変わりますので、市の公式ページの記載と、その更新日を明記します。
旧耐震基準の分譲マンションへの耐震支援
市のページ「旧耐震基準の分譲マンションの地震対策を支援します」には、次の内容が掲載されています。
| 制度 | 補助率 | 上限額 |
|---|---|---|
| 耐震巡回相談 | 無料 | ― |
| 耐震診断補助 | 診断費用の6分の5以内 | 1住戸あたり5万円 |
| 耐震改修計画作成補助 | 作成費用の3分の2以内 | 1住戸あたり5万円 |
| 耐震改修工事補助 | 市に問い合わせ | ― |
対象は、市の耐震巡回相談を受け耐震診断を実施する旨の決議書を得ていること、昭和56年(1981年)5月31日以前に建築確認を受けて着工したこと、鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄骨造であることの3条件を満たす分譲マンションの管理組合です。補助は市の予算の範囲内で行われます。補助対象は住居部分で、店舗など住居以外の部分は除かれます(店舗等が住居の2分の1未満の複合用途は、住居部分を対象に含みます)。
注意点:このページには、令和8年度の受付期間や受付の有無が書かれていません。ページの最終更新日の表示は令和元年5月で、令和8年10月1日に電話番号が統合されたとの記載もあります。令和8年度に申請できるかどうかは、市の建築政策課の耐震推進班(042-769-8252)に直接確認してください(出典:相模原市「旧耐震基準の分譲マンションの地震対策を支援します」)。
なお、擁壁の補修や電気設備の浸水対策そのものを対象とした相模原市のマンション向け補助は、本記事執筆時点の調査では確認できませんでした。
管理計画認定制度・マンション相談・アドバイザー派遣
市のマンション関連ページ(令和7年12月26日更新)には、次の取り組みが載っています。市のマンション管理適正化推進計画は令和5年3月に策定され、管理計画認定制度も運用されています。管理適正化支援法人の登録は、当面の間行わないとされています。マンション管理士などの専門家による相談や、マンション管理セミナーの案内もあります(出典:相模原市「マンションに関する計画や施策等について」)。
分譲マンションアドバイザー派遣制度のページには、派遣は最大6回、1回目は無料、2・3回目は費用の3分の1、4〜6回目は2分の1、費用は1時間10,000円で1回あたり3時間まで、予算に達し次第終了、と記載されています。ただし、このページの最終更新は令和5年4月14日です。申込条件や費用負担は、住宅課(042-769-9817)で現在の内容をご確認ください(出典:相模原市「分譲マンションアドバイザー派遣制度」)。
大規模修繕の進め方に迷ったときは、こうした公的な相談窓口で第三者の意見を聞いてから、業者の選定に入るのも一つの手です。
賃貸マンション・ビルオーナーさまへ:「想定外」を事業継続の言葉に直す
収益不動産を所有されているオーナーさまは、漏水や浸水による損害を、修繕費だけでなく「空室期間」と「入居者の信頼」で見る必要があります。1室の漏水が起きると、その部屋だけでなく、下の階の入居者への対応や、原状回復の工期で、複数の部屋が止まります。
そこで、年に一度の点検に、次の3点を加えてください。
- 雨の日に、屋上・バルコニー・駐車場の排水の流れを実際に見る(晴れた日の点検では見えない詰まりが分かります)
- 受変電設備やポンプの位置を、内水ハザードマップの地図面に重ねて確認する
- 防水とシーリングの改修履歴を、一覧表にして残す(売却や借入の際に、建物の管理状態を示す資料になります)
オーナーさま向けの考え方は、収益不動産オーナー向けの明誠のご案内にまとめています。
よくあるご質問
Q. 相模原市中央区のマンションは、どの災害の心配が大きいですか?
A. 立地で変わります。市の内水ハザードマップは1時間153mmを想定しており、川から離れた建物でも確認が必要です。相模川・境川沿いの建物は洪水ハザードマップを、町名が県の告示図書に載っている地区の建物は土砂災害のリスクも確認してください。
Q. 川から離れていれば、浸水の心配はありませんか?
A. いいえ。市は洪水と内水を分けて示しており、内水は下水道や水路があふれることで起きます。着色されていない区域でも浸水が起きる可能性があると、市のページに注意書きがあります。
Q. 自分のマンションが土砂災害警戒区域に入っているか、どう調べますか?
A. 神奈川県の「土砂災害警戒区域等告示図書」の相模原市中央区のページで、区域の位置図や区域図を確認できます。区域は解除や新規指定で変わるため、最新の告示を見てください。市の防災計画担当(042-769-8208)にも問い合わせできます。
Q. 手元のハザードマップは古い版かもしれません。どう確認しますか?
A. 神奈川県は2025年12月25日に、相模川・中津川の家屋倒壊等氾濫想定区域を修正して公表しました。市のページで最新版の洪水ハザードマップをご確認ください。
Q. 屋上防水の改修費はいくらくらいですか?
A. 工法や下地の状態で変わりますが、1㎡あたり5,000〜8,000円程度が目安です。物件ごとに大きく変動しますので、無料で概算をお出しできます。
Q. 足場を組む余裕がない建物でも、漏水を直せますか?
A. 直せる場合が多いです。ロープアクセス工法なら、屋上から壁面へ直接降りて、調査からシーリングの打ち替えまで進められます。足場とロープを組み合わせるハイブリッド工法も選べます。
Q. 相模原市の旧耐震マンションの耐震診断に、補助はありますか?
A. 市のページには、診断費用の6分の5以内(1住戸あたり5万円まで)の補助が載っています。ただし令和8年度の受付状況の記載がありませんので、建築政策課の耐震推進班(042-769-8252)で確認してください。
Q. 施工事例は見られますか?
A. 明誠の施工事例からご覧いただけます。
まとめ:今週動くこと3点
最後に、今週中に理事会や管理会社へ出していただきたいことを3点にまとめます。
- 市の内水ハザードマップ(中央区版)の地図面で、建物・駐車場出入口・受変電設備・エレベーターピットの位置を確認し、管理組合内で共有する
- 屋上ドレン・バルコニー排水・サッシまわりのシーリングの写真を、管理会社に依頼する。次の大規模修繕の時期と防水の改修履歴も確認する
- 相模川・境川沿いの建物は最新の洪水ハザードマップを、県の告示図書に町名が載っている地区の建物は土砂災害警戒区域の位置を確認する
漏水も浸水も、起きてから直すより、起きる前に水の入口と出口を整えるほうが、はるかに安く済みます。ご相談だけでも遠慮なくお問い合わせフォームからお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。
本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月12日時点で公表されている相模原市、神奈川県、国土交通省、気象庁の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず相模原市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。
出典・参考資料
- 相模原市「内水ハザードマップ」(令和8年10月1日更新)
- 相模原市「内水ハザードマップ(中央区版)地図面」
- 相模原市「洪水ハザードマップ」
- 相模原市「土砂災害ハザードマップ」(令和8年4月23日更新)
- 相模原市「都市計画マスタープラン(中央区)」
- 神奈川県「土砂災害警戒区域及び土砂災害特別警戒区域 告示図書(相模原市中央区)」
- 神奈川県「相模川及び中津川の洪水浸水想定区域図の修正について」(令和7年12月25日)
- 相模原市「旧耐震基準の分譲マンションの地震対策を支援します」
- 相模原市「マンションに関する計画や施策等について」(令和7年12月26日更新)
- 相模原市「分譲マンションアドバイザー派遣制度」
- 国土交通省・経済産業省「建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン(概要)」(令和2年6月)
- 気象庁「日本の気候変動2025」
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年10月12日
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ロープアクセス工法の詳細や実例については、姉妹サイト「ロープアクセスドットコム」の以下の記事もぜひご覧ください。
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