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狛江市のマンション漏水・防災対策|多摩川の逆流浸水と時間153mmの内水想定、大規模修繕の優先順位【2026年度版】

狛江市のマンション漏水・防災対策|多摩川の逆流浸水と時間153mmの内水想定、大規模修繕の優先順位【2026年度版】
本間 幸紘

著作者プロフィール

株式会社明誠 代表取締役

本間 幸紘

大規模修繕・外壁工事・ロープアクセス工事に関する情報を、現場経験をもとに分かりやすくお届けします。

2026年10月7日 更新

狛江市のマンションで、私が大雨の前に真っ先に確かめるのは、1階まわりの排水と、地下ピットや電気室の高さです。狛江市は令和元年東日本台風(台風第19号)で、多摩川の水位が上がって雨水を川へ流せなくなり、さらに川の水が逆流して、市内448世帯が浸水しました。雨は「上から」だけでなく「下から」も建物に入ってきます。

私は株式会社明誠の本間幸紘と申します。拠点は東京都東大和市で、狛江市は同じ多摩地域の街です。20年近く、マンション・ビル・ホテルの外壁と向き合ってきました。仮設足場を組む工事も、メインロープとバックアップロープの2本に接続して壁面に降りる無足場の工事も、どちらも現場でやってきた人間です。

今日は狛江市の公式情報と、国土交通省・気象庁のデータをもとに、狛江市の分譲・賃貸マンションが大規模修繕で先に手を打つべき場所を整理します。


結論:狛江市で優先すべきは「低い場所の設備」「排水経路の逆流対策」「屋上・外壁の防水周期」です

先に結論を申し上げます。狛江市のマンションでは、次の3つを最初に確認することをお勧めします。

  1. 洪水ハザードマップと内水ハザードマップで、建物の位置と浸水深を確認する:多摩川版、野川・入間川版、内水版の3種類があります。令和8年3月に新しい雨水出水浸水想定区域図も公表されました
  2. 受変電設備・給水ポンプ・地下ピットの設置階と、敷地内排水の逆流対策を図面で調べる:令和元年の浸水は、川の水位上昇と逆流が原因でした。設備の高さと逆止弁(逆流を止める弁)の有無が分かれ目になります
  3. 屋上防水・シーリングの改修時期を確認する:前回から12〜15年を超えていれば、豪雨のたびに水の回り込みが進みます

狛江市は、市域のほとんどが平らな低地で、南を多摩川、北を野川が流れる街です。土砂災害の警戒区域は1か所だけですが、そのぶん「水が引きにくい」「排水が詰まる」という平地ならではの弱点があります。順に見ていきます。

狛江市のハザードマップを1枚で読む(洪水/内水/土砂/液状化/津波)

狛江市の公式ページでは、防災マップ、洪水ハザードマップ(多摩川氾濫版/野川・入間川氾濫版)、浸水継続時間マップ、土砂災害ハザードマップ、内水ハザードマップを公開しています。主なマップは令和8年3月2日付のPDFに差し替えられ、ページの更新日は2026年4月16日です(出典:狛江市「狛江市防災マップ、ハザードマップ、防災ミニアプリ」)。

種別 狛江市の公表状況 私の読み方
洪水(多摩川) 国の洪水浸水想定区域図をもとに作成。多摩川流域に48時間で総雨量588mmの大雨を想定 多摩川寄りの物件は浸水深と浸水継続時間を確認
洪水(野川・入間川) 東京都の区域図をもとに作成。1時間最大153mm、24時間690mmを想定 市の北側の物件はこちらのマップも確認
内水(雨水出水) 令和8年3月に雨水出水浸水想定区域図を公表。1時間153mm、24時間690mmを想定 川から離れた物件こそ一度見てください
土砂災害 警戒区域は「東野川四丁目30番の一部地域(調布市境)」の1か所 該当地に接する物件以外は優先度は低め
液状化 市の当該ページに記載なし 本記事では断定しません。東京都の公開資料で物件ごとに確認
津波・高潮 内陸の市で、市のページに記載なし 本記事では扱いません

洪水(多摩川):想定は「48時間で588mm」

市の多摩川氾濫版のマップは、国土交通省関東地方整備局京浜河川事務所が作成した洪水浸水想定区域図(想定最大規模)をもとにしています。この国の区域図は多摩川・浅川・大栗川を対象に、流域の多くの自治体を含むものですが、狛江市のマップで示されているのは、多摩川が氾濫した場合の市内の浸水範囲と深さです。想定条件は、多摩川流域で48時間の総雨量588mmとされています(出典:同ページ、国土交通省 京浜河川事務所「洪水浸水想定区域図」)。

市は「浸水継続時間マップ」も公開しています。マンションにとって、この「何時間水が引かないか」は大事な情報です。水につかった時間が長いほど、電気設備やエレベーターの復旧に時間がかかるからです。

洪水(野川・入間川):1時間153mmの想定

市の北側については、東京都が作成した洪水浸水想定区域図をもとに、野川が氾濫した場合のマップがあります。想定した雨量は1時間最大153mm、24時間総雨量690mmです(出典:同ページ)。市の北部にお住まいの方は、多摩川版だけで安心せず、こちらも確認してください。

内水:令和8年3月に新しい区域図、時間153mmを想定

ここが、今年の狛江市で一番大きな変化です。市は水防法第14条の2に基づき、「雨水出水浸水想定区域図」を作成・公表しました(ページ登録日は2026年3月4日)。主な作成条件は次のとおりです(出典:狛江市「雨水出水浸水想定区域の指定・公表について」)。

  • 対象降雨:想定最大規模降雨(1時間153mm、総雨量690mm)
  • 下水道施設:令和6年度末時点のデータ
  • 河川の水位:排水先の河川等の水位が計画堤防高まで上がるものとして計算
  • 地盤:国土地理院の5mメッシュ標高と、建物の高さを反映した3D都市モデルを利用

市のページによると、狛江市で過去に観測した最大の雨は時間79.5mm(平成17年9月4日)で、想定の153mmはその約2倍です。気象庁は1時間80mm以上の雨を「猛烈な雨」と区分しています(出典:同ページ、気象庁「雨の強さと降り方」)。

もう一つ、管理組合やオーナーの皆さまに知っておいていただきたい点があります。この区域図をもとに作った内水ハザードマップは、不動産取引の重要事項説明の対象になると、市のページに明記されています。賃貸マンションのオーナーさまにとっては、入居募集や売却のときに説明される情報だということです。

土砂災害:警戒区域は1か所

市の公式ページによると、令和元年9月26日に東京都が指定した狛江市の土砂災害警戒区域は「東野川四丁目30番の一部地域(調布市境)」です(出典:狛江市「土砂災害警戒区域が指定されました」)。このページの更新日は2021年6月30日ですので、最新の指定状況は東京都建設局の区域図でもご確認ください。

狛江市の地域特性と漏水事故の関係:平らな低地、多摩川への排水、築古の中低層マンション

狛江市は、多摩川がつくった平らな土地に市街地が広がる、面積の小さな街です。私の感覚では、こうした街の水害は「川があふれる」より先に「排水が追いつかない」形で起きやすいと考えています。

多摩川寄りの低い場所のマンション:地下ピット、1階の電気室、ポンプ室が弱点です。外壁がきれいでも、設備側で被害が出ます。敷地の雨水が下水道へ流れず、逆に下水道側から水が上がってくることもあります。

1階に住戸や店舗があるマンション:床下点検口、配管の貫通部、エントランスの段差が水の入口になります。市の浸水深の目安では、0.45mが家屋の1階床高に相当するとされています(出典:雨水出水浸水想定区域のページ)。

築30〜40年の中低層マンション:私が現場でよく見るのは、築35年前後で一度も屋上防水をやり直しておらず、最上階の天井に染みが出てから相談される流れです。そうなると、防水だけでなく下地や内装の補修まで必要になり、費用が膨らみます。

令和元年東日本台風で、狛江市に何が起きたか

狛江市の公表資料(令和2年8月6日現在)によれば、令和元年東日本台風による市内の浸水被害は、床上浸水102棟・134世帯、床下浸水199棟・314世帯でした。被害は駒井町一丁目・三丁目、猪方二丁目、中和泉四丁目・五丁目、西和泉一丁目・二丁目に集中しています(出典:狛江市「台風第19号に伴う市内の被害状況等」)。

この表で、私が気になったのは西和泉二丁目です。床下浸水が14棟で104世帯となっており、棟数に比べて世帯数がかなり多くなっています。集合住宅が含まれていたと読むのが自然です。マンションも「床下」の被害と無縁ではないということです。

市が専門家に委託してまとめた最終報告では、多摩川の水位上昇によって2か所の雨水幹線(多摩川雨水幹線・根川雨水幹線)から十分に放流できなかったこと、そして多摩川から河川水が逆流したことで、雨水幹線を中心に低地部で浸水が広がったとされています(出典:狛江市「令和元年東日本台風に伴う浸水被害対策 最終報告」(令和2年9月))。

その後、市は対策を進めています。六郷・猪方の2か所の排水樋管(ひかん:堤防を横断して川へ水を流す水路)で、水位計とWebカメラの設置、ゲートとポンプの遠隔操作化を行いました。令和4年度には中和泉四丁目16番先で根川第1雨水幹線の逆流防止ゲートを設置し、現在は根川雨水幹線のポンプ場の建設に向けて、令和8年度に根川公園で遺跡調査を進めています(出典:狛江市「浸水原因の究明と対策について」、2026年5月7日更新)。

正直に申し上げます。行政の大きなポンプ場ができるまでには、まだ時間がかかります。その間に建物側でできるのは、設備を守ること、敷地内の排水経路を点検すること、そして防水を周期どおりに更新することです。

気象庁のデータ:強い雨は増えています

気象庁の「日本の気候変動2025」によれば、全国の1時間降水量50mm以上の年間発生回数は、1976〜1985年の約226回から2015〜2024年の約334回へ、約1.5倍に増えています(出典:気象庁「日本の気候変動2025」)。これは全国の統計で、狛江市に限った数字ではありません。ただ、防水や排水の設計が想定していた雨より、実際の雨のほうが強くなる方向にあることは、現場の実感とも一致します。

大規模修繕でチェックすべき漏水ポイント7つ

大規模修繕の現場で、漏水の原因として私が優先して見る7か所を、費用感とあわせて整理します。金額は目安で、建物の状態や規模で大きく変わります。

  1. 屋上防水:改修周期は一般に12〜15年が目安です。防水工事の㎡単価は工法により5,000〜8,000円/㎡程度が一つの参考値です
  2. シーリング(目地・サッシまわりの充填材):10年前後で硬化・断裂し、雨水の入口になります
  3. バルコニー排水:排水溝の勾配不良や砂詰まりは、豪雨時に下階への漏水を引き起こします
  4. 屋上ドレン(排水口):落ち葉や砂で詰まると、屋上に水がたまります。時間153mmという想定を見ると、ドレンの詰まりは放置できません
  5. 防水の立上り:パラペット(屋上の外周の低い壁)や設備基礎との取り合いは、最も傷みが早い部位の一つです
  6. サッシまわり:枠と躯体の間のシーリング、窓下の水切りを確認します
  7. エキスパンションジョイント:棟と棟のつなぎ目は、動きがあるため劣化しやすく、見落としがちです

狛江市のような平地のマンションでは、これに加えて「1階まわりの床下・ピットへの浸水経路」と「敷地内の雨水桝・排水管の逆流」もワンセットで見るようにしています。私の経験上、上の7か所のうち3か所以上に傷みがある建物は、すでに内部への水の回り込みが始まっていることが多いです。調査の段階で赤外線やドローンを使った点検を併用すると、足場を組む前に状態を把握できます(詳しくは明誠の漏水対応のご紹介をご覧ください)。

費用の感覚もお伝えします。私の現場感覚の目安で、物件により大きく変動しますが、ドレン清掃や部分的なシーリング補修といった応急対応は数万〜数十万円規模、屋上防水の全面やり替えは面積に応じて数百万円規模になることが一般的です。30戸規模のマンションの大規模修繕工事は総額3,500〜5,000万円のレンジで、そのうち仮設足場が15〜25%を占めます。料金の考え方は明誠の大規模修繕の料金の考え方でも整理しています。

漏水緊急対応でロープアクセスが強い理由(足場を組む時間がありません)

台風や豪雨の後、「最上階の天井から水が落ちている」「外壁のひびから雨が入る」という連絡をいただくことがあります。足場を組む工事では、手配と架設で1〜2週間かかるのが普通です。その間にも雨は降ります。

ロープアクセス工法(産業用ロープで壁面に降りて作業する無足場の工法)なら、原因箇所の特定と応急処置を、足場なしで短期間に行えるケースが多いです。作業員はメインロープとバックアップロープの2本に接続し、2点以上の吊元を確保して作業します。これは国際産業ロープアクセス協会(IRATA)の考え方でも標準とされている二重の安全確保です。

狛江市は住宅が密集し、敷地にゆとりのないマンションも少なくありません。隣地との距離が近く足場を組みにくい壁面でも、ロープアクセスなら作業できる場合があります。

仮設足場の費用も、目安として10階建て・外周80mのマンションで足場約168万円に対し、ロープアクセスでは約59万円(差額約109万円)という試算があります。工期も足場工法の約60%が目安です。条件によって差は出ますので、詳細は現地調査のうえでお見積りします。

株式会社明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセスでの高所作業については、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。作業員はIRATA水準の技能訓練を受け、品質面ではISO9001のマネジメントシステムを運用し、日本ロープ高所作業協会の事務局も担当しています。明誠のこれまでの施工事例は明誠の施工事例からご覧いただけます。

工法の技術的な詳細は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムで、安全管理や訓練体制はロープアクセスの技術解説記事で詳しくご覧いただけます。発注者さま向けの工法のご紹介は、明誠のロープアクセス工法のページにまとめています。

防災上の共用部(避難通路/エレベーター/受電設備/給水ポンプ/自家発)の位置と修繕優先度

漏水対策は、防災対策と地続きです。狛江市のように浸水が「下から」来やすい街では、私は共用部を次の順番で見るようお勧めしています。

優先度 共用部 見る点
高 受変電設備・電気室 設置階が低くないか。浸水すると停電とエレベーター停止につながります
高 給水ポンプ・受水槽 浸水や地震で止まると断水します。耐震固定と設置階を確認します
高 敷地内排水・雨水桝 逆止弁の有無、桝の詰まり、地下ピットの排水ポンプの作動を確認します
中 非常用電源(自家発) 燃料の備蓄量と、燃料タンクの設置位置を確認します
中 エレベーター ピットへの浸水、停止時の防災キャビネット、復旧までの対応を整理します
中 避難通路・階段 屋外階段の防水と手すり、通路の排水を確認します

狛江市の「中高層マンション防災ガイド」でも、中高層マンションは倒壊の危険性が低いため、発災後は避難所ではなく自宅で生活することが想定されると書かれています(出典:狛江市「中高層マンション防災ガイド」、2015年11月作成)。自宅で過ごすには、電気と水が止まらないことが前提です。だから私は、設備の位置と燃料の量を、外壁と同じ重さで点検するようにしています。

市は防災ミニアプリで、六郷・猪方の排水樋管の水位情報も公開しています。台風の接近時に理事会や管理員さんが見る画面として、一度確認しておくと安心です。

東京都が実施するマンション防災の支援制度もあります。内容は年度ごとに変わりますので、申請前に東京都マンションポータルサイトで令和8年度の最新情報をご確認ください。

狛江市で使える防災補助・耐震助成(令和8年度)と税の減額制度

狛江市は「住宅関係支援ガイドブック 令和8年度」で、分譲マンション向けの耐震関連の制度をまとめています。主な内容は次のとおりです(出典:狛江市「住宅関係支援ガイドブック 令和8年度」)。

制度 主な対象 助成内容(令和8年度)
分譲マンション耐震化促進アドバイザー派遣 昭和56年5月31日以前に建築確認、耐火・準耐火、原則3階以上 無料。1回2時間、年度あたり5回まで
分譲マンション耐震診断助成金 同上(賃貸住宅は対象外) 延べ床面積×4,580円と診断費用の低い方の3分の2(限度額100万円)
分譲マンション耐震補強設計助成金 Is値0.6未満を0.6以上相当にする設計 延べ床面積×2,000円と設計費用の低い方の2分の1(限度額200万円)
分譲マンション耐震補強改修助成金 評定を受けた設計どおりの改修 延べ面積1,000㎡以上:1㎡あたり51,700円(Is値0.3未満相当は56,900円)と工事費の低い方の3分の1。1,000㎡未満:1㎡あたり34,100円と工事費の低い方の23%(いずれも限度額1,500万円)

申請期間は令和8年4月1日〜12月15日、完了報告書の提出期限は令和9年2月26日です。耐震診断助成は事前協議が前提です。問い合わせ先は、狛江市都市建設部まちづくり事業課住宅係(03-3430-1359)です。なお、市の「中高層マンション防災ガイド」(2015年作成)には耐震診断助成を「2分の1」とする古い記載が残っています。現行の条件は、上の令和8年度ガイドブックでご確認ください。

同じガイドブックには、共同住宅の共用部分に使える制度も載っています。屋根の高反射率塗装(地球温暖化対策用設備導入助成金。材料費の4分の1以下、共同住宅の共有部分は上限20万円)や、共用部分の段差解消・手すり設置などの改修(みんなにやさしい生活空間づくり推進事業補助金。費用の2分の1、限度額50万円)です。大規模修繕と同じ時期に行う工事がないか、見積りの段階で一緒に整理しておくと無駄がありません。予算の範囲を超えると受付を締め切る場合があると書かれていますので、早めの相談をお勧めします。

管理計画の認定などを受けたマンションで長寿命化に資する大規模修繕工事を行った場合、翌年度の建物部分の固定資産税を減額する制度もあります。東京都主税局の案内に基づく主な要件は次のとおりです(出典:東京都主税局「長寿命化に資する大規模修繕工事が行われたマンションに対する固定資産税の減額制度」)。

  • 築後20年以上、総戸数10戸以上のマンション
  • 令和5年4月1日から令和9年3月31日までの間に、外壁塗装・床防水・屋根防水の長寿命化工事を完了すること
  • 管理計画の認定を受けているか、管理適正化に向けた助言・指導を受けていること
  • 申告は工事完了後3か月以内

東京都の案内は23区を対象にしたものです。狛江市の固定資産税は市が課税しますので、減額割合や申告の手続きは狛江市の課税担当でご確認ください。工事の完了期限が令和9年3月31日ですので、今から大規模修繕を計画する管理組合は、工期との兼ね合いを早めに整理することをお勧めします。

まとめ+今週動くこと3点

狛江市の漏水・防災対策は、「低い場所の設備」「排水経路の逆流対策」「防水の周期管理」の3点に集約されます。令和元年の浸水と、今年公表された時間153mmの内水想定を並べて見ると、川から離れた物件も含めて前提を見直す時期に来ていると私は考えています。

今週、理事会や管理会社へ次の3点をお伝えください。

  1. 狛江市の洪水ハザードマップ(多摩川版・野川・入間川版)と内水ハザードマップで、建物の位置と浸水深を確認する(国土交通省のハザードマップポータルサイトも併用できます)
  2. 屋上ドレン、バルコニー排水溝、敷地の雨水桝、地下ピットの排水ポンプを点検する(落ち葉・砂の撤去。専門業者に依頼する場合も、まず状況の写真をお撮りください)
  3. 受変電設備・給水ポンプの設置階と、前回の防水工事の時期を図面と記録で確認する(12〜15年を超えていれば、調査のご相談を。昭和56年5月以前の建物は、市の耐震アドバイザー派遣の申請期限12月15日もあわせて確認を)

10月はまだ台風の影響が残る季節です。理事会で1分だけでも、この話題を出してみてください。同じ多摩地域で仕事をする人間として、狛江市のマンションが、豪雨のたびに住民の皆さまを不安にさせない状態であってほしいと願っています。

ビルオーナーさま向けにはビルオーナー向けのサービス、管理組合さま向けには管理組合向けのサービスをご用意しています。個別のご相談はお問合せフォームから承ります。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。

よくあるご質問

Q. 狛江市のマンションで、多摩川の洪水の心配はありますか?

A. 市は多摩川氾濫版の洪水ハザードマップを公表しており、多摩川流域に48時間で総雨量588mmの大雨を想定しています。浸水継続時間マップもありますので、物件ごとの浸水深とあわせてご確認ください。

Q. 多摩川から離れていれば、浸水は心配ありませんか?

A. 市は令和8年3月に、時間153mmの雨を想定した雨水出水浸水想定区域図を公表しました。令和元年の浸水も、川があふれる前に雨水を排水できなくなったことが原因の一つでした。区域図と内水ハザードマップをご確認ください。

Q. 緊急の漏水は、足場なしで対応できますか?

A. 原因箇所の特定と応急処置であれば、ロープアクセス工法で足場なしの短期対応が可能なケースが多いです。原因や規模により異なりますので、まず現地調査をお勧めします。

Q. 屋上防水のやり直しはいくらかかりますか?

A. 工法により5,000〜8,000円/㎡程度が目安ですが、既存防水の状態や面積で変動します。無料で概算お見積りを提示しますので、ご相談ください。

Q. 大規模修繕の工期はどれくらいですか?

A. ロープアクセス工法は、足場工法の約60%の工期が目安です。10階建て・外周80mの例では、足場3か月に対し1.5〜2か月です。

Q. 狛江市に、分譲マンションの耐震診断の助成はありますか?

A. 令和8年度は、昭和56年5月31日以前に建築確認を受けた分譲マンションを対象に、診断費用(延べ床面積×4,580円が上限)の3分の2、限度額100万円の助成があります。申請期間は12月15日までで、事前協議が必要です。

Q. 狛江市に土砂災害の危険がある場所はありますか?

A. 市の公式ページでは、土砂災害警戒区域は東野川四丁目30番の一部地域(調布市境)の1か所とされています。最新の指定状況は東京都建設局の区域図でもご確認ください。

Q. 固定資産税の減額制度は使えますか?

A. 築20年以上・10戸以上で、長寿命化工事を令和9年3月31日までに完了し、管理計画の認定または助言・指導を受けていることなどが要件です。減額割合と手続きは狛江市の課税担当でご確認ください。


本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月7日時点で公表されている狛江市および国土交通省・東京都・気象庁の公式情報をもとに執筆しています。助成制度は「住宅関係支援ガイドブック 令和8年度」に基づきます。台風被害の集計(令和2年8月6日現在)、浸水原因の最終報告(令和2年9月)、中高層マンション防災ガイド(2015年)、土砂災害警戒区域のページ(2021年6月30日更新)など、掲載日が古い資料はその旨を本文に明記しました。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、狛江市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。

出典・参考資料

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月7日


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