本間社長ブログ
マンション修繕費が1戸156万円で過去最高、13年比1.67倍|経済調査会「修繕費指数2026」で分かった“仮設費2.2倍”と、管理組合・オーナーが今できる備え【2026年10月】
目次

-
著作者プロフィール
株式会社明誠 代表取締役
本間 幸紘
大規模修繕・外壁工事・ロープアクセス工事に関する情報を、現場経験をもとに分かりやすくお届けします。
この記事で分かること
「前回の大規模修繕から12年。同じような工事なのに、見積りが1.5倍を超えてきた」——。最近、理事長さまやオーナーさまから、こうしたご相談をいただくことが本当に増えました。
その実感を裏付ける数字が、9月末に公表されました。一般財団法人 経済調査会が公表した「マンション修繕費指数」2026年版によると、2013年を100とした指数は166.8ポイントで調査開始以来の最高値。1戸あたりの平均修繕費は156.0万円で、前年から3.6%増えました(出典:経済調査会「マンション修繕費指数」2026年版を公開、2026年9月29日)。
この記事では、次の問いにお答えします。マンションの大規模修繕費は、なぜここまで上がっているのか? その中で、管理組合や賃貸マンションのオーナーは、何を確認し、どう備えればよいのか?
結論を先に書きます。
- 大規模修繕費は2013年比で約1.67倍。ただし直近1年の伸びは3.6%で、急騰していた前回(2年で年平均7.7%)より上昇ペースは鈍化しています。
- 内訳で最も伸びが大きいのは足場などの「仮設」で、1戸あたり17.8万円(2013年)→38.7万円(2026年)と約2.2倍。工事費の約4分の1を占めます。
- 一方で「その他工事」の比率は14.0%→9.5%に低下。限られた積立金を主要工事に回し、ほかの工事を先送りする動きが数字に表れています。
- 備えの柱は、①指数と構成比率を使った見積りチェック、②長期修繕計画と修繕積立金の見直し、③仮設費を含めた工法の比較(足場・ロープアクセス・ハイブリッド)の3つです。
本記事の数値は、2026年10月14日時点で経済調査会・国土交通省が公表している資料に基づいています。最新の情報は各機関の公式サイトでご確認ください。
2026年10月14日 更新
ニュースの要点|修繕費指数は166.8、1戸あたり156.0万円
指数は過去最高、ただし伸びは鈍化
まず、経済調査会の発表を整理します。
| 項目 | 2025年調査 | 2026年調査 | 変化 |
|---|---|---|---|
| マンション修繕費指数(2013年=100) | 161.1 | 166.8 | +5.7ポイント |
| 1戸あたり平均修繕費総額 | 150.6万円 | 156.0万円 | +3.6% |
| 2013年との比較 | 約1.61倍 | 約1.67倍 | 過去最高を更新 |
出典:経済調査会「マンション修繕費指数」2026年版(2026年9月29日)、同2025年版(2025年9月4日)
「マンション修繕費指数」とは、民間のマンション大規模修繕工事費が、基準年の2013年からどれだけ変わったかを示す数字です。100なら2013年と同じ、166.8なら約1.67倍という意味になります。経済調査会は、建設資材の価格や工事費を調べている一般財団法人で、この指数は2025年9月から公開が始まりました。
注目したいのは、前回の2025年調査では、2023年からの2年間で年平均7.7%という急騰だったのに対し、今回は1年で3.6%増と、ペースが落ち着いてきたことです。
2013年からの推移
12年あまりの流れを並べると、次のようになります。
| 調査年 | 1戸あたり平均修繕費 | 指数 |
|---|---|---|
| 2013年 | 93.5万円 | 100.0 |
| 2014年 | 93.9万円 | 100.4 |
| 2019年 | 119.5万円 | 127.8 |
| 2021年 | 124.1万円 | 132.7 |
| 2023年 | 129.9万円 | 138.9 |
| 2025年 | 150.6万円 | 161.1 |
| 2026年 | 156.0万円 | 166.8 |
出典:経済調査会「マンション修繕費指数」2026年版。2015〜2018年はサンプル不足で調査未実施、2019〜2025年は隔年、2025年以降は毎年の調査です。
2013年から2023年までの10年間で約1.39倍。そこからわずか3年で1.67倍まで跳ね上がったことが分かります。私が現場で感じている「ここ数年の値上がりの速さ」と、ほぼ同じ感覚です。
なぜ上がっているのか
経済調査会は、上昇の背景として建設資材価格の高騰や、人手不足による人件費の上昇を挙げています(出典:同2025年版)。2026年版でも、資材価格の上昇・高止まりが続き、指数は上昇基調が続く可能性が高いとの見通しが示されています。
塗料やシーリング材、防水材などの石油系の材料、足場の鋼材、そして職人さんの手間賃。大規模修繕は、そのすべての値上がりを受ける工事です。
内訳を読む|いちばん伸びたのは「仮設(足場)」
工事別の構成比率
今回の発表で私がいちばん注目したのは、工事の内訳です。
| 工事区分 | 2013年(1戸あたり) | 2026年(1戸あたり) | 伸び | 2026年の構成比率 |
|---|---|---|---|---|
| 仮設 | 17.8万円 | 38.7万円 | 約2.17倍 | 24.8% |
| 躯体・外装 | 27.2万円 | 38.3万円 | 約1.41倍 | 24.6% |
| 防水 | 28.5万円 | 45.8万円 | 約1.61倍 | 29.4% |
| その他 | ― | ― | ― | 9.5% |
| 修繕費総額 | 93.5万円 | 156.0万円 | 約1.67倍 | 100% |
出典:経済調査会「マンション修繕費指数」2026年版をもとに筆者が伸び率を計算。諸経費率は2026年で11.8%です。
ここでいう「仮設」とは、工事のために一時的に設ける足場や養生シート、現場事務所などのことです。大規模修繕では、その大部分を外壁を囲う足場が占めます。
仮設費は12年あまりで約2.2倍。総額の伸び(約1.67倍)を大きく上回り、工事区分の中で最も伸びています。 構成比率も19.0%(2013年)から24.8%(2026年)に上がりました。いまや工事費のおよそ4分の1が「仮設」です。
防水は屋根防水の伸びが目立つ
防水工事も1戸あたり28.5万円→45.8万円と大きく伸びています。細かく見ると、屋根防水が9.9万円→18.2万円と、ほぼ倍増です。シーリング(外壁の目地を埋めるゴム状の材料)防水も7.1万円→10.5万円に上がっています。
「その他工事」が減っている意味
もう一つ見逃せないのが、「その他工事」の比率が前回の14.0%から9.5%へ下がったことです。経済調査会は、これを限られた修繕積立金を主要工事に優先配分し、その他工事の範囲や時期を調整して総額を抑えようとする動きの表れと推測しています。
その他工事には、たとえば外構(駐車場や植栽まわり)、手すりや設備まわりの改修などが入ります。予算が足りないときに、こうした工事を後回しにするのは、現場でもよく見る判断です。
ただ、私は先送りそのものより、「何を、いつまで先送りしたのか」が記録に残っていないことの方が怖いと考えています。次の長期修繕計画の見直しで、先送りした工事をどこに入れ直すのか。これを決めておかないと、数年後にまとめて大きな出費になります。
管理組合・オーナーが受ける影響
修繕積立金が足りなくなるリスク
国土交通省の令和3年度の調査では、大規模修繕工事の戸あたり工事金額は「100〜125万円/戸」の割合が最も高いという結果でした(出典:国土交通省 マンション大規模修繕工事に関する実態調査)。
もし長期修繕計画が、数年前の単価のまま作られていたら、どうなるでしょうか。今回の指数の平均値(156.0万円)と比べると、1戸あたり30万円以上の差が出ることもあり得ます。 60戸なら1,800万円を超える計算です。
もちろん、平均値はあくまで平均で、建物ごとに工事の中身は大きく違います。それでも「計画の単価が古い」こと自体が、積立金不足の大きな原因になり得ることは、覚えておいていただきたいと思います。
国のガイドラインは、積立金の引き上げ幅に目安を示している
国土交通省は、令和6年6月7日に「長期修繕計画作成ガイドライン・同コメント」と「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」を改定しました。そこでは、段階的に積立金を引き上げる「段階増額積立方式」の場合、初期額は均等に積み立てた場合の基準額の0.6倍以上、最終額は1.1倍以内とする考え方が示されています(出典:国土交通省 報道発表資料(令和6年6月7日))。
最初の積立額を低く抑えすぎると、後から大幅な値上げが必要になり、合意がとれずに積立金不足につながる——。国はそうした事態を防ぐために、この考え方を示しています。改定後のガイドラインは、国土交通省「マンション管理について」で公開されています。
賃貸オーナーは「利回り」に直結する
賃貸マンションやビルのオーナーさまの場合、修繕費の上昇はそのまま手取りの家賃収入(利回り)に響きます。分譲マンションのように積立金を集める仕組みがない分、ご自身で修繕の資金を準備する必要があります。
修繕を先送りすれば、外壁の劣化や雨漏りが進み、入居者の満足度や物件の評価にも影響します。「上がる前提」で修繕の資金計画を組み直すことが、資産価値を守る第一歩です。
今できる3つの備え
備え1:指数と構成比率で、見積りをチェックする
経済調査会は、構成比率を使った見積りのチェック方法も示しています(出典:同2025年版)。手順を、私なりに分かりやすく言い直すと次のとおりです。
- 「1戸あたり平均額 × 戸数」で、ざっくりとした工事費を出す(例:156.0万円 × 60戸 = 約9,360万円)
- 手元の見積りの総額と比べる
- 「その他工事」の比率の違いを調整して、もう一度比べる
- 仮設・躯体外装・防水の比率を比べ、差が大きい項目の中身を確かめる
たとえば、見積りの仮設費の比率が平均(24.8%)より大きく上回っていたら、「足場の範囲や期間はどうなっているか」「別の工法で減らせないか」と質問するきっかけになります。
ただし、経済調査会自身も、マンションごとに仕様や状態が違うため、金額の多寡だけで見積りの水準を判断するのは難しいと注意しています。平均との差は「悪い見積り」の証拠ではなく、「理由を聞くべき箇所」の目印として使ってください。
備え2:長期修繕計画と修繕積立金を見直す
2026年版の発表でも、積立金の水準や長期修繕計画の見直しを検討する動きが、管理組合の間で広がる可能性が指摘されています。
見直しのときに確認したいポイントを整理します。
| 確認すること | 見るポイント |
|---|---|
| 計画の単価 | いつの単価で作られているか。直近の資材・人件費の上昇が反映されているか |
| 計画期間 | 国のガイドラインでは、既存マンションも大規模修繕2回を含む30年以上が目安 |
| 積立方式 | 段階増額の場合、将来の引き上げ幅が大きすぎないか |
| 先送りした工事 | 「その他工事」で後回しにした項目が、計画に入れ直されているか |
| 工法の前提 | 足場を前提にした計画になっていないか。ほかの工法の可能性を検討したか |
最後の「工法の前提」は、意外と見落とされがちです。多くの長期修繕計画は、外壁の工事を全面足場で行う前提で費用が組まれています。
備え3:仮設費を含めて、工法を比べる
仮設費が工事費の約4分の1を占め、しかも最も速いペースで上がっている。この事実は、「足場をどう組むか」「そもそも足場が要るのか」を考えることが、工事費全体に効くということでもあります。
明誠では、大規模修繕工事のご紹介でご案内しているとおり、通常足場・ロープアクセス・ハイブリッドの3工法から、建物ごとに比べてご提案しています。
仮設費を抑える選択肢|足場・ロープアクセス・ハイブリッド
3つの工法の比較
| 工法 | 特徴 | 向いている建物・部位 |
|---|---|---|
| 通常足場工法 | 建物の外周に足場を組んで施工。作業量の多い面や大がかりな補修に強い | 中低層、形状が複雑な建物、下地補修が多い面 |
| ロープアクセス工法(無足場工法) | 屋上などからロープで外壁に降りて施工。足場の仮設費と工期を抑えやすい | 高層、足場を組みにくい立地、部分補修・調査 |
| ハイブリッド工法 | 部位ごとに足場とロープアクセスを使い分ける | 大規模・複雑な建物で、総額を最適化したい場合 |
ロープアクセス工法の安全について
ロープアクセス工法は、屋上などに設けた支点からロープを吊り下げ、作業員がそのロープを使って外壁の作業を行う工法です。
安全面について正確に書いておきます。作業員はメインロープとバックアップロープの2本に接続し、吊元(ロープを固定する支点)も2点以上確保して作業します。万一1本に問題が起きても、もう1本で体が保持される二重の安全確保が、国際的な産業ロープアクセスの基準に沿った業界標準です。技術的な基準や実例は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムで詳しく解説しています。
明誠のロープアクセス工法の特徴は、明誠のロープアクセス工法の技術詳細でもご紹介しています。
費用の目安
明誠でよくご相談いただく工種の単価帯は、次のとおりです。建物の状態・規模・仕様で大きく変わるため、参考値としてご覧ください。
| 工種 | 単価の目安 |
|---|---|
| 外壁塗装 | 3,500〜4,500円/㎡ |
| 外壁打診調査 | 250〜500円/㎡ |
| 防水工事 | 5,000〜8,000円/㎡ |
※明誠の施工事例をもとにした目安で、2026年10月時点のものです。資材価格の変動により変わる場合があります。
足場の費用を抑えると、工事費全体の構成がどう変わるかは、大規模修繕の料金の考え方でも説明しています。
ロープアクセスが向かないケースもある
公平のために書いておくと、ロープアクセス工法はすべての建物に向くわけではありません。
- 下地補修やタイルの張り替えが大量にある面は、足場の方が効率的なことがある
- 屋上に吊元を確保できない建物では、そもそも採用が難しい
- 低層で足場が安く組める建物では、差が小さくなることもある
だからこそ私は、一つの工法を前提にせず、現地調査をしてから3つを比べることを大切にしています。
想定ケースで考える|関東・築24年・60戸のマンション
具体的なイメージを持っていただくために、首都圏(東京都多摩地域や神奈川県・埼玉県の郊外)によくある、築24年・60戸・10階建てのマンションを想定してみます。数字はすべて説明のための仮定です。
平均値で計算すると
今回の指数の平均値を、そのままこの建物に当てはめてみます。
- 工事費の概算:156.0万円 × 60戸 = 約9,360万円
- うち仮設(24.8%):約2,320万円
- うち防水(29.4%):約2,750万円
- うち躯体・外装(24.6%):約2,300万円
13年前(2013年)の1回目の大規模修繕が当時の平均(93.5万円/戸)並みだったとすると、当時は約5,610万円。同じような工事でも、約3,750万円の差が出る計算です。積立金の計画が前回の実績をもとにしていれば、不足が生じても不思議ではありません。
仮設費を見直すとどうなるか
この建物で、外壁の多くの面をロープアクセス工法で施工でき、足場は低層部や補修の多い面だけに絞れたとします(ハイブリッド工法)。仮に仮設費が半分程度に収まれば、1,100万円を超える差になります(ロープアクセス側の作業費の増減は考慮しない単純計算です)。
もう一度強調しますが、これはあくまで仮定の計算です。実際にどれだけ下がるかは、建物の高さ・形状・屋上の構造・劣化の状態で大きく変わります。ただ、仮設費の比率が高まっている今だからこそ、工法の比較で得られる差も大きくなりやすいことは、知っておいていただきたいと思います。
工期の短さも効いてくる
足場の費用は、組んでいる期間(工期)にも左右されます。工期が短くなれば、足場のレンタル期間や現場管理の費用も小さくなりやすく、居住者の方がベランダを使えない期間や、窓を開けにくい期間も短くなります。
賃貸物件なら、工事中の入居者募集への影響も小さくできます。費用と生活への影響の両方で、工期は大切な比較ポイントです。
管理組合と賃貸オーナー、それぞれの視点
分譲マンションの管理組合の方へ
修繕費の上昇局面では、積立金の値上げと、工事の中身・工法の見直しを、同じテーブルで話し合うことをおすすめします。「値上げしか道がない」と説明されるのと、「工法を比べた結果、ここまでは抑えられた。そのうえで不足分はこれだけ」と説明されるのとでは、総会での納得感がまったく違います。
管理組合さま向けの進め方は、管理組合向け大規模修繕のご案内でも紹介しています。
賃貸マンション・ビルのオーナーの方へ
オーナーさまは、判断が速いことが強みです。資材価格の上昇基調が続く見通しを踏まえると、劣化診断で必要な工事を早めに把握し、優先順位をつけて計画的に進めることが、結果として総額を抑えることにつながりやすいと考えます。
ビル・賃貸マンションのオーナーさま向けのご案内は、ビル・賃貸マンションオーナー様向けサービスをご覧ください。
関東エリアで相談先を探すときは
東京・神奈川・埼玉・千葉など関東の自治体では、マンションの管理や修繕に関する相談窓口、専門家の派遣制度を設けているところがあります。内容は自治体ごとに異なるため、お住まいの市区町村の公式サイトでご確認ください。
私が現場で見てきたこと
ここからは、少し私自身の話をさせてください。
私がこの仕事を始めたころ、足場は「あって当たり前」のものでした。見積りの1行目に仮設工事があり、誰もそこに疑問を持たない。けれど、20年近く現場に立ってきて、足場の費用が工事の中身に回せたはずのお金を食っている場面を何度も見てきました。
たとえば、外壁のひび割れ補修は一部の面に集中しているのに、見積りは全面足場が前提——というケースは珍しくありません。そうした建物で、補修の多い面だけ足場、残りはロープアクセスという組み方に変えると、浮いた費用で、先送りしかけていた鉄部塗装などを計画に戻せることがあります。私は理事長さまと図面を広げて、こうした組み立てを一緒に考える時間を大切にしています。
数字の上で仮設費が2倍を超えた今、こうした「組み方の工夫」の価値は、以前より大きくなっていると私は感じています。
株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕に携わってきました。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部として、塗装・防水・タイル・電気・看板などの専門職の加盟企業と連携しています。実際の工事の様子は、明誠の施工事例でご覧いただけます。
同業の施工会社の方で、ロープアクセスの技術や安全基準、フランチャイズについて知りたい方には、ロープアクセスドットコム(無足場工法専門メディア)もおすすめです。
注意点|この記事の読み方について
- 「マンション修繕費指数」は、経済調査会が集めた民間のマンション大規模修繕工事費の平均的な動向を示すものです。個々の建物の適正な工事費を示すものではありません。
- 本文中の伸び率(約2.17倍など)は、経済調査会の公表値をもとに筆者が計算したものです。
- 想定ケースの金額はすべて説明のための仮定で、実際の工事費や削減額を約束するものではありません。
- 修繕積立金の見直しや総会での合意形成は、マンション管理士などの専門家にもご相談ください。
よくあるご質問
Q1. マンションの大規模修繕費は、どのくらい上がっていますか?
A. 経済調査会の「マンション修繕費指数」2026年版では、2013年を100として166.8となり、約1.67倍です。1戸あたりの平均修繕費は156.0万円で、前年比3.6%増でした(出典:経済調査会)。
Q2. 修繕費は、これからも上がり続けますか?
A. 経済調査会は、資材価格や工事費の上昇傾向が当面続くとみられ、指数も上昇基調が続く可能性が高いとしています。一方で、直近1年の伸びは前回より鈍化しています。将来の値動きを断定することはできないため、長期修繕計画は定期的に見直すことをおすすめします。
Q3. 工事費の中で、何がいちばん上がっていますか?
A. 2013年からの伸びで見ると、足場などの「仮設」が1戸あたり17.8万円から38.7万円へと約2.2倍で、最も大きく伸びています。構成比率も24.8%と、工事費のおよそ4分の1を占めています。
Q4. 見積りが高いかどうかは、どう判断すればよいですか?
A. 「1戸あたり平均額×戸数」で概算を出し、仮設・躯体外装・防水の構成比率を平均と比べる方法があります。差が大きい項目は、理由を施工会社に質問してみてください。ただし建物ごとに仕様が違うため、平均との差だけで良し悪しは判断できません。
Q5. 修繕積立金の値上げは避けられませんか?
A. 建物の状態や計画によりますが、工事の中身や工法を見直すことで、必要額を抑えられる場合があります。国土交通省のガイドラインでは、段階増額積立方式の初期額を基準額の0.6倍以上、最終額を1.1倍以内とする考え方が示されています(出典:国土交通省)。
Q6. ロープアクセス工法なら、どのマンションでも費用が下がりますか?
A. すべての建物で下がるわけではありません。高層の建物や足場を組みにくい立地では差が出やすい一方、補修量が多い面や吊元を確保できない建物では足場の方が向くこともあります。部位ごとに使い分けるハイブリッド工法も含めて比べるのがおすすめです。
Q7. 明誠に相談すると費用はかかりますか?
A. 建物の現地調査と概算のお見積りは無料で承っています。足場・ロープアクセス・ハイブリッドの3工法を比べたうえで、長期修繕計画の見直しの考え方も含めてご提案します。お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。
この記事のポイントまとめ
- マンション修繕費指数は2026年に166.8で過去最高、2013年比で約1.67倍
- 1戸あたり平均修繕費は156.0万円、前年比3.6%増で上昇ペースは鈍化
- 足場などの仮設費は2013年の約2.2倍で、工事費の約4分の1を占める
- 「その他工事」の比率は14.0%→9.5%に低下し、先送りの動きがうかがえる
- 見積りチェック、長期修繕計画の見直し、工法比較の3つで備える
出典・参考資料
- 一般財団法人 経済調査会「「マンション修繕費指数」2026年版を公開 調査開始以来の最高値を更新」(2026年9月29日)
- 一般財団法人 経済調査会「『マンション修繕費指数』を新たに公開しました」(2025年9月4日)
- 国土交通省「「長期修繕計画作成ガイドライン・同コメント」及び「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」の改定について」(令和6年6月7日)
- 国土交通省「住宅:マンション管理について」
- 国土交通省「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」(令和3年度)
- Housing Tribune Online「マンション修繕費が過去最高 2013年比で1.67倍」(2026年9月30日)
▼ロープアクセス工法・無足場工法の詳細解説はこちら
ロープアクセスドットコム|無足場工法専門メディア
修繕費が上がっている今、私がいちばんお伝えしたいのは「慌てて値上げだけを決めないでください」ということです。工事の中身と工法を比べてから、必要な積立額を考える。その順番を守るだけで、総会での議論はずっと前向きになります。現地調査と概算のお見積りは無料で承っていますので、お問い合わせフォームから、ご相談だけでもお気軽にどうぞ。次回も、現場で本当に使える話だけをお届けします。
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年10月14日
関連記事(姉妹サイト)
ロープアクセス工法の詳細や実例については、姉妹サイト「ロープアクセスドットコム」の以下の記事もぜひご覧ください。
本間社長の著書のご案内
『大規模修繕工事 職人だから言える本当の話 —— 見積書では見えない業界の裏側と、修繕積立金を守る発注術』(Kindle版)を出版しています。20年以上の現場経験から、管理組合・オーナーが修繕積立金を守るための発注術と、業界の内幕を書き下ろしました。

