西東京市のマンション管理計画認定制度|市への手数料は無料・事前確認は1万円から【2026年度版】

結論:西東京市で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか

先に結論です。西東京市でマンションの管理計画認定を申請する場合、市への手数料はかかりません。市の公式ページに「無料」と明記されています(出典:西東京市「マンションの管理計画認定制度」、2026年9月4日更新)。市独自の上乗せ基準もなく、国が定める基準と同じ内容で審査されます。

ただし、申請の前に公益財団法人マンション管理センターの事前確認を受ける流れです。市のページは、この事前確認の費用を10,000円と案内しています。一方、センターの公式ページでは、システム利用料が1申請10,000円(税込)、事前確認審査料がパターンによって別にかかる仕組みです。標準的なルートでは合計2万円前後になる場合がありますので、依頼前にセンターで見積りの内訳を確認してください(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。

もう一つ、見逃せないのが税の特例です。西東京市では、築20年以上・10戸以上のマンションが令和9年3月31日までに長寿命化工事を完了すると、翌年度の建物の固定資産税が3分の1減額されます(出典:西東京市「長寿命化に資する大規模修繕工事が行われたマンションに対する固定資産税の減額制度」、2025年8月8日更新)。

私は東京都東大和市を拠点にしており、西東京市は多摩北部で同じ生活圏にあるエリアです。田無駅、保谷駅、ひばりヶ丘駅の周辺には、築30年前後の分譲マンションが点在しています。市の推進計画には、市内に280棟以上のマンションがあると記載されています。この記事では、西東京市で認定を目指す理事長さまや理事の皆さまに向けて、認定主体、17要件、令和9年4月の基準改正、手数料と申請ルート、経済効果、逆算スケジュールまでを整理します。

西東京市で使える管理計画認定の認定主体はどこか

管理計画認定制度は、令和4年4月に始まった国の制度です。申請を受けて審査し、認定書を出す役所を「認定行政庁」(認定の事務を担う自治体のこと)と呼びます。東京都内では、町村の区域は東京都が、区市の区域は各区市が認定事務を担います(出典:東京都マンションポータルサイト「マンション管理計画認定制度」)。

西東京市は「市」ですので、西東京市が認定行政庁です。市は令和5年8月に「西東京市マンション管理適正化推進計画」を策定し、同月から認定制度を始めました。窓口は住宅課(電話042-438-4052、保谷東分庁舎)です。東京都庁へ出向く必要はありません。

ここで間違えやすい点を書いておきます。東京都のポータルサイトには、都が受け付ける場合の手数料(電子申請4,100円など)が載っています。これは町村の区域を対象にした都の手数料で、西東京市の物件には当てはまりません。市の物件は、市のページに書かれた「無料」の扱いに従います。

私が理事会に最初にお伝えするのは、「市の窓口は住宅課、実務の入口は管理センター」という二段構えです。申請は、センターのインターネット上の電子システムを通じて行います。

市の推進計画では、建物の老朽化と居住者の高齢化という「二つの老い」が課題として挙げられています(出典:西東京市マンション管理適正化推進計画)。認定は、その課題に管理組合が自ら向き合っている証明になります。

管理計画認定の17要件を、理事会が確認しやすい順に整理する

認定の基準は、国土交通省の基準で5つの分野に整理されています(出典:国土交通省「マンションの管理計画認定の基準」)。

管理組合の運営(3項目)

管理者等(理事長など)が定められていること、監事が選任されていること、集会(総会)が年1回以上開催されていることです。書面決議ばかりで議論の跡が残らない組合は、議事録の残し方から見直すのが近道です。

管理規約(3項目)

管理規約が作成されていることに加え、次の3点が規約に定められている必要があります。緊急時などに専有部分へ立ち入れること、修繕などの履歴情報を保管すること、管理組合の財務・管理に関する情報を組合員等に提供することです。古い規約のままだと、ここで引っかかるケースが多いです。

管理組合の経理(3項目)

管理費と修繕積立金が区分して経理されていること、修繕積立金を他の会計へ充当していないこと、そして修繕積立金の滞納額が全体の1割以内であることです。

長期修繕計画の作成及び見直し等(6項目)

ここが最大のハードルです。主な条件は次のとおりです。

  • 長期修繕計画が標準様式に準拠して作成され、総会で決議されていること
  • 作成または見直しが、7年以内に行われていること
  • 計画期間が30年以上で、大規模修繕工事が2回以上含まれていること
  • 将来、一時金の徴収を予定していないこと
  • 修繕積立金の平均額が、著しく低額でないこと
  • 計画の最終年度に、借入金の残高がない計画であること

その他(2項目)

区分所有者名簿と居住者名簿を備え、年1回以上は内容を確認していること。そして、都道府県等のマンション管理適正化指針に照らして適切であることです。

現場で見た「計画の古さ」の実例

私が相談を受けた多摩北部の築28年・55戸の分譲マンションでは、長期修繕計画が10年前のままでした。見直してみると、足場の仮設費が物価の上昇で大きく膨らんでいました。一部の部位では、足場の仮設費だけで約168万円の試算でしたが、ロープアクセス工法を併用した試算では約59万円、差額は約109万円でした。これは一つの試算例で、建物ごとに条件は大きく変わります。それでも、「計画を新しくしただけで、数字の見え方がここまで変わる」と、理事の皆さまが実感されたのが印象的でした。

足場を組む工法と、足場を使わないロープアクセス工法の違いは、明誠のロープアクセス工法の技術詳細で整理しています。なお、ロープアクセス工法では、メインロープとバックアップロープの2本に作業員が接続し、2点以上の吊元を確保して作業します。訓練体系や安全基準をもっと知りたい方には、姉妹サイトのロープアクセスドットコムもご案内しています。

令和9年4月1日に基準が改正されます(西東京市の管理組合への影響)

2026年10月時点で、見落としやすい動きがあります。国土交通省は、管理計画認定の省令改正を令和8年7月31日に公布し、令和9年4月1日に施行すると公表しています(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。

公表されている改正の概要には、次の内容が含まれます(出典:国土交通省 省令改正の概要)。

  • 申請できる主体に「分譲事業者」が加わる(新築マンションの分譲時の認定)
  • 認定マンションの表示制度が創設され、広告などでの認定表示が対象になる
  • 認定基準の充実として、規約に「管理者等及び監事の選任及び解任に関する事項」「集会において決議すべき事項」の記載が求められる

私が注目しているのは、規約の記載事項です。既存のマンションに、どの時点でどう適用されるのか、経過措置があるのかは、私が確認した国の資料では読み取れませんでした。ここは推測で書かず、事実だけお伝えします。令和9年4月以降に申請する予定の管理組合は、住宅課とセンターに、規約の見直しが必要かどうかを必ず確認してください。逆に、令和9年3月までに申請を済ませれば、現行の基準で進められる可能性があります。この点も、窓口での確認が前提です。

西東京市の独自基準の有無と実務への影響

西東京市の公式ページには、「市独自の基準はなく、国の指針と同一」という趣旨の記載があります。独自基準のある自治体と違い、準備の中心は国の17項目に沿った書類になります。

実務への影響は次のとおりです。

  • 準備の中心は、国の基準に沿った書類になる
  • 事前確認の段階で、センターが国の基準への適合を確認する
  • 市のページは2026年9月更新のため、情報は新しい。ただし令和9年4月の改正を見据えて、申請直前にもう一度確認する
  • 管理適正化指針は東京都の指針が参照される

なお、市のマンション管理に関するページ(2024年5月31日更新)では、都の窓口や支援策も案内されています(出典:西東京市「あなたの分譲マンションは適正に管理されていますか?」)。認定の前に、まず管理状況を点検したい組合は、こちらから入るのがよいでしょう。

手数料と申請ルート(事前確認が必須・管理センター経由)

西東京市での標準ルート

市のページが案内する流れは次のとおりです。

  1. 管理センターの手続支援サービスで事前確認を受ける
  2. 国の認定基準に適合していれば、事前確認適合証が交付される
  3. 同じシステムで、西東京市へ認定を申請する
  4. 市の審査後、認定通知書が交付される(有効期間は認定日から5年間)
  5. 5年後に更新の手続きをすると、さらに5年間有効になる

申請は、管理者等(理事長など)が、総会の決議を得て行います。

事前確認の4パターン

市のページには、次の4つの依頼先が案内されています。

依頼先 内容 費用の考え方
マンション管理士 管理組合が依頼する 管理士との協議で決まる
管理委託会社 管理会社の評価制度を利用 委託先との協議で決まる
日本マンション管理士会連合会 同連合会の診断サービス 事前確認審査料 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)
マンション管理センター 組合が直接申込み 事前確認審査料 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)

(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」。いずれもシステム利用料は別に1申請10,000円(税込)です。)

費用の目安

項目 費用の目安
西東京市への手数料 無料
センター システム利用料 1申請あたり10,000円(税込)
事前確認審査料 計画1つあたり10,000円(税込)(パターンにより異なる)
目安の合計 1万円〜2万円前後

市のページは「事前確認の費用10,000円」と案内しています。センターの料金表と見え方が異なるため、依頼するパターンごとに、総額を事前に確認してください。長期修繕計画の作り直しや規約改正の支援を専門家に依頼する場合は、別途費用がかかります。ここは規模や内容で大きく変わりますので、複数の見積りを取ることをおすすめします。

認定の3つの経済効果と、西東京市の固定資産税減額

認定を取ると、費用以上に効果が出るのは次の3点です。

1. マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)

大規模修繕工事を行ったマンションについて、工事の翌年度に課される建物部分の固定資産税が減額される制度です。国土交通省のポータルサイトでは、適用期間が令和9年3月31日までに延長されたと案内されています(出典:国土交通省 マンション管理・再生ポータルサイト)。

西東京市の案内では、要件は次のとおりです。

  • 総戸数10戸以上、築20年以上のマンション
  • 住宅用の割合が2分の1以上
  • 床防水工事、屋根防水工事、外壁塗装等工事が対象
  • 令和5年4月1日から令和9年3月31日までに工事が完了
  • 減額は、工事完了の翌年度分のみ。居住用部分の1戸あたり100㎡相当までの固定資産税が3分の1(都市計画税は対象外)
  • 申告は、工事が完了した日から3か月以内に、資産税課(電話042-460-9829)へ

耐震・バリアフリー・省エネの減額との併用はできず、同じ建物で受けられるのは1回限りです。また、管理計画の認定を受けたマンションなど、国の制度上の要件もあります。自分の組合が当てはまるかは、工事の契約前に、市へ必ず確認してください。

2. 【フラット35】維持保全型の金利引下げ

管理計画認定マンションの購入者が使える住宅ローンです。国土交通省の資料では、認定マンションは当初5年間、年0.25%の金利引下げの対象と案内されています(出典:住宅金融支援機構「【フラット35】維持保全型」)。予算に達する見込みになると受付が終了しますので、最新情報は機構のページでご確認ください。中古マンションを売る側にも、「認定済み」は選ばれる理由になり得ます。

3. マンション共用部分リフォーム融資の金利引下げ

大規模修繕の資金を借りる際の融資です。国土交通省の資料には、認定の取得で金利が年0.2%引き下げられると記載されています(出典:国土交通省「管理計画認定マンションに対する優遇措置」)。住宅金融支援機構の公式ページでは、工事内容に応じた年0.2%の引下げが案内されています(出典:住宅金融支援機構「マンション共用部分リフォーム融資」)。申込者の区分や工事内容で適用条件が違うため、借入の前に機構へ確認してください。

数字で見る経済効果のイメージ

仮に、55戸のマンションが総額5,000万円の大規模修繕を行うとします。一般的に、総工費に占める仮設足場の割合は15〜25%といわれています。外壁塗装は1㎡あたり3,500〜4,500円、防水は5,000〜8,000円ほどが相場の幅です。工法で足場の比率を下げ、制度で税を下げ、金利を下げる。個々には小さな差に見えますが、積み重ねると修繕積立金の枯渇を遅らせる力になります。金額はあくまで目安で、物件ごとに大きく変わります。

私はこれを、「工法で下げる、制度で下げる、金利で下げる」という3段構えでお話ししています。株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法では、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。建物の特性に合わせて、通常足場、ロープアクセス、足場とロープを組み合わせたハイブリッド工法の3つから、最適な工法をご提案します。総合的な考え方は大規模修繕工事のご紹介に、料金の考え方は大規模修繕の料金の考え方にまとめています。管理組合の方向けの詳しい内容は管理組合さま向けの大規模修繕サービスをご覧ください。フランチャイズ加盟企業の取り組みは、ロープアクセスドットコムで公開しています。

認定までの逆算スケジュール(令和8年10月起点)

固定資産税の減額を使うなら、令和9年3月31日までに工事を完了する必要があります。ただ、認定の取得に加えて、設計・見積り・総会決議・施工まで終えるには、半年では足りない管理組合がほとんどです。そこで、まずは認定の取得を目標に置いた場合の逆算を示します。

時期の目安 やること
令和8年10月 理事会で認定の方針を共有。長期修繕計画の作成時期と、規約・名簿・会計の現状を確認
令和8年11月 長期修繕計画が7年以内でなければ見直しを依頼。事前確認のパターンを決める
令和8年12月〜令和9年1月 計画・規約の改正案を作成。事前確認を依頼し、適合証を受け取る
令和9年2月 臨時総会または通常総会で、認定申請の決議と必要な規約改正を行う
令和9年3月 手続支援システムで西東京市へ申請。審査を経て認定通知書が交付される

令和9年4月1日の基準改正を考えると、3月中の申請を目標にするのは現実的な戦略です。ただ、期限に間に合わせるために中身を急ぐのは本末転倒です。工事の期限に間に合わない場合は、税制の次の延長や制度改正の動向を見ながら計画を立てます。私はいつも理事長さまに、「期限より、建物の状態を優先しましょう」とお伝えしています。

まとめ+今週動くこと3点

西東京市の管理計画認定は、市への手数料が無料で、独自基準もなく、国の基準に沿って準備できる制度です。一方で、令和9年4月に基準が改正されますので、申請の時期は戦略的に決めたいところです。

今週、理事会で動いていただきたいことは次の3点です。

  1. 長期修繕計画の作成日を確認する(7年以内かどうかが最初の分かれ目です)
  2. 管理規約、名簿、会計の整備状況を、17項目に照らして確認する
  3. 西東京市住宅課(042-438-4052)へ、事前確認の費用と、令和9年4月の改正の扱いを電話で確認する

長期修繕計画の見直しと工法比較をセットで進めるだけで、数字が大きく変わることがあります。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。ご相談だけでも、お問合せフォームから遠慮なくお声がけください。これまでの明誠の施工事例もご覧いただけます。

よくあるご質問

Q. 西東京市の管理計画認定に、市へ払う手数料はありますか?

A. 市のページには「無料」と記載されています。ページは2026年9月4日更新です。ただし、事前確認にはセンター等の費用がかかります。

Q. 管理センターの事前確認には、いくらかかりますか?

A. 市は10,000円と案内しています。センターの料金表では、システム利用料が1申請10,000円(税込)、審査料がパターンによって計画1つあたり10,000円(税込)などです。依頼前に総額の確認をおすすめします。

Q. 西東京市に独自の認定基準はありますか?

A. 市の公式ページでは、独自基準はなく、国の基準と同じ内容と案内されています。

Q. 認定を取ると、固定資産税はどうなりますか?

A. 西東京市の案内では、築20年以上・10戸以上のマンションが令和9年3月31日までに長寿命化工事を完了すると、翌年度の建物の固定資産税が3分の1減額されます。1戸100㎡相当までが対象で、申告は工事完了から3か月以内です。

Q. 認定の有効期間はどれくらいですか?

A. 認定日から5年間です。更新の手続きをすると、さらに5年間有効になります。

Q. 令和9年4月の基準改正で、何が変わりますか?

A. 国土交通省の公表では、分譲事業者が申請できるようになり、認定の表示制度が創設され、規約に管理者等の選任・解任や総会決議事項の記載が求められます。既存マンションへの経過措置は、窓口で確認してください。

Q. 長期修繕計画が古い場合、どうすればよいですか?

A. 作成や見直しが7年以内であることが要件です。専門家に見直しを依頼し、あわせてロープアクセス工法を含めた工法の比較をすると、工事費の見え方が変わる場合があります。明誠では概算のご相談を無料で受け付けています。

Q. 認定の取得は、大規模修繕の工事とセットで考えるべきですか?

A. 税の特例や融資の優遇は、工事の実施と結びついています。認定と大規模修繕の計画は、同時に検討することをおすすめします。

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月3日


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本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月3日時点で公表されている西東京市および国土交通省・東京都の公式情報をもとに執筆しています。西東京市の管理計画認定制度のページは2026年9月4日更新の内容です。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず西東京市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。

出典・参考資料

東村山市のマンション管理計画認定制度|市への手数料は無料・事前確認の実費は約2万円【2026年度版】

結論:東村山市で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか

先に結論です。東村山市でマンションの管理計画認定を申請する場合、市への手数料はかからないと、市の公式ページに明記されています(出典:東村山市「マンション管理計画認定制度」)。ただし、このページの更新日は2024年7月12日です。令和8年度の運用で変わっていないか、申請前に市の窓口(042-393-5111、内線3711〜3713)で確認してください。

手数料が無料でも、総額はゼロになりません。市への申請の前に、公益財団法人マンション管理センターの「管理計画認定手続支援サービス」で事前確認を受ける流れだからです。センターの料金は、システム利用料が1申請あたり10,000円(税込)、事前確認審査料が長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込、パターン②③④の場合)です。パターン①のマンション管理士による事前確認は、管理士と管理組合の協議で金額が決まります(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。標準的なルートなら、実費の目安は約20,000円です。

もう一つ、見逃せないのが税の特例です。東村山市のページでは、管理計画認定マンションなどが令和9年3月31日までに長寿命化工事を完了すると、工事完了の翌年度分の固定資産税が3分の1減額されると案内されています(出典:東村山市「マンション長寿命化促進税制」、同ページは2025年10月23日更新)。認定を取るかどうかは、令和9年3月末までに工事を終えられるかどうかと、直結して考える必要があります。

私は東京都東大和市を拠点にしており、東村山市は隣り合うエリアです。西武新宿線の久米川駅や東村山駅、西武池袋線の秋津駅の周辺には、築30年前後の分譲マンションが多く、「長期修繕計画が古いまま」「積立金が足りない気がする」というご相談を、現場で何度も受けてきました。この記事では、東村山市で認定を目指す理事長さまや理事の皆さまに向けて、認定主体、17要件、手数料と申請ルート、経済効果、逆算スケジュールまでを整理します。

東村山市で使える管理計画認定の認定主体はどこか

管理計画認定制度は、令和4年4月に始まった国の制度です。申請を受けて審査し、認定書を出す役所を「認定行政庁」(認定の事務を担う自治体のこと)と呼びます。東京都内では、町村の区域は東京都が、区市の区域は各区市が認定事務を担います(出典:東京都マンションポータルサイト「マンション管理計画認定制度」)。

東村山市は「市」ですので、東村山市が認定行政庁です。市の制度開始は令和5年11月で、窓口はまちづくり部の都市計画・住宅課です。東京都庁へ出向く必要はありません。

ここで一つ、間違えやすい点を書いておきます。東京都のポータルサイトには、都が受け付ける場合の手数料(電子申請4,100円など)が載っています。これは町村の区域を対象にした都の手数料で、東村山市の物件には当てはまりません。市の物件は、市のページに書かれた手数料の扱いに従います。

私が理事会に最初にお伝えするのは、「市の窓口は都市計画・住宅課、実務の入口は管理センター」という二段構えです。市には、センターのインターネット上の電子システムを通じて申請します。紙の書類を持ち込む形ではありません。

東村山市は、令和6年度に市内の分譲マンションの実態調査も行っており、報告書が公開されています(出典:東村山市「分譲マンション実態調査報告書」)。管理計画認定のほか、管理状況届出制度や管理セミナーもあわせて案内されており、市がマンション施策に力を入れていることがうかがえます。

管理計画認定の17要件を、理事会が確認しやすい順に整理する

認定の基準は、国土交通省の基準で5つの分野に整理されています(出典:国土交通省「マンションの管理計画認定の基準」)。東村山市のページにも、17項目が掲載されています。

管理組合の運営(3項目)

管理者等(理事長など)が定められていること、監事が選任されていること、集会(総会)が年1回以上開催されていることです。「総会は書面決議ばかりで、議論の跡が残っていない」という管理組合は、議事録の残し方から見直すのが近道です。

管理規約(3項目)

管理規約が作成されていることに加え、次の3点が規約に定められている必要があります。緊急時などに専有部分へ立ち入れること、修繕などの履歴情報を保管すること、管理組合の財務・管理に関する情報を組合員等に提供することです。古い規約のままだと、ここで引っかかるケースが多いです。

管理組合の経理(3項目)

管理費と修繕積立金が区分して経理されていること、修繕積立金を他の会計へ充当していないこと、そして修繕積立金の滞納額が全体の1割以内であることです。理事長が交代しても数字が追えるよう、会計報告を整えておきましょう。

長期修繕計画の作成及び見直し等(6項目)

ここが最大のハードルです。主な条件は次のとおりです。

  • 長期修繕計画が標準様式に準拠して作成され、総会で決議されていること
  • 作成または見直しが、7年以内に行われていること
  • 計画期間が30年以上で、大規模修繕工事が2回以上含まれていること
  • 将来、一時金の徴収を予定していないこと
  • 修繕積立金の平均額が、著しく低額でないこと
  • 計画の最終年度に、借入金の残高がない計画であること

私の経験上、認定を断念する最大の理由は「長期修繕計画が10年以上前のまま」という点です。逆にいえば、計画を作り直せば、残りの項目は比較的整えやすいのです。

その他(2項目)

区分所有者名簿と居住者名簿を備え、年1回以上は内容を確認していること。そして、都道府県等のマンション管理適正化指針に照らして適切であることです。名簿は個人情報を含みますので、保管のルールも決めておくと進めやすくなります。

現場で見た「計画の古さ」の実例

多摩エリアの築29年・70戸ほどの分譲マンションで、長期修繕計画が11年前のままという管理組合がありました。見直してみると、足場の仮設費が物価の上昇で大きく膨らんでいたのです。一部の部位では、足場の仮設費だけで約168万円の試算になりましたが、ロープアクセス工法を併用した試算では約59万円、差額は約109万円でした。これは一つの試算例で、建物ごとに条件は大きく変わります。それでも、「計画を新しくしただけで、数字の見え方がここまで変わる」と、理事の皆さまが実感されたのが印象的でした。

足場を組む工法と、足場を使わないロープアクセス工法の違いは、明誠のロープアクセス工法の技術詳細で整理しています。なお、ロープアクセス工法では、メインロープとバックアップロープの2本に作業員が接続し、2点以上の吊元を確保して作業します。訓練体系や安全基準をもっと知りたい方には、姉妹サイトのロープアクセスドットコムもご案内しています。

東村山市の独自基準の有無と実務への影響

ここは、断定を避けて正確にお伝えします。東村山市の公式ページには、国の17項目に上乗せする「市独自の基準」の記載は確認できませんでした。基準の最後の項目である管理適正化指針は、東京都の指針が参照されます。

実務への影響は次のとおりです。

  • 準備の中心は、国の基準に沿った書類になる
  • 事前確認の段階で、センターが国の基準への適合を確認する
  • 市のページが2024年7月更新のため、最新の運用を申請前に窓口で再確認する
  • 将来、市が運用を見直す可能性があるため、申請直前にもう一度ページを確認する

あわせて、東京都の条例にもとづく「マンション管理状況届出制度」にも触れておきます。東村山市のページによると、昭和58年(1983年)以前に新築された6戸以上のマンションが対象で、令和2年4月から受付が始まっています(出典:東村山市「マンション管理状況届出制度について」)。この制度と管理計画認定は別の制度ですが、築年数の古い管理組合ほど、両方の準備が重なります。届出の整理をしておくと、認定の書類づくりもスムーズです。

手数料と申請ルート(事前確認が必須・管理センター経由)

東村山市での標準ルート

市のページが案内する流れは次のとおりです。

  1. 管理センターの手続支援サービスで事前確認を依頼する
  2. 国の認定基準に適合していれば、事前確認適合証が交付される
  3. 同じシステムで、東村山市へ認定を申請する
  4. 市の審査後、認定通知書が交付される(有効期間は認定日から5年間)
  5. 申請時に承諾していれば、センターのホームページで公表される

認定申請には、管理組合の総会での決議が必要です。この点は、後ほどスケジュールで詳しく触れます。事前確認を飛ばして市へ直接申請する形(パターン⑤)は、センターの案内上は存在しますが、東村山市のページは事前確認を経る流れを示しています。市の窓口で、どのルートを使えるか確認してください。

費用の目安

項目 費用の目安 出典
東村山市への手数料 無料(市のページに記載) 東村山市公式ページ
センター システム利用料 1申請あたり10,000円(税込) マンション管理センター
センター 事前確認審査料 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)(パターン②③④) マンション管理センター
目安の合計(計画1つの場合) 約20,000円 上記合計

パターン①は、マンション管理士と協議して審査料が決まります。また、長期修繕計画の作り直しや規約改正の支援を専門家に依頼する場合は、別途費用がかかります。ここは建物の規模や内容で大きく変わりますので、複数の見積りを取ることをおすすめします。

有効期間と更新

認定の有効期間は5年間です。更新の手続きをしなければ、期限が来ると失効します。5年後の期日を、理事会の引き継ぎ資料に書き残しておきましょう。5年ごとに長期修繕計画と積立金を見直す習慣がつくこと自体が、管理の質を保つ仕組みになります。

認定の3つの経済効果と、東村山市の固定資産税減額

認定を取ると、費用以上に効果が出るのは次の3点です。条件は年度や申込時期で変わりますので、2026年10月時点の公表情報で整理します。

1. マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)

大規模修繕工事を行ったマンションについて、工事の翌年度に課される建物部分の固定資産税が減額される制度です。国土交通省のポータルサイトでは、適用期間が令和9年3月31日までに延長されたと案内されています(出典:国土交通省 マンション管理・再生ポータルサイト「マンション長寿命化促進税制の期間が延長されました」、2025年4月24日掲載)。

東村山市は、要件を具体的に案内しています。築20年以上で総戸数10戸以上のマンションが対象です。管理計画認定マンション(または市の助言・指導を受けたマンション)で、令和5年4月1日から令和9年3月31日までに長寿命化工事が完了していることが条件です。対象の工事は、外壁塗装等、床防水、屋根防水です。減額は、工事完了の翌年度分のみで、居住用部分の1戸あたり100㎡相当までの固定資産税が3分の1になります。申告は、工事が完了した日から3か月以内に、市民部課税課の家屋償却資産係へ提出します(電話042-393-5111、内線3303)。市のページには、過去の長寿命化工事の実績についての記載もありますので、自分のマンションが要件に当てはまるか、申告前に市へ確認してください。

2. 【フラット35】維持保全型の金利引下げ

管理計画認定マンションの購入者が使える住宅ローンです。国土交通省の資料では、認定マンションは当初5年間、年0.25%の金利引下げの対象と案内されています。住宅金融支援機構の公式ページにも、同じ引下げ幅が掲載されています(出典:住宅金融支援機構「【フラット35】維持保全型」)。予算に達する見込みになると受付が終了する仕組みですので、申込時期の最新情報は機構のページでご確認ください。中古マンションの購入者にとって、「認定済み」は選ばれる理由になり得ます。

3. マンション共用部分リフォーム融資の金利引下げ

大規模修繕の資金を借りる際の融資です。国土交通省の資料には、認定の取得で金利が年0.2%引き下げられると記載されています(出典:国土交通省「管理計画認定マンションに対する優遇措置」)。一方、住宅金融支援機構の区分所有者申込みのページでは、耐震改修、浸水対策、省エネ対策の工事内容に応じた年0.2%の引下げが案内されています(出典:住宅金融支援機構「マンション共用部分リフォーム融資」)。申込者の区分や工事内容で適用条件が違うため、借入の前に機構へ確認してください。

数字で見る経済効果のイメージ

仮に、70戸のマンションが総額6,000万円の大規模修繕を行うとします。一般的に、総工費に占める仮設足場の割合は15〜25%といわれています。足場の比率を下げる工法を選べば、工事費そのものを圧縮できます。目安として、外壁塗装は1㎡あたり3,500〜4,500円、防水は5,000〜8,000円ほどが相場の幅です。そのうえで、融資の金利が下がり、翌年度の建物の固定資産税が3分の1になる。個々には小さな差に見えますが、積み重ねると修繕積立金の枯渇を遅らせる力になります。金額はあくまで目安で、物件ごとに大きく変わります。

私はこれを、「工法で下げる、制度で下げる、金利で下げる」という3段構えでお話ししています。株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法では、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。建物の特性に合わせて、通常足場、ロープアクセス、足場とロープを組み合わせたハイブリッド工法の3つから、最適な工法をご提案します。総合的な考え方は大規模修繕工事のご紹介に、料金の考え方は大規模修繕の料金の考え方にまとめています。管理組合の方向けの詳しい内容は管理組合さま向けの大規模修繕サービスをご覧ください。フランチャイズ加盟企業の取り組みは、ロープアクセスドットコムで公開しています。

認定までの逆算スケジュール(令和8年10月起点)

固定資産税の減額を使うなら、令和9年3月31日までに工事を完了する必要があります。ただ、認定の取得に加えて、設計・見積り・総会決議・施工まで終えるには、半年では足りない管理組合がほとんどです。そこで、まずは認定の取得を目標に置いた場合の逆算を示します。

時期の目安 やること
令和8年10月 理事会で認定の方針を共有。長期修繕計画の作成時期と、規約・名簿・会計の現状を確認
令和8年11月 長期修繕計画が7年以内でなければ、専門家に見直しを依頼。管理センターの事前確認パターンを決める
令和8年12月〜令和9年1月 計画・規約の改正案を作成。管理センターへ事前確認を依頼し、適合証を受け取る
令和9年2月 臨時総会または通常総会で、認定申請の決議と必要な規約改正を行う
令和9年3月 手続支援システムで東村山市へ申請。審査を経て認定通知書が交付される

認定申請には総会決議が必要ですので、総会の日程から逆算するのが現実的です。工事完了の期限である令和9年3月末に間に合わない場合は、国の長寿命化促進税制の次の延長や、制度改正の動向を見ながら計画を立てることになります。期限に間に合わせるために工事品質を落とすのは、本末転倒です。私はいつも理事長さまに、「期限より、建物の状態を優先しましょう」とお伝えしています。

まとめ+今週動くこと3点

東村山市の管理計画認定は、市への手数料は無料、事前確認の実費は約2万円という、費用面でとても取り組みやすい制度です。一方で、市のページが2024年7月更新のため、令和8年度の運用は窓口での確認が欠かせません。認定は、固定資産税の減額、融資の金利、中古市場での評価にもつながります。

今週、理事会で動いていただきたいことは次の3点です。

  1. 長期修繕計画の作成日を確認する(7年以内かどうかが最初の分かれ目です)
  2. 管理規約、名簿、会計の整備状況を、17項目に照らして確認する
  3. 東村山市の都市計画・住宅課(042-393-5111、内線3711〜3713)へ、令和8年度の運用と手数料を電話で確認する

東村山市の多摩エリアの物件では、長期修繕計画の見直しと工法比較をセットで進めるだけで、数字が大きく変わることがあります。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。ご相談だけでも、お問合せフォームから遠慮なくお声がけください。また、明誠のこれまでの明誠の施工事例もご覧いただけます。

よくあるご質問

Q. 東村山市の管理計画認定に、市へ払う手数料はありますか?

A. 市のページには「手数料はかかりません」と記載されています。ただしページの更新日は2024年7月12日ですので、令和8年度の取り扱いは、市の都市計画・住宅課へご確認ください。

Q. 管理センターの事前確認には、いくらかかりますか?

A. システム利用料が1申請10,000円(税込)、事前確認審査料が長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込、パターン②③④)です。標準的なルートで約20,000円が目安です。

Q. 東村山市に独自の認定基準はありますか?

A. 市の公式ページでは、国の17項目に上乗せする独自基準の記載は確認できませんでした。管理適正化指針は東京都の指針が参照されます。

Q. 認定を取ると、固定資産税はどうなりますか?

A. 東村山市の案内では、築20年以上・10戸以上の認定マンションが令和9年3月31日までに長寿命化工事を完了すると、翌年度の建物の固定資産税が3分の1減額されます。居住用部分の1戸100㎡相当までが対象で、申告は工事完了から3か月以内です。

Q. 認定の有効期間はどれくらいですか?

A. 認定日から5年間です。更新の手続きをしないと失効しますので、期日を理事会の引き継ぎ資料に残しておきましょう。

Q. 長期修繕計画が古い場合、どうすればよいですか?

A. 作成や見直しが7年以内であることが要件です。見直しを専門家に依頼し、あわせてロープアクセス工法を含めた工法の比較をすると、工事費の見え方が変わる場合があります。明誠では概算のご相談を無料で受け付けています。

Q. 認定の取得は、大規模修繕の工事とセットで考えるべきですか?

A. 税の特例や融資の優遇は、工事の実施と結びついています。認定と大規模修繕の計画は、同時に検討することをおすすめします。

Q. 管理状況届出制度とは何が違いますか?

A. 届出制度は、昭和58年以前に新築された6戸以上のマンションに東京都の条例が求める届出で、認定制度は管理の水準を認める任意の制度です。両方の準備が重なることがあります。

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月3日


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本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月3日時点で公表されている東村山市および国土交通省・東京都の公式情報をもとに執筆しています。東村山市の管理計画認定制度のページは2024年7月12日更新の内容です。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず東村山市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。

出典・参考資料

小平市のマンション管理計画認定制度|市への申請手数料4,100円・事前確認ルートと費用の総額【2026年度版】

結論:小平市で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか

先に結論です。小平市でマンションの管理計画認定を申請する場合、市への基本手数料は4,100円で、長期修繕計画が1つ増えるごとに1,800円が加算されます(出典:小平市「マンションの管理計画認定制度について」、同ページは2026年9月3日更新)。長期修繕計画が1つの一般的な管理組合であれば、市に払うのは4,100円です。

ただし、これだけでは総額になりません。小平市の案内では、市へ申請する前に「管理計画認定手続支援サービス」で、国の認定基準を満たしているかの事前確認を受けることが前提です。この事前確認は公益財団法人マンション管理センターが運営しており、システム利用料が1申請あたり10,000円(税込)、事前確認審査料が長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)です(パターン①③④の場合。出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。合計すると、標準的なルートで約24,100円が目安になります。

もう一つ、小平市ならではの大きな特典があります。大規模修繕を行った管理計画認定マンションは、工事完了の翌年度の建物の固定資産税が3分の1減額されます。市の制度で、工事の完了期限は令和9年3月31日までです(出典:小平市「大規模修繕が行われたマンションに対する固定資産税の減額制度」、同ページは2026年9月9日更新)。つまり、認定を取るかどうかの判断は、令和9年3月末までに工事を終えられるかどうかと直結しています。

小平市は、西武新宿線・拝島線の小平駅、新小平駅、一橋学園駅、鷹の台駅などを中心に、築30年前後の分譲マンションが数多くある街です。私は東京都東大和市を拠点にしており、小平市は車で20分ほどの隣接エリアです。「長期修繕計画が古いまま」「積立金が足りない気がする」というご相談を、これまで何度も受けてきました。この記事では、小平市で認定を目指す管理組合の理事長さまや理事の皆さまに向けて、認定主体、17要件、手数料と申請ルート、経済効果、逆算スケジュールまでを、現場の目線で整理します。

小平市で使える管理計画認定の認定主体はどこか

管理計画認定制度は、令和4年4月に始まった国の制度です。申請を受け付けて審査し、認定書を出す役所を「認定行政庁」(認定の事務を担う自治体のこと)と呼びます。東京都内では、町村の区域は東京都が、区市の区域は各区市が認定事務を担います(出典:東京都マンションポータルサイト「マンション管理計画認定制度」)。

小平市は「市」ですので、小平市が認定行政庁です。小平市の制度開始は令和6年4月1日で、窓口は都市開発部都市計画課の計画担当(市役所4階)、電話は042-346-9554です。東京都庁へ出向く必要はありません。

小平市は制度開始が令和6年4月と、他の多摩の市より遅めでした。そのぶん、市の「管理計画認定制度申請の手引き」が整備されており、更新認定や変更認定の手続きもそこにまとめられています。申請前に、まず手引きを一読することをおすすめします。

私が理事会に最初にお伝えするのは、「市の窓口は計画担当、実務の入口は管理センター」という二段構えです。市に書類を直接持ち込む形ではなく、インターネットの電子システムで申請します。手続き上の窓口探しに悩む必要はありませんが、事前確認の段階で書類不備が見つかると、そこで時間を取られます。ここからが本題です。

管理計画認定の17要件を、理事会が確認しやすい順に整理する

認定の基準は、国土交通省の基準PDFで5つの分野に整理されています(出典:国土交通省「マンションの管理計画認定の基準」)。小平市のページでも17項目の基準が示されています。5分野は、管理組合の運営、管理規約、管理組合の経理、長期修繕計画の作成及び見直し等、その他です。

管理組合の運営

管理者等(理事長など)が定められ、監事が選任されていること、総会が年1回以上開催されていることが基本です。さらに、管理組合の運営や修繕に関する重要事項が総会で決議されている必要があります。「総会は書面決議ばかりで、議論の跡が残っていない」という管理組合は、議事録の残し方から見直すのが近道です。

管理規約

管理規約が作成されていることに加え、次の3点が規約に定められている必要があります。緊急時などに専有部分へ立ち入れること、修繕などの履歴情報を保管すること、管理組合の財務・管理に関する情報を組合員等に提供することです。古い規約のまま放置されていると、ここで引っかかるケースが多いです。標準管理規約の改正に合わせて、総会で規約改正を決議します。

管理組合の経理

管理費と修繕積立金が区分して経理されていること、修繕積立金会計から他の会計への充当がされていないことが必要です。また、直前の事業年度の終了日時点で、3か月以上の修繕積立金の滞納がある住戸が全体の1割以内であることも条件です。理事長が交代しても数字が追えるよう、会計報告を整えておきましょう。

長期修繕計画の作成及び見直し等

ここが最大のハードルです。主な条件を整理します。

  • 長期修繕計画が、国の「長期修繕計画作成ガイドライン」に沿って作成され、必要に応じて見直されていること
  • 計画期間が30年以上で、かつ残存期間内に大規模修繕工事が2回以上含まれていること
  • 将来の一時金の徴収を予定していないこと
  • 修繕積立金の額が、計画に照らして著しく低額でないこと
  • 計画の最終年度において、借入金の残高がない計画であること
  • 長期修繕計画の作成または見直しが、直近7年以内に行われていること(総会で決議されていること)

私の現場経験では、認定の取得を断念する最大の理由は「長期修繕計画が10年以上前のまま」という点です。逆にいえば、計画を作り直せば、残りの項目は比較的整えやすいのです。

その他

組合員名簿、居住者名簿を備え、年1回以上は内容を確認していることが求められます。また、東京都の「東京におけるマンションの管理の適正化に関する指針」に照らして適切であることも確認されます。名簿は個人情報の扱いに配慮が必要ですので、保管のルールを決めておくと進めやすいです。

現場で見た「計画の古さ」の実例

ここで、私が現場で経験した話を一つ紹介します。多摩エリアの築29年・70戸ほどの分譲マンションで、長期修繕計画が11年前のままという管理組合がありました。理事会で計画を見直したところ、当初想定の足場工事費が物価の上昇で大きく膨らんでいたのです。足場の仮設費だけで約168万円の試算になる部位がありましたが、建物の形状を見直してロープアクセス工法を併用した試算では約59万円、差額は約109万円でした。もちろんこれは一つの試算例で、建物ごとに条件は大きく変わります。それでも、「計画を新しくしただけで、数字の見え方がここまで変わる」ことを理事の皆さまが実感されたのが印象的でした。

足場を組む工法と、足場を使わないロープアクセス工法の違いについては、明誠のロープアクセス工法の技術詳細で整理しています。訓練体系や安全基準を詳しく知りたい方には、姉妹サイトのロープアクセスドットコムもご案内しています。

小平市の独自基準の有無と実務への影響

ここは、断定を避けて正確にお伝えします。小平市の公式ページには、「市独自の上乗せ基準」といった記載は確認できませんでした。市は国の定める17項目の認定基準に沿って案内しており、基準の確認には東京都の管理適正化指針が参照されています。

実務への影響は次のとおりです。

  • 準備の中心は、国の基準に沿った書類になる
  • 事前確認の段階で、管理センターが国の基準への適合を確認する
  • 市の手引きに、提出書類の書式や補足事項が示されているため、最新版を必ず確認する
  • 将来、市が基準や運用を見直す可能性があるため、申請直前に市のページを再確認する

なお、国の基準は令和7年度に見直しの動きがありました。市のページの更新日は2026年9月3日ですので、現行の運用はこの内容に沿っていると考えられます。ただし、申請の直前には、小平市の計画担当(042-346-9554)で最新の運用を確認してください。

手数料と申請ルート(事前確認が必須・管理センター経由)

小平市での標準ルート

小平市のページが案内する流れは次のとおりです。

  1. 管理センターの「管理計画認定手続支援サービス」で事前確認を依頼する
  2. 国の認定基準に適合していれば、事前確認適合証が交付される
  3. インターネットの電子システムで小平市へ申請する
  4. 市へ手数料を納付する
  5. 市による審査が行われ、認定の可否が通知される

小平市のページには、「手続支援サービスを利用し、市へ申請する前に管理計画が国の認定基準を満たしているか確認してください」と書かれています。つまり、事前確認を飛ばして直接市に申請する形は、案内されていません。事前確認では、マンション管理士が基準への適合状況を確認します。書類の整備状況を第三者に見てもらう、良い機会にもなります。

費用の目安

項目 費用の目安 出典
小平市への基本手数料 4,100円 小平市公式ページ
小平市への加算手数料 長期修繕計画が1つ増えるごとに1,800円 小平市公式ページ
管理センター システム利用料 1申請あたり10,000円(税込) マンション管理センター
管理センター 事前確認審査料 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)(パターン①③④) マンション管理センター
目安の合計(計画1つの場合) 約24,100円 上記合計

ほかに、長期修繕計画の作り直しや、規約改正の支援を専門家へ依頼する場合は、別途費用がかかります。ここは建物規模や内容で大きく変わりますので、複数の見積りを取ることをおすすめします。更新認定や変更認定の手数料は、市のページに金額が載っていないため、手引きまたは窓口で確認してください。

有効期間と更新

認定の有効期間は、認定から5年間です。小平市のページには、更新の申請をしなければ失効し、市からの通知もない旨が書かれています。5年後の期日を、理事会の引き継ぎ資料に必ず書き残しておきましょう。5年ごとに長期修繕計画と積立金を見直す習慣がつくこと自体が、管理の質を保つ仕組みになっています。

認定の3つの経済効果と、小平市独自の固定資産税減額

認定を取ると、費用以上に効果が出るのは次の3つに、小平市の減額制度を加えた4点です。条件は年度や申込時期で変わりますので、令和8年10月時点の公表情報で整理します。

1. マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)

長寿命化に資する大規模修繕工事を行ったマンションについて、工事の翌年度に課される建物部分の固定資産税が減額される制度です。国土交通省のマンション管理・再生ポータルサイトでは、適用期間が令和9年3月31日までと案内されています(出典:国土交通省「マンション長寿命化促進税制の期間が延長されました」)。

小平市は、この制度の内容を市のページで具体的に案内しています。減額は、工事完了の翌年度の固定資産税が3分の1です。都市計画税は減額されません。主な要件は、新築から20年以上経過した10戸以上のマンションで、居住用の専有部分が床面積の2分の1以上あること、令和5年4月1日から令和9年3月31日までに大規模工事が完了すること、そして管理計画認定マンションであること(または市の助言・指導を受けたマンション)です。申告は工事完了から3か月以内に行います。適用は1回限りで、耐震改修やバリアフリー改修の減税との併用はできません。問い合わせ先は、小平市役所税務課家屋・償却資産担当(042-346-9525)です。

2. 【フラット35】維持保全型の金利引下げ

管理計画認定マンションを購入する人が使える住宅ローンです。【フラット35】維持保全型では、当初5年間、年0.25%の金利引下げが案内されています(出典:【フラット35】維持保全型)。中古マンションの購入者にとって、「認定済み」という表示は選ばれる理由になり得ます。対象の申込期間や条件は年度で変わるため、最新は機構の公式ページでご確認ください。

3. マンション共用部分リフォーム融資の金利引下げ

大規模修繕の資金を借り入れる際、管理計画認定を受けていると金利が引き下げられる仕組みがあります。国土交通省の資料では、認定のみで金利が引き下がる例が示されています(出典:国土交通省「管理計画認定マンションに対する優遇措置」、住宅金融支援機構「マンション共用部分リフォーム融資」)。金利の数値は作成時点のものですので、借入のタイミングで現行の金利を確認してください。

数字で見る経済効果のイメージ

仮に、70戸のマンションが総額6,000万円の大規模修繕を行うとします。一般的に、総工費に占める仮設足場の割合は15〜25%といわれており、足場の比率を下げる工法を選べば、工事費そのものを圧縮できます。そのうえで、融資の金利が下がり、翌年度の建物の固定資産税が3分の1減額される。個々には小さな差に見えますが、積み重ねると修繕積立金の枯渇を遅らせる力になります。金額はあくまで目安で、物件ごとに大きく変わります。

私は、これを「工法で下げる、制度で下げる、金利で下げる」という3段構えでお話ししています。足場に頼らない工法の背景や、フランチャイズ加盟企業の取り組みは、ロープアクセスドットコムで公開しています。株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法では、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。建物の特性に合わせて、通常足場、ロープアクセス、足場とロープを組み合わせるハイブリッド工法の3つから、最適な工法をご提案します。総合的な考え方は大規模修繕工事のご紹介、管理組合の方向けの詳しい内容は管理組合さま向けの大規模修繕サービスをご覧ください。

認定までの逆算スケジュール(令和8年10月起点)

小平市の固定資産税減額を使うには、令和9年3月31日までに工事を完了する必要があります。ただ、認定の取得に加えて、工事の設計・見積り・総会決議・施工まで終えるには、現実には半年では足りない管理組合がほとんどです。ここでは、まず認定申請を令和9年3月までに済ませたい場合の目安を示します。工事完了の期限に間に合わない場合は、国の長寿命化促進税制の延長や、次の制度改正の動向を見ながら計画を立てることになります。

時期 やること
令和8年10月 理事会で認定の方針を共有。現状の管理規約、長期修繕計画、会計資料、名簿をチェックする
令和8年11月 小平市の計画担当へ事前相談。市の「申請の手引き」を確認し、管理会社へ事前確認パターンを確認する
令和8年11〜12月 長期修繕計画の見直しを専門家へ依頼。必要なら規約改正案を作成する
令和9年1月 臨時総会、または通常総会に向けて、計画見直し・規約改正の議案を準備する
令和9年2月 総会決議。事前確認の依頼を管理センターへ提出する
令和9年3月 事前確認適合証の取得。市へ電子申請し、手数料を納付
申請後 審査、認定通知。5年後の更新期日を記録する

通常総会が年度末後に開かれる管理組合は、スケジュールを後ろにずらしてください。大事なのは、総会決議を入口にして、そこから逆算することです。

まとめ:今週、理事会で動くこと3点

小平市の管理計画認定は、市への手数料が4,100円と低く、事前確認の総額も約2万円台で収まる、取り組みやすい制度です。さらに、大規模修繕後の固定資産税が3分の1減額される特典もあります。最後に、今週動いていただきたいことを3点にまとめます。

  1. 長期修繕計画の作成日を確認する:直近7年以内に見直されているか、計画期間が30年以上で大規模修繕が2回以上含まれているかを見てください。
  2. 小平市の計画担当へ電話する:042-346-9554へ、対象の確認と最新の手引きの入手方法を聞いておきます。
  3. 工事の完了時期を逆算する:固定資産税の減額を使いたい場合、令和9年3月31日までの完了が条件です。管理会社に、工事の予定時期を確認してください。

「うちの長期修繕計画で足りるのか」「足場とロープアクセスのどちらが合うのか」と迷われたときは、遠慮なくご相談ください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。お問い合わせはお問合せフォームから承っています。明誠のこれまでの施工事例もご覧いただけます。

よくあるご質問

Q. 小平市の管理計画認定の手数料はいくらですか?

A. 小平市への基本手数料は4,100円で、長期修繕計画が1つ増えるごとに1,800円が加算されます。このほか、マンション管理センターの手続支援サービスで、システム利用料10,000円と事前確認審査料10,000円(いずれも税込、パターン①③④の場合)がかかり、計画1つの場合の合計は約24,100円が目安です。

Q. 小平市に独自基準はありますか?

A. 小平市の公式ページには、市独自の上乗せ基準という記載は確認できませんでした。国の17項目の認定基準に沿った案内です。ただし、運用が変わる可能性があるため、申請前に市の最新ページと手引きをご確認ください。

Q. 市の窓口に直接申請できますか?

A. 小平市は、市への申請前に管理計画認定手続支援サービスで事前確認を受けることを案内しています。申請はインターネットの電子システムで行います。窓口は都市計画課計画担当(電話042-346-9554)です。

Q. 認定の有効期間はどれくらいですか?

A. 認定から5年間です。更新の申請をしなければ失効し、市からの通知はありません。期日を理事会の引き継ぎ資料に記録しておきましょう。

Q. 認定を取ると、どんな経済的メリットがありますか?

A. 国の長寿命化促進税制(令和9年3月31日まで)、【フラット35】維持保全型の金利引下げ(当初5年間年0.25%)、共用部分リフォーム融資の金利引下げが代表例です。小平市では、大規模修繕後の翌年度の建物の固定資産税が3分の1減額される制度もあります。条件は年度で変わるため、最新を公式ページで確認してください。

Q. 小平市の固定資産税の減額は、いつまでの工事が対象ですか?

A. 令和5年4月1日から令和9年3月31日までに大規模工事が完了したマンションが対象です。申告は工事完了から3か月以内で、適用は1回限りです。問い合わせ先は税務課家屋・償却資産担当(042-346-9525)です。

Q. 長期修繕計画が古い場合、まず何をすべきですか?

A. 計画を作り直すことが第一歩です。計画期間30年以上、残存期間内に大規模修繕2回以上、将来の一時金徴収を予定しない、といった条件に沿って、専門家に見直しを依頼します。

Q. 認定を取らずに大規模修繕を進めても問題ありませんか?

A. 認定は義務ではありません。ただし、融資や税制の優遇を使うには認定が条件になる場合があります。小平市の固定資産税減額も、管理計画認定が要件の一つです。大規模修繕の計画と同時に検討することをおすすめします。

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月2日


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本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月2日時点で公表されている小平市および国土交通省・東京都の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず小平市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。

出典・参考資料

昭島市のマンション管理計画認定制度|市への申請手数料は無料、独自基準なし・事前確認ルートと費用の総額【2026年度版】

結論:昭島市で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか

先に結論です。昭島市でマンション管理計画認定を申請する場合、市への申請手数料はかかりません。昭島市の公式ページには「市への手数料はかかりません」と案内されており、認定申請は「管理計画認定手続支援サービス」を通じて市へ行う仕組みです(出典:昭島市「マンション管理計画認定制度」、同ページは2025年12月12日更新)。市のページには「当面手数料なし」とも書かれていますので、将来の改定があり得る点だけは頭に入れておいてください。

ただし、「市に払うお金が0円」と「認定までの総額が0円」は別の話です。昭島市の案内では、まず公益財団法人マンション管理センターの事前確認を受け、事前確認適合証をもらってから市へ申請します。管理センターのサービスには、システム利用料が1申請あたり10,000円(税込)、事前確認審査料が長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)かかります(パターン①③④の場合。出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。つまり、標準的なルートでは合計2万円前後が目安です。

もう一点、昭島市は東京都内でも独自基準を設けていない市です。市のページに「市の独自基準はありません」と明記されており、国のマンション管理適正化指針と同じ基準で審査されます。独自の上乗せ項目を気にせず、国の基準だけを見て準備できるのは、理事会の負担を考えると大きな利点です。

昭島市は、昭和の高度成長期から平成にかけて開発された大型団地や、JR昭島駅・拝島駅周辺の分譲マンションが多い街です。築30年を超えて2回目の大規模修繕を意識する管理組合が増えてきました。私は東京都東大和市を拠点に、昭島市のお隣の多摩エリアで長年現場に入ってきましたが、「長期修繕計画が古いまま」「積立金が足りない気がするが誰も言い出せない」というご相談は本当に多いです。管理計画認定は、その整理を後押ししてくれる制度だと私は考えています。

この記事では、昭島市で認定を目指す管理組合の理事長さまや理事の皆さまに向けて、認定主体、17要件、手数料と申請ルート、認定の経済効果、逆算スケジュールまでを、現場の目線で整理します。なお、昭島市の補助制度全体については、以前の記事「昭島市のマンション補助金2026年度版|管理組合が使える管理計画認定・長寿命化税制・利子補給」でも触れています。あわせてご覧ください。

昭島市で使える管理計画認定の認定主体はどこか

管理計画認定制度は、令和4年4月に始まった国の制度です。申請を受け付けて審査し、認定書を出す役所を「認定行政庁」と呼びます。東京都内では、町村の区域(島しょ部を含む)は東京都が、区市の区域は各区市が認定事務を担います(出典:東京都マンションポータルサイト「マンション管理計画認定制度」)。

昭島市は「市」ですので、昭島市が認定行政庁です。窓口は、都市計画部都市計画課の住宅係(市役所2階6番窓口)で、直通電話は042-544-4413です。東京都庁に出向く必要はありません。

ここで、実務で見落とされがちな点を一つ挙げます。昭島市は、管理センターの「マンション管理適正化推進計画を作成している地方公共団体」の区域に含まれていることが、手続支援サービスを使う前提になります。昭島市のページが手続支援サービス経由の申請を案内していますので、この点は問題なく進められますが、申請前に窓口で一度、対象マンションが認定の対象になるか(分譲マンションであること、管理組合があること)を確認しておくと安心です。

私が理事会に最初にお伝えするのは、「市の窓口は住宅係、実務の入口は管理センター」という二段構えの構造です。市に直接書類を持ち込む形ではないため、窓口を探して右往左往する時間は省けます。

管理計画認定の17要件を、理事会が確認しやすい順に整理する

認定の基準は、国土交通省の基準PDFで5つの分野に整理されています(出典:国土交通省「マンションの管理計画認定の基準」)。昭島市のページでは17項目と案内されています。5分野は、管理組合の運営、管理規約、管理組合の経理、長期修繕計画の作成及び見直し等、その他です。

管理組合の運営

管理者等(理事長など)と監事が定められていること、総会が定期的に開催されていることが基本です。総会で、管理組合の運営や修繕に関する重要事項が決議されている必要があります。「総会は書面決議ばかりで実質的な議論がない」という管理組合は、議事録の残し方から見直すのが近道です。

管理規約

管理規約が作成されていること、そして次の3点が規約に定められていることが求められます。緊急時などに専有部分へ立ち入れること、修繕などの履歴情報を保管すること、管理組合の財務・管理に関する情報を組合員等に提供することです。古い規約のまま放置されていると、ここで引っかかるケースが多いです。標準管理規約の改正に合わせて、総会で規約改正を決議することになります。

管理組合の経理

管理費と修繕積立金が区分して経理されていること、修繕積立金会計から他の会計への充当がされていないことが必要です。また、直前の事業年度の終了日時点で、3か月以上の修繕積立金の滞納がある住戸が全体の1割以内であることも条件です。理事長が交代しても数字が追えるよう、会計報告を整えておきましょう。

長期修繕計画の作成及び見直し等

ここが最大のハードルです。主な条件を整理します。

  • 長期修繕計画が、国の「長期修繕計画作成ガイドライン」に沿って作成され、必要に応じて見直されていること
  • 計画期間が30年以上で、かつ残存期間内に大規模修繕工事が2回以上含まれていること
  • 将来の一時金の徴収を予定していないこと
  • 修繕積立金の額が、計画に照らして著しく低額でないこと
  • 計画の最終年度において、借入金の残高がない計画であること
  • 長期修繕計画の作成または見直しが、直近7年以内に行われていること(総会で決議されていること)

私の現場経験では、認定の取得を断念する最大の理由は「長期修繕計画が10年以上前のまま」という点です。逆にいえば、計画を作り直せば、残りの項目は比較的整えやすいのです。

その他

組合員名簿、居住者名簿を備え、年1回以上は内容を確認していることが求められます。また、都道府県の管理適正化指針に照らして適切なものであることも確認されます。名簿は個人情報の扱いに配慮が必要ですので、保管のルールを決めておくと進めやすいです。

現場で見た「計画の古さ」の実例

ここで、私が現場で経験した話を一つ紹介します。多摩エリアの築28年・60戸ほどの分譲マンションで、長期修繕計画が10年前のままという管理組合がありました。理事会で計画を見直したところ、当初想定の足場による工事費が、物価の上昇で大きく膨らんでいたのです。足場の仮設費だけで約168万円の試算になる部位がありましたが、建物の形状を見直してロープアクセス工法を併用した試算では約59万円、差額は約109万円でした。もちろんこれは一つの試算例で、建物ごとに条件は大きく変わります。それでも、「計画を新しくしただけで、数字の見え方がここまで変わる」ことを理事の皆さまが実感されたのが印象的でした。

足場を組む工法と、足場を使わないロープアクセス工法の違いについては、明誠のロープアクセス工法の技術詳細で整理しています。技術的な訓練体系や安全基準を詳しく知りたい方には、姉妹サイトのロープアクセスドットコムもご案内しています。

昭島市に独自基準はあるか、実務への影響

先ほど触れたとおり、昭島市のページには「市の独自基準はありません」と明記されています。東京都内でも、独自の上乗せ基準を設けている区市と、国の基準のみとしている区市に分かれます。昭島市は後者です。

実務への影響は次のとおりです。

  • 準備するのは、国の基準に沿った書類だけでよい
  • 他の自治体の記事や、管理センターの一般的な解説をそのまま参考にできる
  • 将来、市が独自基準を追加する可能性はゼロではないため、申請前に市の最新ページを確認する

なお、国の基準は令和7年度に見直しの動きがありました。ある区では「令和7年4月より認定基準が変わりました」と案内しているところもあります。昭島市のページは2025年12月に更新されており、現行の運用は17項目という案内です。申請の直前には、必ず昭島市の窓口で最新の運用を確認してください。

手数料と申請ルート(事前確認あり・管理センター経由)

昭島市での標準ルート

昭島市のページが案内する流れは5段階です。

  1. 管理センターの手続支援サービスで事前確認を依頼する
  2. 認定基準に適合していれば、事前確認適合証が交付される
  3. 市へ管理計画認定の申請を行う(市の手数料は当面なし)
  4. 審査が終わると認定通知が届く
  5. 同意すれば、管理センターの閲覧サイトで公表される

事前確認では、マンション管理士が基準への適合状況を確認します。この作業は、書類の整備状況を第三者に見てもらう良い機会にもなります。

費用の目安

項目 費用の目安 出典
昭島市への認定申請手数料 無料(当面) 昭島市公式ページ
管理センター システム利用料 1申請あたり10,000円(税込) マンション管理センター
管理センター 事前確認審査料 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)(パターン①③④) マンション管理センター
目安の合計 約20,000円 上記合計

ほかに、長期修繕計画の作り直しや、規約改正の支援を専門家へ依頼する場合は、別途費用がかかります。ここは建物規模や内容で大きく変わりますので、複数の見積りを取ることをおすすめします。

パターン②のご注意

管理センターのサービスには5つの申請パターンがあり、パターン②は管理会社等との直接協議になります。管理会社が事前確認を代行できる体制にある場合は、手間が少なくなることもあります。お住まいのマンションがどのパターンに当たるかは、管理会社や管理センターへ早めに確認してください。

有効期間と更新

認定の有効期間は、認定を受けた日から5年間です。更新する場合は、従前の認定の有効期間の満了日の翌日から5年間となります(出典:昭島市公式ページ)。5年ごとに長期修繕計画と積立金を見直す習慣がつくこと自体が、管理の質を保つ仕組みになっています。

認定の3つの経済効果(長寿命化促進税制・フラット35・共用部リフォーム融資)

認定を取ると、費用以上に効果が出るのは次の3つです。ここは、年度や申込時期で条件が変わりますので、令和8年10月時点の公表情報で整理します。

1. マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)

長寿命化に資する大規模修繕工事を行ったマンションについて、工事の翌年度に課される建物部分の固定資産税が減額される制度です。国土交通省のマンション管理・再生ポータルサイトでは、適用期間が2年間延長され、令和9年3月31日までとなっていると案内されています(出典:国土交通省「マンション長寿命化促進税制の期間が延長されました」)。

東京都内の他の自治体の案内を見ると、減額割合は「2分の1」と説明されている例があります。管理計画の認定を受けていることが要件の一つで、築年数や戸数、過去の長寿命化工事の実施歴、工事費の基準など、細かい条件があります。固定資産税は昭島市の市税として扱われますので、減額割合と手続きは昭島市の課税担当窓口で必ず確認してください。

2. 【フラット35】維持保全型の金利引下げ

管理計画認定マンションを購入する人が使える住宅ローンです。【フラット35】維持保全型では、当初5年間、年0.25%の金利引下げが案内されています(出典:【フラット35】維持保全型)。中古マンションの購入者にとって、「認定済み」という表示が選ばれる理由になり得ます。対象の申込期間や条件は年度で変わるため、最新は機構の公式ページでご確認ください。

3. マンション共用部分リフォーム融資の金利引下げ

大規模修繕の資金を借り入れる際、管理計画認定を受けていると金利が引き下げられる仕組みがあります。国土交通省の資料では、認定のみで金利が引き下がる例が示されています(出典:国土交通省「管理計画認定マンションに対する優遇措置」、住宅金融支援機構「マンション共用部分リフォーム融資」)。さらに、マンションすまい・る債を積み立てている場合は上乗せがあります。資料に載っている金利の数値は作成時点のものですので、借入のタイミングで必ず現行の金利を確認してください。

数字で見る経済効果のイメージ

仮に、60戸のマンションが総額5,000万円の大規模修繕を行うとします。一般的に、総工費に占める仮設足場の割合は15〜25%といわれています。足場の比率を下げる工法を選べば、工事費そのものを圧縮できます。そのうえで、融資の金利が下がり、固定資産税が減額される。これらは小さな差に見えますが、積み重ねると修繕積立金の枯渇を遅らせる力になります。金額はあくまで目安で、物件ごとに大きく変わります。

私は、これを「工法で下げる、制度で下げる、金利で下げる」という3段構えでお話ししています。足場に頼らない工法の背景や、フランチャイズ加盟企業の取り組みは、ロープアクセスドットコムで公開しています。株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法では、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。建物の特性に合わせて、通常足場、ロープアクセス、足場とロープを組み合わせるハイブリッド工法の3つから、最適な工法をご提案します。管理組合の方向けの詳しい内容は、管理組合さま向けの大規模修繕サービスをご覧ください。

認定までの逆算スケジュール(令和8年10月起点)

認定の取得は、思い立ってすぐできるものではありません。長期修繕計画の見直しと総会決議が必要だからです。ここでは、令和9年3月末までに認定申請を済ませたい場合の目安を示します。

時期 やること
令和8年10月 理事会で認定の方針を共有。現状の管理規約、長期修繕計画、会計資料、名簿をチェックする
令和8年11月 昭島市の住宅係へ事前相談。管理会社へ事前確認パターンを確認する
令和8年11〜12月 長期修繕計画の見直しを専門家へ依頼。必要なら規約改正案を作成する
令和9年1月 臨時総会、または通常総会に向けて、計画見直し・規約改正の議案を準備する
令和9年2月 総会決議。事前確認の依頼を管理センターへ提出する
令和9年3月 事前確認適合証の取得。市へ認定申請
申請後 審査、認定通知。希望すれば閲覧サイトで公表される

通常総会が年度末後に開かれる管理組合は、スケジュールを後ろにずらしてください。大事なのは、総会決議を入口にして、そこから逆算することです。

まとめ:今週、理事会で動くこと3点

昭島市の管理計画認定は、市への手数料が無料で、独自基準もなく、準備のしやすい制度です。最後に、今週動いていただきたいことを3点にまとめます。

  1. 長期修繕計画の作成日を確認する:直近7年以内に見直されているか、計画期間が30年以上で大規模修繕が2回以上含まれているかを見てください。
  2. 昭島市の住宅係へ電話する:042-544-4413へ、対象の確認と最新の運用を聞いておきます。
  3. 管理会社に事前確認のパターンを聞く:管理センターのどの申請パターンになるか、管理会社が代行できるかを確認します。

ここまで読んで、「うちの長期修繕計画で足りるのか」「足場とロープアクセスのどちらが合うのか」と迷われたときは、遠慮なくご相談ください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。お問い合わせはお問合せフォームから承っています。明誠のこれまでの施工事例もご覧いただけます。

よくあるご質問

Q. 昭島市の管理計画認定の手数料はいくらですか?

A. 昭島市への申請手数料は当面かかりません。ただし、マンション管理センターの手続支援サービスで、システム利用料10,000円と事前確認審査料10,000円(いずれも税込、パターン①③④の場合)が別途かかり、合計で約2万円が目安です。

Q. 昭島市に独自基準はありますか?

A. 昭島市のページには「市の独自基準はありません」と明記されています。国のマンション管理適正化指針と同じ基準で審査されます。申請前に市の最新ページを確認してください。

Q. 市の窓口に直接申請できますか?

A. 昭島市は、管理計画認定手続支援サービスを通じた申請を案内しています。事前確認適合証を取得してから申請する流れです。窓口は都市計画課住宅係(電話042-544-4413)です。

Q. 認定の有効期間はどれくらいですか?

A. 認定を受けた日から5年間です。更新する場合は、従前の認定の有効期間の満了日の翌日から5年間となります。

Q. 認定を取ると、どんな経済的メリットがありますか?

A. 長寿命化促進税制による固定資産税の減額(令和9年3月31日まで延長と国が案内)、【フラット35】維持保全型の金利引下げ(当初5年間年0.25%)、共用部分リフォーム融資の金利引下げが代表例です。条件は年度で変わるため、最新を公式ページで確認してください。

Q. 長期修繕計画が古い場合、まず何をすべきですか?

A. 計画を作り直すことが第一歩です。計画期間30年以上、残存期間内に大規模修繕2回以上、将来の一時金徴収を予定しない、といった条件に沿って、専門家に見直しを依頼します。

Q. 修繕積立金が足りない場合、認定は取れませんか?

A. 修繕積立金の額が「著しく低額でない」ことが条件です。不足している場合は、値上げの総会決議が必要になることがあります。まずは長期修繕計画に基づく必要額を試算してください。

Q. 認定を取らずに大規模修繕を進めても問題ありませんか?

A. 認定は義務ではありません。ただし、融資や税制の優遇を使うには認定が条件になる場合があります。大規模修繕の計画と同時に検討することをおすすめします。

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月2日


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本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月2日時点で公表されている昭島市および国土交通省・東京都の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず昭島市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。

出典・参考資料

稲城市のマンション管理計画認定制度|市への申請手数料は4,100円、認定5件の現状【2026年度版】

結論:稲城市で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか

先に結論です。稲城市でマンション管理計画認定を申請する場合、市への手数料は認定・更新の申請で4,100円です(出典:稲城市「マンション管理計画認定制度について」。同ページの更新日は令和8年3月30日です)。同じ多摩地域でも、市への手数料が無料の自治体と、有料の自治体があります。稲城市は後者です。

ただし、4,100円がそのまま総額ではありません。稲城市の案内では、まず公益財団法人マンション管理センターの「管理計画認定手続支援サービス」で事前確認を受けて事前確認適合証を取り、そのあと手続支援システムで市に申請する3段階の流れになっています。この事前確認に別途費用がかかります。私は理事会に「市に払うお金」と「その手前で払うお金」を分けて予算化してください、とお願いしています。

稲城市内で認定を受けたマンションは、令和8年3月19日時点で5件です(同ページ)。南多摩尾根幹線沿いの大規模な住宅地から、駅前の分譲マンションまで、市内には築年数も規模もさまざまなマンションがあります。にもかかわらず認定は5件にとどまっており、先に動いた管理組合は、融資や税制の面で一歩先に立てる状況です。この記事では、稲城市の手数料と申請ルート、認定の経済効果、理事会が動く順番を整理します。

認定主体はどこか(稲城市が認定行政庁)

管理計画認定制度は、令和4年4月に始まった国の制度です。審査を行う「認定行政庁」(申請を受け付けて審査し、認定書を交付する役所のこと)は、市の区域では市、町村の区域では東京都が担います(出典:東京都マンションポータルサイト「マンション管理計画認定制度」)。

稲城市は「市」ですので、稲城市自身が認定行政庁です。市は令和5年4月から「稲城市マンション管理適正化推進計画」に基づいて制度を運用しており、窓口は都市建設部まちづくり再生課(電話042-378-2111)です(出典:稲城市「マンション管理計画認定制度について」)。

稲城市の管理組合が最初に押さえておきたい点は、次の3つです。

  1. 認定を出すのは稲城市、事前確認と申請システムを運営するのはマンション管理センターと、役割が分かれていること。
  2. 総会での決議が必須で、申請者は管理組合の管理者等であること。
  3. 認定の有効期間は5年間で、更新申請をしないと失効すること。

私は初めてご相談を受ける理事長さまに、「市は審査と認定、管理センターは事前確認と申請システム」という役割分担を最初にお伝えしています。ここを取り違えると、どこに何を持ち込めばよいのか分からなくなってしまうからです。

認定17要件(国が定める5分野の基準)

認定の基準は、全国共通で5分野・17項目に整理されています(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。一覧は国土交通省の認定基準PDFで確認できます。

1. 管理組合の運営
管理者等が定められていること、監事が選任されていること、集会(総会)が年1回以上開催されていること。

2. 管理規約
管理規約が作成されていること、緊急時に専有部分へ立ち入れる旨の規定があること、修繕等の履歴情報の保管や、財務・管理に関する情報の書面交付に関する規定があること。

3. 管理組合の経理
管理費と修繕積立金が区分して経理されていること、修繕積立金会計から他の会計へ資金の貸付がないこと、直前の事業年度の終了日時点で3か月以上の修繕積立金の滞納額が全体の1割以内であること。

4. 長期修繕計画の作成及び見直し等
国の標準様式に準拠して作成され、総会で決議されていること。作成または見直しが7年以内であること。計画期間が30年以上で、大規模修繕が2回以上含まれること。修繕のたびに一時金を集める前提ではないこと。修繕積立金の平均額が著しく低額でないこと。計画期間の最終年度に借入金の残高がないこと。

5. その他
管理組合が組合員名簿と居住者名簿を備え、年1回以上内容を確認していること、都道府県や市の管理適正化指針に適合していること。

私の経験上、実務で最初に詰まるのは第4分野です。とくに「作成または見直しから7年以内」という条件は、長期修繕計画の更新が止まっていた管理組合にとって高い壁になります。あるご相談では、理事長さまが交代する中で計画書の最終改定が10年以上前のままになっていて、「どこから手を付ければいいのか」と頭を抱えておられました。こうした場合、私はまず現状の計画書と修繕履歴を並べて、何が不足しているのかを一緒に洗い出すところから始めます。

稲城市の独自基準の有無と実務への影響

稲城市の認定制度のページが示している基準は、管理組合の運営、管理規約、経理、長期修繕計画、その他の5項目で、いずれも国の枠組みに沿った内容です(出典:稲城市「マンション管理計画認定制度について」)。市の公開ページ上で、稲城市独自に上乗せされた認定基準は確認できませんでした。ただし、基準の細かな運用は改訂されることがありますので、申請前にまちづくり再生課へ最新の取扱いを確認してください。

私が理事会にお伝えしているのは、「独自基準がない=簡単」ではない、ということです。国の基準は、長期修繕計画、修繕積立金、管理規約の実態を細かく問います。一方で、全国共通の基準で判断されるため、管理会社やマンション管理士が共通のチェックリストで事前診断でき、準備の段取りを組みやすいという利点があります。

もう一つ、東京都の条例に基づく「管理状況届出制度」との関係も整理しておきます。これは昭和58年以前に建築された6戸以上の分譲マンションが対象で、5年ごとの更新が必要な制度です(出典:東京都マンションポータルサイト)。届出は義務、管理計画認定は任意です。古いマンションほど、届出で管理状況を整理してから認定を目指す順序が現実的です。

また、稲城市は「稲城市マンション管理適正化推進計画」を策定し、マンションの実態調査を踏まえて管理不全の予防に取り組んでいます(出典:稲城市「稲城市マンション管理適正化推進計画を策定しました」)。認定を取ることは、この市の方針に沿った動きでもあります。

手数料と申請ルート(事前確認あり/なし・マンション管理センター経由)

稲城市の手数料は、次のとおりです(出典:稲城市「マンション管理計画認定制度について」)。

区分 稲城市への手数料
認定・更新申請(基本手数料) 4,100円
長期修繕計画が複数ある場合の加算(2件目以降) 1,800円
有効期間 認定日から5年間

変更認定の申請は、変更する項目によって手数料が分かれています。たとえば管理組合の運営に関する変更は基本4,800円・加算2,600円、長期修繕計画の変更は基本9,800円・加算5,200円と案内されています。変更認定には事前確認サービスを使えず、市へ直接申請書を出す形です。

次に、申請ルートと総額のイメージです。稲城市の案内では、次の順番で進めます。

  1. マンション管理センターの手続支援サービスで事前確認を受け、事前確認適合証を取得する。
  2. 管理計画認定手続支援システム(インターネット)で稲城市へ認定を申請する。
  3. 市から届く納入通知書で手数料を支払い、審査後に認定通知書を受け取る。

マンション管理センターの支援サービスにかかる費用は、次のとおりです(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。

項目 金額
システム利用料 1申請あたり10,000円(税込)
事前確認審査料(管理センター等を利用する場合) 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)
事前確認審査料(マンション管理士へ直接依頼する場合など) 管理組合と依頼先の協議で決定

つまり、管理センターのサービスを標準的に使う場合の目安は、市への手数料4,100円、システム利用料10,000円、審査料10,000円で、合計24,100円前後です。管理士へ直接依頼する場合は、協議で決まる審査料がここに加わります。数万円規模の話であり、総会の予算としては軽い部類です。ただし、総額で出しておかないと、あとから「思っていたより高い」という声が出て、議案そのものが流れてしまうことがあります。私はそこを何度も見てきました。

事前確認を担当するのは、管理センターの講習を修了したマンション管理士です。依頼先には、管理委託先の管理会社、独立系のマンション管理士、日本マンション管理士会連合会などがあります。なお、管理センターの手続支援サービスは、マンション管理適正化推進計画を作成している自治体に立地するマンションが対象です。稲城市は計画を策定済みですので、この条件を満たします。

認定の3つの経済効果(長寿命化促進税制/フラット35/共用部リフォーム融資)

管理計画認定を取ると、主に3つの経済的な効果が期待できます。稲城市のページでも、フラット35とマンション共用部分リフォーム融資の金利引下げ、マンションすまい・る債の利率上乗せ、長寿命化促進税制の対象化が挙げられています。

① マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)
一定の要件を満たすマンションが長寿命化に資する大規模修繕工事を行った場合に、工事完了の翌年度の固定資産税(建物部分)が減額される特例です。管理計画認定を受けたマンションなどが対象になります(出典:国土交通省「マンション長寿命化促進税制」)。減額の割合、対象工事、適用期間は国の告示で定められており、国交省のページにパンフレットやFAQが掲載されています。詳しい照会先として、日本マンション管理士会連合会の相談窓口(03-5801-0858)が案内されています。工事時期が決まった段階で、必ず最新の内容を確認してください。申告には期限がありますので、工事の前に資産税担当へ相談しておくのが安全です。

② フラット35の金利引下げ
認定マンションの購入者向けに、フラット35の金利を一定期間引き下げる優遇があります。適用条件は見直されることがあるため、申込み時点の内容を住宅金融支援機構の金利情報で確認してください。売却や賃貸募集の場面で、適正に管理されたマンションとして評価されやすくなる点も、資産価値の面では見逃せません。

③ マンションすまい・る融資(共用部リフォーム融資)の金利引下げ
管理組合が大規模修繕のために借りる融資では、2026年度の案内で、管理計画認定を取得していれば金利が0.2%引き下げられます(下限0.1%)。融資の申込時点で、すでに認定を取得していることが条件で、申請中では適用されません。耐震改修、浸水対策、省エネルギー対策の工事を併せて行う場合は、返済期間を最長35年まで延ばせます(出典:住宅金融支援機構「2026年度マンションすまい・る融資のご案内」)。また、毎月の返済額が月間の修繕積立金の80%以内という制約もあります。

私は、この3つの中で③が管理組合にとって最も身近だと考えています。大規模修繕の資金を借りる予定があるなら、認定の取得時期と借入のタイミングをそろえるだけで、利息の総額が変わってくるからです。

ここで、修繕費用の面から具体例を一つお伝えします。私が携わった案件で、10階建て・外周80m・工期3ヶ月の物件では、足場工法で約168万円かかった仮設費用が、ロープアクセス工法では約59万円と、差額は約109万円になったことがあります(物件の形状や条件で大きく変動する目安です)。認定を取って融資の金利を下げ、さらに工法の選び方で工事費そのものを圧縮する。この両輪が、修繕積立金を守る近道だと私は現場で実感しています。

稲城市には、多摩丘陵の起伏を生かして開発された住宅地が多く、敷地に高低差のあるマンションも少なくありません。こうした建物では足場の架設に手間がかかるため、工法の比較が特に効いてきます。詳しい技術情報は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムでも解説しています。

稲城市内の認定の現状(令和8年3月19日時点で5件)

稲城市のページには、市内で認定を受けたマンションが公表されています。令和8年3月19日時点の5件は、次のとおりです(出典:稲城市「マンション管理計画認定制度について」)。

マンション名 認定日
ビスタリエ向陽台団地 令和6年2月21日
プラウドシティ南山 令和6年9月5日
アスティオス稲城 令和7年1月14日
稲城パーク・ホームズ 令和7年2月26日
ヴェルディーク南多摩 令和8年3月19日

認定は令和6年から1年に1〜2件ずつ増えている状況です。つまり、市内で動いた管理組合はまだ少数で、これから申請する管理組合には、先行事例のある「動きやすい」環境が整ってきたと言えます。ご近所の認定マンションがどのような準備をしたのか、管理会社を通じて情報を集めるだけでも、理事会の議論は一気に具体的になります。

逆算スケジュール(総会決議→書類準備→認定申請→交付)

認定は、思い立ってすぐ取れるものではありません。私が理事会にお勧めしている逆算の流れを、認定希望日から数えて整理します。

  1. 方針決定(4〜5ヶ月前):理事会で長期修繕計画、修繕積立金の水準、管理規約の現状を17要件に照らして自己診断する。
  2. 書類整備(3〜4ヶ月前):長期修繕計画が7年を超えていれば、見直しを先に完了させる。滞納状況や名簿の整備もここで行う。
  3. 事前確認の依頼先を決定(2〜3ヶ月前):管理会社、管理士、管理センター経由などで見積りを取り、審査料を比較する。
  4. 総会での決議(1〜2ヶ月前):認定申請を行うこと、必要に応じた規約改正、費用の予算化を決議する。稲城市では総会決議が必須です。
  5. 事前確認とオンライン申請:事前確認適合証を取得し、手続支援システムで稲城市へ申請する。
  6. 手数料の納入と認定通知書の受領:納入通知書で4,100円(長期修繕計画が複数あれば加算)を支払い、審査後に認定通知書が郵送されます。審査期間は市の案内でご確認ください。

総会が年1回のマンションが多いため、「今期の総会で議案にできなければ1年遅れる」という点は、私が現場で繰り返しお伝えしている大事なポイントです。更新の準備は、認定から4年目に入ったら始めるのが理想です。

稲城市で使える相談先と、認定の前に整えておきたいこと

稲城市の住宅施策の窓口は、都市建設部まちづくり再生課です。住宅関連制度の一覧ページには、マンション共用部分リフォーム融資の利子補給や、ピロティ(1階が駐車場などの吹き抜け構造)の耐震支援なども掲載されています(出典:稲城市「住宅関連制度等一覧」。更新日は令和8年2月26日)。分譲マンション向けの制度は年度ごとに内容が変わりますので、窓口に直接ご確認ください。

東京都の制度も使えます。東京都のマンション改良工事助成は、借入金利の一部を最長20年にわたって都が補給する制度です。稲城市のマンション補助金を解説した当社記事では、2026年度の受付は第1期が5月13日から9月30日、第2期が10月1日から2027年2月19日と紹介しています。詳しくは稲城市のマンション大規模修繕|2026年度に使える補助金・助成金をご覧ください。

私は、認定に向けた見直しを「マンションの健康診断」と捉えるようお伝えしています。長期修繕計画と積立金の見直しが進めば、それ自体が将来の大規模修繕の資金繰りを助けます。なお、明誠の本拠は東京都東大和市で、稲城市を含む多摩地域は私にとって日常の生活圏です。多摩エリアの分譲マンションの修繕についても、ご相談を数多くいただいてきました。

まとめ+今週動くこと3点

稲城市の管理計画認定は、市への手数料が4,100円と軽く、独自の上乗せ基準も公開ページ上では確認できません。一方で、管理センター側のシステム利用料と事前確認の審査料は別にかかります。「市に払うお金」と「管理センターに払うお金」を分けて、総額で把握しておくことが、総会を通す最大のコツです。

今週、理事会で動いていただきたいことは次の3点です。

  1. 長期修繕計画の作成・見直し年月を確認し、7年以内かどうかをチェックする。
  2. 事前確認を誰に依頼するか(管理会社・管理士・管理センター直接)の候補を挙げ、見積りを依頼する。
  3. 稲城市まちづくり再生課(042-378-2111)へ、最新の申請手順と審査期間を問い合わせる。

大規模修繕工事そのものは、足場を組む従来工法のほか、産業用ロープを使う無足場工法や、部位ごとに使い分けるハイブリッド工法という選択肢があります。私は約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕に携わってきましたが、工法を建物ごとに選び分けるだけで、修繕積立金の負担が大きく変わるケースを何度も見てきました。明誠のロープアクセス工法の詳細はロープアクセス工法のご紹介で、料金の考え方は大規模修繕の料金の考え方で公開しています。ロープアクセス工法での高所作業について、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業では、過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。訓練体制や施工の流れはロープアクセスドットコムをご覧ください。

管理組合さま向けのサービスは管理組合向けの大規模修繕サービスにまとめています。ご相談だけでも遠慮なくお問合せフォームからお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。これまでの明誠の施工事例もあわせてご覧いただけます。

よくあるご質問

Q. 稲城市への申請手数料はいくらですか?

A. 認定・更新の申請は4,100円です。長期修繕計画が複数ある場合は、2件目以降に1,800円が加算されます。ただし、マンション管理センターのシステム利用料(1申請あたり10,000円・税込)や事前確認の審査料は別にかかります。

Q. 稲城市に独自の上乗せ基準はありますか?

A. 市の公開ページが示す基準は、国の5分野に沿った内容で、独自の上乗せ基準は確認できませんでした。運用が変わることもありますので、申請前にまちづくり再生課(042-378-2111)へご確認ください。

Q. マンション管理センターの事前確認は必須ですか?

A. 稲城市の案内では、事前確認適合証の取得後に、手続支援システムで認定を申請する流れが示されています。なお、変更認定の申請は事前確認サービスを使えず、市へ直接申請書を提出します。

Q. 事前確認や申請の費用は総額でいくらですか?

A. 管理センターを標準的に使う場合、市への手数料4,100円、システム利用料10,000円、審査料10,000円で、合計24,100円前後が目安です。管理士へ直接依頼する場合の審査料は協議で決まります。

Q. 管理状況届出制度と管理計画認定制度は同じですか?

A. 別の制度です。届出は昭和58年以前に建築された6戸以上の分譲マンションが対象で、5年ごとの更新が必要です。管理計画認定は任意で、取得すると融資や税制の優遇が期待できます。

Q. 認定を取ると固定資産税は自動的に減りますか?

A. 自動ではありません。長寿命化促進税制の対象となる工事を、定められた要件のもとで実施し、所定の手続きで申告する必要があります。工事の前に、市の資産税担当へご確認ください。

Q. 認定の有効期間はどれくらいですか?

A. 認定日から5年間です。満了前に更新の申請をしないと失効しますので、認定から4年目に入ったら準備を始めることをお勧めします。

Q. 稲城市で認定を受けたマンションはいくつありますか?

A. 令和8年3月19日時点で5件です。市のページで認定マンションが公表されています。

本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月1日時点で公表されている稲城市および国土交通省・東京都・公益財団法人マンション管理センター・住宅金融支援機構の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず稲城市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月1日


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出典・参考資料

日野市のマンション管理計画認定制度|市への申請手数料は無料、事前確認ルートと費用の総額【2026年度版】

結論:日野市で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか

先に結論です。日野市でマンション管理計画認定を申請する場合、市への申請手数料はかかりません。日野市の公式ページに「申請に関して手数料はかかりません」と明記されています(出典:日野市「マンション管理計画認定制度について」)。同じ多摩地域でも、市への手数料が4,100円かかる自治体がありますので、日野市は管理組合にとって入口のハードルが低い市です。

ただし、「無料」は市への手数料だけの話です。日野市の案内では、まず公益財団法人マンション管理センターで事前確認を受け、事前確認適合証をもらってから、インターネット上の手続支援システムで市へ申請する流れになっています。この事前確認とシステムの利用には、別途費用がかかります。私は理事会に、「市に払うお金は0円、その手前で払うお金は別」と分けて予算化するようお伝えしています。

日野市は、高幡不動や多摩平、豊田、日野駅周辺など、築年数も規模もさまざまな分譲マンションが広がる街です。多摩平の団地の建替えで生まれた新しい住棟もあれば、築30年を超えた中規模のマンションもあります。そうした管理組合が、長期修繕計画や修繕積立金を見直す機会として、この制度は使いやすいと私は考えています。この記事では、日野市の手数料と申請ルート、認定の経済効果、理事会が動く順番を整理します。

認定主体はどこか(日野市が認定行政庁)

管理計画認定制度は、令和4年4月に始まった国の制度です。申請を受け付けて審査し、認定書を交付する役所を「認定行政庁」と呼びます。東京都では、町村の区域(島しょ部を含む)は東京都が、区市の区域は各区市が認定事務を担当します(出典:東京都マンションポータルサイト「マンション管理計画認定制度」)。

日野市は「市」ですので、日野市自身が認定行政庁です。窓口は、まちづくり部都市計画課の住宅政策係(電話042-514-8371)です。市の代表電話は042-585-1111です(出典:日野市「マンション管理計画認定制度について」)。市の案内ページには、日野市マンション管理適正化推進計画へのリンクも掲載されており、市として管理の適正化を進める方針を持っていることが分かります。

日野市の管理組合が最初に押さえておきたい点は、次の3つです。

  1. 認定を出すのは日野市、事前確認と申請システムを運営するのはマンション管理センターと、役割が分かれていること。
  2. 認定の有効期間は5年間で、更新する場合は前の認定の終了日の翌日から5年と案内されていること。
  3. 認定情報は、管理組合が公開に承諾した場合にだけ、管理センターの閲覧サイトで公表されること。

私は初めてご相談を受ける理事長さまに、「市は審査と認定、管理センターは事前確認と申請システム」という役割分担を最初にお伝えしています。ここを取り違えると、どこに何を持ち込めばよいのか分からなくなってしまうからです。

認定17要件(国が定める5分野の基準)

認定の基準は、全国共通で5分野・17項目に整理されています(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。一覧は国土交通省の認定基準PDFで確認できます。

1. 管理組合の運営
管理者等(理事長など管理組合を代表する人)が定められていること、監事(会計や業務をチェックする役員)が選任されていること、集会(総会)が年1回以上開催されていること。

2. 管理規約
管理規約が作成されていること、緊急時に専有部分へ立ち入れる旨の規定があること、修繕等の履歴情報の保管や、財務・管理に関する情報の書面交付に関する規定があること。

3. 管理組合の経理
管理費と修繕積立金が区分して経理されていること、修繕積立金会計から他の会計へ資金の貸付がないこと、直前の事業年度の終了日時点で3か月以上の修繕積立金の滞納額が全体の1割以内であること。

4. 長期修繕計画の作成及び見直し等
国の標準様式に準拠して作成され、総会で決議されていること。作成または見直しが7年以内であること。計画期間が30年以上で、大規模修繕工事が2回以上含まれること。修繕のたびに一時金を集める前提ではないこと。修繕積立金の平均額が著しく低額でないこと。計画期間の最終年度に借入金の残高がないこと。

5. その他
管理組合が組合員名簿と居住者名簿を備え、年1回以上内容を確認していること、都道府県や市の管理適正化指針に適合していること。

私の経験上、実務で最初に詰まるのは第4分野です。とくに「作成または見直しから7年以内」という条件は、長期修繕計画の更新が止まっていた管理組合にとって高い壁になります。あるご相談では、理事長さまが交代を重ねる中で、計画書の最終改定が10年以上前のままになっていました。「どこから手を付ければいいのか」と頭を抱えておられたので、私はまず現状の計画書と修繕履歴を机に並べて、何が不足しているのかを一緒に洗い出すところから始めました。

なお、令和7年のマンション関係法改正により、令和9年4月1日から、分譲事業者が分譲時に管理計画を作成・申請できる仕組みが導入されると、国土交通省のページで案内されています。新築マンションの管理の入口が変わる動きであり、既存マンションの認定と並行して、制度全体が整備されつつあります。

日野市の独自基準の有無と実務への影響

日野市の公式ページでは、認定基準は国の17項目で統一されていると案内されています(出典:日野市「マンション管理計画認定制度について」)。市の公開ページ上で、日野市独自に上乗せされた認定基準は確認できませんでした。ただし、運用は改訂されることがありますので、申請前に都市計画課へ最新の取扱いを確認してください。

私が理事会にお伝えしているのは、「独自基準がない=簡単」ではない、ということです。国の基準は、長期修繕計画、修繕積立金、管理規約の実態を細かく問います。一方で、全国共通の基準で判断されるため、管理会社やマンション管理士が共通のチェックリストで事前診断でき、準備の段取りを組みやすいという利点があります。

もう一つ、東京都の条例に基づく「管理状況届出制度」との関係も整理しておきます。これは昭和58年以前に建築された6戸以上の分譲マンションが対象で、5年ごとの更新が必要な制度です(出典:東京都マンションポータルサイト)。届出は義務、管理計画認定は任意です。古いマンションほど、届出で管理状況を整理してから認定を目指す順序が現実的です。

手数料と申請ルート(事前確認あり/なし・マンション管理センター経由)

日野市の申請ルートは、次の5段階です(出典:日野市「マンション管理計画認定制度について」)。

  1. マンション管理センターへ事前確認を依頼する。
  2. 事前確認適合証を受け取る。
  3. 手続支援システムで日野市へ管理計画認定を申請する。
  4. 管理計画認定の通知を受け取る。
  5. 管理組合が承諾した場合に限り、認定情報が公表される。

費用は、次のとおりです。

項目 金額
日野市への申請手数料 無料
マンション管理センター システム利用料 1申請あたり10,000円(税込)
事前確認審査料(管理センター等を利用する場合) 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)
事前確認審査料(マンション管理士へ直接依頼する場合など) 管理組合と依頼先の協議で決定

金額はマンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」の案内によるものです。つまり、管理センターのサービスを標準的に使う場合の目安は、市への手数料0円、システム利用料10,000円、審査料10,000円で、合計20,000円前後です。管理士へ直接依頼する場合は、協議で決まる審査料がここに加わります。

数万円規模の話であり、総会の予算としては軽い部類です。ただし、総額で出しておかないと、あとから「思っていたより高い」という声が出て、議案そのものが流れてしまうことがあります。私はそこを何度も見てきました。

事前確認を担当するのは、管理センターの講習を修了したマンション管理士です。依頼先には、管理委託先の管理会社、独立系のマンション管理士、日本マンション管理士会連合会などがあります。管理センターの手続支援サービスは、マンション管理適正化推進計画を作成している自治体に立地するマンションが対象です。日野市は推進計画を策定していますので、この条件の面でも使いやすい立地です。

認定の3つの経済効果(長寿命化促進税制/フラット35/共用部リフォーム融資)

管理計画認定を取ると、主に3つの経済的な効果が期待できます。日野市のページでも、共用部リフォーム融資とフラット35の金利引下げ、長寿命化促進税制が案内されています。

① マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)
日野市が案内している要件は、築20年以上で1棟10戸以上のマンションであること、過去に1回以上の長寿命化工事を実施していること、令和7年1月2日から令和9年3月31日までに2回目以降の工事を完了することです。減額は、固定資産税の家屋の課税分の3分の1で、完成後の翌年度分の1年度のみ、1戸あたり100平方メートルまでが対象です。都市計画税は対象外です。申告は工事完了日から3か月以内で、窓口は市民部資産税課です(出典:日野市「マンション長寿命化促進税制にかかる固定資産税減額措置」。同ページの更新日は令和7年4月1日です)。

このページの更新日は令和7年度のものですので、私は「制度の骨格を知るための資料」として使い、実際の工事の際は、必ず資産税課と国土交通省のマンション長寿命化促進税制のページで最新の要件を確認してください、とお伝えしています。国のページでは、管理計画認定を受けたマンションの場合と、助言・指導を受けた管理組合の場合の2つの類型が示されています。

② フラット35の金利引下げ
日野市のページでは、認定マンションの購入者向けに、フラット35の借入金利を当初5年間、年0.25%引き下げると案内されています。適用条件は見直されることがあるため、申込み時点の内容を住宅金融支援機構の金利情報で確認してください。売却や賃貸募集の場面で、適正に管理されたマンションとして評価されやすくなる点も、資産価値の面では見逃せません。

③ マンションすまい・る融資(共用部リフォーム融資)の金利引下げ
管理組合が大規模修繕のために借りる融資では、2026年度お申込分の案内で、管理計画認定を取得していれば金利が0.2%引き下げられます(下限0.1%)。条件は、借入申込日の時点で認定を取得しており、認定日から5年を経過していないことです。申請中では適用されません。耐震改修、浸水対策、省エネルギー対策の工事を併せて行う場合は、返済期間を最長35年まで延ばせます。ただし、返済期間が21年以上になると金利が高くなる点には注意が必要です(出典:住宅金融支援機構「2026年度マンションすまい・る融資のご案内」)。

私は、この3つの中で③が管理組合にとって最も身近だと考えています。大規模修繕の資金を借りる予定があるなら、認定の取得時期と借入のタイミングをそろえるだけで、利息の総額が変わってくるからです。

ここで、修繕費用の面から具体例を一つお伝えします。私が携わった案件で、10階建て・外周80m・工期3ヶ月の物件では、足場工法で約168万円かかった仮設費用が、ロープアクセス工法では約59万円と、差額は約109万円になったことがあります(物件の形状や条件で大きく変動する目安です)。認定を取って融資の金利を下げ、さらに工法の選び方で工事費そのものを圧縮する。この両輪が、修繕積立金を守る近道だと私は現場で実感しています。

日野市は、多摩丘陵の斜面や浅川・多摩川沿いの低地など、地形が変化に富んでいます。丘陵地のマンションには、敷地に高低差があって足場の架設に手間がかかる建物も少なくありません。こうした建物では、工法の比較が特に効いてきます。詳しい技術情報は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムでも解説しています。

日野市で使える相談先と、認定の前に整えておきたいこと

日野市の住宅施策の窓口は、まちづくり部都市計画課の住宅政策係です。分譲マンションの制度は年度ごとに内容が変わりますので、窓口へ直接ご確認ください。固定資産税の減額については、市民部資産税課が窓口です。

東京都の制度もあわせて検討できます。日野市のオーナー向けの補助金の状況は、当社の記事日野市の収益不動産オーナー向け補助金・助成金(2026年度)にまとめています。管理組合さまは、補助金・融資・税制のうち、どれが自分たちの修繕計画に合うのかを、認定の準備と並行して整理しておくと、総会での説明が楽になります。

なお、日野市の公式ページには、市内で認定を受けたマンションの件数や一覧は掲載されていませんでした。認定情報は、管理組合が承諾した場合に限り、管理センターの閲覧サイトで公表される仕組みです。つまり、市のページからは先行事例の数が見えにくい点が、稲城市など件数を公表している自治体との違いです。ご近所の管理組合の動きは、管理会社やマンション管理士を通じて情報を集めるのが近道です。

私は、認定に向けた見直しを「マンションの健康診断」と捉えるようお伝えしています。長期修繕計画と積立金の見直しが進めば、それ自体が将来の大規模修繕の資金繰りを助けます。なお、明誠の本拠は東京都東大和市で、日野市を含む多摩地域は私にとって日常の生活圏です。多摩エリアの分譲マンションの修繕についても、ご相談を数多くいただいてきました。

逆算スケジュール(総会決議→書類準備→認定申請→交付)

認定は、思い立ってすぐ取れるものではありません。私が理事会にお勧めしている逆算の流れを、認定希望日から数えて整理します。

  1. 方針決定(4〜5ヶ月前):理事会で長期修繕計画、修繕積立金の水準、管理規約の現状を17要件に照らして自己診断する。
  2. 書類整備(3〜4ヶ月前):長期修繕計画が7年を超えていれば、見直しを先に完了させる。滞納状況や名簿の整備もここで行う。
  3. 事前確認の依頼先を決定(2〜3ヶ月前):管理会社、管理士、管理センター経由などで見積りを取り、審査料を比較する。
  4. 総会での決議(1〜2ヶ月前):認定申請を行うこと、必要に応じた規約改正、費用の予算化を決議する。
  5. 事前確認とオンライン申請:事前確認適合証を取得し、手続支援システムで日野市へ申請する。
  6. 認定通知の受領と公表の判断:認定通知を受け取り、閲覧サイトでの公表に承諾するかどうかを決める。審査期間は市の案内でご確認ください。

総会が年1回のマンションが多いため、「今期の総会で議案にできなければ1年遅れる」という点は、私が現場で繰り返しお伝えしている大事なポイントです。更新の準備は、認定から4年目に入ったら始めるのが理想です。

まとめ+今週動くこと3点

日野市の管理計画認定は、市への申請手数料が無料で、独自の上乗せ基準も公開ページ上では確認できません。一方で、管理センター側のシステム利用料と事前確認の審査料は別にかかります。「市に払うお金」と「管理センターに払うお金」を分けて、総額で把握しておくことが、総会を通す最大のコツです。

今週、理事会で動いていただきたいことは次の3点です。

  1. 長期修繕計画の作成・見直し年月を確認し、7年以内かどうかをチェックする。
  2. 事前確認を誰に依頼するか(管理会社・管理士・管理センター直接)の候補を挙げ、見積りを依頼する。
  3. 日野市都市計画課の住宅政策係(042-514-8371)へ、最新の申請手順と審査期間を問い合わせる。

大規模修繕工事そのものは、足場を組む従来工法のほか、産業用ロープを使う無足場工法や、部位ごとに使い分けるハイブリッド工法という選択肢があります。私は約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕に携わってきましたが、工法を建物ごとに選び分けるだけで、修繕積立金の負担が大きく変わるケースを何度も見てきました。明誠のロープアクセス工法の詳細はロープアクセス工法のご紹介で、料金の考え方は大規模修繕の料金の考え方で公開しています。ロープアクセス工法での高所作業について、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業では、過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。訓練体制や施工の流れはロープアクセスドットコムをご覧ください。

管理組合さま向けのサービスは管理組合向けの大規模修繕サービスにまとめています。認定の準備が総会の議題になる前の段階でも、ご相談だけでも遠慮なくお問合せフォームからお声がけください。これまでの明誠の施工事例もあわせてご覧いただけます。

よくあるご質問

Q. 日野市への申請手数料はいくらですか?

A. 日野市の公式ページでは、申請に関して手数料はかかりません。ただし、マンション管理センターのシステム利用料(1申請あたり10,000円・税込)や事前確認の審査料は別にかかります。

Q. 日野市に独自の上乗せ基準はありますか?

A. 市の公開ページでは、認定基準は国の17項目で統一されていると案内されており、独自の上乗せ基準は確認できませんでした。運用が変わることもありますので、申請前に都市計画課へご確認ください。

Q. マンション管理センターの事前確認は必須ですか?

A. 日野市の案内では、事前確認を受けて事前確認適合証を取得した後、手続支援システムで市へ申請する流れが示されています。事前確認なしの直接申請の可否は、都市計画課へご確認ください。

Q. 事前確認や申請の費用は総額でいくらですか?

A. 管理センターを標準的に使う場合、市への手数料0円、システム利用料10,000円、審査料10,000円で、合計20,000円前後が目安です。管理士へ直接依頼する場合の審査料は協議で決まります。

Q. 管理状況届出制度と管理計画認定制度は同じですか?

A. 別の制度です。届出は昭和58年以前に建築された6戸以上の分譲マンションが対象で、5年ごとの更新が必要です。管理計画認定は任意で、取得すると融資や税制の優遇が期待できます。

Q. 認定を取ると固定資産税は自動的に減りますか?

A. 自動ではありません。築20年以上・10戸以上などの要件を満たし、対象となる長寿命化工事を所定の期間内に完了し、工事完了から3か月以内に申告する必要があります。工事の前に、資産税課へご確認ください。

Q. 認定の有効期間はどれくらいですか?

A. 5年間です。更新する場合は、前の認定の終了日の翌日から5年と案内されています。認定から4年目に入ったら準備を始めることをお勧めします。

Q. 認定されると、マンション名が公開されますか?

A. 管理組合が公開に承諾した場合にのみ、マンション管理センターの閲覧サイトで公表されます。承諾しない場合、管理計画の内容は公開されません。

本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月1日時点で公表されている日野市および国土交通省・東京都・公益財団法人マンション管理センター・住宅金融支援機構の公式情報をもとに執筆しています。日野市の認定制度ページの更新日は令和7年8月18日、固定資産税減額のページの更新日は令和7年4月1日です。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず日野市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月1日


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『大規模修繕工事 職人だから言える本当の話 —— 見積書では見えない業界の裏側と、修繕積立金を守る発注術』(Kindle版)を出版しています。20年以上の現場経験から、管理組合・オーナーが修繕積立金を守るための発注術と、業界の内幕を書き下ろしました。

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出典・参考資料

多摩市のマンション管理計画認定制度|市への申請手数料は無料、独自基準なし【2026年度版】

結論:多摩市で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか

先に結論です。多摩市でマンション管理計画認定を申請する場合、多摩市への申請手数料は無料です(出典:多摩市「マンション管理計画認定制度」。同ページには2026年7月13日更新と表示されています)。認定基準も国の17項目をそのまま使っており、多摩市独自の上乗せ基準はありません。

ただし「全部が無料」という意味ではありません。申請の前に公益財団法人マンション管理センターなどで事前確認を受け、「管理計画認定手続支援システム」でインターネット申請する流れのため、システム利用料や事前確認の審査料は別にかかります。私はこの「市に払うお金」と「その手前で払うお金」を分けて説明するようにしています。

多摩市は、多摩ニュータウンをはじめ、昭和40年代から続く大規模な分譲団地が数多く残るまちです。築年数を重ねた団地やマンションが多いからこそ、長期修繕計画と修繕積立金を見直す「きっかけ」として、認定制度は使い勝手のよい道具になります。この記事では、多摩市の手数料と申請ルート、認定の経済効果、そして理事会が動く順番を、現場目線で整理します。

認定主体はどこか(多摩市が認定行政庁)

管理計画認定制度は、令和4年4月に始まった国の制度です。審査を行う「認定行政庁」(申請を受け付けて審査し、認定書を交付する権限を持つ役所のこと)は、市や特別区の区域ではその市区、町村の区域では東京都が担います(出典:東京都マンションポータルサイト「マンション管理計画認定制度」)。

多摩市は「市」ですので、多摩市自身が認定行政庁です。市は令和5年4月から制度の運用を始めています(出典:多摩市「マンション管理計画認定制度」)。窓口は都市整備部都市計画課の住宅担当で、電話は042-338-6817と案内されています。

多摩市内に管理組合がある方が、まず押さえておくべき点は次の2つです。

  1. 認定を出すのは多摩市、事前確認と申請システムを運営するのはマンション管理センターと、役割が分かれていること。
  2. 認定の有効期間は認定日から5年間で、期限までに更新しないと失効すること。

私は初めてご相談を受ける理事長さまに、「市は審査と認定、管理センターは事前確認と申請システム」という役割分担を最初にお伝えしています。ここを取り違えると、どこへ何を持ち込めばよいのか分からなくなってしまうからです。

認定17要件(国が定める5分野の基準)

認定の基準は、全国共通で5分野・17項目に整理されています(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。基準の一覧は国土交通省の認定基準PDFで確認できます。マンション管理センターのページでは、認定基準は令和8年3月改訂版が参照されています(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。

1. 管理組合の運営
管理者等が定められていること、監事が選任されていること、集会(総会)が年1回以上開催されていること。

2. 管理規約
管理規約が作成されていること、緊急時に専有部分へ立ち入れる旨の規定があること、修繕等の履歴情報の保管や財務・管理に関する情報の書面交付に関する規定があること。

3. 管理組合の経理
管理費と修繕積立金が区分して経理されていること、修繕積立金会計から他の会計へ資金の貸付がないこと、直前の事業年度の終了日時点で3か月以上の修繕積立金の滞納額が全体の1割以内であること。

4. 長期修繕計画の作成及び見直し等
国の標準様式に準拠して作成され、総会で決議されていること。作成または見直しが7年以内であること。計画期間が30年以上で、大規模修繕が2回以上含まれること。修繕のたびに一時金を集める前提ではないこと。修繕積立金の平均額が著しく低額でないこと。計画期間の最終年度に借入金の残高がないこと。

5. その他
管理組合が組合員名簿と居住者名簿を備え、年1回以上内容を確認していること、都道府県や市の管理適正化指針に適合していること。

私の経験上、実務で最初に詰まるのは第4分野です。とくに「作成または見直しから7年以内」という条件は、築30年を超えた団地で計画の更新が止まっていた管理組合にとって高い壁になります。理事の交代で計画書の所在が分からなくなっていた、というご相談も珍しくありません。

多摩市の独自基準の有無と、実務への影響

多摩市のページには、認定基準は17項目で「多摩市独自の基準はありません」と明記されています(出典:多摩市「マンション管理計画認定制度」)。都内には認定基準を見直して独自の確認項目を運用する区もありますが、多摩市は国の基準だけで判断されます。

私が理事会にお伝えしているのは、「独自基準がない=簡単」ではない、ということです。国の基準は、長期修繕計画、修繕積立金、管理規約の実態を細かく問います。一方で、独自基準がない自治体には利点もあります。管理会社やマンション管理士が全国共通のチェックリストで事前診断できるため、準備の段取りを組みやすいのです。

もう一つ、東京都の条例に基づく「管理状況届出制度」との関係も整理しておきます。対象は昭和58年以前に建築された6戸以上の分譲マンションで、届出は5年ごとの更新が必要です。東京都が令和7年3月に届出用紙を送付済みで、オンライン入力と、届出書の郵送または持参のいずれかで手続きします(出典:多摩市「マンションの管理状況届出制度(東京都)」。同ページの更新日は2025年4月1日)。届出は義務、管理計画認定は任意です。古い団地ほど、届出で管理状況を整理してから認定を目指す順序が現実的です。

手数料と申請ルート(事前確認あり/なし・マンション管理センター経由)

多摩市の手数料は、次のとおりです。

区分 多摩市への手数料
新規の認定申請 無料
有効期間 認定日から5年間

多摩市のページには「多摩市への申請手数料は無料です」と書かれています。ここで、申請ルートと総額のイメージを持っておきましょう。

市の案内では、事前確認適合証が発行されたあと、インターネット上で管理計画認定手続支援システムから認定の申請を行います。マンション管理センターの支援サービスには、次の費用がかかります(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。

項目 金額
システム利用料 1申請あたり10,000円(税込)
事前確認審査料(日本マンション管理士会連合会経由、または管理センター直接利用) 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)
事前確認審査料(マンション管理士へ直接依頼、または管理業協会経由) 管理組合と依頼先の協議で決定

つまり、管理センター直接利用の場合の目安は、システム利用料10,000円と審査料10,000円の合計20,000円前後です。管理士へ直接依頼する場合は、協議で決まる審査料がここに加わります。数万円規模の話であり、総会の予算としては軽い部類です。ただし、私は理事会に「予算は市の手数料だけでなく、管理センター側の費用まで含めた総額で出してください」とお願いしています。あとから「思っていたより高い」という声が出ると、議案そのものが流れてしまうからです。

事前確認を担当するのは、管理センターの講習を修了したマンション管理士です。依頼先には、管理委託先の管理会社、独立系のマンション管理士、日本マンション管理士会連合会などがあります。なお、地方公共団体に直接申請するルートもありますが、多摩市の案内では事前確認適合証を得たうえでのインターネット申請が示されています。実際の申請前に、都市計画課で最新の取扱いを確認してください。

認定の3つの経済効果(長寿命化促進税制/フラット35/共用部リフォーム融資)

管理計画認定を取ると、主に3つの経済的な効果が期待できます。多摩市のページでも、フラット35とマンション共用部分リフォーム融資の金利引下げが挙げられています。

① マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)
一定の要件を満たすマンションが長寿命化に資する大規模修繕工事を行った場合、工事完了の翌年度の固定資産税(建物部分)が減額される特例です。管理計画認定を受けたマンションなどが対象になります(出典:国土交通省「マンション長寿命化促進税制」)。減額の割合、対象工事、適用期間は国の告示で定められているため、工事時期が決まった段階で、多摩市の資産税担当と国交省のパンフレットで内容を確認してください。

② フラット35の金利引下げ
認定マンションの購入者向けに、フラット35の金利を一定期間引き下げる優遇があります。適用条件は見直されることがあるため、申込み時点の内容を住宅金融支援機構の金利情報で確認してください。売却や賃貸募集の場面で「適正に管理されたマンション」として評価されやすくなる点も、資産価値の面で見逃せません。

③ マンションすまい・る融資(共用部リフォーム融資)の金利引下げ
管理組合が大規模修繕のために借りる融資では、令和8年度(2026年度)の案内で、管理計画認定を取得していれば金利が年0.2%引き下げられます(下限0.1%)。条件は、借入申込日時点で認定から5年を経過していないことです。耐震改修・浸水対策・省エネルギー対策の工事を併せて行う場合は、返済期間を最長35年まで延ばせます(出典:住宅金融支援機構「2026年度マンションすまい・る融資のご案内」)。

私は、この3つの中で③が管理組合にとって最も身近だと考えています。大規模修繕の資金を借りる予定があるなら、認定の有効期間(5年)と借入のタイミングをそろえるだけで、利息の総額が変わってくるからです。

ここで、修繕費用の面から具体例を一つお伝えします。私が携わった案件で、10階建て・外周80m・工期3ヶ月の物件では、足場工法で約168万円かかった仮設費用が、ロープアクセス工法では約59万円と、差額は約109万円になったことがあります(物件の形状や条件で大きく変動する目安です)。認定を取って融資の金利を下げ、さらに工法の選び方で工事費そのものを圧縮する。この両輪が、修繕積立金を守る近道だと私は現場で実感しています。

多摩市には、丘陵地に建つ団地や、敷地に高低差のあるマンションも多くあります。こうした建物では足場の架設に手間がかかるため、工法の比較が特に効いてきます。詳しい技術情報は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムでも解説しています。

逆算スケジュール(総会決議→書類準備→認定申請→交付)

認定は、思い立ってすぐ取れるものではありません。私が理事会にお勧めしている逆算の流れを、認定希望日から数えて整理します。

  1. 方針決定(4〜5ヶ月前):理事会で長期修繕計画、修繕積立金の水準、管理規約の現状を17要件に照らして自己診断する。
  2. 書類整備(3〜4ヶ月前):長期修繕計画が7年を超えていれば、見直しを先に完了させる。滞納状況や名簿の整備もここで行う。
  3. 事前確認の依頼先を決定(2〜3ヶ月前):管理会社、管理士、管理センター経由などで見積りを取り、審査料を比較する。
  4. 総会での決議(1〜2ヶ月前):認定申請を行うこと、必要に応じた規約改正、費用の予算化を決議する。
  5. 事前確認とオンライン申請:事前確認適合証を取得し、手続支援システムで多摩市へ申請する。
  6. 審査と認定書の交付:不備がなければ数週間から1〜2ヶ月が目安です。認定後は有効期間の5年を管理します。

総会が年1回のマンションが多いため、「今期の総会で議案にできなければ1年遅れる」という点は、私が現場で繰り返しお伝えしている大事なポイントです。更新の準備は認定から4年目に入ったら始めるのが理想です。

多摩市で使える相談先と、認定の前に整えておきたいこと

多摩市には、認定を検討する管理組合が使える支援がそろっています。

住宅アドバイザー派遣制度:市内の分譲マンションを対象に、長期修繕計画や管理組合の運営・規約などの相談へ専門家を派遣する制度です。費用は無料で、年5回まで、1回2時間と案内されています。事前に市へ電話か来庁で相談し、そのうえで派遣を申し込みます(出典:多摩市「住宅アドバイザー派遣制度」)。17要件のどこが不足しているのか分からない段階なら、まずここで現状を整理するのが近道です。

マンション管理セミナー:2026年10月24日(土)午後1時30分から、永山公民館ベルブホールで開催されます。演題は「大規模修繕工事修繕周期20年延伸化を目指して」で、一級建築士による講演と意見交換会があり、参加は無料、定員80名、申込締切は2026年10月22日です(出典:多摩市「マンション管理セミナー」)。長期修繕計画を学べる機会ですので、理事の方は参加を検討する価値があります。

私は、認定に向けた見直しを「マンションの健康診断」と捉えるようお伝えしています。長期修繕計画と積立金の見直しが進めば、それ自体が将来の大規模修繕の資金繰りを助けます。なお明誠の本拠は東京都東大和市で、多摩地域は私にとって日常の生活圏です。多摩市の団地や分譲マンションの修繕についても、ご相談を数多くいただいてきました。

まとめ+今週動くこと3点

多摩市の管理計画認定は、市への手数料が無料、独自基準もなしという、取り組みやすい条件です。一方で、管理センター側のシステム利用料と事前確認の審査料は別にかかります。「市に払うお金」と「管理センターに払うお金」を分けて、総額で把握しておくことが、総会を通す最大のコツです。

今週、理事会で動いていただきたいことは次の3点です。

  1. 長期修繕計画の作成・見直し年月を確認し、7年以内かどうかをチェックする。
  2. 事前確認を誰に依頼するか(管理会社・管理士・管理センター直接)の候補を挙げ、見積りを依頼する。
  3. 10月22日締切のマンション管理セミナーへの参加や、住宅アドバイザー派遣の利用を検討する。

大規模修繕工事そのものは、足場を組む従来工法のほか、産業用ロープを使う無足場工法や、部位ごとに使い分けるハイブリッド工法という選択肢があります。私は約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕に携わってきましたが、工法を建物ごとに選び分けるだけで、修繕積立金の負担が大きく変わるケースを何度も見てきました。明誠のロープアクセス工法の詳細はロープアクセス工法のご紹介で、料金の考え方は大規模修繕の料金の考え方で公開しています。ロープアクセス工法での高所作業について、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業では、過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。訓練体制や施工の流れはロープアクセスドットコムをご覧ください。

管理組合さま向けのサービスは管理組合向けの大規模修繕サービスにまとめています。ご相談だけでも遠慮なくお問合せフォームからお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。これまでの明誠の施工事例もあわせてご覧いただけます。

よくあるご質問

Q. 多摩市への申請手数料はいくらですか?

A. 多摩市への申請手数料は無料と案内されています。ただし、マンション管理センターの手続支援サービスには、システム利用料(1申請あたり10,000円・税込)や事前確認の審査料が別にかかります。

Q. 多摩市に独自の上乗せ基準はありますか?

A. ありません。多摩市は国の17項目の基準をそのまま採用しています。

Q. マンション管理センターの事前確認は必須ですか?

A. 多摩市の案内では、事前確認適合証の発行後に、手続支援システムで認定を申請する流れが示されています。申請前に、都市計画課住宅担当(042-338-6817)で最新の取扱いをご確認ください。

Q. 事前確認や申請システムの費用は総額でいくらですか?

A. 管理センターを直接利用する場合、システム利用料10,000円に、長期修繕計画1計画あたり審査料10,000円が加わり、合計20,000円前後が目安です。管理士へ直接依頼する場合の審査料は協議で決まります。

Q. 管理状況届出制度と管理計画認定制度は同じですか?

A. 別の制度です。届出は昭和58年以前に建築された6戸以上の分譲マンションが対象で、5年ごとの更新が必要です。管理計画認定は任意で、取得すると融資や税制の優遇が期待できます。

Q. 認定を取ると固定資産税は自動的に減りますか?

A. 自動ではありません。長寿命化促進税制の対象となる工事を、定められた要件のもとで実施し、所定の手続きで申告する必要があります。工事の前に市の資産税担当へご確認ください。

Q. 認定の有効期間はどれくらいですか?

A. 認定日から5年間です。満了前に更新の申請をしないと失効しますので、認定から4年目に入ったら準備を始めることをお勧めします。

Q. 相談できる無料の制度はありますか?

A. 多摩市の住宅アドバイザー派遣制度は、市内の分譲マンションを対象に、年5回まで(1回2時間)無料で専門家を派遣します。長期修繕計画や管理組合の運営について相談できます。

本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月30日時点で公表されている多摩市および国土交通省・東京都・公益財団法人マンション管理センター・住宅金融支援機構の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず多摩市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年9月30日


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出典・参考資料

町田市のマンション管理計画認定制度|申請手数料4,100円+加算1,800円、独自基準なし【2026年度版】

結論:町田市で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか

先に結論です。町田市でマンション管理計画認定を新規に申請する場合、市への手数料は基本4,100円で、長期修繕計画が複数ある場合は1計画ごとに加算1,800円です(出典:町田市「マンション管理計画認定制度」。同ページの最終更新は2023年5月9日と表示されているため、令和8年度の取扱いは窓口で再確認が必要です)。町田市は独自の上乗せ基準を設けておらず、国のマンション管理適正化指針の基準と同じ内容で審査されます。

申請の進め方にも特徴があります。市の案内では、まず公益財団法人マンション管理センターに事前確認を依頼し、そのうえでインターネットの「管理計画認定手続支援システム」から市へ申請する流れが示されています。窓口は都市づくり部住宅課です。

私は多摩地域の管理組合さまから、駅前の分譲マンションから郊外の大規模団地まで、さまざまなご相談をいただいてきました。町田市は東京都の南端で神奈川県相模原市・横浜市に接しており、築年数の進んだ団地型のマンションも少なくありません。そうした物件の理事会が最初に知りたいのは「認定を取ると、結局いくら得をして、いくらかかるのか」という点です。この記事では、町田市の手数料構造、申請ルート、認定で得られる経済効果を、現場で20年近くやってきた職人の目線で整理します。

認定主体はどこか(町田市が認定行政庁)

管理計画認定制度は、令和4年4月に始まった国の制度です。審査を行う「認定行政庁」(用語補足:申請を受け付けて審査し、認定書を交付する権限を持つ役所のことです)は、特別区と市の区域では当該の区や市、町村の区域では東京都が担います(出典:東京都マンションポータルサイト「マンション管理計画認定制度」)。

町田市は「市」ですので、町田市自身が認定行政庁です。市の案内では、2023年1月に制度を開始し、「町田市マンション管理適正化推進計画」を策定済みと説明されています。この推進計画がある自治体でなければ、そもそも認定制度は使えません。町田市内の分譲マンションであれば、申請の入口に立てるということです。

問合せ先は都市づくり部住宅課で、電話は042-724-4269と案内されています(出典:町田市「マンション管理計画認定制度」)。また、町田市には「マンション管理に関する相談窓口」のページもあり、認定に進む前の現状整理に使えます(出典:町田市「マンション管理に関する相談窓口」)。

ここで、混乱しやすい点をひとつ。町田市が審査と認定を行いますが、事前確認と申請システムはマンション管理センターが運営しています。窓口が2つあるように見えるので、私は最初に「市は審査と認定、管理センターは事前確認と申請システム」と役割を分けてご説明しています。

認定17要件(国が定める5分野の基準)

認定の基準は、全国共通で5分野・17項目に整理されています(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。基準の詳細は国土交通省の認定基準PDFで確認できます。町田市のページでは、内訳を管理組合運営3項、管理規約3項、経理3項、長期修繕計画6項、その他2項と説明しています。

1. 管理組合の運営
管理者等が定められていること、監事が選任されていること、集会(総会)が年1回以上開催されていること。

2. 管理規約
管理規約が作成されていること、緊急時に専有部分へ立ち入れる旨の規定があること、修繕等の履歴情報の保管や財務・管理情報の開示に関する規定があること。

3. 管理組合の経理
管理費と修繕積立金が区分して経理されていること、修繕積立金を他の会計へ流用していないこと、直前の事業年度の終了日時点で修繕積立金の3か月以上の滞納額が全体の1割以内であること。

4. 長期修繕計画
国の標準様式に準拠した計画が総会で決議されていること、作成または見直しが7年以内であること、計画期間が30年以上で大規模修繕が2回以上含まれること、修繕積立金の額が著しく低額でないこと、計画期間の最終年度に借入金の残高がないこと、などです。

5. その他
組合員名簿と居住者名簿が備えられていること、都道府県や市町村の管理適正化指針に適合していること。

私の経験上、実務で最初に詰まるのは第4分野の長期修繕計画です。「作成から7年以内」という条件は、見直しを先送りしてきたマンションにとって高い壁になります。理事の交代で計画書の所在が分からなくなっている、というご相談も珍しくありません。町田市に多い築30年を超えた団地では、計画の見直し時期がちょうど重なっているケースがよくあります。

独自基準の有無と実務への影響

町田市のページには、「市の独自基準はなく、国がマンション管理適正化指針に定める基準と同一」という趣旨の説明があります。東京都内では、渋谷区のように令和8年4月から防災対策やコミュニティ活動などの区独自基準を運用する区もあり、自治体ごとに違いがあるのは事実です(出典:渋谷区「マンション管理計画認定制度」)。町田市については、「国の17要件を満たせば足りる」と理解して構いません。

ただし、私が理事会にお伝えするのは「独自基準がない=簡単」ではないということです。国の基準そのものが、長期修繕計画、修繕積立金、管理規約の実態を細かく問うものだからです。独自基準がない自治体の利点は、隣接する市区と同じ準備で済むこと、そして管理会社や管理士が全国共通のチェックリストで事前診断しやすいことにあります。

一点、今後の動きにも触れておきます。国土交通省のページによれば、認定制度の見直しとして、令和9年4月1日施行予定で分譲事業者による申請を新たに認める改正が予定されています(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。既存の管理組合が直接影響を受ける変更ではありませんが、基準や様式は動いていくものです。申請前に、必ず最新の様式と基準をご確認ください。

手数料と申請ルート(事前確認あり/なし・マンション管理センター経由)

町田市への手数料は、市のページで次のように案内されています。

区分 町田市への手数料
認定申請・更新申請 基本手数料4,100円+加算手数料(1計画ごと)1,800円
変更申請 変更内容ごとに異なり、管理組合の運営に関する変更は4,800円から、長期修繕計画に関する変更は9,800円まで

(出典:町田市「マンション管理計画認定制度」。更新日2023年5月9日のページ記載のため、令和8年度の金額は窓口でご確認ください。)

続いて、実際の申請ルートです。市の案内では、公益財団法人マンション管理センターへ事前確認を依頼し、その後に手続支援システムで認定申請を行います。管理センターの支援サービスには、市への手数料とは別に、システム利用料10,000円(消費税込み)がかかります。事前確認の審査料は、依頼の経路によって金額が変わります(出典:公益財団法人マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」。同ページは令和8年3月改訂の表示です)。

つまり、町田市の申請で最低限見込むべき費用は、市の手数料(4,100円+加算)とシステム利用料(10,000円)です。ここに事前確認の審査料が乗ります。私は理事会に「総会の予算は、市の手数料だけでなく管理センター側の費用まで含めた総額で出してください」と必ずお願いしています。あとから「思ったより高い」という声が出ると、議案そのものが流れてしまうからです。

事前確認を担当するのは、管理センターの講習を修了したマンション管理士です。依頼先は、管理委託先の管理会社、独立系のマンション管理士、管理センターへの直接依頼などから選べます。「事前確認あり」の適合証を取得して申請するルートが町田市の案内する標準ルートで、適合証なしで市へ直接申請するルートは、市のページでは説明されていません。直接申請を考える場合は、必ず事前に住宅課へ確認してください。

認定の3つの経済効果(長寿命化促進税制/フラット35/共用部リフォーム融資)

管理計画認定を取ると、主に3つの経済的な効果が期待できます。

① マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)
一定の要件を満たす管理計画認定マンションが、外壁塗装等工事や防水工事などの長寿命化工事を行った場合、工事完了の翌年度の固定資産税(建物部分)が減額される特例です(出典:国土交通省「マンション長寿命化促進税制」)。減額の割合、対象工事、適用期限は、国の資料と市の資産税担当で確認が必要です。工事の契約前に、対象になるかを必ず確認してください。

② フラット35の金利引下げ
認定マンションの購入者が使うフラット35には、金利を一定期間引き下げる優遇があります。適用条件や引下げ幅は時期によって変わるため、申込み時点の内容を住宅金融支援機構の金利情報やフラット35維持保全型のページでご確認ください。将来の売却時に、購入希望者が金利面で有利になる点は、資産価値を説明する材料になります。

③ マンションすまい・る融資(共用部リフォーム融資)の金利引下げ
管理組合が大規模修繕のために借りる共用部リフォーム融資では、2026年度の案内で、管理計画認定を取得していれば金利が年0.2%引き下げられます(下限0.1%)。条件は、借入申込時点で認定を取得していることで、申請中の場合は対象外です。耐震改修・浸水対策・省エネルギー対策の工事を併せて行う場合は、返済期間を最長35年まで延ばせます(出典:住宅金融支援機構「2026年度マンションすまい・る融資のご案内」)。

私は、この3つの中で③が管理組合にとって最も身近だと考えています。大規模修繕の資金を借りる予定があるなら、認定の取得時期と借入の申込時期をそろえるだけで、利息の総額が変わってきます。

ここで、修繕費用の面から現場の数字をひとつお伝えします。私が携わった10階建て・外周80m・工期3か月の物件では、足場工法で約168万円かかった仮設費用が、ロープアクセス工法では約59万円となり、差額は約109万円でした(物件の形状や条件で大きく変わる目安です)。認定で融資の金利を下げ、さらに工法の選び方で工事費そのものを圧縮する。この両輪が、修繕積立金を守る近道だと私は現場で実感しています。

町田市で認定を目指すときの実務ポイント

町田市のように築年数の進んだ団地型マンションが多い地域では、次の3点で足踏みするケースを私はよく見てきました。

長期修繕計画の見直し時期:作成から7年を超えていると、まず計画の見直しから始めることになります。見直しには、建物の劣化調査と工事費の再積算が必要で、時間も費用もかかります。

修繕積立金の水準:国の基準は、修繕積立金の額が著しく低額でないことを求めています。長年据え置いてきた積立金が、計画に対して不足している場合は、値上げの議案が先に必要です。

名簿の整備:組合員名簿と居住者名簿は、認定の要件です。賃貸に出している住戸が増えると、居住者の把握が追いつかなくなります。個人情報の取扱いを規約に定めたうえで、名簿を整えておく必要があります。

私は、認定を「マンションの健康診断」と捉えるよう理事会にお伝えしています。長期修繕計画と積立金の見直しが進めば、それ自体が将来の大規模修繕の資金繰りを助けます。認定は、その副産物として税制や融資の優遇がついてくるものです。

逆算スケジュール(総会決議→書類準備→認定申請→交付)

認定は、思い立ってすぐ取れるものではありません。私が理事会にお勧めしている逆算の流れを、認定希望日から数えて整理します。

  1. 方針決定(4〜5か月前):理事会で長期修繕計画、修繕積立金の水準、管理規約の現状を17要件に照らして自己診断する。
  2. 書類整備(3〜4か月前):長期修繕計画が7年を超えていれば、見直しを先に完了させる。滞納状況や名簿の整備もここで行う。
  3. 事前確認の依頼先を決定(2〜3か月前):管理会社、管理士、管理センター経由などで見積りを取る。審査料は経路で異なるので比較する。
  4. 総会での決議(1〜2か月前):認定申請を行うこと、必要に応じた規約改正、費用の予算化を決議する。
  5. 事前確認とオンライン申請:適合証を取得し、手続支援システムで町田市へ申請する。手数料は市の案内に従って納付する。
  6. 審査と認定書の交付:不備がなければ数週間から1〜2か月が目安です。認定後は有効期間の5年を管理します。

総会が年1回のマンションが多いため、「今期の総会で議案にできなければ1年遅れる」という点は、私が繰り返しお伝えしている大事なポイントです。認定の有効期間は5年で、更新の準備は4年目から始めるのが理想です。なお、計画変更があった場合は変更申請が必要で、変更申請によって有効期間が延びるわけではありません。

まとめ+今週動くこと3点

町田市の管理計画認定は、市への手数料が基本4,100円+加算1,800円と小さい一方、事前確認とシステム利用に別の費用がかかります。「市に払うお金」と「管理センター側に払うお金」を分け、総額で把握しておくことが、総会を通す最大のコツです。

今週、理事会で動いていただきたいことは次の3点です。

  1. 長期修繕計画の作成・見直し年月を確認し、7年以内かどうかをチェックする。
  2. 事前確認を誰に依頼するか(管理会社・管理士・管理センター直接)の候補を挙げ、見積りを依頼する。
  3. 次回総会の議案候補として、認定申請と費用の予算化を理事会で仮検討する。

大規模修繕工事そのものは、足場を組む従来工法のほか、産業用ロープを使う無足場工法や、部位ごとに使い分けるハイブリッド工法という選択肢があります。私は約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕に携わってきましたが、工法を建物ごとに選び分けるだけで、修繕積立金の負担が大きく変わるケースを何度も見てきました。明誠のロープアクセス工法の詳細はロープアクセス工法のご紹介で、料金の考え方は大規模修繕の料金の考え方で公開しています。技術面をさらに深く知りたい方は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムもご覧ください。ロープアクセス工法での高所作業について、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業では、過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。訓練体制や施工の流れはロープアクセスドットコムで解説しています。

管理組合さま向けのサービスは管理組合向けの大規模修繕サービスにまとめています。ご相談だけでも遠慮なくお問合せフォームからお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。これまでの明誠の施工事例もあわせてご覧いただけます。

よくあるご質問

Q. 町田市への申請手数料はいくらですか?

A. 認定申請・更新申請は、基本手数料4,100円に、長期修繕計画1計画ごとの加算手数料1,800円が加わります。変更申請は内容ごとに異なり、4,800円から9,800円までです。市のページの更新日は2023年5月9日のため、申請前に窓口で最新額をご確認ください。

Q. 町田市に独自の上乗せ基準はありますか?

A. 町田市は、国のマンション管理適正化指針の基準と同一で、市の独自基準はないと案内しています。国の17要件を満たすことが基本です。

Q. マンション管理センターの事前確認は必須ですか?

A. 町田市の案内では、管理センターに事前確認を依頼し、手続支援システムで認定申請を行う流れが示されています。直接申請の可否を含め、申請前に住宅課(042-724-4269)で最新の取扱いをご確認ください。

Q. 管理センターの利用には別途費用がかかりますか?

A. はい。システム利用料が1申請あたり10,000円(消費税込み)で、事前確認審査料は依頼の経路によって異なります。市への手数料とは別に見込んでください。

Q. 認定を取ると固定資産税は自動的に減りますか?

A. 自動ではありません。長寿命化促進税制の対象となる工事を、定められた期間内に完了し、所定の手続きで申告する必要があります。工事の前に、市の資産税担当や国土交通省の資料でご確認ください。

Q. 認定の有効期間はどれくらいですか?

A. 5年間です。満了前に更新申請をしないと失効しますので、更新の準備は4年目から始めることをお勧めします。

Q. マンションすまい・る融資の金利引下げはいつまでに認定が必要ですか?

A. 2026年度の案内では、借入申込時点で認定を取得していることが条件で、申請中は対象外です。融資を予定している場合は、認定の取得時期を工事のスケジュールから逆算してください。

Q. 小規模なマンションでも認定は取れますか?

A. 戸数による制限はなく、国の17要件を満たしていれば規模にかかわらず申請できます。

本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月30日時点で公表されている町田市および国土交通省・東京都・公益財団法人マンション管理センター・住宅金融支援機構の公式情報をもとに執筆しています。なお、町田市の制度ページの更新日は2023年5月9日と表示されており、手数料など令和8年度の内容は市の窓口でも確認されることをお勧めします。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず町田市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年9月30日


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出典・参考資料

立川市のマンション管理計画認定制度|申請手数料4,100円+加算1,800円、管理センター経由の申請が前提【2026年度版】

結論:立川市で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか

先に結論です。立川市でマンション管理計画認定を新規に申請する場合、市への手数料は基本手数料4,100円で、長期修繕計画が複数ある場合は1計画ごとに加算手数料1,800円がかかります(出典:立川市「マンション管理計画認定制度」。同ページの更新日は2024年4月22日と表示されており、令和8年度の運用は窓口で再確認が必要です)。立川市は独自の上乗せ基準を設けず、国の基準をそのまま使っています。

申請の進め方も特徴的です。市の案内では、公益財団法人マンション管理センターの事前確認を受けて適合証を取得し、「管理計画認定手続支援システム」から市へ申請する流れが示されています。窓口は市民部住宅課住宅対策係です。

私は多摩地域の管理組合さまから、立川駅周辺の大型マンションから郊外の小規模団地まで、幅広くご相談をいただいてきました。その中で感じるのは、立川市の理事会が悩むのは「どこまで自力でやるか」という点だということです。この記事では、立川市ならではの手数料構造、申請ルート、そして認定で得られる経済効果を、現場目線で整理します。

認定主体はどこか(立川市が認定行政庁)

管理計画認定制度は令和4年4月に始まった国の制度です。審査を行う「認定行政庁」(用語補足:申請を受け付けて審査し、認定書を交付する権限を持つ役所のことです)は、特別区と市の区域では当該の区や市、町村の区域では東京都が担います(出典:東京都マンションポータルサイト「マンション管理計画認定制度」)。

立川市は「市」ですので、立川市自身が認定行政庁です。市は令和5年11月に「立川市マンション管理適正化推進計画」を策定し、この制度をスタートさせました(出典:立川市「マンション管理計画認定制度」)。問合せ先は市民部住宅課住宅対策係で、電話は042-523-2111(内線2562)と案内されています。

ここで一点、大事な注意があります。管理計画認定制度は、市が「管理適正化推進計画」を策定している自治体でなければ使えません。立川市はこの計画を策定済みですので、市内の分譲マンションであれば申請の入口に立てます。一方で、認定は市が行っても、事前確認と申請システムはマンション管理センターが運営しています。窓口が2つあるように見えて混乱しやすいので、私は最初に「市は審査と認定、管理センターは事前確認と申請システム」と役割を分けてご説明しています。

認定17要件(国が定める5分野の基準)

認定の基準は、全国共通で5分野・17項目に整理されています(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。基準の一覧は国土交通省の認定基準PDFで確認できます。

1. 管理組合の運営
管理者等が定められていること、監事が選任されていること、集会(総会)が年1回以上開催されていること。

2. 管理規約
管理規約が作成されていること、緊急時に専有部分へ立ち入れる旨の規定があること、修繕履歴の保管や財務情報の開示に関する規定があること。

3. 管理組合の経理
管理費と修繕積立金が区分して経理されていること、修繕積立金を他の会計へ流用していないこと、滞納への督促などの措置があること。立川市のページには、直前の事業年度の終了日時点で修繕積立金の3か月以上の滞納額が全体の1割以内であること、との説明があります。

4. 長期修繕計画
国の標準様式に準拠した計画が総会で決議されていること、作成または見直しが7年以内であること、計画期間が30年以上で大規模修繕が2回以上含まれること、修繕のたびに一時金を集める前提でないこと、修繕積立金の額が著しく低額でないこと、計画期間の最終年度に借入金の残高がないこと、などです。

5. その他
組合員名簿と居住者名簿が備えられていること、都道府県や市の管理適正化指針に適合していること。

私の経験上、実務で最初に詰まるのは第4分野の長期修繕計画です。「作成から7年以内」という条件は、見直しをずっと先送りしてきたマンションにとって高い壁になります。理事会の引き継ぎで計画書が行方不明になっている、というご相談も珍しくありません。

独自基準の有無と実務への影響

立川市のページは、市が国の基準を採用しており、追加の独自基準は設けていないという趣旨の説明をしています。東京都内でも、渋谷区のように認定基準を見直して独自の確認項目を運用する区がありますので、自治体ごとに違いがあるのは事実です。ただ、立川市については「国の17要件を満たせば足りる」と理解して構いません。

私がこの点で理事会にお伝えするのは、「独自基準がない=簡単」ではないということです。国の基準そのものが、長期修繕計画、修繕積立金、管理規約の実態を細かく問うものだからです。むしろ独自基準がない自治体の利点は、隣の市区とも同じ準備で済むこと、そして管理会社や管理士が全国共通のチェックリストで事前診断しやすいことにあります。

もう一つ、都の条例に基づく「管理状況届出制度」との関係も整理しておきます。昭和58年12月31日以前に建築され、居住用の独立部分が6戸以上ある分譲マンションは、東京都のオンラインシステムか、市の住宅課への郵送・持参で届出が必要です(出典:立川市「管理状況届出制度」)。届出は義務、管理計画認定は任意です。古いマンションほど、届出で管理状況を整理してから認定を目指すという順序が現実的です。

手数料と申請ルート(事前確認あり/なし・マンション管理センター経由)

立川市への手数料は、次のとおり案内されています。

区分 立川市への手数料
新規認定申請 基本手数料4,100円+加算手数料(1計画ごと)1,800円
変更認定申請(管理組合の運営の例) 基本手数料4,800円+加算手数料2,600円

(出典:立川市「マンション管理計画認定制度」。更新日2024年4月22日のページ記載であり、変更認定の他区分や更新申請の金額は同ページまたは窓口でご確認ください。)

続いて、実際の申請ルートです。市の案内では、まずマンション管理センターの事前確認を受けて適合証を取得し、次に手続支援システムで市へ申請します。管理センターの支援サービスには、市への手数料とは別に、システム利用料が1申請あたり10,000円(税込)かかります。事前確認審査料は、依頼の経路によって0円から10,000円までの差があります(出典:公益財団法人マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。

つまり、立川市の申請で最低限見込むべき費用は、市の手数料(4,100円+加算)とシステム利用料(10,000円)です。ここに事前確認の審査料が乗る形になります。私は理事会に「総会の予算は、市の手数料だけでなく管理センター側の費用まで含めた総額で出してください」と必ずお願いしています。あとから「思っていたより高い」という声が出ると、議案そのものが流れてしまうからです。

事前確認を担当するのは、管理センターの講習を修了したマンション管理士です。依頼先は、管理委託先の管理会社、独立系のマンション管理士、日本マンション管理士会連合会、管理センターへの直接依頼などから選べます。なお、立川市は「マンション管理適正化支援法人」の登録に関するページも公開していますので、相談先を探す際の参考になります(出典:立川市「マンション管理適正化支援法人の登録について」)。

認定の3つの経済効果(長寿命化促進税制/フラット35/共用部リフォーム融資)

管理計画認定を取ると、主に3つの経済的な効果が期待できます。

① マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)
一定の要件を満たすマンションが外壁塗装等工事や防水工事を行った場合、工事完了の翌年度の固定資産税(建物部分)が減額される特例です。管理計画認定を受けたマンションが対象に含まれます(出典:国土交通省「マンション長寿命化促進税制」)。減額の割合・対象工事・適用期間は国の告示と市の条例で決まるため、工事の時期が決まった段階で、立川市の資産税担当と国交省のパンフレットで必ず確認してください。認定の手続書類は令和8年4月1日付で見直しが行われていると同ページにも記載があり、古い様式を使わないことが大切です。

② フラット35の金利引下げ
認定マンションの購入者向けに、フラット35の金利を一定期間引き下げる優遇があります。国交省の資料には、維持保全型で年0.25%・当初5年間の引下げを、2024年3月31日までの申込分として示したものがあります(出典:国土交通省「管理計画認定マンションに対する優遇措置」)。現在の適用条件は変わっている可能性があるため、住宅金融支援機構の金利・優遇情報で申込み時点の内容を確認してください。

③ マンションすまい・る融資(共用部リフォーム融資)の金利引下げ
管理組合が大規模修繕のために借りる共用部リフォーム融資では、令和8年度の案内で、管理計画認定を取得していれば金利が年0.2%引き下げられます(下限0.1%)。条件は、借入申込日時点で認定から5年を経過していないことです。耐震改修・浸水対策・省エネルギー対策の工事を併せて行う場合は、返済期間を最長35年まで延ばせます(出典:住宅金融支援機構「2026年度マンションすまい・る融資のご案内」)。

私は、この3つの中で③の効果が管理組合にとって最も身近だと考えています。大規模修繕の資金を借りる予定があるなら、認定の有効期間(5年)と借入のタイミングをそろえるだけで、利息の総額が変わってくるからです。

ここで、修繕費用の面から一つ具体例をお伝えします。私が携わった案件で、10階建て・外周80m・工期3ヶ月の物件では、足場工法で約168万円かかった仮設費用が、ロープアクセス工法では約59万円と、差額は約109万円になったことがあります(物件の形状や条件で大きく変動する目安です)。認定を取って融資の金利を下げ、さらに工法の選び方で工事費そのものを圧縮する。この両輪が、修繕積立金を守る近道だと私は現場で実感しています。

逆算スケジュール(総会決議→書類準備→認定申請→交付)

認定は、思い立ってすぐ取れるものではありません。私が理事会にお勧めしている逆算の流れを、認定希望日から数えて整理します。

  1. 方針決定(4〜5ヶ月前):理事会で長期修繕計画、修繕積立金の水準、管理規約の現状を17要件に照らして自己診断する。
  2. 書類整備(3〜4ヶ月前):長期修繕計画が7年を超えていれば見直しを先に完了させる。滞納状況や名簿の整備もここで行う。
  3. 事前確認の依頼先を決定(2〜3ヶ月前):管理会社、管理士、管理センター経由などで見積りを取る。審査料は経路で異なるので比較する。
  4. 総会での決議(1〜2ヶ月前):認定申請を行うこと、必要に応じた規約改正、費用の予算化を決議する。
  5. 事前確認とオンライン申請:適合証を取得し、手続支援システムで立川市へ申請する。手数料は市の案内に従って納付する。
  6. 審査と認定書の交付:不備がなければ数週間から1〜2ヶ月が目安です。認定後は有効期間の5年を管理します。

総会が年1回のマンションが多いため、「今期の総会で議案にできなければ1年遅れる」という点は、私が現場で繰り返しお伝えしている大事なポイントです。認定の有効期間は5年で、更新の準備は4年目から始めるのが理想です(出典:立川市「マンション管理計画認定制度」)。

立川市で使える相談先と、認定を取る前に整えておきたいこと

立川市には、分譲マンションの維持・管理に関する相談ページもあります(出典:立川市「分譲マンション維持・管理相談」)。要件のどこが不足しているのか分からない段階なら、まず市の窓口や相談制度で現状を整理するのが近道です。

私は、認定に向けた見直しを「マンションの健康診断」と捉えるようお伝えしています。長期修繕計画と積立金の見直しが進めば、それ自体が将来の大規模修繕の資金繰りを助けます。

まとめ+今週動くこと3点

立川市の管理計画認定は、市への手数料が基本4,100円+加算1,800円と比較的小さい一方、事前確認とシステム利用に別の費用がかかります。「市に払うお金」と「管理センター側に払うお金」を分けて、総額で把握しておくことが、総会を通す最大のコツです。

今週、理事会で動いていただきたいことは次の3点です。

  1. 長期修繕計画の作成・見直し年月を確認し、7年以内かどうかをチェックする。
  2. 事前確認を誰に依頼するか(管理会社・管理士・管理センター直接)の候補を挙げ、見積りを依頼する。
  3. 次回総会の議案候補として、認定申請と費用の予算化を理事会で仮検討する。

大規模修繕工事そのものは、足場を組む従来工法のほか、産業用ロープを使う無足場工法や、部位ごとに使い分けるハイブリッド工法という選択肢があります。私は約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕に携わってきましたが、工法を建物ごとに選び分けるだけで、修繕積立金の負担が大きく変わるケースを何度も見てきました。明誠のロープアクセス工法の詳細はロープアクセス工法のご紹介で、料金の考え方は大規模修繕の料金の考え方で公開しています。技術面をさらに深く知りたい方は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムもご覧ください。ロープアクセス工法での高所作業について、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業では、過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。詳しい施工の流れや訓練体制はロープアクセスドットコムで解説しています。

管理組合さま向けのサービスは管理組合向けの大規模修繕サービスにまとめています。ご相談だけでも遠慮なくお問合せフォームからお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。これまでの明誠の施工事例もあわせてご覧いただけます。

よくあるご質問

Q. 立川市への申請手数料はいくらですか?

A. 新規認定申請は、基本手数料4,100円に、長期修繕計画1計画ごとの加算手数料1,800円が加わります。変更認定の例では、管理組合の運営に関する変更で基本手数料4,800円、加算手数料2,600円と案内されています。市のページの更新日は2024年4月22日のため、申請前に窓口で最新額をご確認ください。

Q. 立川市に独自の上乗せ基準はありますか?

A. 立川市は国の基準を採用しており、追加の独自基準は設けていないと案内されています。国の17要件を満たすことが基本です。

Q. マンション管理センターの事前確認は必須ですか?

A. 立川市の案内では、管理センターの事前確認で適合証を取得してから、手続支援システムで市へ申請する流れが示されています。実際の申請前に、市の住宅課で最新の取扱いを確認してください。

Q. 管理センターの利用には別途費用がかかりますか?

A. はい。システム利用料が1申請あたり10,000円(税込)、事前確認審査料が依頼経路により0円から10,000円です。市への手数料とは別に見込んでください。

Q. 管理状況届出制度と管理計画認定制度は同じですか?

A. 別の制度です。届出は昭和58年12月31日以前に建築された居住用6戸以上のマンションが対象で、東京都のシステムまたは市の住宅課へ提出します。管理計画認定は任意で、取得すると融資や税制の優遇が受けられます。

Q. 認定を取ると固定資産税は自動的に減りますか?

A. 自動ではありません。長寿命化促進税制の対象となる工事を、定められた期間内に完了し、所定の手続きで申告する必要があります。工事の前に市の資産税担当へご確認ください。

Q. 認定の有効期間はどれくらいですか?

A. 5年間です。満了前に更新申請をしないと失効しますので、更新の準備は4年目から始めることをお勧めします。

Q. 小規模なマンションでも認定は取れますか?

A. 戸数による制限はありません。国の17要件を満たしていれば、規模にかかわらず申請できます。

本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月29日時点で公表されている立川市および国土交通省・東京都・公益財団法人マンション管理センター・住宅金融支援機構の公式情報をもとに執筆しています。なお、立川市の制度ページの更新日は2024年4月22日と表示されており、手数料など令和8年度の内容は市の窓口でも確認されることをお勧めします。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず立川市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年9月29日


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出典・参考資料

八王子市のマンション管理計画認定制度|申請手数料は無料、認定でLED化補助(上限50万円)も対象に【2026年度版】

結論:八王子市で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか

先に結論です。八王子市でマンション管理計画認定を申請する場合、市への申請手数料はかかりません。新規・変更・更新のいずれも無料と案内されています(出典:八王子市「マンション管理計画認定制度について」。同ページの更新日は令和8年9月16日です)。

さらに、八王子市ならではの特典があります。認定を受けた管理組合は、市の「居住環境整備補助金」のうち、共用部分の照明をLED化する改修工事の補助を受けられます。令和8年度は、対象工事費の50%以内・上限50万円、受付は令和8年4月20日から12月末までで、予算に達した時点で終了と案内されています(出典:八王子市「令和8年度(2026年度)八王子市居住環境整備補助金のご案内」)。令和8年度の受付が続くうちに動けるかどうかが、分かれ目になります。

私は東京都東大和市を拠点に、多摩地域のマンションの大規模修繕に長く携わってきました。八王子市は多摩でも屈指の分譲マンションが集まる中核市で、駅前の大型物件から丘陵地の団地まで、規模も築年数もさまざまです。この記事では、市の手数料、申請ルート、補助金、そして逆算スケジュールを、現場目線で整理します。

認定主体はどこか(八王子市が認定行政庁)

管理計画認定制度は、令和4年4月に始まった国の制度です。審査を行う「認定行政庁」(用語補足:申請を受け付けて審査し、認定書を交付する権限を持つ役所のことです)は、市や特別区の区域ではその市・区、町村の区域では東京都が担います(出典:東京都マンションポータルサイト「マンション管理計画認定制度」)。

八王子市は中核市で、自らが認定行政庁です。窓口はまちなみ整備部住宅支援課、電話は042-620-7260と案内されています。

制度の土台になる「マンション管理適正化推進計画」は、八王子市が令和4年3月に策定しました。その後、令和8年3月に「第4次八王子市住宅マスタープラン」に統合する形で中間改定が行われています(出典:八王子市マンション管理適正化推進計画。同ページの更新日は令和8年3月26日)。

認定を出すのは市ですが、事前確認と申請システムを運営するのは公益財団法人マンション管理センターです。私は最初に「市は審査と認定、管理センターは事前確認と申請システム」と役割を分けて理事会にご説明しています。

認定17要件(国が定める5分野の基準)

八王子市のページには、認定基準は「次表に示す17項目」と記載されています。この17項目は、国が全国共通で定めた基準です(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」、基準の一覧は国土交通省の認定基準PDF)。5つの分野に分けて見ていきます。

1. 管理組合の運営
管理者等が定められていること、監事が選任されていること、総会が年1回以上開催されていること。

2. 管理規約
管理規約が作成されていること、緊急時に専有部分へ立ち入れる旨の規定があること、修繕等の履歴情報の保管や、財務・管理に関する情報の開示について定めがあること。

3. 管理組合の経理
管理費と修繕積立金が区分して経理されていること、修繕積立金会計から他の会計へ充当していないこと、直前の事業年度の終了日時点で修繕積立金の3か月以上の滞納額が全体の1割以内であること。

4. 長期修繕計画の作成及び見直し等
国の標準様式に準拠した長期修繕計画が作成され、総会で決議されていること。作成または見直しが7年以内であること。計画期間が30年以上で、大規模修繕工事が2回以上含まれること。修繕のたびに一時金を集める前提でないこと。計画期間の最終年度に借入金の残高がないこと。修繕積立金の額が著しく低額でないこと。

5. その他
組合員名簿・居住者名簿が備えられ、少なくとも年1回は内容を確認していること。都道府県等が定める管理適正化指針に照らして適切であること。

私の経験上、最初に詰まるのは第4分野です。長期修繕計画の作成または見直しが7年以内という条件は、見直しを先送りしてきたマンションにとって高い壁になります。理事長の交代のたびに引き継ぎ資料が薄くなり、計画書そのものが見つからない、というご相談も珍しくありません。

独自基準の有無と実務への影響

八王子市の認定ページを読む限り、認定基準に市独自の上乗せは見当たりません。基準は国の17項目で、独自の追加項目があるという記載はありません。東京都内でも自治体ごとに運用が違うため、確認しておきたい点です。

八王子市が独自に用意しているのは、認定基準ではなく「認定後の特典」です。共用部分の照明をLED化する改修補助を、認定を取った管理組合が受けられます。市のページにも「本市独自の制度として、共用部分の照明のLED化改修補助を受けることが可能」という趣旨の説明があります。基準を厳しくするのではなく、認定を取るメリットを上乗せする方針だと読み取れます。

私がこの点で理事会にお伝えしているのは、「独自基準がない=簡単」ではないということです。国の基準そのものが、長期修繕計画、修繕積立金、管理規約の実態を細かく問うものだからです。逆に、国の基準だけで足りるため、近隣の市区と同じ準備で済み、管理会社や管理士が全国共通のチェックリストで事前診断しやすい利点があります。

もう一つ、東京都の条例に基づく「管理状況届出制度」との関係も整理します。昭和58年12月31日以前に建築され、居住用の独立部分が6戸以上ある分譲マンションは、届出の対象です。東京都マンションポータルサイトのシステムか、書面の郵送・持参で提出し、5年以内ごとの更新が必要と案内されています(出典:八王子市「マンション管理状況届出制度」。更新日は令和8年9月16日)。届出は義務で、管理計画認定は任意です。築年数の古いマンションほど、届出で管理の現状を整理し、そのうえで認定を目指す順序が現実的です。

手数料と申請ルート(事前確認あり/なし・マンション管理センター経由)

八王子市への手数料は、前述のとおり無料です。ただし「認定までの総額がゼロ円」という意味ではありません。実際の申請ルートは次のように案内されています。

  1. 公益財団法人マンション管理センターに事前確認を依頼する
  2. 「管理計画認定手続支援システム」を通じて市へ申請する
  3. 市から認定通知を受け取る

管理センターの支援サービスには、市の手数料とは別に費用があります。システム利用料は1申請あたり10,000円(税込)、事前確認審査料は依頼のパターンで異なります。委託先のマンション管理士や管理会社との間で決める場合もあれば、長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)となる場合もあります。また、事前確認なしで地方公共団体へ直接申請するパターンも制度上は用意されています(出典:公益財団法人マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。

費用の区分 目安
八王子市への申請手数料(新規・変更・更新) 無料
管理センターのシステム利用料 1申請あたり10,000円(税込)
事前確認審査料 依頼パターンにより、委託先との協議、または1計画あたり10,000円(税込)

(出典:上記の八王子市ページ、および管理センターのページ。金額は各ページの記載であり、申請前に最新の内容をご確認ください。)

私は理事会に、「総会の予算は市の手数料だけで判断せず、管理センター側の費用や、事前確認を頼む管理士への報酬まで含めた総額で出してください」と必ずお願いしています。あとから「思っていたより高い」という声が出ると、議案そのものが流れてしまうからです。八王子市の場合は市の手数料が無料ですので、総額の中心は事前確認の報酬になります。ここは複数社から見積りを取り、比較するのが定石です。

令和7年11月28日施行の改正法で「マンション管理適正化支援法人」の制度が創設され、八王子市も事務取扱要綱を策定しています。登録の相談窓口は住宅支援課です(出典:八王子市「マンション管理適正化支援法人について」)。

認定の経済効果(LED化補助/長寿命化促進税制/フラット35/共用部リフォーム融資)

八王子市で認定を取った場合の経済効果は、大きく4つあります。

① 八王子市の共用部分LED化改修補助(市独自)
令和8年度の居住環境整備補助金には「分譲マンション共用部分LED化改修工事」の区分があります。補助率は対象工事費の50%以内、上限は50万円です。対象は「管理計画の認定を受けたマンションの管理組合」に限られます。受付は令和8年4月20日から12月末までで、予算に達した時点で終了します。市のページには、令和8年9月11日時点の予算残の概算がグラフで示されていました(出典:八王子市「令和8年度(2026年度)八王子市居住環境整備補助金のご案内」)。

たとえば共用部のLED化に200万円かかる場合、補助は上限の50万円までです。認定の手続きに数万円〜十数万円かかったとしても、補助だけで相当分を回収できるケースがあり得ます。ただし、認定の取得が補助の前提条件になる点には注意が必要です。認定の取得前に工事を発注・着工してよいかなど、細かな取扱いは補助金の要領で必ず確認してください。

② マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)
一定の要件を満たすマンションが長寿命化工事(外壁塗装や防水など)を行った場合に、工事完了の翌年度の建物部分の固定資産税が減額される特例です。管理計画認定を受けたマンションが対象に含まれます(出典:国土交通省「マンション長寿命化促進税制」)。減額の割合や対象工事の範囲、適用期間は告示や通知で定められており、同ページには令和8年4月1日付の通知が掲載されています。古い様式や古い要件で準備しないよう、工事計画の段階で最新の資料を確認してください。

③ フラット35の金利引下げ
認定マンションの購入者が使うフラット35には、金利を一定期間引き下げる優遇があります。適用条件や引下げ幅は年度や時期で変わりますので、申込み時点の内容を住宅金融支援機構の金利・優遇情報でご確認ください。将来の売却時に、購入希望者が金利面で有利になる点は、資産価値の説明材料になります。

④ マンションすまい・る融資(共用部リフォーム融資)の金利引下げ
管理組合が大規模修繕のために借りる融資では、2026年度の案内で、借入申込時点で管理計画認定を取得している場合、金利が年0.2%引き下げられます(下限0.1%)。認定を取得し、耐震改修・浸水対策・省エネルギー対策などの対象工事を併せて行う場合は、返済期間を最長35年まで延ばせます。融資額は100万円から、10万円単位で、年間を通じて申し込めます(出典:住宅金融支援機構「2026年度マンションすまい・る融資のご案内」)。

私は、管理組合にとって最も金額が大きくなりやすいのは④だと考えています。大規模修繕の資金を借りる予定があるなら、認定の取得時期と借入の申込みをそろえるだけで、利息の総額が変わってくるからです。

現場でよく聞く話:認定準備は「工事費の見直し」にもつながる

ここで、修繕費用の面から具体例を一つお伝えします。私が携わった案件で、10階建て・外周80m・工期3ヶ月の物件では、足場工法で約168万円かかった仮設費用が、ロープアクセス工法では約59万円と、差額は約109万円になったことがあります(建物の形状や条件で大きく変動する目安であり、実際の見積りは物件ごとに異なります)。

この管理組合は、長期修繕計画を見直す過程で「次の大規模修繕の仮設費用を抑えられれば、積立金の不足額が縮まる」と気づかれました。認定の準備で長期修繕計画を見直すことは、単なる書類作業ではありません。工法の選び方によって、計画上の工事費そのものを見直す絶好の機会になります。

外壁塗装の一般的な目安は、㎡あたり3,500〜4,500円程度です(あくまで参考値で、下地の状態や仕様で大きく変わります)。足場費は総工事費の15〜25%を占めることも多く、ここをどう考えるかで、長期修繕計画の数字は大きく変わります。詳しい工法の違いは、明誠のロープアクセス工法のご紹介と、大規模修繕の料金の考え方で公開しています。技術面をさらに深く知りたい方は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムもご覧ください。

株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法での高所作業については、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。技術や安全管理の詳細は、ロープアクセスドットコムでも解説しています。

逆算スケジュール(総会決議→書類準備→認定申請→交付)

LED化補助の受付は令和8年12月末までです。今から認定を目指す場合、令和8年度中の補助に間に合わせるのは現実的に厳しいケースが多いと私は見ています。予算が先に尽きる可能性もあります。その場合でも、来年度以降の補助や融資に備えて、今から準備を始める価値は十分にあります。認定希望日から逆算した流れは次のとおりです。

  1. 方針決定(4〜5ヶ月前):理事会で、長期修繕計画、修繕積立金の水準、管理規約の現状を17要件に照らして自己診断する。
  2. 書類整備(3〜4ヶ月前):長期修繕計画が7年を超えていれば、見直しを先に完了させる。滞納状況や名簿の整備もここで行う。
  3. 事前確認の依頼先を決定(2〜3ヶ月前):管理会社、マンション管理士、管理センターへの直接依頼などから見積りを取り、審査料の経路を比較する。
  4. 総会での決議(1〜2ヶ月前):認定申請を行うこと、必要に応じた規約改正、費用の予算化を決議する。
  5. 事前確認と電子申請:適合の確認を受け、手続支援システムで八王子市へ申請する。市への手数料は無料です。
  6. 審査と認定通知:不備がなければ、市から認定通知が届く。有効期間は認定日から5年間。

総会が年1回のマンションが多いため、「今期の総会で議案にできなければ1年遅れる」という点は、私が現場で繰り返しお伝えしている大事なポイントです。更新の場合は、従前の有効期間の満了日の翌日から5年間となりますので、4年目から更新の準備を始めるのが理想です。

まとめ+今週動くこと3点

八王子市の管理計画認定は、市への手数料が無料で、認定後は共用部のLED化改修補助(令和8年度は上限50万円)も対象になります。負担の中心は、管理センターのシステム利用料と事前確認の報酬です。「市に払うお金」と「その他に払うお金」を分けて、総額で把握することが、総会を通す最大のコツです。

今週、理事会で動いていただきたいことは次の3点です。

  1. 長期修繕計画の作成・見直し年月を確認し、7年以内かどうかをチェックする。
  2. 事前確認を誰に依頼するか(管理会社・管理士・管理センター直接)の候補を挙げ、見積りを依頼する。
  3. LED化などの共用部工事の予定があるなら、認定の取得時期と工事の発注時期の順序を、市の住宅支援課(042-620-7260)に確認する。

管理組合さま向けのサービスは、管理組合向けの大規模修繕サービスにまとめています。ご相談だけでも遠慮なくお問合せフォームからお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。これまでの明誠の施工事例もあわせてご覧いただけます。

よくあるご質問

Q. 八王子市への申請手数料はいくらですか?

A. 新規・変更・更新のいずれも無料と案内されています。ただし、マンション管理センターのシステム利用料(1申請あたり10,000円・税込)や、事前確認の審査料・報酬は別にかかります。

Q. 八王子市に独自の上乗せ基準はありますか?

A. 市のページには、認定基準は国の17項目と記載されており、独自の追加基準の記載は見当たりません。独自なのは、認定後に受けられる共用部分のLED化改修補助です。

Q. LED化改修補助はいくらまで受けられますか?

A. 令和8年度は、対象工事費の50%以内で上限50万円です。対象は認定を受けた管理組合で、受付は令和8年12月末まで、予算に達した時点で終了します。申請前に市の住宅支援課へご確認ください。

Q. マンション管理センターの事前確認は必須ですか?

A. 市の案内では、事前確認を依頼してから手続支援システムで申請する流れが示されています。管理センターのページには、事前確認なしで地方公共団体へ直接申請するパターンも記載されていますので、実際の取扱いは市の窓口で確認してください。

Q. 管理状況届出制度と管理計画認定制度は同じですか?

A. 別の制度です。届出は昭和58年12月31日以前に建築された居住用6戸以上のマンションが対象の義務で、5年以内ごとの更新が必要です。管理計画認定は任意で、取得すると融資や補助の優遇が受けられます。

Q. 認定を取ると固定資産税は自動的に減りますか?

A. 自動ではありません。長寿命化促進税制の対象となる工事を、定められた要件のもとで実施し、所定の手続きを行う必要があります。工事の前に、市の資産税担当と国土交通省の資料でご確認ください。

Q. 認定の有効期間はどれくらいですか?

A. 認定日から5年間です。更新する場合は、従前の有効期間の満了日の翌日から5年間となります。満了前に更新申請を行わないと失効しますので、準備は4年目から始めることをお勧めします。

Q. 小規模なマンションでも認定は取れますか?

A. 戸数による制限はありません。国の17要件を満たしていれば、規模にかかわらず申請できます。

本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月29日時点で公表されている八王子市および国土交通省・東京都・公益財団法人マンション管理センター・住宅金融支援機構の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず八王子市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年9月29日


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