昭島市でマンションの理事長や修繕委員をされている方から、私はこんな相談をよく受けます。「大規模修繕の見積もりは出た。ただ、昭島市で使える補助金や税の優遇はないのか。あるなら総会にかける前に知っておきたい」。
正直に申し上げます。昭島市には、23区のように分譲マンションの工事費そのものへ大きく補助する制度は、いまのところ多くありません。ですが「使える制度がない」わけではありません。管理計画の認定を土台にして、固定資産税の減額、都の利子補給、省エネ機器の補助を積み重ねていく——この順番で組み立てれば、昭島市のマンションでも受けられる優遇はしっかりあります。
問題は、これらがバラバラの部署に分かれていて、総会の場で名前すら挙がらないまま見送られてしまうことです。私は現場で20年、そういうもったいないケースを何度も見てきました。
このコラムでは、昭島市・東京都・国の3階層に分けて、2026年度(令和8年度)時点で管理組合が使える制度を整理します。数字はすべて公的な一次情報にあたって確認しました。読み終えたら、次の理事会で「うちはどれに当てはまるか」を1分で持ち出せるはずです。
まず全体像:昭島市の管理組合が押さえるべき制度の早見表
細かい話に入る前に、地図を持っておきましょう。分譲マンションの管理組合が関係する制度は、大きく分けて次のとおりです。
| 区分 | 制度名 | 主な内容 | 窓口 |
|---|---|---|---|
| 昭島市 | マンション管理計画認定制度 | 認定で融資金利引下げ・税優遇の入口 | 都市計画部 都市計画課 住宅係 |
| 昭島市 | マンション長寿命化促進税制 | 翌年度の建物固定資産税を減額 | 資産税課 |
| 昭島市 | 住宅用新エネルギー機器等普及促進補助金 | 太陽光・蓄電池等の設置費を補助 | 環境課 |
| 東京都 | マンション改良工事助成(利子補給) | 共用部リフォーム融資に最長20年の利子補給 | 都 住宅政策本部 マンション課 |
| 東京都 | 管理状況届出制度+アドバイザー無料派遣 | 専門家派遣費用を助成 | 防災・建築まちづくりセンター |
| 国 | 住宅金融支援機構の融資優遇 | 認定で共用部リフォーム融資の金利引下げ | 住宅金融支援機構 |
ここで私がいつも理事長さまにお伝えしているのは、「これらはバラバラに見えて、実はつながっている」ということです。
具体的には、昭島市の「管理計画認定」を受けることが、長寿命化税制という固定資産税の減額や、国の融資優遇の入口になります。まず認定という土台をつくり、その上で工事の助成や税優遇、都の利子補給を重ねていく。この順番を意識するだけで、使える制度の数が変わってきます。
それでは、一つずつ見ていきます。
① マンション管理計画認定制度:すべての優遇の「入口」
最初に押さえていただきたいのが、マンション管理計画認定制度です。これは令和2年6月に「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」が改正され、令和4年4月から全国で始まった制度で、昭島市でも申請を受け付けています(出典:昭島市「マンション管理計画認定制度」)。
これは、マンションの管理計画(修繕積立金の額や長期修繕計画、管理組合の運営体制などのルール)が一定の基準を満たしていると、市から「良好に管理されているマンション」として認定を受けられる制度です。申請にあたって、市への手数料は当面の間かかりません。
「認定を受けると、何が得なのか」。ここが本題です。私が整理している優遇は、次の3つです。
まず、住宅金融支援機構の「マンション共用部分リフォーム融資」の金利が引き下げられます。共用部分リフォーム融資とは、大規模修繕などの工事費を管理組合が借りる際の公的な融資のことです。
次に、住宅ローンの【フラット35】の借入金利が、当初の一定期間引き下げられます。これは各区分所有者が住戸を売買・取得する際に効いてくるため、認定は資産価値の面でも意味を持ちます。
そして3つ目が、後述する長寿命化税制(固定資産税の減額)の入口になることです。認定がなければ、税制の要件のひとつを満たせないケースがあります。
認定の有効期限は、認定を受けた日から5年間です。更新を忘れると認定が失効するため、私はいつも「認定は取ったら終わりではなく、5年ごとの更新までワンセット」とお伝えしています。
手続きは、インターネットの「管理計画認定手続き支援サービス」を通じて、まず公益財団法人マンション管理センターの事前確認を受け、事前確認適合証を取得したうえで、同じシステムから昭島市へ認定申請を行う流れです(システム利用料や事前確認の審査料は別途かかります)。窓口は昭島市都市計画部都市計画課の住宅係です。
認定の土台:修繕積立金と長期修繕計画を整える
「認定基準」と聞くと身構えてしまう方が多いのですが、中身は特別なことではありません。私が理事長さまに説明するときは、「日ごろの管理がきちんとできていれば、多くは満たせるもの」とお伝えしています。
とくに要になるのが2つです。ひとつは長期修繕計画(今後30年ほどの修繕の時期と費用を見通した計画書)が作成され、おおむね7年以内に見直されていること。もうひとつは、その計画に見合った修繕積立金(大規模修繕に備えて住民が毎月積み立てるお金)がきちんと集められていることです。
逆に言えば、この2つが弱いマンションは、認定でつまずきます。私が現場で見てきた限り、多いのは「長期修繕計画が10年以上更新されていない」「積立金が計画額に足りていない」というパターンです。ある築30年ほどのマンションでは、外壁の劣化は進んでいるのに積立金が計画の6割ほどしかなく、認定どころか工事の資金計画から立て直すことになりました。
ただ、これは裏を返せば好機でもあります。大規模修繕を検討するこのタイミングで長期修繕計画を見直し、積立金の水準を点検すれば、認定の準備と工事の準備を同時に進められます。私はいつも、「認定のための書類づくり」ではなく「管理を立て直す機会」として取り組むことをおすすめしています。
② マンション長寿命化促進税制:翌年度の固定資産税が減額
次が、管理組合の理事会で一番反応が大きい制度です。マンション長寿命化促進税制。名前は難しいですが、要は「一定の条件を満たして大規模修繕をしたら、翌年度の建物の固定資産税を安くします」という国の制度で、昭島市でも実装されています(出典:昭島市「マンション」/固定資産税の減額)。
対象になるのは、長寿命化に資する大規模修繕工事として、外壁塗装等工事・床防水工事・屋根防水工事の「すべて」を実施したマンションです。ひとつでも欠けると対象外になる点に注意してください。
主な要件は、次のとおりです。新築された日から20年以上が経過していること。総戸数が10戸以上であること。令和5年4月1日から令和9年(2027年)3月31日までの間に長寿命化工事を完了していること。そして、管理計画の認定を受けているなど、修繕積立金が一定の基準を満たしていること。ここで①の認定が効いてきます。
減額される割合は、各自治体が条例で定めることになっています。国が示す標準は「おおむね2分の1」ですが、昭島市の減額割合は市の条例・最新の運用によりますので、具体的な率は資産税課にご確認ください(この点を「必ず2分の1」と断定しないことが、私は大事だと考えています)。
減額は各区分所有者の家屋部分にかかるため、戸数の多いマンションほど、住民全体で見た恩恵は大きくなります。ひとつ実務で忘れやすいのが申告期限です。工事が完了した日から3か月以内に市へ申告しなければなりません。「工事は終わったが申告を失念して減額を受けられなかった」という事態は避けたいところです。窓口は昭島市の資産税課です。
③ 管理状況届出制度と、専門家の無料派遣
3つ目は、東京都の条例に基づく「マンション管理状況届出制度」です。これは平成31年3月に制定された「東京におけるマンションの適正な管理の促進に関する条例」に基づき、令和2年4月から始まっています(出典:東京都マンションポータルサイト「管理状況届出制度」)。
昭和58年(1983年)12月31日以前に新築され、居住用の独立した部屋が6以上ある分譲マンションは、管理状況の届出が義務づけられています。前回の届出から5年以内ごとに更新も必要です。昭島市にも該当するマンションは相応にあります。
「届出は手間だけ増えるのでは」と感じる方もいますが、この届出には大きなメリットが付いています。それが、マンション管理士などの専門家を派遣してもらえる「アドバイザー無料派遣」です(出典:東京都防災・建築まちづくりセンター「マンションアドバイザー無料派遣」)。
届出を受理・更新した「要届出マンション(旧耐震などの一定要件のマンション)」の管理組合は1回まで無料、そのうち管理不全の兆候があるマンションの管理組合は5回まで無料で、専門家の派遣を受けられます。大規模修繕や管理規約の見直し、建替え・改修の判断について、講義や個別相談の形でアドバイスをもらえます。
私はこの制度を「工事の前の健康診断」とお伝えしています。工事会社に相談する前に、まず中立の専門家に管理の状態を診てもらう。順番としては、これがいちばん失敗が少ないのです。実際、私が関わったある管理組合では、アドバイザー派遣で長期修繕計画の甘さを先に指摘してもらったおかげで、工事の仕様を決める段階で無駄な項目をふるい落とせました。派遣費用がかからないうちに使わない手はありません。手続きは市の窓口、または公益財団法人東京都防災・建築まちづくりセンターで行えます。
なお、届出は5年ごとの更新が必要です。前回いつ届け出たかを管理会社任せにしていると、うっかり期限切れになり、アドバイザー派遣の無料枠を取り逃すことがあります。理事の引き継ぎ資料に「次回届出の期限」を必ず1行入れておく——これは私が現場で口を酸っぱくしてお願いしていることです。
④ 東京都マンション改良工事助成:借入金利を都が肩代わり
工事の資金を借りて進める場合に効いてくるのが、東京都の「マンション改良工事助成制度」です。これは補助金そのものではなく、利子補給——つまり借入の利息の一部を都が肩代わりしてくれる制度です(出典:東京都マンションポータルサイト「分譲マンションの修繕への助成(マンション改良工事助成制度)」)。
仕組みはこうです。管理組合が住宅金融支援機構の「共用部分リフォーム融資」を使って大規模修繕(外壁塗装、屋上防水、バリアフリー改修など)を行う場合、その借入に対して最長20年間、年1%(融資金利が1%未満のときはその金利分)の利子補給を受けられます。
令和8年度(2026年度)の申請期間は2期に分かれており、第1期が2026年5月13日から9月30日まで、第2期が2026年10月1日から2027年2月19日までです。いずれも先着順で、予算に達すると締め切られます。
私の経験上、この制度は「積立金だけでは足りず、借入を組んで工事する」マンションと非常に相性が良いです。借入自体をためらう組合は多いのですが、利子補給を前提にすれば、実質的な負担はかなり軽くなります。窓口は東京都住宅政策本部のマンション課です。
⑤ 住宅用新エネルギー機器等普及促進補助金:省エネと組み合わせる
最後に、昭島市が独自に実施している「住宅用新エネルギー機器等普及促進補助金」です。太陽光発電システムや蓄電池などを新たに設置した個人・法人に対して、費用の一部を補助する制度で、令和8年度も引き続き実施される予定です(出典:昭島市「住宅用新エネルギー機器等普及促進補助金」)。
令和7年度(2025年度)の補助額は、参考までに次のとおりでした。太陽光発電が1kWあたり1.5万円で上限6万円、蓄電池が機器費の3分の1以内で上限5万円、太陽熱ソーラーシステムが5万円、太陽熱温水器が2.5万円、燃料電池が5万円です。ただし令和8年度は補助額や対象機器の見直しが検討されており、内容は決まり次第、市のホームページで公表されるとされています。最新の金額は環境課にご確認ください。
ひとつ、正直にお伝えしておきたい注意点があります。この補助金には「申請額が予算額を上回った場合は按分して交付する」という仕組みがあり、実際の按分率は令和7年度で約55%でした。つまり、上限額がまるまる出るとは限らないということです。予算枠に対して申請が多ければ、受け取れる額は目減りします。
もうひとつ。この補助金は基本的に「自ら居住する住宅」を念頭に置いた制度です。管理組合が共用部(屋上への太陽光設置など)に使えるかどうかは、申請要件の確認が必要です。私はこういう場合、「使えるはず」と決めつけず、必ず環境課に共用部での適用可否を先に確認するようお伝えしています。
正直に:昭島市で「ない」制度と、その埋め方
ここまで使える制度を並べてきましたが、期待させてから外すのは私の性に合いません。昭島市について、正直にお伝えしておくべき「落とし穴」が2つあります。
ひとつは、耐震の助成です。昭島市の耐震補助(昭島市木造住宅耐震改修等補助制度)は、その名のとおり木造住宅が中心です。昭和56年5月31日以前などに建てられた2階建て以下の木造住宅の改修に対して、費用の3分の1以内・上限60万円などが補助されます(出典:昭島市「木造住宅耐震改修等補助制度」)。つまり、鉄筋コンクリート造の分譲マンションは、この制度の直接の対象ではありません。マンションの耐震は、③でご紹介した都のアドバイザー派遣や、旧耐震基準(昭和56年5月以前)のマンションを対象とする東京都の耐震化支援を組み合わせて考えることになります。旧耐震のマンションをお持ちの管理組合は、まず市の住宅係に相談してください。
もうひとつは、共用部の大規模修繕そのものへの「直接の工事費補助」です。23区の一部にあるような「外壁改修費の何割を市が補助」という制度は、昭島市では基本的に見当たりません。だからこそ、①の認定→②の税減額→④の利子補給という「間接的な優遇の積み重ね」で総額を圧縮していく設計が、昭島市では効いてきます。
私はいつも「補助金がないから諦める」のではなく、「税と融資で取り返す」という発想をおすすめしています。
近隣の多摩地域と比べて、昭島市はどう位置づけるか
「隣の市はもっと手厚いのでは」と気にされる理事長さまは多いので、私の現場感覚もふまえて整理しておきます。
多摩地域では、八王子市や町田市のように独自の共用部支援(止水板やLED化への補助など)を持つ自治体もあれば、三鷹市や府中市のように分譲マンションの耐震助成を新設・拡充した自治体もあります。それらと比べると、昭島市の分譲マンション向けは「工事費への直接補助が薄めで、認定・税・都の制度で組み立てる」タイプだと言えます。
ここで大事なのは、「制度が薄い=損」ではないということです。私の経験上、独自補助が手厚い自治体でも、予算枠がすぐ埋まって使えなかった、要件が細かくて断念した、というケースは珍しくありません。むしろ昭島市のように、国と都の制度をきちんと束ねられる管理組合のほうが、結果として大きな金額を動かせることもあります。
つまり、隣の市を羨む前に、「認定を取っているか」「工事の範囲を税制の要件に合わせられているか」「都の利子補給の申請期間に間に合うか」——この3点を自分たちで押さえられているかどうかが、実際の得失を分けます。制度の数ではなく、使いこなしの差なのです。
モデルケースで考える:築28年・60戸のマンション
言葉だけだと実感が湧きにくいので、私がよくお示しする例で考えてみましょう。昭島市内、築28年・60戸・鉄筋コンクリート造のマンションで、2回目の大規模修繕を検討しているとします。
まず、長期修繕計画を見直し、修繕積立金の水準を整えたうえで、①のマンション管理計画認定を取得します。これで融資金利の引下げと、②の長寿命化税制の入口が確保できます。
工事は、外壁塗装・床防水・屋根防水を一体で実施する計画にします。これで②の長寿命化税制の対象工事要件を満たせます。築20年以上・60戸(10戸以上)という条件もクリアです。工事完了後3か月以内に資産税課へ申告すれば、翌年度の建物の固定資産税が減額されます。60戸ぶんの家屋にかかるため、住民全体で見た効果は小さくありません。
資金は、積立金で足りない分を住宅金融支援機構の共用部分リフォーム融資でまかない、④の東京都マンション改良工事助成で最長20年ぶんの利子補給を受けます。借入の利息負担が軽くなり、月々の積立金の値上げ幅を抑えられます。
戸あたりの感覚に落とし込むと、こういう話です。仮に工事費が総額7,200万円なら、60戸で割って1戸あたり120万円。ここに固定資産税の減額が翌年度に効き、利子補給で借入コストが下がる。私はいつも「補助金がいくら出るか」ではなく「1戸あたりの実質負担がいくら下がるか」で説明します。理事会でも、住民説明会でも、財布の感覚に近い数字のほうが必ず伝わるからです。逆に、制度を使わずに借入だけで進めると、同じ工事でも利息のぶん1戸あたり数万円単位で総額が膨らむこともあります。
もうひとつ、順番の話をさせてください。この設計で肝心なのは「認定を工事より先に済ませておく」ことです。認定は事前確認から市の認定まで一定の期間がかかります。工事が終わってから慌てて認定を取ろうとしても、税制の要件に間に合わないことがあります。私が現場で一番もったいないと感じるのは、制度そのものは使えたのに、段取りの順番だけで取り逃すケースです。だからこそ、修繕委員会を立ち上げた最初の段階で、認定の準備を並行して始めておくことをおすすめしています。
このように、昭島市では「単発の補助金1本」ではなく、認定・税・融資を束ねることで、実質的なコストを下げていくのが王道です。私はこれを、必ずワンセットでご提案するようにしています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 管理計画認定を取るのにお金はかかりますか。
昭島市への申請手数料は当面無料です。ただし、公益財団法人マンション管理センターの事前確認にかかる審査料や、支援システムの利用料は別途必要です。認定取得そのものが目的化しないよう、まずは長期修繕計画と積立金の点検から始めることをおすすめします。
Q2. 長寿命化税制で、固定資産税は必ず半額になりますか。
「必ず半額」とは言えません。減額割合は市の条例で定められるためです。国の標準はおおむね2分の1ですが、昭島市での具体的な率と最新の運用は資産税課にご確認ください。外壁・床・屋根の防水塗装をすべて実施し、築20年以上・10戸以上・積立金の要件を満たすことが前提です。
Q3. うちは新耐震(昭和56年6月以降)のマンションです。耐震の支援は受けられませんか。
昭島市の木造向け耐震補助は対象外ですが、管理状況届出とアドバイザー無料派遣は、耐震の有無にかかわらず活用を検討できます。まずは中立の専門家に管理全体を診てもらうのが、遠回りに見えて近道です。
Q4. 補助金と利子補給は、同時に使えますか。
性質が違うので、基本的には併用の設計が可能です。昭島市の省エネ機器補助は「機器の設置」、東京都の改良工事助成は「共用部工事の借入利息」に対するものです。ただし、それぞれ申請期間・予算枠・要件が異なるため、順番と時期の設計が肝心です。ここは専門家と一緒に組み立てることをおすすめします。
Q5. まだ工事をするか決めていません。今から動く意味はありますか。
あります。むしろ、決める前の今が動きどきです。長寿命化税制も都の利子補給も、期限や年度の予算枠があります。「工事を決めてから制度を探す」と間に合わないことがあるのです。理事会で1分でも、この話題を出しておいてください。
工事の「工法」で総額はさらに変わります
制度で総額を圧縮したうえで、最後にもうひとつ大きく効いてくるのが、工事の「工法」です。ここは私たち施工会社の本業なので、少しだけお話しさせてください。
大規模修繕というと、建物全体に足場を組むのが当たり前だと思われがちです。ですが私たちは、足場を使う従来工法に加えて、ロープアクセス工法(産業用のロープで作業員が降下しながら外壁の補修や塗装を行う、足場を組まない工法)、そして両者を部位ごとに使い分けるハイブリッド工法の3つから、その建物にとって一番いい方法をご提案しています。3つの工法を自社で提案できる会社は、日本でも多くありません。
たとえば、足場が組みにくい形状の棟や、部分的な補修で足りる箇所は、ロープアクセスにすると足場の仮設費と工期をまとめて削減できます。私が現場で20年やってきて、いちばん悔しいのは「全面に足場を組んだが、実際に傷んでいたのは一部だけだった」というケースです。工法の選択は、そのまま積立金の使い方に直結します。
ロープアクセス工法の詳しい内容はロープアクセス工法のご紹介を、大規模修繕の総合的な進め方は大規模修繕工事のご紹介をご覧ください。
まとめ:昭島市は「積み重ね」で効かせる
最後に、昭島市のマンション管理組合が押さえるべき順番をもう一度整理します。まず①管理計画認定という土台をつくる。その上で②長寿命化税制で固定資産税を軽くし、③管理状況届出とアドバイザー派遣で管理を点検し、④東京都の利子補給で借入負担を抑え、⑤省エネ機器補助を必要に応じて重ねる。そして耐震や共用部の直接補助が薄い分は、税と融資で取り返す。これが昭島市での王道です。
補助金や税制は、年度ごとに要件も金額も変わります。この記事の数字も、必ず各窓口の最新情報でご確認ください。そのうえで、「うちのマンションはどの制度から手をつけるべきか」の交通整理は、私たちがお手伝いできます。ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります(お問合せフォームはこちら)。
次回も、現場で本当に使える話だけをお届けします。
出典・参考資料
- 昭島市「マンション管理計画認定制度」
- 昭島市「マンション(固定資産税の減額・長寿命化促進税制)」
- 昭島市「マンション管理状況届出制度」
- 昭島市「木造住宅耐震改修等補助制度」
- 昭島市「住宅用新エネルギー機器等普及促進補助金」
- 国土交通省「マンション長寿命化促進税制(固定資産税の特例措置)」
- 国土交通省「住宅:管理計画認定制度」
- 東京都マンションポータルサイト「分譲マンションの修繕への助成(マンション改良工事助成制度)」
- 東京都マンションポータルサイト「管理状況届出制度」
- 公益財団法人 東京都防災・建築まちづくりセンター「マンションアドバイザー無料派遣」


