
「来年の大規模修繕、積立金が足りないと言われた」 「一時金の徴収か、借入か、決断を迫られている」 「そもそもなぜこんなに工事費が高いのか、誰も説明してくれない」
マンションの管理組合理事会や、賃貸マンションのオーナー様から、こうしたご相談を日々いただきます。実は、修繕積立金の不足問題は「住民がお金を積み立ててこなかった」という単純な話ではありません。工事を発注する仕組みそのもの、つまり業界構造に根本的な原因があります。
この記事では、修繕積立金がなぜ不足するのかを業界構造の視点から解き明かし、従来の発注方式である「設計監理方式」と「責任施工方式」それぞれのメリット・デメリットを整理します。そのうえで、明誠が提供する第三の選択肢についてご紹介します。
1. 修繕積立金不足は「個人の問題」ではなく「構造の問題」
国土交通省の調査によれば、マンション全体の3〜4割で修繕積立金が計画に対して不足しているとされています。この背景には、大きく3つの構造的要因があります。
1-1. 新築時の積立金設定が意図的に低く抑えられている
分譲マンションを販売しやすくするため、新築時の毎月積立金は意図的に低く設定されるケースが大半です。購入者にとっては月々の負担が軽く見えますが、10年後・20年後に必要となる修繕費用との乖離が生まれます。
1-2. 建築資材・人件費の高騰
近年の資材費高騰、職人の高齢化と人手不足により、大規模修繕の工事単価は過去10年で大きく上昇しました。当初の長期修繕計画で見込まれていた金額では、現実の工事に到底足りません。
1-3. 発注方式による「見えないコスト」
そして最も見落とされがちなのが、どの方式で工事を発注するかによって、最終的な支払額が大きく変わるという事実です。ここから、従来の2つの方式を見ていきましょう。
2. 従来型「設計監理方式」のメリット・デメリット
設計監理方式とは、設計事務所やコンサルタントが修繕設計・仕様書作成・施工会社の選定・工事監理までを担う方式です。大規模マンションで広く採用されてきました。
メリット
専門家による第三者チェックが入る 設計事務所が施工会社とは別の立場で監理するため、施工品質のチェック機能が働きやすい、というのが建前上のメリットです。
相見積もりで価格競争が起きる 仕様書が統一されるため、複数の施工会社から同一条件で見積もりを取ることができ、理論上は公正な価格競争になります。
管理組合の手間が減る 仕様策定から業者選定まで専門家が担うため、理事会の負担が軽減されます。
デメリット
設計監理料が別途発生する(工事費の5〜10%) 工事費とは別に、設計事務所への報酬が必要になります。1億円の工事なら500万〜1,000万円が監理料として上乗せされます。
コンサルタントと施工会社の「バックマージン問題」 これが業界最大の闇と言われる部分です。一部のコンサルタントは、特定の施工会社を指名する見返りに、工事費の10〜30%をキックバックとして受け取っているケースが国土交通省からも繰り返し指摘されてきました。結果として、管理組合は相場より2〜3割高い金額を支払うことになります。
仕様が過剰になりやすい 「念のため」「安全を見て」と仕様が膨らみがちで、必要以上の工事項目や数量が盛り込まれる傾向があります。
足場一式前提の仕様書になる 設計監理方式の仕様書はほぼ例外なく「全面足場」を前提に書かれています。後述するロープアクセス工法など、より安価な選択肢が最初から検討対象外になってしまうのです。
3. 従来型「責任施工方式」のメリット・デメリット
責任施工方式とは、施工会社が調査・診断・仕様提案・工事・アフターフォローまで一貫して請け負う方式です。中小規模のマンションや賃貸オーナー様に多く選ばれます。
メリット
設計監理料が不要 間に設計事務所が入らない分、中間マージンが発生しません。シンプルに工事費だけの支払いになります。
意思決定が早い 窓口が一本化されるため、仕様の微調整や追加工事の判断がスピーディーです。
責任の所在が明確 調査から施工、保証まで一社が責任を持つため、不具合が出た際の対応もワンストップです。
デメリット
施工会社が仕様を決めるため、不要な工事が混ざるリスク 工事範囲を提案する立場と、工事を受注する立場が同じ会社のため、「念のため」という名目で不要な項目が含まれる可能性があります。
相見積もりの比較がしづらい 各社が独自仕様で提案するため、純粋な価格比較が難しくなります。
第三者チェックが効かない 工事の品質を外部から監理する仕組みがないため、施工会社のモラルに依存します。
結局、足場工法しか提案されない ここも重要なポイントです。多くの施工会社は自社または協力会社で足場を組むビジネスモデルで動いているため、ロープアクセス工法という選択肢を最初から提示しないケースがほとんどです。
4. 両方式に共通する「もう一つの構造問題」——足場一択の前提
設計監理方式にも責任施工方式にも、共通する大きな見落としがあります。それは、ほぼすべての提案が「全面足場を組む前提」で組み立てられているということです。
大規模修繕工事費のうち、足場の仮設・解体費用は全体の**15〜25%**を占めると言われます。1億円の工事であれば、1,500万〜2,500万円が足場代です。この金額が、工事の内容そのものではなく「作業するための仮設」に消えていく計算になります。
さらに足場は、
- 組み立て・解体に1〜2週間かかる(工期が長くなる)
- 近隣へのシート設置により防犯リスクが上がる
- 窓を開けられない・洗濯物が干せないなど住民の生活への影響が大きい
といった副次的なデメリットも抱えています。
**「足場を組まずに、同等以上の品質で工事ができる」としたら、この15〜25%がまるごと削減できることになります。**それを実現するのが、ロープアクセス工法(無足場工法)です。
5. 明誠が提供する第三の選択肢
多くの業者が「設計監理方式か、責任施工方式か」という二択でしか提案できない中、明誠は発注方式そのものを再設計するところからご提案します。
5-1. ロープアクセス工法による足場代の削減
外壁打診調査、漏水調査、ピンポイント塗装、部分防水、タイル補修など、建物のほとんどの工事はロープアクセスで対応可能です。全面足場が不要になることで、従来工法と比べて平均20%ほど安く工事を行うことができます。
5-2. 「必要な部分だけを、必要なだけ」直す発想
従来の大規模修繕は「12年周期で全面改修」という発想が主流でした。しかしロープアクセスであれば、劣化した箇所だけをピンポイントで補修することが可能です。結果として、修繕積立金の消費ペースを大幅に緩やかにできます。
5-3. 足場工法とロープアクセス工法の両方から最適解を提案
建物の形状、劣化度合い、工事範囲によっては、足場工法のほうが合理的なケースもあります。明誠は両方の工法を自社で扱えるため、「工法ありきではなく、建物ありき」で最適な提案ができる日本でも数少ない事業形態です。
5-4. 建物のことから、オーナー様の経営課題までトータルサポート
明誠では工事だけでなく、空室対策、不動産管理、地震保険や補助金・助成金の申請サポート、各種士業のご紹介まで、オーナー様・管理組合様の困りごとをトータルで支援しています。
6. まとめ——「なぜ足りないのか」を知れば、打ち手が見える
修繕積立金の不足は、住民の怠慢ではなく、業界構造そのものに原因があります。
- 新築時の積立金設定が意図的に低い
- 資材・人件費の高騰
- 設計監理方式のバックマージン構造
- 責任施工方式の利益相反リスク
- そして何より、「全面足場前提」という業界の固定観念
これらを前提に、「同じ工事を今より安く」「必要な部分だけを的確に」行うことで、積立金の不足問題は大きく緩和できます。工事を発注する前に、まず「どの方式で、どの工法で発注するか」から見直してみてください。
弊社は通常の足場による大規模修繕工事と無足場工法によるロープアクセス工事の両方から最適なご提案が出来る日本でも数少ない事業形態で、ロープアクセスによる工事は通常の足場による工事と比べて平均20%ほど安く工事が可能です。一方でロープアクセスで工事を行える会社が非常に少ないため、ロープアクセスによる工事が行える会社を増やすためにFC本部として安価に施工が出来る会社を増やしています。事業内容として外壁打診調査、漏水調査、ピンポイントの塗装、防水、タイル補修など建物の事であれば何でも行っています。また空室対策、不動産管理、地震保険や補助金助成金申請サポート、各専門の士業の御紹介などオーナー様の様々なお困りごとをトータルでサポートもしております。相談は無料ですので、お悩みがある方は、お気軽にお問い合わせください。


