大規模修繕はロープアクセスが提案可能な東京の明誠へ

創業から6000棟超の施工実績

結論から申し上げます。愛知県豊橋市には、**RC造(鉄筋コンクリート造)の分譲マンション本体に、金額を計算できる形で効く補助金があります**。

結論から申し上げます。愛知県豊橋市には、**RC造(鉄筋コンクリート造)の分譲マンション本体に、金額を計算できる形で効く補助金があります**。

豊橋市のマンション補助金 早見表(2026年度/令和8年度)

まず全体像です。「分譲マンション・共同住宅で使えるか」という一点で整理しました。

制度名 補助率・上限 共同住宅で使えるか 窓口
非木造住宅耐震診断費補助金 経費の3分の2/上限は延べ面積×単価(3,670円〜1,050円/㎡) 長屋及び共同住宅が対象と明記 建築物安全推進課 0532-51-2579
非木造住宅耐震改修費補助金 金額は構造形式・建物規模により変動(公式ページに記載なし=要問い合わせ) 共同住宅が対象と明記 建築物安全推進課 0532-51-2579
要安全確認計画記載建築物耐震改修費補助金 設計6分の5/工事15分の11以内。限度額に「マンション」区分=50,200円×延べ面積㎡ ◎ 限度額の表にマンションの行がある 建築物安全推進課 0532-51-2579
浄化槽設置整備事業補助金 8〜50人槽で548,000円(設置費)+宅内配管330,000円ほか ○ 要綱別表第3に集合住宅の記載あり/名義は要確認 廃棄物対策課 0532-51-2410
ブロック塀等撤去費補助金 撤去費×1/2または延長×5,000円/mの少ない方、上限10万円 △ 対象者が個人であることと明記=管理組合・法人は要確認 建築物安全推進課 0532-51-2579
代理受領制度 補助金そのものではなく支払いの仕組み。上記を含む10制度で利用可 ◎ 制度側に建物の限定なし 建築物安全推進課 0532-51-2579
木造住宅耐震改修費補助金 工事費の80%・上限115万円 × 木造住宅限定 建築物安全推進課 0532-51-2579
家庭用エネルギー設備導入補助金 蓄電池1kWhあたり1万円(上限7万円)ほか × 要綱第4条で対象者を個人と明記 環境政策課 0532-51-2417
特定既存耐震不適格建築物耐震診断費補助金 経費の3分の2以内 × 要綱で用途が住宅であるものを除く 建築物安全推進課 0532-51-2579

出典:豊橋市 耐震関係豊橋市補助金等一覧(令和8年4月1日現在)ほか各制度ページ。

この表を見て、私が理事長さまに最初にお伝えするのは「まず耐震診断の補助から入りましょう」ということです。理由を順に説明します。


非木造住宅耐震診断費補助金——RC造マンションの診断費が㎡単価で計算できる

制度の中身:経費の3分の2、上限は面積で決まる

豊橋市の非木造住宅耐震診断費補助金は、次の内容です。

項目 内容
対象となる住宅 木造以外の構造でできた住宅/②豊橋市内にある一戸建て住宅、長屋及び共同住宅(店舗等の用途を兼ねるものを含む。国・地方公共団体その他公の機関が所有するものを除く)/③昭和56年5月31日以前に着工された住宅/④住宅以外の用途が延べ面積の2分の1未満
補助金額 耐震診断に要する経費の3分の2(千円未満の端数は切り捨て)
経費の上限額(一戸建て) 136,000円
経費の上限額(一戸建て以外) 1,000㎡以内の部分=3,670円/㎡、1,000㎡超2,000㎡以内=1,570円/㎡、2,000㎡超=1,050円/㎡
令和8年度の受付 令和8年4月9日13時00分から開始
事前手続 交付申請の前に事前相談書(様式第1号)の提出が必要
根拠 豊橋市非木造住宅耐震診断費補助要綱

「一戸建て住宅以外」という区分に、長屋と共同住宅が入っています。ここが肝心です。

延べ面積3,000㎡のマンションで計算してみます

数字が抽象的だと動けません。実際に計算してみます。

例:5階建て・30戸・延べ面積3,000㎡の分譲マンション(昭和55年着工)

面積帯 面積 単価 対象経費の上限
1,000㎡以内の部分 1,000㎡ 3,670円/㎡ 3,670,000円
1,000㎡超2,000㎡以内の部分 1,000㎡ 1,570円/㎡ 1,570,000円
2,000㎡超の部分 1,000㎡ 1,050円/㎡ 1,050,000円
合計 3,000㎡ 6,290,000円

対象経費の上限が629万円。補助はその3分の2ですから、上限まで使い切った場合で419万3,000円(千円未満切り捨て)という計算になります。

もっとも、RC造の耐震診断費が629万円に達することは、私の感覚ではそう多くありません。実務上は「診断にかかった実費の3分の2が、かなり広い範囲でそのまま補助される」という設計だと理解していただくのが正確です。

たとえば診断費が300万円なら、補助は200万円。管理組合の負担は100万円です。修繕積立金から100万円で、建物の耐震性能が数字として出る。私はこれを、かなり良い条件だと思っています。

なぜ診断から入るべきなのか

「耐震診断はうちには関係ない」とおっしゃる理事長さまは、実は少なくありません。昭和56年6月以降の新耐震基準で建った建物であれば、そのとおりです。

ただ、私が現場で20年やってきて申し上げたいのは、耐震診断は「耐震のためだけの調査ではない」ということです。

RC造の耐震診断では、コンクリートのコア抜き(円柱状にコンクリートを抜き取ること)による圧縮強度試験、中性化深さの測定、鉄筋の位置とかぶり厚さの確認、ひび割れの分布記録などを行います。これはそのまま、大規模修繕の劣化診断とかなりの部分が重なります

外壁のひび割れが構造クラック(構造体に起因する割れ)なのか、乾燥収縮によるヘアクラックなのか。コンクリートの中性化がどこまで進んでいて、鉄筋の腐食リスクがどの程度あるのか。この2点が分かっているかどうかで、大規模修繕の仕様も見積金額もまるで変わります。

私は理事長さまに、いつもこうお伝えしています。「先に診断のお金を市に3分の2持ってもらって、その結果を使って修繕の設計をしましょう」と。順番が逆になると、診断費を全額自腹で払うことになります。

「事前相談書が先」という一文を落とさないでください

公式ページには「交付申請の前に、事前相談書の提出をしてください」と明記されています。

これは形式的な話ではありません。業者に診断を発注してから市役所に行く、では間に合わない可能性があるということです。交付決定の前に契約や着手をした場合、補助の対象外になるのが補助金制度の共通ルールです。

私がお勧めする順番は、こうです。

  1. 理事会で「今期は耐震診断をやる」と方向性を決める
  2. 建築物安全推進課(0532-51-2579)に電話し、対象になるか確認する
  3. 事前相談書(様式第1号)を提出する
  4. 診断機関から見積書をもらう
  5. 交付申請書を提出する
  6. 交付決定を待つ
  7. 交付決定後に契約し、診断に着手する

このうち2番までは、理事長さま一人でも今日できます。総会も理事会決議も要りません。

なお、「管理組合が申請者になれるか」については、市の公式ページにも要綱にも記載がありません。豊橋市補助金等一覧では本制度の対象者区分が「個人向け」となっています。ここは電話1本での確認が要る論点です。断定は避けます。


非木造住宅耐震改修費補助金——「前年度の8月31日」という締切

対象は共同住宅。ただし金額は公表されていません

非木造住宅耐震改修費補助金の対象住宅は、診断費補助と同じ条件です。木造以外の構造、市内の一戸建て住宅・長屋・共同住宅、昭和56年5月31日以前着工、住宅以外の用途が延べ面積の2分の1未満。

対象となる工事は、平成18年国土交通省告示第184号の技術上の指針に基づく耐震改修設計による工事で、その設計は愛知県が認める評定専門機関の耐震改修計画評定を受けている必要があります。

そして補助金額について、公式ページはこう書いています。

補助金額は構造形式・建物規模により変動しますので、建築物安全推進課までお問い合わせください。

金額の記載がありません。ここは推測せず、「要問い合わせ」とお伝えするのが誠実だと考えます。

2026年8月31日は、10日前に過ぎました

本題はここからです。申請方法の欄に、こう書かれています。

耐震改修工事を行おうとする場合は、その前年度の8月31日までに提出してください。

事前相談書の提出期限が、工事年度の前年度8月31日

この記事を公開している2026年9月10日を起点に整理すると、こうなります。

工事を行う年度 事前相談書の提出期限 2026年9月10日時点の状況
令和8年度(2026年度) 令和7年8月31日 1年以上前に終了
令和9年度(2027年度) 令和8年8月31日 10日前に終了
令和10年度(2028年度) 令和9年8月31日 残り約11.5か月

つまり、今から動いて最短で工事に入れるのは2028年度です。

逆算すると、管理組合は工事の1年7か月前から動きます

2028年4月に耐震改修工事を始めるとして、逆算してみます。

時期 やること
2026年秋〜冬 耐震診断の事前相談・交付申請・診断実施(診断費補助を使う)
2027年春 診断結果が出る。理事会で改修の方向性を検討
2027年夏 通常総会で耐震改修の方針を決議(ここが山場)
2027年8月31日 非木造住宅耐震改修費補助金の事前相談書を提出
2027年秋〜冬 耐震改修設計。愛知県が認める評定機関の計画評定を受ける
2028年春 交付申請 → 交付決定 → 契約 → 着工

1年7か月です。私が「豊橋市のマンションは、今日から動いても2028年」と申し上げるのは、この表が理由です。

総会が年に1回であることの意味

ここで、多くの管理組合がつまずきます。

総会は年に1回しかありません。

事前相談書の期限が8月31日で、通常総会が5月や6月に開かれる管理組合であれば、その年の総会で決議して、8月31日に間に合わせられます。

ところが、総会が10月や11月の管理組合はどうなるでしょうか。総会で決議した時点で、その年の8月31日はもう過ぎています。決議から工事着手まで、さらに1年半かかるという計算です。

私はこの話を、豊橋の理事長さまには早い段階でお伝えしたいと思っています。工事が遅れるのではありません。決議が遅れるのです。

そして決議を早めるためにできることは、実はひとつしかありません。総会の議案書に「耐震診断の結果」という具体的な資料を添えることです。数字のない議案は、総会で通りません。だから診断から入りましょう、という話に戻ります。


代理受領制度——管理組合が「差額だけ」用意すればいい仕組み

補助金ではなく、支払いの順番を変える制度

これは本シリーズで正面から扱うのが初めての制度です。豊橋市の代理受領制度は、補助金そのものではありません。補助金の受け取り方を変える仕組みです。

通常、補助金は「工事代金を全額支払って、完了報告をして、あとから補助金が振り込まれる」という流れです。つまり、一度は全額を立て替える必要があります。

代理受領制度を使うと、工事施工業者が申請者の委任を受けて補助金を代理で受領します。申請者が用意するのは、工事費と補助金の差額分のみです。

市の公式ページには、木造住宅の耐震改修で工事費215万円・補助金115万円というケースが例示されています。この場合、申請者が用意するのは100万円だけです。

10の制度で使えます

代理受領が使えるのは、次の10制度です。

  1. 木造住宅耐震改修費補助金
  2. 木造住宅耐震シェルター整備費補助金
  3. 木造住宅解体工事費補助金
  4. 非木造住宅耐震診断費補助金
  5. 非木造住宅耐震改修費補助金
  6. ブロック塀等撤去費補助金
  7. 特定既存耐震不適格建築物耐震診断費補助金
  8. 要安全確認計画記載建築物耐震改修費補助金
  9. 空家利活用改修費補助金
  10. 空家解体促進費補助金

太字にした4つが、RC造の建物に関わり得る制度です。共同住宅が対象になる非木造の診断・改修の両方で、代理受領が使えます。

修繕積立金のキャッシュフローが変わります

これがどれだけ効くか、先ほどの数字で考えてみます。

診断費300万円・補助200万円のケースで、代理受領を使わない場合、管理組合は一度300万円を支払い、あとから200万円を受け取ります。300万円のキャッシュが一時的に必要です。

代理受領を使えば、管理組合が用意するのは差額の100万円だけです。

修繕積立金の残高が厳しい管理組合ほど、この差は大きい。私の経験では、「補助金が出るのは分かったが、いったん全額払うキャッシュがない」という理由で診断を先送りする管理組合が、決して少なくありません。豊橋市には、その壁を越える仕組みが用意されています。

手続きの順番

代理受領の利用には、申請者と工事施工者の合意が前提です。手続きは次の順です。

  1. 代理受領届出書を、補助金交付申請書の提出と同時に出す
  2. 市が代理受領届出確認通知書を出す
  3. 補助金交付申請書
  4. 交付決定(交付決定前に契約・着工しないこと
  5. 事業開始
  6. 完了実績報告書
  7. 補助金確定
  8. 代理受領に係る補助金請求書・委任状(代理受領者が提出)
  9. 代理受領者へ交付

ポイントは1番です。「交付申請書の提出と同時に」出す必要があります。あとから「やっぱり代理受領で」は通りません。だから、施工業者を選ぶ段階で、代理受領に対応してもらえるかを確認しておく必要があります。

私どもがお見積りを出すときは、この確認を先にさせていただくようにしています。管理組合にとっては、業者選定の判断材料のひとつになるはずです。

なお、管理組合が代理受領届出者になれるかどうかは公式ページに記載がありません。ここも建築物安全推進課への確認事項です。


要安全確認計画記載建築物耐震改修費補助金——限度額の表に「マンション」がある

50,200円×延べ面積という単価

要安全確認計画記載建築物耐震改修費補助金は、補助限度額の設定がこうなっています。

区分 補助対象経費の限度額
建築物 51,200円×延べ面積(㎡)
マンション 50,200円×延べ面積(㎡)
戸建住宅 34,100円×延べ面積(㎡)

補助率は、耐震改修設計が経費の6分の5、耐震改修工事が経費の15分の11以内です。

限度額の表に「マンション」という行が独立して存在する。本シリーズ181件目にして、これは目を引きました。市が制度設計の段階で、マンションを想定しているということです。

ただし、対象は「要安全確認計画記載建築物」に限られます

注意していただきたいのは、この補助が誰でも使えるわけではないという点です。

対象は「要安全確認計画記載建築物」、つまり愛知県建築物耐震改修促進計画に記載された、緊急輸送道路の沿道にある一定の建築物です。避難路沿道建築物の耐震診断の実施及びその結果の報告の義務化についてによると、要件は次の3つです。

  1. 愛知県地域防災計画の緊急輸送道路の沿道にあること
  2. 昭和56年5月31日までに着工されたものであること
  3. 高さが「敷地の接する道路の中心線から建築物までの距離」を超えるもの(道路幅員12m以下の場合は「道路境界から建築物までの距離+6m」)

豊橋市が挙げている対象路線は、国道1号・国道23号・国道42号・国道151号・国道247号・国道259号、主要地方道の豊橋渥美線・東三河環状線、一般県道の湖西東細谷線・東七根藤並線です。

つまり、国道1号や国道23号の沿道に建っている、旧耐震基準の高いマンションであれば、この制度の射程に入る可能性があります。

3番目の「高さ」の要件は、条文の読み方が難しい部分です。ご自分の建物が該当するかどうかは、建築物安全推進課にご相談ください。

事前相談は「前年度9月末日まで」

この制度の事前相談書の期限は、事業実施予定の前年度9月末日です。非木造住宅耐震改修費補助金の8月31日とは1か月ずれています。

2026年9月10日の時点で、令和9年度(2027年度)実施分の期限まで、まだ20日ほど残っています。該当しそうな建物をお持ちの方は、今月中に一度お電話をされることをお勧めします。

完了実績報告は交付決定年度の2月末日まで、契約・着手は交付決定後です。


ブロック塀等撤去費補助金——ここは「個人であること」が壁になります

マンションの敷地を囲むブロック塀は、大規模修繕とセットで検討されることが多い部位です。豊橋市にもブロック塀等撤去費補助金があります。

項目 内容
補助額 次の少ない方(上限10万円):撤去工事費×1/2、または単価×延長
単価 補強コンクリートブロック塀・レンガ・大谷石等の組積造=5,000円/m、その他これらに類する塀・万代塀等=4,000円/m
対象者 ①ブロック塀等を所有又は管理していること ②個人であること ③市税を滞納していないこと
回数制限 1敷地につき1回のみ、かつ1年度に1回
対象工事 撤去前であること/市内にあり、道路に面する高さ1メートル以上のブロック塀等をすべて撤去する工事/撤去後に再度ブロック塀等を設置しないこと(フェンス又は生垣等は可)/建築物の解体に伴う撤去ではないこと
対象外 隣地との敷地境界線上のブロック塀等
手続 ①事前相談書(様式第1号)→②市職員の現地調査(申請者立会い)→③交付申請書(様式第2号)
令和8年度受付 令和8年4月9日13時00分から

私が正直に申し上げたいのは、「個人であること」という条件です

管理組合や法人が所有・管理するマンションの外周ブロック塀について、この制度が使えるかどうかは、公式ページの文言だけでは判断できません。文字どおり読めば、管理組合は「個人」ではありません。

同時に、「1敷地につき1回のみ」「上限10万円」という設計も、マンションの外周塀の規模とは噛み合いにくいところがあります。仮に50mのブロック塀を撤去すれば、単価5,000円/mで25万円ですが、上限は10万円です。

ただし、私はこれを「使えない」と断定するつもりはありません。建築物安全推進課に確認する価値は十分にあります。撤去自体は防災上の意味が大きいからです。

なお「隣地との敷地境界線上のブロック塀等は対象とはなりません」という注記は、マンションの敷地では該当しやすい条件です。道路に面した部分と、隣地境界の部分を分けて考える必要があります。


浄化槽設置整備事業補助金——要綱の別表に「集合住宅」がある

豊橋市の浄化槽設置整備事業補助金は、単独処理浄化槽・汲み取り槽を撤去して環境配慮型浄化槽に転換する場合の補助です。令和8年度の上限額は次のとおりです。

人槽 設置費 宅内配管工事費 撤去費(単独槽) 撤去費(汲取槽)
5人槽 332,000円 330,000円 150,000円 120,000円
6〜7人槽 414,000円 330,000円 150,000円 120,000円
8〜50人槽 548,000円 330,000円 150,000円 120,000円

交付要綱の別表第3で、対象建築物として「集合住宅」が明記されています(専用住宅/併用住宅/集合住宅/その他市長が認める建築物)。様式第1にも「共同( 戸)」という選択欄があります。

一方で、対象者の要件に「申請日時点で豊橋市に住民登録がある者」という記載があります。各様式には「法人にあっては代表者氏名」という欄もあり、法人申請を想定した構成にも見えますが、住民登録要件との関係は公式ページでは説明されていません。管理組合名義・法人名義での申請可否は要確認です。

そのほかの条件は、下水道区域外であること、転換工事であること(新築は不可、建築確認申請を伴わない工事)、交付決定前の着工は不可、というものです。

受付は令和8年4月27日(月)開始の先着順で、予算上限に達し次第終了。実績報告期限は令和9年2月25日(木)です。窓口は環境部廃棄物対策課(0532-51-2410)。

8〜50人槽まで一律548,000円という設計は、共同住宅規模の浄化槽まで射程に入れたものと読めます。市街化調整区域に建つ賃貸マンション・アパートをお持ちの方は、確認しておく価値があります。


豊橋市で「使えない」制度を、先に整理しておきます

補助金の記事は「使える制度」だけを並べがちです。でも私は、使えない制度を先に消しておくほうが、理事会の時間を節約できると考えています。

制度名 使えない理由
木造住宅耐震改修費補助金(上限115万円) 木造住宅限定。RC造マンションは対象外
木造住宅耐震シェルター整備費補助金(上限30万円) 木造住宅限定。かつ高齢者・障がい者が居住する住宅
木造住宅解体工事費補助金(23%・上限20万円) 木造限定
特定既存耐震不適格建築物耐震診断費補助金 交付要綱で「用途が住宅であるものを除く」と明記。分譲マンションはこちらではなく非木造住宅耐震診断費補助金のルート
家庭用エネルギー設備導入補助金 交付要綱第4条で対象者を「設備を設置する者(個人)」と明記。法人不可。共用部への設置可否も記載なし
市内事業者太陽光発電設備等導入費補助金 対象は「自ら使用する市内事業所」で、事業所が登記されていることが条件
空家解体促進費補助金(2/3・上限50万円) 対象者が「市税を滞納していない個人」。法人は対象外。かつ長屋・共同住宅の場合は全戸において1年以上使用されていないことが条件
長期優良住宅化リフォーム推進事業(国) 令和8年度は実施されません(公式サイトに明記)
愛知県 再生可能エネルギー設備導入支援事業費補助金 2026年6月8日に予算到達で受付終了

とくに最後から2番目、長期優良住宅化リフォーム推進事業にはご注意ください。この事業は長年マンション共用部のリフォームで参照されてきましたが、公式サイトには「令和8年度、本事業は実施しません。」と明記されています。古い記事や古いパンフレットを見て動くと、無駄足になります。


豊橋市のマンションは、これから築40年を迎えます

数字で見る豊橋市のマンションストック

豊橋市住宅マスタープラン2022-2031によると、豊橋市の分譲マンションは合計5,400戸(平成30年住宅・土地統計調査ベース)。建築年次別の内訳が興味深いので、表にします。

建築年次 戸数 構成比
〜1980年 0戸 0.0%
1981〜1990年 1,970戸 36.5%
1991〜2000年 1,880戸 34.8%
2001〜2010年 1,320戸 24.4%
2011〜2015年 100戸 1.9%
2016〜2018年9月 130戸 2.4%

1980年以前が0戸です。愛知県全体では築40年超が41,400戸・13.1%であるのに対し、豊橋市はゼロ。同プランは「本市においても今後10年の間に急増する見込み」と書いています。

これは何を意味するか。豊橋市には「築40年のマンションを経験した管理組合」がほとんど存在しないということです。1981〜1990年に建った1,970戸が、2021年から2030年にかけて順次築40年を迎えます。

前例がない、ということは、前例に学べないということでもあります。

管理の実態

豊橋市マンション管理適正化推進計画には、もう少し踏み込んだ数字があります。

  • 2023年9月現在で、市内に150棟を超えるマンション
  • 実態調査は市内マンション137件に対して行い、回答は94件(回答率68.6%)
  • 自主管理16件
  • 管理組合がないマンション3件
  • 長期修繕計画を作成していないマンション8件
  • 長期修繕計画を作成しているマンションの割合 61.3%(84/137)→ 2032年度に90.0%を目標

そして課題として、こう書かれています。「適時適切な修繕が行われないと、老朽化による外壁の剥落、鉄筋の露出・腐食の発生などが区分所有者や近隣住民へ危害を及ぼす可能性がある」。

外壁の剥落と鉄筋の露出。これは、私が現場で一番見たくないものです。

また、平成30年住宅・土地統計調査では、豊橋市の「持ち家・共同住宅」(=分譲マンション)の割合は4%。愛知県11%、全国11%に対して、県内他地域と比較して最も低い水準です。裏を返せば、豊橋では分譲マンションが「少数派」であり、管理組合同士の横のつながりも情報も少ないということになります。

愛知県全体の管理実態も、参考になります

愛知県マンション管理実態調査報告書から、全国平均と比べて気になる数字を挙げます。

項目 愛知県 全国調査
平均戸数 44.7戸 96.7戸
自主管理の割合 14.6% 6.8%
理事会を3か月に1回以上開催 36.5% 86.2%
長期修繕計画がない 10.8% 7.1%

理事会の開催頻度が、全国の半分以下です。30戸以下では長期修繕計画がない割合が16%、自主管理では40%に上ります。さらに「大規模修繕工事を1回も実施したことがない」が15%、1961〜1980年築でも未実施が12件(6%)あります。

理事会が年に数回しか開かれない管理組合で、前年度8月31日という締切に間に合わせるのは、簡単ではありません。だからこそ、制度の締切を先に理事会の年間予定表に書き込んでおくことをお勧めしています。


マンション管理計画の認定は、豊橋市が窓口。手数料は無料です

豊橋市は令和6年1月1日に推進計画を施行済み

マンション管理計画認定制度は、マンション管理適正化推進計画を策定した市区が認定主体になります。町村部は都道府県が窓口です。

豊橋市は令和6年1月1日に豊橋市マンション管理適正化推進計画を施行しており、市が認定主体です。伊豆の町の記事では窓口が静岡県でしたが、豊橋市は市の住宅課が直接の窓口になります。ここは中核市の強みです。

マンション管理計画の認定のポイントを整理します。

項目 内容
申請手数料 豊橋市への認定申請手数料は無料(マンション管理センターの支援サービス利用には別途手数料等が必要)
申請方法 (公財)マンション管理センターの「管理計画認定手続支援サービス」を経由して電子申請。あわせて表明保証書(様式1)を豊橋市へ提出(zyutaku@city.toyohashi.lg.jp)
有効期間 5年(更新申請が必要)
対象 マンション管理適正化法第2条第1号のマンション=分譲マンション(賃貸は対象外)
申請主体 管理組合
窓口 建設部住宅課 住宅計画グループ 0532-51-2602/2604

手数料が無料というのは、静岡県(令和8年4月1日改定で、事前確認適合証ありで4,000円、なしで28,100円)と比べると分かりやすい違いです。

豊橋市独自の追加基準は「防災に関する取組」

もうひとつ、豊橋市には国の認定基準に加えて独自の追加基準があります。「防災に関する取組」です。

推進計画によると、自主防災組織、対応マニュアル、防災用品・医薬品の備蓄、非常食・飲料水の備蓄、防災用名簿、防災訓練などのうち1つ以上を実施していることが求められます。

私はこれを、豊橋らしい基準だと感じました。南海トラフ地震の被害想定を抱える東三河の自治体が、マンションの管理水準に防災を組み込んでいる。逆に言えば、防災用品の備蓄や名簿の整備といった、比較的取り組みやすいことが認定の一要素になっているということです。

理事会で「認定は難しそう」と止まっている管理組合には、この点をお伝えするようにしています。

認定を取ると何が変わるか

認定のメリットは、主に3つあります。

  1. 住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資(マンションすまい・る融資)の金利が年0.2%引下げ(申込時点で認定取得が必要)。さらに耐震改修・浸水対策・省エネ改修の実施で年0.2%、マンションすまい・る債の残高ありで年0.2%が併用可
  2. 管理計画認定マンション一覧やアットホーム「建物ライブラリー」で公開され、管理の見える化につながる
  3. マンション長寿命化促進税制の要件のひとつを満たす(次章)

大規模修繕を借入で賄う管理組合にとって、金利0.2%は小さくありません。1億円を20年で借りるなら、総返済額で数百万円規模の差になり得ます。

なお、令和9年4月1日施行の制度改正が予定されており、分譲事業者が管理計画認定を申請できる仕組みの導入や、認定基準の見直しが行われます。2027年4月1日以降の申請には新基準が適用されますので、これから申請される場合は最新情報をご確認ください(出典:国土交通省 マンション管理計画認定制度)。


マンション長寿命化促進税制——2027年3月31日という期限

大規模修繕を検討中の管理組合に、私がほぼ毎回お伝えしているのが、この税制です。

マンション長寿命化促進税制は、一定の要件を満たす大規模修繕工事を行った場合、工事完了の翌年度分の建物部分の固定資産税額を6分の1〜2分の1の範囲内で減額する制度です(減額率は市町村の条例による。専有部分の100㎡相当分まで、居住用部分)。

工事の要件

  • 長寿命化工事=外壁塗装等工事・床防水工事・屋根防水工事を行っていること
  • 令和5年4月1日〜令和9年3月31日に工事が完了すること
  • 工法・部材がJASS/JAMS/公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版を参考としたものであること

期限が2027年3月31日です。この記事を公開している2026年9月10日から、あと約6か月半。

マンションの要件

  • 築20年以上
  • 総戸数10戸以上
  • 過去に長寿命化工事を実施済みであること
  • 管理計画認定マンションであり、令和3年9月1日以降に修繕積立金を認定基準まで引き上げたこと(または助言・指導を受けて長期修繕計画を作成・見直した管理組合のマンション)

修繕積立金の引上げ基準(下限値の目安、機械式駐車場分を除く)は次のとおりです。

マンションの規模 修繕積立金の下限値の目安
20階未満・延床5,000㎡未満 235円/㎡・月
20階未満・延床5,000〜10,000㎡ 170円/㎡・月
20階未満・延床10,000〜20,000㎡ 200円/㎡・月
20階未満・延床20,000㎡以上 190円/㎡・月
20階以上 240円/㎡・月

手続は、工事完了日から3か月以内に市町村へ申告。必要書類は大規模の修繕等証明書、過去工事証明書、修繕積立金引上証明書、管理計画認定通知書の写し、総戸数を確認できる書類です(証明書はマンション管理士や建築士事務所所属の建築士等が作成)。

出典:国土交通省 マンションに関する税制要件PDF

正直に申し上げると、要件のハードルは高いです。「過去に長寿命化工事を実施済み」かつ「管理計画認定」かつ「修繕積立金の引上げ済み」の3つを同時に満たす管理組合は、それほど多くありません。

ただ、豊橋市は認定手数料が無料です。認定のコストが低い自治体では、この税制に手が届く可能性が相対的に高くなります。豊橋市の管理組合には、検討する価値があると思います。


国の制度:マンションストック長寿命化等モデル事業の第3回公募が9月14日から

タイミングの話をひとつ。

国土交通省のマンションストック長寿命化等モデル事業(令和8年度から「マンション総合対策モデル事業」の一部として再編)は、令和8年度に3回の公募が行われており、第3回の公募期間は令和8年9月14日(月)〜9月18日(金)です。

この記事が公開される9月10日の、4日後です。

項目 内容
計画支援 定額、原則上限500万円/年(最大3年)。評価委員会が認める場合は1事業あたり上限1,500万円
工事支援(改修・建替) 国1/3(金額上限は公表概要に明示なし。詳細は募集要領)
対象 分譲マンションの共用部の長寿命化改修・一棟リノベーション・建替え等
対象外 劣化部材の補修や設備の取替など、建設当初の水準に回復するだけの修繕のみ(先導性が必要)
申請主体 計画支援=再生コンサル・設計事務所・管理会社/工事支援=施工業者

注意点が2つあります。

ひとつは、管理組合が直接申請する制度ではないこと。申請主体は事業者側です。管理組合としては、パートナーとなる事業者と組んで応募する形になります。

もうひとつは、「建設当初の水準に回復するだけの修繕」は対象外であること。通常の大規模修繕そのものではなく、先導性のある取り組みが求められます。

ただ、政策目的の例示に「大規模修繕の周期延長につながる耐久性の高い新材料を用いる改修工事」「超高層マンションにおいて先導的な修繕技術を用いる改修工事」が明記されている点は、私どもの立場からすると見逃せません。

無足場工法であるロープアクセス工法は、まさに「先導的な修繕技術」に該当し得る領域です。ロープアクセス工法の技術情報や安全基準については、姉妹サイトのロープアクセスドットコムに詳しくまとめています。

出典:国土交通省 マンション総合対策モデル事業


住宅省エネ2026キャンペーン——共用部の窓・玄関ドアに効きます

2026年度(令和8年度)の国の省エネ支援は、住宅省エネ2026キャンペーンとして4事業が走っています。

事業名 所管 予算 補助上限(1戸あたり)
みらいエコ住宅2026事業 国土交通省 300億円 40万〜100万円(新築時期・工事内容による)
先進的窓リノベ2026事業 環境省 1,125億円 100万円
給湯省エネ2026事業 経済産業省 570億円 共同住宅は1台
賃貸集合給湯省エネ2026事業 経済産業省 35億円 1台(貸家に限る

4事業とも共同(集合)住宅が補助対象住宅です。用途は「持家・貸家・借家等」で、賃貸集合給湯省エネ2026事業のみ貸家限定です。

期限は、交付申請の予約が遅くとも2026年11月16日、交付申請が遅くとも2026年12月31日。ただし予算上限に達した時点で早期終了します。

2026年9月8〜9日時点の予算消化率は、みらいエコ住宅(リフォーム)5%、先進的窓リノベ22%、給湯省エネ42%、賃貸集合給湯省エネ40%。窓リノベとみらいエコには、まだ余裕があります

ここで理事長さまにお伝えしたいことが2つあります。

ひとつめ。これらは開口部(窓・ドア)・給湯器・断熱が対象で、外壁塗装や防水などの大規模修繕そのものは対象外です。「大規模修繕に国の補助金が出る」と誤解されたまま総会にかけると、あとで説明が苦しくなります。

ふたつめ。マンションの窓と玄関ドアは共用部分です。専有部分ではありません。したがって、個々の区分所有者が勝手に交換することはできず、総会決議が要ります。逆に言えば、大規模修繕の総会にあわせて窓・玄関ドアの改修も議案に入れれば、一度の決議で両方が動きます。

みらいエコ住宅2026事業のリフォームは「平成28年以前に新築された住宅」が対象、最低補助額は5万円です。先進的窓リノベ2026はガラス交換・内窓設置・外窓交換のいずれかが必須で、ドア交換のみでは対象外、最低補助額5万円。

出典:住宅省エネ2026キャンペーン先進的窓リノベ2026事業


豊橋の気候が、外壁に何をしているか

制度の話が続きましたので、建物の話に戻します。豊橋市の気象データを、気象庁アメダス豊橋(豊橋市神野新田町)で確認しました。

日照時間が多い、ということ

項目 年値(平年値・統計期間2006〜2020年)
年降水量 1,651.3mm
年平均気温 16.3℃
年間日照時間 2,293.8時間
年平均風速 3.7m/s

年間日照時間2,293.8時間。全国の多くの地点が2,000時間前後ですから、豊橋は明らかに日照が多い地域です。実績値では2023年が2,497.2時間で観測史上1位、2025年も2,434.3時間を記録しています。

日照が多いことは、住むには気持ちがいい。ただし建物の外壁にとっては、紫外線を浴びる時間が長いということです。

塗膜の劣化は、紫外線・熱・水の3つで進みます。私が現場でチョーキング(塗膜表面が粉状になる現象。指でこすると白い粉がつく)を確認するとき、いつも同じ建物でも南面と西面から先に出ます。日照時間の多い地域では、その進行が早い。

「12年周期」という一般的な修繕サイクルは、あくまで目安です。豊橋のように日照の多い地域では、面ごとに劣化度合いを分けて診る必要があると私は考えています。

冬の風が、夏の1.4倍

もうひとつ、豊橋で特徴的なのが風です。

平均風速
1月 4.4m/s
2月 4.5m/s
3月 4.5m/s
6〜10月 3.0〜3.2m/s
12月 4.2m/s

冬から早春の風速が、夏の約1.4倍です。「遠州のからっ風」と呼ばれる季節風が、数字にはっきり出ています。

これは工事の段取りに直結します。足場を組んで養生シートを張ると、シートが帆のように風を受けます。風速が上がる季節には、シートを開放したり、朝礼で作業中止を判断したりする日が増えます。工期が延びれば、仮設費も延びます。

台風のデータも見ておきます。2005年12月以降の記録で、日最大風速は27.1m/s(2018年9月30日・台風24号)、日最大瞬間風速は39.4m/s(2013年9月16日・台風18号)。上位10件の大半が7〜10月に集中しています。日降水量の記録は418.0mm(2023年6月2日)です。

つまり豊橋では、夏から秋は台風、冬から春はからっ風。足場工事にとって、一年を通じて風のリスクが低い季節がはっきりしません。

なお、伊良湖・三河湾からの潮風(塩害)については、公的な飛来塩分量の観測データを本記事の調査では確認できませんでした。アメダス豊橋の設置地点が三河湾に面した神野新田町であること、豊橋市が渥美半島の基部で三河湾と遠州灘に挟まれた地形であることは事実ですが、塩害の程度を数字で断定することは避けます。海に近い立地の建物では、バルコニー手すりの鉄部や外部階段の劣化状況を、実際にご覧になることをお勧めします。


足場か、ロープアクセスか、ハイブリッドか

ここまでの話を、工法の選択に落とします。

私どもは、通常の足場仮設による工事・無足場工法であるロープアクセス工法・その両方を部位ごとに使い分けるハイブリッド工法の3つから、建物に合った工法をご提案しています。日本でも数少ない体制だと自負しています。詳しくはロープアクセス工法のご紹介大規模修繕工事のご紹介をご覧ください。

豊橋市の建物で、私が工法を考えるときの判断軸を挙げます。

判断軸 足場が向く ロープアクセスが向く ハイブリッドが向く
建物の高さ 中低層 中高層・高層 高さが部位で大きく違う
形状 複雑な凹凸が多い 平滑な壁面が多い 一部だけ複雑
敷地の余裕 足場を建てる余地がある 隣地が近い・道路が狭い 面によって条件が違う
工事の範囲 全面的な打診・補修 部分補修・調査・塗装 面ごとに劣化度が違う
風の影響 シートが風を受ける 仮設シートがない分、風の影響を受けにくい 風の当たる面だけ工夫
居住者への影響 全戸のバルコニーに足場がかかる期間が長い バルコニーの占有期間が短い 影響の大きい面だけ短縮
費用 仮設費が大きい 仮設費を大幅に圧縮できる 総額で最適化

豊橋の気候条件を踏まえると、風の影響を受けにくいこと仮設費を圧縮できることの2点は、実務上の意味が大きいと考えています。

ただし、私は「ロープアクセスがすべて優れている」と申し上げるつもりはありません。全面打診が必要な建物、複雑な形状の建物、大量の下地補修が想定される建物では、足場を組んだほうが結果的に安く早いことがあります。だから3つの選択肢を持っているのです。

明誠の考え方については明誠のコンセプト、価格の考え方は適正価格へのこだわり、品質については明誠の価値にまとめています。建物の用途別のご案内は、マンション管理組合の皆さまへビルオーナーの皆さまへホテル・宿泊施設の皆さまへをご覧ください。

ロープアクセス工法の一般的な安全基準や事例については、ロープアクセスドットコムで解説しています。


理事会にかける前に確認したい8項目

豊橋市の管理組合が、総会の前に理事会で押さえておきたい項目を挙げます。

  1. 建物の着工日は昭和56年5月31日以前か、以降か(すべての耐震系補助の入口)
  2. 延べ面積は何㎡か(非木造住宅耐震診断費補助金の上限額の計算に直結)
  3. 緊急輸送道路(国道1号・23号・42号・151号・247号・259号など)の沿道か(要安全確認計画記載建築物の可能性)
  4. 通常総会は何月に開かれるか(前年度8月31日の締切に間に合うか)
  5. 過去に長寿命化工事(外壁塗装・床防水・屋根防水)を実施したことがあるか(長寿命化促進税制の要件)
  6. 修繕積立金は㎡あたり月いくらか(税制の下限値の目安と比較)
  7. 長期修繕計画の計画期間は30年以上あり、残存期間内に大規模修繕工事が2回以上入っているか(管理計画認定の基準)
  8. 防災用品の備蓄・防災用名簿・防災訓練のうち、ひとつでも実施しているか(豊橋市独自の追加基準)

このうち1・2・4は、理事長さまが今日確認できます。3は市に電話すれば分かります。5〜8は、管理会社に聞けば出てきます。

私は理事会にお呼びいただいたとき、この8項目を紙1枚にして持っていくようにしています。議論の前に事実を揃える。それだけで、総会までの時間が変わります。


見積書で私が見る5つのポイント

補助金の話から少し離れますが、大事なことなので書いておきます。相見積もりを取ったとき、私が金額の前に見る箇所です。

  1. 仮設費が総額の何%か。足場工事では20〜25%程度が一般的なレンジです。ここが極端に安い見積もりは、あとで追加が出ることがあります
  2. 下地補修の数量が「一式」になっていないか。ひび割れ何m、欠損部何か所、と数量が入っているか。「一式」は、実数が増えたときの追加請求の余地になります
  3. 打診調査の範囲と方法。全面打診か、部分打診か。誰が、いつやるのか
  4. 塗料のメーカー名・製品名・グレード・希釈率が書かれているか。「シリコン塗料」だけでは判断できません
  5. 保証の内容と、保証する主体。工事会社の保証か、メーカー保証か。年数だけでなく、何が対象外かを確認します

補助金の額よりも、この5項目のほうが、最終的な支出への影響は大きいことがあります。


豊橋市の問い合わせ先

内容 担当課 電話番号
非木造住宅耐震診断費補助金/非木造住宅耐震改修費補助金/要安全確認計画記載建築物耐震改修費補助金/ブロック塀等撤去費補助金/代理受領制度 建設部 建築物安全推進課 0532-51-2579
空家解体促進費補助金/空家利活用改修費補助金 建設部 建築物安全推進課(空家対策グループ) 0532-51-2561
マンション管理計画の認定/マンション管理適正化推進計画 建設部 住宅課 住宅計画グループ 0532-51-2602/2604
浄化槽設置整備事業補助金 環境部 廃棄物対策課 0532-51-2410
家庭用エネルギー設備導入補助金 環境部 環境政策課 0532-51-2417
吹付アスベスト対策事業費補助金 建設部 建築指導課 0532-51-2587
豊橋市役所(代表) 0532-51-2111

所在地は〒440-8501 愛知県豊橋市今橋町1番地(建築物安全推進課・住宅課は市役所東館3階)。開庁は月曜〜金曜の午前8時30分〜午後5時15分です。


よくある質問(FAQ)

Q1. 豊橋市に、マンションの大規模修繕そのものに直接出る市の補助金はありますか?
A. 豊橋市補助金等一覧(令和8年4月1日現在)を確認した限り、外壁塗装や防水といった大規模修繕そのものに出る市単独の補助金は見当たりません。効くのは耐震診断・耐震改修のルートと、国の税制・省エネ事業です。

Q2. RC造のマンションでも使える豊橋市の補助金は、具体的にどれですか?
A. 公式ページで共同住宅が対象と読めるのは、非木造住宅耐震診断費補助金、非木造住宅耐震改修費補助金、要安全確認計画記載建築物耐震改修費補助金、浄化槽設置整備事業補助金の4つです。ただし新耐震以降の建物は、耐震系3制度の対象外です。

Q3. 非木造住宅耐震診断費補助金は、いくらまで出ますか?
A. 耐震診断に要する経費の3分の2です。一戸建て以外の上限額は、延べ面積1,000㎡以内の部分が3,670円/㎡、1,000㎡超2,000㎡以内が1,570円/㎡、2,000㎡超が1,050円/㎡。3,000㎡なら対象経費の上限が629万円、補助上限は419万3,000円という計算になります(出典:豊橋市)。

Q4. 管理組合の名義で申請できますか?
A. 豊橋市の公式ページと交付要綱には「管理組合」の記載がなく、判断できません。補助金等一覧では非木造住宅の診断・改修が「個人向け」、要安全確認計画記載建築物耐震改修費補助金が「個人・事業者向け」に区分されています。建築物安全推進課(0532-51-2579)へのご確認をお勧めします。

Q5. 耐震改修の補助を使いたい場合、いつまでに何をすればいいですか?
A. 事前相談書を、工事を行う年度の前年度の8月31日までに提出する必要があります。2026年9月10日時点では令和9年度分の期限は過ぎており、次は令和9年8月31日(令和10年度工事分)です。

Q6. マンション管理計画の認定に、豊橋市では手数料がかかりますか?
A. 豊橋市への認定申請手数料は無料です。ただし(公財)マンション管理センターの支援サービス利用には別途手数料等が必要です(出典:豊橋市)。

Q7. 長期優良住宅化リフォーム推進事業は使えますか?
A. 令和8年度は実施されません公式サイトに明記されています。古い資料を参照して計画を立てないようご注意ください。


この記事のポイントまとめ

  • 豊橋市の非木造住宅耐震診断費補助金は共同住宅が対象、経費の3分の2
  • 上限は延べ面積の㎡単価で決まり、3,000㎡なら補助上限419万3,000円
  • 非木造の耐震改修は「工事の前年度8月31日」までに事前相談書が必要
  • 代理受領制度で、管理組合は工事費と補助金の差額だけ用意すればよい
  • 要安全確認計画記載建築物の限度額表には「マンション50,200円/㎡」の行がある
  • 豊橋市は認定主体で、マンション管理計画認定の手数料は無料
  • 豊橋市独自の追加基準は「防災に関する取組」を1つ以上
  • 長期優良住宅化リフォーム推進事業は令和8年度は実施なし
  • 豊橋の年間日照は2,293.8時間、冬の風速は夏の約1.4倍

最後に

豊橋市の分譲マンションは5,400戸、そのうち1980年以前に建ったものは0戸です。愛知県全体では築40年超が13.1%あるのに、豊橋にはまだない。けれど1981〜1990年に建った1,970戸が、これから順に築40年を迎えます。

前例がないというのは、不安なことでもあり、同時にまだ間に合うということでもあります。外壁が剥落してから動くのと、診断結果を持って総会に臨むのとでは、選べる手が違います。

豊橋市の非木造住宅耐震改修費補助金は、事前相談が工事の前年度8月31日まで。今日から動いても、工事は2028年度です。急がなくてもいい話ではありません。けれど、慌ててできる話でもありません。だからこそ、総会の前段階の整理から始めていただければと思います。

延べ面積が分からない、着工日が分からない、緊急輸送道路の沿道かどうか分からない。そういう段階でのご相談だけでも遠慮なくお声がけください。お問合せフォームからどうぞ。総会にかける前の整理だけでも、お力になれることがあります。


出典・参考資料


執筆者:本間 幸紘(株式会社明誠 代表取締役)
専門領域:マンション大規模修繕/ロープアクセス工法/建物長寿命化計画
実務経験:建設・改修業界 20年以上
所属:一般社団法人 全国建設業支援協会(JCSA)

株式会社明誠について:東京都小平市を拠点に、東京・関東一円でロープアクセス工法と従来足場工法の両方を提案できる改修会社。日本初のロープアクセス工事フランチャイズを展開し、塗装・防水・タイル・電気・看板工事の専門職が加盟しています。

最終更新:2026年9月10日

ロープアクセス工法の技術情報:https://rope-access-method.com/