本間社長ブログ
横浜市南区のマンション漏水・防災対策|大岡川の低地・吉田新田の埋立地・急傾斜地の3視点と大規模修繕の優先順位【2026年度版】
目次

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著作者プロフィール
株式会社明誠 代表取締役
本間 幸紘
大規模修繕・外壁工事・ロープアクセス工事に関する情報を、現場経験をもとに分かりやすくお届けします。
2026年10月8日 更新
横浜市南区のマンションで、大雨の前に私が最初に確かめるのは、屋上の排水口と、1階や地下にある設備の高さです。南区は、大岡川に沿った平らな低地、江戸時代に造られた埋立地、そしてそれらを囲む坂とがけの多い丘陵地が、狭い区域にぎゅっと詰まっています。同じ南区でも、建物が建っている場所によって、水の入り方も、地震での揺れ方も、がけ崩れの心配も大きく変わります。
私は株式会社明誠の本間幸紘と申します。拠点は東京都東大和市ですが、神奈川県内のマンションの大規模修繕も手がけています。20年近く、マンション・ビル・ホテルの外壁と向き合ってきました。仮設足場を組む工事も、メインロープとバックアップロープの2本に接続して壁面に降りる無足場の工事も、どちらも現場でやってきた人間です。
今日は横浜市と神奈川県の公式情報をもとに、南区の分譲・賃貸マンションが大規模修繕で先に手を打つべき場所を整理します。
結論:南区で優先すべきは「立地の見極め」「屋上・排水まわりの防水」「地下・1階の設備とがけ側の擁壁」です
先に結論を申し上げます。横浜市南区のマンションでは、次の3つを最初に確認することをお勧めします。
- 南区版の浸水ハザードマップ(洪水・内水・高潮の3種類)で、建物の位置と想定浸水深を確認する:令和8年6月に、内水ハザードマップが水防法に基づくものに更新されています
- 屋上ドレン・バルコニー排水・敷地の雨水桝を点検し、防水の改修時期を記録で確認する:低地でも高台でも、豪雨時にまず出るのは「排水が追いつかない」ことによる漏水です
- 受変電設備・給水ポンプ・地下駐車場の位置と、がけ側の擁壁・外壁の状態を図面と目視で調べる:停電が長引くと、エレベーターも給水ポンプも止まります
順に見ていきます。
横浜市南区のハザードマップを1枚で読む(洪水/内水/高潮/津波/土砂/液状化)
横浜市は区ごとに「浸水ハザードマップ(南区版)」を公開しており、洪水・内水・高潮の3種類のマップと情報面をPDFで入手できます。南区版のページの最終更新日は2026年6月1日で、各PDFのファイル名の日付は2026年5月29日です(出典:横浜市「浸水ハザードマップ(南区版)」)。
横浜市全体では、高潮ハザードマップは浸水想定区域図がある10区(鶴見、神奈川、西、中、南、港南、保土ケ谷、磯子、金沢、港北)で作成されており、南区はこの10区に入っています。同じページによれば、令和8年6月の更新は、雨水出水(内水)の浸水想定区域が水防法に基づいて指定されたことによるもので、洪水・内水・高潮の浸水想定区域そのものに変更はありません(出典:横浜市「浸水ハザードマップ」、2026年6月1日更新)。
| 種別 | 南区での位置づけ | 私の読み方 |
|---|---|---|
| 洪水(河川の氾濫) | 南区版のマップあり。大岡川は県が想定雨量を公表 | 川沿いの低地の物件は、想定浸水深をまず確認 |
| 内水(雨水出水) | 令和8年6月に水防法に基づくマップへ更新 | 川から離れた物件こそ、一度見てください |
| 高潮 | 横浜市内の高潮マップ作成10区に南区が含まれる | 運河・川沿いの地下施設、1階設備は要確認 |
| 津波 | 区防災計画で、海抜5m以上の高台か3階以上が避難の目安 | 津波避難先を共用部の掲示で共有 |
| 土砂(急傾斜地) | 市内13区に警戒区域があり、南区もその1つ | 坂の多い高台の物件は、擁壁と外壁の状態を確認 |
| 液状化 | 市の液状化マップ(3つの想定地震)で区ごとに確認 | 埋立地の物件は、杭・外構・埋設配管まで視野に |
洪水:県が示す大岡川の想定雨量
横浜市の洪水ハザードマップは、国土交通省の京浜河川事務所と神奈川県が公表する洪水浸水想定区域をもとにしています。想定は「想定最大規模」(約1000年に1度)と「計画規模」の2種類です。大岡川については、想定最大規模が24時間で332mm、計画規模が1時間で93mm(100年に1度)と公表されています(出典:横浜市「洪水浸水想定区域について」、2026年4月1日更新)。
横浜市南区のまちづくり資料には、大岡川が笹下川と日野川から流れ出て区の中央を通り、中村川と堀割川に分かれること、川沿いには沖積低地と江戸時代の埋立地が広がり、その周りを丘陵や台地が囲むことが書かれています。また、大岡川は大雨のたびにたびたび氾濫してきたことも記されています(出典:横浜市南区「南区まちづくり関連資料」、ファイル名の日付は2018年11月。人口などの統計は2015〜2016年時点です)。資料が古いため、地形の説明の参考にとどめ、想定浸水深は必ず南区版のマップでご確認ください。
また、横浜市の洪水ハザードマップには「想定を超える大雨、下水道からのはん濫、小さな河川のはん濫は考慮されていません」「着色されていない区域でも浸水が発生する場合があります」との注意書きがあります。マップに色がついていないから安心、とは言えません。
内水と高潮:川から離れた物件も、海に遠い物件も無関係ではありません
内水は、下水道や排水路があふれて起きる浸水です。川の水位が低くても、街の排水が追いつかなければ、低い場所に水は集まります。南区は人口密度が横浜市18区で最も高い(2016年7月1日時点で1平方キロあたり15,434人)とされる、建物が密集した区です(前掲の南区まちづくり関連資料)。路面が舗装で覆われた密集市街地では、雨水が一気に排水路へ流れ込みます。川沿いでなくても、内水のマップは必ず見てください。
高潮ハザードマップは、日本の過去最大級の室戸台風規模の台風を想定し、複数の進路・速度・大きさのうち最も被害が大きくなるケースを採用しています。河川の洪水が同時に起きることと、堤防が壊れることも最悪のケースとして織り込まれています(同上の横浜市ページ)。南区は海に面していませんが、川を伝って海水位の影響が及ぶことがありますので、河川や運河沿いの物件は高潮マップも見る必要があります。
津波・土砂・液状化:南区は「3つの顔」を持つ区
南区の地形を、私は次の3つに分けて考えています。
- 大岡川沿いの低地(浸水の注意が必要な場所)
- 江戸時代の埋立地(吉田新田など。揺れと液状化の注意が必要な場所)
- 丘陵地・台地(がけ崩れと排水の注意が必要な場所)
南区まちづくり関連資料によれば、区内の最高地点は約91m(永田山王台)で、坂道や階段が多く、がけのある場所が目立ちます。県が指定する土砂災害警戒区域は、2015年3月時点で区域面積の約15%、161区域にのぼり、面積あたりの数は横浜市内で最も多いとされています。これは古い数字ですので、現在の指定状況は、横浜市の「わいわい防災マップ」と神奈川県の土砂災害情報で確認してください。急傾斜地の警戒区域がある区は市内13区で、南区もその1つです(出典:横浜市「記者発表資料」、2025年9月5日付)。この資料には区ごとの箇所数は載っていませんでした。
津波については、南区防災計画の「震災対策編」で、津波避難場所は「海抜5m以上の高台又は鉄筋コンクリート造等の頑丈な建物の3階以上を目安に」確保するとされています(出典:横浜市南区「南区防災計画『震災対策編』」、ページ更新日は2025年3月11日)。
液状化については、横浜市が2012年10月に公表した地震被害想定をもとにした「液状化マップ」があり、元禄型関東地震、東京湾北部地震、南海トラフ巨大地震の3つの想定ごとに区別のマップを見られます(出典:横浜市「液状化マップ」、2021年5月27日更新)。南区まちづくり関連資料には、元禄型関東地震の想定で、埋立地の吉田新田の一部は震度7に達しうると書かれています。このページ自体には南区の個別の記述がありませんので、埋立地に近い物件は、マップの該当箇所を実際に開いてご確認ください。
横浜市南区の地域特性と漏水事故の関係:低地・埋立地・丘陵地で傷み方が違います
地震が来たときの、南区の被害想定
横浜市の地震被害想定(平成24年10月の調査に基づく)では、南区の被害は次のとおり示されています。
| 項目 | 元禄型関東地震 | 東京湾北部地震 | 南海トラフ巨大地震 |
|---|---|---|---|
| 建物被害(揺れ・液状化・崖・津波の合計) | 12,891棟 | 2,221棟 | 519棟 |
| 焼失棟数 | 11,795棟 | 680棟 | 0棟 |
| 避難者数 | 51,926人 | 12,994人 | 4,053人 |
(出典:横浜市防災計画「資料編」の地震被害想定。南区の現況棟数は47,200棟。平成24年度の被害想定に基づく数字で、現在の耐震化の状況は反映されていません。区別の断水・停電・ガス停止の数字はこの資料では確認できませんでした)
数字を見て気づくのは、元禄型関東地震では、建物の被害のほとんどが焼失(11,795棟)だということです。南区は、木造の住宅が密集し、道が狭い場所が多いため、火災が広がりやすいとされています(前掲の南区まちづくり関連資料)。鉄筋コンクリートのマンションは延焼に強い建物ですが、周囲が燃えれば、外壁の仕上げ材、サッシ、ベランダの可燃物、屋上の防水層も熱の影響を受けます。避難経路や、バルコニーの避難ハッチの周りに物を置いていないかも、大規模修繕の前に確認していただきたい点です。
立地別の弱点
私が南区のマンションを見るときの、立地別のチェックの視点は次のとおりです。
- 大岡川・中村川・堀割川沿いの低地:敷地内の雨水桝や排水管の逆流、地下駐車場やピットへの水の入り方、1階の共用部の止水
- 江戸時代の埋立地(吉田新田など):地盤沈下による外構・配管まわりの不具合、エキスパンションジョイント(棟と棟のつなぎ目)の動き、地震後の設備配管の破損
- 丘陵地・台地(坂とがけの多い高台):斜面からの雨水、擁壁の水抜き穴の詰まり、がけ側の外壁のひび割れ、屋上排水の能力不足
気象庁の「日本の気候変動2025」によれば、全国の1時間降水量50mm以上の年間発生回数は、1976〜1985年の約226回から2015〜2024年の約334回へ、約1.5倍に増えています(出典:気象庁「日本の気候変動2025」)。これは全国の統計で、南区だけの数字ではありません。ただ、防水や排水の設計が想定していた雨より、実際の雨が強くなる方向にあることは、私の現場の実感とも一致します。
大規模修繕でチェックすべき漏水ポイント7つ
漏水の原因として、私が現場で優先して見る7か所を、費用感とあわせて整理します。金額は目安で、建物の状態や規模で大きく変わります。
- 屋上防水:改修周期は一般に12〜15年が目安です。防水工事の㎡単価は工法により5,000〜8,000円/㎡程度が一つの参考値です
- シーリング(目地・サッシまわりの充填材):10年前後で硬化・断裂し、雨水の入口になります
- バルコニー排水:排水溝の勾配不良や砂詰まりは、豪雨時に下階への漏水を引き起こします
- 屋上ドレン(排水口):落ち葉や砂で詰まると、屋上に水がたまります。木の多い高台の物件では特に注意が必要です
- 防水の立上り:パラペット(屋上の外周の低い壁)や設備基礎との取り合いは、最も傷みが早い部位の一つです
- サッシまわり:枠と躯体の間のシーリング、窓下の水切りを確認します
- エキスパンションジョイント:棟と棟のつなぎ目は、動きがあるため劣化しやすく、埋立地では特に見落としがちです
私の経験上、この7か所のうち3か所以上に傷みがある建物は、すでに内部への水の回り込みが始まっていることが多いです。調査の段階で赤外線やドローンを使った点検を併用すると、足場を組む前に状態を把握できます(詳しくは明誠の漏水対応のご紹介をご覧ください)。
費用の感覚もお伝えします。物件により大きく変動しますが、ドレン清掃や部分的なシーリング補修といった応急対応は数万〜数十万円規模、屋上防水の全面やり替えは面積に応じて数百万円規模になることが一般的です。30戸規模のマンションの大規模修繕工事は総額3,500〜5,000万円のレンジで、そのうち仮設足場が15〜25%を占めます。料金の考え方は明誠の大規模修繕の料金の考え方でも整理しています。
漏水緊急対応でロープアクセスが強い理由(坂と狭い道の密集地でも作業できます)
台風や豪雨の後、「最上階の天井から水が落ちている」「外壁のひびから雨が入る」という連絡をいただくことがあります。足場を組む工事では、手配と架設で1〜2週間かかるのが普通です。その間にも雨は降ります。
ロープアクセス工法(産業用ロープで壁面に降りて作業する無足場の工法)なら、原因箇所の特定と応急処置を、足場なしで短期間に行えるケースが多いです。作業員はメインロープとバックアップロープの2本に接続し、2点以上の吊元を確保して作業します。これは国際産業ロープアクセス協会(IRATA)の考え方でも標準とされている二重の安全確保です。
南区は、人口密度が高く、坂や階段、狭い道が多い区です。足場の資材を搬入するトラックが入れない、隣の建物との間隔が狭くて足場を立てにくい、といった現場が少なくありません。そうした壁面でも、ロープアクセスなら屋上から作業できる場合があります。
仮設足場の費用も、目安として10階建て・外周80mのマンションで足場約168万円に対し、ロープアクセスでは約59万円(差額約109万円)という試算があります。工期も足場工法の約60%が目安です。条件によって差は出ますので、詳細は現地調査のうえでお見積りします。
株式会社明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセスでの高所作業については、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。作業員はIRATA水準の技能訓練を受け、品質面ではISO9001のマネジメントシステムを運用し、日本ロープ高所作業協会の事務局も担当しています。明誠のこれまでの施工事例は明誠の施工事例からご覧いただけます。
工法の技術的な詳細は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムで、安全管理や訓練体制はロープアクセスの技術解説記事で詳しくご覧いただけます。発注者さま向けの工法のご紹介は、明誠のロープアクセス工法のページにまとめています。
防災上の共用部(避難通路/エレベーター/受電設備/給水ポンプ/自家発)の位置と修繕優先度
漏水対策は、防災対策と地続きです。国土交通省の「建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン(事例集)」の考え方では、受変電設備や非常用発電設備は、想定浸水深より高い階や屋上など浸水リスクの少ない場所に置くのが望ましいとされています。出入口の止水板や土のう、排水管の逆流防止なども、水を建物に入れない「水防ライン」として整理されています(出典:国土交通省「建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン(事例集)(原案)」)。
私は共用部を、次の順番で見るようお勧めしています。
| 優先度 | 共用部 | 見る点 |
|---|---|---|
| 高 | 受変電設備・電気室 | 地下や1階にないか。浸水すると停電とエレベーター停止につながります |
| 高 | 地下駐車場・機械式駐車場 | 出入口の止水板の有無と保管場所、ピットの排水ポンプの作動 |
| 高 | 給水ポンプ・受水槽 | 浸水や地震で止まると断水します。耐震固定と設置階を確認します |
| 中 | 非常用電源(自家発) | 燃料の備蓄量と、燃料タンクの設置位置を確認します |
| 中 | エレベーター | ピットへの浸水、停止時の防災キャビネット、復旧までの対応を整理します |
| 中 | 避難通路・外階段・擁壁 | 屋外階段の防水と手すり、がけ側の擁壁のひび割れや水抜き穴の詰まりを確認します |
横浜市の「よこはま防災力向上マンション認定制度」の浸水対策の手引きでは、対策の目標とする浸水深は、洪水・内水・高潮のうち最も深い想定を基準にし、敷地内には起伏があるため複数の地点で調べることとされています。備蓄は、支援物資が届くまでを想定して最低3日分、できれば1週間分が理想とされています(出典:横浜市建築局「浸水対策の手引き」、令和5年7月)。
中高層マンションは、発災後に避難所ではなく自宅で過ごす「在宅避難」が基本になります。自宅で過ごすには、電気と水が止まらないことが前提です。だから私は、設備の位置と燃料の量を、外壁と同じ重さで点検するようにしています。
横浜市南区で使える防災補助・耐震助成(令和8年度)
横浜市は、分譲マンションの耐震化やがけ地の対策を支える制度を用意しています。主なものは次のとおりです。
| 制度 | 主な対象 | 内容(令和8年度) |
|---|---|---|
| マンション耐震診断支援事業 | 昭和56年5月末日以前に建築確認を得て着工。区分所有者が過半数居住、または3階以上かつ延べ1,000㎡以上 | 本診断費用の2/3(義務付け対象は5/6)。面積に応じた限度額あり |
| マンション耐震改修促進事業 | 上記に加え、市の本診断で改修が必要と判定 | 設計費2/3、工事費1/3(一部は2/3)。全体改修の限度額は延べ5,000㎡未満で2,000万円(安全計画が必要な建物は4,000万円)など |
| がけ地減災対策工事助成 | 高さ2m超などの崖地(自然崖・擁壁) | 対象工事費の1/2、工法別単価による額、限度額(100万円または50万円)のうち最も少ない額。交付申請期限は令和8年12月28日の予定 |
(出典:横浜市「マンション耐震診断支援事業のご案内」、2026年7月31日更新/横浜市「マンション耐震改修促進事業のご案内」、2026年7月31日更新/横浜市「がけ地減災対策工事助成」、2026年9月4日更新)
耐震診断・耐震改修の補助は、受付期間の記載がなく、予算の状況と書類がそろった順で受け付ける運用です。見積りの徴収や総会決議の前に、横浜市建築局建築防災課(045-671-2928)への事前相談が必要とされています。また、100万円以上の工事では、見積りや入札を市内に本社のある事業者から取ることが原則とされ、令和8年度からは例外が限られています。業者選びの段階で必ず確認してください。
がけ地減災対策工事助成は、受付が令和8年4月13日に始まっており、交付決定の前に工事契約や着手をすると利用できません。マンション管理組合が申請できるかどうかは、市のページに明記されていません。検討される場合は、建築防災課(045-671-2948)にお問い合わせください。
まとめ+今週動くこと3点
横浜市南区の漏水・防災対策は、「立地の見極め」「屋上・排水まわりの防水」「地下・1階の設備とがけ側の擁壁」の3点に集約されます。低地、埋立地、丘陵地という3つの顔がある区だからこそ、物件ごとに優先順位を分けて考えることが大切だと私は考えています。
今週、理事会や管理会社へ次の3点をお伝えください。
- 南区版の浸水ハザードマップ(洪水・内水・高潮)と土砂災害のマップで、建物の位置を確認する(住所からの検索は横浜市の「わいわい防災マップ」、国土交通省のハザードマップポータルサイトも併用できます)
- 屋上ドレン、バルコニー排水溝、敷地の雨水桝、地下ピットの排水ポンプ、止水板の保管場所を点検する(専門業者に依頼する場合も、まず状況の写真をお撮りください)
- 受変電設備・給水ポンプの設置階と、前回の防水工事の時期を図面と記録で確認する(12〜15年を超えていれば、調査のご相談を)
10月はまだ台風の影響が残る季節です。理事会で1分だけでも、この話題を出してみてください。
ビルオーナーさま向けにはビルオーナー向けのサービス、管理組合さま向けには管理組合向けのサービスをご用意しています。個別のご相談はお問合せフォームから承ります。
よくあるご質問
Q. 横浜市南区のマンションは、どの川の洪水に注意すればよいですか?
A. 区の中央を流れる大岡川と、そこから分かれる中村川・堀割川が代表的です。県は大岡川について、想定最大規模を24時間332mmと公表しています。建物ごとの想定浸水深は、南区版の洪水ハザードマップで確認してください。
Q. 川から離れた高台なら、浸水は心配ありませんか?
A. 洪水の心配は小さくなりますが、内水や屋上・バルコニーの排水不良による漏水は、高台でも起きます。坂の多い高台では、がけ側の擁壁や外壁のひび割れも合わせて確認してください。
Q. 地下駐車場がある場合、何を準備すればよいですか?
A. 出入口の止水板の保管場所と設置手順、ピットの排水ポンプの作動確認、換気口の高さの3点から始めてください。想定浸水深は、洪水・内水・高潮の最も深い値を基準に考えます。
Q. 緊急の漏水は、足場なしで対応できますか?
A. ロープアクセス工法なら、原因箇所の特定と応急処置を足場なしで行えるケースが多いです。足場を組む場合は手配と架設で1〜2週間かかるのが普通です。現地の状況によりますので、まずご相談ください。
Q. 屋上防水のやり直しはいくらかかりますか?
A. 工法により5,000〜8,000円/㎡程度が一つの目安です。屋上の面積や既存防水の状態で大きく変わりますので、現地調査のうえで概算をお出しします。
Q. 大規模修繕の工期はどれくらいですか?
A. ロープアクセス工法は足場工法の約60%の工期が目安です。10階建て・外周80mのマンションで、足場3ヶ月に対し1.5〜2ヶ月が一つの目安です。
Q. 横浜市に、分譲マンションの耐震診断の補助はありますか?
A. あります。昭和56年5月末日以前に建築確認を得て着工したマンションなどが対象で、本診断費用の2/3(義務付け対象は5/6)が補助されます。事前に横浜市建築局建築防災課へご相談ください。
Q. 埋立地のマンションは、液状化で何を見ればよいですか?
A. 横浜市の液状化マップで位置を確認し、外構の沈下、埋設配管まわりのひび、エキスパンションジョイント、地下ピットの止水をまず点検してください。建物本体の判断は専門家の調査が必要です。
本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月8日時点で公表されている横浜市・神奈川県・国土交通省・気象庁の公式情報をもとに執筆しています。浸水ハザードマップ(令和8年6月)、耐震診断・耐震改修・がけ地減災対策の各制度は令和8年度の掲載内容に基づきます。南区まちづくり関連資料(2018年11月付、統計は2015〜2016年時点)、液状化マップ(2021年5月更新)、浸水対策の手引き(令和5年7月)は掲載日が古いため、その旨を本文に明記し、参考にとどめました。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、横浜市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。
出典・参考資料
- 横浜市「浸水ハザードマップ(南区版)」
- 横浜市「浸水ハザードマップ」
- 横浜市「洪水浸水想定区域について」
- 横浜市南区「南区防災計画「震災対策編」」
- 横浜市防災計画「資料編(地震被害想定)」
- 横浜市南区「南区まちづくり関連資料」
- 横浜市「記者発表資料(土砂災害警戒区域)」
- 横浜市「液状化マップ」
- 横浜市建築局「浸水対策の手引き(防災力向上マンション認定制度)」
- 横浜市「マンション耐震診断支援事業のご案内」
- 横浜市「マンション耐震改修促進事業のご案内」
- 横浜市「がけ地減災対策工事助成」
- 国土交通省「建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン(事例集)(原案)」
- 国土交通省「ハザードマップポータルサイト」
- 気象庁「日本の気候変動2025」
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年10月8日
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ロープアクセス工法の詳細や実例については、姉妹サイト「ロープアクセスドットコム」の以下の記事もぜひご覧ください。
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