本間社長ブログ
朝霞市のマンション漏水・防災対策|黒目川・荒川と内水に備える大規模修繕2026年度版
目次

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著作者プロフィール
株式会社明誠 代表取締役
本間 幸紘
大規模修繕・外壁工事・ロープアクセス工事に関する情報を、現場経験をもとに分かりやすくお届けします。
朝霞市でマンションやビルを持つオーナー・管理組合さまが、大規模修繕で優先すべき漏水・防災対策は、結論から言うと次の3つです。
- 物件が「台地の上」か「川沿いの低地」かを、まず公式マップで確かめる:朝霞市は、市役所周辺のように浸水リスクが少ないエリアと、黒目川・荒川・新河岸川沿いの低地で浸水深が大きく変わる街です。
- 屋上防水とドレン(排水口)まわりを先に直す:朝霞市の内水の想定は1時間153mmです。最初に傷むのは屋上の排水まわりです。
- 足場を組む時間のない緊急漏水に備え、ロープアクセスで即日動ける業者を決めておく。
私は東京都東大和市の株式会社明誠で、20年以上、マンション・ビル・ホテルの大規模修繕を現場で担当してきました。朝霞市は、武蔵野台地の縁と川沿いの低地が入り組んだ街です。同じ朝霞市内でも、物件の場所によって備え方がまったく違います。この記事では、朝霞市が公開している一次情報を確認しながら、現場目線でお話しします。
朝霞市のハザードマップを1枚で読む
朝霞市は、目的の異なる複数のハザードマップを公開しています。主なものを整理すると、次のとおりです。
| 区分 | 朝霞市での状況(公式資料ベース) |
|---|---|
| 洪水(水害ハザードマップ) | 荒川・入間川・新河岸川流域(黒目川含む)のいずれかが氾濫した場合の最大の浸水を表示。2023年9月1日更新 |
| 内水(雨水出水) | 1時間あたり最大153mmが市全域に降った場合を想定。水防法第14条の2に基づくマップ。2026年4月1日更新 |
| 土砂災害 | 台地の縁の急傾斜地5地域に、小規模な範囲で点在 |
| Web版洪水ハザードマップ | 浸水想定区域、浸水シミュレーション、浸水実績、避難所などを確認可能。2026年2月18日更新 |
(出典:朝霞市 水害ハザードマップ、朝霞市 内水ハザードマップ、朝霞市 備え(水害))
洪水:3つの浸水想定を重ねた「最大」のマップ
朝霞市の水害ハザードマップは、次の3つの浸水想定区域図をもとにしています。いずれも1,000年に1回程度の想定最大規模降雨です(出典:朝霞市 水害ハザードマップ)。
- 荒川(荒川上流河川事務所・荒川下流河川事務所、平成28年5月30日指定):荒川流域の72時間総雨量632mm
- 入間川(荒川上流河川事務所、令和元年6月20日指定):入間川流域の72時間総雨量740mm
- 新河岸川流域(埼玉県、令和2年5月26日):新河岸川流域の48時間総雨量746mm
ここで1つ注意があります。市のマップは「いずれかの川が氾濫した場合の最大」を1枚に重ねたものです。マップに入間川の想定が使われていても、入間川が朝霞市内を流れているという意味ではありません。物件に関係するのが、どの川の氾濫かを知りたいときは、Web版洪水ハザードマップや、市の危機管理室(048-463-1788)でご確認ください。
防災指針が示す「場所による差」
朝霞市が公表している防災指針(地域別の災害リスク分析)は、物件の場所ごとのリスクを具体的に書いています(出典:朝霞市 防災指針 第7章 地域別の災害リスク分析)。マンションの管理組合さまに関係が深い点を抜き出します。
- 想定最大規模の降雨では、内間木など市街化調整区域の大半で浸水深5m以上(3階以上まで浸水)となる想定です。
- 黒目川沿いの人口密度が高い膝折町、溝沼、岡、浜崎、田島、根岸台地域では、0.5〜3m、または3〜5mの浸水のおそれがあるとされています。
- 浸水が72時間(3日)以上続く地域が、内間木、宮戸など市街化調整区域の広範囲にあり、1週間以上続く地域が和光市境付近の大字根岸地域にあります。
- 黒目川・新河岸川・越戸川沿いでは、河岸侵食による家屋倒壊等氾濫想定区域があります。
- 一方、市役所、消防署、警察署は浸水のリスクが少ないエリアに立地しています。
つまり朝霞市では、「市全体が浸かる」のではなく、「台地と低地で差が大きい」のが特徴です。管理組合さまが最初にすべきことは、自分の物件がどちらにあるかを確かめることです。
内水:1時間153mmと、アンダーパスの冠水
朝霞市の内水ハザードマップは、1時間あたり最大153mmが市全域に降った場合を想定しています。市は、落ち葉や土砂で雨水ますや側溝が詰まって起こる浸水は、シミュレーションに反映できないと注意しています(出典:朝霞市 内水ハザードマップ)。
防災指針では、過去のゲリラ豪雨や台風のとき、本町隧道と三原隧道(いずれもアンダーパス)が冠水し、通行できなくなったことが書かれています。また、溝沼など市街地の複数か所で内水被害のおそれがあるとされています。住所ごとの詳細は、朝霞市地理情報システム(公開型GIS)で確認できます。
朝霞市の地域特性と漏水事故の関係
朝霞市の記事で、私が最初にお伝えしたいのは、「川が氾濫するかどうか」と「今年の漏水」は、別の話だということです。
大河川の氾濫は、起きれば被害は甚大ですが、頻繁には起きません。一方、屋上や外壁からの雨漏りは、台風やゲリラ豪雨のたびに起こり得ます。私が現場で見る漏水の相談は、次の2つのパターンに分かれます。
パターン1:ゲリラ豪雨で屋上ドレンが詰まる。 落ち葉や砂が屋上ドレンに溜まると、雨水が抜けずに立上り防水を越え、最上階の天井にシミが出ます。台地の上の物件でも起こります。決め手は、ドレンを最後に掃除したのがいつか、です。朝霞市は緑の多い街なので、秋の落ち葉の季節は特に注意が必要です。
パターン2:低地の物件で、1階・地下の設備室が被害を受ける。 黒目川沿いや内水の浸水実績がある場所で、ポンプ室や受電設備が1階や地下にある物件は、要注意です。
私の経験上、築20年を超えた建物では、防水層の端部やシーリングの切れが重なります。そこに強い雨が来ると、「いつもの部屋」の天井にまたシミが出ます。同じ部屋で繰り返す漏水は、点ではなく経路の問題です。
大規模修繕で必ずチェックすべき漏水ポイント7つ
朝霞市のように「1時間153mmの雨を想定している街」では、次の7か所を、修繕の診断時にまとめて確認することをお勧めします。
- 屋上防水:膨れ、ひび割れ、保護コンクリートの伸縮目地の劣化。防水改修の費用は、5,000〜8,000円/㎡程度が一つの目安です(建物の状態により大きく変動します)。
- シーリング(目地の防水材):外壁の目地とサッシまわり。硬化して切れると、雨が壁の内側へ入ります。
- バルコニー排水:排水溝の詰まり。床の防水層の劣化と合わせて確認します。
- ドレン(排水口):屋上・バルコニー・庇のドレン。落ち葉や砂の除去と、周囲の防水の端部を確認します。
- 立上り:屋上の壁際の防水の立ち上がり部分。ここから水が回り込む例が多いです。
- サッシまわり:枠とコンクリートの取り合い。強い風雨の吹き込みの入口になります。
- エキスパンションジョイント:建物同士のつなぎ目。動きを吸収する部材が傷むと、水の通り道になります。
どれも目視と打診、散水調査で原因を絞り込めます。外壁の調査費用は、打診調査で250〜500円/㎡程度が目安です。足場なしで近づける箇所が多いのが、ロープアクセスの強みです。
漏水緊急対応でロープアクセスが強い理由
「天井から水が落ちている。今夜も雨だ」という相談を、私は何度も受けてきました。足場を組むには、近隣への説明、道路使用の手続き、資材の手配で、早くても数週間かかります。その間、雨は待ってくれません。
ロープアクセス工法は、産業用ロープを使い、足場なしで外壁や屋上まわりに近づきます。2点以上の吊元を確保し、メインロープとバックアップロープの2本にそれぞれ接続して作業するのが基本です。これはIRATA(国際産業ロープアクセス協会)の考え方にもとづく二重の安全対策です。
- 調査から応急止水までを短期間で進められる:足場の架設期間が不要です。
- 居住者の生活影響を抑えられる:窓の前に足場や養生が立たないため、採光・換気・プライバシーへの影響が小さくなります。
- 足場費を圧縮できる:仮設足場は総工費の15〜25%を占めることがあります。たとえば10階建て・外周80m・工期3か月の試算では、足場168万円に対し、ロープアクセスは59万円という比較例があります(物件により大きく変動します)。
信頼の証拠として、株式会社明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法での高所作業では、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。
ただし、すべての漏水をロープだけで直せるわけではありません。築年数や雨の入り方によっては、本格改修で足場や部分足場との併用(ハイブリッド工法)をご提案します。建物にとって最適な工法を、3つの工法から選べるのが明誠の特長です。詳しくは、明誠のロープアクセス工法のご紹介と、漏水対応のご案内をご覧ください。技術情報は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムでも公開しています。同業者・フランチャイズ加盟をご検討の方には、ロープアクセス工法の技術と訓練の情報(ロープアクセスドットコム)もご参考になります。
朝霞市のマンションで見直したい共用部と修繕優先度
防災指針は、マンションやアパートの高層階に住む人が立退き避難をしない場合、食料品やトイレ、電気の確保が難しくなるおそれがあると指摘しています。そのうえで、あらかじめ「安全な避難場所へ立退くか、屋内に留まるか」の判断基準を決めておくよう求めています(出典:朝霞市 防災指針 第7章)。
マンションが「在宅避難できるか」は、共用部の設計で決まります。
| 共用部 | 確認したいこと | 修繕・対策の優先度(低地の物件) |
|---|---|---|
| 受変電設備・電気室 | 設置階。1階・地下なら、上階への移設や止水板を検討 | 最優先 |
| 給水ポンプ | 設置階と、停電時の給水方法 | 高 |
| 自家発電機 | 設置階、燃料の備蓄量 | 高 |
| エレベーター | 停止時の上階居住者の対応、機械室の位置 | 高 |
| 避難通路・階段 | 荷物による閉塞、非常照明の状態 | 中 |
台地の上の物件でも、地震への備えは同じく必要です。防災指針では、東京湾北部地震(M7.3)が起きた場合、市のほぼ全域で震度6弱以上、内間木・浜崎・台の一部では震度6強とされています。参考として示された復旧日数の目安は、電力6日、上水道・下水道30日です。
私は管理組合さまに、大規模修繕の診断のとき、防水や外壁と同じテーブルで、電気設備の位置も一緒に確認するようお伝えしています。設備の移設は大規模修繕の範囲を超える場合もありますが、長期修繕計画に載せておくだけで、次の判断が早くなります。
朝霞市で使える耐震診断・改修の補助と防災支援
朝霞市には「建築物耐震診断・改修等補助金」があります(更新日:2026年7月1日。出典:朝霞市 建築物耐震診断・改修等補助金)。マンションでは、管理組合等が補助の対象者になります。
| 区分(共同住宅) | 補助金の額 |
|---|---|
| 耐震診断 | 費用の50%以内。最大「戸数×2万円」、かつ100万円まで |
| 耐震改修 | 費用の20%以内。最大「戸数×30万円」、かつ1,000万円まで |
対象は、原則として建築確認を取得し、昭和56年5月31日以前に着工された市内の建築物です。診断・改修とも、実施する前に申請が必要で、申請した年度の1月31日までに完了報告を提出します。令和8年度の受付も予算に限りがあり、内定額が予算額に達し次第終了します。申請前に、開発建築課 住宅政策係(048-423-3854)で最新の内容をご確認ください。
このほか、朝霞市は台風などの大雨対策として、市役所敷地内に土のうを保管し、無償で配布しています(数に限りあり。出典:朝霞市 土のうの配布)。低地の物件では、駐車場やエントランスの出入口に置く分を、管理組合で準備しておくと安心です。
よくあるご質問
Q. 朝霞市の洪水ハザードマップはどこで見られますか?
A. 市の公式ページで、水害ハザードマップ(地図面・概要面のPDF)と、Web版洪水ハザードマップが公開されています。住所ごとの確認は、Web版や公開型GISが便利です。
Q. 内水と洪水は何が違いますか?
A. 洪水は川の水があふれる現象、内水は大雨のときに下水道や道路側溝で排水しきれず、地表に水が溜まる現象です。朝霞市では、別のマップとして公表しています。
Q. 朝霞市のマンションは、どこでも浸水しやすいのですか?
A. いいえ。市の防災指針では、市役所や消防署などは浸水リスクが少ないエリアにある一方、黒目川沿いや内間木などの低地で浸水深が大きくなるとされています。物件の場所ごとに確認してください。
Q. 屋上防水の改修費用の目安は?
A. 5,000〜8,000円/㎡程度が一つの目安です。下地補修の量や既存防水の種類で大きく変わるため、現地調査のうえで見積りします。
Q. ロープアクセスで漏水の緊急対応はできますか?
A. 足場が不要なため、調査と応急止水を短期間で進められます。本格改修では、足場や部分足場との併用をご提案する場合もあります。
Q. 大規模修繕の費用を抑えるには?
A. 仮設足場は総工費の15〜25%を占めることがあり、ロープアクセスやハイブリッド工法で足場費を圧縮できる場合があります。30戸規模のマンションの大規模修繕は、3,500〜5,000万円がおおよそのレンジですが、物件により大きく変動します。
Q. 耐震診断の補助は分譲マンションでも使えますか?
A. 朝霞市の制度では、マンションは管理組合等が補助対象者です。共同住宅の耐震診断は費用の50%以内(戸数×2万円、上限100万円)です。診断の前に申請が必要です。
まとめ+今週動くこと3点
朝霞市は、台地と川沿いの低地で、水害のリスクが大きく変わる街です。低地の物件は「浸水が続く間をどう過ごすか」、台地の物件は「毎年の豪雨と地震にどう備えるか」が中心になります。そのうえで、どの物件でも毎年の雨で試されるのは、屋上防水とドレンです。私は理事長さまやオーナーさまに、「雨が降る前にドレンを見てください」とお伝えしています。
今週動いていただきたいのは、次の3点です。
- Web版洪水ハザードマップと内水ハザードマップで、物件所在地の想定浸水深と浸水継続時間を確認し、画面を保存する。
- 屋上ドレンの落ち葉・ゴミ詰まりと、受電設備・給水ポンプの設置階を、管理会社と一緒に点検する。
- 過去の漏水箇所を一覧にし、次回の大規模修繕の診断に渡す。
明誠のこれまでの施工事例は、明誠の施工事例からご覧いただけます。管理組合さま向けには大規模修繕のご案内(管理組合)、ビルオーナーさま向けにはビルオーナー向けのご案内をご用意しています。漏水の原因調査や概算のお見積りは、お問い合わせフォームから無料で承ります。理事会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。
出典・参考資料
- 朝霞市「朝霞市水害ハザードマップ」(2023年9月1日更新)
- 朝霞市「内水ハザードマップ」(2026年4月1日更新)
- 朝霞市「Web版洪水ハザードマップ」(2026年2月18日更新)
- 朝霞市「備え(水害)」
- 朝霞市「防災指針 第7章 地域別の災害リスク分析」
- 朝霞市「朝霞市地理情報システム(公開型GIS)」
- 朝霞市「建築物耐震診断・改修等補助金」(2026年7月1日更新)
- 朝霞市「土のうの配布」(2026年9月6日更新)
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年10月28日
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ロープアクセス工法の詳細や実例については、姉妹サイト「ロープアクセスドットコム」の以下の記事もぜひご覧ください。
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本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月28日時点で公表されている朝霞市の公式情報をもとに執筆しています。補助制度は令和8年度の内容で、年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、朝霞市の該当窓口へ最新の内容をご確認ください。

