本間社長ブログ
那珂市のマンション補助金|大規模修繕2026年度版
目次
- 早見表:那珂市のマンション・アパートで使える制度・使えない制度
- 那珂市のマンション事情-分譲マンションは少なく、共同住宅の多くは賃貸
- マンション管理計画認定制度-那珂市は「市」が認定する側
- マンション長寿命化促進税制-那珂市の減額割合は3分の1(要確認)
- 旧耐震の共同住宅は「耐震改修の固定資産税減額」-那珂市は2分の1
- 都市計画税は0.3%-保有コストの見通しを立てる
- 省エネ・バリアフリー改修の減額-住戸の中の工事が対象
- 茨城県マンション管理士会-那珂市の管理組合が相談できる窓口
- 那珂市の補助金は「木造の住まい」と「個別の工事」向け-使えるか仕分ける
- 那珂市のマンション・アパートの大規模修繕-二つの一級河川の町で考えること
- 那珂市で賃貸マンション・アパートをお持ちのオーナーの方へ
- この記事で確認できなかったこと(正直にお伝えします)
- 制度を使うときの共通の落とし穴
- 那珂市のマンション・アパートが大規模修繕に向けて動く5つのステップ
- よくあるご質問
- この記事のポイントまとめ
- 出典・参考資料

-
著作者プロフィール
株式会社明誠 代表取締役
本間 幸紘
大規模修繕・外壁工事・ロープアクセス工事に関する情報を、現場経験をもとに分かりやすくお届けします。
2026年10月20日 更新
「那珂市のマンションやアパートで、大規模修繕に使える補助金はありますか?」
先に結論をお伝えします。令和8年度(2026年度)に那珂市の公式サイトで確認できた範囲では、外壁塗装や屋上防水といった、マンションの共用部分の大規模修繕工事そのものに使える市の補助金は見つかりませんでした。
ただし、那珂市の建物にも「使える道筋」はあります。ポイントは次の4つです。
- 昭和57年1月1日以前からある住宅(共同住宅を含む)は、費用50万円超の耐震改修をすると、翌年度の家屋の固定資産税が2分の1減額されます(令和13年3月31日までに完了した工事)
- 那珂市は市街化区域で都市計画税(税率0.3%)を課税しています。固定資産税(1.4%)と合わせた保有コストを、修繕計画とセットで考える必要があります
- 道路に面した危険なブロック塀の除却には、費用の2/3・上限10万円の補助があり、令和8年度の申請は2026年10月30日まで(先着6件)です
- 市の耐震改修の補助(4/5・上限100万円)は木造住宅向けで、鉄筋コンクリート造のマンションには使えません。令和8年度の受付も8月31日で終わっています
こんにちは、株式会社明誠の本間です。マンション・ビル・ホテルの大規模修繕に20年以上携わってきました。この記事では、那珂市の管理組合の理事長さま・修繕委員の皆さま、そして那珂市内に賃貸マンションやアパートをお持ちのオーナーさまに向けて、市・県・国の制度を「共用部に使えるか、使えないか」で仕分けし、補助金に頼りすぎずに修繕費を守る進め方をお伝えします。
早見表:那珂市のマンション・アパートで使える制度・使えない制度
2026年10月20日時点で確認できた那珂市の公式ページ、茨城県の公表資料、国の公表資料をもとに整理しました。
| 制度 | 窓口 | 共用部・建物全体で使えるか | 内容・令和8年度の状況 |
|---|---|---|---|
| マンション管理計画認定制度 | 那珂市(市の区域は市が認定) | ○ 間接的に有利 | 県と29市の共同計画で那珂市は認定する側。市の申請案内ページ・手数料は公式サイトで確認できず |
| マンション長寿命化促進税制 | 那珂市 税務課 資産税グループ | ○ 間接的に有利 | 国の制度は令和9年3月31日までの工事が対象。那珂市税条例では減額割合3分の1(要確認、後述) |
| 住宅の耐震改修に伴う固定資産税の減額 | 那珂市 税務課 資産税グループ | ○ 旧耐震の共同住宅も対象 | 昭和57年1月1日以前からある住宅。費用50万円超で翌年度2分の1減額(120㎡相当分まで)。完了後3か月以内に申告 |
| 危険ブロック塀等の除却補助 | 那珂市 都市計画課 開発指導室 | ○ 敷地の塀が該当すれば | 費用の2/3・上限10万円。申請は2026年10月30日まで、先着6件。交付決定前の契約は対象外 |
| 茨城県マンション管理適正化支援法人(茨城県マンション管理士会) | 茨城県マンション管理士会 | ○ 管理組合が相談できる | 令和8年7月9日登録。支援区域に那珂市を含む。相談・助言・合意形成の支援 |
| 省エネ改修・バリアフリー改修の固定資産税の減額 | 那珂市 税務課 資産税グループ | × 共用部は対象外(各住戸の専有部分の工事) | いずれも減額1/3、貸家は対象外 |
| 木造住宅の耐震化支援(診断士派遣・耐震改修) | 那珂市 都市計画課 開発指導室 | × RCマンションは対象外 | 改修は費用の4/5・上限100万円(1戸)。令和8年度の申請は8月31日で終了 |
| 空き家バンク リフォーム補助 | 那珂市 都市計画課 | × 空き家バンク登録物件のみ | 工事費1/2・上限30万円。市のページは2021年更新のため、令和8年度の状況は確認できず |
この表のポイントは、「那珂市の補助は“木造の住まい”と“個別の工事”が中心。マンションやアパートの外壁・屋上は、固定資産税の減額と、工事の組み立て方で守る」という構図です。
那珂市のマンション事情-分譲マンションは少なく、共同住宅の多くは賃貸
那珂市は茨城県の県央地域にある市で、市役所は那珂市福田1819-5にあります。人口は52,181人、世帯数は23,862世帯(住民基本台帳、令和8年10月1日現在。那珂市「人口と世帯数」)です。
茨城県と県内29市が共同で作成した「茨城県マンション管理適正化推進計画」(令和6年3月、計画期間:令和6年度〜令和12年度)に載っている平成30年住宅・土地統計調査の数字では、那珂市の分譲マンションは10戸(住宅全体に占める割合0.0%)とされ、県内でも最も少ない部類です。この統計は抽出調査による推計値なので、実際の棟数と完全に一致するわけではありませんが、那珂市では分譲マンションはごく少数で、共同住宅の多くは賃貸マンション・アパートだと考えるのが実態に近いはずです。
那珂市の「耐震改修促進計画」(令和4年3月改定)では、市内の住宅は17,794戸、うち旧耐震基準(昭和56年5月以前の基準)の住宅は5,020戸、住宅の耐震化率は85.9%(平成30年度末の推計)です。建て方別では、一戸建ての耐震化率85.4%に対し、共同住宅・長屋は99.8%(584戸のうち旧耐震は13戸)とされています。なお、この計画の期間は、令和8年2月に公表された市の文書で令和8年度まで1年延長され、令和8年度中に次の改定が予定されています(那珂市の公表資料)。
つまり、那珂市でこの記事が一番お役に立てるのは、少数の分譲マンションの管理組合さまと、平成〜令和に建った賃貸マンション・アパートを持つオーナーさまです。そこで本記事では、管理組合向けの制度とオーナー向けの制度を分けて整理します。
マンション管理計画認定制度-那珂市は「市」が認定する側
マンション管理計画認定制度は、管理組合の管理計画が一定の基準を満たす場合に、地方公共団体が認定する国の制度です。認定を受けると、住宅金融支援機構の「マンション共用部分リフォーム融資」の金利引下げや、後で説明する長寿命化促進税制の前提になります。
窓口は県ではなく那珂市
マンション管理適正化法では、市の区域は市が、町村の区域は都道府県が管理適正化の事務を担います。茨城県では、県と29市が共同で「茨城県マンション管理適正化推進計画」を作成しており、那珂市もその29市に含まれます。計画では、認定の申請は「各所管行政庁(県又は当該市)に行う」とされ、市の区域を所管するのは各市です。
県の事務処理要綱(茨城県マンション管理計画認定事務処理要綱、令和6年4月1日施行)でも、県が認定するのは「町村の区域内」のマンションに限られ、対象は茨城町・大洗町・城里町・東海村など12町村です。お隣の東海村や城里町は県、那珂市は市と、窓口が分かれる点に注意してください。
確認できたこと・できなかったこと
- 申請の前に、マンション管理センターの「管理計画認定手続支援サービス」による事前確認を受ける流れが、県と市の共同計画で示されています
- 一方、那珂市の公式サイトでは、認定の申請案内ページ・担当課・申請手数料を確認できませんでした。分譲マンションが少ない市のため、申請実績が少ないことが背景にあるかもしれません
認定を検討する管理組合さまは、まず那珂市役所の代表電話(029-298-1111)で、マンション管理計画認定の担当課を確認するところから始めるのが確実です。
理事会で事前に確認したい項目(国の認定基準の主なもの)
- 管理者(理事長)と監事が選任され、集会(総会)を年1回以上開催している
- 管理規約があり、緊急時の専有部分への立入り、修繕等の履歴情報の保管などが定められている
- 管理費と修繕積立金を区分経理し、修繕積立金の滞納に適切に対処している
- 長期修繕計画が7年以内に作成・見直しされ、計画期間30年以上・残存期間内に大規模修繕工事が2回以上含まれている
- 修繕積立金の平均額が著しく低くない、計画期間の最終年度に借入れが前提になっていない
小規模なマンションほど、長期修繕計画の見直しが10年以上止まっていることがよくあります。認定を受けるかどうかにかかわらず、この基準をチェックリストとして使うだけでも、管理の弱点が見えてきます。
マンション長寿命化促進税制-那珂市の減額割合は3分の1(要確認)
マンション長寿命化促進税制は、一定の要件を満たす分譲マンションで長寿命化工事(外壁塗装等・床防水・屋根防水)を行った場合に、工事翌年度の建物部分の固定資産税を減額する国の特例です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象工事の完了期間 | 令和5年4月1日〜令和9年3月31日 |
| 主な対象 | 築20年以上・10戸以上で、過去に長寿命化工事を1回以上実施し、管理計画認定などを受けたマンション |
| 減額の範囲 | 国の範囲は6分の1〜2分の1(参酌基準3分の1)で、市町村の条例で決める |
| 那珂市の割合 | 那珂市税条例で3分の1と定められています(後述の注意を参照) |
| 面積の上限 | 1戸あたり100㎡相当分まで |
| 申告 | 工事完了後3か月以内に市へ |
注意:那珂市の減額割合「3分の1」は、那珂市の例規集(市税条例)に掲載されている規定によるものですが、本記事の執筆時点では条例の原文ページを直接表示して確認することができませんでした。また、那珂市の固定資産税のページには、この税制の案内がありません。申告を予定する場合は、必ず那珂市 税務課 資産税グループ(029-298-1111、内線162〜164)で割合と申告書類を確認してください。
仮定の計算例
建物部分の固定資産税が1戸あたり年8万円のマンションで、割合が3分の1の場合、工事翌年度の減額は1戸あたり約2.7万円です。30戸なら合計約80万円の効果になる計算です(実際の税額・面積・要件で変わります)。
期限から逆算すると、時間は多くありません
国の制度の対象は令和9年3月31日までに完了する工事です。国土交通省は令和9年度の税制改正要望(令和8年8月)で、適用期限を令和12年3月31日まで3年延長するよう求めていますが(国土交通省 令和9年度税制改正要望)、2026年10月20日時点では延長は決まっていません。これから管理計画認定を取り、総会決議を経て着工するとなると、現在の期限にはかなり厳しい日程です。間に合わない場合を前提に、次の項目で説明する別の道筋も用意しておくことをおすすめします。
旧耐震の共同住宅は「耐震改修の固定資産税減額」-那珂市は2分の1
那珂市でマンション・アパートの建物全体にかかわる可能性が一番大きいのが、この制度です(那珂市「住宅耐震改修に伴う固定資産税の減額」、2026年4月20日更新)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象の住宅 | 昭和57年1月1日以前から所在する住宅(共同住宅も対象) |
| 工事の要件 | 現行の耐震基準に適合する改修で、費用が50万円(税込)超 |
| 減額 | 翌年度分の家屋の固定資産税を2分の1(120㎡相当分まで)。長期優良住宅の認定を受けた場合は3分の2 |
| 工事完了の期限 | 令和13年3月31日までに完了 |
| 申告 | 工事完了後3か月以内に税務課へ |
市のページでは、貸家を除外する記載は見当たりませんでした。ただし、区分所有のマンションで各住戸の申告を管理組合がまとめて出せるか、一棟所有の賃貸マンションで面積の上限をどう計算するかは、ページに記載がありません。対象になりそうな建物をお持ちの方は、工事の前に税務課へ個別にご確認ください。
なお、耐震改修の減額は、省エネ改修やバリアフリー改修の減額と同じ年度に併用できません(省エネとバリアフリーは併用可)。
都市計画税は0.3%-保有コストの見通しを立てる
那珂市では、市街化区域内の土地・家屋に都市計画税(税率0.3%)がかかります。固定資産税の税率は1.4%で、次の評価替えは令和9年度です(那珂市「固定資産税・都市計画税」、2026年4月1日更新)。
賃貸オーナーさまにとっては、毎年の固定資産税・都市計画税と、10〜15年ごとの大規模修繕費をあわせた「保有コスト」をどう平準化するかが、利回りを守るポイントです。修繕を先送りして劣化が進むと、1回あたりの工事費は大きくなりがちです。税負担が固定的にかかる以上、修繕費は「計画的に、小さく分けて」払う方が、キャッシュフローは安定します。
省エネ・バリアフリー改修の減額-住戸の中の工事が対象
| 制度 | 主な要件 | 減額 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 省エネ改修(那珂市のページ) | 平成26年4月1日以前から所在。窓の断熱改修が必須。費用60万円超。床面積40〜240㎡ | 翌年度分の1/3(120㎡分まで)、長期優良住宅は2/3 | 貸家は対象外。区分所有は専有部分の工事が対象。令和13年3月31日までに完了 |
| バリアフリー改修(那珂市のページ) | 新築から10年以上。65歳以上の方・要介護等の方・障がいのある方が居住。費用50万円超。床面積40〜240㎡ | 翌年度分の1/3(100㎡分まで) | 貸家は対象外。令和13年3月31日までに完了 |
どちらも、各住戸のオーナーが自分の住まいで行う工事のための制度です。外壁や屋上の共用部分の修繕には使えません。ただし、分譲マンションの大規模修繕と同じ時期にサッシ(窓)の断熱改修を検討する場合は、各住戸の省エネ改修減額と時期を合わせられないか、理事会で話題にしておく価値があります。
茨城県マンション管理士会-那珂市の管理組合が相談できる窓口
茨城県は、一般社団法人 茨城県マンション管理士会を「茨城県マンション管理適正化支援法人」として令和8年7月9日に登録しています(茨城県「マンション管理適正化支援法人登録簿」)。登録簿では、支援を行う区域に那珂市が含まれています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 支援の内容 | 管理組合からの相談対応、助言、合意形成の支援、専門家のあっせん |
| 連絡先 | 一般社団法人 茨城県マンション管理士会(水戸市上水戸3-4-26、電話029-231-6433) |
| 費用 | 登録簿からは確認できず(相談時に確認を) |
那珂市の公式サイトで管理計画認定の案内が見つからない以上、認定の準備や規約・長期修繕計画の見直しは、この支援法人に相談するのが現実的な入口です。
那珂市の補助金は「木造の住まい」と「個別の工事」向け-使えるか仕分ける
木造住宅の耐震化支援(RCマンションは対象外・令和8年度は受付終了)
那珂市「木造住宅の耐震化支援」(2026年8月5日更新)の内容です。
- 対象:昭和56年5月31日以前に建てられた木造住宅
- 耐震診断士の派遣:6戸、自己負担2,000円
- 耐震改修総合事業:1戸、費用の4/5・上限100万円
- 耐震診断費の補助:令和8年度は実施しない
- 申請期間:令和8年6月15日〜8月31日(すでに締め切り)
- 問い合わせ:都市計画課 開発指導室(029-298-1111、内線358・359)
鉄筋コンクリート造のマンションは対象外です。旧耐震の木造アパートが対象になるかはページで明確に読み取れないため、令和9年度の募集に向けて、早めに開発指導室へご確認ください。
危険ブロック塀等の除却補助(10月30日まで受付中)
那珂市「危険ブロック塀等の除却補助」では、次の条件で除却費を補助しています。
- 対象:通学路・緊急輸送道路・避難所へ至る道路などの避難路等に面した、高さ80cm超の塀
- 補助額:「延長×14,000円/m」と実費の低い方の2/3、上限10万円
- 件数:6件・先着順
- 申請期間:令和8年6月15日〜10月30日
- 注意:交付決定を受ける前に契約すると対象外
賃貸マンション・アパートの敷地に古いブロック塀がある場合、地震時に倒れて通行人にけがをさせると、所有者の責任が問われるおそれがあります。外壁の修繕と同時に外構を見直すなら、この補助は今月中が勝負です。
その他(確認できたもの・できなかったもの)
- 家庭用蓄電システム(蓄電池)導入補助:令和8年度分は予定件数に達したため7月14日で募集終了(那珂市のお知らせ、2026年7月14日更新)
- 空き家バンク リフォーム補助:空き家バンクに登録された物件が対象(工事費1/2・上限30万円、市内業者施工)。ページが2021年4月1日更新のため、令和8年度の状況は都市計画課にご確認ください
- 防犯カメラ設置補助・一般向けの住宅リフォーム補助・太陽光発電単独の補助:確認できませんでした
那珂市のマンション・アパートの大規模修繕-二つの一級河川の町で考えること
雨と寒暖差が、継ぎ目と屋上を傷める
那珂市の防災マップ(令和8年2月作成。那珂市「防災マップ」)では、市内を流れる国管理の一級河川として那珂川と久慈川が示されています。大雨の際の浸水リスクの確認は欠かせませんが、建物そのものの傷み方で見ると、関東の内陸寄りの地域と同じく、冬の冷え込みと夏の強い日射の繰り返しが効いてきます。
外壁の継ぎ目を埋めるシーリング(ゴム状の防水材)や、屋上の防水層が伸び縮みして傷み、割れたところから雨水が入るのが典型です。私の経験でも、2〜4階建ての賃貸マンション・アパートでは、南面・西面のシーリングの割れ、ベランダ床の防水の傷み、鉄骨階段・手すりのさびから先に傷むケースが多くあります。外観はまだきれいでも、継ぎ目・床・鉄部から先に手を打つことが、総額を抑えるコツです。台風や大雨の季節の前には、屋上やベランダのドレン(排水口)の詰まりも点検しておいてください。
費用の目安
金額は物件によって大きく変わるため、あくまで参考値です。私たちが見積りの入口でお伝えしている目安は次のとおりです。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 30戸規模マンションの大規模修繕 総工費 | 約3,500万〜5,000万円 |
| うち仮設足場の割合 | 総工費の約15〜25% |
| 外壁塗装 | 1㎡あたり約3,500〜4,500円 |
| 外壁の打診調査 | 1㎡あたり約250〜500円 |
| 防水工事 | 1㎡あたり約5,000〜8,000円 |
10階建て・外周80m・工期3か月の建物を例にとると、足場の費用が約168万円かかるところ、ロープアクセスでは約59万円、差額は約109万円という試算になります。実際の見積りは、建物の形状・劣化状況・工事範囲によって変わります。外壁タイルの浮きや剥がれを足場なしで張り替える方法はロープアクセスによる劣化タイル張替え工事で、シーリングや継ぎ目からの雨水の侵入対策は漏水防止バリュー工法でご紹介しています。
3つの工法を、公平に比べる
| 工法 | 向いている建物・工事 | 強み | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 通常の足場仮設工法 | 外壁の全面補修、塗装・防水・タイル・サッシ交換を一括で行う大規模修繕 | 作業の安全性と品質を確保しやすく、全面的な工事に適する | 設置・解体の費用と工期がかかる。足場期間中は防犯・採光・ベランダ使用に配慮が必要 |
| ロープアクセス工法(無足場工法) | 外壁の部分補修、シーリングの打替え、タイルの浮き調査・補修、鉄部・金物の補修、調査・点検 | 足場が不要なため、工期と費用を抑えやすい。居住者の生活への影響が少ない | 作業内容によっては向かない。強風時は作業を止める判断が必要。専門技能を持つ職人が必要 |
| ハイブリッド工法 | 面ごと・部位ごとに劣化の状態が違う建物 | 部位ごとに最適な方法を選べ、総額を最適化しやすい | 計画と工程管理に専門性が必要 |
ロープアクセス工法では、作業者がメインロープとバックアップロープの2本に接続し、屋上などに2点以上の吊元(ロープを固定する支点)を確保して作業します。明誠の工法の詳細は明誠のロープアクセス工法の技術と実績で、業界全体の安全基準や施工例は姉妹サイトのロープアクセスドットコム(無足場工法の専門メディア)で詳しく紹介しています。建物の種類ごとのサービスは各種オーナー・管理者さま向けのご案内にまとめています。
ここは正直に申し上げます。 那珂市のように敷地に余裕のある建物が多い地域では、足場も組みやすく、全面的な塗り替えと防水を一度に行うなら足場が合理的なケースも多くあります。一方、3〜4階建てのアパートで「北面のシーリングだけ」「鉄骨階段だけ」といった部分補修なら、足場を掛けずに済むロープアクセスの方が総額を抑えやすくなります。私たちは3つの工法をすべて扱うので、足場が最適なら足場を、ロープが向くならロープを提案します。どれか1つに誘導するための記事ではありません。
税制の要件と工法選びの関係
長寿命化促進税制の対象になるには、外壁塗装等・床防水・屋根防水を一体として実施する必要があります。全面的な塗り替えと防水を同時に行う工事は、足場が合理的になる場合が多くあります。一方で、税制の期限(現行では2027年3月31日)に間に合わない場合や、劣化がシーリングや一部の面に集中している段階では、ロープアクセスで部分補修して次の全面改修まで建物を持たせる選択肢が生きてきます。補助金が少ない自治体ほど、この「工事の組み立て方」で総額を守る効果が大きくなります。
旧耐震の共同住宅では、耐震改修の減額(2分の1)と、大規模修繕の時期をどう重ねるかも検討の価値があります。耐震補強で外壁に手を入れるなら、同じ足場・同じ時期に塗装や防水をまとめる方が、仮設費を二重に払わずに済む場合があるからです。
明誠について、数字でお伝えします
株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法での高所作業について、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業では、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを維持しています。IRATA(国際産業ロープアクセス協会)水準の技能訓練を受けた作業員が施工し、ISO9001の品質マネジメントシステムを運用しています。また、日本初のロープアクセス工事のフランチャイズ本部として、塗装・防水・タイル・電気・看板の各分野の専門職と連携しています。
現場で見てきたこと
小規模な管理組合さまや個人オーナーさまから「見積りが妥当かどうか、誰に聞けばよいか分からない」というお声をいただくことは、私も少なくありません。私は、まず建物を面ごと・部位ごとに診断し、「全面でやるべき工事」と「傷んだ面だけ先に手当てする工事」を分けた資料をお出しするようにしています。この仕分けだけで、足場を掛ける期間や総額の選択肢が大きく変わることがあります。仮設費を分けて記載した見積りを複数の工法で並べることが、発注の透明性を高める一番の近道です。
管理組合向けのサービス内容はマンション管理組合さま向けの大規模修繕サービスにまとめています。明誠のこれまでの施工の様子は、明誠の施工事例からご覧いただけます。
那珂市で賃貸マンション・アパートをお持ちのオーナーの方へ
分譲マンションが少ない那珂市では、この記事の読者の多くは賃貸物件のオーナーさまだと思います。賃貸物件の修繕では、空室期間を短くし、入居者の生活への影響を抑えることが収益を左右します。足場を組まないロープアクセスは、工期と生活への影響を抑えやすい点で、オーナーさまにもメリットがあります。
制度の面では、次の点を押さえておいてください。
- 耐震改修の固定資産税減額:対象に共同住宅が含まれ、市のページに貸家を除外する記載はありません。昭和57年1月1日以前からある賃貸マンション・アパートは、費用50万円超の耐震改修で翌年度2分の1減額の対象になり得ます。面積の扱いを含め、税務課に個別にご確認ください
- 省エネ・バリアフリー改修の減額:いずれも貸家は対象外と明記されています
- 木造住宅の耐震化支援:木造住宅が対象で、令和8年度は8月31日で受付終了。木造アパートが対象になるかは開発指導室にご確認ください
- ブロック塀の除却補助:避難路等に面した80cm超の塀なら、10月30日まで申請できます(先着6件)
- 都市計画税0.3%:市街化区域内の物件は固定資産税1.4%と合わせて保有コストに入れておきましょう。令和9年度は評価替えの年です
- 管理計画認定と長寿命化促進税制:分譲マンション向けの制度で、一棟所有の賃貸マンションは対象になりません
オーナーさま向けの考え方は収益不動産オーナーさま向けの修繕の考え方、ビルオーナーさま向けのサービスはビルオーナーさま向け大規模修繕サービスをご覧ください。
近隣の自治体の事情は、水戸市のマンション補助金、ひたちなか市のマンション補助金、日立市のマンション補助金、笠間市のマンション補助金の記事でも整理しています。同じ県央地域でも、分譲マンションが多い水戸市・ひたちなか市と、那珂市とでは使える制度の重みが違う点を比べていただくと、那珂市の特徴がよく分かります。
この記事で確認できなかったこと(正直にお伝えします)
- 那珂市のマンション管理計画認定の申請窓口・担当課・手数料:市の公式サイトに案内ページが見当たりませんでした
- 長寿命化促進税制の減額割合の原文:市税条例の規定(3分の1)は例規集の掲載情報によるもので、原文ページは直接確認できませんでした。市の固定資産税ページにも案内がありません
- 耐震改修の固定資産税減額を区分所有マンションで申告する方法、一棟の賃貸マンションでの面積の扱い:ページに記載がありませんでした
- 茨城県のマンション関連ページの最新内容:2026年10月16日時点で県のホームページがシステム障害による臨時表示となっており、県の認定案内ページの本文は確認できませんでした(要綱・登録簿のPDFは確認済み)
- マンション管理士会の相談費用、防犯カメラ補助・一般向けリフォーム補助の有無:確認できませんでした
確認できなかった点は、推測で補っていません。 実際に申請される前に、市・県・支援法人の窓口へ最新の内容をご確認ください。
制度を使うときの共通の落とし穴
失敗しやすい3つのパターン
- 申請と工事の順番を間違える:ブロック塀の除却補助は交付決定の前に契約すると対象外です。一方、固定資産税の減額は工事が終わった後(3か月以内)に申告します。制度ごとに順番が違う点に注意してください
- 締切と先着枠を見落とす:那珂市の木造耐震の補助は8月31日で終了、ブロック塀は10月30日まで・先着6件です。年度の後半は「来年度に回す」判断も含めて計画を立てる必要があります
- 窓口を間違える:固定資産税の減額は税務課 資産税グループ、耐震・ブロック塀の補助は都市計画課 開発指導室、管理組合の相談は茨城県マンション管理士会です。お隣の東海村・城里町は管理計画認定が県、那珂市は市という違いもあります
市・支援法人の窓口で使える質問リスト
問い合わせるとき、次の質問をそのまま使えます。
- 那珂市の分譲マンションで管理計画認定を受けたい。担当課と申請手数料、事前確認から認定までの流れを教えてください(那珂市役所 代表 029-298-1111)
- マンション長寿命化促進税制の那珂市の減額割合と、申告に必要な書類・期限を教えてください(那珂市 税務課 資産税グループ 内線162〜164)
- 旧耐震の賃貸マンションで耐震改修をした場合、固定資産税の減額は受けられますか。面積の上限はどう計算しますか(同上)
- 賃貸アパートの敷地のブロック塀は、除却補助の対象になりますか。今から申請して間に合いますか(都市計画課 開発指導室 内線358・359)
- 管理規約と長期修繕計画の見直しについて相談したい。相談の費用と申込方法を教えてください(茨城県マンション管理士会 029-231-6433)
那珂市のマンション・アパートが大規模修繕に向けて動く5つのステップ
- 長期修繕計画(賃貸なら修繕の積立計画)と残高を確認する:工事の時期と予算の上限を把握します。計画が古ければ、見直しから始めます
- ブロック塀など、締切のある制度を先に押さえる:該当しそうなら10月30日までにブロック塀の除却補助を申請し、木造部分の耐震は令和9年度の募集に備えます
- 建物診断を「面ごと」「部位ごと」に行う:南面・西面のシーリング、ベランダ床の防水、鉄骨階段・手すりのさび、外壁タイルの浮き、屋上防水とドレン、旧耐震なら構造の状態まで記録します。ロープアクセスでの外壁調査の方法も選択肢の一つです
- 税の減額の要件と期限を確認する:耐震改修の減額は令和13年3月31日まで、長寿命化は現行で2027年3月31日までの完了が条件です。割合と申告方法は税務課に確認します
- 工法を比べて見積りを取り、総会(またはオーナーご自身)で決める:足場・ロープアクセス・ハイブリッドの3つで比べ、仮設費を分けて記載してもらいます
よくあるご質問
Q. 那珂市で、マンションの大規模修繕工事費に使える補助金はありますか?
A. 2026年10月20日時点で那珂市の公式サイトを確認した範囲では、共用部分の大規模修繕工事そのものに使える市の補助金は見つかりませんでした。耐震改修の固定資産税減額(2分の1)や、工事の組み立て方で総額を抑えることを考えるのが現実的です。
Q. 那珂市のマンション管理計画認定は、どこに申請しますか?
A. 那珂市は県と29市の共同計画に加わっており、市の区域のマンションは那珂市が認定します(県が認定するのは町村部のみ)。ただし市の公式サイトに申請案内ページが見当たらないため、市役所代表(029-298-1111)で担当課をご確認ください。
Q. 長寿命化促進税制で、那珂市では固定資産税がどのくらい減りますか?
A. 那珂市税条例では減額割合を3分の1と定めています。対象は現行では令和9年3月31日までに完了した工事です。本記事では条例の原文を直接確認できなかったため、申告前に税務課 資産税グループでご確認ください。
Q. 旧耐震の賃貸マンションやアパートで使える制度はありますか?
A. 昭和57年1月1日以前からある住宅(共同住宅を含む)は、費用50万円超の耐震改修をすると、翌年度の家屋の固定資産税が2分の1減額されます(120㎡相当分まで、令和13年3月31日までの完了、完了後3か月以内に申告)。市のページに貸家除外の記載はありませんが、事前に税務課でご確認ください。
Q. 市の耐震補助は、マンションに使えますか?
A. 那珂市の耐震化支援は昭和56年5月31日以前に建てられた木造住宅が対象で、鉄筋コンクリート造のマンションには使えません。令和8年度の申請は8月31日で締め切られています。
Q. ブロック塀の除却補助は、今からでも申請できますか?
A. 令和8年度の申請期間は2026年10月30日までで、先着6件です。避難路等に面した高さ80cm超の塀が対象で、補助は費用の2/3・上限10万円です。交付決定前に契約すると対象外になるので、先に都市計画課 開発指導室へご相談ください。
Q. 相談や見積りに費用はかかりますか?
A. 明誠では、建物の状況確認と概算のお見積りを無料で承っています。足場・ロープアクセス・ハイブリッドの3工法で比較した資料をお出しできますので、お気軽にお問い合わせください。
この記事のポイントまとめ
- 那珂市の公式情報では、共用部の大規模修繕工事そのものに使える市の補助は確認できない
- 那珂市の分譲マンションはごく少数(平成30年統計で10戸)。共同住宅の多くは賃貸
- 管理計画認定は那珂市が認定する側(県は町村部のみ)。ただし市の申請案内は確認できず
- 長寿命化促進税制の那珂市の割合は3分の1(市税条例・要確認)。現行の対象は令和9年3月31日までの工事
- 旧耐震の共同住宅は、耐震改修で翌年度の固定資産税が2分の1減額(令和13年3月31日まで)
- 都市計画税は市街化区域で0.3%。ブロック塀の除却補助は10月30日まで・先着6件
- 市の耐震補助は木造住宅向け(令和8年度は終了)、省エネ・バリアフリーの減額は貸家対象外
出典・参考資料
- 那珂市「住宅耐震改修に伴う固定資産税の減額」(2026年4月20日更新)
- 那珂市「住宅の省エネ改修に伴う固定資産税の減額」(2026年4月20日更新)
- 那珂市「住宅のバリアフリー改修に伴う固定資産税の減額」(2026年4月20日更新)
- 那珂市「固定資産税・都市計画税」(2026年4月1日更新)
- 那珂市「木造住宅の耐震化支援」(2026年8月5日更新)
- 那珂市「危険ブロック塀等の除却補助」(2026年更新)
- 那珂市「空き家バンク リフォーム補助」(2021年4月1日更新)
- 那珂市「【募集終了】令和8年度那珂市家庭用蓄電システム(蓄電池)導入補助金のご案内」(2026年7月14日更新)
- 那珂市「那珂市耐震改修促進計画」(2026年4月7日更新)/計画本文PDF/計画期間延長の資料
- 那珂市「人口と世帯数」(2026年10月1日更新、令和8年10月1日現在)
- 那珂市「防災マップ」(2026年4月30日更新、令和8年2月作成)
- 茨城県・県内29市「茨城県マンション管理適正化推進計画」(令和6年3月、牛久市サイト掲載)
- 茨城県「茨城県マンション管理計画認定事務処理要綱」(令和6年4月1日施行)
- 茨城県「マンション管理適正化支援法人登録簿」(令和8年7月9日登録分を含む)
- 国土交通省「マンション長寿命化促進税制(固定資産税の特例措置)」
- 国土交通省「令和9年度 税制改正要望」(令和8年8月)
- 国土交通省「マンション管理計画認定制度」
本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月20日時点で公表されている那珂市および茨城県・国土交通省の公式情報をもとに執筆しています。那珂市の各制度(固定資産税の減額、都市計画税、木造住宅の耐震化支援、ブロック塀の除却補助、人口統計、防災マップ)は、令和8年に更新されたページを確認しました。空き家バンクのリフォーム補助のページは2021年の更新、茨城県のマンション管理適正化推進計画は令和6年3月の策定のため、申請前に窓口へご確認ください。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。本記事は法的・税務上の助言ではありません。
那珂市は、補助金の額で目立つ市ではありませんが、耐震改修の固定資産税減額・締切のある個別の補助・県の支援法人という道筋が、公式情報で確認できる市です。使える制度と使えない制度を最初に仕分けし、工事の組み立て方で総額を抑えることが大切だと考えています。継ぎ目・ベランダ・鉄部・屋上の診断や、旧耐震の建物の改修時期の相談だけでも、お力になれることがあります。ご相談だけでも遠慮なく明誠へのお問い合わせフォームからお声がけください。
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この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年10月20日
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