本間社長ブログ
那須塩原市のマンション補助金|大規模修繕2026年度版
目次
- 早見表:那須塩原市のマンションで使える制度・使えない制度
- 那須塩原市のマンション事情-黒磯・西那須野・塩原と、保養向けの物件
- マンション管理計画認定制度-那須塩原市は「市」が所管行政庁です
- マンション長寿命化促進税制-期限は2027年3月31日
- 那須塩原市のマンションで「使えない」制度も確認しておく
- 那須塩原市のマンションの大規模修繕-寒冷地・温泉地で考えること
- 那須塩原市で賃貸マンション・保養向け物件をお持ちのオーナーの方へ
- この記事で確認できなかったこと(正直にお伝えします)
- 制度を使うときの共通の落とし穴
- 那須塩原市のマンションが大規模修繕に向けて動く5つのステップ
- よくあるご質問
- この記事のポイントまとめ
- 出典・参考資料

-
著作者プロフィール
株式会社明誠 代表取締役
本間 幸紘
大規模修繕・外壁工事・ロープアクセス工事に関する情報を、現場経験をもとに分かりやすくお届けします。
2026年10月14日 更新
「那須塩原市のマンションで、大規模修繕に使える補助金はありますか?」
先に結論をお伝えします。2026年10月14日時点で、那須塩原市の公式サイトと栃木県の公式情報から確認できた範囲では、外壁塗装や屋上防水といったマンション共用部分の大規模修繕を、管理組合に直接補助する制度は見つかりませんでした。
一方で、見逃せない動きがあります。那須塩原市は、マンション管理計画認定制度の所管行政庁として、令和6年(2024年)9月1日から運用を開始しています。 栃木県の公式ページによると、市域の認定は県ではなく市が担当します。認定を受けると、国の長寿命化促進税制や住宅金融支援機構の融資面で有利になる可能性があります。補助金そのものはなくても、「認定」「税制」「工事の組み立て方」の3つで修繕費を守る道があります。
こんにちは、株式会社明誠の本間です。マンション・ビル・大手ホテルチェーンの大規模修繕に20年以上携わってきました。この記事では、那須塩原市の理事長さま・修繕委員の皆さま、そして市内に賃貸マンションや保養向けの物件をお持ちのオーナーさまに向けて、市・県・国の制度を「共用部に使えるか、使えないか」で仕分けします。あわせて、足場・ロープアクセス・ハイブリッドの3工法を公平に比べ、概算費用の考え方もお伝えします。
早見表:那須塩原市のマンションで使える制度・使えない制度
2026年10月14日時点で確認できた那須塩原市・栃木県・国土交通省の公式ページをもとに整理しました。
| 制度 | 窓口 | 管理組合(共用部)で使えるか | 内容・2026年度の状況 |
|---|---|---|---|
| マンション管理計画認定制度 | 那須塩原市(市域は市が所管) | ○ 間接的に有利 | 令和6年9月1日から市で運用開始。長寿命化促進税制や融資の金利引下げの前提になる |
| マンション長寿命化促進税制 | 国(固定資産税は市の税務担当) | ○ 間接的に有利 | 2027年3月31日までに長寿命化工事を完了した場合、翌年度の固定資産税を減額 |
| 木造住宅耐震支援制度(診断・改修・建替え) | 那須塩原市 建築指導課 | × 木造の一戸建てが対象 | 耐震改修は5分の4・上限115万円。令和8年度は残り件数わずか(9月1日時点) |
| 空き家バンク登録建物リフォーム補助金 | 那須塩原市 | × 空き家バンク登録の住宅が対象。区分所有の扱いは記載なし | 2分の1・上限50万円など。ページの最終更新は2022年12月 |
| 青木地区ゼロカーボン街区構築事業補助金 | 那須塩原市 | × 区分は「戸建(一般)」。対象地区も限定 | 太陽光発電と蓄電池のセットで3分の2。上限額は市に要確認 |
| 外壁塗装・屋根塗装そのものを対象とする市の補助 | - | - | 公式サイトからは確認できず |
この表のポイントは、「那須塩原市の住宅系の補助は、木造の戸建てや空き家の活用に向いている。分譲マンションの共用部は、認定と税制と工事の組み立て方で守る」という構図です。
那須塩原市のマンション事情-黒磯・西那須野・塩原と、保養向けの物件
那須塩原市は、栃木県の北部に位置する市です。黒磯、西那須野、塩原という性格の違う地域が合併してできたまちで、新幹線の駅がある一方、塩原温泉や那須方面の観光地にも近く、居住用のマンションと、保養を目的とした物件が混在しているのが特徴だと、私は現場の感覚として受け止めています。
栃木県が公表している「栃木県マンション管理適正化推進計画(概要)」では、県内のマンションのうち築40年を超える高経年マンションは約6%、宇都宮市を除く計画対象区域内では約8%とされています。県内で多いのは1990年代に建てられたマンションで、今後は築40年超が増えていく見込みだと同計画は述べています。県の計画は、県と13市が共同で令和6年3月に作成したもので、計画期間は令和6年度から令和12年度までの7年間です。
なお、那須塩原市だけのマンション数や戸数は、今回確認できた公式資料からは数字を拾えませんでした。 推測で書くことは避け、この記事では「市の数字」ではなく「県の計画に載っている数字」として扱います。
1990年代に建った建物は、2026年時点で築30年前後です。大規模修繕でいえば、すでに2回目の周期(築24〜27年前後)に入っている、あるいはこれから入る建物が多い時期にあたります。1回目の修繕で見送った項目が、2回目で一気に表に出てくるのが、この築年数帯の典型です。
マンション管理計画認定制度-那須塩原市は「市」が所管行政庁です
栃木県の公式ページで確認できたこと
栃木県マンション管理適正化推進計画のページによると、管理計画認定制度の所管は次のとおり分かれています。
| 区域 | 所管・申請先 |
|---|---|
| 町域(上三川町、益子町、茂木町、市貝町、芳賀町、壬生町、野木町、塩谷町、高根沢町、那須町、那珂川町) | 栃木県(運用開始:令和6年4月1日) |
| 市域 | 各市(市ごとに運用開始日が異なる) |
那須塩原市は市域ですから、県ではなく市が所管します。県のページには、運用開始日が令和6年9月1日と記載されています。申請先や問い合わせ先は、県のページから那須塩原市のホームページを参照する形で、県のページ自体には市の連絡先は載っていません。
ここで正直にお伝えします。 那須塩原市の公式サイトで、管理計画認定の申請窓口・手数料・市独自の運用を案内するページを、今回の調査では確認できませんでした。栃木県の認定に関する手数料は「無料」と公表されていますが、市の手数料の扱いは確認できていません。 申請を検討される場合は、まず市の住宅関係の窓口(耐震関係の担当は建築指導課です)にお問い合わせください。
申請の流れ(県の公表資料に基づく)
県が公表している流れは次のとおりです。市が運用する場合も、国の仕組みは共通ですが、細部は市にご確認ください。
- 総会で、管理計画認定の申請を決議する
- 公益財団法人マンション管理センターの「管理計画認定手続支援サービス」に必要事項を入力し、書類をアップロードする
- 事前確認審査を受け、基準に適合すると事前確認適合証が発行される(事前確認は、講習を受けたマンション管理士が行う)
- 事前確認適合証と認定申請書を添えて、所管行政庁(那須塩原市)に申請する
- 審査を経て、認定通知書が発行される
この支援サービスでは、システム利用料が1申請あたり10,000円かかり、事前確認の審査料が別途必要と、県のページに記載されています。審査料の金額は同ページには載っていないため、マンション管理センターの案内でご確認ください。
認定の基準-理事会でできる「健康診断」
国土交通省の管理計画認定制度のページに載っている主な基準は次のとおりです。自治体が独自の基準を定めている場合があるため、申請先への確認は必要です。
| 確認項目 | 理事会でのチェック |
|---|---|
| 管理組合の運営 | 総会が年1回以上開かれているか |
| 管理規約 | 管理規約が作成されているか |
| 経理 | 管理費と修繕積立金が区分して経理されているか |
| 長期修繕計画 | 計画期間が30年以上で、大規模修繕工事が2回以上含まれているか。修繕積立金の平均額が著しく低額でないか |
| 名簿 | 組合員名簿・居住者名簿が適切に備えられているか |
認定を目指さない場合でも、このチェックリストは理事会の「健康診断」として使えます。積立金が足りているのか、長期修繕計画が古くなっていないかは、認定の有無にかかわらず、大規模修繕の資金計画の土台になる項目です。
認定のメリット
同ページによると、認定マンションには次のような利点があります。
- 大規模修繕工事を実施した場合に固定資産税が減額される(長寿命化促進税制)
- 住宅金融支援機構の【フラット35】の金利引下げ、最長50年の【フラット50】の利用
- マンション共用部分リフォーム融資の金利引下げ
- マンションすまい・る債の利率の上乗せ
- 管理状況が見える化され、認定マンションの一覧や不動産情報サイトで公開される
さらに、令和9年(2027年)4月1日からは、分譲事業者が分譲時に管理計画認定を申請できるようになると、国土交通省は案内しています。新築マンションが最初から認定を取る流れが加わるため、既存の建物は「認定がない」ことで見劣りする場面が出てくる可能性があります。
マンション長寿命化促進税制-期限は2027年3月31日
国のマンション長寿命化促進税制は、一定の要件を満たすマンションが長寿命化に資する工事を行った場合に、各住戸の翌年度の固定資産税を減額する制度です。令和7年度の税制改正で適用期間が2年延長され、2027年(令和9年)3月31日までに工事を完了したものが対象です(マンション管理・再生ポータルサイト(国土交通省))。
主な要件は次のとおりです。
- 築20年以上・総戸数10戸以上のマンション
- 過去に1回以上、長寿命化工事を行っていること
- 外壁塗装等・床防水・屋根防水の工事を一体として実施すること
- 管理計画認定マンションは、修繕積立金を認定基準まで引き上げていること など
減額の割合は、国の制度では1/6〜1/2の範囲で市町村の条例で定める仕組みです。那須塩原市の減額割合や申告方法は、今回の調査で市の公式サイトから確認できませんでした。 固定資産税は市の税務担当の所管ですので、減額割合と申告書類は市にご確認ください。
工事完了の期限まで、残りは約5か月半です。これから総会で決議する管理組合が、認定の取得・積立金の見直し・工事の完了をそろえるのは、かなり厳しいスケジュールです。2027年4月以降の扱いは今後の税制改正で決まるため、現時点で延長は確定していません。間に合わない場合でも、認定の取得と長期修繕計画の見直しは、将来の融資や資産価値の面で意味があります。
那須塩原市のマンションで「使えない」制度も確認しておく
ここからは、名前だけ見ると使えそうに見えて、実際には対象外になりやすい制度を整理します。理事会で「あの補助金は使えないのですか」と聞かれたときの、答えの準備にお使いください。
木造住宅耐震支援制度(診断・改修・建替え)
那須塩原市の木造住宅耐震支援制度のページ(2026年9月1日更新)では、令和8年度の内容が次のとおり案内されています。
- 対象は、昭和56年5月31日以前の基準で建てられた木造の一戸建て住宅(2階建て以下、在来軸組構法または枠組壁工法)で、居住していて賃貸目的でないこと
- 耐震改修費補助は、改修費の5分の4(上限115万円)。居住誘導区域内なら10万円の加算があります
- 9月1日時点の受付可能件数は、診断士派遣が残り8件、改修費補助が残り2件、建替え費補助が残り1件
ページに「マンション」という語はありませんが、対象が木造の一戸建てに限られているため、鉄筋コンクリート造などの分譲マンションは対象外と読み取れます。個別の判断が必要な場合は、建築指導課(0287-62-7169)にご確認ください。
空き家バンク登録建物リフォーム補助金
空き家バンクに登録された建物のリフォーム補助は、リフォーム工事費の2分の1(上限50万円、居住誘導区域内は70万円)などの内容です。子育て世帯は3分の2(上限100万円)とされています。ただし、このページの最終更新は2022年12月28日で、令和8年度の記載は確認できませんでした。対象は、空き家バンクを通じて入居する方や、バンクに登録する所有者であり、マンションの共用部分の修繕を想定した制度ではありません。「区分所有」「マンション」という語もページに出てきません。
青木地区ゼロカーボン街区構築事業補助金
市の案内ページによると、脱炭素先行地域に選定された青木地区内の住宅で、太陽光発電設備と蓄電池をセットで新設する場合に、補助対象経費の3分の2を補助する制度です。区分は「戸建(一般)」のみ示されており、対象地区も限られています。市内の多くのマンションは、この制度の対象外になる可能性が高いため、該当しそうな場合のみ市に確認してください。
外壁・屋根の塗装を対象にした市の補助
外壁塗装や屋根塗装を直接の対象にした補助制度は、市の公式サイトから確認できませんでした。民間の情報サイトにも「ない」とする記述はありますが、民間サイトは情報が古い場合があるため、この記事では公式サイトで確認できたかどうかを基準にしています。
那須塩原市のマンションの大規模修繕-寒冷地・温泉地で考えること
凍結融解と「継ぎ目」の傷み
那須塩原市は、栃木県北部の内陸にあり、冬は冷え込みが厳しい地域です。寒冷地の建物では、外壁のひび割れや塗膜のすき間から入った水分が、凍って膨らみ、溶けて縮むことを繰り返して、傷みを進めることがあります。この経験則は、私が内陸の寒冷地の現場で見てきたものです。 那須塩原市の気象データをもとにした数値ではないため、地域の具体的な凍結回数などはここでは述べません。
私の経験でも、内陸の中層マンションでは、南面・西面のシーリングのひび割れや、屋上の防水層のふくれから雨水が入り、上階の住戸で漏水が見つかるケースが少なくありません。外壁全体の見た目はまだきれいでも、継ぎ目と屋上から先に傷むのが、典型的なパターンです。
温泉地・保養向けの物件の注意点
塩原温泉や那須方面に近い保養向けの物件では、使われる時期に偏りがあることが、修繕計画に影響します。長期間、人が入らない住戸では、小さな漏水に気づくのが遅れます。理事会としては、居住者が少ない住戸の点検ルールを、管理規約や細則で整えておくことをおすすめします。管理計画認定の基準にも「緊急時の専有部への立入り」などの規約整備が含まれるため、整備は認定の準備にもなります。
費用の目安
金額は物件によって大きく変わるため、あくまで参考値です。私たちが見積りの入口でお伝えしている目安は次のとおりです。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 30戸規模マンションの大規模修繕 総工費 | 約3,500万〜5,000万円 |
| うち仮設足場の割合 | 総工費の約15〜25% |
| 外壁塗装 | 1㎡あたり約3,500〜4,500円 |
| 外壁の打診調査 | 1㎡あたり約250〜500円 |
| 防水工事 | 1㎡あたり約5,000〜8,000円 |
10階建て・外周80m・工期3か月の建物を例にとると、足場の費用が約168万円かかるところ、ロープアクセスでは約59万円、差額は約109万円という試算になります。実際の見積りは、建物の形状・劣化状況・工事範囲によって変わります。料金の考え方は大規模修繕の料金の考え方(明誠)でもご紹介しています。
3つの工法を、公平に比べる
| 工法 | 向いている建物・工事 | 強み | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 通常の足場仮設工法 | 外壁の全面補修、塗装・防水・タイル・サッシ交換を一括で行う大規模修繕 | 作業の安全性と品質を確保しやすく、全面的な工事に適する | 設置・解体の費用と工期がかかる。足場期間中は防犯・採光・ベランダ使用に配慮が必要 |
| ロープアクセス工法(無足場工法) | 外壁の部分補修、シーリングの打替え、鉄部・金物の補修、調査・点検 | 足場が不要なため、工期と費用を抑えやすい。居住者の生活への影響が少ない | 作業内容によっては向かない。強風時は作業を止める判断が必要。専門技能を持つ職人が必要 |
| ハイブリッド工法 | 南面・西面だけ劣化が早いなど、面ごと・部位ごとに状態が違う建物 | 部位ごとに最適な方法を選べ、総額を最適化しやすい | 計画と工程管理に専門性が必要 |
ロープアクセス工法では、作業者がメインロープとバックアップロープの2本に接続し、屋上などに2点以上の吊元(ロープを固定する支点)を確保して作業します。明誠の工法の詳細は明誠のロープアクセス工法の技術と実績で、業界全体の安全基準や施工例は姉妹サイトのロープアクセスドットコム(無足場工法の専門メディア)で詳しく紹介しています。安全管理の考え方は明誠の高所作業の安全管理にまとめています。
ここは正直に申し上げます。 私たちは3つの工法をすべて扱うので、足場が最適なら足場を、ロープが向くならロープを提案します。どれか1つに誘導するための記事ではありません。
長寿命化促進税制と工法選びの関係
長寿命化促進税制の対象になるには、外壁塗装等・床防水・屋根防水を一体として実施する必要があります。全面的な塗り替えと防水を同時に行う工事は、足場が合理的になる場合が多くあります。一方で、税制の期限に間に合わない場合や、劣化がシーリングや一部の面に集中している段階では、ロープアクセスで部分補修して次の全面改修まで建物を持たせる選択肢が生きてきます。
明誠について、数字でお伝えします
株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・大手ホテルチェーンの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法での高所作業について、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業では、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを維持しています。IRATA(国際産業ロープアクセス協会)水準の技能訓練を受けた作業員が施工し、ISO9001の品質マネジメントシステムを運用しています。また、日本初のロープアクセス工事のフランチャイズ本部として、塗装・防水・タイル・電気・看板の各分野の専門職と連携しています。
現場で見てきたこと
分譲マンションの数が多くない地域で修繕のご相談を受けると、「近くに同じような規模のマンションがなく、相場も進め方も分からない」というお声をよくいただきます。私は、まず建物を面ごと・部位ごとに診断し、「全面でやるべき工事」と「傷んだ面だけ先に手当てする工事」を分けた資料をお出しするようにしています。この仕分けだけで、足場を掛ける期間や総額の選択肢が大きく変わることがあります。
補助金の有無で発注先を決めるのではなく、工事内容と総額で比べることをおすすめします。補助が出ないからといって、修繕を先送りして漏水が広がれば、結果として工事費は膨らみます。
管理組合向けのサービス内容はマンション管理組合さま向けの大規模修繕サービスにまとめています。明誠のこれまでの施工の様子は、明誠の施工事例からご覧いただけます。
那須塩原市で賃貸マンション・保養向け物件をお持ちのオーナーの方へ
賃貸物件の修繕では、空室期間を短くし、入居者の生活への影響を抑えることが収益を左右します。足場を組まないロープアクセスは、工期と生活への影響を抑えやすい点で、オーナーさまにもメリットがあります。
制度の面では、木造耐震の支援制度は木造の一戸建てで、賃貸目的でないことが条件です。空き家バンク補助は、バンクに登録された建物が対象です。管理計画認定と長寿命化促進税制は分譲マンション向けの制度で、一棟所有の賃貸マンションは基本的に対象になりません。一棟所有のオーナーさまは、補助金ではなく、工事の組み立てで収益を守ることになります。
オーナーさま向けの考え方は収益不動産オーナーさま向けの修繕の考え方、ビルオーナーさま向けのサービスはビルオーナーさま向け大規模修繕サービスをご覧ください。
同じ栃木県の周辺事情は、鹿沼市のマンション補助金や小山市のマンション補助金の記事でも整理しています。
この記事で確認できなかったこと(正直にお伝えします)
制度の記事は、「分からなかったこと」を隠さないことが信頼につながると考えています。今回の調査で、確認できなかった点は次のとおりです。
- 那須塩原市の管理計画認定の窓口・手数料・市独自の運用:県の公式ページで運用開始日(令和6年9月1日)は確認できましたが、市の案内ページは確認できませんでした
- 市内のマンション数・戸数:県の計画の概要には市別の数字が載っておらず、推測では書いていません
- 長寿命化促進税制の市の減額割合と申告方法:市の公式サイトから案内ページを確認できませんでした
- 空き家バンク補助の令和8年度の内容:確認できたページの最終更新は2022年12月でした
- 県のマンション管理適正化推進計画の本文PDF:概要版の内容を確認し、本文は直接確認できていません
これらは、市の担当窓口で確認すれば分かる内容です。理事会で動き出す前に、次の質問リストをお持ちください。
制度を使うときの共通の落とし穴
失敗しやすい3つのパターン
- 補助金の有無で工事の時期を決めてしまう:共用部に使える補助がない地域では、劣化の進み具合と積立金の残高で時期を決めるほうが、結果として総額を抑えられることが多くあります。
- 税制の期限だけを見て、工事内容を急いで決める:2027年3月31日までに完了という期限は厳しい日程です。急いで仕様を固めると、診断が不十分なまま全面工事になり、不要な項目まで含めてしまうことがあります。
- 見積りを1社だけで決める:仕様を揃えて複数社を比べないと、足場費用や管理費の水準が妥当か判断できません。
理事会で使える質問リスト
- 市の窓口で、管理計画認定の申請先・手数料・必要書類を教えてもらえますか
- 長寿命化促進税制の減額割合と、申告の時期・書類を教えてもらえますか
- 当マンションは築20年以上・10戸以上などの要件に当てはまりますか
- 長期修繕計画は、直近7年以内に見直されていますか
- 修繕積立金の平均額は、国の基準に照らして著しく低くないですか
- 2027年3月31日までの工事完了は、現実的な日程ですか
- 外壁・屋上・シーリングのうち、先に手当てが必要な箇所はどこですか
那須塩原市のマンションが大規模修繕に向けて動く5つのステップ
- 現状を整理する:竣工年、戸数、前回の工事内容と時期、修繕積立金の残高、長期修繕計画の見直し時期をまとめます。
- 市の窓口に確認する:管理計画認定の申請先と手数料、長寿命化促進税制の減額割合を問い合わせます。
- 建物診断を受ける:外壁の打診調査、屋上防水の状態、シーリングの劣化を面ごとに確認します。ロープアクセスなら、足場なしで調査できる場合があります。
- 工法と範囲を仕分ける:全面でやる工事と、傷んだ面だけ先に行う工事を分け、足場・ロープアクセス・ハイブリッドの3案で概算を出します。
- 総会で決議する:認定の申請、長期修繕計画の見直し、工事の発注方針を、組合員に説明したうえで決議します。
よくあるご質問
Q. 那須塩原市で、マンションの大規模修繕工事費に使える補助金はありますか?
2026年10月14日時点で、市の公式サイトと県の公式情報から、管理組合の共用部修繕工事に直接使える補助制度は確認できませんでした。管理計画認定と長寿命化促進税制という、間接的に有利になる制度があります。制度は年度途中で変わることがあるため、市の窓口でご確認ください。
Q. 那須塩原市のマンション管理計画認定は、どこに申請しますか?
栃木県の公式ページでは、市域の認定は各市が所管し、那須塩原市の運用開始日は令和6年9月1日とされています。町域は県の所管です。市の窓口と手数料は市の案内で確認してください。手続きの前段として、マンション管理センターの手続支援サービスでの事前確認を受ける流れになります。
Q. 木造住宅の耐震補助は、マンションでも使えますか?
那須塩原市の制度は、昭和56年5月31日以前の基準で建てられた木造の一戸建て住宅が対象と案内されています。鉄筋コンクリート造などの分譲マンションは対象外と読み取れますが、個別の判断は建築指導課にご確認ください。
Q. マンション長寿命化促進税制は、那須塩原市でも使えますか?
国の制度ですので、要件を満たせば対象になります。ただし、2027年3月31日までに工事を完了する必要があり、市の減額割合や申告方法は市に確認が必要です。
Q. 賃貸マンションのオーナーですが、補助金は使えますか?
一棟所有の賃貸マンションは、管理計画認定と長寿命化促進税制の対象にはなりにくく、市の公式サイトから、収益物件の外壁修繕を直接補助する制度も確認できませんでした。補助に頼らず、工法と工事範囲の最適化で費用を抑える方法を検討してください。
Q. 足場とロープアクセスは、どちらが安いのですか?
建物によって異なります。10階建て・外周80m・工期3か月の例では、足場約168万円に対しロープアクセス約59万円という試算ですが、全面的な塗り替えと防水を一体で行う工事では足場が合理的になることもあります。3工法の概算を並べて比べるのが確実です。
Q. 相談や見積りに費用はかかりますか?
ご相談と概算のお見積りは、お気軽にお問い合わせください。内容によって異なりますので、お問い合わせフォームからお尋ねください。
この記事のポイントまとめ
- 那須塩原市の公式情報から、マンション共用部の大規模修繕に直接使える補助は確認できませんでした
- 市域の管理計画認定は那須塩原市が所管し、運用開始は令和6年9月1日です
- 長寿命化促進税制は2027年3月31日までに工事を完了したものが対象で、期限は迫っています
- 木造耐震や空き家バンクなどの制度は、分譲マンションの共用部を想定していません
- 補助の有無より、診断・工法の仕分け・総額の比較で修繕費を守ることが大切です
出典・参考資料
- 栃木県「栃木県マンション管理適正化推進計画」(管理計画認定の所管・運用開始日・手続の流れ)
- 栃木県「栃木県マンション管理計画認定制度実施要綱(令和7年11月28日改正施行、PDF)」
- 栃木県ほか「栃木県マンション管理適正化推進計画(概要)(佐野市公開、PDF)」
- 那須塩原市「木造住宅耐震支援制度(令和8年度、2026年9月1日更新)」
- 那須塩原市「空き家バンク登録建物リフォーム補助金」(最終更新2022年12月28日)
- 那須塩原市「青木地区ゼロカーボン街区構築事業補助金」
- 国土交通省「マンション管理計画認定制度」
- 国土交通省「マンション長寿命化促進税制(固定資産税の特例措置)」
- 国土交通省「マンション長寿命化促進税制の期間が延長されました(マンション管理・再生ポータルサイト)」
本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月14日時点で公表されている栃木県・那須塩原市・国土交通省の公式情報をもとに執筆しています。木造住宅耐震支援制度は令和8年度の市のページ(2026年9月1日更新)を直接確認しました。空き家バンク補助のページは最終更新が2022年12月のため、現行の内容は市にご確認ください。県のマンション管理適正化推進計画は概要版の記載を参照しています。民間情報サイトの記述は、公式サイトで裏付けが取れた範囲でのみ使用しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、那須塩原市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。本記事は法的・税務上の助言ではありません。
那須塩原市のように、マンション向けの制度の情報が集まりにくい地域だからこそ、使える制度と使えない制度を最初に仕分け、工事の組み立てで総額を抑えることが大切だと考えています。屋上やシーリングの診断、税制の期限に間に合うかの整理だけでも、お力になれることがあります。ご相談だけでも遠慮なくお問い合わせフォームからお声がけください。
▼ロープアクセス工法・無足場工法の詳細解説はこちら
ロープアクセスドットコム|無足場工法専門メディア
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・大手ホテルチェーンの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年10月14日
関連記事(姉妹サイト)
ロープアクセス工法の詳細や実例については、姉妹サイト「ロープアクセスドットコム」の以下の記事もぜひご覧ください。
本間社長の著書のご案内
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