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和光市のマンション管理計画認定制度|市への手数料は無料、独自基準なしで令和7年10月に開始【2026年度版】

和光市のマンション管理計画認定制度|市への手数料は無料、独自基準なしで令和7年10月に開始【2026年度版】
本間 幸紘

著作者プロフィール

株式会社明誠 代表取締役

本間 幸紘

大規模修繕・外壁工事・ロープアクセス工事に関する情報を、現場経験をもとに分かりやすくお届けします。

結論:和光市で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか

先に結論です。和光市の分譲マンションの管理計画認定は、埼玉県ではなく「和光市」の制度として、令和7年10月1日から運用が始まっています。市への手数料は無料で、国の基準に上乗せする市独自の基準もありません(出典:和光市「マンション管理計画認定制度」、ページ更新日2025年10月22日)。

注意点を4つ挙げます。

  • 無料なのは市への手数料です。事前確認の審査料と、手続支援システムの利用料は別にかかります
  • 認定基準は国の基準と同一です。規約・経理・長期修繕計画が整っていれば、独自基準の準備は要りません
  • 認定の有効期間は、認定通知書の発行日から5年間です
  • 固定資産税の減額は、令和9年3月31日までに工事を完了した場合が対象です。和光市のページでは減額割合は3分の1とされています

私は東京都東大和市に会社を構え、多摩から埼玉南部まで、20年以上マンションの大規模修繕に携わってきました。和光市は東京都の練馬区・板橋区に接し、東武東上線と東京メトロの駅がある、都心へ出やすい街です。市の推進計画では、人口約8万人のうち24.5%がマンションに住んでいます(出典:和光市「マンション管理適正化推進計画」)。

この記事では、理事長さま、理事の皆さまが読んだその日に動けるよう、認定主体、国の17要件、独自基準の実務、費用と申請ルート、経済効果、逆算スケジュールの順にお伝えします。

和光市の認定主体と窓口:市が認定し、窓口は建築課です

管理計画認定制度は、令和4年度に始まった国の制度です。管理組合が作る管理計画を、役所が審査して認定します。この役所を「認定行政庁」(認定の事務を担う自治体のこと)と呼びます。マンション管理適正化推進計画をつくった市と特別区が認定を行い、町村部は都道府県が担当します(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。埼玉県のページも、県が認定するのは町村部のマンションで、市のマンションは各市の窓口へ問い合わせるよう案内しています(出典:埼玉県「マンション管理計画認定制度について」)。

和光市は、令和7年6月に「和光市マンション管理適正化推進計画」を策定しました。計画期間は令和7年度から令和16年度までの10年間です。市内の分譲マンションは、令和6年1月現在で172棟とされています。

窓口は、都市整備部建築課の審査住宅担当(市役所2階)です。電話は048-424-9134です。対象は市内の分譲マンションで、賃貸マンションは対象外です。申請者は、原則として管理組合の管理者等です。

認定の有効期間は、認定通知書の発行日から5年間です。更新は、申請と同じ手続きで行います。

認定17要件:総会・規約・経理・長期修繕計画のどこでつまずくか

国土交通省の基準は、大きく5つの分野で構成されています。管理組合の運営、管理規約、管理組合の経理、長期修繕計画の作成及び見直し等、そしてその他です(出典:国土交通省「マンションの管理計画認定の基準(PDF)」)。

分野 主な要件
管理組合の運営 管理者等の選任/監事の選任/総会を年1回以上開催
管理規約 規約の作成/緊急時の専有部分への立入りや修繕履歴の管理の規定/財務・管理情報の書面交付等の規定
経理 管理費と修繕積立金の区分経理/積立金会計から他会計への充当なし/3か月以上の滞納額が全体の1割以内
長期修繕計画 標準様式に準拠し総会で決議/作成・見直しが7年以内/計画期間30年以上で大規模修繕2回以上/一時的な積立金の徴収を予定しない/積立金の平均額が著しく低額でない/最終年度に借入金残高がない
その他 組合員名簿・居住者名簿を備え年1回以上確認/マンション管理適正化指針に照らして適切

現場でつまずきやすい3か所

築20年から35年のマンションで、私が実際によく見るのは次の3か所です。

1つ目は、長期修繕計画の見直しが7年以内に行われていないケースです。1回目の大規模修繕が終わったあと、計画を更新しないまま放置されている例は珍しくありません。2つ目は、最終年度に借入金が残る資金計画です。3つ目は、居住者名簿です。賃貸住戸が多いマンションほど、居住者の把握が追いつきません。

ここで、私の現場の話をします。以前、築28年ほどの管理組合で、認定を取りたいと相談を受けました。要件を1つずつ確認したところ、規約も経理も問題なく、止まったのは長期修繕計画の作成年だけでした。作成から9年たっていたのです。計画を見直して総会で決議し直すまでに、およそ3か月かかりました。私はいつも理事長さまに、「認定の前に、まず計画の日付を確認してください」とお伝えしています。

独自基準の有無と実務への影響:和光市に上乗せ基準はありません

和光市のページには、認定基準は国のマンション管理適正化指針に定める基準と「同一の内容」だと書かれています。東京都や、埼玉県内でも戸田市のように上乗せ基準を設ける自治体がありますが、和光市は国の17項目だけを見ます。

実務では、次の3点が助かります。

  • 事前確認で国の基準に適合すれば、市が独自の書類を追加で求めることは、案内ページからは読み取れません
  • 町会への加入や耐震診断など、準備に時間のかかる別基準がありません
  • 準備の中心は、長期修繕計画の整備と名簿の確認です

ただし、市の案内ページには細かな書類一覧が載っておらず、詳しくは申請の手引きを見るよう書かれています。実際に動く前に、建築課で手引きの最新版を確認してください。

手数料と申請ルート:マンション管理センターの手続支援システムを使います

和光市の申請は、(公財)マンション管理センターの「管理計画認定手続支援システム」で、事前確認と認定申請を行います。

費用の目安

費用 金額 払い先・備考
市への認定手数料 無料 和光市
システム利用料 1申請10,000円(税込) マンション管理センター
事前確認審査料 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)など 申込ルートにより異なる。マンション管理士に直接依頼する場合は、組合と管理士の間で決める

システム利用料と審査料の金額は、マンション管理センターの案内によります(出典:公益財団法人マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。長期修繕計画の見直しが必要なら、その作成費用も別にかかります。

申請の流れ

  1. 総会で、認定申請を行うことを決議する
  2. 事前確認講習を修了したマンション管理士に事前確認を依頼する(管理者等・監事・区分所有者・管理会社の担当者である管理士は、そのマンションを担当できません)
  3. 手続支援システムに入力し、事前確認適合証の発行を受ける
  4. システムから市へ認定申請を行う
  5. 市の審査を経て、認定通知書が発行される

認定を受けたマンションは、公表に同意した場合、管理計画の名称や所在地、認定日などが公表されます。管理計画の内容そのものは公開されません。

市の標準処理期間や、必要書類の詳細は、案内ページに記載がありません。申請の手引きで、または建築課へ直接ご確認ください。

認定の3つの経済効果:税・フラット35・共用部リフォーム融資

認定を取るメリットは、安心感だけではありません。数字で見える効果が3つあります。

1つ目:長寿命化促進税制(固定資産税の減額)

管理計画認定を受けたマンションが、長寿命化に資する大規模修繕工事を行うと、工事の翌年度の建物部分の固定資産税が減額されます。国の資料では、減額割合は6分の1から2分の1の範囲で条例が定め、参酌基準は3分の1です。要件は、外壁塗装等工事、床防水工事、屋根防水工事のすべてを実施することです。工事の完了期限は、令和9年3月31日です(出典:国土交通省「管理計画認定制度のインセンティブ(PDF)」、令和8年4月1日現在)。

和光市のページでは、減額割合は翌年の固定資産税額の3分の1です。細かな要件や申告の手続は、市の課税課(資産税担当)のページでご確認ください。

金額のイメージとして、1戸あたりの建物部分の固定資産税が年8万円なら、3分の1減額で年約2万7千円、60戸で年約160万円です。あくまで試算で、実際の税額は建物の評価で変わります。

2つ目:フラット35の金利引下げ

国の資料では、管理計画認定を受けたマンションについて、フラット35の借入金利が当初5年間、年0.25%引き下げられます。区分所有者の購入や借換えの追い風になります。

3つ目:マンション共用部分リフォーム融資(マンションすまい・る融資)

住宅金融支援機構の共用部分リフォーム融資は、管理計画認定を取得していると融資金利が年0.2%引き下げられます。融資の申込み時点で、認定を取得している必要があります(出典:住宅金融支援機構「マンション共用部分リフォーム融資」)。

工事費の面でも効く話:足場とロープアクセスの比較

税の減額を狙うには、外壁・床防水・屋根防水の3つの工事が条件です。工事の中身と工法を、早めに決める必要があります。

私はいつも理事長さまに、足場の費用は「ゼロにする」ものではなく「比べる」ものだとお伝えしています。10階建て・外周80m・工期3か月という条件で試算すると、仮設足場が約168万円、ロープアクセス工法なら約59万円で、差額は約109万円になります。これはあくまで目安で、物件の形状や条件で大きく変わります。

ただし、すべての部位をロープアクセスにすればよいわけではありません。私どもは、通常の足場、ロープアクセス、両方を組み合わせるハイブリッドの3つから、建物に合う工法を提案しています。

技術の詳細は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムにまとめています。詳しい技術情報はロープアクセスドットコムの技術情報もご覧ください。当社サイトでは、明誠のロープアクセス工法の技術詳細や安全管理の取り組みをご覧いただけます。

明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法での高所作業では、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。

料金の考え方は大規模修繕の料金の考え方に書いています。明誠のこれまでの施工事例は、明誠の施工事例からご覧いただけます。

逆算スケジュール:総会決議から認定まで

今日は2026年10月31日です。固定資産税の減額を狙うなら、工事の完了期限は令和9年3月31日で、残りは約5か月です。期限までに3つの工事を完了させる予定がない管理組合は、今回の税の特例は難しい可能性があります。延長の有無は国の発表をご確認ください。

税の特例と関係なく、認定を取りたい管理組合は、次の順で進めます。期間の目安は、管理組合によって大きく変わります。

時期の目安 やること
3〜4か月前 理事会で要件のチェック。長期修繕計画の作成時期、名簿、滞納額を洗い出す
2〜3か月前 計画の見直し(必要な場合)。事前確認の依頼先を決める
総会 認定申請を行うことと、必要な議案の決議
総会後 事前確認の依頼、適合証の受領
適合証の後 手続支援システムから市へ認定申請
申請後 市の審査、認定通知書の発行

市の標準処理期間は案内ページに記載がありません。建築課へご確認ください。

まとめと今週動くこと3点

和光市の管理計画認定は、市が認定し、市への手数料は無料で、独自基準もありません。システム利用料や事前確認審査料は別にかかります。経済効果は、固定資産税の減額、フラット35の金利引下げ、共用部リフォーム融資の金利引下げの3つです。

今週動くことを3点に絞ります。

  1. 理事会で、長期修繕計画の作成・見直しの時期を確認する(7年以内か)
  2. 組合員名簿・居住者名簿が整い、年1回以上確認しているかを確認する
  3. 工事を予定しているなら、外壁・床防水・屋根防水の3つを令和9年3月31日までに完了できるか、工程を確認する

認定を取るかどうかは、メリットと手間を見比べて決めればよい話です。理事会で1分だけでも、この話題を出してみてください。

大規模修繕の工法選びや、長期修繕計画の見直しに合わせた概算のご相談は、管理組合向けのご案内、またはお問い合わせフォームから承っています。ご相談だけでも、遠慮なくお声がけください。

よくあるご質問

Q. 和光市のマンションの管理計画認定に、市へ払う手数料はいくらですか?

A. 市への手数料は無料です。ほかに、手続支援システムの利用料(1申請10,000円・税込)と、事前確認の審査料がかかります。審査料は依頼先によって異なります。

Q. 和光市に独自の認定基準はありますか?

A. ありません。市のページでは、認定基準は国のマンション管理適正化指針に定める基準と同一の内容とされています。

Q. 和光市の制度はいつ始まりましたか?

A. 令和7年10月1日から運用が始まっています。市の推進計画は令和7年6月に策定されました。

Q. 認定の有効期間と更新はどうなりますか?

A. 認定通知書の発行日から5年間です。更新は、申請と同じ手続きで行います。

Q. 固定資産税はどれくらい減りますか?

A. 和光市のページでは、減額割合は翌年の固定資産税額の3分の1です。外壁塗装等・床防水・屋根防水の3つの工事を令和9年3月31日までに完了することが条件です。

Q. 賃貸マンションは対象になりますか?

A. 対象外です。市内の分譲マンションの管理組合が申請します。

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月31日


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本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月31日時点で公表されている和光市および国土交通省・埼玉県・(公財)マンション管理センター・住宅金融支援機構の公式情報をもとに執筆しています。和光市の認定制度ページは2025年10月22日更新、推進計画ページは2025年9月11日更新と、いずれも前年度(令和7年度)の掲載です。令和8年度の手数料や運用に変更がないかは、このページからは確認できていません。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず和光市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。

出典・参考資料

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