本間社長ブログ
高萩市のマンション補助金|大規模修繕2026年度版
目次
- 早見表:高萩市のマンションで使える制度・使えない制度
- 高萩市のマンション事情-山と海に挟まれた、人口2万4千人の市
- 高萩市ならではの論点-「先着・残数わずか」の制度と、ページの日付のズレ
- 耐震・ブロック塀・空き家・浄化槽・蓄電池-確認できた市の制度を一つずつ読む
- 期限が迫る国の制度-住宅省エネ2026キャンペーン
- マンション管理計画認定制度-高萩市は「県の認定区域」ではありません
- マンション長寿命化促進税制-工事完了の期限は令和9年3月31日
- 賃貸マンション・アパートのオーナーさまへ
- 高萩市のマンションの大規模修繕-足場を組むか、組まないかを、診断で決める
- この記事で確認できなかったこと(正直にお伝えします)
- 制度を使うときの共通の落とし穴
- 高萩市のマンションが大規模修繕に向けて動く5つのステップ
- よくあるご質問
- この記事のポイントまとめ
- 出典・参考資料
- 結びに

-
著作者プロフィール
株式会社明誠 代表取締役
本間 幸紘
大規模修繕・外壁工事・ロープアクセス工事に関する情報を、現場経験をもとに分かりやすくお届けします。
2026年10月31日 更新
「高萩市のマンションで、大規模修繕に使える補助金はありますか?」
先に結論をお伝えします。2026年10月31日時点で高萩市・茨城県の公式ページを確認した範囲では、外壁塗装や屋上防水といったマンション共用部分の大規模修繕工事そのものに、管理組合が使える市の補助金は見つかりませんでした。 茨城県が公開している「高萩市の住宅関連助成制度」(令和8年4月1日更新)に並ぶ制度は、住宅リフォーム、マイホーム取得、空き家、木造住宅の耐震、浄化槽、ブロック塀、家庭用蓄電システムなど、いずれも個人・戸建て向けの色合いが濃いものです。
そのうえで、高萩市の管理組合さま・オーナーさまに押さえていただきたい点は次の5つです。
- 市の補助は「自ら居住する戸建て」を前提にした書きぶりが中心で、分譲マンションの共用部が対象と読める制度は確認できませんでした
- 市ページには先着順で、残数が数件まで減っている制度があります。家庭用蓄電システム設置費補助金は「残り1件(令和8年9月18日現在)」、空き家解体支援事業費補助金は「残り3件(令和8年10月7日現在)」と記載されていました
- 国の住宅省エネ2026キャンペーンは、公式の報道発表によると申請予約の期限が原則11月16日、申請受付の期限が原則12月31日で、予算上限に達した時点で締め切られます。今日から数えて、予約まで約2週間です
- 茨城県の管理計画認定は県が認定するのは町村の区域のみで、高萩市は市が自ら認定しています。市のページでは令和6年7月1日に運用を始め、市の手数料は無料(マンション管理センターの事前確認の利用料10,000円などは別途)と案内されています
- 補助が薄い市ほど、修繕積立金を守る鍵は工事の組み立て方にあります。診断を先に行い、足場を掛ける範囲と回数を設計することが、私は一番の節約だと考えています
こんにちは、株式会社明誠の本間です。マンション・ビル・ホテルの大規模修繕に20年以上携わってきました。この記事では、高萩市の理事長さま・修繕委員の皆さま、そして市内に賃貸マンションやアパートをお持ちのオーナーさまに向けて、市・県・国の制度を「共用部に使えるか、使えないか」で仕分けし、補助金に頼りすぎずに修繕費を守る進め方をお伝えします。確認できなかった項目は、できなかったと正直に書きます。
早見表:高萩市のマンションで使える制度・使えない制度
2026年10月31日時点で確認できた高萩市・茨城県の公式ページと、国の公表資料をもとに整理しました。「読み取れる」「確認できない」は、公式ページの記載に基づく私の判断です。最終的には窓口でご確認ください。
| 制度 | 窓口 | 管理組合(共用部)で使えるか | 内容・確認できた状況 |
|---|---|---|---|
| 外壁・屋根の大規模修繕そのものへの補助 | — | × 見当たらない | 県の高萩市一覧・市ページを見た範囲で、共用部の塗装・防水に使える市の制度は確認できず |
| 高萩市住宅リフォーム補助金 | 観光商工課 商工G | × 読み取れない | 対象は「自らが所有し居住している家屋」。工事費10万円以上100万円未満は10%、100万円以上は一律10万円。市内施工業者が条件 |
| マイホーム取得応援補助金 | 環境市民協働課 | × 共用部には無関係 | 住宅を購入した個人向け。基本額10万円。マンション購入が対象かは市ページに記載なし |
| 空き家解体支援事業費補助金 | 環境市民協働課 | × 読み取れない | 戸建て又は併用住宅が対象。3分の1・上限30万円。残り3件(10月7日現在) |
| 家庭用蓄電システム設置費補助金 | 環境市民協働課 | × 読み取れない | 補助額5万円。自ら居住する住宅が前提。残り1件(9月18日現在) |
| 木造住宅耐震診断士派遣・耐震化促進補助 | 都市建設課 | × 読み取れない | 昭和56年5月31日以前に建築確認の木造住宅が対象。耐震化促進補助は費用の5分の4以内・上限115万円、令和8年度は募集1戸で10月30日に受付終了(市ページ) |
| 危険ブロック塀等撤去補助事業 | 都市建設課 | △ 敷地の塀なら要相談 | 通学路等に面し道路面から高さ80cm超の塀。工事費の3分の2以内など・上限10万円。令和8年度は10月30日に受付終了(市ページ) |
| 浄化槽設置整備事業補助金 | 環境市民協働課 | × 読み取れない | 下水道計画区域外の浄化槽設置向け。5人槽332,000円など(市ページ) |
| マンション管理計画認定制度 | 高萩市 都市建設課 建築指導検査室(0293-23-7032) | ○ 管理組合が申請者 | 令和6年7月1日運用開始。市の手数料は無料、事前確認の利用料10,000円は別途。市独自基準なし、有効期間5年(市ページ) |
| マンション長寿命化促進税制 | 国の制度(固定資産税の特例) | ○ 要件に合えば | 築20年以上・10戸以上など。工事完了の期限は令和9年3月31日 |
| 住宅省エネ2026キャンペーン(国) | 登録事業者を通じて申請 | ○ 共同住宅は対象事業あり | 予約は原則11月16日まで、申請は原則12月31日まで。管理組合の扱いは確認できず |
この表の見方を一言で言えば、高萩市の制度は「個人が住む戸建て」を応援するために組まれており、共用部に直接届く市の補助は見当たらない。国の住宅省エネ2026だけは期限が近いので、使うかどうかを今月中に決めるということです。
高萩市のマンション事情-山と海に挟まれた、人口2万4千人の市
市の概況
茨城県の公式資料によると、高萩市は茨城県の北東部に位置し、東は太平洋に面し、西は多賀山地に接しています。北は福島県東白川郡塙町と茨城県北茨城市に接し、東京からは約150km、常磐自動車道で約2時間とされています。市域の総面積は193.55平方キロメートルで、市域の約85%が山林原野などです。
人口と世帯数は、県の統計ページで確認できました。人口は24,633人、世帯数は11,233世帯(いずれも令和8年7月1日現在の推計)です。高齢化率は39.7%(令和7年10月1日現在)、令和2年国勢調査の人口は27,699人でした。市域の大半が山林で、平地に住まいが集まる土地柄ですから、住宅の中心は戸建てだろうと私は想像しますが、市内の分譲マンションの棟数・戸数は、確認できた公式資料に載っていませんので、断定はしません。
高齢化率39.7%が、管理組合の運営に与える影響
高齢化率が高いことは、補助金の探し方よりも前に、管理組合の運営そのものに響きます。私が理事長さまからよく相談を受けるのは、次のような悩みです。
- 理事の担い手が見つからず、同じ方が何期も続けている
- 総会の出席者が少なく、決議の成立に委任状頼みになっている
- 大規模修繕の話を持ち出すと、「自分が生きているうちは大丈夫」と先送りされる
- 修繕積立金の値上げ案に、年金生活の組合員から反対が出る
これは高萩市に限った話ではありませんが、高齢化率が4割近い地域では、とくに起きやすい構図だと考えています。だからこそ、補助金という「外から来るお金」を当てにするより、長期修繕計画を現実の数字に直し、必要な工事を必要な時期に、無駄なく行うことが、組合員の負担感を下げる近道です。
高萩市ならではの論点-「先着・残数わずか」の制度と、ページの日付のズレ
蓄電池は「残り1件」、空き家解体は「残り3件」
高萩市の市ページを読んで、私が印象に残ったのは、受付状況が残数つきで公開されている点です。家庭用蓄電システム設置費補助金のページには、補助額5万円、受付は令和8年6月1日(月)から先着順と書かれたうえで、「残り1件(令和8年9月18日現在)」と記載されていました。空き家解体支援事業費補助金のページには「令和8年10月7日現在 残り3件」とあります。
つまり、市の補助は、年度の後半にはほぼ枠を使い切る前提で動いていると読めます。これは管理組合にとって、2つの意味があります。
- 仮に管理組合が使える制度があっても、総会決議を待っている間に枠が埋まるリスクがある
- 来年度の補助を狙うなら、年度初め(4月〜5月)の受付開始に合わせて、前年の秋〜冬に準備を終えておく必要がある
なお、リフォーム補助金のページは受付期間を令和8年4月1日以降の着工、申請は着工前、先着順で予算上限に達し次第終了と書いており、明確な申請終了日は記載されていません。
ページの日付が、本文とずれている例
もう一つ、読むときの注意点です。空き家解体支援事業費補助金のページは、画面上の更新日が「2026年6月7日」でしたが、本文には「令和8年10月7日現在 残り3件」という、更新日より後の日付が書かれていました。蓄電システムのページも、更新日が2026年6月18日であるのに、本文には9月18日現在の残数が記載されています。
これは、更新日の表示と、本文内の残数だけが随時書き換えられていることを示しているのかもしれません。数字を引用するときは、「どの時点の記載か」までセットで確認するのが鉄則です。この記事でも、残数は「記載された日付現在」と明記しています。最新の残数は、窓口でお尋ねください。
「市内施工業者」という条件の意味
住宅リフォーム補助金は、市内に住所または事務所を持つ施工業者が工事を行うことが条件です。マイホーム取得応援補助金のリフォーム加算も、市内施工業者による工事が条件とされています。空き家解体も、市内の業者が請け負う工事が対象です。
地元の業者を応援する趣旨は、とても理解できます。一方で、この種の条件がある制度は、そもそも管理組合の共用部工事には当てはまりにくいことも、押さえておいてください。仮に将来、共用部に使える市の制度が新設された場合でも、同様の「市内業者」要件が付くかどうかで、業者選びの選択肢が変わります。制度の要件は、見積りを依頼する前に確認するのが安全です。
耐震・ブロック塀・空き家・浄化槽・蓄電池-確認できた市の制度を一つずつ読む
木造住宅の耐震補助は、あくまで「木造」向け
茨城県の公式ページによると、県内の木造住宅耐震の補助は、昭和56年(1981年)以前に建築された木造住宅の耐震診断・補強設計・耐震改修が対象です。同ページの令和8年度の実施市町村一覧では、高萩市は次のとおり整理されていました。
| 区分 | 高萩市の状況(県ページより) |
|---|---|
| 診断 | 補助制度あり |
| 設計・改修(個別) | 個別の補助制度なし |
| 総合支援(設計・改修) | 補助制度あり |
| 問い合わせ | 0293-23-7032(直通)。市の担当は都市建設課 |
つまり、鉄筋コンクリート造のマンションは、この制度の対象ではないと読めます。非木造の分譲マンションの耐震診断・耐震改修への市の補助は、今回の調査では確認できませんでした。 旧耐震基準(昭和56年5月31日以前に建築確認を受けた建物)のマンションの場合は、市の都市建設課へ「非木造の補助の有無」を直接問い合わせてください。
危険ブロック塀等撤去補助事業-令和8年度は10月30日で受付終了
高萩市の案内では、通学路等に面し、道路面からの高さが80cmを超える組積造または補強コンクリートブロック造の塀が対象です。補助額は、撤去工事費の3分の2以内か、撤去する延長1mあたり15,000円の3分の2に相当する額のうち低い額で、上限10万円。令和8年度の受付は令和8年5月11日から10月30日までで、すでに締め切られています(出典:高萩市 危険ブロック塀 撤去費用補助)。
交付決定通知を受けてから撤去工事の契約を結ぶ流れで、都市建設課への事前相談が前提です。敷地内にブロック塀がある管理組合は、令和9年度の募集に備えて、冬のうちに塀の高さと延長を測り、「管理組合も申請者になれるか」を都市建設課へ確認しておくと安心です。
同じく木造住宅耐震化促進補助事業(耐震改修・建替えの費用の5分の4以内、上限115万円、募集1戸)も、令和8年度は10月30日で受付を終えています(出典:高萩市 木造住宅の耐震改修・建替え支援)。
空き家解体支援事業費補助金-分譲マンションの共用部には当てはまらない
市ページによると、補助額は補助対象事業費の3分の1(上限30万円)、対象は戸建て又は併用住宅で、昭和56年5月31日以前の建築で、1年以上居住されていないものなどです。個人所有で、賃貸目的でないことも条件とされています。分譲マンションは対象に含まれないと読めますが、この点は窓口で確認してください。
家庭用蓄電システム設置費補助金-「自ら居住する住宅」が前提
補助額は5万円。対象は市内の自己所有・居住住宅に蓄電システムを設置する方で、「いばらきエコチャレンジ」への登録や、令和8年12月25日までの実績報告書の提出などが条件です。集合住宅や管理組合の扱いはページに記載がなく、窓口で確認が必要です。
浄化槽・狭あい道路
県の一覧には、高萩市浄化槽設置整備事業補助金と、狭あい道路拡幅整備促進補助金も載っています。浄化槽は、市のページで下水道計画区域外に浄化槽を設置する方が対象とされ、5人槽332,000円、7人槽414,000円、10人槽548,000円などと案内されています(出典:高萩市 浄化槽設置費補助金)。狭あい道路の補助額は確認できませんでした。分譲マンションは多くが公共下水道や集中浄化槽で処理されるため、個人向けの浄化槽補助が管理組合に関係する場面は少ないはずですが、市内でどのような排水方式を使っているかは、物件ごとに異なりますので、この点も断定はしません。
マイホーム取得応援補助金-購入者向けで、修繕には無関係
市ページによると、令和7年4月1日以降に所有権登記が完了した住宅購入者などが対象で、基本額は10万円、転入者には20万円が加算されます。リフォーム加算は、工事金額(消費税等を除く)の10%で上限20万円、市内施工業者による10万円以上の工事が条件です。受付は令和8年5月7日から令和9年1月29日まで(予定額に達したら終了)。共同住宅(マンション)の購入が対象かどうかは、ページに記載がありません。
ただし、これは「購入者」向けの制度です。すでにマンションを所有している管理組合の修繕工事には使えません。賃貸オーナーさまが空室対策に使える制度でもありません。
期限が迫る国の制度-住宅省エネ2026キャンペーン
対象になる事業と、期限
国土交通省・経済産業省・環境省の3省連携による「住宅省エネ2026キャンペーン」は、令和8年3月30日の国土交通省の報道発表によると、先進的窓リノベ2026事業、給湯省エネ2026事業、賃貸集合給湯省エネ2026事業、みらいエコ住宅2026事業などで構成されています。主な期限は次のとおりです。
| 項目 | 内容(報道発表・公式サイトの記載) |
|---|---|
| 申請の担当 | 消費者ではなく、住宅事業者等が交付申請を行う |
| 申請予約の期限 | 原則11月16日(ZEH水準住宅の注文のみ8月17日) |
| 申請受付の期限 | 原則12月31日(ZEH水準住宅の注文のみ9月30日) |
| 予約で確保できる期間 | 3か月間、または12月31日のいずれか早い日まで |
| 締切の条件 | 申請額(予約を含む)が予算上限に達した時点で締切 |
賃貸集合住宅の給湯器の交換などは、賃貸オーナーさまに関係する可能性があります。管理組合が共用部の窓や給湯設備の改修に使えるかどうかは、今回確認できた公式情報に記載がなく、判断できません。 事業者登録をした施工業者を通じて、制度の適用可否を確認する必要があります。
現実的な判断のしかた
私は、管理組合さまにはこう整理してお伝えしています。
- 共用部の窓(サッシ)の交換や、給湯設備の更新を、そもそも今年度中に行う予定があるかを確認する
- 予定があれば、登録事業者に「共同住宅・管理組合の申請可否」を、予約期限の11月16日より前に確認する
- 予定がない場合は、無理に工事を前倒しせず、来年度以降の制度に備えて情報を集める
補助金を使うために工事の時期を動かすと、かえって総額が増えることがあります。工事の必要性が先、補助金が後、という順番を崩さないでください。
マンション管理計画認定制度-高萩市は「県の認定区域」ではありません
誰が認定するのか
茨城県の公式ページによると、県が管理計画を認定するのは、県内の町村区域にある分譲マンションで、対象は茨城町、大洗町、城里町、東海村、大子町、美浦村、阿見町、河内町、八千代町、五霞町、境町、利根町の12町村です。市の区域のマンションについては、「各市にお問い合わせください」とされています。高萩市は市ですから、認定の窓口は高萩市です。高萩市の公式ページ「マンション管理計画認定制度(令和6年7月1日運用開始)」では、次のように案内されています(ページ更新日は2024年7月1日)。
| 項目 | 高萩市の案内 |
|---|---|
| 対象 | 市内の既存の分譲マンション |
| 申請者 | マンション管理組合の管理者等 |
| 基準 | 国土交通省告示の基準のとおり(市独自の基準はなし) |
| 市の手数料 | 無料 |
| 別途必要な費用 | マンション管理センターの事前確認の利用料10,000円。パターンにより事前確認審査料などが必要な場合あり |
| 有効期間 | 認定日から5年間 |
| 窓口 | 都市建設課 建築指導検査室(0293-23-7032) |
手続きは、マンション管理センターの「管理計画認定手続支援システム」で事前確認を受け、「事前確認適合証」の発行後に電子システムで市へ申請する流れです。
参考までに、県が認定する町村の場合の手数料は、1棟で4,000円(2棟以上は追加1棟につき2,000円加算)と案内されています。高萩市は市の手数料が無料ですので、町村のマンションより費用の壁が低いと言えます。
茨城県のマンション管理適正化推進計画は令和6年3月に策定され、県と29市が共同で作成したとされています。高萩市が計画に参加したかどうかは、確認できませんでした。
認定のメリット
県の公式ページでは、認定のメリットとして、固定資産税の特例措置(マンション長寿命化促進税制)と、融資金利の引下げ(マンション共用部分リフォーム融資)が挙げられています。認定基準は国土交通省の告示に従うもので、県独自の基準はないとのことです。
私が管理組合さまに勧めるのは、認定を取ること自体を目的にせず、基準を「自分たちの管理の通信簿」として使うことです。長期修繕計画の期間が30年以上か、修繕積立金の額が計画に見合っているか、総会の議事録は整っているか。認定基準の項目を一つずつ点検するだけでも、理事会の議論が前に進みます。
マンション長寿命化促進税制-工事完了の期限は令和9年3月31日
マンション長寿命化促進税制は、一定の要件を満たしたマンションが長寿命化工事を行った場合、翌年度分の建物の固定資産税額が減額される国の特例です。船橋市の案内ページによると、主な要件は次のとおりです。
| 項目 | 内容(船橋市ページの記載) |
|---|---|
| 築年数 | 新築から20年以上 |
| 規模 | 総戸数10戸以上 |
| 長寿命化工事 | 外壁塗装工事、床防水工事、屋根防水工事の全て |
| 減額 | 翌年度分の固定資産税額を3分の1減額(1戸あたり100平方メートル分まで) |
| 完了期間 | 令和5年4月1日から令和9年3月31日まで |
| 申告 | 工事完了日から3か月以内に資産税課へ |
高萩市の案内ページは確認できませんでした。 詳しい要件は国土交通省の案内と、高萩市の固定資産税担当窓口で確認してください。令和9年3月31日までに工事を完了させる必要があるため、今から総会の準備を始めて間に合うかを、逆算して考えることになります。大規模修繕は、診断から着工まで数か月かかるのが一般的です。期限に間に合わせるために仕様を削るのは、本末転倒です。
賃貸マンション・アパートのオーナーさまへ
分譲マンションの管理組合とは別に、市内に賃貸マンションやアパートをお持ちの個人・法人のオーナーさまも多いと思います。高萩市には、賃貸物件の外壁・屋根の修繕に使える市の補助は、確認できた範囲では見当たりません。 空き家解体補助も、賃貸目的でないことが条件とされています。
オーナーさまが押さえておきたいのは、次の3点です。
- 修繕の費用は、家賃収入の中から計画的に積み立てる。補助金は当てにしない
- 国の住宅省エネ2026のうち、賃貸集合住宅の給湯器関連は、期限までに適用可否を確認する価値がある
- 外壁タイルの浮きや屋上防水の劣化は、入居者の安全と空室率に直結する。診断だけでも先に行う
賃貸物件の修繕と資産価値の守り方は、収益不動産オーナーさま向けのご案内にまとめています。
高萩市のマンションの大規模修繕-足場を組むか、組まないかを、診断で決める
補助が少ない市では、費用の中身を知ることが最大の節約
補助金が使えないなら、頼りは修繕積立金です。そこで、工事費の中身を知っておくことが、そのまま節約になります。大規模修繕の費用は、建物の規模、形状、劣化の程度、仕様によって大きく変わるため、ここでは公的な単価表ではなく、私の実務感覚としての目安をお伝えします。個別の見積りを取らない限り、金額の確定はできません。
私の経験では、大規模修繕の総額のうち、足場の仮設・解体にかかる費用は、案件によってはおよそ2〜3割を占めることがあります。数字に幅があるのは、建物の高さや形、敷地の余裕、隣接地との距離で変わるためです。この「足場代」を、どう扱うかが工法選びの分かれ道です。
3つの工法を、公平に比べる
明誠は、通常の足場仮設による工事、ロープアクセスによる無足場工法、足場とロープアクセスを組み合わせたハイブリッド工法の3つから、建物にとって最適な方法をご提案しています。得意な工法に寄せず、建物の条件で選ぶという姿勢です。
| 比較項目 | 通常の足場工法 | ロープアクセス(無足場)工法 | ハイブリッド工法 |
|---|---|---|---|
| 向いている建物 | 全面の外壁改修、大規模な塗装・防水・タイル補修を一度にまとめたい建物 | 部分的な補修、タイル浮きの打診調査、シーリング打ち替え、足場を掛けにくい敷地 | 全面は足場、高所や足場を掛けにくい部分だけロープ、など混在する建物 |
| 費用面の特徴 | 足場の仮設費がかかるが、全面改修では効率が良い | 足場の仮設費を抑えられるが、全面改修では作業時間が延びる場合も | 建物ごとに最適配分を検討 |
| 居住者への影響 | 足場・養生による窓の閉塞感、防犯上の配慮が必要 | 窓をふさぎにくく、洗濯物や換気への影響が小さい | 部分的に影響が出る |
| 注意点 | 工期が長くなりやすい | 作業可能な範囲や天候条件に制約がある | 計画の組み立てに経験が必要 |
どの工法が正解かは、建物ごとに違います。大切なのは、足場を組むかどうかを最初から決めつけず、診断結果を見て工法を選ぶことです。ロープアクセス工法の一般的な安全基準や事例は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムにまとめていますので、あわせてご覧ください。当社のロープアクセス工法の詳細はロープアクセス工法のご紹介に、大規模修繕の総合提案は大規模修繕工事のご紹介に掲載しています。
海に近い立地と山あいの立地で、見るポイントが変わる
高萩市は、東は太平洋、西は多賀山地という地形です。一般論として、海に近い立地では、潮風に含まれる塩分が鉄部のさびや塗膜の劣化を早めることがあり、山あいでは、朝晩の冷え込みや湿気が外壁やシーリングに影響することがあります。ただし、高萩市内のどの地区でどの程度の影響があるかについて、私は公的なデータを確認していませんので、物件ごとの診断で見極めるのが確実です。
診断では、次の点を重点的に見ます。
- 手すりや階段、屋上の鉄部のさび(塗装の周期の目安)
- 屋上防水の立上りと排水口まわり(雨水が最初に集まる場所)
- 外壁タイルの浮き(打診調査で確認。落下事故につながるため後回しにしない)
- シーリング(目地のゴム状の充填材)の硬化・ひび割れ(サッシまわりの雨水侵入の入口)
打診調査とは、タイルなどを専用の棒で軽くたたき、音の違いで浮きを見つける検査のことです。ロープアクセス工法なら、足場を組まずに壁面に近づいて調査できるため、本格的な修繕の前に、調査だけを先に行うという進め方も選べます。調査の結果で、全面足場が必要か、部分補修で足りるかを判断できれば、無駄な出費を避けられます。
工事は「天候の安定した時期」に組む
外壁塗装や防水は、気温と湿度の条件が品質に影響します。梅雨や台風の時期、真冬の低温期を避けて工程を組むのが一般的です。具体的な施工の月は、診断後に建物の条件で決めますが、総会の決議から着工までには数か月の準備が必要ですので、逆算して動いてください。
この記事で確認できなかったこと(正直にお伝えします)
調査の限界も、正直に書いておきます。次の点は、今回の調査で公式サイトから確認できませんでした。
- 危険ブロック塀等撤去補助事業で、分譲マンションの管理組合が申請者になれるか
- 令和9年度の耐震化促進補助・ブロック塀撤去補助の募集予定(令和8年度は10月30日で終了)
- 狭あい道路拡幅整備促進補助金の補助額と対象
- 非木造の分譲マンションに対する耐震診断・耐震改修の市の補助の有無
- 市内の分譲マンションの棟数・戸数
- 高萩市のマンション長寿命化促進税制の案内ページ
- 住宅リフォーム補助金・蓄電システム補助金の、共同住宅・管理組合の扱い(市ページに記載なし)
また、国の住宅省エネ2026キャンペーンで管理組合が申請者になれるかどうかも、確認できた資料に記載がありませんでした。なお、高萩市公式サイトの一部ページはシステムの都合で本文を取得できず、県の公表資料と、取得できた市ページの記載で補っています。これらは窓口への問い合わせで解決できる内容ですので、次の質問リストを使ってください。
制度を使うときの共通の落とし穴
失敗しやすい3つのパターン
- 着工後に申請してしまう:住宅リフォーム補助金は着工前の申請が必要です。多くの補助制度は「交付決定前の着工は対象外」が基本です
- 先着順の枠を、総会を待つ間に使い切られる:高萩市の例のように、残数が数件まで減る制度もあります
- ページの日付を確認せず、古い条件で計画を立てる:更新日の表示と本文中の日付がずれているページがあります
窓口で使える質問リスト
電話や窓口で、次の質問をそのまま使ってください。
- 分譲マンションの管理組合(法人)が使える、共用部の修繕に関する補助はありますか
- 非木造(鉄筋コンクリート造)のマンションの耐震診断・耐震改修への補助はありますか
- 危険ブロック塀等撤去補助事業は、令和9年度も募集の予定がありますか。管理組合は対象ですか
- マンション管理計画認定の事前確認で、よく不足する書類は何ですか
- 認定を受けた場合の固定資産税の特例の、市の案内資料はありますか
- 先着順の制度は、現在の残数と、今年度の受付終了の見込みを教えてください
主な連絡先は、環境市民協働課(0293-23-7031)、都市建設課(0293-23-7032)、観光商工課(0293-23-7316)です(茨城県「高萩市の住宅関連助成制度」より)。
高萩市のマンションが大規模修繕に向けて動く5つのステップ
- 長期修繕計画を取り出す:直近の見直しがいつか、修繕積立金の残高と今後の見込みを確認します
- 劣化診断を先に行う:屋上・外壁・鉄部・シーリングの状態を、専門家の目で把握します
- 工法を比較する:足場・ロープアクセス・ハイブリッドを、診断結果をもとに比べます
- 制度の使える・使えないを仕分ける:この記事の早見表を、理事会で共有してください
- 総会に向けて、複数社の見積りを比べる:仕様を揃えたうえで、3社程度から相見積りを取るのが一般的です
よくあるご質問
Q. 高萩市で、マンションの大規模修繕工事費に使える補助金はありますか?
A. 2026年10月31日時点で、高萩市・茨城県の公式ページを確認した範囲では、分譲マンションの共用部の大規模修繕に使える市の補助金は見つかりませんでした。窓口でご確認ください。
Q. 高萩市の住宅リフォーム補助金は、マンションの管理組合でも使えますか?
A. 対象は「自らが所有し居住している家屋」とされており、管理組合が対象になるかは市ページに記載がありません。観光商工課(0293-23-7316)にご確認ください。なお、工事金額が100万円以上の場合の補助額は一律10万円とされています。
Q. 高萩市の木造住宅の耐震補助は、マンションに使えますか?
A. 茨城県のページでは、昭和56年以前の木造住宅が対象です。鉄筋コンクリート造のマンションは対象外と読めます。
Q. 国の住宅省エネ2026キャンペーンは、いつまでですか?
A. 国土交通省の報道発表によると、申請予約の期限は原則11月16日、申請受付の期限は原則12月31日で、予算上限に達した時点で締め切られます。
Q. 高萩市のマンション管理計画認定は、どこに申請しますか?
A. 高萩市(都市建設課 建築指導検査室)です。市のページでは令和6年7月1日に運用を始め、市の手数料は無料と案内されています。マンション管理センターの事前確認の利用料10,000円などは別途必要です(出典:高萩市)。
Q. マンション長寿命化促進税制は、いつまでに工事を終える必要がありますか?
A. 船橋市の案内ページによると、工事の完了期間は令和9年3月31日までです。築20年以上・10戸以上などの要件があります。
Q. 相談や見積りに費用はかかりますか?
A. 明誠では、診断のご相談や見積りの段階での費用の扱いは、案件ごとにご説明しています。まずはお問い合わせください。
この記事のポイントまとめ
- 高萩市には、マンション共用部の大規模修繕に使える市の補助は見当たらない
- 市の制度は戸建て向けで、先着・残数わずかのものが多い
- 国の住宅省エネ2026は予約が原則11月16日まで
- 管理計画認定は高萩市が窓口で、市の手数料は無料(事前確認料は別途)
- 耐震化促進補助とブロック塀撤去補助は令和8年10月30日で受付終了
- 診断を先に行い、足場の要否を見極めることが修繕費を守る近道
出典・参考資料
- 茨城県「高萩市の住宅関連助成制度」(令和8年4月1日更新)
- 高萩市「住宅リフォーム補助金」(2026年4月3日更新)
- 高萩市「マイホーム取得応援補助金」(2026年5月5日更新)
- 高萩市「家庭用蓄電システム設置費補助金」(2026年6月18日更新)
- 高萩市「空き家解体支援事業費補助金」(表示更新日2026年6月7日)
- 茨城県「木造住宅の耐震診断・改修の補助」(2026年6月10日更新)
- 茨城県「マンション管理計画認定制度」(2026年4月1日更新)
- 茨城県「マンションに関する情報」
- 茨城県「高萩市の概況」
- 茨城県「茨城県の市町村の姿 高萩市」
- 国土交通省「住宅省エネ2026キャンペーン(報道発表)」(令和8年3月30日)
- 住宅省エネ2026キャンペーン【公式】「ポータルサイト」
- 国土交通省「マンション長寿命化促進税制」
- 船橋市「マンション長寿命化促進税制」(要件の参考として引用)
- 高萩市「マンション管理計画認定制度(令和6年7月1日運用開始)」(2024年7月1日更新)
- 高萩市「危険ブロック塀 撤去費用補助」
- 高萩市「木造住宅の耐震改修・建替え支援」
- 高萩市「浄化槽設置費補助金」
本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月31日時点で公表されている茨城県・高萩市・国土交通省ほかの公式情報をもとに執筆しています。補助制度は予算や要綱の改正で内容が変わることがあり、先着順の制度は予算に達し次第終了します。申請前に、各窓口で最新の内容をご確認ください。
結びに
高萩市は、海と山に挟まれた、人口2万4千人あまりの市です。市の補助が個人の戸建て向けに組まれ、マンションの共用部に届く制度が見当たらないからこそ、管理組合は「前例がない」「相談相手がいない」と感じやすいはずです。使える制度と使えない制度を最初に仕分け、ページの日付と残数を鵜呑みにせず、診断を先にして足場の要否を見極めることが、修繕費を守る一番の近道だと私は考えています。10月末の今は、国の住宅省エネ2026の予約期限と、来年度の受付開始に向けた準備の、ちょうど分かれ目の時期です。長期修繕計画の見直しや、屋上・外壁・目地の診断の進め方の相談だけでも、お力になれることがあります。ご相談だけでも遠慮なく明誠へのお問い合わせフォームからお声がけください。
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▼ロープアクセス工法・無足場工法の詳細解説はこちら
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この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年10月31日
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