大規模修繕はロープアクセスが提案可能な東京の明誠へ

創業から6000棟超の施工実績

ナフサショックが武蔵野市の公共工事を直撃。インフラ・公共施設の維持管理に何が起きているのか—

ナフサショックが武蔵野市の公共工事を直撃。インフラ・公共施設の維持管理に何が起きているのか—

2026年春、日本の建設業界を揺るがしている「ナフサショック」。日経新聞をはじめとする各メディアが連日報じているこの危機は、当初こそ住宅やマンションといった民間建築の話題として語られていました。しかしここに来て、影響は確実に公共工事の領域にまで波及しはじめています。学校、庁舎、公営住宅、橋梁、トンネル、上下水道、道路舗装——私たちの暮らしを支えるインフラと公共施設の整備・維持管理に、いったい何が起きているのか。そして、この事態が長期化した場合、社会全体にどのような懸念が生じるのか。本記事では、公共工事の現場で起きている異変と今後の懸念事項を整理したうえで、明誠が提案する打開策をお伝えします。

第1章:ナフサショックが公共工事に到達するまでのタイムラグ

まず押さえておきたいのは、ナフサショックが公共工事に与える影響は、民間工事よりも「遅れて」「しかし深く」現れるという特徴です。

2026年2月末のホルムズ海峡封鎖以降、ナフサ価格は急騰し、3月下旬から建材メーカーの値上げ・受注制限・出荷停止のアナウンスが連日相次ぎました。塗料の最大75%値上げ、ルーフィング40〜50%値上げ、断熱材40%値上げ、TOTOによるユニットバスの新規受注停止——こうした衝撃的なニュースが3月から4月にかけて建設業界を駆け巡ったのは、皆さまの記憶にも新しいところでしょう。

民間の住宅工事や大規模修繕工事の現場では、こうした値上げや納期遅延が即座に問題化しました。なぜなら、民間工事は受注時の見積もりと施工時の実勢価格の差を、施主と施工会社の協議で柔軟に調整できる余地があるからです。

ところが公共工事の場合、事情が大きく異なります。公共工事は入札制度に基づいて契約されるため、契約後に資材価格が高騰しても、原則として請負金額は変更できません。つまり、3月以前に契約された公共工事は、ナフサショックによる資材高騰のコスト増を、すべて施工業者が被ることになるのです。これは中小建設業者にとって、文字通り「経営を揺るがす」事態となっています。

そしてこの問題が表面化するのには、時間がかかります。なぜなら、公共工事は契約から完成まで半年〜数年単位の長期にわたるケースが多く、契約済み案件の損失は工事の進捗とともに徐々に顕在化するからです。一方、これから入札される新規案件では、業者側が値上げリスクを織り込んで応札することになるため、結果として入札不調・不落(応札者がいない、あるいは予定価格を超過する)が増加していきます。これが現在、地方自治体の発注現場で実際に起きている現象です。


第2章:国土交通省の異例の対応——単品スライド条項の運用通知

事態の深刻さを示す象徴的な出来事が、2026年4月21日に発生しました。国土交通省が、中東情勢の変化による原材料費等の価格高騰を踏まえ、適正な請負代金および工期確保のため、直轄工事における「単品スライド条項」の運用を各地方整備局に通知し、さらに各都道府県、各指定都市、各省庁の発注者に対しても同様の通知を行ったのです。

ここで「単品スライド条項」について簡単に説明しておきましょう。これは公共工事標準請負契約約款第26条第5項に規定されている条項で、特定の主要工事材料の価格に著しい変動が生じ、請負代金額が不適当となったときに、請負代金額の変更を請求できる仕組みです。

この条項のルーツは、実は1980年(昭和55年)の第二次オイルショックにまで遡ります。当時、特定の材料価格が急騰したものの、単年度工事では「全体スライド条項」で対応できないことから、個々の工事ごとの特約条項として実施され、翌1981年に標準約款に追加されました。直近では、令和4年(2022年)にロシアのウクライナ侵攻に伴う鋼材・燃料油の急騰時にも運用ルールが改定されています。

つまり、国交省が単品スライド条項の運用通知を発出するのは、戦時に近い経済ショックが起きているという認識の表れなのです。今回の通知は、実質的に「ナフサショックは平時の価格変動の範囲を超えており、施工業者だけに負担を負わせるのは不当である」と国が宣言したことを意味します。

しかし、ここに大きな課題があります。国直轄工事と都道府県・指定都市の発注工事については単品スライド条項の運用が明確化されたとしても、市町村レベルの公共工事や、独立行政法人・特殊法人が発注する工事では、必ずしも同様の対応が即座に適用されるとは限りません。さらに、スライド条項を適用するには受注者が購入先・購入時期・購入金額を証明できる納品書や請求書を提出する必要があり、書類の整備や協議に時間がかかります。

加えて、品目ごとの変動額が請負代金額の1%を超える品目しか対象にならないという制約もあり、実務上は中小規模の工事ではスライド条項が適用しづらいケースも少なくないのです。


第3章:公共工事の現場で起きている4つの異変

公共工事の発注・施工現場では、ナフサショックを起点に、すでに次の4つの異変が顕在化しはじめています。

1つ目は、入札不調・不落の急増です。 道路舗装に使うアスファルト混合物、橋梁の塗装に使う重防食塗料、トンネル内装の防水材、上下水道の塩ビ管・ポリエチレン管——これらすべてが値上げ対象となっており、設計時の積算単価では実勢価格に追いつかない事態が広がっています。応札する業者にとっては「受けたら赤字」となるため、応札を見送るか、予定価格を大きく超える金額で応札せざるを得ず、結果として入札不調が頻発しています。

2つ目は、契約済み工事の工期延長要請です。 屋根防水材や塗料など、ナフサ由来製品の納期が読めない状況下では、当初の工期では工事を完了できません。発注者である自治体は工期延長を認めざるを得ず、その間の現場管理費や仮設費用は施工業者が負担する形となり、利益を圧迫しています。

3つ目は、地方自治体の予算執行リスクです。 公共工事の予算は単年度執行が原則であり、年度内に契約・完成しなければ予算が消滅する案件が多くあります。資材調達の遅延で年度内完成が困難となれば、繰越手続きや債務負担行為の設定など、複雑な財政手続きが必要となり、自治体の事務負担も急増します。

4つ目は、中小建設業者の経営悪化です。 帝国データバンクの調査によれば、ナフサ関連製品のサプライチェーンに連なる製造業は全国で約4万7,000社に上り、これに連なる建設業者・専門工事業者を含めれば、影響を受ける事業者は計り知れません。価格転嫁ができない中小事業者は、利益を削って工事を完成させるか、最悪の場合は工事を中断せざるを得ない事態に追い込まれかねません。


第4章:今後の懸念事項——5年先・10年先に何が起きるのか

ここからは、ナフサショックが公共工事の領域にもたらしうる「中長期的な懸念事項」を整理します。これらは現時点ではまだ顕在化していませんが、放置すれば日本社会全体に深刻な影響を及ぼす可能性がある論点です。

懸念1:インフラ老朽化対策の停滞

日本の橋梁・トンネル・上下水道などの社会インフラは、高度経済成長期の1960〜70年代に整備されたものが多く、現在まさに更新期を迎えています。国土交通省の試算では、建設後50年を超えるインフラの割合が急速に増加し、維持管理・更新費用は年間数兆円規模に上ると見込まれています。

ところがナフサショックにより、塗装・防水・コーティングといった保護工事のコストが大幅に上昇し、なおかつ資材調達の不確実性が高まると、自治体は限られた予算でカバーできるインフラの範囲を縮小せざるを得ません。結果として、本来手を入れるべき橋梁の塗装や防水補修が先送りされ、構造物の劣化が加速するというリスクが現実化します。これは10年後・20年後の社会安全に直結する重大な懸念です。

懸念2:公共建築物の保全レベル低下

学校・庁舎・公営住宅・公民館・図書館——こうした公共建築物にも、12〜15年周期の大規模修繕工事が必要です。しかし、ナフサ由来の塗料・シーリング材・防水材が高騰し続ければ、計画通りの修繕工事を実施できない自治体が増えることが予想されます。

特に懸念されるのは、児童・生徒・高齢者・住民が日常的に利用する施設の安全性です。外壁タイルの剥落、屋上防水の破断、シーリングの劣化による漏水——これらは放置すれば人身事故や建物の構造的損傷につながりかねません。「予算がないから工事を先送りした」結果、より重大な被害を招くという悪循環は、絶対に避けなければなりません。

懸念3:建設業者の淘汰と地域インフラの担い手不足

ナフサショックによる利益率の悪化は、特に体力の弱い中小建設業者を直撃します。地方の中小建設業者は、地域の公共工事を担う重要なプレーヤーであると同時に、災害時の復旧工事の担い手でもあります。彼らが経営難で淘汰されれば、平時のインフラ維持はもちろん、災害時の応急対応にも支障が出ます。

これは単なる業界問題ではなく、地域社会の安全保障にかかわる問題です。建設業就業者の高齢化と若年層の不足が長年指摘されてきた中で、ナフサショックがその構造的課題に追い打ちをかける可能性があります。

懸念4:脱石油・代替材料への移行コスト

中長期的には、ナフサショックを契機に、石油依存度の低い代替素材への移行が加速していくことが予想されます。グラスウール、セルロースファイバー、羊毛系断熱材、無機系塗料、生分解性プラスチック——こうした非石油系材料への切り替えは、サステナビリティの観点では望ましい変化です。

しかし、移行期には材料費だけでなく、施工技術の習得、品質管理基準の整備、長期耐久性の検証など、多大なコストと時間がかかります。公共工事の発注仕様も改定が必要となり、設計・監理の現場には大きな負担が生じます。

懸念5:日本の調達戦略の脆弱性露呈

今回のナフサショックが浮き彫りにしたのは、日本のエネルギー・原材料調達戦略の脆弱性です。日本は輸入ナフサの約74%を中東産に依存しており、原油の230日備蓄に対してナフサは民間在庫約20日分しかありません。この構造的弱点は今に始まった話ではありませんが、今回ようやく国民に広く認識されることとなりました。

今後、政府レベルでナフサ備蓄制度の創設、調達先の多角化、国内化学産業の再編・強化といった議論が本格化するでしょう。しかし、こうした構造改革には10年単位の時間を要します。その間、建設業界は「次のショック」のリスクを抱えながら走り続けることになります。


第5章:明誠が提案する打開策——「ロープアクセス×ピンポイント工事」が公共工事の救世主になりうる理由

ここまで深刻な懸念事項を並べてきましたが、明誠は決して悲観だけを語るためにこの記事を書いているのではありません。むしろ、こうした困難な時代だからこそ、私たちが15年以上にわたって取り組んできたロープアクセス工法×ピンポイント工事という事業形態が、社会的価値を発揮できると確信しています。

ロープアクセス工法とは、産業用ロープと専用器具を使って職人が建物の外壁や橋梁・タンクなどに直接アクセスし、塗装・シーリング・タイル補修・防水・調査などの作業を行う工法です。明誠が手がけているこの工法は、通常の足場工事と比較して平均20%程度のコスト削減が可能であり、それは公共工事の領域においても同様です。

しかし、コスト削減効果以上に重要なのが、「資材の使用量を最小限に抑えられる」という特性です。

従来の足場工事による大規模修繕では、足場を組み上げた以上、外壁全面・屋上全面の工事をまとめて行うのが効率的という発想が支配的でした。しかしロープアクセス工法であれば、本当に劣化が進んでいる箇所だけを選んで集中的に補修することが可能です。これがピンポイント工事の真価です。

ナフサショック下の今、この発想がいかに有効かをご想像いただきたいと思います。値上げで高騰した塗料・シーリング材・防水材を、必要最小限の量だけ使う。納期遅延が懸念される資材を、本当に必要な部分にだけ投入する。これにより、コスト増の影響を実質的に圧縮できるのです。

公共建築物の保全において、明誠は次のような提案をさせていただいております。

第1に、建物調査の徹底実施です。 ロープアクセスでの外壁打診調査・漏水調査により、構造物のどの部分が緊急性を要するかを正確に把握します。これにより、限られた予算を最も必要な部位に集中投下できます。

第2に、緊急性の高い箇所のピンポイント補修です。 雨漏りリスクのあるシーリング劣化部、タイル浮き、防水層破断などを、足場をかけずに、最小限の資材で補修します。資材使用量が10分の1以下になるケースもあり、ナフサショックの影響を受けにくい工事形態となります。

第3に、本格的な大規模修繕工事の戦略的先送りです。 ナフサ供給が安定するであろう時期まで、本格工事を先送りしつつ、その間の建物状態をピンポイント補修で維持します。これは管理組合や自治体の予算を守る合理的な戦略です。

第4に、フランチャイズ本部としての全国展開支援です。 ロープアクセス工事を実施できる会社は日本国内ではまだ限られています。明誠はFC本部として、全国の建設会社に対してロープアクセス工法の技術移転と安全管理ノウハウの共有を行い、各地域でこの工法を利用できる環境を整備しています。これは、公共工事の領域でロープアクセス工法を本格採用してもらうための土台づくりでもあります。

公共工事の発注機関の皆様におかれましては、ぜひ次のような視点を取り入れていただきたいと考えています。「本当に外壁全面の塗装・防水が必要なのか」「足場代を含めた工事費総額のうち、純粋な保全工事に充てられている割合はどれくらいか」「ピンポイント補修と段階的修繕という選択肢はどうか」——これらの問いを発することで、ナフサショック下でも公共インフラ・公共建築物の保全レベルを維持しうる新たな道筋が見えてくるはずです。


おわりに——危機を「業界の構造改革」の起点に変える

ナフサショックは、間違いなく日本の建設業界にとって試練の時です。公共工事の領域においても、入札不調、工期遅延、業者の経営悪化、インフラ老朽化対策の停滞といった深刻な課題が顕在化しつつあり、今後5年・10年のスパンで日本社会に影響を及ぼしうる重大な局面にあります。

しかし、同時にこれは、長年抱えてきた業界の構造問題——足場ありきの工事発想、12〜15年周期の画一的修繕、石油依存の建材調達構造——を見直す絶好の機会でもあります。ロープアクセス工法×ピンポイント工事という発想は、コスト削減のためだけの手段ではなく、これからの建物保全のあり方そのものを問い直す提案です。

明誠は、民間のマンション・ビルオーナー様だけでなく、公共工事を発注する自治体・管理者の皆様にも、この新しい工事の選択肢を知っていただきたいと願っています。危機を「変革の起点」に変える発想こそが、これからの時代の建設業界を支える原動力になると、私たちは信じています。


弊社は通常の足場による大規模修繕工事と無足場工法によるロープアクセス工事の両方から最適なご提案が出来る日本でも数少ない事業形態で、ロープアクセスによる工事は通常の足場による工事と比べて平均20%ほど安く工事が可能です。一方でロープアクセスで工事を行える会社が非常に少ないため、ロープアクセスによる工事が行える会社を増やすためにFC本部として安価に施工が出来る会社を増やしています。事業内容として外壁打診調査、漏水調査、ピンポイントの塗装、防水、タイル補修など建物の事であれば何でも行っています。また空室対策、不動産管理、地震保険や補助金助成金申請サポート、各専門の士業の御紹介などオーナー様の様々なお困りごとをトータルでサポートもしております。相談は無料ですので、お悩みがある方は、お気軽にお問い合わせください。

お問合せ先:https://rita-construction.com/contact/