
「修繕積立金が、計画していた額に届いていない」――相模原市内の管理組合で理事長さまとお話しすると、最初の30分でほぼ決まってこの話に行き着きます。築20年を超えたあたりから、外壁や防水の劣化は待ってくれません。一方で積立金の値上げは総会でなかなか可決されない。このギャップに、理事会の皆さまは毎年頭を悩ませておられます。
私は20年近く、マンションやビルの大規模修繕の現場で叩き上げてきました。その経験から正直に申し上げます。相模原市の管理組合は、使える制度を「知らないまま」工事に入ってしまうケースが、本当に多いのです。相模原市・神奈川県・国には、管理組合が主体となって使える補助金や税の優遇が、実は何層にも用意されています。これらを工事計画と一緒に設計するだけで、戸あたりの負担は目に見えて変わります。
この記事では、相模原市の分譲マンション管理組合が2026年度(令和8年度)に活用できる支援制度を、入口の相談から、アドバイザー派遣、耐震診断・耐震改修、管理計画認定、省エネ改修、そして固定資産税の減額まで、申請の順番と落とし穴も含めて整理します。読み終えたとき、次の理事会で「まず何を確認すべきか」がはっきりしているはずです。
1. なぜ今、相模原市の管理組合は「補助金・税制を絡めた大規模修繕」を考えるべきか
相模原市は、中央区・南区・緑区の3区からなる政令指定都市です。橋本・相模大野・古淵といった主要駅の周辺を中心に分譲マンションのストックが厚く、高度経済成長期からバブル期に供給された住棟の多くが、いままさに「2回目・3回目の大規模修繕」の時期を迎えています。リニア中央新幹線の駅が予定される橋本エリアなど、これから資産価値の評価が問われる地区も少なくありません。
ここで管理組合が直面するのが、次の3つの壁です。
第一に、修繕積立金の不足です。国土交通省の「マンション総合調査」でも、長期修繕計画上の必要額に対して積立額が不足している組合が一定割合あることが繰り返し指摘されています(出典:国土交通省 マンションに関する統計・データ等)。工事単価が上がっている近年、この不足は以前より重くのしかかります。
第二に、合意形成の難しさです。区分所有者の高齢化、賃貸化、空室化が進むと、総会で工事の議決を得ること自体が容易ではなくなります。
第三に、情報の非対称です。補助金や税制は、申請のタイミングや要件が細かく、しかも年度ごとに変わります。理事は数年で交代するため、ノウハウが組合に蓄積されにくいのです。
私はこれを、いつも「制度の取りこぼし」と呼んでいます。工事そのものは避けられない出費でも、制度を絡めれば「実質負担」は下げられます。たとえば固定資産税の減額は、工事費そのものを安くするわけではありませんが、工事後に区分所有者全員の税負担が軽くなるため、総会で工事を通すための「説明材料」になります。補助金は積立金不足の穴埋めに直接効きます。
ここからが本題です。相模原市の管理組合が使える制度を、順番に見ていきましょう。
2. 相模原市が持つ管理組合向け支援制度
相模原市は、いきなり「お金を出す制度」に飛びつくのではなく、まず相談と現状把握から入れる入口を丁寧に整えているのが特徴です。順番に紹介します。
2-1. 入口の相談――分譲マンションアドバイザー派遣制度
「何から手をつければいいか分からない」という組合に、私が最初におすすめするのがこの制度です。相模原市は、市内の分譲マンション管理組合等の自主的な取組みを支援するため、管理組合の設立・管理規約の見直し・大規模修繕や改修・建替えなど、マンションに関するさまざまな課題について、専門家が現地に赴いてアドバイスする制度を設けています(出典:相模原市「分譲マンションアドバイザー派遣制度について」)。
費用負担は、回数によって段階的に変わります。
| 回数 | 自己負担 |
|---|---|
| 初回 | 無料 |
| 2・3回目 | 費用の3分の1 |
| 4・5・6回目 | 費用の2分の1 |
費用は1時間あたり1万円、1回あたり3時間が上限です。派遣場所は、管理組合等が準備した集会場などになります。申込みは電話または直接窓口で受け付けており、問い合わせ先は相模原市住宅課(電話 042-769-9817)です。
工事業者に相談する前に、まず中立的な専門家に現状を見てもらう。これは遠回りに見えて、いちばん安全な入口です。初回が無料で使えるのですから、使わない手はありません。神奈川県も県域で「マンションアドバイザー派遣事業」を実施していますので、状況に応じて使い分けられます(参考:神奈川県「マンションアドバイザー派遣事業」)。
2-2. 学びの場――マンション管理セミナー・マンション相談
相模原市は、管理組合の理事や区分所有者に向けたマンション管理セミナーを開催しており、管理運営や大規模修繕、長期修繕計画の基礎を学べる機会を提供しています(出典:相模原市「マンション管理セミナー」)。あわせて、マンション相談の窓口も用意されています(出典:相模原市「マンション相談について」)。
理事が毎年交代する組合では、知識の引き継ぎが弱点になりがちです。こうしたセミナーや相談を「理事の引き継ぎ資料づくり」の機会として使うと、組合のノウハウが少しずつ積み上がっていきます。
2-3. 旧耐震マンションの要――相模原市マンション耐震診断補助制度
1981年(昭和56年)5月31日以前に建築確認を得て工事に着手した、いわゆる「旧耐震」の分譲マンションには、相模原市の耐震診断補助があります。対象は、次の条件をすべて満たす分譲マンションの管理組合です(出典:相模原市「旧耐震基準の分譲マンションの地震対策を支援します」)。
- 市の耐震巡回相談を受け、耐震診断を行うことの決議書を得ていること
- 昭和56(1981)年5月31日以前に建築確認を得て、工事に着手したもの
- 鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造または鉄骨造のもの
補助の水準は、耐震診断に係る費用の6分の5以内の額で、1住戸につき5万円を限度(市の予算の範囲内)とされています。
ここでひとつ、現場の人間として強くお伝えしたいことがあります。補助を受けるには、市の「耐震巡回相談」を先に受け、総会で診断の決議を取っておくことが要件です。つまり、いきなり業者に診断を頼むのではなく、「巡回相談 → 総会決議 → 補助申請 → 診断」という順番を守る必要があるのです。この順番を飛ばすと、せっかくの補助が受けにくくなります。耐震巡回相談自体は無料ですので、旧耐震が疑われる住棟は、まずここから動くのが正解です。
2-4. 診断の次へ――分譲マンション耐震改修補助制度
耐震診断の結果、耐震改修工事が必要と判定されたマンションには、改修計画の作成費用と改修工事費用を助成する制度が続いて用意されています(出典:相模原市「旧耐震基準の分譲マンションの地震対策を支援します」)。
- 耐震改修計画作成費用:作成に要する費用の3分の2以内の額で、1住戸につき5万円を限度(市の予算の範囲内)
- 耐震改修工事費用:補助制度あり(補助率・上限額の詳細は市にお問い合わせください)
補助対象は、住居の用に供する部分とされ、店舗等の用途に供する部分は除かれます(住居と店舗を兼ねる場合で、店舗部分が住居の2分の1未満のものは含む)。診断・計画・工事を一連の流れとして設計できるのがこの制度の良いところで、市の補助を受けて改修計画を作成したものが工事補助の対象になります。耐震に関する窓口は、相模原市建築政策課 耐震推進班(電話 042-769-8252)です。
2-5. 税制・融資の土台づくり――マンション管理計画認定制度
相模原市は、管理組合が立てた管理計画が一定の基準を満たす場合に、適切な管理が行われているマンションとして市が認定する「マンション管理計画認定制度」を設けています(出典:相模原市「マンションの管理計画認定制度について」)。
相模原市の場合、認定にあたって市独自の基準(防災に関する取組み)についての事前相談を住宅課で受け付けている点が特徴です。マンション管理センターによる事前確認を経て、「管理計画認定手続支援サービス」を通じて市へ申請する流れになります。
認定を取得すると、市場での評価が高まるほか、住宅金融支援機構の融資の金利優遇など波及するメリットがあります。そして相模原市では、後述する長寿命化促進税制の入口要件としても、この認定が効いてきます。私はこれを、補助金・税制を効かせるための「土台づくり」と位置づけて、長期修繕計画の見直しとワンセットで理事会にご提案するようにしています。
3. 固定資産税が半額に――マンション長寿命化促進税制
補助金が「入口の出費」を軽くするのに対し、税制は「工事後の負担」を軽くします。なかでも管理組合がぜひ知っておくべきなのが、マンション長寿命化促進税制です。相模原市も公式に案内しています(出典:相模原市「マンション長寿命化促進税制について」)。
3-1. 制度の中身
一定の要件を満たすマンションで、長寿命化に資する大規模修繕工事(外壁塗装等工事・床防水工事・屋根防水工事)を実施すると、各区分所有者が翌年度に支払う建物部分の固定資産税が2分の1減額されます。減額の適用期間は1年間です。
ここがこの制度の優れたところで、減額は区分所有者全員に及びます。総会で「工事をすると、来年の皆さんの固定資産税が半分になります」と説明できれば、合意形成の追い風になります。数字の体感としては、たとえば建物部分の固定資産税が1戸あたり年5万円のマンションなら、その年は2.5万円が軽くなる計算です。50戸あれば組合全体で年125万円規模の効果になります。
3-2. 適用要件と「管理計画認定」との関係
相模原市の案内によると、対象となるのは次の要件をすべて満たすマンションです。
- 築20年以上かつ10戸以上であること
- 過去に長寿命化工事(外壁塗装等工事、床防水工事および屋根防水工事)を行っていること
- 令和5年4月1日から令和9年3月31日までの間に、2回目以降の長寿命化工事を完了していること
- 次の(1)または(2)に該当すること
– (1) 管理計画認定マンション(修繕積立金の額を、国が示す基準以下から管理計画の認定基準まで引き上げたもの)
– (2) 長期修繕計画に係る助言・指導を受けて長期修繕計画の作成または見直しを行い、一定の基準に適合したもの
ここで、相模原市の「管理計画認定制度」や「長期修繕計画に係る助言・指導」が、税制の入口要件として直結していることが分かります。工事完了後、3か月以内に申告が必要で、申告方法や必要書類は市の案内ページで確認できます(出典:相模原市「長寿命化工事が行われたマンションに対する固定資産税の減額について」)。
なお、相模原市の案内では、この税制や管理計画認定制度に関する相談窓口として、一般社団法人日本マンション管理士会連合会の相談ダイヤル(電話 03-5801-0858、平日10時〜17時)が紹介されています。制度の細部に迷ったら、こうした窓口も活用できます(参考:国土交通省「マンション長寿命化促進税制」)。
4. 国・神奈川県の制度(2026年度)で省エネ改修を「戸あたり」で効かせる
相模原市・神奈川県の制度に、国の省エネ補助を重ねると、大規模修繕に「断熱」や「設備更新」を組み込んだときの戸あたり負担がさらに下がります。2026年度(令和8年度)の主役は次の制度群です。
4-1. 先進的窓リノベ2026事業
窓を断熱性能の高いものに交換・設置する工事に、国(環境省)が大型の補助を出す制度です。2026年は補助上限が1戸あたり最大100万円となっています(2025年の上限200万円から変更)。重要なのは、管理組合・管理組合法人が施主となって建物全体を一括で申請するケースも対象になる点です(戸単位での申請も可)。大規模修繕に合わせて全戸の窓を断熱改修する、といった使い方ができます。出典:先進的窓リノベ2026事業【公式】(環境省)。
申請は、事務局に登録された「窓リノベ事業者」が管理組合に代わって行う代理申請が必須の仕組みです。区分所有者や組合が直接申請するものではありません。だからこそ、制度に精通した施工会社を選ぶことが、そのまま補助の取りこぼし防止につながります。なお、本事業は予算(1,125億円)の上限に達し次第、受付が締め切られますので、活用するなら早めの段取りが肝心です。
4-2. 給湯省エネ2026・住宅省エネ2026キャンペーン
高効率給湯器(エコキュート等)の導入を補助する「給湯省エネ2026事業」など、断熱改修や設備更新を対象にする国の制度群も走っています。これらは一定の範囲で併用が可能で、窓の断熱改修と給湯器交換を同時に行えば、それぞれの補助を受けられます(出典:住宅省エネ2026キャンペーン)。
大規模修繕のタイミングは、足場が架かる、あるいはロープアクセスで建物全周にアクセスできる「またとない機会」です。このときに窓や設備の更新をまとめて行うと、後から単独で工事するより足場・仮設のコストを節約でき、補助の対象工事も増やせます。
4-3. 神奈川県の省エネ補助も重ねる
神奈川県も既存住宅の省エネ改修に対する補助制度を用意しています。指定の省エネ改修が対象で、外気に接する窓(玄関ドア等を含む)の改修を必須とし、交付決定を受けた後に着工することが条件とされるのが一般的です。国・県・市の制度の重複利用の可否や、その年度の受付状況は、必ず各窓口で確認が必要です(参考:神奈川県ホームページ)。相模原市の住まいに関する助成・補助制度は、市のまとめページからも確認できます(出典:相模原市「助成・補助制度」)。
5. 申請タイミングという落とし穴――「交付決定前の契約」は全部パー
ここまで多くの制度を紹介しましたが、すべてに共通する、いちばん大事な原則を改めて強調させてください。
「補助金は、交付決定を受ける前に契約・着工したものは対象外になる」
国・県の省エネ補助は「交付決定前に着工しないこと」が条件です。相模原市の耐震診断補助も、「巡回相談 → 総会決議 → 申請 → 診断」という順番が前提になっています。長寿命化促進税制も、工事完了後3か月以内という申告期限があります。
私の経験上、ここでつまずく組合が本当に多いのです。総会で工事業者を決め、契約を交わし、いざ着工してから「補助金を使いたい」と相談に来られても、もう間に合わない。制度は「動き出す前」に組み込むものです。理事会のスケジュールを引くとき、私はいつも「①事前相談 → ②申請 → ③交付決定 → ④契約・着工」という順番を最初に書き出すようお伝えしています。
逆に言えば、この順番さえ守れば、複数の制度を計画的に重ねられます。早めに動くこと――それが相模原市で補助金を取りこぼさない、最大のコツです。
6. 相模原市の管理組合・補助金活用ロードマップ(着手順)
ここまでの制度を、実際に動かす順番でまとめます。
- 分譲マンションアドバイザー派遣で現状把握。初回無料。管理運営・積立金・長期修繕計画の課題を、中立の専門家と一緒に洗い出す。
- マンション管理セミナー・マンション相談を活用し、理事会内の知識の土台をそろえる。
- 長期修繕計画の作成・見直し(助言・指導の活用を検討)。工事範囲と積立金の水準を確定させ、長寿命化促進税制の入口要件も整える。
- マンション管理計画認定の取得を検討。市独自基準(防災)の事前相談を住宅課で受け、税制・融資優遇の土台を作る。
- 旧耐震なら耐震巡回相談 → 総会決議 → 耐震診断補助 → 耐震改修補助。順番が補助の要件そのもの。
- 大規模修繕の本体工事に、国・県の省エネ補助を組み込む(窓・給湯・断熱)。施工会社は制度対応の実績で選ぶ。
- 工事完了後3か月以内に長寿命化促進税制を申告し、翌年度の固定資産税減額を受ける。
この順番の肝は、「お金を出す前に、相談と認定で土台を作り、制度の交付決定を取りに行く」ことに尽きます。
6-1. 数字で見る試算イメージ(相模原市・50戸・築25年のケース)
あくまで考え方を示すためのイメージで、実際の金額は建物の状態・面積・工事内容により変わりますが、効果の「桁感」をつかんでいただくために置いてみます。
| 項目 | 概算 |
|---|---|
| 大規模修繕工事費(本体) | 約9,000万円 |
| 省エネ改修(窓・断熱を組み込み) | 上乗せ工事費の一部を国・県補助でカバー(窓は最大100万円/戸が上限) |
| 耐震診断(旧耐震の場合) | 診断費用の6分の5以内・1住戸5万円上限の補助 |
| 固定資産税減額(長寿命化促進税制) | 翌年度、建物部分の固定資産税が組合全体で半額(戸あたり数万円規模) |
工事費そのものを大きく削るというより、「省エネ部分の上乗せを補助で吸収」「翌年度の税が軽くなる」という形で、実質負担を多面的に下げるのが相模原市での王道です。
7. 大規模修繕は「工法の選択肢」で総額が変わる――明誠の3工法提案
ここからは、私たち株式会社明誠のサービスのご案内です(自社紹介のセクションとして明確に区切ります)。
補助金や税制で「実質負担」を下げる一方、工事の総額そのものを左右するのが工法の選び方です。マンションの大規模修繕というと、建物全体に足場を架ける「通常足場工法」が当たり前だと思われがちです。しかし足場の仮設・解体には相応の費用と工期がかかり、足場が架かっている間は居住者の生活にも影響が出ます。
明誠は、建物の特性に応じて3つの工法から最適な提案ができる、日本でも数少ない会社です。
第一に、通常足場工法。中低層や複雑な形状の建物に向きます。第二に、ロープアクセス工法。産業用ロープで作業員が壁面を昇降して施工する「無足場工法」で、足場費の削減・工期短縮・居住者の生活影響の最小化が強みです。高層や、足場の架設が難しい物件、コストを重視する物件に向きます。第三に、ハイブリッド工法。部位ごとに足場とロープアクセスを使い分け、大規模・複雑な物件で総合的にコストを最適化します。
私はこの3つを、必ずワンセットで比較してご提案するようにしています。なぜなら、同じ建物でも「どこに足場を架け、どこをロープで攻めるか」で、総額も工期も、そして補助金を組み込む余地も変わってくるからです。相模大野や橋本のように中高層の住棟が多い相模原市では、ロープアクセスやハイブリッドの強みが特に活きます。
明誠はさらに、日本で初めてとなるロープアクセス工事のフランチャイズを展開しており、塗装・防水・タイル・電気・看板など各分野の専門職が加盟しています。これにより、高品質と低価格の両立を図っています。相模原市の補助金・税制の活用と、工法の最適化。この2つを同時に設計できるのが、私たちの強みです。
工法の詳細はロープアクセス工法のご紹介を、大規模修繕の総合的な進め方は大規模修繕工事のご紹介をご覧ください。
8. よくある質問(FAQ)
Q1. 補助金と長寿命化促進税制は、両方使えますか。
A. 制度の趣旨と要件が異なるため、要件を満たせば併用できる場合があります。税制は「工事後の固定資産税」、補助金は「工事費」と、効くタイミングが違うと整理すると分かりやすいです。ただし、固定資産税の各減額措置どうしには同時適用の制限がありますので、どの減額を使うのが得かは工事内容とセットで判断する必要があります。重複利用の可否は各窓口で確認するのが前提です。
Q2. 耐震診断の補助を受けたいのですが、何から始めればよいですか。
A. 相模原市の場合、まず無料の「耐震巡回相談」を受け、総会で耐震診断を行う決議を取ることが補助の要件です。いきなり業者に診断を頼むのではなく、「巡回相談 → 総会決議 → 補助申請 → 診断」という順番を守ってください。窓口は建築政策課 耐震推進班(042-769-8252)です。
Q3. 申請の事務作業が大変そうで不安です。
A. 相模原市の分譲マンションアドバイザー派遣(初回無料)や、制度に精通した施工会社のサポートを使えば、書類の準備は大きく軽くなります。先進的窓リノベ2026などは登録事業者が申請を代行します。組合だけで抱え込まず、入口で専門家に相談するのが結局いちばん早い、というのが私の実感です。
Q4. 築20年・12戸の小規模マンションですが、長寿命化促進税制は使えますか。
A. 「築20年以上かつ10戸以上」が要件なので、戸数の条件は満たします。あとは、過去に長寿命化工事の実績があること、令和9年3月31日までに2回目以降の長寿命化工事を完了すること、そして管理計画認定または長期修繕計画の助言・指導という入口要件を満たせるかがポイントです。小規模でも十分に対象になり得ます。
結語
相模原市の管理組合が使える制度は、決して少なくありません。むしろ「多すぎて分かりにくい」こと、そして「相談や認定という土台づくりを飛ばしてしまうこと」が、取りこぼしの最大の原因だと、私は現場で感じてきました。大事なのは、工事を決める前に、制度の地図を一度広げてみること。そして「相談 → 申請 → 交付決定 → 契約」の順番を守ることです。
ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階、長期修繕計画の確認や工法の比較だけでも、お力になれることがあります。相模原の街には、これから2回目・3回目の修繕を迎える住棟がたくさんあります。その一棟一棟を、無理のない負担で長く使えるようにすること。それが、私たちの仕事です。
次回も、現場で本当に使える話だけをお届けします。
- 工法のご相談・お見積りはお問合せフォームから。
出典・参考資料
- 相模原市「旧耐震基準の分譲マンションの地震対策を支援します」
- 相模原市「マンション長寿命化促進税制について」
- 相模原市「マンションの管理計画認定制度について」
- 相模原市「分譲マンションアドバイザー派遣制度について」
- 相模原市「マンション相談について」
- 相模原市「マンション管理セミナー」
- 相模原市「長寿命化工事が行われたマンションに対する固定資産税の減額について」
- 相模原市「助成・補助制度(住まい)」
- 国土交通省「マンション長寿命化促進税制(固定資産税の特例措置)」
- 環境省「先進的窓リノベ2026事業【公式】」
- 国土交通省ほか「住宅省エネ2026キャンペーン」
- 神奈川県「マンションアドバイザー派遣事業」
本記事は2026年6月11日時点で公開されている情報をもとに作成しています。補助率・上限額・申請期限・受付状況は年度や予算の状況により変更される場合があります。実際の申請にあたっては、必ず各制度の公式窓口で最新情報をご確認ください。また、税制・法務に関わる個別の判断は、税理士・行政書士等の専門家にご相談ください。


