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創業から6000棟超の施工実績

狛江市の賃貸マンション補助金|オーナー向け2026年版

狛江市の賃貸マンション補助金|オーナー向け2026年版

この記事で答える質問:狛江市で賃貸マンション・アパートを持つオーナーは、2026年度(令和8年度)にどの補助金が使えて、どれが使えないのか?

先に答えます。狛江市には、賃貸オーナーが「居住地に関係なく」使える市の助成が1つあります。 地球温暖化対策用設備導入助成の、共同住宅枠です。市の要綱は対象者を3つに分け、個人住宅枠には「市内に住所を有し、かつ居住する方」という条件を付けているのに対し、共同住宅枠は「市内に共同住宅を所有する方(予定を含む)または管理組合」とだけ書いています。物件に住んでいる必要も、市内に住んでいる必要も、書かれていません。

しかも金額の設計が独特です。高反射率塗装は通常「材料費の4分の1・上限4万円」ですが、共同住宅の共用部分等に導入する場合は限度額20万円。宅配ボックスも通常2万円のところ、共用部分等なら10万円。市の側が明確に「共用部でやるなら厚く出す」という設計にしています。

一方で、狛江市の分譲マンション耐震助成は、要綱に「賃貸住宅以外の建築物であること」と明記されています。 一棟まるごと賃貸で運用している物件は、この制度からは外れます。

そして本命は、例年どおり東京都です。令和8年度の賃貸住宅の断熱・再エネ集中促進事業は、省エネ診断が補助率10/10・120万円/棟、高断熱窓が2/3・30万円/戸。狛江市のオーナーにとって、桁がひとつ違います。

以下、一次情報のURLを添えて、順に整理していきます。


1. 狛江市の賃貸経営は「土地が増えない街」の戦い方になる

私は改修の仕事で多摩地域を回りますが、狛江市の物件を見るときは、他の市とはっきり違う前提を置きます。この街には、新しい土地が出てこないからです。

狛江市の面積は6.39平方キロメートル。東西2,940メートル、南北3,660メートル。市役所を中心に、東は世田谷区、西と北は調布市、南は多摩川をはさんで川崎市に接しています(出典:狛江市 狛江市の概要)。全国でも2番目に小さい市とされる規模で、四方を他自治体に囲まれ、市域が広がる余地はありません。

そこに国勢調査人口(令和2年)で84,772人が住んでいます。単純計算で1平方キロメートルあたり約1万3千人。多摩地域では突出した密度です。

この構造が、賃貸経営に何をもたらすか。新築供給の余地が小さいということは、既存ストックの競争が、そのまま入居率を決めるということです。

23区や多摩の広い市であれば、「近くに新築が建って客を持っていかれた」という話が起きます。狛江ではそれが起きにくい。裏を返せば、同じ築年数の既存物件同士で、設備と管理の差だけで勝負が決まるということでもあります。

もうひとつ、時間軸の前提があります。小田急線が開通したのは昭和2年で、このとき狛江駅と和泉多摩川駅が開設されました(出典:狛江市 狛江市の概要)。新宿まで約20分という立地が、戦後の早い段階からベッドタウンとしての開発を進めてきた。つまり狛江市の賃貸ストックには、築40年、築50年という物件が普通に混ざっています。

そして、この街のもうひとつの顔が水です。南に多摩川、北に野川。市は多摩川氾濫版・野川入間川氾濫版の両方の洪水ハザードマップに加えて、浸水継続時間マップ内水ハザードマップまで整備しています(出典:狛江市 狛江市防災マップ、ハザードマップ、防災ミニアプリ)。ここまで揃えている自治体は、多摩でも多くありません。

つまり狛江市のオーナーが向き合う課題は、こう整理できます。

  • 供給が増えないぶん、既存物件の質がそのまま入居率になる
  • ストックが古く、大規模修繕の判断が待ったなしの物件が多い
  • 水害リスクという、この街固有の資産価値要因がある

補助金は、この3つに手を打つための資金圧縮の道具です。順に見ていきます。


2. 【最初に結論】狛江市のオーナーが使える制度・使えない制度

長い記事なので、判定表を先に置きます。お持ちの物件を思い浮かべながら見てください。

制度名 実施主体 賃貸オーナーの可否 助成額の目安
地球温暖化対策用設備導入助成(共同住宅枠) 狛江市 ◎ 居住地要件なし。使える 高反射率塗装 共用部20万円、宅配ボックス 共用部10万円、高断熱窓5万円ほか
賃貸住宅の断熱・再エネ集中促進事業(令和8年度) 東京都(クール・ネット東京) ◎ 本命。賃貸専用の制度 省エネ診断10/10・120万円/棟、高断熱窓2/3・30万円/戸ほか
賃貸集合給湯省エネ2026事業 国(経済産業省) ○ オーナー専用。ただし自分では申請できない エコジョーズ等 5万〜10万円/台
分譲マンション耐震診断助成金 狛江市 × 対象外(「賃貸住宅以外」と明記) 上限100万円
分譲マンション耐震補強設計助成金 狛江市 × 対象外(同上) 上限200万円
分譲マンション耐震補強改修助成金 狛江市 × 対象外(同上) 上限1,500万円
分譲マンション耐震化促進アドバイザー派遣 狛江市 △ 区分所有オーナーは管理組合経由で恩恵あり 無料
木造住宅耐震診断・改修助成金 狛江市 木造集合住宅も対象。年度ごとの要件確認が必須 要確認(後述)
先進的窓リノベ2026事業/みらいエコ住宅2026事業 ○ 製品要件の根拠として実質必須 製品・工法により変動

見ていただくとわかるとおり、狛江市は「耐震は分譲マンションと自己居住者向け、省エネは共同住宅も可」という線引きをしています。ここを最初に押さえてください。


3. 市の温暖化対策助成は、共同住宅枠に居住地要件がない

3-1. 対象者の書き分けが、そのまま扉になっている

令和8年度の狛江市地球温暖化対策用設備導入助成は、対象者を導入場所ごとに3つに分けています。

導入場所 個別要件
個人住宅(共同住宅の専有部分、および個人で使用するために共用部分に設置する場合を含む) 市内に住所を有し、かつ居住する方(予定を含む)
共同住宅(複数の入居者が共有で使用するために共用部分等に設置する場合に限る) 市内に共同住宅を所有する方(予定を含む)または管理組合
事業所 市内で事業を営んでいる方(予定を含む)

共通要件は、市税の滞納がないこと、権利関係等により必要となる他者の同意が得られていること、未使用の機器を新たに導入すること、の3点です(出典:狛江市 令和8年度狛江市地球温暖化対策用設備導入助成の申請受付を開始しました)。

読み比べてください。個人住宅は「市内に住所を有し、かつ居住する方」。共同住宅は「市内に共同住宅を所有する方」。居住も住所も、共同住宅枠の条文には書かれていません。

多摩地域の市の省エネ助成は、この居住地要件で賃貸オーナーが弾かれるケースが少なくありません。狛江市の共同住宅枠には、それがない。ここが第一の重要ポイントです。

ただし条件が1つあります。「複数の入居者が共有で使用するために共用部分等に設置する場合に限る」という括弧書きです。つまり、専有部(各住戸内)の工事ではなく、共用部の工事でなければならない。 屋根、共用廊下、エントランス、駐輪場まわり——大規模修繕で手を入れる場所と、ちょうど重なります。

3-2. 共用部だと、限度額が跳ね上がる

金額表を見ると、市の意図がはっきり読み取れます。

対象機器 通常の助成額 共同住宅の共用部分等の場合
高反射率塗装 材料費の4分の1以下(限度額4万円 限度額20万円
太陽光発電システム(購入) 1kW当たり2万円(限度額8万円 限度額20万円
宅配ボックス 1件あたり2万円 10万円(共用部は2台以上の設置が要件)
高断熱窓 1件あたり5万円(太陽光を設置済み・同時設置なら10万円)
日射調整フィルム 材料費の4分の1以下(限度額4万円)
蓄電池システム(購入) 5万円
家庭用燃料電池 5万円
エネルギーマネジメントシステム 機器本体費用の3分の1以下(限度額2万円)

1,000円未満の端数は切り捨てです(出典:狛江市 令和8年度狛江市地球温暖化対策用設備導入助成)。

正直に申し上げて、1棟の大規模修繕から見れば20万円は主役ではありません。ただ、高反射率塗装20万円+宅配ボックス10万円+高断熱窓5万円と積み上げれば、足場の一部やシーリング打ち替え1面ぶんくらいにはなります。取れるものを取らない理由はない、というのが私の考えです。

3-3. 高反射率塗装には、外しやすい技術要件が3つある

ここが実務で一番間違えるところです。市が言う高反射率塗装は、次の要件をすべて満たす必要があります。

  • 蓄熱を抑制する塗料等であって、揮発性有機化合物(VOC)の含有量が少ないもの
  • 灰色(N6)または類似色の試験体が、JIS K5602(塗膜の日射反射率の求め方)に基づき測定された結果、日射反射率測定値(近赤外線領域)が50パーセント以上であると第三者機関により証明されているもの、または同等の性能をもつと認められるもの
  • 屋根面全体を塗装すること(外壁部分は対象となりません)

(出典:狛江市 令和8年度狛江市地球温暖化対策用設備導入助成

3つとも、外すと通りません。特に3つ目です。「外壁部分は対象となりません」とはっきり書かれている。大規模修繕で外壁を遮熱塗料で塗っても、この助成では1円も出ないということです。出るのは屋根だけ、それも全面塗装が条件。

そして助成額の計算基礎も要注意です。市は「材料費は、仕上げ用とその下地となる塗料の材料費を指し、防水材は含まれません」と明記しています。屋上防水を同時にやる物件では、見積の内訳が塗料材料費と防水材料費で分かれていなければ、申請額が計算できません。

だから見積を取る段階で、施工会社にこう確認してください。

「JIS K5602で、近赤外線領域の日射反射率50%以上を第三者機関が証明した塗料を出せますか。灰色(N6)系の試験体でお願いします。あと、見積は屋根の塗料材料費と防水材料費を分けて書いてください」

これを聞かれて即答できない会社は、この助成の実務をやったことがない可能性が高いです。

3-4. 宅配ボックス10万円は、入居率に直接効く唯一の枠

補助金の記事でこんな言い方をするのは珍しいと思いますが、狛江市の助成メニューで、私が最も「賃貸経営に効く」と考えるのは宅配ボックスです。

理由は単純で、入居希望者が物件検索で条件指定する設備だからです。断熱性能や遮熱塗装は、内見時に説明しないと伝わりません。宅配ボックスは、募集図面の設備欄にチェックが1つ増える。それだけで、検索でヒットする母数が変わります。

要件は次のとおりです。

  • 施錠できる構造であること(南京錠で施錠できるものは除く)
  • 3辺の合計が100cm以上の荷物が投函できる大きさがあること
  • 袋式および折りたたみ式でないこと
  • 業者の設置工事により、移設できないように固定されていること
  • 共同住宅の共用部分は、上記要件を満たす宅配ボックスを2台以上設置すること

(出典:狛江市 令和8年度狛江市地球温暖化対策用設備導入助成

「2台以上」という条件が付いているぶん、初期費用は上がります。ただ助成は10万円。10戸〜20戸規模のアパート・マンションであれば、自己負担はかなり圧縮できる計算になります。

3-5. 落とし穴は3つあります

落とし穴1:交付申請日から着工予定日まで、30日以上空ける

市はこう書いています。「交付申請をいただいてから交付決定までに審査の時間をいただきます。交付申請日から工事着工予定日の期間を30日以上空けてください」(出典:狛江市 令和8年度狛江市地球温暖化対策用設備導入助成)。

これは他市の制度より一段厳しい書きぶりです。「交付決定前の着工はNG」はどこでも同じですが、狛江市は日数まで指定している。 足場を組むスケジュールから逆算すると、着工希望日の1か月半前には申請書を出しておく必要があります。

落とし穴2:申請者と、領収書の名義が一致していないと出ない

市の注意書きです。「助成金の申請者は対象者要件を満たした上で、機器の導入費用を支払う方となります。申請者以外が機器の導入費用を支払う場合、助成金の交付は受けられません。そのため、機器導入後に提出する完了報告書には、申請者が宛名になっている領収書を添付する必要があります」(出典:狛江市 令和8年度狛江市地球温暖化対策用設備導入助成)。

これ、法人と個人で物件を持ち分けているオーナーが引っかかります。申請名義と支払名義がズレたら、その時点で不交付です。 資産管理会社を使っている方は、契約・請求・入金の名義を最初から揃えてください。

なお、権利関係によっては同意書が必要です。分譲共同住宅の共用部なら「管理組合機器等導入同意書(第1号様式の2)」、共有持分がある場合は「共有者機器等導入同意書(第1号様式の3)」、建物を使用する権限を有する方は「所有者機器等導入同意書(第1号様式の4)」です。

落とし穴3:先着順で、予算上限に達したら止まる

申請期間は令和8年4月1日〜令和9年1月29日。受付は先着順で、予算上限額に達した日をもって停止します。

完了報告は、機器を設置した日から起算して30日以内、または令和9年2月26日までのいずれか早い日まで。請求書の提出は令和9年3月31日まで。助成回数は、同一の建築物に設置する対象機器の種目ごとに1回です。

窓口は狛江市役所5階 環境政策課環境係(電話 03-3430-1287)、受付は平日午前8時30分〜午後5時。郵送申請も可能で、宛先は〒201-8585 狛江市和泉本町1-1-5 です。


4. 分譲マンション耐震助成は「賃貸住宅以外」と明記されている

狛江市は分譲マンションの耐震化に、多摩地域でもかなり手厚い制度を持っています。金額だけ見れば魅力的です。

内容 助成額 上限額
耐震化促進アドバイザー派遣 自己負担なし 無料
耐震診断 延べ床面積1㎡当たり4,580円または耐震診断費用のいずれか低い額の3分の2 100万円
耐震補強設計 延べ床面積1㎡当たり2,000円または設計費用のいずれか低い額の2分の1 200万円
耐震補強改修(延べ床1,000㎡以上) 1㎡当たり51,700円(Is値0.3未満相当なら56,900円)または改修費用のいずれか少ない額の3分の1 1,500万円
耐震補強改修(延べ床1,000㎡未満) 1㎡当たり34,100円または改修費用のいずれか少ない額の23% 1,500万円

対象は、昭和56年5月31日以前に建築基準法第6条に基づく建築確認を受けた、地階を除く階数が3以上の民間分譲マンションです(出典:狛江市 分譲マンション耐震助成)。

4-1. 一棟賃貸のオーナーは、条文で外れます

ただし、診断・補強設計・補強改修の3つとも、対象建築物の要件に同じ一文が入っています。

賃貸住宅以外の建築物であること。

そして「民間分譲マンション」の定義も書かれています。「2以上の区分所有者が存する建物で人の居住の用に供する専用部分がある共同住宅のこと」(出典:狛江市 分譲マンション耐震助成)。

つまり、1棟を単独で所有して賃貸に出している物件は、区分所有者が2以上ではないため、そもそも定義から外れます。 さらに念押しで「賃貸住宅以外」と書かれている。ここは解釈の余地がありません。

耐震という公益性の高いテーマですら、賃貸には届かない。私はこの設計を批判したいわけではなく、制度の構造がそうなっている以上、賃貸オーナーは別の道具を探すしかない、という事実を共有したいだけです。

4-2. 区分所有で貸している方は、話が別です

一方、ワンルームや複数戸を区分所有して賃貸に出している方は、立場が変わります。あなたはそのマンションの区分所有者であり、管理組合の構成員です。

耐震診断助成の対象者は「耐震診断を受けることについて、区分所有者の合意を得た管理組合または団地管理組合」。つまり管理組合として申請する制度であり、区分所有オーナーはその受益者になります。

そして最初の一歩として使えるのが、耐震化促進アドバイザー派遣事業です。

  • 対象:昭和56年5月31日以前に建築確認を受けた、耐火または準耐火建築物で、原則3階以上の分譲マンション
  • 対象者:分譲マンションの管理組合等の代表者
  • 費用:無料(派遣費用は市が負担)
  • 回数:1管理組合等につき、1回あたり2時間、年度あたり5回を上限
  • 内容:耐震化の概算費用と工事の説明、相談・質疑、補助制度の説明、耐震診断・補強設計・改修に係る区分所有者間の合意形成に必要な指導、管理組合運営の円滑化に必要な指導

派遣されるのは、内容に応じて建築士、行政職員、マンション管理士です(出典:狛江市 分譲マンション耐震助成)。

区分所有オーナーにとって、この「合意形成の指導」が無料で年5回使えるのは、実はかなり大きい。 旧耐震マンションの耐震化が進まない最大の理由は、費用そのものより合意形成だからです。総会で話を前に進めたいなら、理事会にアドバイザー派遣の申請を提案してみてください。

4-3. ただし、現在の受付状況は要確認です

市のページには、診断・補強設計・補強改修の3制度すべてに次の注記が付いています。

※予算が上限に達したため一旦受付を停止していましたが、現在調整中であり、ご相談には対応できますのでご連絡ください

このページの更新日は2026年8月7日です(出典:狛江市 分譲マンション耐震助成)。つまり、この記事の公開時点で、金額の大きい3制度は受付が止まっている状態ということになります。

相談自体は受け付けているとのことなので、該当する管理組合の理事をされている方は、都市建設部 まちづくり事業課 住宅係(電話 03-3430-1359)へ確認してください。私の経験上、この手の「調整中」は、電話1本で見通しが分かります。


5. 木造アパートなら、市の木造耐震助成に可能性がある

狛江市には木造住宅の耐震助成もあり、こちらは分譲マンション制度と対象の書きぶりが違います。

市のページによれば、対象となる住宅は「昭和56年5月31日以前(旧耐震基準)に原則として建築確認を受けて建てられた、市内の木造住宅または、木造集合住宅」。そして対象者は「対象となる住宅を所有する個人」などとされています(出典:狛江市 木造住宅耐震助成)。

注目すべきは2点です。

  1. 対象に「木造集合住宅」が明記されている——木造アパートが視野に入る書き方
  2. 対象者の条件に「現に居住していること」が書かれていない——所有していることが軸

多摩地域の耐震助成は「一戸建て」「現に居住」で賃貸を外す例が多いので、この書きぶりは相対的に賃貸オーナーに開かれています。

ただし、ここは慎重にお伝えしなければなりません。 市の当該ページには平成29年度時点の受付終了の記載が残っており、掲載されている助成額(診断は費用の3分の2・8万6千円限度、改修は費用の2分の1で評点1.0以上とする工事が50万円限度、評点0.7以上1.0未満または1階部分を1.0以上とする工事が30万円限度、同時期の他リフォーム工事に費用の5分の1・20万円限度の上乗せ)が、令和8年度も同額かどうかはこのページだけでは判断できません。 民間の補助金まとめサイトでは診断12万円・改修80万円という上限額を掲げているものもあり、数字が一致していません。

したがって、木造アパートをお持ちの方は、令和8年度の住宅関係支援ガイドブックを確認したうえで、まちづくり事業課 住宅係(03-3430-1359)に「木造集合住宅で、所有者は市外在住。診断助成の対象になりますか」と直接聞いてください。 記事の数字を鵜呑みにして計画を組むのは、この論点に関してはおすすめしません。

なお、市税を完納していることは共通の要件です。共有建築物なら共有者全員、区分所有建築物なら区分所有者全員の完納が求められます。


6. 本命は都の「賃貸住宅の断熱・再エネ集中促進事業」

ここからが、狛江市のオーナーにとっての本題です。

東京都は令和8年度、賃貸住宅のためだけに作られたこの事業を実施しています。居住地要件も法人制限もありません。

6-1. 対象になるオーナー・ならない物件

助成対象者は、助成対象住宅を1棟所有している個人または法人。建物の登記事項証明書で所有権者として証明できることが条件です。1棟のうち、オーナーの3親等以内の親族による区分登記がある物件も対象になります。設備をオーナーに貸与するリース事業者との共同申請も可能です。

対象住宅の要件はこうです。

  • 普通賃貸借契約を締結し、貸し出される既存の住宅であること
  • 専用住宅であること
  • 1つの住戸を店舗用と居住用の2つの用途で兼用している場合、その部屋は対象外
  • 賃貸集合住宅では、オーナーおよびオーナーの3親等以内の親族が居住する住戸も対象

(出典:クール・ネット東京 令和8年度 賃貸住宅の断熱・再エネ集中促進事業

狛江駅・和泉多摩川駅周辺には1階が店舗の物件が点在します。該当する場合は、住戸部分だけで計画を組んでください。

6-2. 助成額——診断は全額出ます

省エネ診断等

対象 補助率 上限
省エネ診断等(省エネ性能表示を含む) 対象経費の10/10 120万円/棟
省エネ診断用の現況図面の作成 対象経費の10/10 10万円/戸

断熱改修

対象 補助率 上限
高断熱窓 対象経費の2/3 30万円/戸
高断熱ドア 対象経費の2/3 27万円/戸
断熱材 対象経費の2/3 60万円/戸

対象経費は材料費(対象設備の購入に必要な経費)と工事費(対象設備の設置と不可分の工事に必要な経費)です。省エネ性能表示(ラベル作成・再計算)に係る経費は、按分して各事業費に加えられます(出典:クール・ネット東京 令和8年度 賃貸住宅の断熱・再エネ集中促進事業【省エネ診断・断熱改修】)。

技術要件も押さえておきます。

  • 高断熱窓:居室の外気に接する窓を改修すること。国の二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(断熱リフォームに係わる支援事業)、先進的窓リノベ事業、みらいエコ住宅事業のいずれかで補助対象製品として登録されている窓・ガラスであること
  • 高断熱ドア:高断熱窓または断熱材の改修と同時に実施すること。熱貫流率が2.3 W/(㎡・K)以下であること
  • 断熱材:居室の外気に接する部分に設置すること。熱抵抗値が屋根2.7以上、天井2.7以上、外壁2.7以上、床2.2以上であること

6-3. 狛江市の家賃水準で、この投資はペイするのか

数字で見ます。狛江駅周辺の1Kは、新築かつ駅徒歩5分以内という条件で家賃相場9.3万円前後、市内全体では駅距離に応じて5万円台から10万円台まで幅があるレンジです(出典:SUUMO 狛江駅の家賃相場・賃料相場情報)。武蔵村山市のような多摩西部と比べると、同じ工事でも回収年数がはっきり短くなる水準です。

仮に20戸、平均家賃8万円のマンションで試算します。

項目 金額
満室想定賃料(8万円×20戸×12か月) 1,920万円
空室率5%を見た実効賃料 1,824万円
運営費25%を引いたNOI(純営業収益) 約1,368万円

ここに高断熱窓の改修を入れます。1戸あたり工事費45万円と置くと、20戸で900万円。

項目 金額
工事費総額 900万円
都の助成(2/3、上限30万円/戸) 600万円
実質自己負担 300万円
省エネ診断(10/10・120万円/棟の枠内) 実質ゼロ

自己負担300万円に対して、家賃を月2,000円上げられたとします。2,000円×20戸×12か月=年48万円。単純回収は約6.3年です。

もちろん、狛江市の相場で全戸2,000円上げられるかは物件次第です。ただ、賃料を上げなくても効果は出ます。空室期間の短縮です。 家賃8万円の部屋が1戸、年間で1か月ぶん早く決まるだけで8万円。20戸のうち年5戸の入退去があるなら、それだけで年40万円のインパクトになります。

そしてNOIが年48万円増えれば、還元利回り5%で評価した場合の物件価格は960万円上がる計算です。自己負担300万円に対して、これが出口戦略における本当のリターンです。断熱改修は、家賃の話であると同時に、売却時の評価額の話でもあります。

6-4. 申請順序を1つ間違えると、全部ゼロになります

都の制度で最も多い失敗が、順番です。次の3つは、どれか1つでも外すと不交付になります。

① 事前申込の前に契約・着工したら対象外

都はこう明記しています。「必ず事前申込受付完了後に事業者と契約を締結してください。事前申込受付前に契約又は着工したものは助成金の対象外です」(出典:クール・ネット東京 令和8年度 賃貸住宅の断熱・再エネ集中促進事業)。

② 改修前の断熱等級を把握していないと対象外

「事前に診断等を行い、改修前の等級を確認してから改修を行ってください。改修前の等級を把握せずに改修を行った場合は助成対象外となります」(出典:クール・ネット東京【省エネ診断・断熱改修】)。

省エネ診断は補助率10/10、つまり実質無料です。やらない理由がありません。

③ 登録事業者以外の施工は対象外

診断も改修も、公社によって登録された事業者と契約を締結して実施されたものでなければなりません。長年つきあってきた工事会社が登録していない場合、その会社にお願いすると助成はゼロになります。事業者登録の期間は令和8年5月29日〜令和9年2月27日ですので、取引先に「登録していますか」と確認し、していなければ登録を促すのが現実的な進め方です。

なお、事前申込は契約や住戸ごとではなく、1棟の建物ごとに1度だけ行います。住戸ごとに工事時期を分ける場合でも、同一建物なら申込は1回です。

6-5. 令和8年度のスケジュール

内容 期間
事前申込 令和8年5月29日から(令和8年4月1日〜6月30日に契約した場合は、令和9年3月31日までに事前申込)
交付申請兼実績報告 令和8年6月30日から、事前申込有効期限または令和11年3月30日のいずれか早い日まで
事前申込後の交付申請期限 事前申込から1年以内(超えると事前申込が自動的に無効)
不備修正の対応期限 修正依頼から150日以内
事業者登録の受付 令和8年5月29日〜令和9年2月27日

相談窓口として、東京都は「賃貸住宅断熱・再エネ×コンシェルジュ事務局」を用意しています。まず話を聞きたいという段階なら、こちらから入るのが早いです。


7. 国の「賃貸集合給湯省エネ2026事業」は、オーナー専用なのに自分では申請できない

意外と知られていない制度が、これです。賃貸集合住宅のオーナーだけを対象にした、国の給湯器補助です。

既存の賃貸集合住宅の住戸で、従来型給湯器を小型の省エネ型給湯器(エコジョーズ/エコフィール)に交換する工事が対象になります。補助額は、追い焚き機能なしで5万円/台、追い焚き機能ありで7万円/台、浴室へのドレン水排水工事を伴う場合は10万円/台とされています(出典:資源エネルギー庁 賃貸集合給湯省エネ2026事業について)。

20戸のアパートで全戸交換すれば、単純計算で100万円〜200万円です。給湯器の更新時期が来ている物件なら、これは無視できない金額です。

ただし、決定的な注意点があります。

補助金の申請手続きや受け取りと賃貸集合住宅のオーナー等への還元は、「賃貸集合給湯省エネ事業者」が行います。補助対象者である賃貸集合住宅のオーナー等が直接申請をすることはできません。

(出典:賃貸集合給湯省エネ2026事業【公式】

つまり、登録事業者を選ばないと、そもそも土俵に乗れない。 公式サイトには登録事業者の検索機能があります。給湯器の相見積を取るとき、「この会社は賃貸集合給湯省エネ事業者として登録されているか」を必ず確認してください。登録のない事業者との契約は補助対象外です。

予算の消化状況も公式サイトで毎日更新されており、2026年8月22日午前0時時点で、予算に対する補助金申請額の割合は33%と公表されています(出典:賃貸集合給湯省エネ2026事業【公式】)。予算上限に達し次第、交付申請の受付は終了します。年度後半に動き出すと、間に合わない可能性があります。

なお、国内に所有または管理する既存賃貸集合住宅の住戸数が200戸以上の事業者であれば、自ら手続きを行うことを希望する相談窓口が用意されています。規模の大きいオーナー法人は、こちらを検討する余地があります。


8. 多摩川・野川に挟まれた街で、水害リスクを資産価値にどう織り込むか

補助金の話から少し離れますが、狛江市の賃貸経営を語るうえで避けられない論点なので、触れておきます。

狛江市は、南に多摩川、北に野川という構造の中にあります。市が公表しているハザードマップは4種類です。

  • 洪水ハザードマップ(多摩川氾濫版):多摩川流域48時間総雨量588mmという、水防法上の想定しうる最大規模の降雨を前提
  • 洪水ハザードマップ(野川・入間川氾濫版):1時間最大雨量153mm、24時間総雨量690mmを前提
  • 浸水継続時間マップ(多摩川版・野川入間川版)
  • 内水ハザードマップ:下水道等からあふれる水による浸水を想定

(出典:狛江市 狛江市防災マップ、ハザードマップ、防災ミニアプリ

浸水の深さだけでなく「継続時間」まで公表している点に注目してください。オーナーにとって、浸水深は原状回復費用の話ですが、継続時間は空室期間の話です。水が引くまで半日なのか、1日なのか。その差が、退去と再募集のコストを分けます。

狛江市はさらに、地域ポイントサービス「こまポ」内の防災ミニアプリで、排水樋管水位情報(六郷・猪方)や河川水位情報をリアルタイムに確認できる仕組みも用意しています。

賃貸オーナーとして、私は次の3つを提案しています。

  1. 所有物件のハザード情報を、いま確認しておく。 市はweb版で地点ごとの想定最大浸水深を表示できるようにしています。数字を知らずに保険を掛けているオーナーが、実は少なくありません。
  2. 電気設備の高さを見直す。 受変電設備やポンプ、分電盤が地上や地下ピットにある物件は、浸水すると建物全体が止まります。大規模修繕のタイミングは、この見直しを組み込める数少ない機会です。
  3. 重要事項説明での水害ハザードマップ説明義務を、募集戦略の前提にする。 2020年8月から、不動産取引の重要事項説明で水害ハザードマップの説明が義務化されています。隠せない情報である以上、「対策済み」と説明できる状態にしておくことが、最も現実的な資産防衛です。

昭和49年(1974年)の多摩川堤防決壊は、狛江市の歴史として市自身が記録しています。この街で長く賃貸経営をするなら、水は「前提条件」として計画に入れる。 それが、私が狛江の物件を見るときの基本姿勢です。


9. 税務:補助金は「もらって終わり」ではありません

9-1. 補助金は課税されます

賃貸経営で受け取る補助金・助成金は、原則として不動産所得(法人なら益金)の総収入金額に算入されます。100万円もらったら、100万円がそのまま手元に残るわけではありません。

課税所得が増えれば、所得税・住民税、法人なら法人税に跳ね返ります。「20万円もらった」ではなく「税引後でいくら残るか」で計算してください。

一定の要件を満たす国庫補助金等については圧縮記帳という制度がありますが、自治体の助成金がこれに該当するかは制度ごとの判断になります。必ず顧問税理士に確認してください。

9-2. 修繕費か、資本的支出か

これが実務では一番効きます。

  • 修繕費:その年に全額を経費(損金)算入できる
  • 資本的支出:資産計上し、耐用年数にわたって減価償却する

原状回復にとどまる塗り替えや防水の打ち替えは修繕費になりやすく、建物の価値を高めたり使用可能期間を延ばしたりする工事は資本的支出と判定されやすい、というのが原則です。

問題は、大規模修繕がこの2つの混在だという点です。同じ足場の上で、外壁の塗り替え(修繕費寄り)と、高断熱窓への交換(資本的支出寄り)が同時に進みます。

だから私は、オーナーさまにいつもこうお願いしています。「見積の内訳を、工事種別ごとに分けて出してもらってください」。1式でまとめられた見積書は、税理士が判定できません。判定できなければ、保守的に資本的支出に寄せられ、その年の節税効果は消えます。

見積の書き方1つで、手元に残るキャッシュが変わります。 これは補助金20万円より大きな話になることがあります。

9-3. 省エネ改修の減税と、出口

一定の要件を満たす省エネ改修工事については、所得税または固定資産税が一定額控除・減額される特例があります。東京都のクール・ネット東京も、この事業の参考情報として国土交通省と東京都主税局の該当ページを案内しています(出典:国土交通省 住宅をリフォームした場合に使える減税制度について東京都主税局 省エネ改修工事をした住宅に対する固定資産税の減税)。賃貸住宅が対象になるかは要件次第ですので、こちらも事前確認が必要です。

そして出口の話です。都の制度では、省エネ性能表示(ラベル)の作成が必須とされています。診断後も改修後も、ラベルを提出しなければ助成が下りません。

これを「面倒な手続き」と捉えるか、「資産の証明書」と捉えるかで、意味が変わります。省エネ性能表示は、建築物省エネ法に基づいて、住宅の販売・賃貸時に性能を示すための制度です。 募集広告に載せられる。売却時に買主へ提示できる。つまり、助成金を取りにいく過程で、出口戦略に使える書類が手に入るということです。

築40年の物件を、性能の説明ができない状態で市場に出すのか、ラベル付きで出すのか。狛江市のように供給が増えず、既存ストック同士で競争する市場では、この差は年々効いてきます。


10. 工事の側から:狛江市で「足場が架けにくい」物件をどうするか

最後に、施工の話をします。ここは補助金以上に、コストに直結します。

10-1. 狛江市の物件は、足場の条件が厳しい

冒頭で書いたとおり、狛江市は6.39平方キロメートルに約8万5千人が暮らす、多摩地域屈指の高密度な街です。当然、建物どうしの距離が近く、道路が狭い区画が多い。 市が狭あい道路の拡幅整備に取り組んでいること自体が、その裏返しです。

現場から見ると、これは具体的にこういう問題になります。

  • 隣地との離隔が取れず、足場が組めない面が出る
  • 前面道路が狭く、資材搬入・トラックの駐車に苦労する
  • 越境の同意取得や、近隣への影響の説明に時間とコストがかかる
  • 敷地に余裕がないため、仮設材の仮置き場所がない

足場は「架けられれば安い」工法です。しかし架けにくい現場では、割増と工程遅延で、想定より高くつくことがあります。

10-2. ロープアクセス工法が効く条件

ロープアクセス工法(無足場工法)は、産業用ロープで職人が壁面に取り付いて作業する手法です。足場を組まないため、次の条件が揃うと強く効きます。

  • 隣地が近く、足場を架けにくい面がある——狛江の密集市街地の物件はここに当たりやすい
  • 4〜5階建て以上で、外壁の一部だけを補修したい——全面足場は過剰投資になる
  • 調査・診断だけ先に行いたい——打診調査や漏水原因の特定は、足場なしで実施できる
  • 入居者の生活影響を抑えたい——足場は防犯不安と日照の問題を生み、既存入居者からのクレームや退去要因になる

最後の点は、賃貸オーナーにとって見落とされがちですが重要です。大規模修繕の期間中に退去が出れば、それはNOIの直接的な毀損です。 足場を3か月架けて2戸退去が出たら、家賃8万円として年間192万円の逸失。工事費の削減額を上回ることさえあります。

工法ごとの適否や施工事例については、ロープアクセス工法の専門サイト(rope-access-method.com)でも解説しています。無足場工法が向く建物・向かない建物の整理として、あわせてご覧ください。

10-3. ハイブリッド工法という現実解

とはいえ、「全部ロープアクセスにすれば安い」という話ではありません。広い面を一気に塗る作業は、足場のほうが効率的です。

だから現実的な最適解は、部位ごとに使い分けるハイブリッド工法になります。

部位・条件 向いている工法
道路に面した広い面、全面塗り替え 通常足場工法
隣地が近く足場が架けられない面 ロープアクセス工法
高層部の部分補修、シーリング打ち替え ロープアクセス工法
屋上防水(今回の市の助成の対象部位) 足場の有無を問わず施工可
調査・診断段階 ロープアクセス工法

株式会社明誠は、通常足場工法・ロープアクセス工法・ハイブリッド工法の3つから、建物にとって最適な工法をご提案しています。1つの工法しか持たない会社は、どうしても自社の得意な工法に寄せた提案になります。3つ持っているからこそ、「この面は足場、この面はロープ」という切り分けができる。 狛江市のような密集市街地では、この切り分けがコストを左右します。


11. 狛江市のオーナーが、今月中にやるべき3つのこと

長い記事になりましたので、行動に落とします。

① 東京都の省エネ診断を申し込む(費用ゼロ)

補助率10/10、上限120万円/棟。実質無料で、建物の断熱性能が数値化されます。 しかも診断をしていなければ断熱改修助成の対象にすらなりません。順番は「事前申込 → 契約 → 診断」。この順序だけ絶対に守ってください。

② 狛江市の環境政策課に、共同住宅枠の適用可否を電話で確認する

環境政策課環境係、03-3430-1287。聞くことは3つです。

  • 「市外在住/法人名義で、狛江市内に共同住宅を所有しています。共同住宅枠の対象になりますか」
  • 「屋根の高反射率塗装で、共用部分等として限度額20万円の適用を受けられますか」
  • 「現時点の予算残額の目安を教えてください」

先着順・予算上限で停止する制度です。残額を知らずに計画を組むのは危険です。

③ 取引先の工事会社に「登録状況」を確認する

都の断熱改修は公社の登録事業者でなければ対象外。国の給湯器補助は賃貸集合給湯省エネ事業者でなければ対象外。どんなに良い会社でも、登録していなければ補助金はゼロになります。

今つきあいのある会社に、「登録していますか。していなければ登録の予定はありますか」と、いま聞いてください。


補助金は、あくまで手段です。目的は、入居者に選ばれ続ける建物にしておくこと。狛江市は、土地が増えず、新築供給が限られ、既存ストック同士で競争が決まる市場です。言い換えれば、手を入れた建物が、入れなかった建物との差を維持しやすい街でもあります。その差をつくるかどうかは、今の判断次第です。


よくある質問(FAQ)

Q. 市外に住んでいますが、狛江市内に賃貸マンションを持っています。市の温暖化対策助成は使えますか?

A. 共同住宅枠であれば、可能性は高いと考えられます。要綱の共同住宅枠の対象者は「市内に共同住宅を所有する方(予定を含む)または管理組合」とされており、個人住宅枠のような「市内に住所を有し、かつ居住する方」という条件が書かれていません。ただし共通要件として市税の滞納がないことが求められます。市外在住で狛江市に市税の納付関係がない場合の取扱いは、条文だけでは判断しきれません。環境政策課(03-3430-1287)への確認を強くおすすめします。

Q. 大規模修繕で外壁を遮熱塗料で塗ります。市の高反射率塗装の助成は使えますか?

A. 使えません。市の要件に「屋根面全体を塗装すること(外壁部分は対象となりません)」と明記されています。対象は屋根のみ、それも全面塗装が条件です。外壁の遮熱塗装は、この助成の枠外になります。

Q. 一棟賃貸ですが、旧耐震です。市の耐震助成は本当に使えないのですか?

A. 分譲マンション向けの3制度(診断・補強設計・補強改修)は、対象建築物の要件に「賃貸住宅以外の建築物であること」と明記されており、対象外です。ただし木造の集合住宅であれば、市の木造住宅耐震助成に「木造集合住宅」が対象として明記されています。年度ごとの要件・金額が変わる可能性があるため、まちづくり事業課 住宅係(03-3430-1359)にご確認ください。

Q. 東京都の助成と、狛江市の助成は併用できますか?

A. 制度上は別々の実施主体による別の制度です。ただし同一の工事部分に対する重複受給は認められないのが一般的で、都の提出書類には「国等補助金の交付額確定通知書等」の欄があります。また狛江市の制度も、他制度による助成を受けていないことを要件とする項目があります。併用を前提に計画を組む場合は、必ず両方の窓口に事前確認してください。

Q. 給湯器の補助金は、自分で申請すればいいのですか?

A. できません。賃貸集合給湯省エネ2026事業は、登録された「賃貸集合給湯省エネ事業者」が申請と受け取りを行い、オーナーに還元する仕組みです。オーナーが直接申請することはできません。公式サイトの事業者検索で、依頼先が登録されているかを必ず確認してください(所有・管理戸数200戸以上の事業者向けには、自ら手続きを行う相談窓口が別に用意されています)。

Q. 築45年のRCマンションですが、断熱改修する価値はありますか?

A. まず省エネ診断を受けてください。補助率10/10なので費用はかかりません。そのうえで、残存耐用年数と、出口の時期を並べて考えることをおすすめします。診断で作成される省エネ性能ラベルは、保有し続ける場合の募集材料にも、売却する場合の説明材料にもなります。判断を先延ばしにするより、まず数値を持つほうが選択肢が増えます。

Q. 補助金の申請書類は、自分で作らないといけませんか?

A. 東京都の制度は手続代行が可能です(事前申込・交付申請とも、賃貸住宅のオーナーまたは手続代行者が行えます)。狛江市の制度についても、代行の可否は窓口で確認できます。補助金申請の実績がある施工会社を選べば、書類の大半は任せられます。 見積を取る段階で、代行の可否を確認してください。

Q. 屋上防水と屋根の高反射率塗装を同時にやります。助成額はどう計算されますか?

A. 市は「材料費は、仕上げ用とその下地となる塗料の材料費を指し、防水材は含まれません」と明記しています。したがって、見積の内訳で塗料材料費と防水材料費が分かれていなければ、助成額の算定ができません。 見積依頼の段階で、内訳を分けて記載するよう工事会社に伝えてください。


この記事のポイントまとめ

  • 狛江市の地球温暖化対策用設備導入助成は、共同住宅枠の対象者が「市内に共同住宅を所有する方または管理組合」とされ、個人住宅枠にある居住地要件が書かれていない。賃貸オーナーに開かれた設計。
  • ただし共同住宅枠は「複数の入居者が共有で使用するために共用部分等に設置する場合に限る」。専有部の工事は対象外。
  • 共用部だと限度額が跳ね上がる。 高反射率塗装は4万円→20万円、太陽光(購入)は8万円→20万円、宅配ボックスは2万円→10万円(共用部は2台以上設置が要件)。
  • 高反射率塗装はJIS K5602で近赤外線領域の日射反射率50%以上、灰色(N6)系の試験体、屋根面全体を塗装(外壁は対象外)。材料費に防水材は含まない。
  • 交付申請日から着工予定日まで30日以上空ける必要がある。交付決定前の着工は対象外。申請者と領収書の名義が一致していないと不交付。申請期間は令和8年4月1日〜令和9年1月29日、先着順。
  • 分譲マンション耐震助成の3制度は「賃貸住宅以外の建築物であること」と明記され、一棟賃貸は対象外。かつ2026年8月時点で予算上限により受付停止中(相談は可)。
  • 区分所有で貸しているオーナーは、耐震化促進アドバイザー派遣(無料・年5回・合意形成の指導含む)を管理組合経由で活用できる。
  • 市の木造住宅耐震助成は「木造集合住宅」が対象に明記され、居住要件も書かれていない。ただし金額の年度更新に注意し、必ず窓口確認を。
  • 本命は東京都の賃貸住宅の断熱・再エネ集中促進事業。 省エネ診断は補助率10/10・120万円/棟、高断熱窓2/3・30万円/戸、断熱材2/3・60万円/戸。居住地要件も法人制限もない。
  • 都の制度は①事前申込前の契約・着工、②改修前の断熱等級の未把握、③登録事業者以外の施工——このどれか1つで不交付になる。
  • 国の賃貸集合給湯省エネ2026事業はオーナー専用(エコジョーズ等5万〜10万円/台)だが、オーナーは直接申請できず、登録事業者が申請・還元する。2026年8月22日時点の予算消化率は33%。
  • 狛江市は多摩川・野川に挟まれ、市は浸水継続時間マップや内水ハザードマップまで公表している。浸水深=原状回復費、継続時間=空室期間として読むべき情報。
  • 補助金は課税対象。修繕費と資本的支出の判定で手残りが変わるため、見積内訳を工事種別ごとに分けておくこと。
  • 狛江市は多摩地域屈指の高密度な市街地で、隣地が近く足場が架けにくい物件が多い。ロープアクセス工法・ハイブリッド工法が効く条件が揃いやすい。

出典・参考資料


※本記事の制度内容は2026年8月時点の公開情報に基づきます。補助金は年度ごとに要件・金額・受付期間が変わり、予算到達により早期終了する場合があります。申請前に必ず各実施主体の最新情報をご確認ください。税務の取扱いについては、顧問税理士にご相談ください。

大規模修繕の工法選定や概算のご相談は、株式会社明誠へ。通常足場工法・ロープアクセス工法・ハイブリッド工法の3つから、建物にとって最適な工法をご提案します。