大規模修繕はロープアクセスが提案可能な東京の明誠へ

創業から6000棟超の施工実績

藤沢市の分譲マンション管理組合が使える補助金・税制活用ガイド|大規模修繕の負担を軽くする2026年度(令和8年度)の制度設計

藤沢市の分譲マンション管理組合が使える補助金・税制活用ガイド|大規模修繕の負担を軽くする2026年度(令和8年度)の制度設計

「修繕積立金が思うように貯まっていないのに、そろそろ2回目の大規模修繕の時期が来てしまう」。

藤沢市内のあるマンションの理事長さまから、総会の直前にこんな相談をいただいたことがあります。築25年、全50戸。1回目の修繕のときに比べて、足場代も塗料も人件費もずいぶん上がっている。それでも積立金の値上げは住民の反発が怖くて手をつけられていない――。これは決して、その組合だけの特別な悩みではありません。

私は大規模修繕の現場で20年近く、足場の上とロープの先の両方から建物を見てきました。その経験から正直に申し上げます。修繕費そのものを下げる工夫はもちろん大切ですが、それと同じくらい効くのが「使える制度を取りこぼさないこと」です。藤沢市には、管理組合が使える補助金や専門家派遣の制度がきちんと用意されています。さらに国の省エネ補助や固定資産税の減額制度を重ねれば、総会で説明できる「実弾」は意外なほど揃うのです。

この記事では、藤沢市の分譲マンション管理組合が2026年度(令和8年度)に使える制度を、入口の相談から税制の出口まで、申請の順番に沿って整理します。専門用語にはそのつど補足を入れますので、建築が専門でない理事の方も安心して読み進めてください。

1. なぜ今、藤沢市の管理組合は「補助金・税制を絡めた大規模修繕」を考えるべきか

大規模修繕とは、外壁・屋上防水・鉄部塗装といった建物の共用部分をまとめて直す、おおむね12年周期の大きな工事のことです。1回あたり数千万円から、規模によっては億単位になります。この金額を修繕積立金だけで賄おうとすると、どうしても積立金の値上げや一時金の徴収という、住民にとって痛みのある話になりがちです。

ここで効いてくるのが、行政の支援制度です。藤沢市は2023年(令和5年)12月に「マンション管理計画認定制度」の運用を開始し、2024年(令和6年)6月からは管理組合向けの補助制度を本格的にそろえてきました。市が分譲マンションの管理にここまで踏み込むのは、藤沢市内でも高経年(築年数の経った)マンションが着実に増えているからです。

私がいつも理事長さまにお伝えしているのは、「補助金は工事費の足しになるだけでなく、住民を説得するための材料にもなる」ということです。「市の制度を使えば、この部分は実質これだけ軽くなります」と数字で示せれば、総会での合意形成は驚くほどスムーズになります。ここからが本題です。藤沢市で実際に何が使えるのか、順番に見ていきましょう。

藤沢市が管理組合支援に力を入れる背景には、国の大きな方針転換があります。2022年(令和4年)に施行された改正マンション管理適正化法によって、市区町村がマンションの管理状況を把握し、管理計画を認定する仕組みが全国に広がりました。藤沢市はこれを比較的早い段階で取り入れた自治体の一つです。つまり、いま藤沢市で管理支援を使うことは、単に目先の補助を受け取るだけでなく、「行政から見て管理の行き届いたマンション」という評価を積み上げることにもつながります。これは将来の資産価値や、いざ金融機関から修繕資金を借りるときの信用力にも、じわじわと効いてくる話です。

2. 藤沢市が令和8年度に用意する管理組合向け支援制度

藤沢市は令和8年度、2026年4月13日から3つの管理支援制度を実施しています(出典:藤沢市「マンション管理に関する支援制度などのご案内」)。いずれも分譲マンションが対象で、窓口は住まい暮らし政策課です。まず全体像を表で押さえておきましょう。

制度 補助・支援の内容 上限 主な対象
マンション管理アドバイザー派遣 マンション管理士を無料派遣(年度内5回まで) 無料 分譲マンション
マンション管理計画認定支援補助金 認定申請にかかる経費の2分の1 5万5千円 分譲マンション
マンション長期修繕計画作成等支援補助金 計画の作成・見直し費用の2分の1(建物調査費を含められる) 20万円 分譲マンション

それぞれの制度を、もう少し具体的に見ていきます。

2-1. まずは無料の専門家から――マンション管理アドバイザー派遣

マンション管理アドバイザー派遣は、マンション管理の専門家である「マンション管理士」(管理組合運営や長期修繕計画の国家資格者)を、藤沢市が無料で派遣してくれる制度です。派遣回数は年度内5回までとされています。

「何から手をつけていいか分からない」という段階こそ、この制度の出番です。長期修繕計画の妥当性、積立金の水準、管理規約の見直し、修繕委員会の立ち上げ方――こうした論点を、利害のない第三者に整理してもらえる価値は大きいと私は感じています。費用ゼロで専門家の目を一度入れられるのですから、使わない手はありません。

2-2. 認定申請の費用を半分に――マンション管理計画認定支援補助金

マンション管理計画認定支援補助金は、後述する「マンション管理計画認定制度」の認定申請にかかる経費の2分の1を補助するものです。上限は5万5千円です。

認定申請には、長期修繕計画の点検や必要書類の作成で専門家への委託費が発生することが多く、その負担を市が半分まで見てくれる、という位置づけです。金額の規模は大きくありませんが、後で触れる税制優遇の「入口」になる制度なので、押さえておく意味は十分にあります。

2-3. 修繕計画づくりに最大20万円――マンション長期修繕計画作成等支援補助金

マンション長期修繕計画作成等支援補助金は、長期修繕計画の作成や見直しにかかる費用の2分の1を補助する制度で、上限は20万円です。しかも、計画づくりに必要な建物調査の費用も補助の対象に含められます。

長期修繕計画とは、これから30年程度の修繕の時期・内容・費用を見通した「お金の地図」のことです。この地図が古いまま、あるいは存在しないままだと、積立金が足りているのかどうかすら判断できません。私の経験上、修繕でつまずく組合の多くは、工事そのものよりこの「地図の不在」でつまずいています。建物調査まで補助対象になるこの制度は、地図を引き直す絶好の機会だと考えています。

2-4. これらの土台となる「マンション管理計画認定制度」

3つの補助制度の背骨にあたるのが、藤沢市が2023年(令和5年)12月から運用している「マンション管理計画認定制度」です。これは、管理組合の運営体制、長期修繕計画の内容、修繕積立金の積立状況などが国の定めた基準を満たしている場合に、市が「適切に管理されたマンション」として認定する仕組みです(出典:藤沢市「マンション管理計画認定制度」)。

認定を受けると、後述する固定資産税の減額(長寿命化促進税制)の入口要件を満たせるほか、住宅金融支援機構の「マンション共用部分リフォーム融資」で金利の引き下げを受けられるといったメリットもあります。私はこの認定を、いわば「管理の通信簿」だと説明しています。良い通信簿は、住民の安心にも、外部からの信用にもつながるのです。

3. 旧耐震マンションの要――藤沢市の耐震診断・耐震改修補助

藤沢市には、上記の管理支援とは別に、耐震化のための補助制度があります。対象は昭和56年(1981年)5月31日以前に建築確認を受けて着工した、いわゆる「旧耐震」のマンションです。新耐震基準より前の建物は、地震に対する安全性の確認と補強が特に重要になります。

3-1. 分譲マンション耐震診断補助金

耐震診断は、建物が今の耐震基準に照らしてどれくらい安全かを調べる調査です。藤沢市の補助は「予備診断」と「本診断」の2段階に分かれています(出典:藤沢市「分譲マンション耐震診断補助金交付制度」)。

予備診断は、診断に要する費用の2分の1かつ1棟あたり15万円が上限です。本診断は、(1)費用の2分の1、(2)1棟あたり150万円、(3)延べ床面積に応じた単価で算定した額の2分の1――この3つのうち最も少ない額が補助されます。延べ面積1,000平方メートル以内なら1平方メートルあたり3,670円以内、1,000~2,000平方メートルは1,570円以内、2,000平方メートル超は1,050円以内、という単価が定められています。

対象には、RC造(鉄筋コンクリート造)などで2階建て以上、住宅部分が床面積の3分の2以上、区分所有者の居住が2分の1以上、原則6戸以上かつ1住戸40平方メートル以上、といった要件があります。申請受付は事前相談後に事前登録した管理組合に限られる点に注意してください。

3-2. 分譲マンション耐震改修工事等補助金

診断の結果、補強が必要と判定された場合に使えるのが耐震改修の補助です(出典:藤沢市「分譲マンション耐震改修工事等補助金交付制度」)。

耐震改修設計(補強の設計図づくり)は、費用の2分の1または1住戸あたり5万円のいずれか少ない額。耐震改修工事は、(1)費用の2分の1、(2)1住戸あたり30万円、(3)延べ面積に応じた上限額(5,000平方メートル未満は1,000万円、5,000~10,000平方メートル未満は1,500万円、10,000平方メートル以上は2,000万円)のうち最も少ない額が補助されます。

なお、津波浸水想定区域内の津波避難ビルに指定された分譲マンションは、補助上限が引き上げられます(工事は1住戸あたり60万円、延べ面積に応じた上限も最大5,000万円まで)。藤沢市は海に面した地域を抱えるだけに、湘南エリアの沿岸部のマンションでは確認しておきたいポイントです。詳細は市にお問い合わせください。

4. 固定資産税が1年間1/3に――マンション長寿命化促進税制

ここまでは「工事費への補助」でしたが、出口側、つまり税金を軽くする制度もあります。それが「マンション長寿命化促進税制」です。

4-1. 制度の中身

これは、長寿命化に資する大規模修繕工事を行ったマンションについて、工事の翌年度分の固定資産税(建物部分)を減額する国の特例措置です。減額幅は、1戸あたり100平方メートル相当分までを対象に、固定資産税額の3分の1を軽減します。自治体の条例により6分の1から2分の1の範囲で変わる場合があり、藤沢市での実際の割合は市にご確認ください(出典:国土交通省「マンション長寿命化促進税制」)。

適用期間は、当初は令和7年(2025年)3月31日までとされていましたが、令和7年度の税制改正で2年間延長され、令和5年(2023年)4月1日から令和9年(2027年)3月31日までに工事が完了したものが対象となっています。

4-2. 適用要件と「管理計画認定」とのつながり

この税制を使うには、いくつかの要件をすべて満たす必要があります。築20年以上かつ10戸以上のマンションであること、過去に1回以上の長寿命化に資する工事を行っていること、そして「マンション管理計画認定を受けたマンション」または「管理の適正化について市区町村から助言・指導を受けた管理組合」であること、などです。

ここで第2章の「管理計画認定支援補助金」が効いてきます。認定を取っておくことが、この固定資産税減額の入口要件になっているからです。私はこれを、必ずワンセットで考えるようにしています。認定の取得 → 長期修繕計画の整備 → 大規模修繕の実施 → 固定資産税の減額、という一本の線でつながっているのです。

4-3. 申告のタイミングに注意

この税制は、工事をすれば自動で適用されるものではありません。工事完了後、原則として一定期間内(おおむね3か月以内)に、必要書類を添えて市の固定資産税担当課へ申告する必要があります。証明書の取得や書類の準備に手間がかかるため、工事の契約段階から「税制も使う」と決めて段取りしておくことが大切です。私はいつも、修繕の計画を立てる最初の打ち合わせで、この出口の税制まで含めてスケジュールに書き込むようにしています。後から「使えたのに申告し損ねた」となるのが、一番もったいないからです。

5. 国の「住宅省エネ2026キャンペーン」を戸あたりで効かせる

藤沢市・国の制度に加えて、省エネ改修の国費補助も大規模修繕に重ねられます。2026年度は、国土交通省・経済産業省・環境省の3省連携による「住宅省エネ2026キャンペーン」が動いています。これは「先進的窓リノベ2026事業」「給湯省エネ2026事業」「みらいエコ住宅2026事業」「賃貸集合給湯省エネ2026事業」の4事業の総称です(出典:住宅省エネ2026キャンペーン公式サイト)。

5-1. 先進的窓リノベ2026事業

分譲マンションの大規模修繕と特に相性がよいのが、環境省の先進的窓リノベ2026事業です。既存住宅の窓を断熱性能の高い窓に改修する工事を支援するもので、戸建て・住戸単位では1戸あたり最大100万円が補助されます(出典:環境省「先進的窓リノベ2026事業 対象要件の詳細」)。

注目したいのは、マンション全体で窓の断熱改修を行う場合、管理組合・管理組合法人が施主となって一括申請できる点です。大規模修繕に合わせて全戸の窓をまとめて断熱改修すれば、戸あたり換算でかなりの補助を引き込めます。50戸のマンションなら、窓改修の内容次第で総額は大きなものになり得ます。ただし補助には予算枠があり、登録事業者を通じた申請が必要です。

5-2. 給湯省エネ・賃貸集合向けの事業

給湯省エネ2026事業は、高効率給湯器(エコキュートなど省エネ性能の高い給湯機器)の導入を支援する経済産業省の事業です。また、賃貸集合住宅向けには「賃貸集合給湯省エネ2026事業」があり、1棟に2戸以上の賃貸住戸を有し、建築から1年以上が経過した建物が対象とされています。分譲と賃貸では使える事業が異なるため、自分のマンションがどの枠に当たるかは、最初に整理しておくと無駄がありません。

6. 申請タイミングという落とし穴――「交付決定前の契約」は対象外

ここで、補助金で最も多い失敗を申し上げます。それは「先に工事の契約をしてしまった」というケースです。

藤沢市の案内にも明記されていますが、補助金制度の活用を検討している場合、委託契約や事業着手は交付決定を受けてから進める必要があります。交付決定の前に契約・着手してしまうと、補助の対象外になってしまうのです(出典:藤沢市「マンション管理に関する支援制度などのご案内」)。

私が現場で一番悔しい思いをするのは、良い工事をしたのに「申請の順番」を間違えて補助を受け取れなかった組合を見るときです。総会で工事を決議し、勢いそのままに契約――この自然な流れが、補助金では命取りになります。正しい順番は、(1)事前相談、(2)申請、(3)交付決定、(4)契約・着工、(5)完了報告・補助金請求です。国の省エネ補助にも予算枠があり、枠に達した時点で締め切られます。「早く動いた組合から埋まっていく」と考えておくのが安全です。

7. 藤沢市の管理組合・補助金活用ロードマップ(着手順)

制度が多くて混乱しそうですが、やることの順番はシンプルです。私が組合にお勧めしている流れを整理します。

第一段階は「無料のアドバイザー派遣」。利害のない専門家に現状を見てもらい、長期修繕計画と積立金の妥当性を点検します。第二段階は「長期修繕計画作成等支援補助金(上限20万円)」を使った計画の整備。建物調査も補助対象に含められます。第三段階は「管理計画認定支援補助金(上限5.5万円)」で認定を取得し、固定資産税減額の入口要件を満たします。第四段階で、耐震が課題なら診断・改修補助を、省エネを絡めるなら先進的窓リノベ2026を組み込みます。そして第五段階、大規模修繕の完了後に長寿命化促進税制の固定資産税減額を申告する――この順で進めれば、取りこぼしが起きにくくなります。

すべての段階に共通する鉄則は、第6章で述べたとおり「契約は交付決定の後」です。

7-1. 数字で見る試算イメージ(藤沢市・50戸・築25年のケース)

イメージをつかんでいただくために、藤沢市内の50戸・築25年・延べ床面積4,000平方メートル程度のマンションを例に、ざっくりと試算してみます(あくまで概算のイメージであり、実際の補助額は審査・予算・工事内容で変わります)。

長期修繕計画の見直しに専門家委託で40万円かかったとすれば、補助でその2分の1・上限20万円が戻る計算です。窓の断熱改修を大規模修繕に合わせて全戸で行えば、先進的窓リノベ2026の補助を戸あたりで積み上げられます。さらに、要件を満たして長寿命化促進税制が適用されれば、工事翌年度の建物部分の固定資産税が1年間軽減されます。一つひとつは小さく見えても、戸あたりに割り戻すと住民の財布感覚で「これだけ軽くなる」と説明できる数字になります。総会では、この戸あたり換算が効きます。

7-2. 合意形成は「数字」と「順番」で決まる

私が現場でつくづく感じるのは、大規模修繕で本当に難しいのは工事そのものではなく、住民の合意形成だということです。修繕積立金の値上げや一時金の話になると、どうしても総会は紛糾しがちです。だからこそ、補助金や税制で「外から軽くできる部分」を先に整理し、「市の制度でここまでカバーでき、残りがこの金額です」と順序立てて示すことが効きます。漠然と「数千万円かかります」と言われるのと、「補助と税制でこれだけ軽くなり、戸あたりの実質負担はこの水準です」と言われるのとでは、住民の受け止めはまったく違います。理事会の段階で、この説明の骨組みをつくっておくこと。それが、私が組合にお渡しできる一番現実的な助けだと思っています。

8. 大規模修繕は「工法の選択肢」で総額が変わる――明誠の3工法提案

補助金で工事費の一部を軽くできても、工事そのものの設計が割高では本末転倒です。ここで私たち明誠の出番になります。

大規模修繕というと「建物全体に足場を組む」のが当たり前と思われがちですが、足場の設置・撤去だけで全体費用の2割前後を占めることも珍しくありません。私たちは、従来の足場を使う工法に加えて、産業用ロープで作業するロープアクセス工法(無足場工法)、そして両者を部位ごとに使い分ける「ハイブリッド工法」の3つから、建物に最適な方法をご提案できます。日本でもこの3択を一社で提案できる会社は多くありません。

ロープアクセス工法は、高層部や足場の架けにくい形状の建物で、足場費を抑えながら工期を短縮でき、しかも居住者の生活への影響を最小限にできるのが強みです。一方で、外壁全面を一度に大きく改修するような工事では足場が向く場面もあります。だからこそ「全部ロープ」でも「全部足場」でもなく、部位ごとに最適化するハイブリッドという発想が効いてくるのです。私はこれを、必ず建物を見てから提案するようにしています。

加えて明誠は、日本で初めてロープアクセス工事のフランチャイズ展開を行っており、塗装・防水・タイル・電気・看板など各分野の専門職が加盟しています。専門工事会社が直接施工に入るため、中間マージンを抑えた高品質・低価格の工事が可能です。補助金で外から軽くし、工法の選択で中から軽くする。この二段構えが、積立金に余裕のない組合にとって現実的な解になります。

以前、ある沿岸寄りのマンションで、外壁の一部にだけ早期の補修が必要だが全面はまだ早い、というケースがありました。従来の発想なら「全面足場を組んで一気に」となりがちですが、それでは積立金を一度に大きく取り崩すことになります。私たちはロープアクセスで傷みの進んだ面だけを先行して手当てし、全面改修は数年後の本工事に回す段取りをご提案しました。結果として、その年の支出を抑えつつ、住民の不安が大きかった箇所を先に解消できました。「面の見極め」――どこを今やり、どこを待てるかを正しく判断することが、総額を左右します。これは机上の計算ではなく、現場で建物に触れてきた者の感覚です。

9. よくある質問(FAQ)

Q1. 藤沢市の管理支援補助金は、いつから申請できますか。
令和8年度は2026年4月13日から実施されています。ただし予算には限りがあり、いずれの制度も交付決定の前に契約・着手すると対象外になります。検討を始めた段階で、まず住まい暮らし政策課に事前相談されることをお勧めします。

Q2. 耐震診断の補助と省エネの補助は、両方使えますか。
制度の趣旨が異なるため、それぞれの要件を満たせば併用を検討できます。ただし対象経費の切り分けや申請窓口が異なるため、組み合わせ方は専門家やアドバイザーに整理してもらうのが安全です。

Q3. うちは新耐震のマンションです。耐震補助は関係ないですか。
耐震診断・改修の補助は昭和56年5月31日以前に着工した旧耐震が対象です。新耐震の建物は耐震補助の対象外ですが、管理計画認定支援・長期修繕計画作成支援・省エネ系の補助や長寿命化促進税制は活用の余地があります。

Q4. 補助金の手続きが複雑そうで不安です。
申請書類や要綱は藤沢市のサイトで公開されていますが、組合だけで完結させる必要はありません。無料のマンション管理アドバイザー派遣を入口に使い、工事の工法・見積りは私たちのような施工会社にご相談いただければ、全体の段取りを一緒に組み立てられます。

Q5. ロープアクセス工法だと、足場を組む工法に比べて品質は落ちませんか。
落ちません。ロープアクセス工法は産業用ロープで作業員が直接外壁に取り付いて施工する方法で、目の前の壁を間近で確認しながら作業できるため、むしろ細かな劣化の発見に向く場面もあります。日本でもロープアクセスの専門技術者は資格と訓練を経た者に限られます。ただし、外壁全面を一度に大きく改修する工事では足場が適することもあり、私たちは建物を見たうえで足場・ロープ・ハイブリッドのどれが最適かをご提案しています。

Q6. 認定や補助の検討は、総会のどのくらい前から動けばよいですか。
余裕をもって、工事を予定する年度の1年以上前から動かれることをお勧めします。アドバイザー派遣で現状を点検し、長期修繕計画を整え、認定や補助の事前相談を済ませておけば、総会では「すでに段取りができた状態」で決議に臨めます。交付決定の前に契約してはいけないという制約がある以上、前さばきの時間を確保しておくことが、結果的に最も費用を抑えます。

結語

藤沢市の制度を一つひとつ見ていくと、「知らなかったために使えなかった」という取りこぼしが、いかにもったいないかが分かります。無料のアドバイザー派遣から始め、計画を整え、認定を取り、工事に補助を重ね、最後に税制で出口を軽くする。この一本の線を、私はいつも理事長さまと一緒に引くようにしています。

工事の話はもちろん、その前段の「制度の整理」や「総会での説明資料づくり」だけでも、お力になれることがあります。藤沢の海風は塩害という形で建物にも効いてきますから、沿岸部のマンションは特に、早めの点検が後の費用を左右します。ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理からでも、喜んでお手伝いします。

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出典・参考資料


※本記事は2026年6月時点で公開されている公的情報をもとに作成しています。補助率・上限額・適用期間・申請受付期間は予算や制度改正により変更される場合があります。実際の申請にあたっては、必ず藤沢市および各事業の公式情報をご確認のうえ、事前相談からお進めください。