大規模修繕はロープアクセスが提案可能な東京の明誠へ

創業から6000棟超の施工実績

大田区の管理組合が無料で使える相談・派遣10選|管理士相談は毎月第3木曜、建築士は第1・3水曜、訪問相談は件数上限あり【令和8年度版】

大田区の管理組合が無料で使える相談・派遣10選|管理士相談は毎月第3木曜、建築士は第1・3水曜、訪問相談は件数上限あり【令和8年度版】

2026年9月18日 更新

「本間さん、うちは管理会社さんに任せきりでね。でも今度の大規模修繕だけは、第三者の目を一度入れておきたいんですよ。ただ、コンサル料が何十万もかかるんでしょう」

去年の秋、大森北のマンションの理事長さまから、そう言われました。築29年、48戸。1回目の大規模修繕から14年が経っていて、そろそろ2回目を考えなければいけない、という段階の物件です。

私は株式会社明誠の本間幸紘と申します。東京都東大和市を拠点に、20年近くマンションやビル、ホテルの外壁の仕事をしてきました。足場を組んで囲う工事も、ロープ1本でぶら下がる無足場の工事も、どちらの現場も自分の足で踏んできた人間です。

その理事長さまにお伝えしたのは、ひとつだけでした。大田区には、マンション管理士が組合まで出向いてくれる訪問相談がある。費用はかかりません。まずそこを使って、課題の棚卸しだけでもしてしまいましょう、と。

大田区は23区でもっとも面積が広い区で、蒲田・大森・田園調布・池上・羽田と、マンションの性格が地域ごとにまるで違います。区の支援メニューも、それを反映して「来てもらう」「出向いてもらう」「専門家を呼ぶ」の3系統に分かれています。使い分けができると、動きがずいぶん速くなります。

今日は、大田区のマンション管理組合とビルオーナーさまが、お金をかけずに使える相談・派遣を10個、令和8年度(2026年4月1日から2027年3月31日まで)の一次情報で整理します。


結論:大田区で無料で使える相談・派遣は10ある

先に一覧でお示しします。

# 制度・窓口 誰が対応するか 費用・回数 申込先
1 マンション管理無料相談会 マンション管理士 無料/毎月第3木曜・3枠 都マンション管理士会大田支部 03-6410-9542
2 マンション管理等訪問相談 マンション管理士(組合へ訪問) 無料/年間件数に上限あり 建築調整課 住宅政策担当 03-5744-1416
3 マンション管理等アドバイザー派遣制度 まちづくりセンターのアドバイザー 派遣料無料 建築調整課 住宅政策担当 03-5744-1416
4 分譲マンション管理セミナー 外部の専門家(弁護士等) 無料/年2回 住宅・空家相談窓口 03-5744-1343
5 マンション交流会 他組合の理事・区職員 無料/申込不要 同上
6 マンション個別相談会 マンション管理士 無料/抽選4組 同上
7 一級建築士による無料建築相談 一級建築士 無料/第1・第3水曜 建築調整課 03-5744-1383(予約制)
8 法律相談 弁護士 無料/25分・対面+オンライン 広聴広報課 03-5744-1135(予約制)
9 不動産取引相談/消費者生活センター 宅建業協会相談員/消費生活相談員 無料 03-5744-1135/03-3736-0123
10 東京都・国の相談窓口 管理士・建築士等 無料 都マンション課 03-5320-5004 ほか

このうち2・3・7は、区役所の建築調整課 住宅政策担当(電話03-5744-1416)が入口になります。4〜6は住宅・空家相談窓口(03-5744-1343)。番号はこの2つを押さえておけば、ほぼ足ります。

ここからが本題です。


1. マンション管理無料相談会:毎月第3木曜、区役所1階南ロビー

区役所に出向いて、マンション管理士に直接聞ける枠です。予約制で、費用はかかりません。

区の公式ページには、次のように書かれています(出典:大田区「マンション管理無料相談会(参加費無料、事前予約制)」、2026年9月1日更新)。

  • 日時:毎月第3木曜日。相談時間は(1)午後1時(2)午後2時(3)午後3時 から選択
  • 会場:大田区役所本庁舎 1階南ロビー(中央の入口から入ってすぐ左のスペース)
  • 相談員:マンション管理士
  • 申込:東京都マンション管理士会 大田支部/電話 03-6410-9542/メール tokyomankan.otasibu@gmail.com

令和8年度の残りの開催日は、公表されている日程表によると次のとおりです。

開催日 曜日
令和8年10月15日 木曜日
令和8年11月19日 木曜日
令和8年12月17日 木曜日
令和9年1月21日 木曜日
令和9年2月18日 木曜日
令和9年3月18日 木曜日

(令和8年9月17日の回は本記事公開時点で終了しています)

ひとつ注意点があります。申込先の電話は留守番電話に設定されています。区の案内では「区役所での相談会に申し込みたい」旨を録音すれば、担当者から折り返し連絡が来る、とされています。かけて誰も出ないからといって、諦めないでください。

区が挙げている相談例は、管理組合の運営、大規模修繕工事の検討や準備、管理規約の改定、そして「東京におけるマンションの適正な管理の促進に関する条例」についての相談です。修繕の話が正面から受けてもらえる枠だ、ということです。

私は理事長さまに、この枠を「見積書を持っていく場」としてお勧めしています。管理会社から出てきた大規模修繕の概算を1枚持って、「この金額感、どう思われますか」と聞く。第三者の管理士がどこに引っかかるかを聞くだけで、理事会の議論の質が変わります。


2. マンション管理等訪問相談:管理士が組合まで来てくれる

大田区の支援メニューで、私がいちばん価値が高いと思っているのがこれです。

東京都マンション管理士会大田支部のマンション管理士が管理組合を訪問し、抱えている問題や取り組むべき課題の整理を支援して、解決の方向性や区・都の支援策の使い方を助言してくれます。費用はかかりません(出典:大田区「マンション管理等訪問相談」)。

理事会に専門家が来てくれる、という形です。理事1人が区役所に行って話を聞いて帰ってくるのと、理事会全員が同じ説明を同じ場で聞くのとでは、その後の合意形成のスピードがまるで違います。

対象:「東京におけるマンションの適正な管理の促進に関する条例」に基づく管理状況の届出を行っている、区内の管理組合等(管理組合設立に向けて準備している区分所有者の団体を含む)

申請:派遣希望日の30日前までに、管理組合等の代表者名で「大田区マンション管理等訪問相談員派遣申請書」を提出。日程調整が必要なので、区は事前連絡を求めています

窓口:建築調整課 住宅政策担当(大田区蒲田五丁目13番14号)/電話 03-5744-1416

ここで、見落とされがちな一文を引いておきます。区のページには「マンション管理士を派遣する年間件数が決まっているため、上限に達し次第、申込みの受付けを終了します」と書かれています。

つまり、早い者勝ちの制度です。私は理事長さまに「総会で決めてから申し込もう」ではなく、「理事会で方向が固まった時点で、まず枠を取ってください」とお伝えしています。9月は、年度の折り返しです。枠が残っているうちに動く意味があります。

なお、このページの更新日は2025年4月15日(令和7年4月15日)です。令和8年度の年間派遣件数そのものは公表されていないため、現時点の受付状況は建築調整課へ直接ご確認ください。本記事では「上限あり・先着」という制度の枠組みのみをお伝えしています。


3. マンション管理等アドバイザー派遣制度:都のアドバイザーを区が無料で呼ぶ

2の訪問相談が「区の管理士」だとすると、こちらは「都のアドバイザー」を区の制度で呼ぶ仕組みです。

区内マンションの適切な管理運営と維持管理水準の向上を図るため、(公財)東京都防災・建築まちづくりセンターが実施する「マンション管理アドバイザー制度」および「マンション建替え・改修アドバイザー制度」によるアドバイザーを、大田区が無料で派遣します(出典:大田区「マンション管理等アドバイザー派遣制度」)。

対象要件が少し特殊なので、丁寧に読んでください。区が挙げているのは次の2つを両方満たす管理組合です。

  1. 「東京におけるマンションの適正な管理の促進に関する条例」に基づく管理状況の届出を行っていること
  2. まちづくりセンターのマンションアドバイザー無料派遣を受けることができない管理組合であること

2つめが分かりにくいので、まちづくりセンター側の無料派遣の枠を並べます。区のページに書かれている内容は次のとおりです。

区分 まちづくりセンターの無料派遣
届出が受理された要届出マンション 1回まで無料
届出が受理され、管理不全の兆候があるマンション 5回まで無料
要届出マンション以外で、管理不全の兆候のないマンション 無料派遣の対象外

要するに、まちづくりセンターの無料枠を使い切った組合、あるいはそもそも都の無料枠の対象にならない組合を、大田区が独自に拾い上げる制度だということです。「もう都の1回は使ってしまった」という組合ほど、この区の制度を知る価値があります。

派遣内容:マンション管理アドバイザー制度の「講座編」「相談編」、マンション建替え・改修アドバイザー制度の「入門編」「検討書の作成」。各コースの詳細は区が公開している制度案内パンフレット(PDF)にまとまっています

申請:派遣希望日の30日前までに、管理組合理事長名(設立準備中の団体は代表者名)または所有者名で申請書(第1号様式)を提出

注意点:派遣料以外の費用(テキスト代、違約金等)は申請者の負担です。また、派遣申請後に辞退すると違約金が発生します。日程は理事会でしっかり固めてから申請してください

こちらのページの更新日は2025年4月1日(令和7年4月1日)です。令和8年度の運用に変更がないかどうかは、申請前に建築調整課(03-5744-1416)へ一度ご確認ください。

「検討書の作成」コースは、大規模修繕か改修か建替えかで理事会が割れているときに効きます。私の経験上、割れているのは意見ではなく前提となる情報であることが多い。第三者がつくった検討書が1冊あるだけで、話が前に進みます。


4〜6. セミナー・交流会・個別相談会:年2回、次は令和9年3月予定

大田区は分譲マンション管理セミナーを年2回、参加費無料で開いています(出典:大田区「分譲マンション管理セミナー、交流会、個別相談会」、2026年8月14日更新)。

令和8年度第1回は、令和8年9月6日(日曜日)に開催されました。内容は次のとおりでした。

  • 日時:令和8年9月6日(日曜日)午後1時から3時
  • 会場:消費者生活センター 2階 大集会室(大田区蒲田五丁目13番26-101号)
  • テーマ:管理組合の基礎知識と改正関係
  • 講師:香川 希理 氏(香川総合法律事務所 代表弁護士)
  • 定員:先着60名

そして重要なのはここです。区のページには「令和8年度第2回セミナー・相談会 令和9年3月開催予定」と明記されています。

セミナー本体(第1部)のあとに、第2部としてマンション交流会マンション個別相談会が同時間帯で開かれます。第1回の例では、次のような構成でした。

区分 内容 申込
マンション交流会 セミナー終了後、同会場でそのまま開催 事前申込不要
マンション個別相談会 別室でマンション管理士に個別相談 事前申込制・抽選4組

(注)交流会と個別相談会は同じ時間帯のため、両方には参加できません。

個別相談会は抽選4組と狭き門ですが、交流会のほうは申込不要です。私は、こちらを軽く見ないでほしいと思っています。他の組合の理事長と、修繕の話を生でできる場は、そう多くありません。「うちは前回いくらでやった」「その業者はどうだった」という情報は、どんな資料よりも実務的です。

申込先は〒144-8621 大田区蒲田5-13-14 大田区住宅相談窓口(建築調整課住宅政策担当内)、FAX 03-5744-1558、電話 03-5744-1343。第1回はFAX・郵送・電子申請フォームの3通りで受け付けていました。

令和9年3月回の具体的な日程・テーマ・申込開始日は、本記事公開時点では未公表です。第1回の受付開始が開催の約1か月前(令和8年8月1日)だったことを踏まえると、令和9年1月末から2月初旬には区のページを見に行っておくとよさそうです。


7. 一級建築士による無料建築相談:第1・第3水曜、予約制

修繕の話を「建築の専門家」に聞きたいときの枠です。

  • 日時:第1水曜日・第3水曜日 午後1時から午後4時(祝日を除く)
  • 場所:区役所本庁舎1階ロビー
  • 相談員:東京都建築士事務所協会大田支部所属の一級建築士等
  • 相談内容:新築、増築、耐震診断、改修、工事管理など
  • 予約:予約制/電話 03-5744-1383

出典:大田区「一級建築士による無料建築相談」(2026年3月4日更新)。なお区のページには「9月は日程が変更になります。お問い合わせください」との注記があります。9月にご利用の場合は、事前に電話でご確認ください。

「改修」「工事管理」が相談内容に入っているのが、この枠の使いどころです。大規模修繕の工事監理を誰が担うのか——管理会社なのか、設計監理方式で別の設計事務所を入れるのか。ここは金額にして数百万円が動く判断です。第三者の一級建築士に30分聞けるなら、聞いておいて損はありません。

私は、外壁の打診調査の報告書を持っていくことをお勧めしています。打診調査(外壁を専用の道具で叩き、内部の浮きを音で判別する調査)の結果は、素人が読むと「浮きが○㎡」という数字の羅列に見えます。それがこの建物にとってどれくらい深刻なのかを建築士に訳してもらう。その一手間で、理事会の温度が変わります。

打診調査の㎡単価は、私どもがお受けしている案件ではおおむね250〜500円/㎡が目安です。外壁塗装は3,500〜4,500円/㎡、屋上防水は5,000〜8,000円/㎡といったレンジになります。いずれも物件の状態と規模で大きく振れますので、参考値としてご覧ください。


8〜9. 弁護士の法律相談・不動産取引相談・消費者生活センター

管理費の滞納、区分所有者間のトラブル、工事契約の解釈——法律の話になったときの窓口です。

法律相談(無料)

  • 日時:毎週 月曜日・水曜日・金曜日(祝日、12月29日〜1月4日を除く)
  • 時間枠:午後1時30分/1時55分/2時20分/2時45分/3時10分(相談時間は25分
  • 場所:区民相談室(区役所本庁舎2階)
  • 予約:予約制/電話 03-5744-1135(メール予約不可)。相談希望日の2週間前から受付
  • 対象:大田区に在住・在勤・在学の方
  • オンライン相談あり(午後1時30分〜1時55分の枠、LoGoフォームから申込。画面共有は不可)

出典:大田区「法律相談(無料)」(2026年8月5日更新)。

ひとつ注意があります。区の案内では「原則として、同じ内容の相談は一度だけです。繰り返しの相談はできません」とされています。25分1回きり、と考えて臨んでください。事実関係を時系列で1枚にまとめて持っていくだけで、密度が段違いになります。

区以外の窓口としては、東京都内の3弁護士会が共同運営する法律相談センターの電話無料相談(0570-200-050、月〜金 午前10時〜午後4時、15分程度)があります。区外の物件についてのご相談は、こちらが窓口になります。

不動産取引相談(無料)

  • 日時:第1木曜日・第3木曜日 午後1時から午後4時(受付は午後3時まで)
  • 場所:区民相談室(区役所本庁舎2階)
  • 相談員:宅地建物取引業協会相談員
  • 予約不要・受付順

出典:大田区「不動産取引相談(無料)」(2026年8月5日更新)。予約不要というのは、地味ですが大きな利点です。

大田区立消費者生活センター

訪問販売や電話勧誘で結んでしまった工事契約について相談できる窓口です。

  • 相談専用電話:03-3736-0123
  • 受付:月曜日から金曜日 午前9時から午後4時30分まで(祝日、年末年始を除く)
  • 所在地:大田区蒲田五丁目13番26-101号

出典:大田区「消費生活相談」

正直に申し上げます。私が現場で20年やってきて、いちばん悔しい思いをするのは、飛び込みの業者に「今すぐ工事しないと危ない」と言われて契約してしまった後のご相談です。屋上に上がってみると、そもそも手を入れる必要がなかった、ということが実際にあります。

契約書にハンコを押す前に、この番号に電話してください。クーリング・オフが使える期間かどうかも、ここで確認できます。


10. 東京都・国の相談窓口:大田区の枠を使い切ったら

東京都:マンション管理士無料派遣(防災力向上・認知症対応)

東京都が令和5年度から実施している事業です。防災力向上や認知症対応の講習を受けたマンション管理士が、実践的なノウハウの習得や合意形成のアドバイスを行います。

  • 対象:都内に所在するマンション管理組合
  • 回数:1管理組合につき、防災力向上と認知症対応それぞれ2回まで(無料)
  • 注意:派遣回数は通算。令和5〜7年度に派遣を受けている場合、その回数も上限に含まれます
  • 受付期間:令和8年6月23日(火)から令和9年2月26日(金)まで
  • 募集数:防災力向上・認知症対応 合わせて160件。達し次第、新規申込を締切
  • 申込:東京都マンション管理士会のHPから
  • 問合せ:東京都 住宅政策本部 民間住宅部 マンション課 03-5320-5004

出典:東京都マンションポータルサイト「分譲マンション向けマンション管理士無料派遣(防災力向上・認知症対応)」

都内全体で160件という枠です。9月時点で残りが何件かは公表されていませんので、使うと決めたら早めに動いてください。

東京都:管理状況の届出とアドバイザー派遣費用の助成

大田区の制度(上記2・3)は、いずれも条例に基づく管理状況の届出が入口条件になっています。まだ届出をしていない組合は、そこが最初の一歩です。届出制度の詳細は東京都マンションポータルサイト「管理状況届出制度」に、大田区での手続きは大田区の管理状況届出制度のページにまとまっています。

国:(公財)マンション管理センター

全国の管理組合向けに、電話相談を受け付けています。

長期修繕計画の標準様式や修繕積立金ガイドラインなど、国が示している基準の原典にあたれるのが強みです。国土交通省のマンション政策のページもあわせてご覧ください。


何を持っていけばいいか:3点セットだけ用意してください

どの窓口を使うにしても、持参資料で相談の質が決まります。私がいつもお伝えしているのは、次の3点です。

資料 なぜ必要か どこにあるか
直近の総会議事録(2〜3期分) 組合が何を決めて、何を決めていないかが分かる 管理会社または理事長保管
長期修繕計画書 次の修繕の時期と積立金の過不足が一目で分かる 管理会社または理事長保管
管理規約(最新版) 工事の決議要件(普通決議か特別決議か)を判断できる 同上

この3点が揃っていれば、初回の25分や50分で「何から手をつけるか」まで踏み込めます。逆にこれがないと、相談員は一般論しか言えません。

余裕があれば、直近の修繕履歴(いつ何をいくらでやったか)と、外壁の写真を数枚。スマホで撮ったもので十分です。特にひび割れや鉄部の錆は、写真があると建築士の話が具体的になります。


大規模修繕の工法は、無料相談で先に「選択肢」を知っておく

ここからは、私の本業の話を少しだけさせてください。

無料相談で第三者の意見をもらった後、実際の工事に進むとき、大田区のマンションで判断が分かれるのが足場をどうするかです。

蒲田や大森の商業地に建つ物件、羽田周辺の敷地に余裕のない物件、田園調布や久が原の傾斜地に建つ物件——大田区は、足場を組むこと自体が難しい立地が少なくありません。

参考までに、私どもがよくお示しする比較を挙げます。10階建て・外周80m・工期3か月のマンションの場合、仮設足場の費用はおよそ168万円。同じ範囲をロープアクセス工法(建物の屋上からロープで吊り下がって施工する無足場工法)で行うとおよそ59万円。差額は約109万円です。30戸規模の大規模修繕の総額が3,500〜5,000万円というレンジのなかで、仮設足場が占める割合は15〜25%。ここが削れるかどうかは、積立金の議論に直結します。

もちろん、ロープアクセスが常に正解ではありません。躯体の劣化が広範囲に及んでいる物件は、足場を組んでしっかり囲ったほうが結果的に安く済みます。私どもは通常の足場工法、ロープアクセス工法、そして部位ごとに使い分けるハイブリッド工法の3つから、建物に合うものをご提案しています。詳しくは明誠のロープアクセス工法の技術詳細大規模修繕の料金の考え方をご覧ください。

工法そのものの技術的な比較や、ロープアクセスの安全基準について深く知りたい方は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムに、同業者向けの詳しい解説をまとめています。管理組合の技術担当理事の方が読んでも理解できる内容です。

株式会社明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法での高所作業について、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業では過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。IRATA(国際産業ロープアクセス協会)水準の技能訓練を受けた作業員が施工にあたり、安全管理の考え方は明誠の安全管理への取り組みにまとめています。訓練体制や資格制度の詳細はロープアクセスドットコム側で公開しています。

これまでの施工事例(約6,000棟)は https://rita-construction.com/blog/category/works/ からご覧いただけます。大田区内の物件も含まれています。


よくあるご質問

Q. 大田区の無料相談は、賃貸マンションのオーナーでも使えますか?

A. 窓口によって分かれます。マンション管理無料相談会・訪問相談・アドバイザー派遣は分譲マンションの管理組合が対象です。一方、一級建築士による無料建築相談、法律相談、不動産取引相談は大田区に在住・在勤・在学の個人が対象なので、区内にお住まいのオーナーさまはご利用いただけます。ビル1棟の修繕計画のご相談は、明誠のビルオーナー向けページからもお受けしています。

Q. 訪問相談とアドバイザー派遣、どちらを先に使うべきですか?

A. 課題がまだ整理できていない段階なら訪問相談が先です。マンション管理士が課題の棚卸しから助言してくれます。「大規模修繕か改修か建替えか」のように論点が絞れている段階なら、アドバイザー派遣の検討書作成コースのほうが成果物が残る分、総会で使いやすくなります。

Q. 管理状況の届出をしていません。それでも相談できますか?

A. 相談会(毎月第3木曜)や一級建築士相談、法律相談は届出の有無を問いません。ただし訪問相談とアドバイザー派遣は、条例に基づく管理状況の届出を行っていることが条件です。届出そのものの手続きも相談会で聞けますので、まずそこから始めるのが近道です。

Q. 相談は無料でも、そのあと工事を頼まされませんか?

A. 区の相談窓口はマンション管理士会や建築士事務所協会、弁護士会から派遣された相談員が対応するもので、特定の業者を紹介する場ではありません。区は「特定の弁護士の紹介はしておりません」と明記しています。工事業者の選定は、あくまで管理組合が別途行うことになります。

Q. 大規模修繕の費用はどれくらいが目安ですか?

A. 30戸規模のマンションで3,500〜5,000万円というレンジが一般的です。うち仮設足場が15〜25%を占めます。外壁塗装は3,500〜4,500円/㎡、屋上防水は5,000〜8,000円/㎡が目安ですが、劣化状況と足場条件で大きく変動します。概算のお見積りは無料でお出しできますので、明誠のお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

Q. ロープアクセス工法にすると工期はどれくらい短くなりますか?

A. 足場工法の約60%が目安です。10階建て・外周80mのマンションであれば、足場工法で3か月かかるところ、ロープアクセス工法なら1.5〜2か月程度。足場の組立・解体に必要な期間がまるごと不要になるためです。居住者の方がバルコニーを使えない期間も、その分短くなります。

Q. 令和9年3月のセミナーはいつから申し込めますか?

A. 本記事公開時点で日程・申込開始日とも未公表です。令和8年度第1回は開催の約1か月前(令和8年8月1日)から受付が始まりました。令和9年1月末ごろから大田区のセミナーページを確認されることをお勧めします。

Q. 管理組合として、明誠に相談することはできますか?

A. もちろんです。工法の選択肢を知りたい、他社の見積りの妥当性を確認したい、といった段階でも構いません。管理組合向けのサービスページに、ご相談から着工までの流れをまとめています。


まとめ:今週、大田区の管理組合が動けること3つ

長くなりましたので、動くべきことだけ3つに絞ります。

1. 管理状況の届出が済んでいるか確認する

訪問相談もアドバイザー派遣も、ここが入口条件です。済んでいなければ、まずここから。建築調整課 住宅政策担当(03-5744-1416)に電話1本で確認できます。

2. 訪問相談の枠を押さえる

年間件数に上限があり、達し次第終了です。9月は年度の折り返し。理事会で方向が固まっているなら、総会を待たずに問い合わせてください。派遣希望日の30日前までの申請が必要なので、逆算するとあまり時間はありません。

3. 3点セットを1つのファイルにまとめる

総会議事録・長期修繕計画・管理規約。これを1冊にしておけば、どの窓口に行っても即座に本題に入れます。次の理事会で、誰が用意するかだけ決めてしまってください。

大田区は、支援の入口が複数ある区です。裏を返せば、どこから入ればいいか分かりにくい。この記事が、その地図の代わりになれば嬉しく思います。

9月中に動けるかどうかが分かれ目です。次の理事会で1分だけでも、この話題を出してみてください。 工法の選択肢や概算のご相談だけでも、私どもでお力になれることがあります。


出典・参考資料


本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月18日時点で公表されている大田区および国土交通省・東京都の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。特にマンション管理等訪問相談およびマンション管理等アドバイザー派遣制度については、参照した大田区公式ページの更新日が令和7年(2025年)4月時点であり、令和8年度の運用に変更が加えられている可能性があります。実際に申請される前に、必ず大田区建築調整課 住宅政策担当(03-5744-1416)および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。


この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年9月18日