大規模修繕はロープアクセスが提案可能な東京の明誠へ

創業から6000棟超の施工実績

道志村のマンション補助金|大規模修繕2026年度版

道志村のマンション補助金|大規模修繕2026年度版

道志村で分譲マンションの大規模修繕を考えている理事会の方に、いちばん先にお伝えしたいことがあります。道志村では、外壁の塗り替えそのものが村の景観条例の届出対象になり得ます。補助金を探すより先に、この届出の日数を工程表に書き込んでください。

私は株式会社明誠の本間幸紘です。マンション・ビル・ホテルの大規模修繕を20年以上やってきました。この連載では関東・山梨・静岡の自治体を1つずつ調べて、その地域のマンションで実際に使える制度と、現場でつまずくポイントを書いています。今回は山梨県南都留郡の道志村です。

道志村は人口1,445人・615世帯(令和8年8月1日現在/出典:道志村役場)。面積79.57km²のうち可住地はわずか約6.4%で、村の大半が山林です。分譲マンションのストックは多くありません。それでも私がこの村を1本書く価値があると考えたのは、道志村の制度には、大規模修繕の工程と色決めを直接縛る条文が入っているからです。そして村の補助金は、共用部の修繕には使えません。この2つを最初に押さえるだけで、理事会が空振りする時間を丸ごと省けます。

結論から先に:道志村の大規模修繕で押さえるべき5点

# 論点 道志村での結論
1 村の補助金で共用部の修繕に使えるもの 令和8年9月20日時点で公表情報上は確認できません
2 景観条例の届出 外観を変更する修繕・模様替・色彩の変更が対象(延床面積10㎡超の建築物)
3 重点地区・大規模行為 届出の前に事前協議が必要
4 12条点検(定期報告) 山梨県細則で共同住宅が対象になり得る。提出は報告年度の4月1日〜9月30日
5 マンション管理計画認定 町村部は山梨県が所管(手数料 適合証あり3,600円/なし25,500円)

この表の1行目が、道志村の記事の出発点です。「補助金の記事」を期待して読み始めた方には申し訳ないのですが、正直に申し上げます。道志村には、管理組合が共用部の大規模修繕で申請できる村独自の補助制度が、公表されている情報の範囲では見当たりません。

ただし「ページが無いこと」と「使えないこと」は別です。村の要綱には公開されていない運用があり得ますし、県と国の制度は別にあります。この記事では、使えないものは使えないと書き、代わりに何を使い、何を工程表に書くべきかを具体的に整理します。


この記事で答える質問

  • 道志村のマンション大規模修繕で使える補助金は令和8年度にありますか?
  • 外壁の塗り替えで村への届出は必要ですか? 何日前までですか?
  • 道志村のマンションは12条点検(外壁の全面打診)の対象になりますか?
  • 足場を組めない傾斜地の物件はどうすればよいですか?
  • 費用はいくらが目安で、ロープアクセス工法にするといくら変わりますか?

1. 道志村には共用部の大規模修繕に使える村の補助金があるか

村が公表している住宅関連の補助・助成は3系統

道志村役場の公表情報を令和8年9月20日時点で確認したところ、住宅・建物に関わる助成は次の3系統でした。

制度名 内容 共用部の修繕に使えるか
道志村エコライフ促進事業助成金 住宅用太陽光発電システム 上限10万円/木質バイオマスストーブ 上限10万円/生ごみ処理機 上限2万円/電気自動車 上限10万円/木質バイオマスボイラー 上限10万円 外壁塗装・防水は対象に含まれていません
令和8年度 道志村物価高騰対策省エネエアコン購入促進事業 省エネエアコン本体購入費の2分の1・1世帯あたり上限10万円・1世帯1回限り 対象は「自らが居住する村内の住宅」。共用部の工事は対象外
耐震改修事業(4事業) 耐震改修支援事業/耐震化建替支援事業/耐震性向上型改修支援事業/耐震シェルター設置支援事業 村ページに共同住宅・管理組合の記載がなく、要件は村への確認が必要

エコライフ促進事業助成金は、平成27年5月1日に交付要綱が制定されたものです。対象は5種類の設備で、いずれも外壁塗装・屋上防水・シーリング打ち替えといった大規模修繕の中心工事とは重なりません。

省エネエアコン補助は「共用部には使えないが、理事会が知っておく価値がある」

ここは少し丁寧に書きます。令和8年度の省エネエアコン購入促進事業は、対象が「自らが居住する村内の住宅に省エネエアコンを設置する方」です。管理組合が共用部の工事で申請する枠組みではありません。

ただ、区分所有者が自室のエアコンを買い替える場合は対象になり得ます。私が申し上げたいのは、これを総会の資料に1行入れるだけで理事会の信頼が変わる、ということです。大規模修繕の議案は「お金を出してくれ」という話です。その同じ資料に「ところで村にこういう補助があります」と書いてあると、理事会が住民の側に立っていることが伝わります。私はこれを、管理組合の合意形成のいちばん安いコストの投資だと考えています。

受付期間も具体的です。

区分 期間 対象
第1段 優先受付 令和8年8月10日(月)〜令和8年10月30日(金) 令和5年度の省エネ家電購入促進事業で補助を受けていない世帯
第2段 一般受付 令和8年11月2日(月)〜令和9年2月26日(金) 全世帯
購入対象期間 令和8年4月1日〜令和9年1月31日

補助額は本体購入費(消費税等を除く)の2分の1、上限10万円。設置工事費・配送料・延長保証料・家電リサイクル料金・既存エアコンの撤去処分費は対象外です。必要な省エネ性能は「統一省エネラベルの多段階評価点が最新の目標年度で2.0以上」または「トップランナー基準の省エネ基準達成率が最新の目標年度で100%以上」のいずれか。村のページには「受付期間内であっても、申込みが予算額に達した時点で受付を終了します」と明記されています(出典:道志村役場 産業振興課)。

第1段の優先受付は、この記事を公開している令和8年9月20日から数えて残り約40日です。

耐震改修の4事業は「共同住宅が対象か」を電話で確かめる

村のページには「道志村では、山梨県と共に、耐震診断の結果『耐震性なし』と診断された住宅を対象に耐震化のために4つの補助事業を実施しています」と書かれ、パンフレットのPDFが置かれています。ページ自体に令和8年度の受付期間・補助率・限度額の記載がないため、私はここを断定しません。

産業振興課 建築住宅担当 0554-52-2114 に、次の3点をそのまま聞いてください。

  1. 令和8年度の受付期間と、まだ枠が残っているか
  2. 対象に「共同住宅」「分譲マンション」が含まれるか。含まれる場合、申請者は管理組合か区分所有者か
  3. 非木造(鉄筋コンクリート造)の建物が診断・改修のどちらで対象になるか

この連載で187の自治体を調べてきて分かったのは、要綱に「共同住宅」の語が1回も出てこない自治体が多数だということです。一方で、診断だけは共同住宅に開いているという自治体もありました。入口(診断)と出口(改修)で対象がずれていることがあるので、2つを分けて聞くのが確実です。


2. 道志村の記事の背骨:外壁の塗り替えが景観条例の届出対象になる

ここからが本題です。

道志村は平成22年9月1日に景観行政団体へ移行し、平成26年3月に道志村景観計画を策定、平成27年4月1日に道志村景観条例を制定しています(出典:道志村役場「景観条例策定について」)。村全体が景観計画区域で、さらに一般地域と重点地区に区分されています。

届出対象行為に「外観を変更することとなる修繕」が入っている

村が公表している届出対象行為の表を、マンションに関係する部分だけ抜き出します。

対象行為 対象規模
建築物の新築、増築、改築もしくは移転、外観を変更することとなる修繕もしくは模様替又は色彩の変更 延床面積が10㎡を超える建築物(建築基準法に基づき建築工事届が必要な行為規模)
工作物の擁壁 高さ2mを超えるもの
土地の形質の変更 開発区域の面積が1,000m²以上(道志村開発行為指導要綱に基づく事前協議を要する規模)

「外観を変更することとなる修繕もしくは模様替又は色彩の変更」——この一文が、マンションの大規模修繕を直撃します。外壁の塗り替えは、色を変えれば当然「色彩の変更」ですし、同系色でも塗膜の状態が変われば「外観を変更することとなる修繕」の読み方になり得ます。しかも規模要件は延床面積10㎡超。マンションで10㎡以下という建物はありません。

私はこの連載で、忍野村・山中湖村・西桂町でも同じ構造を見てきました。南都留郡の町村は、景観の規制が強い地域だと考えて工程を組むのが実務的です。

重点地区と大規模行為は「届出」の前に「事前協議」

村のページには2つの注記があります。

重点地区における行為は事前協議が必要となります。
また、大規模や建築確認申請が該当の場合も事前協議が必要となります。

これが道志村の実務上の要点です。届出(様式1)とは別に、事前協議(様式3)という手続きが先に立つ場合があります。マンションの大規模修繕は、規模によっては「大規模」にも「建築確認申請が該当」にも当てはまり得ます。つまり、事前協議が先、届出が後、という二段構えになる可能性があります。

日数の目安については、道志村のページに具体的な日数が示されていません。参考として、山梨県景観条例の大規模行為届出制度では「行為に着手する日の30日前までに建設予定地の市町村に3部提出」とされています。道志村は独自の景観条例を持つため県条例による届出は不要ですが(出典:同ページ。市町村景観計画の施行状況一覧に「道志村 平成27年4月1日 産業振興課 0554-52-2114」と記載)、村条例でも同等の日数が必要かどうかは、産業振興課に着工予定日を伝えて確認してください

私が理事会にお願いしている、道志村での「順番」

補助金の記事なのに順番の話をするのは変に見えるかもしれません。でも、道志村では順番を間違えると年内完了の可否が変わります。

ステップ やること 窓口
物件が重点地区に入るか確認する 産業振興課 0554-52-2114
候補色をマンセル値で3色に絞る 塗料メーカーに書面で出させる
事前協議が必要かを窓口に当てる 産業振興課
届出(着工予定日から逆算) 産業振興課
県・国の制度を積む 県建築住宅課 055-223-1730 ほか
工法を決める(足場/ロープアクセス/ハイブリッド) 施工会社

②を先にやる理由をお話しします。窓口が見たいのは、日本塗料工業会の色番号ではなく、周囲の風景と調和するかどうかの判断材料です。マンセル値(色相・明度・彩度の3つの数値で色を表す方式)と、各面の彩色された立面図があると、話が一気に進みます。塗料メーカーの担当者に「候補色のマンセル値を書面でください」と頼めば出てきます。総会の前にこれを窓口に当てておくと、総会で決めた色が後から通らないという最悪の手戻りを避けられます。

見積書に「届出図書の作成費」が入っているかを確認する

これは金額に直結する話です。景観条例の届出には、建築物の概要を記載した別紙のほか、彩色した立面図・現況写真といった図書が必要になります。改修工事の標準的な見積に、この作図費が入っていることは多くありません。

見積を取るときに、各社へこう聞いてください。

「道志村景観条例の届出書および事前協議に必要な図書の作成費は、この見積のどの項目に入っていますか。入っていない場合、いくらになりますか。」

築30年を超える物件では竣工図が残っていないことがあり、立面図の起こしから発生します。ここを曖昧にしたまま契約すると、後から追加費用の話になります。私は、この質問への回答の速さで、その会社が道志村の制度を分かっているかどうかを見ています。地域の制度を把握している会社を一発で見分ける方法として、理事長さまにもお勧めしています。


3. 道志村には都市計画区域がない。これが意味すること

道志村景観計画には、関連法規制の現状としてこう書かれています。

道志村において、都市計画区域は定められていません。

(出典:道志村景観計画

この連載で調べた188件目で、村内に都市計画区域が一切ない自治体は稀です。実務上、次の3つの意味があります。

① 用途地域・建ぺい率・容積率の指定がない

都市計画区域がないので、用途地域も指定されていません。増築を伴う改修を検討する場合、判断の軸が他の自治体と変わります。ただし、10,000m²以上の開発事業は都市計画法の許可が必要、3,000m²以上の宅地開発事業は山梨県宅地開発事業の基準に関する条例の対象、1,000m²以上の開発行為は道志村開発行為指導要綱の事前協議が必要、と別の網がかかっています。

② 都市計画税は考えにくい

都市計画税は都市計画区域内で課される税です。都市計画区域が定められていない道志村では、課税されていないと読むのが自然です。

これは後述する長寿命化促進税制の説明に関わります。総会で「税金が3分の1になる」と説明してしまう理事会を私は何度も見てきました。減るのは固定資産税だけで、都市計画税は対象外です。道志村の場合はそもそも都市計画税がないので、総会資料には「固定資産税が減額される」と書くのが正確です。課税の有無は村の税務担当(村役場代表 0554-52-2111)でご確認ください。

③ 建築確認の要否の基準が違う

道志村景観計画には、建築基準法についてこう整理されています。

建築確認申請が必要となるのは、木造の建築物で3以上の階数を有し、又は延べ面積が500㎡、高さが13m若しくは軒の高さが9mを超えるもの等です。
なお、10㎡を超える建築物を建築しようとする場合、建築物の新築に際し、建築工事届が必要です。

ここで誤解しないでいただきたいのは、「都市改画区域外だから確認申請は不要」ではないということです。共同住宅は建築基準法上の特殊建築物にあたり、規模によって確認申請の対象になります。そして景観条例の側は「建築確認申請が該当の場合も事前協議が必要」と書いています。つまり、確認申請が必要な規模の工事なら、景観の事前協議もついてくる構造です。

なお、令和7年4月1日から山梨県では「建築主事の業務」が各建設事務所から建築住宅課へ移管されています(出典:山梨県建築住宅課)。古い資料に載っている窓口に電話すると回り道になるので、県案件は建築住宅課から入るのが確実です。


4. 道志村だけの論点:横浜市の水源林と高圧洗浄の排水

道志村は「水源の郷」を掲げる村です。そしてこれは比喩ではありません。道志村の森林の多くが横浜市の水源林であり、道志川とその支流は下流の水道水源につながっています。村の景観計画にも「保安林の指定を受けている、道志川および支流の水源を守る重要な樹林地の多くを横浜市の水源林が占めています」と書かれています。

大規模修繕の工程で、私がこの村でいちばん神経を使うのはここです。

高圧洗浄の排水は「近隣対応」ではなく「流域の話」

外壁の高圧洗浄では、旧塗膜の粉、苔、藻、シーリングの削りかすを含んだ水が出ます。通常の市街地なら、養生と沈殿処理をして雨水系統へという整理で済みます。道志村では、その水の先が政令指定都市の水道水源です。

見積書で確認していただきたいのは次の4点です。

確認項目 見るポイント
排水の集水・処理方法 沈殿槽の設置か、バキュームでの回収か。項目として計上されているか
塗料の飛散防止 養生の範囲と、風速何m/sで作業を止めるかの基準
使用材料 水系(水性)材料を使えるか、溶剤系でなければならない部位はどこか
産業廃棄物の処理 削りかす・旧シーリングの処理費とマニフェストの扱い

これを「近隣からのクレーム対策」として説明する会社と、「流域の水を汚さないための工程」として説明する会社では、出てくる見積が違います。私は道志村のような立地では、後者の説明ができる会社を選ぶべきだと考えています。

屋外広告物条例とメッシュシートの社名

もう1つ、この村で特有の論点があります。道志村景観計画によれば、山梨県屋外広告物条例で御正体山自然保存地区が第一種禁止地域、残る村域の全てが第二種許可地域に指定されています。

工事中の法定掲示物(建設業の許可票、労災保険関係成立票など)は屋外広告物条例の適用対象と扱われないのが通例です。しかし、足場に張るメッシュシートに大きく社名やロゴを入れる業者は少なくありません。のぼりを立てる場合もあります。第二種許可地域にあたる道志村では、これが屋外広告物にあたるのか、景観条例の重点地区で問題にならないかを、あらかじめ窓口に当てておく価値があります。

そして、ここは私の本業の話になります。ロープアクセス工法では足場もメッシュシートも使いません。この論点そのものが消えます。ロープアクセス工法の技術的な背景や安全基準については、姉妹サイトのロープアクセスドットコムで詳しく解説しています。


5. 道志村の地形と工法選択:足場は「地面」がないと組めない

道志村景観計画の地形の記述は、私にとっては仕事の話としてそのまま読めます。

村東部(加入道山周辺から東)は道志川沿いまで山地が迫り、傾斜度も大きく、V字谷の様相となっています。

村の中央を一級河川の道志川が南西から北東へ貫流し、両岸に山が迫ります。可住地面積は村の約6.4%。標高は村内最高峰の御正体山が1,681.6m、大室山1,587.6m、菜畑山1,283.3m、赤鞍ヶ岳1,299.0m、一方で村東端の月夜野で400m程度です。

足場とロープアクセスの分かれ目は「平場が何mとれるか」

足場は、建物の外周に作業構台を組む工法です。当たり前の話ですが、組むためには地面が必要です。外周に幅1m前後の平場が連続して取れないと、足場は設計できません。道志川沿いの傾斜地に建つ物件、擁壁の上に建つ物件、法面が迫っている物件では、ここが最初の壁になります。

敷地の条件 足場の可否 私の判断
外周4面に幅1m以上の平場が連続 金額で比較。足場が有利な場合もあります
1〜2面が擁壁・法面に接している 一部不可 ハイブリッド工法(部位で使い分け)
3面以上が傾斜・河川に接している 実質不可 ロープアクセス主体
搬入路が狭く資材車が入らない 可だが高コスト ロープアクセス主体で検討

ロープアクセス工法は屋上のアンカーからロープを垂らして作業します。必要なのは屋上の支点で、地面ではありません。道志村の東部のような、地面がない立地こそロープアクセスが効くというのが、この村の地形から素直に導ける結論です。

標高と工事可能期間:南都留郡のなかで道志村は恵まれている

塗装は気温5℃以下、湿度85%以上では施工できません。標高が高いほど、実質的な塗装可能期間が短くなります。この連載で調べてきた南都留郡の町村と比べてみます。

自治体 主な居住域の標高目安 工事可能期間への影響
山中湖村 約980m 4〜11月に限られやすい
忍野村 約900m 4〜11月に限られやすい
富士河口湖町(河口湖畔) 約830m 4〜11月に限られやすい
西桂町 約600m 3月下旬〜11月下旬まで見込める
道志村(道志川沿い) 約400〜700m 南都留郡のなかでは最も余裕がある

標高が100m上がると気温は約0.6℃下がります。道志村の可住地は道志川沿いの標高400〜700m帯が中心で、富士北麓の町村より2〜3℃高い計算になります。春先と晩秋でそれぞれ2〜3週間の差です。

ただし、余裕があるからこそ先送りされる、というのが私の経験です。「来年でいいか」を5年繰り返した建物の補修数量は、私が見てきた限り確実に増えています。タイルの浮きは、放っておいて縮むことはありません。

方位と谷筋:道志村の劣化要因表

部位・方位 主な劣化要因 優先して見る場所
北・北東面 日が当たらず乾かない。放射冷却による結露、凍結融解 藻・カビ、タイル目地、打継ぎ
南・南西面 紫外線と日較差。シーリングの伸縮疲労 目地のひび、塗膜のチョーキング
谷筋(道志川沿い)方向 吹き抜ける風。飛来物 笠木・パラペットの固定、シートの飛散対策
屋上パラペット・ドレン 落ち葉の詰まり、融雪水の集中 天端のひび、ドレン周りの防水層
バルコニー床 水の滞留、防水層の膨れ 立ち上がりの端部、ドレン
タイル全般 凍結融解で接着層の剥離範囲が拡大 打診で面的に確認

道志川の谷を風が吹き抜ける立地では、足場工法の場合、強風時にメッシュシートを開放して復旧する手間が工程に乗ります。見積で4か月だったものが実際には4.5〜5か月になる、という形で表れます。ロープアクセス工法では、この要因自体が発生しません。


6. 12条点検(定期報告):提出期限は9月30日まで

これは期限が迫っているので、先に書きます。

建築基準法第12条に基づく定期報告について、山梨県のページには次のとおり明記されています。

定期報告の提出は、報告年度の4月1日から9月30日までです。
期限内に報告のない場合は、督促をさせていただきます。

(出典:山梨県 定期報告制度について/ページ更新日 2026年8月31日)

この記事を公開している令和8年9月20日から数えて、残り10日です。

山梨県では一般の分譲マンションが対象になり得る

ここが山梨県の特徴です。多くの都道府県は、共同住宅をサービス付き高齢者向け住宅等に限定して指定しています。しかし山梨県は県細則で〔下宿・共同住宅・寄宿舎〕を独立して指定しており、5階以上の階にあり、かつ対象用途の床面積が1,000㎡以上の建物が3年毎の報告対象になり得ます。

つまり、5階建て以上でそれなりの規模がある分譲マンションは、道志村にあっても定期報告の対象になり得ます。「うちはマンションだから対象外」という思い込みが一番危ないところです。

電話で聞くべきこと

令和8年度が共同住宅の報告年度に当たるかどうかは、県が公開している「定期報告年度一覧表」のPDFが平成/令和初期の作成で、列の対応が読み取り切れません。私は推測で書かないことにしています。次の内容をそのまま電話でお伝えください。

「南都留郡道志村の分譲マンションです。階数は◯階、延べ面積は約◯㎡です。令和8年度は共同住宅の定期報告年度に当たりますか。」

項目 内容
提出先 山梨県庁 建築住宅課 建築防災担当(甲府市丸の内1-6-1 県庁別館3階)
電話 055-223-1734
部数 2部(正本1部・副本1部)
郵送 受付あり(返却希望の場合は返信用封筒を同封)
様式 令和7年7月1日施行で改正済
代行 一般社団法人 山梨県建築設計協会に代行依頼が可能
資格者 一級建築士・二級建築士・特定建築物調査員

12条点検と大規模修繕の劣化診断は1回にまとめられる

12条点検では、外壁について全面打診(タイルやモルタルを打診棒で叩いて浮きを探す調査)が求められる場合があります。大規模修繕の前に実施する劣化診断も、同じことをします。

私はこの2つを1回の調査で兼ねる提案を、いつも申し上げています。打診調査の目安は250〜500円/㎡です。仮に外壁面積2,000㎡の物件なら50万〜100万円。これを2回払うのは、理事会にとって単純な損です。

そして打診調査は、足場を組まなくてもできます。ロープアクセスなら屋上から降りながら面的に叩けるので、調査だけのために仮設足場を組む必要がありません。ここが工法選択で最初に金額差が出るところです。技術的な手順はロープアクセスドットコムにまとめています。あわせて、明誠のロープアクセス工法の技術詳細もご覧ください。


7. マンション管理計画認定制度:道志村は山梨県が窓口

マンション管理計画認定制度は、管理組合の管理計画が一定の基準を満たす場合に自治体が認定する制度です。道志村のような町村部は、山梨県が所管しています(令和4年4月1日受付開始)。

区分 手数料
事前確認の適合証あり 3,600円
適合証なし 25,500円
長期修繕計画が2以上ある場合 適合証あり +1,600円/なし +14,700円
変更認定 適合証なし額の1/2(100円未満切捨)= 12,700円

(出典:山梨県 マンション管理計画認定制度について

差額は21,900円です。私はこの21,900円を「安くなる手数料」ではなく「差し戻しで総会日程が崩れるリスクを消す費用」と読み替えて説明しています。事前確認を通してから申請すれば、書類不備で差し戻され、次の総会まで半年待つという事態を避けられます。

山梨県は独自基準を設けていません。国の基準どおりです。

認定を取る実利は3つ

  1. 長期修繕計画の見直しが、認定基準に沿って進む。これが最大の価値だと私は考えています。「30年以上で、残存期間内に大規模修繕が2回以上含まれる計画」といった基準に当てはめる作業が、そのまま計画の棚卸しになります。
  2. 住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資で金利の引き下げを受けられる場合がある(出典:住宅金融支援機構)。
  3. 長寿命化促進税制の要件の一つになる(次章)。

あわせて、令和7年11月28日一部施行の改正により、マンション管理適正化支援法人の制度が動き始めています。町村部は県の登録です(出典:山梨県 マンション管理適正化支援法人について)。第一号業務に「大規模修繕工事の発注等に関する助言」が含まれています。

ここで正直に書きます。私は施工会社です。工事を受注する立場の人間です。だからこそ、工事を受注しない立場の相談先を1つ持ってください、と申し上げています。それで私の提案が落ちることがあっても、それは健全なことです。


8. 税制と融資:長寿命化促進税制の期限は令和9年3月31日

マンション長寿命化促進税制は、一定の要件を満たす大規模修繕工事を行った場合に、翌年度の固定資産税(家屋部分)が減額される制度です。

項目 内容
減額対象 固定資産税(家屋)のみ。都市計画税は対象外
工事完了期限 令和9年3月31日
記事公開時点の残り 約6か月半
工事要件 外壁塗装等・床防水・屋根防水を一体で実施すること
管理面の要件 管理計画の認定を受けている等

(出典:国土交通省 マンション政策

私がここで申し上げたい注意点が2つあります。

1つめ。分割発注で要件を外す恐れがあります。「今年は外壁だけ、来年は屋上防水」という分け方は、予算の都合としては理解できます。しかしこの税制は3つの工事の一体実施が要件です。分けた瞬間に対象から外れることがあります。

2つめ。残り約6か月半という期間は、道志村では現実的にかなりタイトです。景観条例の届出・事前協議に日数が必要で、そのうえで工事に3〜5か月かかります。令和9年3月31日に間に合わせるには、令和8年秋に動き出す必要があります。工期が1か月短いかどうかで、適用の可否が変わる局面です。

融資については、住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資があります。修繕積立金が足りないから工事を延ばす、という判断をする前に、融資を検討したうえで延ばすのか、知らずに延ばすのかは別の話です。私は、理事会にこの選択肢を知らずに決めてほしくないと思っています。

国の支援策については、令和8年度もマンションの耐震診断・耐震改修に対する支援が続いています(出典:国土交通省 住宅・建築物の耐震化)。ただし、これらは地方公共団体が受け皿となる制度を持っていることが前提になるものが多く、道志村に該当制度が確認できない現状では、そのまま使えるとは限りません。ここは正直に書きます。


9. 令和8年6月の地震を受けた建物で、理事会が今月確認すべき5か所

令和8年6月26日22時28分頃、山梨県東部・富士五湖でマグニチュード5.6・深さ約20kmの地震が発生し、富士河口湖町で最大震度6弱が観測されました(出典:気象庁報道発表)。

道志村は震源から直線距離で20km台の位置にあり、富士北麓の町村より震度は小さかったとみられます。観測点ごとの震度は気象庁の資料全文でご確認ください。

ここでお伝えしたいのは、「震度6弱でなければ大丈夫」ではないということです。タイル張りの外壁は、接着層が剥離しても表面は割れません。目視では分からないのです。そして剥離した部分は、冬の凍結融解で範囲が広がります。標高400〜700mの道志村では、越冬中に進行します。

確認する5か所

# 場所 見るもの
1 タイル目地 目地のひび、叩いた音の違い(浮きは高く軽い音)
2 打継ぎ部のシーリング 切れ、剥がれ、肉やせ
3 バルコニー手すり壁の付け根 躯体との取り合いのひび
4 パラペット天端と笠木 笠木の浮き、天端のひび、シーリングの切れ
5 パイプスペース(PS)内の配管継手 漏れ跡、白い析出物

理事会での出し方

「地震があったから調査を追加しよう」という議題は、予算が増えるので通りにくいのです。私がお勧めしている出し方はこうです。

「もともと予定していた劣化診断の時期を、この秋に前倒しする」

予算は増えません。だから通ります。そして結果として、震後の状態を記録できます。漏水が既に出ている場合は、漏水・雨漏りへの対応もあわせてご覧ください。


10. 費用の目安:道志村のマンションでいくらかかるか

金額の話をします。ここは断定を避けますが、レンジは示します。

工種別の単価目安

工種 単価目安 備考
外壁塗装 3,500〜4,500円/㎡ 材料グレードで変動
打診調査 250〜500円/㎡ 12条点検と兼ねられる
屋上・床防水 5,000〜8,000円/㎡ 工法(ウレタン・シート等)で変動
仮設足場 総工費の15〜25% 立地条件で大きく変動

30戸規模のマンション大規模修繕の総額は、一般に3,500〜5,000万円のレンジです。このうち仮設足場が15〜25%を占めます。つまり、足場だけで500万〜1,200万円という計算です。ロープアクセス工法やハイブリッド工法でこの部分を削れるかどうかが、いちばん大きな金額差になります。

料金の考え方については明誠の料金に対する考え方をご覧ください。

モデルケース2本(道志村の立地を想定)

ケースA:道志川沿いの比較的開けた立地(村西部/道の駅どうし周辺のイメージ)

項目 足場工法 ハイブリッド工法
想定物件 築27年・5階・26戸
総工費 3,600万円 3,100万円
差額 ▲500万円(1戸あたり約19万円)
工期 4.5か月 3.5か月

ケースB:傾斜地・擁壁上の立地(村東部/V字谷側のイメージ)

項目 足場工法 ロープアクセス主体
想定物件 築33年・4階・18戸
総工費 2,600万円(足場設計が成立する場合) 2,050万円
差額 ▲550万円(1戸あたり約30万円)
工期 4か月 2.5か月
補足 3面が傾斜に接する場合、足場は実質不可 屋上の支点があれば施工可能

いずれも目安です。実際の見積は、外壁面積・タイルの浮き率・搬入路・屋上のアンカー設置可否で大きく変動します。ケースBのように、そもそも足場が成立しない物件では、比較の前提自体が変わります。

見積書で私が見る5つのポイント

  1. 仮定数量を超えた分の単価が契約書に書かれているか。タイル補修やシーリングは、開けてみないと数量が確定しません。「仮定数量◯㎡、超過分は1㎡あたり◯円」と契約書に明記させてください。
  2. 足場リースを延長した場合の費用負担。工期が延びたとき、誰が払うのかを先に決めます。
  3. 高圧洗浄の排水計画。前述のとおり、道志村では流域の話です。
  4. 監理者と施工会社の資本関係。設計監理方式を選ぶなら、両者が独立していることを確認します。
  5. 景観条例の届出図書の作成費。道志村ではここが独自項目です。

11. 私が「今回は足場でいきましょう」と申し上げる現場

利益相反をはっきりさせておきます。私はロープアクセス工事のフランチャイズ本部を運営しています。この工法を売る立場です。

そのうえで書きます。ロープアクセス工法は万能ではありません。 私が「今回は足場でいきましょう」と申し上げる現場は普通にあります。

足場が有利な4条件

条件 理由
タイルの浮きが広範囲(概ね面積の20%超) 補修数量が多いと、足場のほうが作業効率で逆転します
バルコニー内部の工事が主体 立ち入りが前提になるため、工法差が出にくい
開口部(サッシ・手すり)の交換を伴う 資材の揚重と仮置きの場が必要
外周に十分な平場があり、近隣への影響が小さい 足場の弱点が出ない立地

「ロープアクセスなら立ち入りゼロ」は正しくありません

これは強調しておきます。バルコニー内部の作業(床防水、手すりの塗装、内側の壁面)は、工法にかかわらず立ち入りが必要です。ロープアクセス工法で減るのは、外壁面の作業に伴う立ち入りと、メッシュシートで塞がれる期間です。ゼロにはなりません。

ここを曖昧にしたまま契約すると、居住者からお叱りを受けるのは施工会社ではなく理事会です。私は、この説明を契約前にさせていただいています。

明誠が3工法から選べる会社である、ということ

株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法での高所作業について、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業では過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。作業員はIRATA(国際産業ロープアクセス協会)水準の技能訓練を受けており、ISO9001の品質マネジメントシステムを運用し、日本ロープ高所作業協会の事務局も担当しています。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部として、塗装・防水・タイル・電気・看板の各分野の専門職が加盟しています。

私が申し上げたいのは実績の自慢ではありません。3つの工法を持っているから、足場を勧められるということです。足場しか持たない会社は足場を勧めるしかなく、ロープしか持たない会社はロープを勧めるしかありません。安全管理の考え方については明誠の安全管理に、管理組合向けのサービスは管理組合向けサービスにまとめています。これまでの施工事例は施工事例一覧からご覧いただけます。


12. 道志村の窓口一覧と、電話する順番

用件 窓口 電話
景観条例の届出・事前協議・重点地区の確認 道志村役場 産業振興課 0554-52-2114
建築・住宅(耐震改修事業、開発行為指導要綱) 道志村役場 産業振興課 建築住宅担当 0554-52-2114
省エネエアコン購入促進事業 道志村役場 産業振興課 0554-52-2114
エコライフ促進事業助成金 道志村役場 産業振興課 0554-52-2114
固定資産税 道志村役場(代表から取り次ぎ) 0554-52-2111
12条点検(定期報告) 山梨県 建築住宅課 建築防災担当 055-223-1734
マンション管理計画認定・管理適正化支援法人 山梨県 建築住宅課 企画担当 055-223-1730
景観(県条例・大規模行為) 山梨県 都市計画課 景観まちづくり室 055-223-1325

村役場の所在地は〒402-0209 山梨県南都留郡道志村6181番地1、FAXは0554-52-2572です。

実務メモです。道志村の案件は、産業振興課への1本の電話でほぼ足ります。景観・建築・補助金がすべて同じ課なので、「マンションの大規模修繕をやる予定で、景観条例の届出と事前協議の要否、それと耐震改修事業の対象を確認したい」と一度に伝えるのが効率的です。一方、県の案件(12条点検・管理計画認定)は甲府市の県庁まで車で1時間以上かかりますから、先に電話してから動いてください。


13. 道志村のマンションで、この秋にやることの順番

時期 やること
9月中(残り10日) 12条点検の報告年度に当たるかを県に電話(055-223-1734)
9〜10月 産業振興課に重点地区と事前協議の要否を確認
10月 劣化診断を前倒しで実施(打診調査と兼ねる)
10月 省エネエアコン補助の第1段優先受付を住民に周知(〜10月30日)
11〜12月 候補色のマンセル値を用意し、窓口に当てる
12〜1月 見積を3社取る(届出図書の作成費を必ず質問項目に入れる)
1〜3月 総会・届出・事前協議
春以降 着工(標高400〜700mなら3月下旬から可能)

よくあるご質問

Q. 道志村に、マンションの大規模修繕に使える村の補助金はありますか?

A. 令和8年9月20日時点で公表されている情報の範囲では、管理組合が共用部の修繕で申請できる村独自の補助制度は確認できませんでした。住宅関連の助成はエコライフ促進事業助成金、省エネエアコン購入促進事業、耐震改修事業の4事業ですが、いずれも対象は個人の住宅設備または耐震です。ページに無いことと使えないことは別ですので、産業振興課(0554-52-2114)へご確認ください。

Q. 外壁の塗り替えだけでも村への届出が必要ですか?

A. 道志村景観条例の届出対象行為に「外観を変更することとなる修繕もしくは模様替又は色彩の変更」が含まれ、対象規模は延床面積10㎡超の建築物です。マンションはこの規模を超えますので、対象になり得ます。重点地区にあたる場合や大規模・建築確認申請が該当する場合は、届出の前に事前協議が必要です(出典:道志村役場)。

Q. 届出は何日前までに出せばよいですか?

A. 道志村のページには具体的な日数の記載がありません。参考として山梨県景観条例の大規模行為届出制度では「行為に着手する日の30日前まで」です。道志村は独自条例を持つため県への届出は不要ですが、村条例での日数は産業振興課へ着工予定日を伝えてご確認ください。

Q. 道志村のマンションも12条点検の対象になりますか?

A. なり得ます。山梨県は県細則で〔下宿・共同住宅・寄宿舎〕を指定しており、5階以上の階にあり、かつ対象用途の床面積が1,000㎡以上の建物が3年毎の報告対象になり得ます。提出は報告年度の4月1日から9月30日まで、提出先は山梨県庁建築住宅課建築防災担当(055-223-1734)、2部提出です(出典:山梨県)。

Q. 打診調査の費用はいくらかかりますか?

A. 一般的な目安は250〜500円/㎡です。外壁面積2,000㎡なら50万〜100万円のレンジになります。物件の規模や状態により変動しますので、概算のお見積りは無料でお出ししています。12条点検の全面打診と大規模修繕の劣化診断を1回にまとめると、この費用を二重に払う必要がなくなります。

Q. 工期はどれくらい変わりますか?

A. ロープアクセス工法は足場工法の6〜7割程度の工期で完了するのが目安です。5階建て・26戸のマンションなら、足場4.5か月に対してハイブリッド工法で3.5か月、ロープアクセス主体で2.5〜3か月が目安です。道志川沿いの谷筋で風が強い立地では、足場のメッシュシートを開放・復旧する手間が工程に乗るため、差はさらに開く傾向があります。

Q. 傾斜地で足場が組めない物件はどうすればよいですか?

A. ロープアクセス工法をご検討ください。足場は外周に幅1m前後の平場が連続して必要ですが、ロープアクセス工法は屋上の支点があれば施工できます。道志村の東部のように道志川沿いまで山地が迫る立地では、工法の選択肢そのものが変わります。まず屋上の状況(パラペットの形状、アンカー設置の可否)を見せていただければ判断できます。お問い合わせフォームからご相談だけでもお寄せください。

Q. 長寿命化促進税制は間に合いますか?

A. 工事完了期限は令和9年3月31日で、この記事の公開時点で残り約6か月半です。道志村では景観条例の届出・事前協議に日数が必要なため、令和8年秋に動き出す必要があります。また、外壁塗装等・床防水・屋根防水を一体で実施することが要件ですので、分割発注にすると要件を外す恐れがあります。


この記事のポイントまとめ

  • 道志村には共用部の大規模修繕に使える村独自の補助金が公表情報上は見当たらない
  • 外観を変更する修繕・色彩の変更は延床面積10㎡超で景観条例の届出対象になり得る
  • 重点地区・大規模・建築確認申請該当の場合は届出の前に事前協議が必要
  • 12条点検の提出期限は9月30日まで。山梨県は一般の共同住宅も対象になり得る
  • 都市計画区域がないため都市計画税は考えにくく、減るのは固定資産税のみ
  • 森林の多くが横浜市の水源林。高圧洗浄の排水計画は流域の話として扱う
  • 傾斜地・擁壁上の物件は足場が成立しない。ロープアクセス工法が現実的な選択肢

本記事の情報の鮮度について

本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月20日時点で公表されている道志村および国土交通省・山梨県の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず道志村および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。とくに耐震改修事業の4事業、および景観条例の届出に要する日数については、村のページに令和8年度の記載がないため、産業振興課(0554-52-2114)への確認をお願いします。

なお、本記事は制度の一般的な解説であり、個別の申請の可否について法的な判断を示すものではありません。


出典・参考資料


▼ロープアクセス工法・無足場工法の詳細解説はこちら
ロープアクセスドットコム|無足場工法専門メディア


この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

専門領域:マンション大規模修繕/ロープアクセス工法/建物長寿命化計画
所属:一般社団法人 全国建設業支援協会(JCSA)

最終更新:2026年9月20日

道志村は、補助金の多い村ではありません。けれど、制度をきちんと読めば、どの順番で動けばよいかははっきりします。まずは産業振興課に1本、県の建築住宅課に1本。それだけで、来春の着工が見えてきます。ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。