鎌倉市内に賃貸マンションやアパート、テナントビルをお持ちのオーナーさま。「補助金は管理組合や持ち家の話で、収益物件には関係ない」と思っていませんか。私は大規模修繕の現場を回るなかで、この思い込みのせいで本来もらえたはずのお金を取りこぼしているオーナーさまを、何人も見てきました。
鎌倉は、海風による塩害、起伏の多い地形、そして築古物件の多さという、賃貸経営にとってなかなかタフな土地です。外壁やシーリングの劣化は、観光地ゆえに「見た目」がそのまま入居率に響きます。だからこそ、修繕に使える公的なお金は一円も無駄にしたくない。この記事では、2026年度(令和8年度)に鎌倉市のオーナーが実際に使える制度を、「賃貸物件に使えるか/使えないか」をはっきりさせながら整理します。私は塗装会社の人間ですが、ここでは営業ではなく、現場で本当に役立つ情報だけをお伝えします。
なお、本記事の金額・要件・期限はすべて2026年6月時点の鎌倉市・神奈川県・国の公開情報に基づいています。多くの制度が予算上限に達した時点で受付終了となる先着順ですので、最終的な判断の前に必ず各窓口で最新情報をご確認ください。
まず全体像:鎌倉市オーナーが押さえる「3つの財布」
補助金や優遇は、お金の出どころで「市」「県」「国」の3つに分かれます。それぞれ性格が違うので、最初に地図を頭に入れておくと、自分の物件にどれが効くかが見えてきます。
| 区分 | 主な制度 | 賃貸物件への向き |
|---|---|---|
| 鎌倉市 | 危険ブロック塀等除却費補助、住宅用再エネ・省エネ機器等設置費補助金、木造住宅耐震改修補助、マンション耐震診断補助 | ブロック塀・太陽光は賃貸オーナー向き。耐震改修・固定資産税減額は要件に注意 |
| 神奈川県 | 既存住宅省エネ改修補助、ZEH導入費補助金 | 既存住宅省エネ改修は「賃貸は対象外」。新築ZEH系が中心 |
| 国 | 賃貸集合給湯省エネ2026事業、先進的窓リノベ2026事業、住宅省エネ2026キャンペーン | 賃貸集合住宅専用の枠があり、オーナーに最も効く |
結論から言えば、鎌倉市の純粋な賃貸オーナーにとって主役になりやすいのは、「市のブロック塀・太陽光補助」と「国の賃貸集合住宅向け省エネ事業」です。耐震改修や固定資産税の減額は「自分が住んでいること」が条件になっている制度が多く、賃貸専用物件では使えないケースがあります。ここを正確に切り分けることが、ムダな期待と書類づくりを避ける第一歩です。順番に見ていきましょう。
1. 危険ブロック塀等除却費補助|法人オーナーも使える「外構の盲点」
私がオーナーさまに最初におすすめするのが、これです。なぜなら、賃貸物件で見落とされがちな「外構の塀」を、法人名義でも申請できるからです。
鎌倉市の「危険ブロック塀等対策事業補助金」は、地震時に倒れて避難路をふさぐ危険のあるブロック塀の除却費用を補助する制度です。対象は、第三者が通行する道路等に面し、延長が1メートル以上、かつ高さが1メートル以上(擁壁の上にある場合は擁壁を含む高さ1メートル以上かつ塀の高さ60センチ以上)のブロック塀で、市から危険である旨の指導または勧告を受けたものです。除却したあとに軽量なフェンス等を設置する工事も対象になります。
補助額は、市が定めた単位当たりの標準工事費に塀の面積(基礎は延長)を乗じた額と、除却工事の見積金額の、いずれか少ない額の2分の1です。さらに、鎌倉市立小学校の通学路に面した塀であれば、補助率は10分の9まで跳ね上がります。フェンス設置についても同じ考え方です。
ここがオーナーにとって重要な点ですが、鎌倉市はこの制度の申請にあたり「法人用の個人情報取扱同意書」を用意しています。つまり、個人オーナーだけでなく、不動産保有法人としての申請が想定されているということです。アパートの境界塀、駐車場まわりの古い塀、これらは「もらい事故」の温床です。万が一倒れて通行人がケガをすれば、所有者の責任が問われます。賃料を生まない外構部分こそ、補助金を使って先に手を打っておくべき場所だと私は考えます。
注意点として、令和8年度の補助金交付申請は2026年10月末日までです。そして必ず交付決定通知日以降に工事へ着手する必要があり、先に発注すると対象外になります。また、過去にこの補助を一度受けた塀は再度の対象になりません。問い合わせは鎌倉市建築指導課(0467-61-3589)です。
2. 住宅用再エネ・省エネ機器等設置費補助金|「貸し出す人」が対象に明記された数少ない市制度
太陽光や蓄電池の補助は「自分の家に付ける人だけ」と思われがちですが、鎌倉市の制度は違います。ここは私も提案でよく使うポイントです。
鎌倉市の「住宅用再生可能エネルギー・省エネ機器等設置費補助金」(令和8年度)は、対象者として「市内に所有する住宅に補助対象設備を設置し、かつ当該設備を所有して、他者に居住の目的で当該住宅を貸し出す者」を明確に含めています。つまり、賃貸オーナーが自分の所有する賃貸住宅に太陽光や蓄電池を設置する場合でも、補助の対象になり得るということです。市の補助制度でここまではっきり「貸し出す者」を対象に入れている例は、実はそう多くありません。
補助額は次のとおりです。住宅用太陽光発電システムは、太陽電池モジュールの公称最大出力(キロワット)に1万円を乗じた額で上限5万円。家庭用燃料電池システム(エネファーム)は上限4万円。定置用リチウムイオン蓄電システムは上限5万円。電気自動車充給電設備(V2H)は上限3万円です。なお令和7年度からの変更点として、蓄電池が4万円から5万円に、V2Hが2万円から3万円に増額され、その一方で電気自動車(EV)本体への補助は終了しました。
ただし注意が必要です。共同住宅等に設置する場合は、居住部分で使われる設備に限られ、共用部分で使う設備は補助対象外です。賃貸マンションの共用廊下や共用灯のための設備、という発想では使えないということです。また予算には限りがあり、令和8年度の予算額は600万円、2026年5月15日時点の執行率は約11%でした。年度の早い段階なら枠に余裕がある一方、後半は埋まりやすいので注意してください。申請は工事の着工前、提出は3月1日までです。問い合わせは鎌倉市環境政策課(0467-61-3421)です。
事業用なら「重点対策加速化事業費補助金」も視野に
もう少し規模の大きい投資を考えているオーナーさまには、国の交付金を財源とする「鎌倉市重点対策加速化事業費補助金」も選択肢です。こちらは住宅用だけでなく事業用、さらにリースやPPA(電力購入契約)による設置も対象になります。太陽光発電設備の補助額は、家庭用7万円/kW、事業用5万円/kWと、前述の市単独補助よりも手厚い設定です。ただしFIT・FIP制度を使わずに自家消費(家庭用30%、事業用50%以上)を行うことが条件で、前述の住宅用補助との併用はできません。物件の電力使用実態に合わせて、どちらが有利かを見極める必要があります。申請開始は2026年5月以降、コールセンター(0120-201-603)が窓口です。
3. 木造住宅耐震改修・マンション耐震診断補助|「自己居住要件」を正直に解説します
ここは期待してアクセルを踏むと空振りしやすい領域なので、私はあえて正直にお伝えします。
鎌倉市の「木造住宅耐震改修工事費等補助金」は、補助額が工事費等の2分の1で上限115万円(低所得者世帯等は上限135万円)と、金額だけ見れば非常に魅力的です。対象は2000年(平成12年)5月31日以前に工事着手した木造2階建て以下の一戸建て・二世帯・店舗兼用住宅で、現地耐震診断の総合評点が1.0未満だったもの。しかし条件をよく読むと、「市民自らが所有し、居住する建築物」とあります。つまり、自分が住んでいない純粋な賃貸アパートは、そのままでは対象外になります。店舗兼用住宅でオーナー自身が住んでいる、といったケースなら可能性がありますが、投資用の一棟アパートには使いにくい制度です。
一方で、区分所有の分譲マンションを投資用にお持ちのオーナーさまには、「マンション耐震診断補助金」が関係してきます。これは耐震改修アドバイザーの派遣を受けたマンションが耐震診断を実施する場合に、診断費用の2分の1(上限150万円。延べ面積1000平方メートル未満は1平方メートルあたり1,500円が限度)を補助するものです。ただし申請者は管理組合であり、住戸の過半に区分所有者が居住していること、管理組合の集会で耐震診断の実施を決議していること、などが要件です。区分所有オーナーは、自分一人で申請するのではなく、管理組合・理事会を通じて制度を動かす形になります。投資判断として「この物件の耐震性を数字で把握しておきたい」と思ったら、まず管理会社や理事会に診断補助の活用を相談するのが入り口です。耐震関連の問い合わせは建築指導課(0467-61-3586)です。
4. 国の「賃貸集合給湯省エネ2026事業」|賃貸オーナー専用の本命
ここからが、鎌倉市の賃貸オーナーにとって最も実弾になりやすい国の制度です。私が今、一棟物オーナーさまに「今年やるなら、まずこれ」と言っているのがこの事業です。
「賃貸集合給湯省エネ2026事業」(令和7年度補正予算「既存賃貸集合住宅の省エネ化支援事業」)は、その名のとおり賃貸物件のオーナーを対象に、省エネ性能の高い給湯器への交換を支援する補助金です。補助額は、追い焚き機能なしのエコジョーズ・エコフィールへの取替が1台あたり5万円、追い焚き機能ありが1台あたり7万円。共用廊下を横断してドレン排水ガイドを敷設した場合は8万円、浴室へのドレン水排水工事を伴う場合は10万円と上乗せされます。
対象は既存の賃貸集合物件で、1棟に2戸以上の賃貸住戸を有する建物。オーナーや親族が居住する住戸は対象に含みません。1棟あたり1台以上の取替で申請できるため、規模の小さいアパートでも使えます。着工時期は2025年(令和7年)11月28日以降が対象です。なお、この事業の対象はガスや石油を燃料とする小型給湯器で、電気のエコキュートは別の補助金事業(給湯省エネ2026事業)の対象になります。
給湯器は入居者の生活満足度に直結する設備です。古い給湯器は故障リスクが高く、真冬に止まれば即クレーム、最悪の場合は退去につながります。「壊れてから慌てて交換」ではなく、補助金が出るうちに計画的に新しい省エネ給湯器へ更新しておく。これは入居率の維持と修繕費の平準化を同時に実現する、極めて費用対効果の高い一手だと私は考えています。
5. 先進的窓リノベ2026事業|賃貸集合住宅も対象、入居者満足と賃料維持の両取り
国の「住宅省エネ2026キャンペーン」の柱のひとつ「先進的窓リノベ2026事業」も、賃貸集合住宅のオーナーが使える制度です。所有者の定義に「賃貸に供する個人または法人」が含まれており、賃貸物件も補助対象になります。
補助額は住宅1戸につき最大100万円、240平方メートルを超える非住宅建築物の場合は最大1,000万円。ただし、この事業を使うには補助額が5万円以上になる工事規模が必要です。申請期限は遅くとも2026年12月31日まで(予算上限に達した場合はその時点まで)です。
窓の断熱は、入居者にとって「夏は涼しく、冬は暖かい」という体感の差になり、結露やカビの苦情を減らします。築年数なりの設備の古さは、賃料の下落圧力として静かに効いてきます。窓まわりのアップグレードは、その圧力に対する数少ない反撃手段です。なお、断熱改修やサッシ交換を外壁の大規模修繕と同じタイミングでまとめて行えば、足場や養生のコストを共有でき、トータルの工事費を圧縮できます。窓だけ単独で動くより、修繕計画全体のなかに組み込むほうが、補助金の効きも費用対効果も良くなります。
参考までに、神奈川県にも「既存住宅省エネ改修事業費補助金」(令和8年度、補助対象経費の3分の1または15万円のいずれか低い額)がありますが、こちらは賃貸住宅が対象外です。県の枠は持ち家向け、賃貸は国の枠、と切り分けて設計するのが現実的です。
6. 固定資産税の減額措置|耐震・省エネ・バリアフリーの「翌年度効果」と賃貸の落とし穴
補助金は現金が入る制度ですが、固定資産税の減額は「出ていくお金を減らす」制度です。キャッシュフローへの効き方が違うので、合わせて押さえておきましょう。ただし、ここも賃貸には要注意です。
鎌倉市の改修工事に伴う固定資産税の減額措置は、大きく3種類あります。
- 耐震改修:昭和57年1月1日以前に建築された住宅で、現行の耐震基準に適合させる改修を行い、50万円を超える工事費を支払った場合、工事完了の翌年度の固定資産税が2分の1減額(床面積120平方メートルまでの分)されます。減額は翌年度の1年度のみです。
- バリアフリー改修:新築から10年以上経過、改修後の床面積が50〜280平方メートル、補助金等を差し引いた工事費が50万円超などの要件で、翌年度の固定資産税が3分の1減額(100平方メートルまでの分)されます。
- 省エネ改修:平成26年4月1日以前から存在する家屋で、床面積50〜280平方メートル、窓の断熱改修を必須として工事費60万円超(または工事費50万円超で太陽光・高効率空調等と合わせて60万円超)の場合、翌年度の固定資産税が3分の1減額(120平方メートルまでの分)されます。
いずれも都市計画税には減額措置がありません。そして賃貸オーナーが最も注意すべきは、バリアフリー改修と省エネ改修の減額には「貸家用以外の居住用部分があること」という要件がある点です。つまり、純粋な賃貸専用住宅は、この2つの減額の対象外になります。耐震改修の減額にはこの居住用部分の要件は明記されていませんが、適用関係は物件ごとに異なるため、必ず事前に確認してください。なお、区分所有のマンションも減額対象で、その場合は1棟全体ではなく専有部分ごとが対象です。また、一定要件を満たすサービス付き高齢者向け賃貸住宅には新築後5年間の減額もあります。固定資産税の減額に関する問い合わせは資産税課(0467-61-3936)です。
7. 税務の落とし穴|「もらって終わり」ではない3つの注意点
ここは塗装会社の領分を少し越えますが、現場で必ず聞かれるので触れておきます。最終的な判断は税理士にご相談いただく前提で、考え方だけお伝えします。
第一に、補助金は受け取った時点で「雑収入」として課税対象になります。 100万円の補助が出たからといって、丸ごと手元に残るわけではありません。法人なら益金、個人なら不動産所得等に算入され、税負担が発生します。手取りベースで効果を試算しておくことが大切です。
第二に、工事費が「修繕費」か「資本的支出」かで、税務処理がまったく変わります。 原状回復に近い塗装や防水のやり直しは修繕費として一括損金にできる可能性がありますが、性能を明らかに向上させる改修は資本的支出として減価償却の対象になります。同じ工事でも、内容と契約書の書き方によって落としどころが変わるため、見積段階から意識しておくべきです。
第三に、補助金と税の減額・控除は、併用の可否が制度ごとに決まっています。 たとえば固定資産税の省エネ減額では、補助金等を差し引いた後の工事費で要件を判定します。「補助も減税も両方フルでもらえる」と早合点せず、各制度の要綱で重複や調整の有無を確認してください。
これらを工事計画と切り離して後から考えると、効果が半減します。私は補助金・工法・税務の3点を、最初からワンセットで提案するようにしています。
8. 数字で考える|入居率1%とNOIの話
最後に、オーナーの財布感覚に引き寄せて考えてみます。たとえば家賃8万円・20戸の賃貸マンションなら、満室の年間賃料は約1,920万円です。ここで入居率が1%下がるだけで、年間およそ19万円の賃料収入が消えます。給湯器の故障による退去や、外壁の劣化による内見時の印象悪化は、こうした形で静かにNOI(実質賃料収入)を削っていきます。
逆に言えば、補助金を使って給湯器を更新し、窓や外壁を整えることで入居率を1%押し上げられれば、それだけで年間約19万円のキャッシュフロー改善になります。そこに補助金そのものの現金効果と、修繕費の損金算入による税効果が乗ってきます。さらに、計画的に手を入れた物件は、出口(売却)の場面で「収益還元価格」そのものが底上げされます。利回り改善だけでなく、物件価値そのものを守る投資だと考えると、補助金が出る年に動く意味が見えてくるはずです。
9. 工法の選択で総額が変わる|足場・ロープアクセス・ハイブリッド
補助金で工事費の一部を取り戻すのと同じくらい、私が大事だと考えているのが「そもそもの工事費を下げる」ことです。とくに鎌倉のように起伏が多く、隣地や道路との距離が近い物件では、足場の架設費がばかになりません。
私たちは、通常の足場仮設による工事に加えて、足場を架けずに産業用ロープで施工するロープアクセス工法、そして足場とロープアクセスを部位ごとに使い分けるハイブリッド工法の、3つの工法から建物にとってベストな方法をご提案できます。たとえば、足場が架けにくい高層部や狭小地ではロープアクセスで足場費を圧縮し、低層部や複雑な部位は足場で確実に施工する、といった組み合わせです。足場費を抑えられれば、その分だけ自己負担が減り、補助金の効果が相対的に大きくなります。
賃貸物件の場合、足場を長期間架けること自体が入居者にとってのストレスであり、防犯面の不安にもつながります。工期短縮と生活影響の最小化という点でも、無足場のロープアクセスは賃貸オーナーと相性の良い工法です。詳しくは弊社の大規模修繕のご案内やロープアクセス工法のページもご覧ください。
10. よくあるご質問(鎌倉市で賃貸経営をするオーナー編)
Q. 自分が住んでいない賃貸アパートでも、市の耐震改修補助は使えますか。
A. 木造住宅耐震改修工事費等補助金は「市民自らが所有し居住する建築物」が対象とされており、自分が住んでいない純粋な賃貸物件はそのままでは対象外です。まずは建物の状態を診断で数字にする入り方を含め、建築指導課(0467-61-3586)に物件の使い方を正確に伝えて確認してください。
Q. 分譲マンションの一室を投資用に持っています。耐震診断補助は使えますか。
A. マンション耐震診断補助金の申請者は管理組合です。区分所有オーナーは管理組合・理事会を通じて制度を活用する形になります。集会での決議などの運用ルールがあるので、管理会社と早めに共有しておくのがおすすめです。
Q. 賃貸マンションに太陽光や蓄電池を付けたいのですが、市の補助は使えますか。
A. 鎌倉市の住宅用再エネ・省エネ機器等設置費補助金は、対象者に「市内に所有する住宅を他者に貸し出す者」が含まれており、賃貸オーナーも対象になり得ます。ただし共同住宅では居住部分で使う設備に限られ、共用部分は対象外です。予算上限と着工前申請にご注意ください。
Q. 国の補助と市の補助は両方もらえますか。
A. 制度によります。対象工事が違えば併用できる設計のものもあれば、市の住宅用補助と重点対策加速化補助のように併用不可のものもあります。組み合わせの可否は、各制度の最新の要綱で必ず確認してください。
Q. いつ動くのが得ですか。
A. 多くの制度が「予算がなくなり次第終了」の先着順です。鎌倉市の太陽光補助は年度予算600万円、ブロック塀補助の申請は10月末まで、国の各事業も年度後半は枠が埋まりがちです。やると決めたら、年度の早い段階で申請準備に入るのが有利です。
11. 鎌倉市オーナーが取るべき順番:診断 → 計画 → 申請 → 工事
最後に、動き方の順番を整理します。補助金は「工事の前に申請」が大原則で、先に発注すると対象外になる制度がほとんどです。鎌倉市のブロック塀補助も太陽光補助も、交付決定の前に着工してはいけません。これは致命傷になります。
まず、建物の現状を「数字」で把握します。外壁・シーリング・防水・給湯器・窓の状態確認、必要なら耐震診断です。次に、どの工事にどの補助を当てるか、市・県・国の制度を併用可否と申請期間を踏まえて全体設計します。そのうえで、各制度の交付決定を受けてから工事に着手します。
私はこの「補助金を取りに行く工事計画」「工法による総額圧縮」「税務処理の最適化」を、必ずワンセットで考えるべきだとお伝えしています。別々に進めると、せっかくの効果が半分になってしまうからです。
お持ちの鎌倉市内の物件で、まだこうした制度の検討を始めていないオーナーさまは、ぜひ一度ご相談ください。1棟の現地調査と、利回り改善シミュレーション、そして補助金が使える工事の棚卸しだけでも承ります。塩害エリアの物件は、動ける年に動くのが一番得です。ご相談はお問合せフォームから、お気軽にどうぞ。近隣エリアの事例として、平塚市のオーナー向け補助金ガイドや茅ヶ崎市のオーナー向け補助金ガイドもあわせてご覧ください。
出典・参考資料
- 鎌倉市「耐震改修工事等費用の補助制度について」(更新日:2026年4月27日)
- 鎌倉市「マンション耐震診断補助金交付制度について」
- 鎌倉市「危険なブロック塀等の除却費用補助制度について」(更新日:2026年4月10日)
- 鎌倉市「住宅用再生可能エネルギー・省エネ機器等設置費補助金」(更新日:2026年5月15日)
- 鎌倉市「改修工事(耐震・バリアフリー・省エネ)等に伴う減額措置について」
- 神奈川県「令和8年度神奈川県既存住宅省エネ改修事業費補助金」
- 経済産業省 資源エネルギー庁「賃貸集合給湯省エネ2026事業」
- 環境省「先進的窓リノベ2026事業」
- 国土交通省・経済産業省・環境省「住宅省エネ2026キャンペーン」
※本記事の補助金額・要件・期限は2026年6月時点の公開情報に基づきます。各制度は予算上限到達で受付終了となる場合があり、申請前に必ず各窓口で最新情報をご確認ください。本記事は一般的な情報提供であり、税務・法務上の個別判断は税理士・専門家にご相談ください。


