大規模修繕はロープアクセスが提案可能な東京の明誠へ

創業から6000棟超の施工実績

【令和8年度版】江東区のマンション管理計画認定制度|区独自の「防災・地域コミュニティ」基準と手数料4,100円の全手順

【令和8年度版】江東区のマンション管理計画認定制度|区独自の「防災・地域コミュニティ」基準と手数料4,100円の全手順

【令和8年度版】江東区のマンション管理計画認定制度|区独自の「防災・地域コミュニティ」基準と手数料4,100円の全手順

2026年9月15日 更新

「マンション管理士さんに事前確認をお願いして、適合証までもらったんです。それで区に出したら、『まだ書類が足りません』と言われまして」——先日、東陽町のマンションの理事長さまから、そんな電話をいただきました。

私は株式会社明誠の本間幸紘と申します。東京都東大和市を拠点に、20年近くマンション・ビル・ホテルの外壁と向き合ってきました。足場を組む工事も、ロープ1本でぶら下がる無足場の工事も、どちらも自分の手でやってきた人間です。

その理事長さまは、何も間違ったことをしていません。江東区の制度の作りが、他の区と少し違うだけです。

江東区の管理計画認定には、国が定める基準のほかに、江東区独自の認定基準があります。そして、その独自基準の部分はマンション管理士の事前確認の対象外で、区へ別ルートで直接提出することになっています。ここを知らずに進めると、必ず一度つまずきます。

今日は、江東区で管理計画認定を取るときに何が他区と違い、いくらかかり、取ると何が返ってくるのか——この一点に絞ってお話しします。


結論:江東区で認定を取ると何が変わり、いくらかかるか

先に全体像を表でお示しします。

論点 江東区での答え
認定の主体 江東区(マンション管理適正化推進計画を策定済みの特別区)
窓口 江東区 都市整備部 住宅課 住宅指導係(区役所5階1番窓口)/電話 03-3647-9473
所在地 〒135-8383 江東区東陽4丁目11番28号
区への申請手数料 基本4,100円(長期修繕計画が2つ目以降は1計画につき1,800円加算)
別途かかる費用 管理計画認定手続支援システム利用料 10,000円+事前確認審査料
事前確認審査料 パターンにより10,000円、またはマンション管理士との取り決め額
区独自の認定基準 あり(防災対策/地域コミュニティ/都条例の管理状況届出/区の適正化指針)
独自基準の確認者 区が直接審査(マンション管理士の事前確認の対象外)
事前相談 必須(総会決議・事前確認より前に住宅課へ)
有効期間 5年間(満了日の1か月前から満了日までに更新申請)
区独自のご褒美 掲示用の区独自の管理計画認定証を進呈

(出典:江東区「マンション管理計画認定制度」(更新日:2026年9月1日)、江東区「マンション管理計画認定申請の手引き」(PDF・令和6年4月版)国土交通省「マンション管理計画認定制度」

江東区の一番の特徴は、国の16項目に区独自の基準を上乗せしていることです。手数料をゼロにして間口を広げる区もありますが、江東区は4,100円という実費相当を取りつつ、中身の基準を厚くしている。私は「量より質」の設計だと受け止めています。

なお、上記の手引きは令和6年4月版です。区が令和8年9月時点で公開している最新版がこれですが、手数料や様式は改正され得ますので、申請前には必ず住宅課へご確認ください。


認定主体はどこか——江東区は「区が認定する」

管理計画認定制度の認定主体は、マンション管理適正化法に基づく「マンション管理適正化推進計画」を策定した市・特別区です。策定していない町村部は都道府県が担います(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。

江東区は「江東区マンション管理適正化推進計画」を策定済みですので、江東区が認定主体です。東京都に申請するものではありません。

私はこの点を取り違えている理事会に、これまで何度も出会いました。東京都のマンションポータルサイトを見て準備を進めていたら、実は窓口は区だった、というパターンです。江東区内のマンションについては、窓口は区役所5階1番窓口の住宅課住宅指導係、電話03-3647-9473です。

一方で、固定資産税の減額(後述の長寿命化促進税制)の申告先だけは、区ではありません。東京23区の固定資産税は東京都が課税しますので、申告先は物件所在地を管轄する都税事務所——江東区内であれば江東都税事務所(03-3637-7121)になります。

認定は区、減税の申告は都。この二本立てを最初に頭へ入れておくと、後の段取りで慌てずに済みます。


ここが江東区の本題——「区独自基準」という第2の関門

国の基準は5分野、江東区はそこに2分野を足している

国が全国共通で定める認定基準は、(1)管理組合の運営、(2)管理規約、(3)管理組合の経理、(4)長期修繕計画の作成および見直し等、(5)その他——の5分野です。

江東区の認定基準は、ここに「5 防災対策」「6 地域コミュニティ」という分野を独立して立て、さらに「7 その他」の中にも区独自の項目を置いています(出典:江東区「管理計画認定基準」(PDF))。

5 防災対策(次のいずれか1つ以上を実施していること)

選択肢 区に出す確認書類
① 防災マニュアルを作成している 防災マニュアルの写し
② 継続的に年1回以上の防災訓練を実施している 実施が確認できる書類(マンション広報、写真等)
③ 入居者の3日分以上の飲料水・食料・簡易トイレを備蓄している 備蓄品のリスト等
④ 災害時に自発的な活動を行う組織を結成または参加している 活動報告書等

6 地域コミュニティ(両方とも必要)

  • 町会や自治会との連絡担当者を選任していること
  • 管理人の駐在時間や管理会社名、緊急連絡先など管理体制を来訪者の見やすい場所に表示していること(写真等で確認)

7 その他(区独自部分)

  • 「東京におけるマンションの適正な管理の促進に関する条例」の要届出マンションは、管理状況の届出を行っていること
  • 江東区マンション管理適正化指針の趣旨に沿ったものであること

町会との連絡担当者の選任、そして掲示板への管理体制の表示。ここまで踏み込んで基準にしている区は、23区でも多くありません。江東区は湾岸部の広域避難が大きな行政課題ですから、マンション管理を防災と地域の側から捉えている——私はそう理解しています。

なお、連絡担当者について区は「区から個別に紹介することはなく、他に情報を提供することもない」と明記しています。個人情報が外へ出る心配は要りません。

独自基準は「事前確認では見てもらえない」

ここが冒頭の理事長さまがつまずいた点です。

事前確認は、マンション管理センターの事前確認講習を修了したマンション管理士が行いますが、事前確認で確認するのは国が定める基準のみです。区の独自基準は確認されません(出典:江東区「マンション管理計画認定申請の手引き」(PDF))。

では独自基準はどう審査されるのか。「江東区独自基準に係る届出書」とその添付書類を、管理計画認定手続支援サービスを通さず、区へ直接提出する——この二重ルートです。

提出方法は3つあります。

  1. 区役所5階1番窓口へ持参
  2. 区へ郵送(〒135-8383 江東区東陽4-11-28 住宅課住宅指導係)
  3. 電子申請(LoGoフォーム)

順番にも決まりがあります。先にマンション管理センターのシステムで区への認定申請を済ませてから、独自基準の届出書を区へ出してください。逆にすると受け付けてもらえません。

そして江東区は、認定申請を検討している管理組合に対し、総会決議と事前確認より前に、区への事前相談を必ず行うことを求めています。これは形式的な案内ではなく、独自基準の中身を先に確認しておくための実務上の意味がある手順です。

私が理事長さまにお伝えしているのは、「江東区は電話1本の事前相談が一番の時短になる区です」ということです。


国が定める認定基準——江東区でも土台はここ

区の上乗せ分を見てきましたので、土台となる国の基準も押さえておきます(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」江東区「管理計画認定基準」(PDF))。

1)管理組合の運営

  • 管理者等(理事長など)が定められていること
  • 監事が選任されていること
  • 集会(総会)が年1回以上開催されていること

2)管理規約

  • 管理規約が作成されていること
  • 緊急時等の専有部への立ち入り、修繕等の履歴情報の管理について定められていること
  • 財務・管理に関する情報の書面交付(または電磁的方法による提供)について定められていること

3)管理組合の経理

  • 管理費と修繕積立金等の会計が明確に区分されていること
  • 修繕積立金会計から他の会計への充当がされていないこと
  • 直前の事業年度末日時点で、3か月以上の滞納額が全体の1割以内であること

4)長期修繕計画の作成および見直し等

  • 長期修繕計画が「長期修繕計画標準様式」に準拠して作成され、内容と修繕積立金額が総会で決議されていること
  • 長期修繕計画の作成または見直しが7年以内に行われていること
  • 計画期間が30年以上、かつ残存期間内に大規模修繕工事が2回以上含まれていること
  • 将来の一時金徴収を予定していないこと
  • 計画期間全体での修繕積立金の平均額が著しく低額でないこと
  • 計画期間の最終年度において借入金の残高がない計画であること

5)その他(国基準)

  • 組合員名簿・居住者名簿を備え、年1回以上は内容を確認していること

私がこれまで見てきた中で、いちばん引っかかりやすいのが4)の長期修繕計画まわりです。特に「7年以内に見直し」「30年以上・大規模修繕2回以上」「一時金を予定していない」の3つ。これらは書類を揃えるだけでは通りません。中身のある調査・診断を経た計画が必要になります。

補足として、令和9年4月1日から認定基準の見直しと制度の拡充が予定されています。令和8年9月時点では施行前ですので、いま申請される場合は現行基準で進めることになります。


認定の経済効果と、江東区の上乗せ支援

ここからが、理事会で数字として説明しやすいパートです。

① マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)

一定の要件を満たすマンションが長寿命化工事(大規模修繕工事)を実施すると、翌年度の固定資産税(建物部分)が減額されます。減額の割合は6分の1から2分の1の範囲で、東京23区では都の条例で定められた割合が適用されます(出典:国土交通省「マンション長寿命化促進税制」)。

主な要件は、築20年以上・総戸数10戸以上で、管理計画認定を受けている(または助言・指導を受けて長期修繕計画を適切に見直した)こと、そして過去に1回以上の長寿命化工事を実施済みであることです。

適用期限について、正直に申し上げます。 当初は令和7年3月31日までの措置でしたが、令和7年度の税制改正で2年間延長され、現在の適用期限は令和9年3月31日です。つまり令和8年9月の時点で、残りは半年強という計算になります。

大規模修繕は着工までに1年から2年かかるのが普通です。ですから「これから工事を計画して税制に間に合わせる」のは、率直に申し上げて難しい。すでに工事の計画が動いている管理組合が、認定の取得を急ぐ——この順番なら現実的です。延長の有無は毎年度の税制改正で決まりますので、江東都税事務所および住宅課へ最新の取扱いをご確認ください。

② フラット35・共用部分リフォーム融資・すまい・る債

管理計画認定を受けたマンションは、住宅金融支援機構の以下の優遇を受けられます(出典:江東区「マンション管理計画認定制度」住宅金融支援機構「マンション共用部分リフォーム融資」)。

制度 認定による効果 主に効く相手
フラット35(維持保全型) 借入金利の引下げ 住戸を買う・売る区分所有者
マンション共用部分リフォーム融資 借入金利の引下げ 大規模修繕を借入で行う管理組合
マンションすまい・る債 利率の上乗せ 積立てを運用する管理組合

「認定を取ると売りやすくなる」と言われるのは、フラット35のこの仕組みに支えられています。理事会では「自分たちには関係ない」と受け止められがちですが、資産価値の話は区分所有者全員の関心事です。総会での説明順序としては、ここから入ると通りやすいと感じています。

③ 宅配ボックス助成の上限が「2倍」になる

江東区らしい、わかりやすい上乗せがこれです。

区内マンションの共用部分に宅配ボックスを新設する場合、費用の一部が助成されます。

項目 内容
対象 分譲は管理組合(またはこれに準ずるもの)、賃貸はマンション経営者
対象マンション 区内・地階を除く3階以上・総住戸数10戸以上 など
助成額 対象経費の20%(千円未満切捨て)、上限10万円
認定マンションの場合 上限20万円
設置数の条件 総住戸数の1割以上(端数切上げ)
注意 申請時点で工事に着手していないこと/申請年度内に工事完了/予算がなくなり次第終了

(出典:江東区「マンション共用部分への宅配ボックス設置費用の助成」、更新日:2026年1月8日)

令和8年1月8日受付開始の制度で、管理計画認定を受けているマンションは上限が10万円から20万円へ倍になります。金額としては大きくありませんが、「認定を取ると区の助成が手厚くなる」という一番わかりやすい実例です。予算枠がなくなり次第終了とされていますので、令和8年度の残枠は住宅課にご確認ください。

④ マンション管理アドバイザーCコースの派遣料助成

認定の準備そのものに使える助成もあります。

公益財団法人東京都防災・建築まちづくりセンターの「マンション管理アドバイザーCコース(支援編)」を利用して認定基準に関する事項を改善し、認定を取得した管理組合に対し、区が派遣料を助成します。

項目 内容
申請資格 ①Cコースを利用し派遣料を支払った区内管理組合/②法に基づく認定を受けている/③派遣料支払完了日から認定日まで2年以内/④過去にこの助成を受けていない
申請期限 認定を受けた翌日から起算して60日以内
助成額 予算の範囲内で、Cコース利用に係る派遣料(違約金等は対象外)
助成対象コース数 C-1〜C-9のうち2コースまで+C-0およびC-オプション各1コース(最大4コース)

(出典:江東区「マンション管理アドバイザーCコース派遣料助成金パンフレット」(PDF)

Cコースには、C-7「長期修繕計画見直し案及び修繕積立金見直し案に関すること」C-8「大規模修繕工事計画案に関すること」があります。認定基準4)でつまずいている管理組合には、まさにここが効きます。

そして申請期限が「認定の翌日から60日以内」という点。認定通知が来て一安心したところで忘れる期限です。認定申請の段階で、カレンダーに入れておいてください。

なお、Aコース(講座編)とBコース(相談編)は、区のマンションアドバイザー派遣事業無料派遣されています(テキスト代等は自己負担)。派遣希望日の30日前までの申請が必要です。

⑤ マンション計画修繕調査支援事業

長期修繕計画の見直しに必要な調査費用の助成です。

項目 内容
対象住宅 区内の建築後7年以上経過した耐火建築物の民間マンション
対象調査 防水/外壁・内壁・天井・床/鉄製品(設備含む)/給排水管(高架水槽・受水槽含む)
助成額 調査費用(税込)の3分の1(千円未満切捨て)、ただし戸数規模別の限度額まで
重要な条件 調査を実施する1か月前までに申請/10年以内に同助成を受けていないこと

戸数規模別の助成限度額は次のとおりです。

戸数規模 助成限度額 戸数規模 助成限度額
60戸以下 219,000円 201〜300戸 520,000円
61〜90戸 282,000円 301〜400戸 624,000円
91〜120戸 287,000円 401〜500戸 709,000円
121〜200戸 388,000円 501戸以上 793,000円

(出典:江東区「マンション計画修繕調査支援事業」

戸数が大きいほど限度額が上がる設計で、江東区の大規模物件では50万円を超える助成になります。ただし区のこのページの更新日は2023年4月7日です。令和8年度の予算・要件に変更がないかは、申請前に住宅課へ必ずご確認ください。

そして何より、「調査の1か月前までに申請」。この順番を間違えて「もう調査してしまったので助成が使えない」となった管理組合を、私は何度か見ています。

⑥ マンション共用部分リフォーム支援事業(債務保証料の助成)

機構の共用部分リフォーム融資を借りる際の、債務保証料の助成です。

項目 内容
助成額 債務保証料の2分の1(千円未満切捨て)、上限50万円(予算の範囲内)
受付期間 (公財)マンション管理センターと締結した債務保証委託契約の契約日の翌日から90日以内
申込資格 ①区内の分譲マンション管理組合/②機構の共用部分リフォーム融資を受けている/③東京都のマンション改良工事助成制度による交付決定を受けている/④マンション管理センターに債務保証を委託している
注意 区の従前の利子補給制度は令和4年5月末で終了

(出典:江東区「マンション共用部分リフォーム支援事業」

ポイントは条件③です。東京都のマンション改良工事助成制度(利子補給)の交付決定が前提になっているため、都と区の2つの制度を並行して段取りする必要があります。都の改良工事助成は機構の融資と連携した利子補給制度で、募集期間が年度ごとに設定されます(出典:東京都マンションポータルサイト「分譲マンションの修繕への助成」)。

こちらも区のページの更新日が2022年6月1日と古く、令和8年度の運用については住宅課への確認が必須です。古いまとめサイトを見て「江東区は利子補給がある」と計画を立てている管理組合があれば、そこは組み替えが要ります。令和8年度の入口は債務保証料の助成です。

私が一番悔しい思いをするのは、こういう情報の更新漏れで、使えたはずのお金を取り逃がす管理組合を見たときです。


江東区の建物事情と、工法選びの話

制度の話ばかりしてきましたので、現場屋としての話も少しだけさせてください。

江東区は、私の感覚では東京23区の中でもマンションの「世代差」がいちばん激しい区です。

豊洲・東雲・有明・辰巳には、2000年代以降に建った超高層のタワーマンションが林立している。門前仲町・清澄白河・木場のあたりには、中小規模の分譲マンションが密集して建っています。そして亀戸・大島・砂町・南砂には、昭和40年代から50年代の団地型・旧耐震マンションが少なくありません。

足場が組めるかどうか、そもそも足場が現実的かどうかが、まったく違うのです。

湾岸のタワーマンションでは、そもそも高さの面で全面足場が非現実的です。加えて海風による塩害と、強風による仮設足場のリスクという、江東区特有の条件があります。一方、門前仲町や木場の路地裏に建つ中小規模マンションでは、隣地との間が数十センチしかない、前面道路が狭くて資材搬入が難しい——そういう現場では、通常の仮設足場を前提に見積もりを組むと、仮設費だけで工事費の2割から3割を食われます。近隣への越境承諾に何か月もかかることもあります。

こういうときに検討していただきたいのが、ロープアクセス工法(無足場工法)です。産業用ロープで職人が直接壁面に降りて施工する方法で、足場を架けずに外壁補修や塗装、シーリング打ち替えができます。仮設費を圧縮でき、工期も短くなり、何より足場を伝った不法侵入のリスクや、洗濯物が干せない期間を減らせる。居住者の生活への影響がまるで違います。

もちろん万能ではありません。全面打診や大量のタイル張り替えが必要な建物は、足場を組んだほうが結果的に安く確実です。だから私たちは、部位ごとに足場とロープアクセスを使い分けるハイブリッド工法もご提案しています。北側の狭い面だけロープアクセス、南面は足場、という組み方です。

工法の詳しい話は、ロープアクセス工法のご紹介と、専門サイトのロープアクセス工法とは(rope-access-method.com)にまとめてあります。あわせて無足場工法のメリットと適用条件もご覧いただくと、ご自身のマンションで使えるかどうかの見当がつくはずです。

認定との関係でいえば、工法の選択は「修繕積立金の額が計画期間内で足りるか」に直結します。認定基準4)に出てきた、「一時金を予定していない」「最終年度に借入金の残高がない」という条件です。仮設費を圧縮できれば、同じ積立金でも計画が成り立つ。制度と現場は、ここでつながっています。大規模修繕全体の考え方は大規模修繕工事のご紹介にまとめています。


逆算スケジュール——事前相談から認定交付まで

江東区で認定まで持っていく場合の、現実的な時間軸をお示しします。

時期 やること
第0段階 住宅課へ事前相談(必須)。区独自基準の中身と、自分たちの現状を突き合わせる
第1段階(1〜2か月) 理事会で棚卸し。管理規約・総会議事録・長期修繕計画・名簿・防災マニュアル/訓練記録/備蓄リスト町会連絡担当者掲示板の管理体制表示の有無を確認
第2段階(1か月) 長期修繕計画の見直しが必要なら、計画修繕調査支援事業の助成申請(調査の1か月前まで)
第3段階(2〜4か月) 建物調査・診断の実施、長期修繕計画の見直し、修繕積立金の額の再算定
第4段階(総会) 長期修繕計画の総会承認、必要なら管理規約の改正、認定申請の総会決議
第5段階(1〜2か月) マンション管理士等に依頼して事前確認を受け、事前確認適合証を取得
第6段階 管理計画認定手続支援システムから区へ申請 → その後に独自基準の届出書を区へ直接提出
第7段階 手数料4,100円を納入(納入通知書またはオンライン決済)→ 区の審査
第8段階 認定通知書+区独自の認定証が交付。有効期間は5年。Cコース助成を使うなら60日以内に申請

私がいつも理事長さまにお伝えしているのは、「総会が律速になります」ということです。

長期修繕計画の承認も、認定申請の決議も、理事会だけでは決められません。年1回の通常総会に議案として乗せるのが基本です。ということは、総会の3か月前には調査・診断を終えていないと間に合わない。逆算すると、次の総会に乗せたいなら、動き出すのは今です。

そして江東区では、その手前に事前相談というステップが入ります。これは面倒な追加手続きではなく、独自基準で足りない項目を早期に洗い出すための工程だと考えてください。


まとめ——江東区の管理組合が今週動けること3点

長くなりましたので、要点を絞ります。

1. 住宅課に電話して、事前相談の予約を取る

電話は03-3647-9473、区役所5階1番窓口の住宅課住宅指導係です。江東区は総会決議と事前確認の前に事前相談が必須とされています。独自基準の中身を先に聞いておけば、あとの手戻りが激減します。理事長さまお一人で、今週中に動かせます。

2. 「防災」と「地域コミュニティ」の現状を確認する

防災マニュアルはあるか。年1回以上の防災訓練の記録は残っているか。備蓄はあるか。町会・自治会との連絡担当者は決まっているか。管理人の駐在時間や緊急連絡先が、来訪者に見える場所に掲示されているか——。この5つは、掲示板の前に立てば10分で確認できます。江東区では、これが認定の可否を分ける項目です。

3. 長期修繕計画の「最終見直し日」を調べる

認定基準は「7年以内の見直し」です。手元の長期修繕計画の表紙を開いて、日付を見てください。7年を超えていたら、計画修繕調査支援事業(1/3・戸数別限度額)の対象になる可能性があります。ただし調査の1か月前までに申請が条件ですので、調査会社に声をかける前に区へ相談してください。


江東区は、手数料を取り、基準を上乗せし、その代わりに支援と認定証で応える——制度の作り方が一貫している区だと私は感じています。だからこそ、事前相談という最初の一歩が効いてきます。

うちのマンションは足場が組めるのか、湾岸の塩害にはどんな仕様が要るのか、ロープアクセスで何がどこまでできるのか。そういう工法の相談だけでも構いません。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。お問合せフォームから、遠慮なくお声がけください。

次回も、現場で本当に使える話だけをお届けします。


出典・参考資料


補足:都条例の管理状況届出について

江東区の独自基準7⑵に出てきた「管理状況の届出」は、東京都の条例に基づく制度です。

要届出マンションは、昭和58(1983)年12月31日以前に新築された分譲マンションのうち、居住用の独立部分が6戸以上であるもの。これ以外のマンションも任意で届け出ることができます。すでに提出済みの管理組合も、前回の届出から5年以内ごとに更新の届出が必要です(出典:江東区「管理状況届出制度」、更新日:2026年3月2日)。

届出方法は、管理状況届出システムへの入力か、区役所5階1番窓口への郵送・持参です。届出がない場合、条例に基づく調査や指導勧告が行われることがあります。

亀戸・大島・砂町エリアの旧耐震マンションは、この要届出マンションに該当する可能性が高い。認定を目指す前提として、まずここを確認するのが江東区の実務です。


本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月15日時点で公表されている江東区および国土交通省・東京都の公式情報をもとに執筆しています。区の一部のページ(マンション計画修繕調査支援事業/マンション共用部分リフォーム支援事業)は更新日が前年度以前であるため、令和8年度の取扱いは変更されている可能性があります。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず江東区住宅課住宅指導係(03-3647-9473)および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。

免責:本記事は情報提供を目的としたものであり、個別の申請の可否や税額の判断を保証するものではありません。税制の適用については、税理士および所管の都税事務所にご確認ください。


株式会社明誠|東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕工事/足場工法・ロープアクセス工法(無足場工法)・ハイブリッド工法

ロープアクセス工法の詳細はこちら → https://rope-access-method.com/