
江東区の管理組合・オーナーが無料で使える相談と派遣9選|10月3日のよろず相談会は9月18日17時締切、耐震化アドバイザーは8回まで無料
2026年9月15日 更新
「うちは賃貸なので、区の相談窓口は関係ないと思っていました」
先月、東陽町の賃貸マンションのオーナーさまから、そう言われました。築31年、5階建て24戸。外壁の塗り替えをそろそろ考えたいが、どこに聞けばいいのか分からない、というご相談でした。
私は株式会社明誠の本間幸紘と申します。東京都東大和市を拠点に、20年近くマンションやビルの外壁の仕事をしてきました。足場を組む工事も、ロープ1本でぶら下がる無足場の工事も、両方の現場を経験してきた人間です。
このオーナーさまの思い込みは、江東区に限っては外れています。江東区の無料メニューは、分譲マンションの管理組合だけでなく、賃貸マンションの所有者も対象に含めているものが複数あるのです。マンションアドバイザー派遣事業も、10月3日に開かれるマンションよろず相談会も、対象に賃貸オーナーが明記されています。
そしてもうひとつ。そのよろず相談会の申込締切は、2026年9月18日(金曜日)17時です。この記事を公開している時点で、残り3日しかありません。
今日は、江東区のマンション管理組合と賃貸マンションオーナーさまが、お金をかけずに使える相談・派遣を9つ、令和8年度(2026年4月1日から2027年3月31日まで)の情報で整理します。
結論:江東区で無料で使える相談・派遣は9つある
先に一覧でお示しします。
| # | 制度・窓口 | 誰が対応するか | 費用 | 申込先 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | マンションよろず相談会 | マンション管理士・弁護士・一級建築士 | 無料(10月3日・1件1時間) | 住宅課 03-3647-9473 |
| 2 | 分譲マンション無料相談会(区) | マンション管理士 | 無料(毎月第2水曜・1件1時間) | 住宅課 03-3647-9473 |
| 3 | 分譲マンション専門相談(東京都) | 弁護士・一級建築士 | 無料(1回20分) | 区の窓口経由で都へ |
| 4 | マンションアドバイザー派遣事業 | 管理/建替え・改修アドバイザー | 派遣料無料 | 住宅課 03-3647-9473 |
| 5 | 耐震化アドバイザー派遣制度 | 区に登録した建築士 | 無料(同一建物8回まで) | 安全都市づくり課 03-3647-9764 |
| 6 | 建築・測量登記無料相談 | 建築士・土地家屋調査士 | 無料(予約不要) | 建築調整課 03-3647-9754 |
| 7 | 東京都 マンション管理士無料派遣 | マンション管理士 | 無料(防災・認知症 各2回まで) | 東京都マンション管理士会 |
| 8 | 分譲マンション総合相談窓口(東京都) | 相談員 | 無料 | 03-6427-4900 |
| 9 | 消費者相談(江東区消費者センター) | 消費生活相談員 | 無料(予約不要) | 03-3647-9110 |
これに加えて、勉強会や交流会に講師を派遣する「マンション支援事業」、調査費の3分の1を助成する「マンション計画修繕調査支援事業」もあります。後者は費用助成なので9つの外に置きますが、後半で触れます。
ここからが本題です。
1. マンションよろず相談会:管理士・弁護士・建築士が同じ日に揃う
江東区の窓口をひととおり見てきた私の感覚で言うと、この相談会が一番お得です。理由は3つあります。
3職種が同じ日に揃う
区の公式ページには、次のように書かれています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | マンションよろず相談会~集合住宅に関するさまざまなお悩みに対応~ |
| 相談員 | マンション管理士、弁護士、一級建築士 |
| 日時 | 2026年10月3日(土曜日)9時30分~12時30分 |
| 場所 | 文化センター6階 |
| 対象 | 区内の分譲マンションにお住まいの方、区内賃貸マンションのオーナーの方 |
| 定員 | 申込順15件・1件1時間以内 |
| 費用 | 無料 |
| 募集期間 | 2026年9月4日(金曜日)8時30分~9月18日(金曜日)17時まで |
| 申込 | 電話または窓口(住宅課 03-3647-9473) |
(出典:江東区「分譲マンション相談会」/更新日 2026年8月31日)
普通、こういう相談会は職種が1つです。マンション管理士の相談会に行けば、規約や総会の話はできますが、「この外壁はあと何年もつのか」を聞いても専門外です。逆に建築士の相談会では、管理会社との契約の話は踏み込めません。
よろず相談会は、そこが違います。区が示している相談テーマは、維持管理、売買や契約、建築・設備・耐震、隣人トラブル、そして賃貸マンションの維持管理まで。1件1時間という枠も、他の窓口(20分〜30分が多い)と比べて長い。
賃貸マンションのオーナーも対象
冒頭の東陽町のオーナーさまに私がお伝えしたのは、この一点です。「区内賃貸マンションのオーナーの方」が対象に明記されている。区の無料窓口は分譲マンションの管理組合向けが中心ですが、この相談会は違います。
収益不動産として賃貸マンションを持っておられる方は、修繕のタイミングと資金計画を一人で抱え込みがちです。管理組合のように議論する相手がいませんから、判断がすべて自分に返ってくる。だからこそ、外部の専門家に1時間もらえる機会は貴重だと思います。
締切は9月18日17時
申込は9月18日(金曜日)17時まで。定員15件の申込順です。この記事をお読みになった時点で枠が残っているかは分かりませんが、電話1本の確認で済みます。住宅課 03-3647-9473。
もし今回間に合わなくても、次の2で触れる毎月の相談会があります。
2. 分譲マンション無料相談会:毎月第2水曜、1件1時間
区が原則として毎月1回開いている、マンション管理士による無料相談会です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 相談員 | マンション管理士 |
| 対象 | 区内分譲マンションの管理組合役員、区分所有者等 |
| 日時 | 原則毎月第2水曜日の午後 |
| 定員 | 予約制・6件(1件1時間以内) |
| 費用 | 無料 |
| 申込 | 電話または窓口(住宅課 03-3647-9473) |
(出典:江東区「分譲マンション相談会」)
ここで気をつけていただきたいのが、募集期間の告知のされ方です。区のページには、原則として毎月21日号の区報に掲載し、25日頃から第1金曜日までを募集期間としている、と書かれています(GWや年末年始を挟む場合は11日号に掲載されることもあるとの注釈つき)。
つまり、申し込める期間は月の下旬から翌月第1金曜日までの10日ほどしかありません。「来月の理事会の前に相談したい」と思った時点で募集が終わっていた、ということが起こりやすい仕組みです。
私が理事長さまにお勧めしているのは、区報の21日号を毎月見る習慣をつけるか、住宅課に電話して「次回の募集はいつからですか」と先に聞いておくことです。定員6件という枠も、決して大きくありません。
相談時間は1件1時間。冒頭に述べたとおり、他区の相談会が30分のところが多いなかで、江東区は長いほうです。1時間あれば、議事録を広げて具体的な話ができます。
3. 分譲マンション専門相談(東京都):区の相談を受けた次の段階
区の相談会で「これは弁護士や建築士の領域だ」と判断された場合に進める、東京都の相談枠があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施 | 東京都都市整備局 |
| 位置づけ | 区における相談体制の補完 |
| 対象となる相談 | 特に弁護士、一級建築士に相談することが必要と考えられる相談 |
| 弁護士相談 | 月3回 13時〜15時(完全予約制) |
| 建築士相談 | 月1回 13時〜15時(完全予約制) |
| 相談時間 | 1回20分程度 |
| 申込 | 区の窓口を経由して都へ申込 |
(出典:江東区「分譲マンション相談会」)
区のページには、まず区の分譲マンション無料相談会に参加し、東京都での相談が適切と相談員が判断した場合に利用できる、と明記されています。いきなり都に申し込む窓口ではありません。
この順番は、意外と知られていません。「管理会社との契約でもめている」「施工不良の疑いがある」といった、法律や技術の専門性が要る話でも、入口は区の相談会です。2の毎月第2水曜の枠を押さえることが、都の専門相談への通り道になっています。
制度が階段になっている、ということです。私はこれを、理事長さまにホワイトボードに描いてお見せするようにしています。
4. マンションアドバイザー派遣事業:区が派遣料を負担する
ここからが、江東区の主力メニューです。
公益財団法人東京都防災・建築まちづくりセンターが実施する「マンション管理アドバイザー制度」と「マンション建替え・改修アドバイザー制度」のアドバイザーを、区が無料で派遣します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 派遣内容 | マンション管理アドバイザー制度(講座編・相談編)/マンション建替え・改修アドバイザー制度(入門編・検討書の作成) |
| 派遣対象 | 区内の分譲マンション管理組合(管理組合設立に向けて結成された区分所有者の任意の団体を含む)および区内にある賃貸マンションの所有者 |
| 費用 | 派遣料は無料(選択コースにより必要なテキスト代、キャンセル時の違約金等は申請者負担) |
| 申請期限 | 派遣希望日の30日前まで |
| 申請者名義 | 分譲は管理組合理事長名、賃貸は所有者名 |
(出典:江東区「マンションアドバイザー派遣事業」/更新日 2026年3月13日)
ここで押さえていただきたい点が3つあります。
① 管理組合がなくても申請できる
派遣対象に「管理組合設立に向けて結成された区分所有者の任意の団体を含む」とあります。理事会が機能していない、そもそも管理組合がない、という物件でも、設立に向けた任意の団体であれば申請できるということです。
江東区の内陸側、東陽・木場・南砂・大島のあたりには、20戸前後の中層マンションが数多くあります。「うちは組合がないから相談もできない」という思い込みは、ここで外れます。
② 賃貸マンションの所有者も対象
ここでも賃貸オーナーが対象です。江東区の無料メニューの設計思想が、区内のマンションストック全体の維持管理水準を上げることにある、と読めます。
③ 30日前という締切
派遣希望日の30日前まで。1で触れたよろず相談会が「3日後が締切」なのに対して、こちらは「1か月先の予定を今決める」制度です。
理事会の年間スケジュールを立てる段階で、アドバイザーを呼ぶ回を決めておく。これだけで使い勝手がまるで変わります。私が現場で見ていて一番もったいないと感じるのは、「使えたはずの無料枠を、締切を知らずに逃している」ケースです。
なお申請は電子申請にも対応しており、区の公式ページから「江東区マンション【管理】アドバイザー派遣申請」「江東区マンション【建替え・改修】アドバイザー派遣申請」のフォームに進めます。辞退届や完了報告書も電子申請が用意されています。窓口に行く時間が取りにくい理事長さまには、こちらが現実的だと思います。
管理計画認定を目指すならCコースの派遣料助成も
区は、管理計画認定の取得を促進するため、まちづくりセンターのマンション管理アドバイザーCコース(支援編)を利用して管理計画認定を取得した管理組合に、アドバイザー派遣料を助成しています。あわせて、認定を取得した管理組合には、マンション内に掲示できる区独自の管理計画認定証が進呈されます。
(出典:江東区「マンション管理計画認定制度」/更新日 2026年9月1日)
管理計画認定制度は、マンション管理適正化法に基づき、管理状況が一定水準にあることを自治体が認定する制度です。認定を受けると、住宅金融支援機構のフラット35やマンション共用部分リフォーム融資、マンションすまい・る債の優遇、マンション長寿命化促進税制の適用要件への該当といった効果が期待できます。
なお江東区の認定基準には区独自の基準が含まれており、認定基準の資料では該当箇所に下線が引かれています。申請を検討している管理組合は、まず区の住宅課住宅指導係に事前相談を行うよう、区が明記しています。ここは飛ばせません。
5. 耐震化アドバイザー派遣制度:同一建物で8回まで無料
住宅課ではなく、安全都市づくり課が所管している無料派遣です。私は、江東区のメニューのなかでこれが一番「回数が太い」と思っています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 派遣される専門家 | 区が委託した派遣機関(一般社団法人東京都建築士事務所協会江東支部)が選任し、区に登録した建築士 |
| 派遣対象者 | 派遣対象建築物を所有する個人・法人(中小企業に限る)、分譲マンションの管理組合(管理組合法人を含む) |
| 対象建築物 | 昭和56年5月31日以前に建築(工事着工)された非木造の建築物ほか、区の助成要綱に定める建築物 |
| 回数の上限 | 同一の派遣対象建築物につき原則8回 |
| 費用 | 無料 |
| 令和8年度の申請受付期限 | 2026年12月28日(月曜日) |
| 問合せ | 都市整備部 安全都市づくり課 安全都市づくり係 03-3647-9764 |
(出典:江東区「耐震化アドバイザー派遣制度」/更新日 2026年4月1日)
助言の中身は「合意形成」まで含む
区が示しているアドバイザーの業務は、次の3つです。
- 耐震計画、構造及び設備等の建築技術的事項の助言
- 耐震診断・耐震設計及び耐震改修に関する事項等の助言
- 管理組合等の合意形成に関する事項等の助言
3つ目を太字にしました。技術の話だけでなく、総会で決議までもっていくプロセスの助言が業務に入っている。これは大きいと思います。耐震改修が進まない理由は、技術的に難しいからではなく、住民の合意が取れないからであることのほうが多いからです。
提出書類は4点(分譲マンションの場合)
- 耐震化アドバイザー派遣申請書(別記第1号様式)
- 建築確認通知書、検査済証の写し、または台帳記載事項証明書
- 委任状(申請者以外が代理で手続きする場合)
- マンション管理規約の写し
このうち2番の「建築確認通知書、検査済証」が、実務では一番のつまずきどころです。築40年を超える物件では、書類が管理会社の倉庫の奥にあるか、そもそも所在不明ということが起こります。台帳記載事項証明書で代替できますので、早めに確認しておかれるとよいと思います。
なお、令和6年11月1日から新様式になっていますので、申請書は区の公式ページから最新のものをダウンロードしてください。
耐震化の費用助成との併用ができる
区のページには「耐震化の費用助成制度との併用ができます」と明記されています。アドバイザーの助言を受けながら、診断や改修の助成を申請していく流れが想定されています。
受付期限は2026年12月28日。年内です。昭和56年5月31日以前に着工された建物をお持ちの管理組合・オーナーさまは、年度が変わるのを待たずに動かれるほうが確実です。
6. 建築・測量登記無料相談:予約不要で建築士に聞ける
ここまで紹介した窓口は、すべて予約制でした。予約なしで行けるのが、この相談です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 相談員 | 一般社団法人東京都建築士事務所協会江東支部会員、東京土地家屋調査士会江東支部会員 |
| 開催日時 | 原則毎月第2水曜日(8月と2月は第1水曜日)13時00分〜15時00分(受付は14時50分まで) |
| 開催場所 | 原則として区役所庁舎2階ホール(エレベーター前) |
| 相談内容 | 新築・増改築・耐震・空家・大雨浸水の改修等に関するプラン、資金、日照問題、登記、土地測量等 |
| 費用 | 無料 |
| 予約 | 不要 |
(出典:江東区「建築・測量登記無料相談」/更新日 2026年3月16日)
区のページには「設計図面や資料のある方はご持参ください」「事前予約等は必要ありませんので、お気軽にお越しください」と書かれています。
相談テーマに「大雨浸水の改修等」が入っているのが、江東区らしいところだと思います。区の東半分は海抜ゼロメートル地帯を含む低地です。豪雨時の地下ピットや機械式駐車場の浸水、受変電設備の位置といった相談は、この窓口が受け止めてくれます。
なお、2の分譲マンション無料相談会も原則第2水曜日の午後です。日程が重なる月であれば、午前に管理士、午後に建築士、と1日でまとめてしまう使い方も考えられます。開催日は年度によって変わりますので、事前に区の案内チラシでご確認ください。
7. 東京都のマンション管理士無料派遣:防災・認知症の2テーマ
区の制度とは別枠で、東京都が実施している無料派遣があります。防災力向上と認知症対応の研修を受けたマンション管理士が派遣される事業です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 都内に所在するマンション管理組合 |
| 回数 | 防災力向上・認知症対応 各2回まで(無料) |
| 回数の通算 | 令和5〜7年度に本事業の派遣を受けている場合、その回数も上限に含まれる |
| 令和8年度の受付期間 | 2026年6月23日(火曜日)〜2027年2月26日(金曜日) |
| 募集数 | 防災力向上・認知症対応あわせて160件(達したときは新規申込を締切) |
| 申込 | 東京都マンション管理士会のホームページから |
(出典:東京都マンションポータルサイト「分譲マンション向けマンション管理士無料派遣(防災力向上・認知症対応)」)
アドバイスの例として都が挙げているのは、自主防災組織の設置や強化の方法、災害時にも活用できる居住者等名簿の作成、発災時の緊急対応を定める管理規約の整備方法、カード式防災マニュアル等の効果的な手法(防災力向上)、認知症の可能性のある居住者への理解や対応方法、地域包括支援センター等との連携方法、バリアフリー改修を含む長期修繕計画の策定(認知症対応)などです。
江東区は、荒川と隅田川に挟まれた低地と、湾岸の埋立地からなる区です。水害対策は避けて通れないテーマですし、豊洲・東雲・辰巳の大規模マンションでは、初期入居層の高齢化が同時に進みます。防災と高齢化は、江東区の管理組合にとって同じ時期に来る課題です。
注意点は2つ。過去の派遣回数が通算でカウントされることと、160件という募集上限があることです。令和5年度から続いている事業ですので、すでに使っている管理組合は残り回数を確認してから動かれるとよいと思います。
区のアドバイザー派遣(4)と都の無料派遣(7)は別枠です。両方を組み合わせれば、年間で確保できる専門家の時間はかなりのものになります。
8. 分譲マンション総合相談窓口:管理状況届出の相談はここ
東京都には「東京におけるマンションの適正な管理の促進に関する条例」があり、これに基づく管理状況届出制度が令和2年4月から始まっています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 届出が必要なマンション | 昭和58(1983)年12月31日以前に新築された分譲マンションのうち、居住の用に供する独立部分が6戸以上のもの |
| 任意の届出 | これ以外の分譲マンションも任意で届出可能 |
| 更新 | 前回の届出から5年以内ごとに更新の届出が必要 |
| 届出方法 | 管理状況届出システムへの入力、または区への届出書の提出 |
| 届出先(郵送・持参) | 江東区都市整備部住宅課住宅指導係(区役所5階1番窓口) |
| 届出制度の相談 | 分譲マンション総合相談窓口(公益財団法人東京都防災・建築まちづくりセンター)03-6427-4900 |
| 条例に関する問合せ | 東京都住宅政策本部マンション課 03-5320-5004 |
(出典:江東区「「東京におけるマンションの適正な管理の促進に関する条例」に基づく管理状況届出制度」/更新日 2026年3月2日)
区のページには、届出がない場合(更新を含む)、条例に基づき調査または指導勧告を行う場合があると書かれています。これは「使える制度」というより「果たすべき義務」ですが、無料の相談窓口が用意されているという意味で、9つのなかに入れました。
そして私が申し上げたいのは、ここが更新漏れの起きやすい制度だということです。5年以内ごとの更新。理事が1年や2年で交代する管理組合では、5年前に誰が何を届け出たかの記憶が組織から消えています。届出書の控えがファイルに残っていなければ、まず総合相談窓口(03-6427-4900)に電話して、自分のマンションの届出状況を確認するところからです。
9. 消費者相談:管理会社・工事業者とのトラブル窓口
管理組合の相談は住宅課、区分所有者個人の消費者トラブルは消費者センター。窓口が分かれます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 江東区消費者センター 消費者相談 |
| 相談専用ダイヤル | 03-3647-9110 |
| 相談時間 | 9時30分〜16時30分 |
| 休業日 | 日曜日・祝日、第2・第4月曜日(祝日と重なる場合は火曜日も休み)、土曜日不定休、年末年始 |
| 対象 | 江東区在住・在勤・在学の方 |
| 相談方法 | 電話または来所(予約不要) |
| 費用 | 無料(通話料は自己負担) |
(出典:江東区「消費者相談」/更新日 2026年3月31日)
時間外や休館日で急ぐ場合は、東京都消費生活総合センター(03-3235-1155、祝日・年末年始を除く月曜〜土曜の9時〜17時)が案内されています。
私がこの窓口を記事に入れているのには、理由があります。大規模修繕の時期が近づくと、区分所有者のご自宅に「お宅の外壁、危ないですよ」と訪問してくる業者が増えるからです。
足場も組まずに外から見ただけで「危ない」と断定できる範囲は、実はそれほど広くありません。屋上の防水層も、タイルの浮きも、外から見えない部分に本当の劣化が出ます。訪問を受けて不安になった区分所有者の方が、理事会を通さずに個別に契約してしまう。そういう事例を、私は何度か見てきました。
区のページには、相談は原則ご本人からとしたうえで、判断力が低下していたり病気などで電話が難しい場合は、介護や見守りをしている方からの相談も受け付ける、と書かれています。高齢の区分所有者が多いマンションでは、この一文を掲示板に貼っておく価値があると思います。
番外:無料ではないが効く支援
無料ではないので9つの外に置きますが、江東区には費用助成と活動支援のメニューもあります。
マンション計画修繕調査支援事業
大規模修繕の前に行う建物調査の費用を助成する制度です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象住宅 | 区内の建築後7年以上経過した耐火建築物の民間マンション |
| 助成対象 | 防水、外壁・内壁・天井・床などの壁面、鉄製品(設備を含む)、給水管及び排水管に関する調査費 |
| 助成金額 | 調査費用の3分の1(千円未満切捨て)。ただし戸数規模ごとの助成限度額まで |
| 助成限度額 | 60戸以下 219,000円/61〜90戸 282,000円/91〜120戸 287,000円/121〜200戸 388,000円/201〜300戸 520,000円/301〜400戸 624,000円/401〜500戸 709,000円/501戸以上 793,000円 |
| 申込資格 | 10年以内に調査費の助成を受けていないこと、調査を実施する1か月前までに申請すること 等 |
(出典:江東区「マンション計画修繕調査支援事業」)
分譲マンション管理組合の場合は、管理組合が適正に運営されていると認められること、調査の実施について管理組合で決議されていることが条件です。賃貸マンション所有者の場合は、管理が適正に行われていると認められること、住民税または法人税を滞納していないことが条件になります。
注意点:このページの更新日は2023年4月7日です。助成率・限度額・申込資格は年度ごとに変わり得ますので、令和8年度の内容は必ず住宅課(03-3647-9473)にご確認ください。この記事の数字は、あくまで公表されている内容の引き写しです。
もうひとつ実務的な注意を。調査を実施する1か月前までに申請という条件があります。「業者に調査してもらってから助成を申請しよう」という順番では、対象外になります。順番が逆です。4のアドバイザー派遣(30日前まで)と同じで、江東区の制度は「先に区へ、あとから実行」が基本形だとお考えください。
マンション支援事業
管理組合や専門家の情報交換・ネットワーク化を促進するための活動を支援する事業です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 支援対象 | 区内のマンション居住者等の自発的参加の機会が保障されている、集合住宅問題・管理組合運営等に関するセミナー、講演会・勉強会・交流会など |
| 支援基準 | おおむね5つ以上の管理組合等または非営利団体が開催、30名以上の参加見込み、営利活動を目的としないもの 等 |
| 支援の内容 | 講師の派遣、事務用品等の提供(資料用紙、筆記用具、郵送料等) |
(出典:江東区「マンション支援事業」/更新日 2026年2月27日)
これは、1つの管理組合では使えません。近隣の管理組合と組んで勉強会を開く形になります。同じ築年数・同じ工法のマンションが並んでいる地域では、有効な使い方だと思います。
区のセミナー
区は、初めて理事に就任した方向けの「江東区マンション管理基礎セミナー」を例年6月頃に、「マンションセミナー」を例年1月に開催しています。令和8年度の基礎セミナーは2026年6月27日に開催済みで、区のページには来年度も6月頃の開催を予定している旨が記載されています(出典:江東区「江東区マンション管理基礎セミナー」/更新日 2026年6月30日)。
このほか、区の公式サイトには「江東区マンションセミナー(令和8年1月24日)」「江東区マンション再生セミナー(令和8年2月28日)」の案内ページが用意されています。冬に向けて、詳細が順次公開されていくことになります。
何を用意していけばいいか:3点セット+1
無料の窓口へ手ぶらで行くと、一般論しか返ってきません。私が理事長さまに毎回お伝えしているのは、次の3点を持参することです。
3点セット
| # | 書類 | なぜ要るか |
|---|---|---|
| 1 | 総会議事録(直近2〜3年分) | 何が決議済みで何が未決議かが分かる。相談員は最初にここを見る |
| 2 | 長期修繕計画書 | 次の大規模修繕の時期と想定費用の前提が分かる |
| 3 | 管理規約(+使用細則) | 工事の決議要件、専有と共用の区分、理事会の権限が書かれている |
賃貸マンションのオーナーさまの場合は、3の代わりに直近の修繕履歴(いつ、どこを、いくらで直したか)をまとめたメモをお持ちください。
+1:修繕積立金の残高と滞納額
修繕積立金の現在残高と滞納額を数字で言えるようにしておいてください。この2つがあるかないかで、相談の解像度がまるで変わります。
「積立金は足りていますか」と聞かれて「たぶん足りないと思います」と答える理事長さまを、私は何度も見てきました。残高が分からないと、工法の選択肢も絞れません。
写真があればもっといい
外壁のひび割れ、タイルの浮き、鉄部のさび、屋上の防水層の膨れ。スマートフォンで撮った写真で構いません。建築の話をするとき、写真1枚が説明の10分を短縮します。撮影日を記録しておくと、劣化の進み方を後から追えます。
5の耐震化アドバイザーを使う場合は、もう1点
建築確認通知書、検査済証の写し、または台帳記載事項証明書。これは相談の場で出てくる書類ではなく、申請の必須書類です。所在を確認しておかれると、いざ申請という段階で止まりません。
江東区の物件で、私が工法の話を急がない理由
ここで少しだけ工法の話に触れます。
江東区は、性格の違う2つのマンションストックが同居している区です。
ひとつは、湾岸の高層・超高層マンション。豊洲、有明、東雲、辰巳、枝川のあたりです。ここでは、そもそも足場を組むという前提が成り立ちにくい。高さが出るほど仮設足場の費用と工期は跳ね上がりますし、海に近い立地は風の条件も厳しい。塩分を含んだ風にさらされる面と、そうでない面とで、劣化の進み方も変わります。
もうひとつは、内陸の中低層マンション。東陽、木場、南砂、大島、亀戸寄りの一帯です。こちらは隣地との距離が取れない物件が多く、道路も狭い。大型車両の搬入経路が限られる立地で足場を組む前提だけで予算を組むと、見積金額が想定を大きく超えることがあります。仮設足場の費用が工事全体の2割から3割を占めることも珍しくありません。
性格は違いますが、どちらも「足場一択では最適解になりにくい」という点では共通しています。
そこで選択肢に入るのが、ロープアクセス工法(無足場工法)です。産業用ロープで作業員が壁面に取り付き、足場を組まずに塗装や補修を行う工法です。私は「ロープアクセスならいつでも安い」とは申し上げません。全面的にタイルを貼り替えるような工事では、足場のほうが向く場面もあります。私が提案しているのは、部位ごとに足場と無足場を使い分けるハイブリッド工法という選び方です。この考え方は明誠の考え方にまとめています。
無足場工法の技術的な中身、適した建物の条件、安全管理の考え方は、ロープアクセス工法の専門サイト(rope-access-method.com)に整理しています。区の相談会やアドバイザー派遣に行かれる前にこちらのサイトに目を通しておかれると、相談員から引き出せる話の質が上がります。「足場とロープアクセスの使い分けは、うちの建物だとどう考えますか」という質問ができるようになるからです。
ただ、この判断は劣化の実態が分かってからの話です。だから私は、区や都の無料派遣で劣化と工法の考え方を先に聞いていただくことをお勧めしています。工法を決めてから調査する順番では、選択肢が残りません。
管理組合向けのサービス全体像は管理組合さま向けサービスのご案内にまとめてあります。
まとめ:今週動くこと3点
長くなりました。江東区の管理組合の理事長さま、賃貸マンションのオーナーさまが、今週できることを3点に絞ります。
① 9月18日(金)17時までに、10月3日のよろず相談会に申し込む
マンション管理士・弁護士・一級建築士が同じ日に揃い、1件1時間。分譲の区分所有者も賃貸のオーナーも対象です。定員15件の申込順ですので、まず住宅課(03-3647-9473)に電話して枠の有無を確認してください。締切は9月18日(金曜日)17時です。
② 住宅課(03-3647-9473)に、管理状況届出の状況を確認する
昭和58年12月31日以前に新築された6戸以上の分譲マンションは、条例に基づく管理状況の届出が義務です。しかも5年以内ごとに更新が必要です。前回いつ届け出たかが分からなければ、分譲マンション総合相談窓口(03-6427-4900)でも確認できます。あわせて、毎月第2水曜の無料相談会の次回募集期間も聞いておくと、10月以降の動きが決まります。
③ 3点セットを1冊のファイルにまとめる
総会議事録(直近2〜3年分)、長期修繕計画書、管理規約。この3つをファイル1冊にまとめておく。理事が交代しても引き継げます。修繕積立金の残高と滞納額をメモに書き添えておくと、相談の質が変わります。
昭和56年5月31日以前に着工された建物をお持ちなら、耐震化アドバイザー派遣(同一建物8回まで無料、令和8年度の受付期限は2026年12月28日)もあわせてご検討ください。建築確認通知書か検査済証、なければ台帳記載事項証明書の所在確認から始まります。
無料の窓口は、使わなければゼロですが、使えば専門家の時間そのものです。江東区は、よろず相談会が年に数回、毎月の無料相談会が年12回、アドバイザー派遣が派遣料無料、耐震化アドバイザーが8回まで、都の管理士派遣が各2回。これを使い切っている管理組合と、1回も使っていない管理組合の差は、5年後の修繕積立金残高に出ます。
冒頭の東陽町のオーナーさまは、あのあとマンションアドバイザー派遣の申請を出されました。外壁の調査をどこまでやるかの相談は、そこから動き始めています。
大規模修繕の工法や見積書の読み方について、総会前の段階の整理だけでもお力になれることがあります。お問合せフォームからご相談だけでも遠慮なくお声がけください。どの制度をどの順番で使うかの整理からご一緒できます。
出典・参考資料
- 江東区「分譲マンション相談会」(更新日 2026年8月31日)
- 江東区「マンションアドバイザー派遣事業」(更新日 2026年3月13日)
- 江東区「マンション管理計画認定制度」(更新日 2026年9月1日)
- 江東区「「東京におけるマンションの適正な管理の促進に関する条例」に基づく管理状況届出制度」(更新日 2026年3月2日)
- 江東区「耐震化アドバイザー派遣制度」(更新日 2026年4月1日)
- 江東区「建築・測量登記無料相談」(更新日 2026年3月16日)
- 江東区「マンション支援事業」(更新日 2026年2月27日)
- 江東区「マンション計画修繕調査支援事業」(更新日 2023年4月7日)
- 江東区「消費者相談」(更新日 2026年3月31日)
- 江東区「江東区マンション管理基礎セミナー」(更新日 2026年6月30日)
- 東京都マンションポータルサイト「分譲マンション向けマンション管理士無料派遣(防災力向上・認知症対応)」
- (公財)東京都防災・建築まちづくりセンター「マンション管理アドバイザー制度」
- (公財)マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」
- 国土交通省「マンション政策」
本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月15日時点で公表されている江東区および国土交通省・東京都の公式情報をもとに執筆しています。マンション計画修繕調査支援事業のページは更新日が2023年4月で、助成率・限度額・申込資格が現在も同一であることの確認は取れていません。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず江東区および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。
株式会社明誠|東京都東大和市
大規模修繕・足場工法・ロープアクセス工法(無足場工法)・ハイブリッド工法
ロープアクセス工法の専門情報:https://rope-access-method.com/


