大規模修繕はロープアクセスが提案可能な東京の明誠へ

創業から6000棟超の施工実績

忍野村のマンション補助金|大規模修繕2026年度版

忍野村のマンション補助金|大規模修繕2026年度版

忍野村で大規模修繕を検討されている管理組合の理事長さまから、こんなご質問をいただくことがあります。「忍野村に、マンションの大規模修繕に使える補助金はありますか」。

先に結論を申し上げます。忍野村の場合、管理組合が共用部の大規模修繕で使える村の補助金は、現時点で見当たりません。 そのかわり、忍野村には他の自治体にはほとんど無い、もっと手前の論点があります。

それは、外壁の色を塗り替えるだけで、村への届出が要るということです。

忍野村は村全域が景観計画区域に指定されており、建築面積10平方メートルを超える建築物について「外観を変更することとなる修繕もしくは模様替えまたは色彩の変更」が届出対象行為とされています(出典:忍野村「忍野村景観計画」)。大規模修繕の外壁塗り替えは、この文言にまっすぐ当たります。しかも届出は、工事着手予定日の30日前までです。

私はマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を20年以上やってきましたが、「補助金を探す前に、行政手続きの日数を工程表に入れる」必要がある自治体は、そう多くありません。忍野村はその少数派です。この記事では、忍野村の管理組合と賃貸オーナーさまが、令和8年度に実際に使える制度と、使う前にクリアすべき手続きを、一次情報のリンク付きで整理します。

2026年9月18日 更新


結論:忍野村で2026年度に効く打ち手は「村3・県3・国3」

まず全体像を1枚の表にします。忍野村の分譲マンション・賃貸マンションの共用部改修という視点で、実際に効くものだけを並べました。

区分 制度・手続き 共用部の大規模修繕への効き方 窓口
村(手続き) 景観計画行為の届出 ★外壁・屋根の色彩変更で届出が必要。着手30日前まで 忍野村 企画課
村(手続き) 風致地区条例の許可基準 ★該当地区なら色彩がマンセル値で制限される 忍野村 建設課
村(補助) 令和8年度 居住環境整備促進補助金 60%以内・限度額200万円。ただし対象は個人用住宅で令和8年度は受付終了 忍野村 建設課
村(補助) 景観整備推進補助金 指定色への屋根塗り替えが2/3・上限10万円。1世帯1回 忍野村 企画課
村(補助) 木造住宅耐震化補助事業 診断は無料、改修は最大1,437,500円。木造住宅向け 忍野村 建設課
県(義務) 建築基準法第12条の定期報告 ★5階以上かつ1,000平方メートル以上の共同住宅は3年毎。提出は9月30日まで 山梨県 建築住宅課
県(認定) マンション管理計画認定制度 適合証あり3,600円/なし25,500円。町村部は県が窓口 山梨県 建築住宅課
県(相談) マンション管理適正化支援法人 大規模修繕の発注に関する助言が業務に含まれる 山梨県 建築住宅課
国(補助) 住宅・建築物安全ストック形成事業 マンションの耐震改修は国と地方で1/3 村経由
国(税制) 長寿命化促進税制 固定資産税の減額。令和9年3月31日までの完了が期限 村 税務担当
国(融資) マンション共用部分リフォーム融資 住宅金融支援機構の管理組合向け融資 住宅金融支援機構

この表を見て「村の補助金は薄いな」と思われたかもしれません。そのとおりです。ただ、制度が薄いことと、打ち手が無いことは別の話です。忍野村の場合、いちばん金額に響くのは補助金ではなく、工法の選び方と工程の組み方です。そこは記事の後半で具体的な数字とともにお話しします。


忍野村は「補助金より先に届出」の村です

順番を間違えると、工事が止まります。私が忍野村の理事長さまに最初にお伝えするのは、この順番です。

  1. 自分の物件が風致地区に入っているかを確かめる(建設課)
  2. 色彩の制限を確認して、塗料の色を決める(建設課・企画課)
  3. 景観計画行為届出書を、着手予定日の30日前までに出す(企画課)
  4. そのうえで、使える補助金・税制・融資を積む
  5. 工法(足場/ロープアクセス/ハイブリッド)を決めて発注する

一般的な自治体では、1から3が存在しません。存在しないので、総会で工事内容と金額を決議したら、そのまま着工できます。忍野村はそうはいきません。総会決議から着工までに、少なくとも30日の行政期間が挟まります。

ここが工程に効きます。たとえば「6月の総会で決議して、7月着工、11月末完了」という計画を立てていたとします。届出を6月末に出すと、着手できるのは7月末以降です。1か月のずれが、そのまま完了時期を12月末に押し出します。忍野村は12月には気温が下がりますから、この1か月は塗装の可否に直結します。

私はこれを、忍野村の案件では工程表の一番上の行に書くようにしています。


忍野村全域が景観計画区域|外壁の塗り替えが届出対象になる

ここからが本題です。忍野村の景観計画は、村の説明によれば景観計画区域を忍野村全域としています(出典:忍野村「忍野村景観計画」)。つまり、村内のどこに建っているマンションでも、この話は関係します。

届出対象行為の読み方

村が公開している届出対象行為の表から、建築物の行を引きます。

行為の種類 届出対象行為 規模の要件
建築物 新築・増築・改築もしくは移転、外観を変更することとなる修繕もしくは模様替えまたは色彩の変更 建築面積10平方メートル超の建築物

(出典:忍野村「忍野村景観計画」)

読み方のポイントは2つです。

1つ目。「修繕」が名指しで入っています。 新築や増築だけでなく、外観が変わる修繕そのものが対象です。大規模修繕の外壁塗装は、外観を変更する修繕です。

2つ目。「色彩の変更」が独立して並んでいます。 つまり、形を変えなくても色を変えれば対象になり得ます。逆に言えば「まったく同じ色で塗り替えるなら対象外か」という論点が出てきますが、これは村の判断です。私は必ず企画課に電話して確認するよう申し上げています。「同色での塗り替えだから届出は不要だと思っていた」という自己判断が、いちばん危ない考え方です。

3つ目。規模要件が建築面積10平方メートル超です。 マンションで建築面積10平方メートル以下の建物は現実的にありません。忍野村の分譲マンション・賃貸マンションは、規模要件の面では全棟が該当すると考えて差し支えありません。

着手30日前という工程上の意味

村は、住宅を建設する場合の届出について「工事に着手する予定日の30日前までに景観計画行為届出書を記載し、企画課窓口または郵送で提出してください」と案内しています(出典:忍野村「忍野村に住宅を建設する予定です。「景観計画行為届出書」は提出する必要がありますか。」)。

大規模修繕でこの30日をどう見るか。私の実務感覚では、余裕を見て45日から60日を工程に取ります。理由は3つあります。

  • 届出には図面が必要で、その図面を作るのに時間がかかる(後述)
  • 色彩について村と協議が必要になった場合、色を決め直す時間が要る
  • 総会で色を決議している場合、色を変えるとなると再決議の話になる

3つ目がいちばん怖いところです。総会で「外壁はこの色でいきます」と決議しておいて、届出の段階で村から「この色は景観形成基準に合わない」と言われたら、総会をやり直すのかという話になります。だから私は、色は総会の前に村と当たっておくことをお勧めしています。

添付書類「50分の1の彩色立面図」が見積に入っているか

これが、忍野村の大規模修繕で実際にお金が動く論点です。村の景観計画は、建築物の外観変更・色彩変更の届出について、次の添付書類を求めています。

図面の種類 縮尺 明示すべき事項
位置図 2,500分の1以上 方位、行為地など。都市計画図の添付
配置図 100分の1以上 敷地の境界、建築物の位置など
各面の彩色された立面図 50分の1以上 主要部分の材料の種別、仕上がり方法および色彩
現況のカラー写真 2方向以上(行為地を含めた周辺の状況)。撮影位置と方向を記入

(出典:忍野村「忍野村景観計画」)

問題は3行目です。各面の、彩色された、50分の1以上の立面図。

大規模修繕の見積書には、普通この図面が入っていません。改修工事は既存建物が相手ですから、竣工図をそのまま使うか、簡易な部位別の数量表で進めるのが一般的です。50分の1の彩色立面図を各面分作るとなると、設計事務所か施工会社に別途作図してもらう作業になります。

私が理事長さまにお伝えしているのは、この一文です。

「見積書の諸経費または設計業務費の内訳に、景観計画行為届出書の作成費と、各面の彩色立面図の作図費が入っているか、名前を挙げて確認してください」

入っていなければ、着工前に追加費用の話になります。数十万円の規模でも、総会を通した予算に無いものが出てくるのは、理事会にとって気持ちのいい話ではありません。私は忍野村の物件では、この費用を最初から見積に明示するようにしています。

なお、竣工図が残っていない古いマンションの場合、立面図を起こす作業そのものが発生します。築30年以上の物件では竣工図が見つからないことが珍しくありません。竣工図の有無を、修繕委員会の最初の会合で確認しておくと、後が楽になります。


風致地区に入っているとさらに色が縛られる|マンセル値の話

忍野村には、都市計画法に基づく風致地区があります。村は該当地区を具体的に公開しています。

忍野村内の風致地区(忍野村忍草字):奥山尾田/鐘山/六本松/臼久保/上臼久保/立沢/膳棚/出口/高木

除外番地も公開されています(3452-3、3453-1、-2、-3、3464、3465、3467、3469、3470、3471、3472、3472の内1、3473、3474、3475-1、-2、-3、-4)。
(出典:忍野村「風致地区」)

風致地区に入っている場合、許可の基準に色彩の項があります。

項目 基準
建ぺい率 40パーセント以下
高さ 10メートル以下
後退距離 外壁から道路に接する部分2メートル以上、道路に面する部分以外1メートル以上
色彩 屋根、外壁等の最大面積色が、マンセル値で 色相R・YR・Y・GY・G・N、明度3以上7以下(Nは4以上9以下)、彩度4以下
緑地率 10パーセント以上

(出典:忍野村「風致地区」)

マンセル値の読み方(3分で分かる説明)

マンセル値は色を数字で表す方法です。塗料のカタログや色見本帳に「10YR 8.5/1」のように書かれています。読み方はこうです。

  • 色相(しきそう):色の種類。Rが赤、YRが黄赤(オレンジ系)、Yが黄、GYが黄緑、Gが緑、Nが無彩色(白・灰・黒)
  • 明度(めいど):明るさ。0が黒、10が白。数字が大きいほど明るい
  • 彩度(さいど):鮮やかさ。0が無彩色、数字が大きいほど鮮やか

忍野村の風致地区の基準を日本語に訳すと、こうなります。

  • 使える色相は、赤系から緑系まで、あとは白黒灰
  • 青系(B)や紫系(P)は基準の色相に挙がっていない
  • 有彩色(RからGまで)は明度7以下
  • 無彩色(N)だけは明度4以上9以下
  • 鮮やかさは彩度4以下(かなりくすんだ色まで)

一般的なオフホワイトが使えない可能性がある

ここが実務で引っかかります。マンションの外壁でよく使われる色は、ベージュ系やクリーム系のオフホワイトです。マンセル値で言うと、色相は10YRあたり、明度は8.5から9.0あたりになることが多いです。

忍野村の風致地区の基準に当てると、色相が10YR(有彩色)であれば明度は7以下ですから、明度8.5のベージュ系オフホワイトは基準の範囲を外れる読み方になります。一方、同じような見た目でも無彩色のN9に寄せれば明度9まで入るという読み方もできます。

私はこれを、塗料メーカーの担当者を交えて確認します。具体的な進め方はこうです。

  1. 候補色を3つに絞る
  2. 3色それぞれのマンセル値を、塗料メーカーから書面でもらう
  3. そのマンセル値を持って、建設課に「この色は風致地区の基準に入りますか」と確認する
  4. 企画課にも景観形成基準の観点で確認する

「日本塗料工業会の色番号」だけを持って窓口に行っても、話が進まないことがあります。窓口が見たいのはマンセル値です。塗料メーカーは色見本帳のマンセル値換算を持っていますから、聞けば出てきます。

なお、風致地区の運用基準はPDFで公開されています(忍野村風致地区条例運用基準)。条例本文と施行規則も村の例規集で読めます。理事会の資料として、該当部分を印刷して回すと議論が早くなります。

自分の物件が風致地区に入っているか確かめる

これは電話1本で済みます。忍野村建設課(0555-84-7793)に、地番を伝えて「風致地区に入っていますか」と聞くだけです。上に挙げた字名と除外番地の一覧がありますから、村側もすぐ答えられるはずです。

風致地区に入っていなくても、景観計画区域は村全域ですから、届出の話は残ります。「風致地区ではなかったので何もしなくていい」は成り立ちません。 ここを混同されている理事長さまが少なくないので、あえて強めに書いておきます。


忍野村の色を決める3つの手順(景観と修繕を両立させる)

色の話が2か所(風致地区と景観計画)にまたがるので、実務手順として1本にまとめます。

手順1:現況の色を記録する

足場やロープが架かる前に、外壁と屋根の現況色をマンセル値で記録します。塗装会社に「既存色の色合わせ」をしてもらえば出てきます。これがあると、「既存と同系色で塗り替える」という説明が窓口でしやすくなります。

手順2:候補色のマンセル値を3色分そろえる

理事会に出す色の候補を、必ずマンセル値付きで出してもらいます。色見本の紙だけでは行政協議ができません。

手順3:総会の前に窓口と当たる

建設課(風致地区)と企画課(景観計画)の両方に、候補色のマンセル値を持って相談します。総会の議案書に「村と事前相談済み」と書ける状態にしてから総会にかけるのが、私のお勧めです。区分所有者の方々にとっても、「決議した色が後で変わる」ほど不安なことはありません。


令和8年度 居住環境整備促進補助金|60%・限度額200万円というシリーズ最高額

ここで村の補助金に移ります。忍野村には、私がこれまで185の自治体を調べてきた中で限度額が最も大きい住宅リフォーム補助金があります。

制度の中身

項目 内容
制度名 令和8年度 居住環境整備促進補助金交付事業(リフォーム補助金)
補助金額 補助対象工事費の60パーセント以内(限度額200万円)
対象物件 平成25年3月31日以前に建築され、現在居住している建物
対象 一般の個人用住宅のリフォーム
交付回数 1住宅1回のみ
募集件数 令和8年度は20件を限度。超過した場合は抽選
申請期間 令和8年4月8日(水)〜令和8年4月21日(火)土日祝を除く、8時30分〜17時15分
受付状況 令和8年度の受付は終了
書類提出 令和8年11月30日まで(2部)
完了報告 令和9年2月26日まで(2部)
財源 防衛省の調整交付金を一部充当

(出典:忍野村「令和8年度居住環境整備促進補助金交付事業(リフォーム補助金)」/ページ更新日2026年4月22日)

限度額200万円は、私が見てきた中で頭ひとつ抜けています。参考までに、近隣の富士北麓の町では住宅リフォーム補助の上限が10万円台という例もありました。忍野村の200万円は、桁が違います。

必須工事という条件の読み方

ただし、条件があります。村は「下記の必須工事のうち1つ以上行い、必須工事の割合が補助対象工事費の60パーセント以上であること」と定めています。必須工事は7種類です。

必須工事 工事内容
外壁、屋根、天井、または床の断熱に係る改修工事 次世代省エネ基準(平成11年基準)に対応する工事。屋根のみなど一部の実施も対象
窓の断熱に係る改修工事 次世代省エネ基準に対応。1居室のみなど一部の実施も対象
耐震シェルター設置工事 1居室のみの実施も対象
耐震性能の向上に資する工事 壁にすじかい等を設け耐震性能を向上させる工事
バリアフリー改修工事 手すり設置や段差解消など、バリアフリー改修促進税制の対象となる工事
防犯性向上に資する改修工事 「防犯性能の高い建物部品目録」掲載製品を使用した工事
防災・消火性能の向上に資する改修工事 火気使用室内装制限を考慮した改修工事。消火装置は住宅用火災報知機と併せて設置

選択工事として「住宅の居住部分に係る改修工事(必須住宅改修工事とあわせて行う住宅改修工事)」が認められます。

注目していただきたいのは1行目です。「外壁、屋根、天井、または床の断熱に係る改修工事」で、「屋根のみの実施など、一部の実施も対象」と書かれています。外壁と屋根の断熱改修が、必須工事の筆頭に来ています。

管理組合の共用部で使えるか(正直に申し上げます)

正直に申し上げます。この補助金を管理組合が共用部の大規模修繕で使う枠組みは、公表されている要件からは読み取れません。

理由は3つです。

  • 制度の説明が「一般の個人用住宅のリフォーム」から始まっている
  • 対象物件が「現在居住している建物」で、申請に住民票の写しが必要
  • 申請者と対象住宅の所有者が異なる場合は「所有者と申請者が2親等以内の親族であることが分かる公的証明」を求めており、管理組合という法人格を想定した記述が無い

補助対象とならない工事にも「住宅と別棟の倉庫、車庫の工事」「家具等の設置工事」「浄化槽の設置工事」「新築・増築工事」が挙がっていますが、共用部については言及がありません。言及が無いことは、使えるという意味ではなく、確認が必要という意味です。

そのうえで、私が理事長さまにお伝えしている使い方は2つあります。

1つ目:区分所有者の専有部改修として、窓の断熱改修に使う可能性を探る。 窓の断熱改修は必須工事に入っています。分譲マンションの窓は、多くの管理規約で共用部として扱われますが、専用使用権が設定されています。管理組合として窓の一斉更新をやるのか、区分所有者が個別に申請できるのかは、規約と村の判断の両方に関わります。これは村に聞かないと分かりません。

2つ目:賃貸マンションのオーナーさまは、居住要件を確認する。 対象物件が「現在居住している建物」ですから、オーナーさまが自ら住んでいない賃貸物件は、文言上は苦しくなります。ただし、オーナーさま自身が1室に居住している併用型の物件などは、ケースとして相談の余地があるかもしれません。ここも村の判断です。

聞き方の文例を置いておきます。

「忍野村内の分譲マンションの管理組合です。共用部の大規模修繕で外壁と屋根の断熱改修を行う場合、居住環境整備促進補助金の対象になりますか。ならない場合、区分所有者が専有部の窓の断熱改修として個別に申請することは可能でしょうか」

令和8年度は4月の10営業日で受付が終わっていた

ここが、この記事でいちばんお伝えしたい実務の話です。

限度額200万円という手厚い制度が、令和8年4月8日から4月21日までの、土日祝を除く10営業日でしか受け付けられていません。しかも20件を限度とした抽選です。そして村のページには「令和8年度の受付は終了いたしました」と明記されています。

つまり、2026年9月にこの記事を読んで「200万円の補助金があるのか」と思って村に電話しても、令和8年度分は間に合いません。

私がこの制度から学んでほしいことは、金額ではなく仕組みのほうです。

補助金の中には、年度の頭の2週間しか窓が開かないものがある。

大規模修繕は、劣化診断から総会決議までに半年から1年かかります。その工程を「補助金の受付が始まってから考える」と、間に合いません。逆算して、年明けの1月から2月の時点で、翌年度の補助金の受付時期を村に確認しておく。これが、忍野村で200万円の枠を取りに行くための唯一の方法です。

令和9年度の受付があるかどうか、時期が同じかどうかは、公表されていません。私は理事長さまに「1月と3月に建設課へ電話を入れて、翌年度の受付時期を聞いてください」とお願いしています。電話1本で200万円の可能性が開く制度は、そう多くありません。

防衛省の調整交付金という財源の意味

村はこの補助金について「この補助金は防衛省の調整交付金を一部充てています」と明記し、ページに防衛省のエンブレムを掲載しています。忍野村には北富士演習場が関わっており、山梨県には北富士演習場対策課という専任の課があります。

これが何を意味するか。制度の財源が村の一般財源ではなく、国の別の枠から来ているということです。私が一次情報だけから言えるのはここまでですが、財源の性質が違えば、予算規模も継続性も、一般的な市町村のリフォーム補助金とは別の論理で決まると考えるのが自然です。この点も含めて、翌年度の見通しは村に直接確認するのが確実です。


村内業者要件と「建築士が管理代行を行う工事」

忍野村の補助金を読むうえで、もう1つ押さえておきたい条文があります。補助対象工事の施工者要件です。

施工を忍野村内に本店および支店・営業所を有する法人、または、個人事業者(代表者が忍野村に住所を有する個人)が行う工事。もしくは建築士が管理代行を行う工事。

(出典:忍野村「令和8年度居住環境整備促進補助金交付事業」)

前半だけ読むと「村内業者しか使えない」と見えます。人口1万人に届かない村ですから、大規模修繕を請け負える村内業者がどれだけあるかという現実的な問題があります。

しかし後半に「もしくは建築士が管理代行を行う工事」が入っています。これは実務上、かなり大きい一文です。村外の施工会社でも、建築士が工事監理を代行する体制を組めば、対象として読める余地があるということになります。

私はこの種の条文を、シリーズ185件の自治体調査の中で何度か見てきましたが、「村内業者限定」と「建築士の管理代行」を並列で認めている書き方は珍しいほうです。忍野村が、村内の施工能力の限界を制度側で織り込んでいるように読めます。

大規模修繕の場合、設計監理方式(設計事務所が設計と工事監理を担い、施工会社が工事を行う方式)を採れば、建築士の関与は自然に入ります。設計監理方式を選ぶことが、補助金の要件を満たす副産物になるという読み方です。ただし「管理代行」の具体的な要件は村の運用ですから、建設課に確認してください。


木造住宅耐震化補助事業|診断無料・改修最大1,437,500円

忍野村の耐震関係の補助です。マンションの共用部には直接届きませんが、金額が具体的なので整理します。

メニュー 補助額 対象
木造住宅耐震診断 無料 昭和56年5月31日以前に建築、現在も居住、ツーバイフォーを除く2階建て以下
木造住宅耐震改修工事 最大1,437,500円 診断で耐震基準を満たさなかった住宅
木造住宅建替え工事 最大1,437,500円 同上。既存住宅を耐震改修した場合の工事費相当額と建替え工事費の少ない方が基準
耐震シェルター設置工事 最大24万円 一部屋型またはベッド型

(出典:忍野村「木造住宅耐震化補助事業」)

村は「補助金を受けるためには、着手する前に申請が必要になります」と明記しています。事後申請は通りません。

1,437,500円という端数のある金額は、国と県の補助制度の積み上げから出てくる数字です。村は住宅耐震化緊急促進アクションプログラムとして「アクションプログラム2026」を公開しています。

無料の建築物防災出張講座は、理事会で使えます

もう1つ、お金の話ではありませんが使える制度があります。建築物防災出張講座です。

項目 内容
申し込める人 地区やサークルなどの10人以上のグループ
内容 忍野村と山梨県の職員が来て、映像を使って説明。地震のメカニズム、被害想定、建物の耐震診断、耐震改修とその効果、建物耐震の補助金について
所要時間 1時間程度
料金 無料
場所 村内であればどこでも出張

(出典:忍野村「建築物防災出張講座」)

私がこれを使う場面を申し上げます。大規模修繕の合意形成が進まない管理組合で、総会の前に開くのです。

修繕積立金の値上げや一時金の話が絡むと、理事会からの説明は「工事をやりたい側の説明」として受け取られがちです。ところが村と県の職員が来て、地震の被害想定と耐震の話を1時間するだけで、区分所有者の受け取り方が変わります。10人以上集まれば申し込めますから、マンション1棟の理事会と修繕委員会で足りることも多いはずです。

しかも「建物耐震の補助金について」が講座内容に明記されています。村と県の職員から、その場で補助金の話を聞けるわけです。私は施工会社ですから、この場に私が呼ばれる必要はありません。むしろ私がいないほうが、区分所有者の方々は率直に質問できます。


景観整備推進補助金|屋根の指定色塗り替えが2/3・上限10万円

忍野村には、景観のための補助金もあります。大規模修繕の屋根塗装に、直接関係します。

工種 仕様 施工基準 補助対象基本額 補助率 限度額
屋根工事 塗装(瓦葺・鉄板葺) 指定色(F15-20B)への塗り替え。2011年F版塗料用標準色見本帳(ワイド版)/日本塗料工業会 塗装工事費実績額 2/3 10万円
屋根工事 茅葺き替え 茅葺屋根登録制度の登録物件 3万円/坪 2/3 300万円
外構工事 生け垣 公道に面し延長5メートル以上など細かな基準あり 設置工事費実績額ほか 2/3 10万円

(出典:忍野村「景観整備推進補助金交付制度のご案内」/ページ更新日2023年11月27日)

対象となるのは「村内に住所を有し、対象工事に係る建築物などを有しているかた」で「村税などを完納しているかた」です。交付回数は各工事1世帯1回限り。新築は対象外です。

村は「事前着工および施工完了後の申請は認められません」と明記しています。

F15-20Bという指定色が意味すること

この制度でいちばん面白いのは、補助の条件が「村が指定した1色に塗ること」という点です。F15-20Bは、日本塗料工業会の2011年F版塗料用標準色見本帳(ワイド版)の色番号です。

つまり忍野村は、屋根の色を村全体で揃えていく方向に、補助金でインセンティブを付けています。景観計画の「富士山への眺望の確保」「自然環境との調和」という基本方針が、屋根の色という具体的な形で制度化されているわけです。

大規模修繕で屋根を塗る場合、私はこの選択肢を理事会に出します。「村の指定色にすると2/3・上限10万円の補助が付きます。指定色以外にすると補助はありません。どちらにしますか」という形です。上限10万円ですから金額のインパクトは小さいですが、どうせ景観計画の届出で色の協議をするなら、指定色を選んでおけば協議がスムーズになるという副産物があります。

ただし、この補助は「1世帯1回限り」で、対象は「村内に住所を有し建築物を有しているかた」です。管理組合が申請主体になれるかは、村に確認が必要です。ページの更新日が2023年11月27日で令和8年度の記載が無いことも、そのまま申し上げておきます。現行年度の取り扱いは企画課(0555-84-7738)にご確認ください。


忍野村やまなしKAITEKI住宅|最大120万円だが修繕は対象外

村のもう1つの住宅補助です。結論から言うと、大規模修繕には使えません。

項目 内容
交付金額 最大120万円(認定内容等により変動)
対象住宅 忍野村内のやまなしKAITEKI住宅認定制度の認定住宅で、山梨県内に本店を有する建築業者が施工した住宅
対象となる工事 新築、増築または改築
対象者 自ら居住する目的で建築または取得した方。住民登録あり。村税の滞納が無い方
申請期限 認定通知日または購入日から3か月以内
申請方法 建設課窓口へ直接持参(郵送不可
フラット35 【フラット35】地域連携型が利用可能

(出典:忍野村「忍野村やまなしKAITEKI住宅について」/ページ更新日2026年4月1日)

対象となる工事が「新築、増築又は改築」です。大規模修繕は「修繕」であって「改築」ではありません。 建築基準法上の「改築」は、既存建築物の一部または全部を除却して同じ用途・規模のものを建てることを指します。外壁の塗り替えや防水の更新は入りません。

鮮度についての注記

このページには、私が確認した時点で気になる点が1つありました。ページの更新日が2026年4月1日(令和8年度)なのに、申請期間の欄が「令和7年10月1日(水曜日)〜令和8年2月27日(金曜日)」と令和7年度のままになっています。

令和8年度の申請期間が同じ10月からなのか、そもそも令和8年度も制度が続くのかは、このページからは読み取れません。推測で書くわけにはいきませんので、建設課(0555-84-7793)への確認事項として置いておきます。新築を検討されている方は、この1本の電話が120万円に関わります。

制度の詳細は山梨県のやまなしKAITEKI住宅のページとポータルサイトでも確認できます。


山梨県の12条点検|忍野村のマンションにも義務が及びます。しかも期限が近い

ここは急ぎの話です。今日この記事を読まれた方で、該当するマンションの理事長さま・オーナーさまは、この章を最優先で読んでください。

建築基準法第12条は、一定の建築物について、資格者に調査・検査をさせ、その結果を行政に報告する義務を定めています。この「一定の建築物」の範囲は、国の政令と、都道府県の細則の両方で決まります。

山梨県が公開している定期報告対象一覧表から、共同住宅の行を引きます。

区分 指定の主体 対象 報告時期
下宿・共同住宅・寄宿舎 政令指定 ①3階以上にあるもの(100平方メートル超)②2階の対象用途床面積の合計が300平方メートル以上③地階にあるもの(100平方メートル超)/ただし高齢者、障害者等の就寝の用に供するもの(サービス付き高齢者向け住宅)に限る 3年毎
下宿・共同住宅・寄宿舎 県細則指定 ①5階以上の階にあり、かつ、対象用途の床面積の合計が1,000平方メートル以上であるもの 3年毎

(出典:山梨県「定期報告対象一覧表」)

ここが多くの県と決定的に違います

政令指定のほうは、サービス付き高齢者向け住宅などに限定されています。多くの都道府県は、一般の分譲マンションを定期報告の対象から外しています。

ところが山梨県は、県細則で〔下宿、共同住宅、寄宿舎〕を独立して指定し、「5階以上の階にあり、かつ、対象用途の床面積の合計が1,000平方メートル以上」という要件を置いています。サ高住に限るという限定は、この県細則指定の行には付いていません。

つまり、忍野村にある5階以上・延べ1,000平方メートル以上の一般の分譲マンション・賃貸マンションは、3年毎の定期報告の対象になり得ます。

これは、管理組合にとって決して小さな話ではありません。定期報告には、外壁の調査が含まれます。そして外壁の調査は、大規模修繕の劣化診断と実務が重なります。

提出期限は9月30日です

山梨県は「定期報告の提出は、報告年度の4月1日から9月30日までです」と明記しています(出典:山梨県「定期報告制度について」/ページ更新日2026年8月31日)。

この記事の公開日は2026年9月18日です。9月30日まで、残り12日です。

県は「期限内に報告のない場合は、督促をさせていただきます」としています。

項目 内容
提出期限 報告年度の4月1日〜9月30日
提出先 山梨県庁建築住宅課 建築防災担当(甲府市丸の内1-6-1 山梨県庁別館3階)。郵送も可
提出部数 2部(正本1部、副本1部)
提出書類 定期調査(検査)報告書、調査(検査)結果表、概要書、調査(検査)結果図(A3)、関係写真(要是正の場合)
様式 令和7年7月1日施行で改正済み。県のダウンロードページから最新版を取得
代行 一般社団法人山梨県建築設計協会に代行を依頼可能(昇降機・準用工作物を除く)
調査できる資格者 一級建築士、二級建築士、特定建築物調査員
問い合わせ 山梨県建築住宅課 建築防災担当 055-223-1734

ただし「令和8年度が自分の物件の報告年度か」は確認が必要です

3年毎ですから、毎年出すわけではありません。どの年度が報告年度かは、県が公開している定期報告年度一覧表で確認します。

正直に申し上げます。私が確認した限り、この年度一覧表のPDFは令和2年4月作成のもので、令和8年度が共同住宅の報告年度に当たるかどうかを、この表だけから確実に読み取ることができませんでした。推測で「今年です」とも「今年ではありません」とも書けません。

ですので、電話で聞いてください。 聞き方の文例を置きます。

「忍野村にある○階建て・延べ床面積○平方メートルの分譲マンションです。県細則指定の共同住宅として定期報告の対象になりますか。対象の場合、令和8年度は報告年度に当たりますか」

建物の階数と延べ床面積を手元に用意して、055-223-1734 に電話する。それだけです。期限まで12日ですから、来週まで待つ理由がありません。

なお、甲府市内の建築物は甲府市が特定行政庁になりますが、忍野村は県が特定行政庁です。窓口は県で合っています。

12条点検と大規模修繕をワンセットにする

私はこれを、必ずワンセットで提案するようにしています。理由は単純で、外壁の調査を2回やるのは無駄だからです。

定期報告の外壁調査では、タイルやモルタルの浮き・剥落の危険性を見ます。竣工や外壁改修から10年を超えた建物では、全面的な打診調査等が求められる運用になっています。この打診調査は、大規模修繕の劣化診断とほぼ同じ作業です。

打診調査の㎡単価の目安は、私の経験では250円から500円/㎡です。10階建て・外周80メートルのマンションなら外壁面積はおおまかに数千平方メートルになりますから、単価の差がそのまま数十万円の差になります。そして、この調査にどう足場を架けるかで、金額がさらに変わります。

足場を架けて打診調査をやると、調査だけで足場費が発生します。 一方、ロープアクセス工法(産業用ロープで作業員が壁面に降りて作業する無足場工法)なら、足場を架けずに全面打診ができます。私が忍野村のような山間の敷地でロープアクセスを推すのは、この場面です。技術的な詳細は姉妹サイトのロープアクセスドットコムで解説しています。

そして、打診調査の結果は定期報告にも使え、大規模修繕の設計にも使えます。1回の調査で2つの目的を満たす。 これが工法選択で最初に効いてくる部分です。詳しくは明誠のロープアクセス工法のご紹介をご覧ください。


マンション管理計画認定制度|忍野村は山梨県が窓口

管理計画認定制度は、マンションの管理計画が一定の基準を満たす場合に、管理組合が自治体から認定を受けられる制度です。

山梨県は、町村部にあるマンションのみを対象として、令和4年4月1日から認定の受付を開始しています。忍野村は村ですから、窓口は村ではなく山梨県です(出典:山梨県「マンション管理計画認定制度について」/ページ更新日2025年12月24日)。

手数料の21,900円差をどう見るか

申請区分 適合証あり 適合証なし
認定(更新)申請/長期修繕計画が1つ 3,600円 25,500円
長期修繕計画が2以上ある場合の加算 1計画あたり +1,600円 1計画あたり +14,700円
変更認定申請 適合証なし額の1/2(100円未満切捨て)=12,700円

差額は21,900円です。適合証は、公益財団法人マンション管理センターが発行します。県は「1.の方法(適合証を受けてから県へ申請)による申請を原則としています」としています。

私はこの21,900円を、差し戻しで総会日程が崩れるリスクを消すための費用として説明しています。管理計画認定は、管理規約や長期修繕計画の内容が基準を満たしているかを審査されます。自分たちで直接申請して不備を指摘されると、規約や計画の修正が必要になり、修正には総会決議が絡むことがあります。年1回の通常総会を1年待つことになれば、21,900円どころの話ではありません。

県は「認定申請を予定されている場合は、申請の前に建築住宅課企画担当(055-223-1730)へご相談ください」としています。県独自の基準はありません。要綱は山梨県マンション管理計画認定要綱で公開されています。

認定を取ると何が変わるか

認定を取る実利は、主に資金面です。住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資で金利の引き下げが受けられ、マンションすまい・る債の利率にも関係します。また、中古市場で「管理が認定されているマンション」として説明できる材料になります。

なお、このページの更新日は2025年12月24日で、令和7年度中の更新です。手数料は山梨県手数料条例に基づくもので毎年変わる性質のものではありませんが、令和8年度の金額として使う前に、055-223-1730 で確認していただくのが確実です。


マンション管理適正化支援法人|利害関係のない相談先を1つ持ってください

令和7年11月28日に一部施行された改正法により、マンション管理適正化支援法人の制度が動いています。山梨県もマンション管理適正化支援法人についてのページを設けており、町村部は県が登録の窓口になります。

支援法人の業務には、大規模修繕工事の発注等に関する助言が含まれます。

ここで、私は自分の立場を正直に書きます。私は施工会社の代表です。 明誠は大規模修繕工事を受注する会社ですから、私の話には当然ながら利害関係があります。

そのうえで申し上げます。管理組合は、工事を受注しない立場の相談先を1つ持っておくべきです。 私が出す見積が妥当なのか、私が勧める工法が本当にその建物に合っているのか、それを利害関係のない第三者に見てもらう。それで私の提案が落ちることがあっても、それは健全なことだと思っています。

山梨県の建築住宅課企画担当(055-223-1730)に、支援法人の登録状況を聞いてみてください。登録法人がまだ無い場合でも、県が相談先を紹介してくれることがあります。


令和8年度の国の支援策|マンション耐震改修は国と地方で1/3

村の制度が薄い分、国の制度を丁寧に拾います。国土交通省が公表している令和8年度の支援策から、マンションに関係するものを抜きます。

支援 対象 交付率・交付額
住宅・建築物安全ストック形成事業(耐震改修) マンション 国と地方で1/3
同(耐震改修) その他 国と地方で23%
同(耐震診断) 民間実施 国と地方で2/3
同(補強設計等) 民間実施 国と地方で2/3
住宅パッケージ支援(補強設計等+耐震改修または建替え) 密集市街地等(防火改修含む) 175万円
多雪区域 140万円
その他 115万円
住宅・建築物防災力緊急促進事業(令和8年度予算案 国費105億円) 要緊急安全確認大規模建築物(ホテル・旅館、デパート等) 補強設計1/2、耐震改修1/3
要安全確認計画記載建築物(避難路沿道建築物等) 耐震診断1/2、補強設計1/2、耐震改修2/5

(出典:国土交通省「住宅・建築物の耐震改修の支援策(令和8年度)」)

「多雪区域140万円」は忍野村で使えるか

表の中に「多雪区域 140万円」があります。忍野村は富士北麓の標高の高い地域ですから、多雪区域に該当するかどうかが気になるところです。

これは断定を避けます。 多雪区域の指定は建築基準法施行令に基づいて特定行政庁が規則で定めるもので、自治体ごと、場合によっては同じ自治体内でも区域によって異なります。忍野村が多雪区域に該当するかは、建設課(0555-84-7793)か山梨県建築住宅課に確認してください。該当すれば、その他(115万円)との差は25万円です。

融資も押さえておく

住宅金融支援機構のリフォーム融資も、令和8年度の数字が公表されています。

区分 内容
個人向けリフォーム融資 融資限度額1,500万円(住宅部分の工事費が上限)。金利は償還期間10年以内1.90%、11年〜20年以内2.13%(令和8年4月1日現在)
高齢者向け返済特例 融資限度額1,000万円。70歳以上で申し込む場合は無利子化。利用者の死亡時に物件売却等で返済
マンション共用部分リフォーム融資 管理組合向け。詳細は住宅金融支援機構へ

(出典:同上/金利は毎月見直されます)

管理組合向けの「マンション共用部分リフォーム融資」があるという点を、あえて強調しておきます。修繕積立金が足りないから工事を延ばす、という判断をされる管理組合が本当に多いのですが、延ばした結果、劣化が進んで工事費が上がることがあります。融資という選択肢を検討したうえで延ばすのと、知らずに延ばすのは、別のことです。


長寿命化促進税制は令和9年3月31日完了が期限です

マンション長寿命化促進税制は、一定の要件を満たす大規模修繕を行った管理組合のマンションについて、固定資産税を減額する制度です。

期限は令和9年3月31日までに工事が完了していること。この記事の公開日である2026年9月18日から数えると、残り約6か月半です。

私が総会の場で毎回申し上げている注意点が2つあります。

1つ目。減るのは固定資産税だけで、都市計画税は対象外です。 「税金が3分の1になる」という言い方をされることがありますが、正確ではありません。忍野村で都市計画税が課税されているかどうかも含めて、村の税務担当に確認してください。忍野村には都市計画法に基づく風致地区がありますから、都市計画区域は存在します。課税の有無は別問題ですので、村に聞くのが確実です。

2つ目。外壁塗装・床防水・屋根防水を一体で実施することが要件です。 予算の都合で工事を分割発注すると、要件を外すおそれがあります。「今年は外壁だけ、来年は屋上防水」という分割は、資金計画としては理解できますが、税制の要件との関係を必ず設計者に確認してください。

耐震改修促進税制のほうも、令和8年度の数字が出ています。所得税は令和10年12月まで、耐震改修工事に係る標準的な工事費用相当額の10%等を控除。固定資産税は令和13年3月まで、120平方メートル相当部分まで1年間1/2減額です(出典:国土交通省)。


令和8年6月26日の地震|忍野村は震度5弱でした

令和8年6月26日22時28分、山梨県東部・富士五湖でマグニチュード5.6、深さ約20キロメートルの地震が発生しました。最大震度は富士河口湖町で6弱です(出典:気象庁「令和8年6月26日22時29分頃の山梨県東部・富士五湖の地震について」)。

忍野村忍草の観測点では、震度5弱を観測しています。 近隣では大月市御太刀で5強、西桂町小沼・山中湖村山中・鳴沢村役場・富士河口湖町勝山でいずれも5弱でした(出典:公益財団法人地震予知総合研究振興会「2026年6月26日山梨県東部・富士五湖の地震」)。

この記事の公開日から、約2か月半前の出来事です。

震度5弱を受けた建物で、理事会が今月確認すべき5か所

震度5弱は、建物が倒壊するような揺れではありません。ですが、外装の仕上げ材には確実に効きます。私が現場で見てきた順に、確認すべき場所を挙げます。

1. タイルの目地と、タイルの浮き

これが一番厄介です。タイルは、接着層が剥離しても割れません。 下地との接着が切れていても、タイルそのものは平らに並んで見えます。目視では分かりません。打診棒で叩いて音の違いを聴くか、赤外線サーモグラフィで温度差を見るか、どちらかの方法が必要です。

そして、剥離した部分は放置すると広がります。忍野村のような標高の高い地域では、剥離した隙間に入った水が冬に凍って膨張し、春に融けて縮む。これを一冬繰り返すと、剥離範囲が目に見えて広がります。震度5弱を受けた建物で、越冬前にタイルを確認する意味は、ここにあります。

2. 打継ぎ部のシーリング

コンクリートを打った継ぎ目のシーリング(防水のためのゴム状の充填材)は、地震の層間変形で引っ張られます。切れていると、そこから雨水が入ります。

3. バルコニー手すり壁の付け根

手すり壁の根元は、地震で微細なひび割れが入りやすい場所です。ここから入った水は、下階の天井に出ます。

4. パラペット天端と笠木

屋上の立ち上がり部分の天端と、その上の笠木(かさぎ/立ち上がりの上端を覆う部材)です。笠木のジョイント部のシーリングが切れていることがあります。

5. パイプスペース内の配管継手

共用の縦配管が通る空間です。継手の緩みは、すぐには漏れず、数か月してから漏水として出てくることがあります。

理事会でこの話をどう出すか

「地震があったから調査をしましょう」と提案すると、費用の話で止まることがあります。私がお勧めしている出し方は、こうです。

「6月26日の地震で村内は震度5弱でした。大規模修繕の時期が近いなら、劣化診断の実施時期をこの秋に前倒しできないか検討したい」

調査を追加するのではなく、もともとやる予定の劣化診断の時期を前に動かすという議題にします。予算が増えないので、話が進みやすくなります。

漏水が既に出ている場合は、季節を待たずに動いてください。明誠の漏水対応のページに、緊急時の考え方をまとめています。


忍野村の気候と、マンションの劣化のしかた

忍野村は富士北麓の高原に位置します。海沿いの自治体とは、建物の劣化の仕方がまったく違います。方位別に整理します。

部位・方位 忍野村で効く劣化要因 実務上の対応
北面・北東面 日が当たらず乾きにくい。放射冷却で結露。凍結融解の影響が最も大きい 防藻・防カビ性能のある塗料。ひび割れ補修は凍結期前に完了させる
南面・南西面 標高が高く紫外線が強い。日較差が大きい 塗膜の耐候性。シーリングの伸縮疲労
屋上・パラペット 積雪荷重と融雪水。ドレンに水が集中する ドレン周りの防水層の重点確認。ルーフドレンの詰まり点検
バルコニー床 融雪水が滞留しやすい。凍結で防水層が持ち上がる 水勾配の確認。防水層の膨れ
タイル面全般 凍結融解による剥離範囲の拡大 打診または赤外線による全面調査

忍野村で工期が持つ意味

ここが、忍野村の大規模修繕でいちばん金額に効く論点です。

塗装工事には、施工可能な気象条件があります。一般に、気温5℃以下または湿度85%以上では塗装ができません。 これは塗料メーカーの仕様書に書かれている条件で、守らないと塗膜が正常に形成されません。

忍野村の気候でこの条件を当てると、実質的な塗装可能期間は、おおよそ4月から11月に限られます。 12月から3月は、朝晩の気温が下がって作業できない日が増えます。

これが何を意味するか。忍野村では、工期が1か月短くなることが、そのまま「年内に完了できるかどうか」を決めることがあるのです。

年内に終わらなければ、足場は冬を越します。足場のリース費用は月単位で発生しますから、12月から3月の4か月分が上乗せされます。30戸規模のマンションで、足場リースの延長費が月に数十万円という規模になることもあります。工期短縮が、そのまま足場リースの冬越し費用の回避になる。 これが、忍野村でロープアクセス工法やハイブリッド工法を私が推す、いちばん実務的な理由です。

そしてこの話は、冒頭の景観届出の30日とつながります。届出で1か月遅れると、年内完了の可否が変わる。 だから私は、忍野村の案件では工程表の一番上に届出の行を書くのです。


忍野村で「12年周期」は当てはまるか

大規模修繕は12年周期とよく言われます。国土交通省の長期修繕計画作成ガイドラインが示す考え方が広まったものですが、これは全国一律の話ではありません。忍野村の建物では、前倒しすべきサインと、待ってよいサインがあります。

前倒しを検討すべきサイン4つ

  1. タイル面に、叩くと音の違う箇所が複数ある(凍結融解で範囲が広がります)
  2. 北面の外壁に、藻や黒ずみが広がっている(塗膜の防水性能が落ちているサイン)
  3. 屋上のドレン周りに、水がたまった跡がある(融雪水の集中で防水層が傷んでいます)
  4. 6月26日の地震以降、原因不明の漏水が1件でも出ている

待ってよいサイン3つ

  1. 塗膜のチョーキング(手で触ると白い粉が付く現象)は出ているが、ひび割れは0.2ミリ未満
  2. シーリングに硬化は見られるが、切れや剥離はない
  3. タイルの打診で異常音がなく、目地の欠損もない

前倒しサインが2つ以上当てはまるなら、12年を待たずに劣化診断を入れる価値があります。逆に、待ってよいサインが3つそろっているなら、慌てて工事をする必要はありません。私は工事を受注する立場ですが、「まだ早いです」と申し上げる現場は普通にあります。


工法の選び方|足場・ロープアクセス・ハイブリッド

ここで、私の会社の話を少しさせてください。明誠は、3つの工法から建物に合ったものを提案します。

工法 内容 忍野村で向くケース
通常足場工法 従来の仮設足場を架けて施工 中低層、形状が複雑、バルコニー内の作業量が多い
ロープアクセス工法(無足場工法) 産業用ロープで作業員が壁面に降りて施工。足場を架けない 敷地が狭い、傾斜地、足場の設置が難しい、工期短縮を優先する
ハイブリッド工法 部位ごとに足場とロープアクセスを使い分ける 大規模・複雑な物件で総合コストを最適化する

明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法による高所作業について、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業では、過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。IRATA(国際産業ロープアクセス協会)水準の技能訓練を受けた作業員が施工し、日本ロープ高所作業協会の事務局も担当しています。日本で初めてロープアクセス工事のフランチャイズ本部を立ち上げ、塗装・防水・タイル・電気・看板の各分野の専門職が加盟しています。工法別の技術情報はロープアクセスドットコムにまとめています。

忍野村の立地条件と、ロープアクセスの効き方

忍野村の立地条件 ロープアクセスが効く理由
塗装可能期間が4月〜11月に限られる 工期が短縮でき、年内完了の可能性が上がる
敷地に余裕のない物件、傾斜地の物件がある 足場の設置スペースが不要
景観届出で着工が30日以上後ろにずれる 短い工期でずれを吸収できる
12条点検の打診調査が必要な物件がある 足場を架けずに全面打診ができる
富士山への眺望が価値になっている 足場とメッシュシートで眺望が塞がる期間を短くできる

最後の行は、忍野村ならではの話です。富士山が見えることが物件の価値になっている地域で、足場とメッシュシートを3か月架けるのと1.5か月架けるのでは、居住者の方の体感がまったく違います。

ロープアクセス工法は万能ではありません

正直に申し上げます。ロープアクセス工法は万能ではありません。 私が「今回は足場でいきましょう」と申し上げる現場は、普通にあります。

足場が有利な条件は、主に4つです。

  1. バルコニー内部の作業量が多い(床防水の全面更新、手すりの交換など)
  2. 建物の形状が複雑(凹凸が多い、庇が張り出している)
  3. 低層で、外周に足場を架けるスペースが十分ある(足場のほうが作業効率が高い)
  4. 同時に行う工事が多い(サッシ交換、屋上設備の更新などを並行する)

もう1つ、誤解されやすい点を書いておきます。「ロープアクセスなら居住者の立ち入りがゼロになる」というのは正しくありません。 バルコニー内部の作業は、工法にかかわらず立ち入りが必要です。ロープアクセスで減るのは、足場を架けることによる「窓を開けられない期間」「バルコニーに足場が立つ期間」のほうです。ここを曖昧にして契約すると、後で居住者の方からのお叱りを受けるのは、施工会社ではなく理事会です。

料金の考え方は明誠の料金についての考え方に、安全管理の体制は安全管理に書いています。管理組合の方は管理組合向けサービス、賃貸オーナーさまはオーナー向けサービスもご覧ください。これまでの施工事例は施工事例(約6,000棟)からご覧いただけます。


見積書で私が見る5つのポイント(忍野村版)

他社の見積書を理事長さまから見せていただくことがよくあります。忍野村の物件で、私が特に見る5点です。

1. 景観計画行為届出書の作成費と、各面の彩色立面図の作図費が明示されているか

忍野村固有の項目です。「諸経費」に丸められていると、後で追加請求の話になります。金額を明示してもらってください。

2. 仮定数量を超えた分の単価が契約書に書かれているか

改修工事では、タイルの浮きの数量やひび割れの延長を、着工前に正確には出せません。そこで「仮定数量」で契約します。問題は、実際が仮定を超えたときです。契約書にこの一文を入れておいてください。

「タイル浮き補修、ひび割れ補修その他の仮定数量計上項目について、実数が仮定数量を超過した場合の適用単価は、本契約書記載の単価とする。超過分について単価の変更を要する場合は、施工前に監理者の確認と発注者の書面承認を得るものとする。」

3. 足場リースの延長費用の負担が決まっているか

忍野村では、これが年内完了と直結します。天候による工期延長の場合に足場リース延長費をどちらが負担するか、契約書で決めておいてください。

4. 高圧洗浄の排水計画が書かれているか

忍野村には湧水と清流があり、村の景観計画にも「湧水・河川の水質保全」が基本方針として掲げられています。忍草地区水辺景観形成重点区域も設定されています。高圧洗浄の排水を敷地内でどう処理するかを、見積と施工計画書に書いてもらってください。これは忍野村では、近隣対応というより地域の合意に関わる論点です。

5. 監理者と施工会社に資本関係がないか

設計監理方式を採るなら、監理者が施工会社と資本関係にないことを確認してください。監理者は施工の品質を発注者の側から確認する立場です。


モデルケース2本|忍野村の物件で試算する

実際の数字感をお伝えします。物件によって大きく変動しますので、あくまで参考値としてお読みください。

ケース1:忍野八海周辺 築27年・5階建て・28戸

項目 通常足場工法 ハイブリッド工法
工事費の目安 約3,700万円 約3,150万円
差額 約550万円(1戸あたり約20万円)
工期 約4.5か月 約3.5か月

外壁塗装、タイル補修、屋上防水、シーリング更新、バルコニー床防水、鉄部塗装を含む想定です。バルコニー側は足場、道路面と妻面はロープアクセスという使い分けです。工期1か月の短縮で、5月着工なら8月中旬に完了します。

ケース2:村内の傾斜地・築33年・4階建て・18戸

項目 通常足場工法 ロープアクセス主体
工事費の目安 約2,600万円 約2,080万円
差額 約520万円(1戸あたり約29万円)
工期 約4か月 約2.5か月

敷地に高低差があり、足場の架設に地盤の補強が必要になる想定です。ロープアクセス主体にすることで、足場の架設・解体と地盤養生の工程がまるごと落ちます。工期2.5か月なら、8月末に着工しても11月中旬に完了します。 逆に足場で4か月かかると12月末になり、塗装可能期間を外れる可能性が出てきます。

なお、外壁塗装の㎡単価の目安は3,500円から4,500円/㎡、防水は5,000円から8,000円/㎡、打診調査は250円から500円/㎡が私の経験上のレンジです。30戸規模のマンションの大規模修繕の総額は3,500万円から5,000万円、そのうち仮設足場が15%から25%を占めるのが一般的な構成です。この15%から25%が、工法選択で動く部分です。


忍野村と山梨県の窓口一覧

電話をかける前に、この表を手元に置いてください。

用件 窓口 電話番号
景観計画行為の届出、景観整備推進補助金 忍野村 企画課 0555-84-7738
風致地区、リフォーム補助金、木造耐震、KAITEKI住宅、建築確認、防災出張講座 忍野村 建設課 0555-84-7793(FAX 0555-84-7805)
村役場代表 忍野村役場 0555-84-3111(FAX 0555-84-3717)
12条点検(定期報告) 山梨県 建築住宅課 建築防災担当 055-223-1734
管理計画認定、管理適正化支援法人 山梨県 建築住宅課 企画担当 055-223-1730

村役場の所在地は、山梨県南都留郡忍野村忍草1514(本館)です。開庁時間は平日8時30分から17時15分まで(土日祝、年末年始を除く)。

実務メモを1つ。 企画課と建設課は同じ役場です。景観届出(企画課)と風致地区の確認(建設課)は、1回の来庁で両方回れます。一方、県案件は甲府市までの移動になりますから、先に電話で済ませるのが効率的です。忍野村から甲府市までは車で1時間前後かかります。

もう1つ。KAITEKI住宅の補助金は郵送申請を受け付けていません(窓口持参のみ)。新築の方は、窓口に行く日を確保してください。


よくあるご質問

Q. 忍野村に、マンションの大規模修繕に直接使える村の補助金はありますか?

A. 公表されている要件からは、管理組合が共用部の大規模修繕で使える村の補助金は見当たりません。令和8年度居住環境整備促進補助金(60%以内・限度額200万円)は「一般の個人用住宅のリフォーム」が対象で、令和8年度の受付は終了しています。村の制度ではなく、国の耐震改修支援(マンションは国と地方で1/3)、長寿命化促進税制、住宅金融支援機構の共用部分リフォーム融資を組み合わせるのが実務的な進め方です。

Q. 外壁を塗り替えるだけでも、村に届出が必要ですか?

A. 忍野村は村全域が景観計画区域で、建築面積10平方メートル超の建築物について「外観を変更することとなる修繕もしくは模様替えまたは色彩の変更」が届出対象行為とされています。マンションの外壁塗り替えはこれに当たると読めます。着手予定日の30日前までに、企画課(0555-84-7738)へ景観計画行為届出書を提出してください。同色での塗り替えの扱いは村の判断になりますので、企画課にご確認ください。

Q. 届出に必要な図面は、大規模修繕の見積に入っていますか?

A. 多くの場合、入っていません。村は各面の彩色された立面図(50分の1以上)、位置図(2,500分の1以上)、配置図(100分の1以上)、現況カラー写真(2方向以上)を求めています。改修工事の標準的な見積にはこの作図が含まれないことが多いので、「景観計画行為届出書の作成費」と「各面の彩色立面図の作図費」が入っているか、項目名を挙げて確認してください。

Q. 外壁の色は自由に選べますか?

A. 風致地区に入っている場合、屋根・外壁等の最大面積色がマンセル値で制限されます。色相はR・YR・Y・GY・G・N、明度は3以上7以下(無彩色Nは4以上9以下)、彩度は4以下です。マンションでよく使われる明度8以上のベージュ系オフホワイトは、有彩色であれば基準の範囲を外れる読み方になります。候補色のマンセル値を塗料メーカーから書面でもらい、総会の前に建設課(0555-84-7793)へ確認するのが安全です。

Q. 忍野村のマンションも、12条点検(定期報告)の対象になりますか?

A. なり得ます。山梨県は県細則で〔下宿、共同住宅、寄宿舎〕を指定しており、「5階以上の階にあり、かつ、対象用途の床面積の合計が1,000平方メートル以上」のものが3年毎の報告対象です。サービス付き高齢者向け住宅に限るという限定は、この県細則指定には付いていません。提出期限は報告年度の4月1日から9月30日まで。令和8年度が自分の物件の報告年度に当たるかは、県建築住宅課建築防災担当(055-223-1734)にご確認ください。

Q. 管理計画認定の申請窓口は、忍野村ですか山梨県ですか?

A. 山梨県です。山梨県は町村部にあるマンションを対象に、令和4年4月1日から受付を開始しています。手数料は長期修繕計画が1つの場合、適合証あり3,600円、適合証なし25,500円。県独自の基準はありません。申請前に建築住宅課企画担当(055-223-1730)への相談が案内されています。

Q. 令和8年6月の地震で、何か点検したほうがよいですか?

A. 忍野村忍草では震度5弱を観測しています。タイルの浮き、打継ぎ部のシーリング、バルコニー手すり壁の付け根、パラペット天端と笠木、パイプスペース内の配管継手の5か所を確認してください。特にタイルは接着層が剥離しても割れないため目視では分かりません。忍野村では冬の凍結融解で剥離範囲が広がりますので、越冬前の確認に意味があります。すでに大規模修繕の計画がある管理組合は、劣化診断の時期をこの秋に前倒しできないか検討する形で議題にすると、話が進みやすくなります。

Q. ロープアクセス工法にすれば、いくら安くなりますか?

A. 物件により大きく変動しますが、仮設足場は大規模修繕の総額の15%から25%を占めるのが一般的で、この部分が工法選択で動きます。本記事のモデルケースでは、28戸で約550万円(1戸あたり約20万円)、18戸で約520万円(1戸あたり約29万円)の差が出る想定を示しました。忍野村では、これに加えて「年内完了により足場リースの冬越し費用を回避できるか」という金額が乗ります。実際の金額は現地を見ないと出せませんので、概算のお見積は無料でお出ししています。


この記事のポイントまとめ

  • 忍野村は村全域が景観計画区域。外壁の色彩変更は着手30日前までに届出が必要
  • 風致地区では屋根・外壁の色がマンセル値で制限。明度7以下(無彩色は9以下)、彩度4以下
  • 届出の添付書類に50分の1の彩色立面図。見積に作図費が入っているか確認する
  • 村のリフォーム補助金は60%・限度額200万円だが、令和8年度は4月の10営業日で受付終了
  • 5階以上・1,000平方メートル以上の共同住宅は山梨県の12条点検の対象。提出期限は9月30日
  • 管理計画認定は山梨県が窓口。適合証あり3,600円、なし25,500円
  • 国のマンション耐震改修支援は国と地方で1/3。長寿命化促進税制は令和9年3月31日完了が期限
  • 忍野村の塗装可能期間は実質4月〜11月。工期短縮が年内完了と足場リース費に直結する

出典・参考資料

本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月18日時点で公表されている忍野村および国土交通省・山梨県の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず忍野村および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。とくに景観整備推進補助金(ページ更新日2023年11月27日)とやまなしKAITEKI住宅の申請期間(令和7年度の期間が掲載されたまま)は、令和8年度の取り扱いを窓口でご確認ください。


▼ロープアクセス工法・無足場工法の詳細解説はこちら
ロープアクセスドットコム|無足場工法専門メディア


この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年9月18日


忍野村の記事を書きながら、私はこの村の制度設計に少し感心していました。人口1万人に届かない村が、屋根の色を1色に定め、村全域を景観計画区域にし、その一方でリフォーム補助の限度額を200万円まで積んでいる。富士山の見える風景を守るために、ここまで踏み込んでいる自治体は多くありません。

そのぶん、大規模修繕をやる側の手間は増えます。届出があり、色の制約があり、工程に30日が乗ります。ですが私は、これを面倒な話としてお伝えしたくはありません。村が守ろうとしている風景の中に自分の建物が建っているということですから、色をどうするかは、資産価値の話としても筋が通っています。

9月30日の定期報告の期限まで、12日です。該当しそうなマンションの理事長さま・オーナーさまは、055-223-1734に電話1本だけ入れてみてください。それで終わる話かもしれませんし、終わらない話かもしれません。どちらにしても、知らずに督促を受けるより、ずっといい。

色の相談でも、届出の段取りでも、劣化診断の時期の話でも構いません。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。お問合せフォームから、ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。